特許第6941997号(P6941997)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6941997
(24)【登録日】2021年9月9日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】不正開封防止キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 50/06 20060101AFI20210916BHJP
   B65D 50/12 20060101ALI20210916BHJP
【FI】
   B65D50/06
   B65D50/12
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-148023(P2017-148023)
(22)【出願日】2017年7月31日
(65)【公開番号】特開2019-26331(P2019-26331A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】上村 英夫
【審査官】 武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0093189(KR,A)
【文献】 実公昭47−7907(JP,Y1)
【文献】 実開昭51−1348(JP,U)
【文献】 特開2001−72098(JP,A)
【文献】 米国特許第4632264(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 50/00−50/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口部に対するキャップ軸回りの回転に伴い前記口部に着脱可能とされた内キャップと、
前記内キャップを取り囲むとともに、前記内キャップに対してキャップ軸回りに回転可能に前記内キャップに組み合わされた外キャップと、
前記外キャップに対するキャップ軸回りの回転が規制されるとともに、前記外キャップに対してキャップ軸方向に移動可能に前記外キャップに組み付けられた操作部と、を備え、
前記内キャップには、内係合部が形成され、
前記操作部には、キャップ軸回りの周方向で前記内係合部に係合可能な操作係合部が形成され、
前記操作部は、
周方向のうち前記口部に対する緩み側への前記外キャップ及び前記操作部の回転に伴い、前記操作係合部が前記内係合部の緩み規制部に周方向で係合して、前記内キャップに対する前記外キャップの回転を規制する緩み係合位置と、
前記緩み係合位置よりも上方に位置するとともに、前記緩み側への前記内キャップに対する前記外キャップ及び前記操作部の回転を許容する許容位置と、の間をキャップ軸方向に移動可能に配設され、
前記外キャップには、前記許容位置に位置する前記操作部が前記操作部の下方から係止されて前記緩み係合位置への移動を抑止するとともに、前記内キャップに対する前記操作部の押し込み操作に伴い前記操作部が前記許容位置から前記緩み係合位置に向けて乗り越え可能な係止部が形成され
前記内係合部は、
周方向のうち前記口部に対する締め込み側への前記外キャップ及び前記操作部の回転に伴い、前記許容位置に位置する前記操作部の前記操作係合部が係合して前記内キャップに対する前記外キャップの前記締め込み側への回転を規制する締め込み規制部と、
前記締め込み側への前記外キャップ及び前記操作部の回転に伴い、前記緩み係合位置に位置する前記操作部の前記操作係合部が係合して前記許容位置に向けて前記操作部を案内する案内部と、を有していることを特徴とする不正開封防止キャップ。
【請求項2】
前記許容位置は、
前記操作係合部が前記締め込み規制部に係合する締め込み係合位置と、
前記締め込み係合位置よりも上方に位置するとともに、前記操作係合部が前記締め込み規制部に対して上方に退避した退避位置と、を含み、
前記内係合部は、前記緩み側への前記内キャップに対する前記外キャップ及び前記操作部の回転に伴い、前記締め込み係合位置に位置する前記操作部の前記操作係合部が摺接して前記操作部を前記退避位置に案内する内傾斜部を有し、
前記操作係合部のうち、前記内傾斜部との摺接部分には、前記緩み側に向かうに従い上方に延びる操作傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項3】
前記外キャップは、前記内キャップに対してキャップ軸方向に移動不能に組み合わされていることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の不正開封防止キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正開封防止キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
