(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、仕切り装置のいくつかの一実施形態を図面に基づいて説明する。仕切り装置の遮蔽部材により空間が仕切られると、一方の空間に居る人間の呼気、咳、くしゃみ等による飛沫が、他方の空間に侵入することを抑制できる。したがって、ウィルスまたは細菌等の病原体による感染症の対策に寄与でき、安全で衛生的である。仕切り装置は、医療現場(診察、検査、看護、介護、病棟、リハビリテーション)、職場、学校、運動会、試験、催し物、試験等の教育現場、講演、映画、多目的等、どのような場所、環境でも利用可能である。また、仕切り装置を構成する要素が折り畳みが可能であれば、バッグまたはケースに入れて持ち運びが可能である。さらに、仕切り装置を構成する部品が分解可能であれば、1個ずつの部品は軽量であり、運搬しやすい。
【0010】
仕切り装置は、2つの空間を仕切る(区画する、隔てる)ために遮蔽部材を支持する、具体的には、吊り下げるものである。各図において、同一の要素、同一の構造は、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
<実施例1>
図1は、仕切り装置10の正面図、
図2は、仕切り装置10を上から見た平面図である。仕切り装置10は、支持棒11、支持リング12、遮蔽部材としてのカーテン13,14を有する。支持棒11及び支持リング12は、カーテン13,14を支持する要素である。支持棒11及び支持リング12は、カーテン13,14の重量に耐えられる材料で製造されている。支持棒11及び支持リング12は、例えば、金属製、スチール製、合成樹脂製、木材製、アルミニウム製、ステンレス製等の何れでもよい。
【0012】
支持棒11は、天井15、壁、床16の何れかによって、直接、または、間接に支持されている。仕切り装置10の正面視及び平面視の何れにおいても、支持棒11は、略直線状である。仕切り装置10の平面視とは、仕切り装置10を上から見ることである。支持棒11は、略水平に設けられる。仕切り装置10の平面視で、支持リング12は、略円形または略環状である。仕切り装置10の平面視で、支持リング12の中心点A1は、支持棒11の幅方向の中央に位置する。支持棒11は、第1直線部17、第2直線部18及び第3直線部19を有する。第1直線部17、第2直線部18及び第3直線部19は、
共通の中心線D1を中心として設けられている。
【0013】
仕切り装置10の平面視で、第1直線部17と第2直線部18との間に、第3直線部19及び支持リング12が位置する。仕切り装置10の平面視で、第1直線部17,第2直線部18及び第3直線部19は、それぞれ直線状に延ばされている。仕切り装置10の平面視で、支持リング12は、支持棒11を隔てて第1湾曲部20及び第2湾曲部21を有する。仕切り装置10の平面視で、第1湾曲部20及び第2湾曲部21は、中心点A1を中心として円弧状に湾曲されている。第1湾曲部20及び第2湾曲部21は、円弧状とは異なる形状に湾曲されていてもよい。仕切り装置10の平面視で、第1湾曲部20及び第2湾曲部21は、中心点A1を中心として略180度の範囲にそれぞれ配置されている。
【0014】
支持棒11と支持リング12とは、別々の要素であり、支持棒11と支持リング12とが、連結部22によって連結されている。連結部22は、金属製、スチール製、合成樹脂製、布製等の何れでもよい。連結部22は、ねじ部材を締め付けて支持棒11と支持リング12とを固定するもの、金属製または合成樹脂製のC字形状のクランプで固定するもの、面ファスナー(マジックテープ(登録商標))を有するベルトで固定するもの、結束バンドで固定するもの等のうちの何れでもよい。また、支持棒11及び支持リング12が共に磁性材料製、例えば鉄製であれば、連結部22は磁石であってもよい。
【0015】
