(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性部材は、弓形のシート状をなし、第1の曲面部と、それぞれ前記第1の曲面部の両端に位置する2つの第2の曲面部と、前記第2の曲面部における前記第1の曲面部から離れた一端に位置する2つの平面部とを有し、
前記第1の曲面部と前記第2の曲面部は、円弧状であることを特徴とする請求項1に記載の電動歯ブラシのブラシヘッド。
前記当接壁は、前記第1の壁面とは反対側の第2の壁面をさらに含み、前記第2の壁面は、前記当接壁の前記収容室から離れた面であり、前記第2の壁面には、凹部が凹設され、前記弾性部材は、前記凹部に当接し、前記凸部の位置は、前記凹部の位置に対応していることを特徴とする請求項6に記載の電動歯ブラシのブラシヘッド。
前記収納室は、互いに対向する2つの第1の内壁を有し、前記第1の内壁のそれぞれには、第1の方向に沿って係合部が凸設けられ、前記係合部材は、互いに反対側に設けられる2つの第1の側壁の外面を含み、各前記第1の側壁の外面には、係合溝が設けられ、前記係合部は、前記係合溝に係合することを特徴とする請求項2に記載の電動歯ブラシのブラシヘッド。
前記収納室の2つの前記第1の内壁は、第2の方向に沿って互いに接近するように傾斜して設けられ、前記第1の側壁は、前記第1の内壁に応じて傾斜して設けられ、前記第2の方向は、前記ブラシヘッド本体の前記収納室が開設された外面に沿って前記ブラシヘッド本体の内部に向かう方向であることを特徴とする請求項9に記載の電動歯ブラシのブラシヘッド。
前記収納室は、対向して設けられた第2の内壁及び第3の内壁をさらに含み、前記係合部材は、互いに対向して設けられた第2の側壁及び第3の側壁をさらに含み、前記第2の側壁の外面は、前記第2の内壁に向かって設けられ、前記第3の側壁の外面は、前記第3の内壁に向かって設けられ、前記第2の内壁および前記第3の内壁は、第2の方向に沿って互いに近づくように傾斜して設けられるとともに、前記第2の側壁は、前記第2の内壁に応じて傾斜して設けられ、前記第3の側壁は、前記第3の内壁に応じて傾斜して設けられ、前記第2の方向は、前記ブラシヘッド本体の前記収納室が開設された外面に沿って前記ブラシヘッド本体の内部に向かう方向であることを特徴とする請求項9または10に記載の電動歯ブラシのブラシヘッド。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、従来技術の不足に対して、脱落しにくく、構造が簡単で、製造工程が簡単な電動歯ブラシのブラシヘッド及びそれを備えた電動歯ブラシを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願明細書に記載の技術に関わる電動歯ブラシのブラシヘッドは、電動歯ブラシのハンドルに着脱可能に装着され、前記ハンドルは、振動可能な駆動軸を備え、前記駆動軸が前記ハンドルから延びており、
前記電動歯ブラシのブラシヘッドは、ブラシヘッド本体と弾性部材を備え、前記ブラシヘッド本体には、第1の方向に沿って少なくとも前記駆動軸の少なくとも一部を収容する収容室が開設され、前記第1の方向は、前記ブラシヘッド本体の前記ハンドルに連結される一端から、前記ブラシヘッド本体における前記ハンドルから離れた一端に向かう方向であり、前記ブラシヘッド本体は、前記収容室を形成するためのキャビティ壁と、前記キャビティ壁と一体成形して形成された当接壁と、を備え、前記電動歯ブラシのブラシヘッドが装着状態にあるとき、前記当接壁は、外力の作用により前記駆動軸の少なくとも一部に当接し、
前記弾性部材は、前記当接壁が位置する位置に設けられ、前記弾性部材により前記キャビティ壁の外面に沿ってその内面に向かう方向から前記当接壁に当接して、前記駆動軸に当接するのに必要な外力を前記当接壁に与える。
【0007】
また、前記ブラシヘッド本体の外面には、収納室が開設され、前記収納室と前記収容室とは、前記当接壁を挟むように設けられ、
前記電動歯ブラシのブラシヘッドは、前記収納室内に収容される係合部材をさらに備え、前記係合部材には、前記弾性部材を収納する収納溝が形成される。
【0008】
また、前記弾性部材は、弓形のシート状をなし、第1の曲面部と、それぞれ前記第1の曲面部の両端に位置する2つの第2の曲面部と、前記第2の曲面部における前記第1の曲面部から離れた一端に位置する2つの平面部とを有し、
