特許第6941718号(P6941718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6941718
(24)【登録日】2021年9月8日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】タッチパネル及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20210916BHJP
   G06F 3/044 20060101ALN20210916BHJP
【FI】
   G06F3/041 660
   G06F3/041 430
   !G06F3/044 120
   !G06F3/044 130
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-173912(P2020-173912)
(22)【出願日】2020年10月15日
(65)【公開番号】特開2021-103514(P2021-103514A)
(43)【公開日】2021年7月15日
【審査請求日】2020年10月15日
(31)【優先権主張番号】201911341855.X
(32)【優先日】2019年12月24日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519308156
【氏名又は名称】ティーピーケイ アドバンスド ソリューションズ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】TPK ADVANCED SOLUTIONS INC
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】シュー ウェイヨウ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ウェイチェン
(72)【発明者】
【氏名】チャン リャンイー
(72)【発明者】
【氏名】チェン ハンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー ホーチエン
【審査官】 岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−153289(JP,A)
【文献】 特開2016−018482(JP,A)
【文献】 特開2011−134878(JP,A)
【文献】 特開2006−222163(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/009784(WO,A1)
【文献】 特開2016−085870(JP,A)
【文献】 特開2012−237746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041−3/047
H01B 5/00−5/16
H05K 3/10−3/26
H05K 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを形成する方法であって、
可視領域及び周辺領域を含む基板を用意する工程と、
金属層を形成する工程であって、
前記基板の前処理を実行し、
前記基板の表面の1つ以上の特性を調整し、
前記基板の前記表面上に触媒中心を形成し、
前記触媒中心の活性を調整し、
前記基板の前記表面上に無電解めっきを実行して、前記金属層を形成する工程と、
金属ナノワイヤ層の第1部分が前記可視領域に位置し、金属ナノワイヤ層の第2部分が前記周辺領域に位置するように、金属ナノワイヤ層を形成する工程と、
前記金属層及び前記金属ナノワイヤ層をエッチングするエッチング液を使用して、前記金属層を複数の周辺リード配線に形成すると同時に、前記金属ナノワイヤ層の前記第2部分を複数のエッチング層に形成するパターニングプロセスを実行する工程と、
を含む、
方法。
【請求項2】
前記パターニングプロセスを実行する工程は、前記エッチング液を使用して、前記金属ナノワイヤ層の前記第1部分をタッチ感知電極に形成することをさらに含み、
前記タッチ感知電極は、前記基板の前記可視領域に配置され、前記周辺リード配線に電気的に接続される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターニングプロセスを実行する工程は、前記エッチング液を用いて前記金属層を複数の指定部に形成することをさらに含み、
前記エッチング層は、複数の第1カバー及び複数の第2カバーを含み、複数の前記第1カバーのそれぞれの第1カバーは、複数の前記周辺リード配線の対応する周辺リード配線上に配置され、複数の前記第2カバーのそれぞれの第2カバーは、複数の指定部の対応する指定部上に配置される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
フィルム層を形成することをさらに含む、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記基板の前処理を実行することは、前記基板の洗浄、脱脂、粗面化を含む、
請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記基板の前記表面の1つ以上の特性を調整することは、前記表面の表面電位、表面張力、及び親水性を調整することを含む、
請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記基板の前記表面の1つ以上の特性を調整することは、前記表面を正に帯電させることを含む、
請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記基板の前記表面上に前記触媒中心を形成することは、
コロイド状金属活性溶液を用意し、
コロイド状金属活性溶液のコロイド状金属を前記表面に付着させ、第1活性を有する前記触媒中心を形成することを含む、
請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記触媒中心の活性を調節することは、前記コロイド状金属活性溶液のコロイドを除去して、第2活性を有する前記触媒中心を形成することを含み、
前記第2活性は前記第1活性よりも高い、
請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、前記基板の1つの面又は2つの対向する面上で実行される、
請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年12月24日に出願された中国特許出願第201911341855.X号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、タッチパネル及びその形成方法に関する。より詳細には、本発明は、無電解めっき金属層を有するタッチパネル及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、透明導電体は、光を通過させると同時に適切な導電性を与えることができるため、多くのディスプレイ又はタッチ関連デバイスにしばしば使用される。一般に、透明導電体は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化カドミウムスズ(CTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)などの様々な金属酸化物とすることができる。しかしながら、これらの金属酸化物は、ディスプレイデバイスの柔軟性要件を満たすことができない。従って、ナノワイヤのような材料で作られた透明導電体のような、様々な可撓性透明導電体が開発されている。