さらに、支持棒11及び支持リング12が共に金属製、スチール製、例えば、鉄製であれば、連結部22は溶接または半田付けにより構成されていてもよい。連結部22は、支持棒11と支持リング12とを完全に固定するものでもよいし、支持棒11と支持リング12とを着脱可能に連結するものでもよい。
図2では、上下方向、つまり、高さ方向において、支持棒11が支持リング12の上に設けた例が示されている。なお、高さ方向において、支持棒11が支持リング12の下に設けられていてもよい。
【0016】
カーテン13,14は、人間の手で変形可能な可撓性を有し、かつ、折り曲げ及び折り畳みが可能な材質で構成されている。カーテン13,14の材質は、例えば、ポリエステル、レーヨン、アクリル、綿、麻等のうちの何れでもよい。カーテン13,14は、複数の吊り下げ具23によって、支持棒11及び支持リング12によりそれぞれ支持されている。吊り下げ具23は、例えば、フックまたはリングを有し、フックまたはリングが、支持棒11及び支持リング12に掛けられる構成を有する。また、吊り下げ具23は、面ファスナーを有する帯状体でもよい。
【0017】
さらに、吊り下げ具23は、永久磁石を有していてもよい。支持棒11及び支持リング12が磁性材料製であれば、永久磁石と支持棒11との間、永久磁石と支持リング12との間に、カーテン13,14をぞれぞれ別々に挟み、支持棒11及び支持リング12により、カーテン13,14を支持可能である。
【0018】
さらに、支持棒11及び支持リング12に取り付けられ、かつ、支持棒11及び支持リング12に沿って移動可能な吊り下げ具23を複数設け、全ての吊り下げ具23に設けたクランプにより、カーテン13,14を、それぞれ挟み付けてもよい。また、吊り下げ具23の構成及び構造に関わりなく、吊り下げ具23は、支持棒11及び支持リング12に沿って移動可能である。なお、全ての吊り下げ具23が同じ構造を有していてもよいし、構成が異なる2種類以上の吊り下げ具23が用いられていてもよい。吊り下げ具23が何れの構造を有している場合でも、カーテン13,14は、自重で下方に垂れ下がる。カーテン13,14の高さ方向の寸法、水平方向の寸法、厚さ、材質、色(有色、透明、半透明を含む)は、用途及び使用環境等に応じて変更可能である。
【0019】
図1のように、仕切り装置10を平面視すると、支持棒11を隔てて第1空間B1と第2空間B2とが存在する。仕切り装置10を平面視すると、第1湾曲部20は、所定方向である第1空間側B1へ向けて膨らんでいる。仕切り装置10を平面視すると、第2湾曲部21は、所定方向とは逆向きである第2空間側B2へ向けて膨らんでいる。カーテン13は、第1直線部17及び第1湾曲部20に亘って配置された複数の吊り下げ具23によって支持される。カーテン14は、第2直線部18及び第2湾曲部21に亘って配置された複数の吊り下げ具23によって支持される。
【0020】
カーテン13の第1湾曲部20における端部及び中心点A1を通る直線C1と、支持棒の中心線D1との間に形成される角度θ1が、略120度である例が示されている。第2カーテン
14の第2湾曲部21における端部及び中心点A1を通る直線C1と、中心線D1との間に形成される角度θ2が、略120度である例が示されている。角度θ1,θ2は、共に90度を超え、かつ、共に180度未満である。
【0021】
そして、
図1のように仕切り装置10を平面視すると、カーテン13の一部とカーテン14の一部とが、共に円弧状に湾曲されて支持される。カーテン13のうち第1湾曲部20に位置する端部25と、第2カーテン
14のうち第2直線部18に吊り下げられている箇所との間に、所定の隙間E1が存在する。また、カーテン14のうち第2湾曲部21に位置する端部26と、カーテン13のうち第1直線部17に吊り下げられている箇所との間に、所定の隙間E2が存在する。角度θ1が大きいほど、隙間E1が大きくなる。角度θ2が大きいほど、隙間E2が大きくなる。また、支持リング12の直径が大きいほど、隙間E1,E2が大きくなる。隙間E1,E2は、人間27が1人で通れる幅、または、車椅子と介助者が通れる幅等に設定可能である。支持リング12の直径は、例えば50cm乃至100cmの範囲内で設定可能である。