前記第1の曲面部と前記第2の曲面部は、円弧状である。
【0009】
また、前記当接壁の両側は、仕切層を介して前記キャビティ壁と連結され、前記仕切層の厚さは、前記当接壁の厚さよりも小さい。
【0010】
また、前記当接壁の両側と前記キャビティ壁との間には、スリットが開設されている。
【0011】
また、前記当接壁は、前記当接壁の前記収容室を向かう表面である第1の壁面を含み、前記第1の壁面は、前記駆動軸に当接する凸部が凸設けられる。
【0012】
また、前記当接壁は、前記第1の壁面とは反対側の第2の壁面をさらに含み、前記第2の壁面は、前記当接壁の前記収容室から離れた面であり、前記第2の壁面には、凹部が凹設され、前記弾性部材は、前記凹部に当接し、前記凸部の位置は、前記凹部の位置に対応している。
【0013】
また、前記駆動軸は、パターンを有する第1の金属部を備え、前記凸部は、前記パターンに当接する。
【0014】
また、前記収納室は、互いに対向する2つの第1の内壁を有し、前記第1の内壁のそれぞれには、第1の方向に沿って係合部が凸設けられ、前記係合部材は、互いに反対側に設けられる2つの第1の側壁の外面を含み、各前記第1の側壁の外面には、係合溝が設けられ、前記係合部は、前記係合溝に係合する。
【0015】
また、前記収納室の2つの前記第1の内壁は、第2の方向に沿って互いに接近するように傾斜して設けられ、前記第1の側壁は、前記第1の内壁に応じて傾斜して設けられ、前記第2の方向は、前記ブラシヘッド本体の前記収納室が開設された外面に沿って前記ブラシヘッド本体の内部に向かう方向である。
【0016】
また、前記収納室は、対向して設けられた第2の内壁及び第3の内壁をさらに含み、前記係合部材は、互いに対向して設けられた第2の側壁及び第3の側壁をさらに含み、前記第2の側壁の外面は、前記第2の内壁に向かって設けられ、前記第3の側壁の外面は、前記第3の内壁に向かって設けられ、前記第2の内壁および前記第3の内壁は、第2の方向に沿って互いに近づくように傾斜して設けられるとともに、前記第2の側壁は、前記第2の内壁に応じて傾斜して設けられ、前記第3の側壁は、前記第3の内壁に応じて傾斜して設けられ、前記第2の方向は、前記ブラシヘッド本体の前記収納室が開設された外面に沿って前記ブラシヘッド本体の内部に向かう方向である。
【0017】
本願明細書に記載の技術に関わる電動歯ブラシは、前記記載の電動歯ブラシのブラシヘッドとハンドルとを備え、前記電動歯ブラシのブラシヘッドが前記ハンドルに着脱可能に装着される。
【発明の効果】
【0018】
従来よりも、本発明の電動歯ブラシのブラシヘッドは、弾性部材によって当接壁に当接して、当接壁に駆動軸に当接するのに必要な外力を与えることができ、これにより、ブラシヘッド本体とハンドルとを連結するとともに、ハンドルが電動歯ブラシのブラシヘッドの振動を従動することを実現する。また、本発明の電動歯ブラシのブラシヘッドは、電動歯ブラシのハンドルに直接装着され、余分に連結部材を装着する必要がなく、装着過程において電動歯ブラシのブラシヘッドとハンドルとの連結を考慮するだけで、電動歯ブラシのブラシヘッドの脱落及び電動歯ブラシのブラシヘッドとハンドルとのずれを効果的に防止でき、ひいては、電動歯ブラシの使用時の安定性を確保し、外観効果にも優れる。なお、ブラシヘッド本体とハンドルとを連結するための構造が簡単であり、余分に連結部材を取り付ける必要がないので、電動歯ブラシのブラシヘッドは、構造が簡単であり、製造が容易であり、生産コストが低い。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について、図面及び実施例を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1および
図2を参照して、本発明は、ハンドル200および上記の電動歯ブラシのブラシヘッド100を含む電動歯ブラシ300を提供し、電動歯ブラシのブラシヘッド100は、電動歯ブラシ300のハンドル200に着脱可能に装着される。このうち、ハンドル200は、公知の技術を採用し、筐体210と、筐体210内に内蔵されたモーター(図示せず)と、制御板(図示せず)と、電池(図示せず)とを含み、モーターには、ハンドル200から延びる振動可能な駆動軸250を有する。該駆動軸250には、電動歯ブラシのブラシヘッド100が着脱可能に挿着されている。ハンドル200は、本発明の改良された箇所ではないため、それらについての詳細な説明を省略する。