さらに、周辺領域のトレースは、従来、タッチ関連装置において無電解めっきによって形成される。無電解めっきプロセスを開始する前に、無電解層の成長を促進するために、基板上に触媒層を形成する必要がある。現状、触媒層を形成するための薬液や製造プロセスのコストが高く、薬液を得ることが容易ではなく、製造プロセスに大きな問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第105320369号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第103412688号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第105448423号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のナノワイヤプロセス技術において解決されるべき多くの問題が依然として存在する。例えば、ナノワイヤは、タッチ電極を作成するために使用され、ナノワイヤが周辺領域の配線(トレース)と位置合わせされるときに、アライメントエラー領域を確保する必要がある。アライメントエラー領域は、周辺領域の配線のサイズを小さくすることができず、周辺領域の幅を大きくする。特に、ロールツーロール法を用いる場合には、基板の変形によりアライメントエラー領域の大きさがより大きくなる(例えば150μm)ため、周辺領域の最小幅は2.5 mm程度となり、ディスプレイの狭額縁化の要求を満たさなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、基板を用意する工程と、金属層を形成する工程と、金属ナノワイヤ層を形成する工程と、パターニングプロセスを実行する工程とを含む、タッチパネルを形成する方法を提供する。基板は、可視領域及び周辺領域を含む。金属層を形成する工程は、基板の前処理を実行し、基板の表面の1つ以上の特性を調整し、基板の表面上に触媒中心を形成し、触媒中心の活性を調整し、基板の表面上に無電解めっきを実行して、金属層を形成することを含む。金属ナノワイヤ層の第1部分は、可視領域に位置し、金属ナノワイヤ層の第2部分及び金属層は周辺領域に位置する。金属層及び金属ナノワイヤ層をエッチングするエッチング液を使用して、金属層を複数の周辺リード配線に形成すると同時に、金属ナノワイヤ層の第2部分を複数のエッチング層に形成する。
【0007】
本開示は、タッチパネルを形成する方法を提供する。この方法は、基板を用意する工程と、金属層を形成する工程と、金属ナノワイヤ層を形成する工程と、金属ナノワイヤ層を、可視領域に位置し、周辺リード配線に電気的に接続されるタッチ感知電極に形成するためのパターニングプロセスを実行する工程とを含む。基板は、可視領域及び周辺領域を含む。金属層を形成する工程は、基板の前処理を実行することと、基板の表面の1つ以上の特性を調整することと、基板の表面上に触媒中心を形成することと、触媒中心の活性を調整することと、基板の表面上に無電解めっきを実行して、パターンを含み、周辺領域に位置する複数の周辺リード配線を形成する金属層を形成することとを含む。
【0008】
本発明はまた、上述の方法によって形成されたタッチパネルを提供する。
【0009】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明のいずれも、実施例によるものであり、請求される開示のさらなる説明を提供することを意図していることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示は、添付の図面を参照して、以下の実施形態の詳細な説明を読むことによって、より完全に理解することができる。
【0011】
図1A】本開示のいくつかの実施形態によるタッチパネル形成方法の概略図である。
図1B】本開示のいくつかの実施形態によるタッチパネル形成方法の概略図である。
図1C】本開示のいくつかの実施形態によるタッチパネル形成方法の概略図である。
【0012】
図2A】本開示のいくつかの実施形態によるタッチパネルの概略上面図である。
【0013】
図2B図2Aの線A−Aに沿った概略断面図である。
【0014】
図2C図2Aの線B−Bに沿った概略断面図である。
【0015】
図3】本開示のいくつかの実施形態によって組み立てられた後のタッチパネル及びフレキシブル回路基板の概略上面図である。
【0016】
図4】本開示の他の実施形態によるタッチパネルの概略図である。
【0017】
図5A】本開示の他の実施形態によるタッチパネルの概略上面図である。
【0018】
図5B図5Aの線C−Cに沿った概略断面図である。
【0019】
図6】本開示の他の実施形態によるタッチパネルの概略上面図である。
【0020】
図7】本開示の他の実施形態によるタッチパネルの概略上面図である。
【0021】
図8】本開示の他の実施形態によるタッチパネルの概略図である。
【0022】
図9】本開示による無電解めっき法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に例示されている、本開示の実施形態を詳細に参照する。可能な限り、同一の参照番号は、図面及び説明において、同一又は同様の部分を指すために使用される。
【0024】
本明細書で使用される「約(about)」又は「おおよそ(approximately)」に関して、値の誤差又は範囲は、一般に20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内である。ここに記載されていない場合、その値は近似値、すなわち「約」や「おおよそ」で示されるような誤差や範囲があるものとする。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態は、従来のプロセスの触媒層を省略することができる無電解めっき方法を提供する。この工程は、図9に示すように、基板の前処理、基板の表面の特性の調整、基板の表面への触媒中心の形成、触媒中心の活性の調整、及び基板の表面への無電解めっきの実行を含む。上記方法の具体的な要素は以下の通りである。
【0026】
基板の前処理は、洗浄、脱脂、及び粗面化を含むことができるが、これらに限定されない。基板は、透明基板であることが好ましい。詳細には、基板は、剛性透明基板又は可撓性透明基板であってもよい。基板は、ガラス、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、及び無色ポリイミド(CPI)などの透明材料から選択され得る。前処理工程は、基板表面の洗浄又は脱脂を達成するために弱塩基溶液を使用してもよく、又は基板表面の粗さを増加させるために過酸化水素処理を使用してもよい。前処理工程は、基板上に残っている弱塩基溶液を中和するために、基板を弱酸溶液に浸漬するなどの中和工程をさらに含んでもよい。
【0027】
基板の表面の特性の調整には、表面電位、表面張力、親水性(濡れ性)等の調整が含まれるが、これらに限定されない。例えば、少なくともカチオン性界面活性剤、金属イオン等を含む調整溶液を提供し、調整溶液の処理後に基板の表面を正に帯電させる。調整溶液の処理はまた、表面張力を低下させ、親水性を増加させ得る。前記調整液は弱塩基であってもよい。
【0028】