【0022】
したがって、例えば、健康診断、診察等の際に、第1空間B1と第2空間B2との間で、隙間E1,E2を通って行き来することが可能、つまり、カーテン13の端部25とカーテン14の端部26との間に、人間27が通るスペースを確保できる。また、人間27の一部が、カーテン13及びカーテン14に接触することを回避でき、衛生的である。また、第1空間B1が診察室であり、第2空間B2が待機室であると、仕切り装置10の平面視で、隙間E1,E2が重なる位置以外の位置では、第2空間B2から第1空間B1は見えにくいため、視覚的なプライバシーを確保可能である。さらに、第1空間B1と第2空間B2との間で、隙間E1,E2を介して換気が可能である。
【0023】
なお、
図1では、隙間E1が、中心点A1の右上に位置し、隙間E2が、中心点A1の左下に位置しているが、隙間E1が、中心点A1の左上に位置し、隙間E2が、中心点A1の右下に位置してもよい。この場合、カーテン13の一部が、第2湾曲部21及び吊り下げ具23によって支持され、カーテン14の一部が、第1湾曲部20及び吊り下げ具23によって支持される。さらに、カーテン13及びカーテン14を完全に閉めて、
図1で角度θ1,θ2を共に零度にすると、カーテン13及びカーテン14によって環状に囲まれた空間を形成することも可能である。さらに、角度θ1,θ2は、用途に応じて変更可能である。
【0024】
なお、
図1に示す仕切り装置10の平面視で、支持棒11に対して略直角な補助棒を設け、支持棒11と補助棒とを十字形状に交差させ、支持棒11及び補助棒により支持リング12を支持してもよい。この場合、支持棒11と補助棒との交差箇所を、連結部22で固定すると、より固定力を増加できる。さらに、カーテン13を支持する吊り下げ具23を、第1湾曲部20ではなく、第3直線部19に設けてもよい。さらに、カーテン14を支持する吊り下げ具23を、第2湾曲部21ではなく、第3直線部19に設けてもよい。つまり、カーテン13またはカーテン14の何れか一方のみを、
図1で円弧状に湾曲させて支持することも可能である。
【0025】
さらに、支持リング12を支持棒11に取り付けるのではなく、既存のカーテンレール、または天井15によってロープ、鎖等で吊り下げることも可能である。そして、既存のカーテンレールに支持された2枚のカーテンを、第1湾曲部20及び第2湾曲部21でそれぞれ円弧状に固定することも可能である。この場合、マグネット、紐、クリップ等を用いて第1湾曲部20及び第2湾曲部21が、カーテンを別々に支持する。このように構成した場合も、
図1と同様に2枚のカーテンの一部を円弧状に支持可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0026】
さらに、支持リング12は、円周方向に分割された複数の構成片、例えば、4パーツ、6パーツ等を有していてもよい。複数の構成片は、互いに取り付け及び取り外しが可能である。複数の構成片を分解して片付けたり、複数の構成片をバッグまたはケースに収納することも可能である。
【0027】
<実施例2>
図3(A)は、仕切り装置60の正面図である。仕切り装置60は、支持棒61、単数の支柱62、カーテン13を有する。支持棒61及び支柱62は、それぞれ金属製、スチール製、合成樹脂製、木材製、アルミニウム製、ステンレス製等の何れでもよい。支柱62は、鉛直方向、つまり、上下方向に沿って延ばされている。支柱62は、床16に接触する脚部63と、脚部63の上に接続された基部64と、基部64に接続された軸部65と、を有する。脚部63は、例えば、複数本の脚を有する。基部64は円筒形状であり、軸部65の一部が基部64の内部に挿入されている。複数本の脚は、折り畳みが可能であってもよい。