【0022】
本実施の形態では、
図3及び
図4を参照して、電動歯ブラシのブラシヘッド100は、ブラシヘッド本体10と、ブラシヘッド本体10内に収容された弾性部材30および係合部材50とを備える。
【0023】
具体的には、ブラシヘッド本体10は、毛キャリア11と、ネック部12と、挿着部13とを備え、この毛キャリア11および挿着部13は、それぞれネック部12の両端に位置する。本実施の形態では、ブラシヘッド本体10は、ABSプラスチック、PPプラスチック又はPOMプラスチックを採用して、これらの材料では、ブラシヘッド本体10の安全性及び弾性が増加する。他の実施の形態では、ブラシヘッド本体10に他の材料を採用してもよく、必ずしもその限りではない。
【0024】
本実施の形態では、ネック部12は、細長い棒状構造であり、略直方体状であり、挿着部13は、略ノントップ円錐状である。他の実施の形態では、ネック部12が略円柱状であってもよく、挿着部13が他の形状であってもよく、必ずしもその限りではない。
【0025】
毛キャリア11には、歯牙および口腔を清掃するために複数の毛材束110が設けられる。本実施の形態では、毛キャリア11は、いかなる公知の構成でもよく、ここでは説明を省略する。
【0026】
本実施の形態では、ブラシヘッド本体10には、第1の方向X’について駆動軸250の少なくとも一部を収容する収容室14が開設され、第1の方向X’は、ブラシヘッド本体10がハンドル200を連結する一端に沿って、ブラシヘッド本体10におけるハンドル200から離れた一端に向けた方向であり、すなわち挿着部13が毛キャリア11に向かう方向である。つまり、ブラシヘッド本体10の長手方向である。本実施の形態では、収容室14は、駆動軸250の第1の金属部220を収容する。なお、収容室14は、ネック部12及び挿着部13の境界に開設される。
【0027】
図5及び
図6を参照すると、ブラシヘッド本体10には、第1の方向X’に沿って第1の退避スペース15、及びハンドル200の一端寄りに位置する第2の退避スペース16をさらに備え、収容室14及び第2の退避スペース16は、それぞれ第1の退避スペース15の両端に位置する。第1の退避スペース15は、第2の退避スペース16と連通して、それぞれハンドル200の第2の金属部220及び固定部240を収容する。
【0028】
第2の金属部230が第1の退避スペース15の壁面に接触せず、固定部240が駆動軸250の第2の退避スペース16の壁面に接触しないので、駆動軸250に電動歯ブラシのブラシヘッド100が振動することに影響を与えることを防止する。
【0029】
ブラシヘッド本体10は、さらに、収容室14を収容するキャビティ壁17及び当接壁18を含み、キャビティ壁17及び当接壁18は、一体成形により形成されており、電動歯ブラシのブラシヘッド100が装着状態にあるとき、当接壁18は、外力の作用により駆動軸250の第1の金属部220に当接する。
【0030】
本実施の形態では、第1の金属部220にはパターン221が設けられ、当接壁18は、駆動軸250を電動歯ブラシのブラシヘッド100に連結するように、パターン221に当接している。
【0031】
電動歯ブラシのブラシヘッド100は、弾性部材30によって当接壁18に当接して、当接壁18に駆動シャフトに当接するのに必要な外力を与えることができる。このように、弾性部材30を設けることにより、ハンドル200の駆動軸250が収容室14に挿入されたときに、当接壁18と駆動軸250との噛み合い力を効果的に大きくすることができ、電動歯ブラシのブラシヘッド100をより強固に係合させ、脱落し難くし、かつ、弾性部材30の緩衝力によって効果的に騒音を低減することができる。また、弾性部材30と当接壁18との係合作用により駆動軸250が引っ掛かり、駆動軸250と当接壁18の凸部183との間をより密着させ、電動歯ブラシのブラシヘッド100の振動効果をより良くしている。
【0032】