基板の表面への触媒中心の形成は、限定されるものではないが、塩化パラジウム、塩酸、塩化スズ(II)、テトラシアノパラジウム酸カリウム及び/又は添加剤を含むコロイド状パラジウム活性溶液などのコロイド状金属活性溶液を提供することを含み得る。他の実施形態では、コロイド状パラジウム活性溶液は、HCl(100−500ml/L)、SnCl(8−20g/L)、及びPdCl(0.01−1g/L)を含む酸性溶液であり得る。コロイド状パラジウム活性溶液としては、例えば、パラジウム(Pd)、スズイオン(Sn2+)、塩化物イオン(Cl)などが挙げられ、塩化パラジウムスズ化合物(例えばPd(SnCl))コロイド粒子となる。コロイド粒子は酸性溶液中で安定であり、コロイド粒子のサイズは約10−1−10−3μmである。コロイド状パラジウム活性溶液中に基板を浸漬すると、基板は、まず、コロイド状パラジウム活性溶液中のスズイオン(Sn2+)を吸着し、次いで、溶液中の塩化物イオン(Cl)を吸着するか、又は基板表面の正電荷によって溶液中の塩化物イオン(Cl)を吸着する。そして、スズと塩化物を含む塩化物吸着フィルム層を形成し、このフィルム層に溶液調製時に生成されたコロイド状パラジウム粒子を吸着させる。その結果、基板の表面にコロイド状のパラジウム粒子が形成される。ある条件に達すると酸化還元反応が起こり、触媒中心として伝導性金属元素パラジウムが生成する。しかしながら、コロイドのために、触媒中心(すなわち、金属元素パラジウム)の活性が影響を受け、それは、より低い活性(低反応性)を有する第1活性状態にある。一実施形態では、コロイド状銅活性溶液又はコロイド状銅/パラジウム混合活性溶液を用いて、基板表面上に触媒中心を形成することができる。他の実施形態では、基板は、塩化物イオン及び酸性環境を提供して、過剰な水分及び不純物が前述のコロイド状金属活性溶液に運ばれるのを防ぐことができる塩酸などの弱酸触媒に浸漬されてもよい。一実施形態において、コロイド状金属活性溶液での基板の処理条件は、室温(すなわち、18〜24℃)とすることができ、時間は、例えば、10秒、30秒、60秒、2分、5分、又は10分とすることができる。
【0029】
触媒中心の活性の調節は、コロイドを除去する(この工程は解膠(decollide)工程又は加速(acceleration)工程とも呼ばれる)ことができる溶液を提供することを含み得るが、これに限定されない。溶液はコロイドと反応して塩素とスズを除去し、触媒中心(金属元素パラジウム等)を露出する。すなわち、解膠プロセスにより、触媒中心(金属元素パラジウム等)の周りのコロイド(スズ(II)など)が溶解し、より高い触媒活性を有する触媒中心が露出する。そして、触媒中心は、より高い活性(高反応性)を有する第2活性状態にある。
【0030】
無電解めっき層を形成するための基板表面の無電解めっきとしては、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき、無電解銅ニッケルめっきなどが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、銅層は、無電解めっきによって基板表面上に堆積される。外部電流がない場合、無電解めっきでは、めっき液中の金属イオンを金属触媒により表面にめっきされた金属に還元するために、適切な還元剤を使用する。このプロセスは無電解めっきと呼ばれ、化学めっきや自己触媒めっきとも呼ばれる。具体的には、例えば、硫酸銅を主成分とするめっき液を用いることができ、めっき液の組成は、硫酸銅5g/L、エチレンジアミン四酢酸12g/L、ホルムアルデヒド5g/Lであってもよいが、これらに限定されるものではない。無電解銅めっき液のpHは、水酸化ナトリウムを用いて約11〜13に調整することができる。めっき浴の温度は約50℃〜70℃であり、浸漬反応時間は1〜5分である。無電解めっき反応中、銅材料は、触媒中心(金属元素パラジウム等)上で核形成し、その後、銅の自己触媒作用によって銅膜を成長し続けることができる。一実施形態では、触媒中心(金属元素パラジウム等)は、無電解ニッケルめっき溶液中で触媒として作用し、ニッケルの生成を促進する。
【0031】
他の実施形態では、触媒中心は、基板の表面の一部に形成されてもよい。例えば、基板表面の一部の領域を最初にマスクし、露出部分が上述の触媒中心を形成してもよい。これにより、無電解めっき層も触媒中心を有する領域に形成され、特定のパターンを含む。
【0032】
上記のプロセスによれば、本開示の実施形態は、従来のプロセスにおける化学堆積前の触媒層の必要性によって生じる欠点を解決するために、触媒を含まない化学堆積(無電解めっき)を使用する。
【0033】
最初に図2A図2Cを参照すると、本開示のいくつかの実施形態による、タッチパネル100の概略上面図及び断面図が示されている。タッチパネル100は、基板110と、周辺リード配線120と、第1カバーC1と、タッチ検知電極TEとを備えており、図2Aを参照すると、基板110は、可視領域VAと、周辺領域PAとを有する。周辺領域PAは、可視領域VAの側部に配置されている。例えば、周辺領域PAは、可視領域VAの周囲に配置されたフレームであってもよい(つまり、右側、左側、上側、及び下側をカバーする)。他の実施形態では、周辺領域PAは、可視領域VAの左側及び下側に設けられたL字状の領域であってもよい。図2Aに示すように、周辺リード配線120と、基板110の周辺領域PAに設けられた周辺リード配線120に対応する第1カバーC1との合計8組が設けられている。タッチ検知電極TEは、基板110の可視領域VAに設けられている。
【0034】
第1カバーC1を周辺リード配線120の上面124に設けることにより、上下の材料層が、第1カバーC1と周辺リード配線120とをアライメントなしで所定の位置に形成することができ、プロセス中のアライメントエラー領域の必要性を低減又は回避することができる。このため、周辺領域PAの幅を狭くすることができ、ディスプレイの狭額縁目標を達成することができる。
【0035】
タッチパネル100は、さらに、指定部140及び第2カバーC2を含む。図2Aを参照すると、指定部140と、基板110の周辺領域PAに配置された指定部140に対応する第2カバーC2との2つのセットが設けられている。上述した数の周辺リード配線120、指定部140、第1カバーC1、第2カバーC2、及びタッチ感知電極TEは、1つ以上であり得る。以下の特定の実施形態及び図面に描かれた数は、例示の目的のみのためのものであり、本開示を限定するものではない。
【0036】
具体的には、図1A〜1Cを参照すると、タッチパネル100は、本開示のいくつかの実施形態において、以下の方法によって製造することができる。まず、所定の周辺領域PAと可視領域VAとを含む基板110(前述の基板も参照)を用意する。そして、(図1Aに示すように)周辺領域PAに金属層MLを形成する。その後、(図1Bに示すように)周辺領域PA及び可視領域VAに金属ナノワイヤ層NWLを形成する。次に、(図1Cに示すように)金属ナノワイヤ層NWL上にパターン層PLを形成する。そして、パターン層PLを用いてパターニング工程を行い、パターン化金属層ML及びパターン化金属ナノワイヤ層NWLを形成する。
【0037】
図1Aを参照すると、金属層MLは、基板110の周辺領域PAに形成される。その後、金属層MLをパターン化して周辺リード配線とすることができる。詳細には、本開示のいくつかの実施態様において、金属層MLは、上述のプロセスによって製造される化学堆積層であってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、金属層MLは、上記の触媒中心の形成及び無電解めっきのプロセスによって、可視領域VAではなく、周辺領域PAに直接かつ選択的に形成されてもよい。また、金属層MLは、周辺領域PAと可視領域VAとに連続層として形成した後、可視領域VAに位置する金属層MLをエッチング等により除去してもよい。あるいは、周辺領域PAに触媒中心(金属元素パラジウム等)を所定のパターンで形成した後、そのパターンによって金属層MLを形成してもよい。換言すれば、金属層MLは、実施形態において図2Aに示されるストリップパターンを既に有する。以下の実施形態では、例として、基板110の周辺領域PA上に(パターンなしで)選択的に堆積された化学銅層について説明する。