【0028】
基部64にスリーブ66が取り付けられており、スリーブ66を回転及び停止させることにより、軸部65が基部64に対して中心線F1に沿った方向に固定された状態と、軸部65が基部64に対して中心線F1に沿った方向に移動可能な状態とを、切り替え可能である。つまり、支柱62は、中心線F1に沿った方向に伸縮可能であり、中心線F1に沿った方向の全長、つまり、高さを調整可能である。
【0029】
支持棒61は、ホルダ73によって軸部65で支持されている。具体的には、支持棒61の中心線F2に沿った方向の端部において、片持ち状態で支持されている。ホルダ73は、金属製、スチール製、合成樹脂製等の何れでもよい。ホルダ73は、ねじ部材を締め付けて軸部65と支持棒61とを固定するもの、金属製または合成樹脂製のC字形状のクランプで固定するもの、面ファスナーを有するベルトで固定するもの、結束バンドで固定するもの等のうちの何れでもよい。さらに、支持棒61及び軸部65が共に金属製、スチール製、例えば、鉄製であれば、ホルダ73は溶接部であってもよい。ホルダ73は、支持棒61と軸部65とを完全に固定する構造でもよいし、支持棒61と軸部65とを着脱可能にする構造でもよい。さらに、ホルダ73が軸部65に取り付けられた状態で、固定部7が、軸部65に対して中心線F1に沿った方向に移動可能であり、かつ、中心線F1に沿った方向の所定位置で固定される構成であってもよい。
【0030】
支持棒61は、軸部65に取り付けられた状態で、略水平に設けられる。仕切り装置80の平面視で、支持棒61は略直線状に延ばされている。カーテン13は、複数の吊り下げ具23を用いて支持棒61によって支持されている。複数の吊り下げ具23は、支持棒61の中心線F2に沿った方向に複数設けられている。複数の吊り下げ具23は、支持棒61に対して中心線F2に沿った方向に移動可能である。
【0031】
仕切り装置60は、例えば、医療現場で医師が患者を診察する場合等において、医師が位置する空間と、患者が位置する空間とを、カーテン13で隔てる(区画する)ことにより、感染症対策の一助になる。仕切り装置60は、自立した簡易パテーションとしての役割を果たす。医師と患者とが、カーテン13を隔てて所定の距離を保持でき、衛生的である。医師は、問診、触診等にあたり、カーテン13の下へ手を差し入れたり、カーテン13の一部を少し持ち上げたりすることもできる。なお、仕切り装置60は床16に置かれる使用方法に代えて、仕切り装置60を机、テーブルの上等において使用することも可能である。さらに、複数、例えば、2つの支柱62を間隔をおいて配置し、2つの支柱62で支持棒61を支持することも可能である。
【0032】
図3(B)は、
図3(A)の支柱62を机71に固定して使用する取り付け機構72を設けた例である。取り付け機構72は、金具67、可動軸68、ノブ69を有する。基部64にコ字形の金具67が固定されている。金具67は雌ねじ穴を有する。可動軸68の外周面に雄ねじ部が設けられている。雄ねじ部は雌ねじ穴に挿入されている。ノブ69は、可動軸68に固定されており、人間が手でノブ69を回転させると可動軸68が回転し、かつ、可動軸68が中心線F1に沿った方向に移動する。可動軸68の先端に押し付け部70が固定されており、押し付け部70と金具67とにより机71を挟むと、支柱62が机71に固定される。ノブ69を操作して押し付け部70を机71から離間させると、支柱62を机71から取り外すことが可能である。取り付け機構72は、支柱62を磁石で机71に固定する構造、クリップで机71を挟む構造でもよい。取り付け機構72は、机71の平面方向に沿って複数設けられていてもよい。
【0033】
次に、支持棒61の変更例を説明する。支持棒61は、支柱62と同様の構成により、中心線F2に沿って略水平方向に伸縮可能な構成であってもよい。また、支持棒61は、
図4(A)のように平面視でL字形に屈曲された形状、