また、本発明の電動歯ブラシのブラシヘッド100は、電動歯ブラシ300のハンドル200に直接装着され、余分な連結部材等を不要とする構成であり、装着過程で電動歯ブラシのブラシヘッド100とハンドル200との連結を考慮するだけで、電動歯ブラシのブラシヘッド100とハンドル200とのずれを効果的に防止でき、ひいては、電動歯ブラシ300の使用時の安定性を確保し、外観効果にも優れる。また、本実施の形態では、ブラシヘッド本体10は一体成形、すなわち当接壁18とキャビティ壁17とが一体成形して形成されるため、製造工程を効果的に簡略化でき、生産コストを低減することができる。
【0033】
さらに、
図6及び
図7を参照すると、ブラシヘッド本体10の一つの外面には、収容室14に対応する位置に収納室19が開設され、収納室19と収容室14とが当接壁18を介して離間して設けられ、収納室19が係合部材50及び弾性部材30を収容する。
【0034】
他の実施の形態では、収容室14の互いに反対側の2つの外面にそれぞれ収納室19を設け、電動歯ブラシのブラシヘッド100とハンドル200との連結をさらに補強するように、各収納室19内に係合部材50および弾性部材30を設けてもよい。
【0035】
収容室14は、ブラシヘッド本体10のいずれか一方の外面から内向きに設置できるので、弾性部材30が駆動軸250の第1の金属部220に当接することで、駆動軸250を収容室14にしっかりと係止する。
【0036】
具体的には、ネック部12は、第1の表面121を含み、挿着部13は、第2の表面131を含み、収納室19は、第1の表面121と第2の表面131との接続箇所に開設される。
【0037】
さらに、当接壁18は、互いに反対側に配置された第1の壁面181および第2の壁面182を含み、第1の壁面181は、当接壁18の収容室14の表面を向う表面であり、この第1の壁面181には、駆動軸250の第1の金属部220に当接するための凸部183が凸設されており、第2の壁面182は、当接壁18の収納室19の表面を向う表面であり、すなわち、当接壁18が収容室14の表面から離れており、第2の壁面182には、凹部184が凹設され、弾性部材30の少なくとも一部が凹部184に当接し、凸部183の位置が凹部184の位置に対応する。
【0038】
当接壁18の第1の壁面181に凸部183を凸設することで、第2の壁面182の凹部184に弾性部材30の少なくとも一部が当接することで、弾性部材30の弾性力が、当接壁18の凹部184に集中的に作用することができ、当接壁18も受けた弾性力を駆動軸250に引っ掛けることができ、これにより、ハンドル200からの電動歯ブラシのブラシヘッド100の脱落を防止して、電動歯ブラシのブラシヘッド100の振動をより安定および静粛化することができる。
【0039】
また、このようにブラシヘッド本体10とハンドル200とを連結するとともに、ハンドル200が電動歯ブラシのブラシヘッド100の振動を従動することを実現する。ブラシヘッド本体10とハンドル200とを連結するための構造が簡単であり、余分に連結部材を取り付ける必要がないので、電動歯ブラシのブラシヘッド100は、構造が簡単であり、製造が容易であり、生産コストが低い。
【0040】
図7及び
図8を参照しながら、本実施の形態では、当接壁18の両側は、スペーサ層185によりキャビティ壁17に接続され、スペーサ層185の厚さは、当接壁18の厚さよりも小さい。
【0041】
スペーサ層185の厚みは、0.05〜2.0mmの範囲、例えば0.1mmである。当接壁18の長さは、2.0〜13.5mmの範囲、例えば8.5mmであり、当接壁18の幅は、0.5〜5.3mmの範囲、例えば1.5mmであり、当接壁18の厚みは、0.1〜2.0mmの範囲、例えば0.6mmである。
【0042】
当接壁18とキャビティ壁17との間に上記寸法のスペーサ層185を設けることにより、当接壁18の振動に影響を与えることなく、さらに、収納室19内に収容された水や塵埃等が収容室14内に侵入することを防ぐことができる。
【0043】
図9及び
図10を参照しながら、本発明の別の実施の形態では、当接壁18の両側とキャビティ壁17との間には、スリット186が開設されている。
【0044】
本実施の形態では、当接壁18をより好適な柔軟性を持たせつつ、製造過程で強型抜きが容易で、金型コストを削減でき、ひいては生産コストを削減できる。
【0045】
本実施の形態では、再び