【0039】
図1Bを参照すると、少なくとも、銀ナノワイヤ層、金ナノワイヤ層、又は銅ナノワイヤ層などの金属ナノワイヤを含む金属ナノワイヤ層NWLが、周辺領域PA及び可視領域VAを被覆する。金属ナノワイヤ層NWLの第1部分は、可視領域VAにある。第1部分は、主に基板110上に形成され、周辺領域PAの第2部分は、主に金属層ML上に形成される。ある実施形態では、特定の方法は、基板110上に金属ナノワイヤの分散液又はインクをコーティングし、金属ナノワイヤを乾燥させて基板110及び金属層MLの表面を覆い、基板110及び金属層ML上に配置された金属ナノワイヤ層NWLをさらに形成する。上述の硬化(curing)/乾燥(drying)工程の後、溶媒及び他の物質は揮発され、金属ナノワイヤが基板110及び金属層MLの表面にランダムに分布する。好ましくは、金属ナノワイヤは、基板110及び金属層MLの表面に脱落することなく固定され、金属ナノワイヤ層NWLを形成する。金属ナノワイヤは、互いに接触して連続的な電流経路を提供し、それによって導電性ネットワークを形成することができる。
【0040】
本開示のいくつかの実施形態において、上記分散液は、水、アルコール、ケトン、エーテル、炭化水素、又は芳香族溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)であり得る。また、上記分散液は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、2−ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、スルホン酸塩、硫酸塩、ジスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、リン酸エステル、フッ素系界面活性剤等の添加剤、界面活性剤、接着剤を含んでいてもよい。金属ナノワイヤを含む分散液又はインクは、限定されるものではないが、スクリーン印刷、スプレーコーティング、ローラーコーティング、及び他のプロセスなどの任意の方法で、基板110及び金属層MLの表面上に形成されてもよい。一実施形態では、ロールツーロール(RTR)プロセスを使用して、金属ナノワイヤを含む分散液又はインクを、連続的に供給される基板110及び金属層MLの表面上にコーティングされ得る。
【0041】
本明細書における「金属ナノワイヤ」は、複数の元素金属、金属合金、又は金属化合物(金属酸化物を含む)を含む金属ワイヤの集合体を指す総称である。金属ナノワイヤの数は、本開示によって請求される保護範囲に影響を及ぼさない。金属ナノワイヤの少なくとも1つの断面寸法(すなわち、断面の直径)は、約500nm未満、好ましくは約100nm未満、より好ましくは約50nm未満である。本開示において「ワイヤ」と称される金属ナノ構造体は、主に高いアスペクト比、例えば約10〜10万を有する。より具体的には、アスペクト比(長さ:断面の直径)は、約10より大きく、好ましくは約50より大きく、より好ましくは約100より大きくすることができる。金属ナノワイヤは、限定されるものではないが、銀、金、銅、ニッケル、及び金めっきされた銀を含む任意の金属であり得る。上記の寸法及び高アスペクト比を有する他の用語、例えば、シルク、ファイバー又はチューブ(例えばカーボンナノチューブ)もまた、本開示の範囲内である。
【0042】
図1Cを参照すると、パターン層PLが金属ナノワイヤ層NWL上に形成される。一実施形態において、パターン層PLは、フォトレジスト、ドライフィルムなどを用いたフォトリソグラフィ及びエッチングプロセスによって形成され得る。一実施形態では、パターン層PLは、フレキソ印刷技術によって直接、パターン化された構造で、金属ナノワイヤ層NWL上に形成されてもよい。具体的には、パターン層PLは、レリーフ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷によって形成することができ、被印刷材は、金属ナノワイヤ層NWL上に所定のパターンで転写される。印刷技術法によって形成されるパターン層PLは、露光現像やエッチング等の処理によって形成される側面とは異なる印刷側面を含んでいてもよい。一実施形態では、材料が金属ナノワイヤ層NWL上に印刷された後、硬化工程が、材料特性に従って実施されてもよい。
【0043】
パターン層PLは、上述した方法により周辺領域PAに形成されてもよいし、周辺領域PA及び可視領域VAに形成されてもよい。周辺領域PAに位置するパターン層PL(第2パターン層とも呼ばれる)は、周辺領域PAのエッチングマスクとみなされ、以下の工程で、周辺領域PAにおける金属ナノワイヤ層NWL及び金属層MLのパターニングに用いられる。可視領域VAに位置するパターン層PL(第1パターン層とも呼ばれる)は、可視領域VAのエッチングマスクとみなされ、以下の工程で、可視領域VAにおける金属ナノワイヤ層NWLをパターニングするために用いられる。
【0044】
本開示の実施形態は、パターン層PL(すなわち、上述の被印刷材)の材料を限定しない。例えば、材料は、種々のタイプのフォトレジスト材料、アンダーコート材料、オーバーコート材料、保護層材料、及び絶縁層材料を含むポリマー材料を含むことができる。ポリマー材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、アミノ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。材料特性に関して、パターン層PLの材料は、光硬化性又は熱硬化性であってもよい。一実施形態では、パターン層PLの材料は、約200から1500cpsの粘度及び約30重量%から100重量%の固形分を有する。
【0045】
その後、パターニング工程が実行される。パターニング工程の後、図2Aに示すタッチパネル100を製造することができる。一実施形態では、パターン層PL(第2パターン層とも見なされる)によって形成されたエッチングマスクを用いて、金属ナノワイヤ層NWL及び金属層MLを同時にエッチングすることができるエッチング液を周辺領域PAにおいて使用して、パターン化金属層ML及び金属ナノワイヤ層NWLを一工程で生成する。図2A、2Cに示すように、周辺領域PAに形成されたパターン化金属層MLが周辺リード配線120であり、パターン化金属ナノワイヤ層NWLがエッチング層を構成する。本実施形態のエッチング層は、周辺リード配線120上に位置するため、第1カバーC1とも呼ばれる。すなわち、パターニング後、周辺領域PAには、金属ナノワイヤ層NWLの第2部分を含む第1カバーC1と、金属層MLを含む周辺リード配線120とが形成される。
【0046】
他の実施形態では、金属ナノワイヤ層NWLの第2部分を含むエッチング層と、金属層MLを含む指定部140を有する周辺リード配線120とが、周辺領域PA(図2A、2B、2Cを参照)に形成されてもよい。そして、エッチング層は、第1カバーC1及び第2カバーC2を含み、第1カバーC1は、対応する周辺リード配線120上に配置され、第2カバーC2は、対応する指定部140上に配置される。一実施形態では、金属ナノワイヤ層NWL及び金属層MLを同時にエッチングすることができ、これは、エッチング媒体の、金属ナノワイヤ層NWL及び金属層MLに対するエッチング速度の比が、約0.1〜10又は0.01〜100であることを意味する。
【0047】