収容容器の不正開封を防止するために、容器本体の口部に不正開封防止キャップが取り付けられる場合がある。不正開封防止キャップでは、特定の使用対象者(以下、「対象者」という。)による開封を許容した上で、例えば乳幼児や子供等の開封を意図していない者(以下、「非対象者」という。)による開封を防止できることが好ましい。
【0003】
上述した不正開封防止キャップとして、例えば下記特許文献1には、口部に装着されるとともに、外周面に逆止歯列が形成された内キャップと、弾性変形可能な操作片を有するとともに、内キャップを取り囲む外キャップと、を備えた構成が開示されている。
特許文献1における不正開封防止キャップでは、外キャップの操作片を弾性変形させることで、操作片に形成された爪部が内キャップの逆止歯列に噛み合う。この状態で、外キャップを内キャップの緩み側に回転させることで、外キャップ及び内キャップが緩み側に一体に回転して、収容容器が開封される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−104408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の不正開封防止キャップでは、非対象者が外キャップを握りながら回転操作する際に、操作片を指先等で押さえてしまった場合には、爪部と逆止歯列とが噛み合い収容容器が開封されるおそれがあった。すなわち、従来の不正開封防止キャップでは、外キャップの回転操作を行うときに、意図しなくても操作片を押さえてしまうことがある。そのため、非対象者であっても開封できてしまう場合があった。
従来の不正開封防止キャップでは、開封操作時において、爪部と逆止歯列との噛み合いを維持させるために、操作片を指先等で押さえながら外キャップを回転させる必要がある。そのため、対象者による操作性の向上を図る点で未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、非対象者による開封を防止しつつ、対象者による操作性の向上を図ることができる不正開封防止キャップを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る不正開封防止キャップは、容器本体の口部に対するキャップ軸回りの回転に伴い前記口部に着脱可能とされた内キャップと、前記内キャップを取り囲むとともに、前記内キャップに対してキャップ軸回りに回転可能に前記内キャップに組み合わされた外キャップと、前記外キャップに対するキャップ軸回りの回転が規制されるとともに、前記外キャップに対してキャップ軸方向に移動可能に前記外キャップに組み付けられた操作部と、を備え、前記内キャップには、内係合部が形成され、前記操作部には、キャップ軸回りの周方向で前記内係合部に係合可能な操作係合部が形成され、前記操作部は、周方向のうち前記口部に対する緩み側への前記外キャップ及び前記操作部の回転に伴い、前記操作係合部が前記内係合部の緩み規制部に周方向で係合して、前記内キャップに対する前記外キャップの回転を規制する緩み係合位置と、前記緩み係合位置よりも上方に位置するとともに、前記緩み側への前記内キャップに対する前記外キャップ及び前記操作部の回転を許容する許容位置と、の間をキャップ軸方向に移動可能に配設され、前記外キャップには、前記許容位置に位置する前記操作部が前記操作部の下方から係止されて前記緩み係合位置への移動を抑止するとともに、前記内キャップに対する前記操作部の押し込み操作に伴い前記操作部が前記許容位置から前記緩み係合位置に向けて乗り越え可能な係止部が形成され、前記内係合部は、周方向のうち前記口部に対する締め込み側への前記外キャップ及び前記操作部の回転に伴い、前記許容位置に位置する前記操作部の前記操作係合部が係合して前記内キャップに対する前記外キャップの前記締め込み側への回転を規制する締め込み規制部と、前記締め込み側への前記外キャップ及び前記操作部の回転に伴い、前記緩み係合位置に位置する前記操作部の前記操作係合部が係合して前記許容位置に向けて前記操作部を案内する案内部と、を有している。
【0008】
この構成によれば、内キャップと外キャップとの連結状態及び非連結状態を、外キャップに対する操作部のキャップ軸方向の移動により切り替えることができる。すなわち、緩み側係合位置では、内キャップに対する外キャップの緩み側への回転力が、内係合部及び操作係合部を介して内キャップに伝達される。その結果、外キャップ及び内キャップが一体となって緩み側に回転することで、不正開封防止キャップを開封できる。