図6を参照して、キャビティ壁17は、当接壁18に対向して設けられた第1のストッパ壁171と、第2のストッパ壁172とをさらに含み、この第1のストッパ壁171は、駆動軸250の第1の金属部220が収容室14内に収容されたときに、駆動軸250のがたつきや回転を効果的に防止することができる。第2のストッパ壁172は、第1のストッパ壁171に対して垂直に設けられ、駆動軸250が第1の方向X’に移動することを防止することができる。
【0046】
本実施の形態では、弾性部材30は、係合部材50内に収容され、かつ、当接壁18と対向して設けられ、キャビティ壁17の外面に沿って収容室14に向かう方向に当接壁18を当接することで、駆動軸250を当接するために必要な外力を当接壁18に供給する。
【0047】
弾性部材30が当接壁18に当接することにより、当接壁18に、駆動軸250と当接するために、十分な外力を提供することが可能である。
【0048】
図11及び
図12を参照すると、本実施の形態では、弾性部材30は、弓形のシート状をなしている。具体的には、弾性部材30は、第1の曲面部31と、第1の曲面部31の両端に位置する2つ第2の曲面部32と、第2の曲面部32における第1の曲面部31から離れた一端に位置する2つ平面部33と、を含み、第1の曲面部31と第2の曲面部32とは曲面状であり、第1の曲面部31が凹む方向と第2の曲面部32が凹む方向とは反転である。
【0049】
なお、第1の曲面部31が位置する円の半径R1の範囲は、2〜10mmであり、対応する中心角αの範囲は、38〜48度であり、第2の曲面部32が位置する円の半径R2の範囲は、3〜10mmであり、対応する中心角βの範囲は、15〜30度である。
【0050】
このような形状を選択することにより、両辺の平面部33を支持点とし、第1の曲面部31が力を受けたときに十分な弾性力が発生し、弾性部材30の第1の曲面部31及び/又は第2の曲面部32のラジアンが大きすぎるか又は小さすぎると、所望の弾力が実現しにくくなり、係合力が不十分となり、実用に電動歯ブラシのブラシヘッド100が落ちやすくなるが、本発明では、上記の弾性部材30を用いることにより、弾性部材30の弾力を確保し、電動歯ブラシのブラシヘッド100と駆動軸250との係合力を確保し、実用に電動歯ブラシのブラシヘッド100が外れることを防止しつつ、振動を安定的に維持することができ、しかも振動時に騒音が低く、耐久性及び長寿命である。
【0051】
さらに、弾性部材30のうち2つの平面部33の互いに離れた端部間の直線距離D1の範囲は、8.0〜15.0mmであり、例えば10mm、11mm、13mm等、弾性部材30の厚さh1の範囲は、0.15〜0.5mmであり、例えば、0.2mm、0.3mm等、弾性部材30の幅w1の範囲は、0.5〜7.0mmであり、例えば、3.0mm、4.0mm、5.0mm等である。
【0052】
本実施の形態では、第1の曲面部31の両端の距離D2の占有範囲は、20〜40%であり、2つの第2の曲面部32の距離D3の占有比の和である2×D3の占有範囲は37〜57%であり、2つの平面部33の距離D4の占有比の和である2×D4の占有範囲は、13〜33%である。
【0053】
また、平面部33と第1の曲面部31との高さ差Δhの範囲は、0.5mm〜1.0mmである。
【0054】
他の実施の形態では、弾性部材30の両端の距離、第1の曲面部31、第2の曲面部32、及び平面部33の距離占有比などは、需要に応じて調節すればよく、必ずしもその限りではない。
【0055】
本実施の形態では、弾性部材30の第1の曲面部31が凹部184に当接し、当接壁18に外力を集中的に与えることができる。
【0056】
凸部183が使用するハンドル200の駆動軸250上のパターン221に当接し、弾性部材30の第1の曲面部31が凹部184に当接し、弾性部材30の弾性力が凹部184に集中して発力して、ひいては、駆動軸250に当接することで、弾性力が他方向に拡散することを回避する。
【0057】
本実施の形態では、弾性部材30の材料は、ベリリウム銅又はステンレス鋼であってもよい。
【0058】
他の実施の形態では、前記弾性部材30は、他の材料によって構成されていてもよく、必ずしもその限りではない。
【0059】
このように、上記の材料を用いることにより、弾性部材30の弾性力を確保しつつ、係合力度を保証することができる。
【0060】
図10、