特定の一実施形態によれば、金属ナノワイヤ層NWLが銀ナノワイヤ層であり、金属層MLが化学銅層である場合、銅及び銀をエッチングするためにエッチング液を使用することができる。例えば、エッチング液の主成分はHPO(約55質量%〜70質量%)及び、HNO(約5質量%〜15質量%)であり、銅及び銀材料を一工程で除去する。他の特定の実施形態では、銅及び銀のエッチング速度を調整するために、エッチング選択性調整剤などの添加剤をエッチング液の主成分に添加してもよい。例えば、銅のオーバーエッチングの問題を解決するために、約5%〜10%のベンゾトリアゾール(BTA)をHPO(約55%〜70%)及びHNO(約5%〜15%)の主成分に添加してもよい。他の具体的な実施形態では、エッチング液の主成分は、塩化第二鉄/硝酸又はリン酸/過酸化水素である。
【0048】
パターニング工程は、可視領域VAにおいて金属ナノワイヤ層NWLを同時にパターニングする工程をさらに含んでもよい。言い換えると、図1Cに示すように、可視領域VAにおける金属ナノワイヤ層NWLの第1部分を、パターン層PL(すなわち、第1パターン層)によって形成されたエッチングマスクを用いて上述のエッチング液でパターニングし、可視領域VAにタッチ感知電極TEを形成することができる。タッチ感知電極TEを周辺リード配線120に電気的に接続され得る。具体的には、タッチ感知電極TEは、少なくとも1つの金属ナノワイヤを含む金属ナノワイヤ層であってもよい。すなわち、パターン化金属ナノワイヤ層NWLは、可視領域VAにタッチ感知電極TEを形成し、周辺領域PAに第1カバーC1を形成する。したがって、タッチ感知電極TEは、第1カバーC1によって周辺リード配線120に接触し、信号伝送のための周辺リード配線120と電気的接続を達成することができる。また、金属ナノワイヤ層NWLは、周辺領域PAにおけて、指定部140の上面144に第2カバーC2を形成することができる。指定部140は、非電気機能(non-electrical functions)のパターンとして広く解釈することができるが、指定部140はこれに限定されない。本開示のいくつかの実施態様において、周辺リード配線120及び指定部140は、同じ金属層ML(すなわち、触媒中心が形成された化学銅めっき層のような同一の金属材料)で形成することができる。タッチ感知電極TE、第1カバーC1及び第2カバーC2は、同じ金属ナノワイヤ層NWLから形成されてもよい。
【0049】
一実施形態では、可視領域VA及び周辺領域PAに位置する金属ナノワイヤ層NWLは、異なるエッチング工程(異なるエッチング液の使用)によってパターニングされてもよい。例えば、金属ナノワイヤ層NWLが銀ナノワイヤ層であり、金属層MLが無電解銅めっき層である場合、可視領域VAに用いられるエッチング液は、銅ではなく銀をエッチングするためのエッチング液であり得る。換言すれば、銀のエッチング液のエッチング速度は、銅のエッチング速度の約100倍、約1000倍、又は約1万倍である。
【0050】
1つの特定の実施形態によれば、パターン層PLは、構造内に残り得る材料から選択することができる。すなわち、上述したエッチング工程の後、パターン層PLは除去されない。例えば、パターン層PLは、可視領域VAにおけるタッチ感知電極TEの透過率を約88%から94%の間、ヘイズ比を約0−2の間、及び表面抵抗を約10−150オーム/スクエアの間に維持するために、高い光透過率、低い誘電率、及び低いヘイズを有する光硬化性材料であり得る。上述したパターン層PLの光電特性により、パターン層PLと金属ナノワイヤ層NWLとの組み合わせは、可視領域VAにおける光学的及びタッチセンシングの要件を満たす。一実施形態では、硬化工程(紫外線硬化等)がさらに含まれ得る。硬化後、可視領域VAにおけるタッチ検知電極TEとパターン層PLは、より高い導電率と光透過率を有する複合構造を形成することができる。例えば、複合構造の可視光(例えば、約400nm〜700nmの波長)の透過率は約80%より大きく、表面抵抗は約10から1000オーム/スクエアであり得る。好ましくは、複合構造の可視光(例えば、約400nm〜700nmの波長)の透過率は、約85%より大きく、表面抵抗は約50オーム/スクエアから500オーム/スクエアの間であり得る。
【0051】
1つの特定の実施形態によれば、パターン層PLを除去することができる。さらに、パターン層PLを除去した後、フィルム層を塗布してもよい。フィルム層は、金属ナノワイヤ層NWL(第1カバーC1、第2カバーC2、又はタッチ感知電極TEなど)との複合構造を形成することができ、複合構造は、基板110とタッチ感知電極TE、第1カバーC1、又は第2カバーC2との間の接着を提供する、又はより良好な物理的機械的強度を提供するなどの、特定の化学的、機械的、及び光学的特性を有することができる。したがって、フィルム層はマトリックスとも呼ばれる。一方、特定のポリマーを用いてフィルム層を形成することにより、タッチ感知電極TE、第1カバーC1、及び第2カバーC2は、擦傷及び摩耗に対して付加的な表面保護を有することができる。この場合、フィルム層はオーバーコートとも呼ばれる。フィルム層の材料、例えば、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリシラン、ポリシロキサン、ポリ(ケイ素アクリル酸)等は、タッチ感知電極TE、第1カバーC1、及び第2カバーC2をより高い表面強度及び改善された耐擦傷性を有することを可能にする。しかしながら、上述の特徴は、フィルム層の可能な付加的な機能/名称のみであり、本開示を制限することを意図していない。フィルム層を形成するために使用されるポリマーは、硬化される前に、又は硬化前の状態で金属ナノワイヤの間を貫通して、充填剤を形成し得ることに留意されたい。ポリマーが硬化すると、金属ナノワイヤがフィルム層に埋め込まれる。換言すれば、本開示は、フィルム層と金属ナノワイヤ層NWL(第1カバーC1、第2カバーC2、又はタッチ感知電極TEなど)との間の構造を限定することを意図するものではなく、層状構造、埋め込み構造、又はそれらの組み合わせであってもよい。また、パターニング工程の前にフィルム層を形成してもよい。
【0052】
図2Aは、本開示の一実施形態によるタッチパネル100の概略上面図を示す。図2B、2Cは、それぞれ、図2Aの線A−A及び線B−Bの間の断面図である。まず、図2Bを参照すると、図2Bに示すように、周辺リード配線120及び指定部140は、周辺領域PAに配置され、第1カバーC1及び第2カバーC2は、それぞれ、周辺リード配線120の上面124及び指定部140の上面144を覆う。本開示のいくつかの実施形態では、金属ナノワイヤは、銀ナノワイヤであり得る。なお、説明の便宜上、ここでは周辺リード配線120及び指定部140の断面を四角形(例えば、図2Bに描かれた長方形)としているが、実際の用途に応じて、周辺リード配線120の側面122及び上面124、並びに指定部140の側面142及び上面144の構造又は数を変更してもよく、本明細書の説明及び図に限定されるものではない。
【0053】
本実施形態では、指定部140は、アライメント指定部である周辺領域PAの(図2Aに示される)接合部BAに配置されている。すなわち、指定部140は、フレキシブル回路基板とタッチパネル100との接続工程(ボンディング工程と見なされる)において、外部回路基板(図3に示されるフレキシブル回路基板170)とタッチパネル100とを位置合わせするためのマークである。しかしながら、本開示は、指定部140の配置又は機能を制限しない。例えば、指定部140は、本開示によってすべて保護されている、プロセスにおいて要求される任意の検査マーク、パターン、又はリファレンス設計であり得る。指定部140は、円、四角形、十字、L字型、T字型等の任意の可能な形状を含煮える。一方、周辺リード配線120の接合部BA内に延びる部分もボンディング部と呼ぶことができる。先の実施形態と同様に、接合部BAにおけるボンディング部の上面も、第1カバーC1によって覆われている。
【0054】