一方、許容位置では、内キャップに対する外キャップ及び操作部の回転が許容されるので、仮に外キャップが緩み側に回転したとしても、外キャップが内キャップに対して空転する。これにより、内キャップと口部との装着状態が維持される。その結果、例えば非対象者による意図しない開封を防止することができる。
特に、本発明の構成では、退避位置に位置する操作部の緩み係合位置への移動が係止部により抑止されているため、操作部を退避位置から緩み係合位置に移動させるためには、操作部が係止部を乗り越えるまで操作部を押圧操作する必要がある。すなわち、外キャップを緩み側に回転させるだけでは、不正開封防止キャップが開封できないので、非対象者による開封を防止できる。
しかも、操作部が係止部を乗り越えた後は、操作部が緩み係合位置で保持されるので、操作部を緩み係合位置に移動させた後、操作部を指等で押さえ続けることなく、開封操作を行うことができる。
その結果、非対象者による開封を防止しつつ、対象者による操作性の向上を図ることができる。
【0009】
また、許容位置において、外キャップを締め込み側に回転させると、操作係合部と締め込み規制部とが係合することで、内キャップ及び外キャップが一体になって締め込み側に回転する。これにより、口部に不正開封防止キャップ(内キャップ)を装着できる。
特に、緩み係合位置に位置する操作部を許容位置に案内する案内部を有しているため、例えば不正開封防止キャップの装着操作の際、外キャップを締め込み側に回転させるだけで、緩み係合位置に位置する操作部を許容位置に移動させることができる。そのため、不正開封防止キャップの装着操作後、操作部を意図的に許容位置に復帰させる必要がないので、更なる操作性の向上を図ることができる。不正開封防止キャップの装着操作後、操作部が緩み係合位置に保持されるのを防止できるので(操作部を許容位置に戻し忘れるのを防止できるので)、非対象者による開封をより確実に防止できる。
しかも、容器本体内への内容物の供給後、外キャップが緩み係合位置にある場合であっても、締め込み側に外キャップを回転させるだけで、不正開封防止キャップを容器本体に装着できる。これにより、製造効率の向上を図ることができる。
【0010】
本発明に係る不正開封防止キャップにおいて、前記許容位置は、前記操作係合部が前記締め込み規制部に係合する締め込み係合位置と、前記締め込み係合位置よりも上方に位置するとともに、前記操作係合部が前記締め込み規制部に対して上方に退避した退避位置と、を含み、前記内係合部は、前記緩み側への前記内キャップに対する前記外キャップ及び前記操作部の回転に伴い、前記締め込み係合位置に位置する前記操作部の前記操作係合部が摺接して前記操作部を前記退避位置に案内する内傾斜部を有し、前記操作係合部のうち、前記内傾斜部との摺接部分には、前記緩み側に向かうに従い上方に延びる操作傾斜部が形成されていてもよい。
この構成によれば、締め込み係合位置において、外キャップの緩み側への回転に伴い、操作係合部と内傾斜部とが摺動することで、締め込み係合位置に位置する操作部が退避位置に案内される。そのため、締め込み係合位置で外キャップを緩み側に回転させた場合には、外キャップが内キャップに対して空転する。したがって、締め込み係合位置で外キャップを緩み側に回転させるだけで、不正開封防止キャップが口部から取り外されるのを防止できる。
しかも、本発明の構成では、操作係合部のうち内傾斜部との摺接部分に操作傾斜部が形成されているため、外キャップの緩み側への回転に伴い、各係合部が傾斜部同士で摺接する。そのため、操作部をスムーズに退避位置に移動させることができ、更なる操作性の向上を図ることができる。
【0011】
本発明に係る不正開封防止キャップにおいて、前記外キャップは、前記内キャップに対してキャップ軸方向に移動不能に組み合わされていてもよい。
この構成によれば、外キャップを安定して回転させることができるので、更なる操作性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る不正開封防止キャップによれば、非対象者による開封を防止しつつ、対象者による操作性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る収容容器(締め込み係合位置)の部分断面図である。
図2】実施形態に係る収容容器の平面図である。
図3】係合機構(締め込み係合位置)の展開図である。
図4】実施形態に係る収容容器(緩み係合位置)の部分断面図である。
図5】係合機構(緩み係合位置)の展開図である。
図6】実施形態に係る収容容器(退避位置)の部分断面図である。
図7】係合機構(退避位置)の展開図である。
図8】実施形態に係る収容容器(緩み係合位置と締め込み係合位置との移行時)の部分断面図である。