図13および
図14を参照して、係合部材50が収納室19内に係合する。
【0061】
本実施の形態では、係合部材50は、弾性部材30を収容する収納溝51を備え、弾性部材30は、シート状構造を有し、弾性部材30のシート状構造の両端が収納溝51の両端に当接することにより、弾性部材30が力を受ける際に十分な弾性力を生じる。
【0062】
本実施の形態では、
図14を参照して、収納室19は、対向配置された2つの第1の内壁191を含み、各第1の内壁191には、第1の方向X’に沿って係合部192が凸設けられ、係合部材50は、互いに反対側に設けられる2つの第1の側壁52を含み、各第1の側壁52の外面には、係合溝521が開設され、係合部192が係合溝521内に係合する。これにより、係合部材50が収納室19内に容易かつ十分に係合できる。
【0063】
本実施の形態では、
図14を参照して、係合部材50の係合溝521の長さ範囲L2は、5〜13mmであり、例えば7.0mm、幅W2の範囲は、0.2〜1.5mmであり、例えば0.6mmである。
【0064】
係合部192は、係合部192を係合溝521内に係合可能となるように、係合部192の寸法が係合溝521に合致する。このため、組付状態では、係合部192が係合溝521に安定的に係合可能となるように、係合溝521が第1の側壁52におけるキャビティ壁17に近い一側に位置する。
【0065】
本実施の形態では、係合部材50が、係合溝521内に対して安定に係合するように、係合部192が第1の内壁191におけるキャビティ壁17に近い一側に位置しており、その分、係合溝521が、第1の側壁52が装着状態においてキャビティ壁17と近い側に位置している。
【0066】
これにより、係合部材50を収納室19内に十分に係合できる。
【0067】
他の実施の形態では、他の態様で係合部材50を収納室19内に固定してもよく、例えば、超音波溶着等の態様を採用してもよい。
【0068】
本実施の形態では、製造過程において強い型抜きが容易で、製造が容易で、金型コストが削減されるように、係合部192は、ストライプ形状であり、かつ、周囲に一定のラジアンを持っている。
【0069】
他の実施の形態では、係合部192は、他の任意に係合し易い形状であってもよく、必ずしもその限りではない。
【0070】
なお、他の実施の形態では、係合部材50の外面は、必要に応じて必要なパターン、形状、色等を設けることができ、必ずしもその限りではない。
【0071】
さらに、収納室19の2つの第1の内壁191は、第2の方向Y’に沿って互いに接近するように傾斜して設けられ、2つの第1の内壁191と第1の方向X’に垂直な平面とのなす角度の範囲は、3〜5度であり、例えば4度等、第1の側壁52は、第1の内壁191に対応して傾斜して設けられ、第2の方向Y’は、ブラシヘッド本体10に収納室19が開口された外面から、ブラシヘッド本体10の内部に向かう方向である。
【0072】
収納室19は、対向配置された第2の内壁193及び第3の内壁194をさらに有し、係合部材50は、対向配置された第2の側壁53及び第3の側壁54をさらに有し、第2の側壁53の外面は、第2の内壁193に向けて設けられ、第3の側壁54の外面は、第3の内壁194に向けて設けられ、第2の内壁193及び第3の内壁194は第2の方向Y’に沿って互いに接近するように傾斜して設けられ、第2の内壁193及び第3の内壁194は、それぞれに第1の方向X’に直交する平面とのなす角度の範囲が3〜5度であり、第2の側壁53は第2の内壁193に対応して傾斜して設けられ、第3の側壁54は第3の内壁194に対応して傾斜して設けられる。
【0073】
このような傾斜構造を設けることにより、一定のガイド作用を果たすことができ、ひいては組立てが容易となり、組立速度が速くなり、組立コストが減少する。
【0074】
他の実施の形態では、第1の内壁191と第2の内壁193とは、傾斜して設けられていなくてもよく、必ずしもその限りではない。
【0075】
ここで、収納室19の第3の内壁194から挿着部13におけるネック部12から離れた端面までの垂直距離D5の範囲は、5〜19mmであり、例えば12.3mmである。
【0076】