図2B、2Cに示すように、非導電領域136が周辺領域PA内の隣接する周辺リード配線120間に存在し、隣接する周辺リード配線120を電気的に絶縁して短絡を回避する。すなわち、隣接する周辺リード配線120の側面122間には、非導電領域136が存在し、本実施形態では、非導電領域136は、隣接する周辺リード配線120を絶縁するためのギャップである。上記ギャップは、パターン層PLを用いたエッチングによって形成され得る。このため、周辺リード配線120の側面122と第1カバーC1の側面C1Lは、同時にエッチングされた面であり、互いに整合している。すなわち、パターン層PLの側面を基準として、周辺リード配線120の側面122及び第1カバーC1の側面C1Lは、一回のエッチング工程でパターン層PLの側面に合わせて形成される。同様に、指定部140の側面142と第2カバーC2の側面C2Lは、同時にエッチングされた面であり、互いに整合している。一実施形態において、第1カバーC1の側面C1L及び第2カバーC2の側面C2Lは、上述のエッチング工程により、それら上に金属ナノワイヤを含まなくてもよい。また、周辺リード配線120と第1カバーC1とは、同一又は類似のパターン及びサイズ、例えば、同一又は類似の幅を有する長い直線パターンを有していてもよい。指定部140及び第2カバーC2はまた、同一又は類似の半径を有する円、同一又は類似の辺長を有する四角形、又は他の同一又は類似の十字、L字形、T字形パターンなど、同一又は類似のパターン及びサイズを有してもよい。
【0055】
図2Cに示すように、可視領域VA内の隣接するタッチ感知電極TEの間に非導電領域136を設けて、隣接するタッチ感知電極TEを電気的に絶縁し、短絡を回避することができる。すなわち、隣接するタッチ感知電極TEの側壁間には、非導電領域136が形成され得る。本実施形態では、非導電領域136は、隣接するタッチ感知電極TEを絶縁するためのギャップである。一実施形態では、上述したエッチング方法を用いて、隣接するタッチ感知電極TE間にギャップを形成することができる。本実施形態では、タッチ感知電極TEと第1カバーC1とが同じ金属ナノワイヤ層NWL(銀ナノワイヤ層等)で形成され得、可視領域VAと周辺領域PAとの間の接合部に金属ナノワイヤ層NWLが登坂構造(climbing structure)を形成し得る。登坂構造は、周辺リード配線120の上面124上に形成され、第1カバーC1となる金属ナノワイヤ層NWLを形成する。
【0056】
本開示のいくつかの実施形態では、タッチパネル100の第1カバーC1は、周辺リード配線120の上面124に配置され得る。また、第1カバーC1と周辺リード配線120とを一回のエッチング工程で形成することにより、その工程でのアライメントエラー領域を小さくしたり、回避したりすることができ、周辺領域PAの幅を小さくしてディスプレイの狭額縁の要求に対応することができる。具体的には、本開示のいくつかの実施形態におけるタッチパネル100の周辺リード配線120の幅は約5μm〜30μmであり、隣接する周辺リード配線120間の距離は約5μm〜30μmである。あるいは、タッチパネル100の周辺リード配線120の幅は約3μm〜20μmであり、隣接する周辺リード配線120間の距離は約3μm〜20μmである。また、周辺領域PAの幅も2mm未満とすることができ、従来のタッチパネルに比べてフレームサイズを約20%以上縮小することができる。
【0057】
本開示のいくつかの実施態様において、タッチパネル100は、第2カバーC2及び指定部140をさらに含む。第2カバーC2は、指定部140の上面144に配置され、第2カバーC2と指定部140とは、一回のエッチング工程で形成される。
【0058】
図3は、フレキシブル回路基板170とタッチパネル100との位置合わせ後の組立構造を示しており、フレキシブル回路基板170の電極パッド(不図示)は、(異方導電性接着剤等の図示しない)導電性接着剤によって、基板110上に位置する接合部BA内の周辺リード配線120に電気的に接続されてもよい。いくつかの実施態様において、接合部BAに位置する第1カバーC1は、周辺リード配線120を露出する開口部(不図示)を含むことができ、導電性接着剤(異方導電性接着剤等)は、第1カバーC1の開口部に充填されて、周辺リード配線120に直接接触し、導電経路を形成することができる。本実施形態では、タッチ感知電極TEを非千鳥状に配置してもよい。例えば、タッチ感知電極TEは、第1方向D1に沿って延び、第2方向D2における幅の変化を含み、他のタッチ感知電極TEと干渉しないストリップ電極であってもよい。他の実施形態では、タッチ感知電極TEは、任意の適切な形状を含み、本開示の範囲を限定すべきではない。本実施形態では、タッチ検知電極TEは単層構造であり、各タッチ検知電極TEの静電容量値の変化を検出することでタッチ位置を求めることができる。さらに、パターン層PLとタッチ検知電極TEは、第1方向D1に沿って延在し、第2方向D2における幅の変化を同一又は同様のサイズで含む上述のストリップ電極のように、同一又は類似のパターン及び大きさを含むことができる。
【0059】
本発明では、上記の方法を基板110の両面に適用して、両面タッチパネル100を作製することもでき、例えば、以下の方法により形成することができる。まず、図4に示すように、所定の周辺領域PAと可視領域VAとを含む基板110を用意する。そして、前述した無電解めっき法による触媒中心を用いて、基板110の両側の第1面及び対向する第2面(上面、下面等)に金属層MLを形成する。金属層MLは、周辺領域PAに位置する。金属ナノワイヤ層NWLは第1及び第2面上の周辺領域PA及び可視領域VAに形成される。そして、第1及び第2面上の金属ナノワイヤ層NWL上にパターン層PLが形成される。次に、パターン層PLを用いて第1及び第2面にパターニング工程が実行され、第1及び第2面上に上述したタッチ感知電極TE及び周辺リード配線120が形成され、図4に示すように、第1カバーC1が周辺リード配線120を覆うことができる。触媒中心(パラジウムコロイド等)に関するプロセスは基板の両側で直接行われ、本実施形態では金属の化学的堆積と協働するので、プロセスを簡略化し、歩留まりを向上させることができる。この実施形態の具体的な実施のために、前述のものを参照することができ、詳細はここで再び提供されない。
【0060】
本開示のいくつかの実施形態によれば、他の両面タッチパネルが提供され、タッチパネルは、2組の片面タッチパネルを同じ方向又は反対方向に積み重ねて形成され得る。一例として、2組の片面タッチパネルを互いに反対方向に積層した積層構造をとると、第1群の片面タッチパネルのタッチ検知電極は、上向き(例えば、ユーザーに最も近いが、これに限定されない)に配置され得る。第2群の片面タッチパネルのタッチ感知電極は、下向き(例えば、ユーザーから最も遠いが、これに限定されない)に配置され得る。この2つの群のタッチパネル基板は、光学接着剤等の接着剤を用いて組み立て固定され、両面タッチパネルを形成する。
【0061】
図5Aは、本開示の一実施形態によるタッチパネル100を示し、これは、基板110と、基板110の上面及び下面に形成されたタッチ感知電極TE(すなわち、金属ナノワイヤ層NWLによって形成された第1タッチ感知電極TE1及び第2タッチ感知電極TE2)と、基板110の上面及び下面に形成された周辺リード配線120とを含む。なお、図5Aでは、簡略化のために第1カバーC1と第2カバーC2を省略している。基板110の上面から見て、可視領域VAの第1タッチ検知電極TE1と周辺領域PAの周辺リード配線120とを電気的に接続して、信号を伝送するようにしてもよい。同様に、基板110の下面から見て、可視領域VAの第2タッチ検知電極TE2と、周辺領域PAの周辺リード配線120とを電気的に接続して信号を伝送するようにしてもよい。また、先の実施形態と同様に、タッチパネル100は、(符号が付されていない)指定部140と、指定部140に対応する第2カバーC2とを基板110の周辺領域PAに配置してもよい。