図4(B)のように平面視でコ字形に屈曲された形状であってもよい。さらに、
図4(C)のように、支持棒61が連結部61Aを介して連結された複数の構成片61Bを有し、複数の構成片61B同士が連結部61Aで折り畳み可能であってもよい。
【0034】
また、直線状の支持棒61と、L字形の支持棒61とを連結して組み立てられる構成であってもよい。支持棒61が平面視でL字形であると、人間の前と、左右いずれか一方でカーテン13を吊り下げることが可能である。このような構成を有する仕切り装置60を縦横に複数列ずつ配置すると、学校、教育、仕事等の環境において、複数の人間が着席する場合でも、人間同士を相互に仕切ることができる。さらに、平面視で形状が異なる複数の構成片同士を組み合わせて使用することも可能である。さらに、支持棒61がL字形であると、患者が寝るベッドの横に仕切り装置10を置くことで、患者と医師とをカーテン13によって隔てるような使用方法も可能である。
【0035】
さらに、支柱62の軸部65が複数の構成片を有しており、複数の構成片同士が連結及び分解可能であってもよい。支柱62に支持棒61が挿入される取付穴が、中心線F1に沿った方向に間隔をおいて複数設けられていてもよい。このように構成されていると、支持棒61を支柱62に取り付ける高さを任意に変更可能である。さらに、基部64は、脚部63に対して中心線F1に沿った方向に移動及び固定可能であってもよい。脚部63は、複数の脚を有するものの他、馬蹄型であってもよい。また、脚部63と基部64とが、取り付け及び取り外し可能であってもよい。
【0036】
さらに、カーテン13が支持棒61により支持され、かつ、支持棒61が支柱62から取り外されている状態で、カーテン13を支持棒に巻き付けつけることも可能である。なお、
図3(A)または
図3(B)に示された支柱62を2つ以上用いて、
図1及び
図2に示された支持棒11
の第1直線部17及び第2直線部18を、それぞれ支持することも可能である。
【0037】
<実施例3>
図5(A)及び
図5(B)は、仕切り装置80の他の例を示す正面図である。仕切り装置80は、支持棒61と、支持棒61に吊り下げ具23を介して取り付けられたカーテン13,14と、支持棒61に設けられた滑車81と、カーテン14に取り付けられた操作部材である紐82と、を有する。滑車81は、支持棒61によって回転可能に支持されている。紐82は、滑車81に掛けられている。
【0038】
紐82の長さ方向の一部は、複数の支持具、例えばクリップ83により、カーテン14の端部26の近くに固定されている。クリップ83を取り外すと、クリップ83がカーテン14を掴む位置を変更可能である。紐82の長さ方向のうち、滑車81を隔ててクリップ83が取り付けられている箇所とは反対側の箇所に、掴み部84が設けられている。滑車81及び紐82により、持ち上げ装置85が構成されている。
【0039】
紐82に対して牽引力が加えられていない場合、カーテン14は自重で
図5(A)のように垂れ下がった初期状態である。このため、カーテン14の端部26とカーテン13の端部25とが重なっており、2つの空間が仕切られている。したがって、一方の空間からは、他方の空間が見えない。なお、紐82のうち、滑車81と掴み部84との間に応答する箇所は、自重で垂れ下がっているか、または、掴み部84が壁または支柱に掛けて止められている。
【0040】
これに対して、掴み部84を手で掴んで紐82を引くと、滑車81が回転し、かつ、カーテン14は、
図5(B)のように紐82によって持ち上げられる。このため、カーテン14の端部26とカーテン13の端部25とが一部で離間され、端部26と端部25との間に隙間が生じる。したがって、一方の空間から他方の空間を見ることが可能である。また、端部26と端部25との間を患者が通行可能である。人間の一部がカーテン13,14に接触することを回避でき、衛生的であり、かつ、感染対策に寄与できる。端部26と端部25との間に隙間量は、カーテン14の持ち上げ量に応じて定まる。カーテン14の持ち上げ量は、状況に応じて任意に変更可能である。なお、掴み部84から手を離すと、カーテン14は自重で下降し、かつ、滑車81が回転され、かつ、カーテン14は