本実施の形態では、係合部材50が収納室19内に強固に収容されるように、第2の側壁53に第1の円弧溝531が形成され、第3の側壁54に第2の円弧溝541が形成され、収納室19において、当接壁18の両端に第1の取付部195および第2の取付部196が設けられる。
【0077】
本実施の形態では、第1の取付部195と第2の取付部196とが当接壁18との間に形成する夾角は、直角である。
【0078】
他の実施の形態では、第1の取付部195と第2の取付部196とが当接壁18との間に形成する回転角は、弧状でもよく、必ずしもその限りではない。
【0079】
図14を参照して、本実施の形態では、係合部材50内の収納溝51の長さL1の範囲が8〜15mmであり、例えば11mm、第1の側壁52の高さH1の範囲が1.0〜2.0mmであり、例えば1.4mmである。
【0080】
収納溝51の寸法は、弾性部材30の寸法に一致するが、必ずしもその限りではない。
【0081】
係合部材50及び収納室19の寸法を必要に応じて適宜調整することができ、ここでは限定されない。
【0082】
本実施の形態では、係合部材50は、第3の表面55及び第4の表面56を含み、第3の表面55及び第4の表面56は、鈍角を成しており、装着状態において、第3の表面55は第1の表面121と同一面上にあり、第4の表面56は第2の表面131と同一面上にある。
【0083】
このように、係合部材50の外面は、ブラシヘッド本体10の外面に合わせるため、電動歯ブラシのブラシヘッド100全体の外観に影響を与えない。
【0084】
本実施の形態では、収容室14は、ネック部12及び挿着部13内に開口しており、当接壁18や収納室19は、ネック部12と挿着部13との接続線が属する平面20に対して対称である。
【0085】
この電動歯ブラシのブラシヘッド100の装着時には、先に、弾性部材30を係合部材50の収納溝51内にセットし、次に、この係合部材50を収納室19内に係合すればよい。
【0086】
本発明の電動歯ブラシのブラシヘッド100は、ブラシヘッド本体10と弾性部材30を備え、ブラシヘッド本体10には、第1の方向X’に沿って少なくとも駆動軸250の一部を収容する収容室14が開設され、第1の方向X’は、ブラシヘッド本体10のハンドルを連結する一端に沿って、ブラシヘッド本体10におけるハンドルから離れた一端に向かう方向であり、ブラシヘッド本体10は、収容室14を形成するためのキャビティ壁17と、キャビティ壁17と一体成形して形成された当接壁18と、を備え、電動歯ブラシのブラシヘッド100が装着状態にあるとき、当接壁18は、外力の作用により駆動軸250の少なくとも一部に当接する。
【0087】
弾性部材30は、当接壁18と対向するように設けられ、弾性部材30によりキャビティ壁17の外面に沿ってその内面に向かう方向から当接壁18に当接して、駆動軸250に当接するのに必要な外力を当接壁18に与える。
【0088】
本発明の電動歯ブラシのブラシヘッド100は、弾性部材30によって当接壁18に当接して、当接壁18に駆動軸250に当接するのに必要な外力を与えることができ、これにより、ブラシヘッド本体10とハンドル200とを連結するとともに、ハンドル200が電動歯ブラシのブラシヘッド100の振動を従動することを実現する。
【0089】
ブラシヘッド本体10とハンドル200とを連結するための構造が簡単であり、余分に連結部材を取り付ける必要がないので、電動歯ブラシのブラシヘッド100は、構造が簡単であり、製造が容易であり、生産コストが低い。
【0090】
また、本発明の電動歯ブラシのブラシヘッド100は、電動歯ブラシ300のハンドル200に直接装着され、余分に連結部材を装着する必要がなく、装着過程において電動歯ブラシのブラシヘッド100とハンドル200との連結を考慮するだけで、電動歯ブラシのブラシヘッド100の脱落及び電動歯ブラシのブラシヘッド100とハンドル200とのずれを効果的に防止でき、ひいては、電動歯ブラシ300の使用時の安定性を確保し、外観効果にも優れる。
【0091】
上記は本発明の実施例であるにすぎず、これによって本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、本発明の明細書および図面の内容を用いて行われたすべての同等の構造または同等のプロセス変換、または他の関連する技術分野で直接的にもしくは間接的に用いたものは、いずれも同じ理由で本発明の特許保護の範囲内に含まれる。