【0062】
図5Aと、図5Bに示される図5Aの線C−Cに沿った断面図を参照すると、第1タッチ感知電極TE1は可視領域VA内にほぼ位置し、可視領域VAは、一方向(第1方向D1)に延びる複数のストライプ状のタッチ感知電極を含む。エッチングによって除去される領域は、非導電領域136として規定され、隣接する第1タッチ感知電極TE1を電気的に絶縁することができる。また、第1タッチ検知電極TE1と第2タッチ検知電極TE2とが互いに干渉しており、第1タッチ検知電極TE1と第2タッチ検知電極TE2とが、タッチやジェスチャを検知するタッチ検知電極TEを構成し得る。
【0063】
図6は、本開示のいくつかの実施形態によるタッチパネル100の概略上面図である。本実施形態は、先の実施形態と同様であるが、主な相違点は、タッチパネル100が周辺領域PAに配置されたマスク配線160をさらに含む点である。マスク配線160は主にタッチ感知電極TEと周辺リード配線120を囲み、マスク配線160は(図2Aに示される)接合部BAまで延びてフレキシブル回路基板上のグランドに電気的に接続される。したがって、マスク配線160は、特に、タッチ装置の周囲の接続配線に人の手が接触することによって生じる小さな電流変化に起因する、信号干渉をマスク又は除去するか、あるいは静電放電(ESD)保護を提供することができる。
【0064】
上述した方法によれば、マスク配線160と周辺リード配線120とを同じ金属層MLで形成することができる(すなわち、マスク配線160と周辺リード配線120とは、上述した無電解銅めっき層等の同一金属材料からなる)。金属ナノワイヤ層NWL(第3被覆層とも見なされる)は、マスク配線160の上にあってもよく、マスク配線160は、パターン層PLのパターンでエッチングした後に形成されてもよい。また、マスク配線160は、金属ナノワイヤ層NWL及び金属層MLを含む複合構造層を含むことが理解され得る。さらなる詳細については、図2B及び図2Cに対応する説明を参照されたい。
【0065】
図7は、本開示の片面ブリッジタッチパネルである片面タッチパネル100の他の実施形態を示す。本実施形態と上記実施形態との相違点は、少なくとも、パターニング工程の後、基板110上に形成された透明導電層(すなわち、金属ナノワイヤ層NWL)によって、第1方向D1に沿って配置された第1タッチ感知電極TE1と、第2方向D2に沿って配置された第2タッチ感知電極TE2と、隣接する2つの第1タッチ感知電極TE1を電気的に接続する接続電極CEとを含む、タッチ感知電極TEを形成することができることである。また、接続電極CE上には、例えば二酸化シリコンからなる絶縁ブロック164が配置される。絶縁ブロック164上には、例えば銅/ITO/金属ナノワイヤからなるブリッジ配線162が配置され、ブリッジ配線162は、第2方向D2に沿って隣接する2つの第2タッチ感知電極TE2に接続される。絶縁ブロック164は、接続電極CEとブリッジ配線162との間に配置されて、接続電極CEとブリッジ配線162とを電気的に絶縁し、第1方向D1及び第2方向D2に沿ってタッチ感知電極を互いに電気的に絶縁することができる。特定の方法は、上述の方法と同様であり、ここでは繰り返さない。上記実施形態と同様に、周辺リード配線120は、金属ナノワイヤ層NWLを有する金属層ML(前述の無電解銅めっき層等)により形成されてもよく、周辺リード配線120は、第1タッチ感知電極TE1及び第2タッチ感知電極TE2に接続されてもよい。
【0066】
図8は、本開示のタッチパネル100の他の実施形態を示しており、上述したプロセスを用いて、周辺領域PAに直接選択的に金属層ML(無電解銅めっき層)を形成し、金属層MLは、エッチング等により周辺回路及び/又は指定部を形成する。そして、可視領域VA内の金属ナノワイヤ層NWLによってタッチ感知電極TEが形成される。タッチ感知電極TEは、可視領域VAと周辺領域PAとの接合部付近の周囲の配線上に登って電気的接続を形成する。しかしながら、周辺領域PAに配置される周辺配線及び/又は指定部は、一般に、金属ナノワイヤ材料を含まない。
【0067】
本開示の実施形態のタッチパネルは、タッチ機能付きディスプレイのような他の電子装置と組み合わせることができる。例えば、基板110は、光学接着剤又は他の類似の接着剤によって、液晶表示素子又は有機発光ダイオード(OLED)表示素子などの表示素子に取り付けられてもよい。タッチ感知電極TEは、光学接着剤を用いて、外側カバー層(保護ガラス等)に取り付けることもできる。本発明の実施形態のタッチパネルは、携帯電話、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ等の電子機器に適用することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、ここに記載されたタッチパネル100は、ロールツーロールプロセスによって製造することができる。ロールツーロールプロセスは、従来の装置を使用し、完全に自動化することができるため、タッチパネルの製造コストを大幅に削減できる。ロールツーロールプロセス(ロールツーロールコーティングとも呼ばれる)の具体的な方法は以下の通りである。まず、フレキシブル基板110を選択し、フレキシブル基板110を両ローラー間に設置する。ローラーを駆動するモータを用いることにより、両ローラー間の移動経路に沿って基板110に対して連続的な処理を行うことができる。例えば、メッキ槽を用いて金属層MLを成膜する。貯蔵槽、スプレー装置、ブラシ塗布装置等を用いて基板110の表面に金属ナノワイヤ含有インクを成膜し、硬化工程を経て金属ナノワイヤ層NWLを形成する。そして、金属層ML及び/又は金属ナノワイヤ層NWL上にパターン層PLを(例えば、前述のフレキソ印刷法を用いて)形成する。その後、エッチング槽又はエッチング液スプレーによりパターニング等を行う。その後、完成したタッチパネル100を生産ラインの端部のローラーでロールアウトしてタッチセンサテープを形成する。
【0069】
本実施形態のタッチセンサテープは、タッチセンサロール上の未切断のタッチパネル100を包括的に覆うフィルム層をさらに含んでもよい。フィルム層は、タッチセンサロール上の切断されていないタッチパネル100を覆うことができ、これら2つは個々のタッチパネル100に分離され得る。
【0070】
本開示のいくつかの実施態様において、基板110は、透明基板を含むことが好ましい。詳細には、基板110は、剛性透明基板又は可撓性透明基板を含むことができる。材料は、ガラス、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、シクロオレフィンポリマー(COP)、及びシクロオレフィンコポリマー(COC)などの透明材料から選択され得る。
【0071】
ロールツーロール生産ラインは、基板の移動経路に沿って、複数のコーティング工程の順序を調節するか、又は必要に応じて任意の数の追加ステージを組み込むことができる。例えば、適切な後処理プロセスを実現するために、生産ラインに加圧ローラーやプラズマ装置を設置することができる。
【0072】