図5(A)の初期状態に戻る。
【0041】
さらに、紐82の長さ方向で掴み部84の反対側に位置する末端のクリップ83と、紐82とを固定し、末端のクリップ83以外のクリップ83が紐82に対して移動可能に構成されていてもよい。この構成であると、紐82が牽引されると、末端のクリップ83が移動してカーテン14が開かれ、紐42は、末端のクリップ83以外のクリップに対して移動する。そして、末端のクリップ83が他のクリップ83に接触した時点で、掴み部84を停止させることが可能である。以下、紐42を牽引し、クリップ83同士が接触した時点で、掴み部84を停止させることが可能である。したがって、カーテン14が一度に全開することを防止して、カーテン14を段階的に開くことが可能である。なお、カーテン14を閉じる場合も、カーテン14が一度に全閉することを防止して、カーテン14を段階的に閉じることが可能である。すなわち、クリップ83は、カーテン14を段階的に開閉させるための爪のような働きをする。さらに、全てのクリップ83に永久磁石を取り付けておくことも可能である。この構成であると、クリップ83同士が直接接触することを、永久磁石同士の反発力で防ぎ、クリップ83同士の間隔を確保可能である。
【0042】
さらに、紐82に掴み部84を設けることに代えて、巻取り装置を設けることも可能である。巻取り装置は、紐82が巻かれるプーリと、プーリに取り付けられるハンドルと、を有する。また、巻取り装置は、プーリの回転を停止させるロック機構を備えていてもよい。さらに、巻取り機構は、手動で紐82に牽引力を付加する構造の他、電動モータによって紐82に牽引力を付加する構造でもよい。さらに、持ち上げ装置85は、カーテン13を持ち上げるために設けることも可能である。また、持ち上げ装置85は、仕切り装置10,60に設けることも可能である。
【0043】
本実施形態で説明された事項の技術的意味の一例は、次の通りである。仕切り装置10,60,80は、仕切り装置の一例である。支持棒11及び支持リング12は、支持部の一例である。カーテン13,14は、遮蔽部材の一例である。
第1直線部17は、第1直線部の一例である。第1湾曲部20は、湾曲部及び第1湾曲部の一例である。
第2直線部18は、第2直線部の一例である。第2湾曲部21は、湾曲部及び第2湾曲部の一例である。隙間E1,E2は、隙間の一例である。カーテン13は、第1遮蔽部材の一例であり、カーテン14は、第2遮蔽部材の一例である。支柱62は、支柱の一例である。取り付け機構72は、取り付け機構の一例である。机71、テーブルは、支持台の一例である。持ち上げ装置85は、持ち上げ機構の一例である。
図2は、仕切り装置の平面視の一例である。
【0044】
本実施形態で説明した仕切り装置は、実施形態で図面を用いて説明したものに限定されない。例えば、遮蔽部材は、カーテンの他、合成樹脂製のシート、合成樹脂製のフィルム、合成樹脂製のプレート等を用いることも可能である。合成樹脂としては、フッ素樹脂、ビニール、ポリエチレン等を選択可能である。持ち上げ装置の紐に代えてロープ、ワイヤー等を用いてもよい。
【解決手段】水平方向に設けられる支持棒11及び支持リング12と、支持棒11及び支持リング12から吊り下げられて空間B1,B2を仕切る複数のカーテン13,14と、を有し、支持棒11は、直線状に延ばされた直線部17,18と、直線部17,18に接続されて湾曲された湾曲部20,21と、を有し、複数のカーテン13,14のそれぞれの一部が湾曲部20,21から吊り下げられていることにより、複数のカーテン13,14同士の間に隙間E1,E2が設けられている仕切り装置10を構成した。