いくつかの実施形態において、形成された金属ナノワイヤは、それらの導電性を増加させるために、さらに後処理されてもよい。後処理は、加熱、プラズマ処理、コロナ放電、UVオゾン、圧力、又は上記プロセスの組み合わせを含むことができる。例えば、硬化して金属ナノワイヤ層NWLを形成した後、ローラーを使用して、金属ナノワイヤ層NWLに圧力を加えることができる。一実施形態では、50から3400psiの圧力を、1つ以上のローラーによって金属ナノワイヤ層NWLに加えることができ、好ましくは、100から1000psi、200から800psi、又は300から500psiの圧力を加えることができる。上記加圧工程は、フィルム層の塗布工程の前に行うことが好ましい。いくつかの実施形態では、熱及び圧力の後処理を同時に実行することができる。具体的には、形成された金属ナノワイヤは、上述のように、1つ以上のローラーを介して圧力を加えられ、同時に加熱されてもよい。例えば、ローラーによって加えられる圧力は、10〜500psi、好ましくは40〜100psiであり、ローラーを約70℃〜200℃、好ましくは約100℃〜175℃に加熱し、金属ナノワイヤの導電性を増加させることができる。いくつかの実施形態において、金属ナノワイヤは、好ましくは、後処理のために還元剤に曝される。例えば、銀ナノワイヤを含む金属ナノワイヤは、好ましくは、後処理のための銀還元剤に曝される。本発明の銀還元剤は、水素化ホウ素(水素化ホウ素ナトリウムなど)、窒素ホウ素化合物(例えばジメチルアミノボラン(DMAB))、又はガス還元剤(例えば水素(H))を含む。暴露時間は、約10秒〜約30分、好ましくは約1分〜約10分である。この実施形態の他の詳細は、概して上記実施形態で説明した通りであり、ここでは繰り返さない。
【0073】
本開示の異なる実施形態の構造は、互いに参照することができ、上記の特定の実施形態に限定されない。本開示のいくつかの実施形態では、追加の触媒層なしで無電解めっき金属層を直接形成ことができ、プロセスを簡略化し、製造コストを管理することができる。本開示のいくつかの実施態様において、パターン層をエッチングマスクとして使用することができ、その結果、二層構造(例えば、上層は金属ナノワイヤ層であり、下層は金属層である)を一度にエッチングして、周辺領域の周辺リード配線及び/又は指定部、又は他の電極を製造することができる。開示された方法は、アライメントプロセス中に確保されるアライメントエラー領域を回避することができ、開示された方法は、周辺領域の幅を効果的に削減することができる。本開示のいくつかの実施形態では、金属ナノワイヤ層及び金属層の一工程エッチングを使用することで、アライメントのためのアライメントエラー領域を省略することができ、より狭い幅を有する周辺リードワイヤを形成し、狭額縁の要求を満たし、プロセスを簡略化し、製造コストを管理することができる。
【0074】
本開示のいくつかの実施形態によれば、タッチパネルを形成する方法は、基板を用意する工程と、金属層を形成する工程と、金属ナノワイヤ層を形成する工程と、パターニングプロセスを実行する工程とを含む。基板は、可視領域及び周辺領域を含む。金属層を形成する工程は、基板の前処理を実行し、基板の表面の特性を調整し、基板の表面上に触媒中心を形成し、触媒中心の活性を調整し、基板の表面上に無電解めっきを実行して、金属層を形成することを含む。金属ナノワイヤ層の第1部分は、可視領域に位置し、金属ナノワイヤ層の第2部分及び金属層は、周辺領域に位置する。パターニングプロセスは、金属層及び金属ナノワイヤ層をエッチングするエッチング液を使用して、金属層を複数の周辺リード配線に形成すると同時に、金属ナノワイヤ層の第2部分を複数のエッチング層に形成する。
【0075】
本開示のいくつかの実施形態において、パターニングプロセスは、エッチング液を使用して、金属ナノワイヤ層の第1部分を、基板の可視領域に配置されるタッチ感知電極に形成することをさらに含み、タッチ感知電極は、周辺リード配線に電気的に接続される。本開示のいくつかの実施態様において、基板の前処理を行うことは、基板の洗浄、脱脂、及び粗面化を含む。本開示のいくつかの実施態様において、基板の表面の特性を調整することは、該表面の、表面電位、表面張力及び親水性を調整することを含む。本開示のいくつかの実施態様において、基板の表面の特性を調整することは、表面を正に帯電させることを含む。本開示のいくつかの実施態様において、基板の表面に触媒中心を形成することは、コロイド状金属活性溶液を用意すること、及びコロイド状金属を表面に付着させて低活性(すなわち、第1活性)の触媒中心を形成することを含む。本開示のいくつかの態様において、触媒中心の活性を調節することは、コロイド(デコリド(decollide))を除去して、高活性(すなわち、第2活性)を有する触媒中心を形成することを含み、コロイドの除去後の触媒中心の活性は、コロイドの除去前よりも高い。本開示のいくつかの実施態様において、パターニングプロセスは、エッチング液を使用して金属層から複数の指定部を形成することをさらに含み、エッチング層は、複数の第1カバー及び第2カバーを含み、各第1カバーは、対応する周辺リード配線上に配置され、各第2カバーは、対応する指定部上に配置される。本開示のいくつかの実施態様において、方法は、フィルム層を配置することをさらに含む。本開示のいくつかの実施形態において、方法は、基板の片側又は両側で実施され得る。
【0076】
本開示のいくつかの実施形態によれば、タッチパネルを形成する方法は、基板を用意する工程と、金属層を形成する工程と、金属ナノワイヤ層を形成する工程と、金属ナノワイヤ層を、可視領域に位置し、周辺リード配線に電気的に接続されるタッチ感知電極に形成するためのパターニングプロセスを実行する工程とを含む。基板は、可視領域及び周辺領域を含む。金属層を形成する工程は、基板の前処理を実行することと、基板の表面の特性を調整することと、基板の表面上に触媒中心を形成することと、触媒中心の活性を調整することと、基板の表面上に無電解めっきを実行して、パターンを含み、周辺領域に位置する複数の周辺リード配線を形成する金属層を形成することとを含む。
【0077】
本開示のいくつかの実施態様において、基板の表面に触媒中心を形成することは、表面の特定の領域に触媒中心を形成することを含み、基板の表面に無電解めっきを行って金属層を形成することは、周辺リード配線を形成するために特定の領域に金属層を形成することを含む。本開示のいくつかの実施態様において、パターン層は、フレキソ印刷、レリーフ印刷、グラビア印刷又はスクリーン印刷によって形成される。本開示のいくつかの実施態様において、金属層及び金属ナノワイヤ層を形成することは、周辺領域に金属層を形成すること、次いで、可視領域及び周辺領域に金属ナノワイヤ層を形成することを含み、第1部分は可視領域に位置して基板上に形成され、第2部分は周辺領域に位置して金属層上に形成される。本開示のいくつかの実施態様において、周辺領域に金属層を形成することは、可視領域ではなく周辺領域に金属層を選択的に形成することを含む。本開示のいくつかの実施態様において、周辺領域に金属層を形成することは、周辺領域及び可視領域に金属層を形成すること、及び可視領域に位置する金属層を除去することを含む。本開示のいくつかの実施態様において、金属層及び金属ナノワイヤ層を形成することは、可視領域及び周辺領域に金属ナノワイヤ層を形成すること、次いで、周辺領域に金属層を形成することを含み、金属層は、第2部分上に位置する。
【0078】
本開示は、その特定の実施形態を参照してかなり詳細に説明されてきたが、他の実施形態も可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲は、本明細書に含まれる実施形態の説明に限定されるべきではない。
【0079】
本開示の範囲又は精神から逸脱することなく、本開示の構造に対して様々な修正及び変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。以上のことを考慮して、本開示は、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることを条件として、本開示の修正及び変形をカバーすることを意図している。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9