図9】係合機構(緩み係合位置と締め込み係合位置との移行時)の展開図である。
図10】係合機構(締め込み係合位置から退避位置への移行時)の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、実施形態に係る不正開封防止キャップ1が容器本体2に取り付けられて構成された収容容器3を例にして説明する。
図1に示すように、本実施形態の収容容器3は、内容物が収容される有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部5に装着された有頂筒状の不正開封防止キャップ1と、を備えている。なお、本実施形態において、容器本体2内に収容される内容物としては、例えば、誤飲や誤食を防止する必要のある薬剤等が挙げられる。但し、内容物は、適宜変更が可能である。
【0015】
本実施形態において、不正開封防止キャップ1及び容器本体2の中心軸は、それぞれ同軸に配置されている。したがって、以下の説明では、不正開封防止キャップ1及び容器本体2の中心軸をキャップ軸Oという。この場合、収容容器3において、容器本体2の底部6に対して不正開封防止キャップ1側を上側とし、不正開封防止キャップ1に対して容器本体2の底部6側を下側とする。キャップ軸O回りに周回する方向を周方向とし、キャップ軸O方向から見た平面視においてキャップ軸Oに直交する方向を径方向とする。周方向のうち、収容容器3の上面視でキャップ軸Oを時計回りに周回する方向を第1回転方向M1といい、その逆方向を第2回転方向M2という。
【0016】
不正開封防止キャップ1は、内キャップ10と、外キャップ11と、操作部12と、を主に備えている。
内キャップ10は、口部5に着脱可能に装着されている。具体的に、内キャップ10は、内天壁部22と、内天壁部22の外周縁から下方に延設された内周壁部23と、を主に有している。
【0017】
内周壁部23は、下方に位置するものほど拡径された多段筒状に形成されている。具体的に、内周壁部23は、下筒部24及び上筒部25と、下筒部24及び上筒部25間を接続するフランジ部26と、を有している。
【0018】
下筒部24の内周面には、雌ねじ部が形成されている。雌ねじ部は、口部5の外周面に形成された雄ねじ部に螺着されている。雄ねじ部は、口部5に対して内キャップ10を第1回転方向M1に回転させた際に、内キャップ10が締め込まれるように螺旋状に形成されている。そのため、周方向のうち、第1回転方向M1が、内キャップ10の口部5に対する締め込み側となる。第2回転方向M2が、内キャップ10の口部5に対する緩み側となる。なお、下筒部24と口部5は、口部5に対する下筒部24のキャップ軸O回りの回転に伴い、着脱される構成であれば、雌ねじ部及び雄ねじ部以外の構成で装着されていてもよい。
【0019】
下筒部24の下端部には、スカート部31が形成されている。スカート部31は、下方に向かうに従い、径方向の外側に向けて延在している。スカート部31は、下筒部24の全周に亘って形成されている。但し、スカート部31は、周方向の一部が分断されていてもよい。
【0020】
フランジ部26は、下筒部24の上端部から径方向の内側に突設されている。フランジ部26の下面は、パッキン32を間に挟んで口部5の上端開口縁上に配置されている。
上筒部25は、フランジ部26の内周縁から上方に延設されている。上筒部25の外径は、口部5の内径よりも小さくなっている。但し、上筒部25の外径は、適宜変更が可能である。
【0021】
外キャップ11は、内キャップ10に対してキャップ軸O方向に移動不能に、かつ内キャップ10に対してキャップ軸O回りに回転可能に内キャップ10に組み合わされている。具体的に、外キャップ11は、外筒41及び内筒42と、外筒41及び内筒42の上端部同士を接続する外天壁部43、を主に備えている。
【0022】
外筒41は、内キャップ10を径方向の外側から取り囲んでいる。外筒41のキャップ軸O方向の長さは、内キャップ10(内周壁部23)のキャップ軸O方向の長さよりも長くなっている。そのため、外筒41は、内周壁部23の全体を径方向の外側から取り囲んでいる。
【0023】
外筒41は、下方に位置する大径部51と、大径部51に対して上方に連なり、大径部51に対して内径が縮小した小径部52と、を有している。
【0024】
大径部51は、上述した下筒部24を径方向の外側から囲繞している。大径部51の内周面は、下筒部24の外周面に摺動可能に構成されていても、下筒部24の外周面に対して径方向に離間していてもよい。大径部51の下端部には、径方向の内側に突出する第1係止部53が形成されている。第1係止部53は、上述したスカート部31にスカート部31の下方から係止されている。これにより、内キャップ10に対する外キャップ11の上方移動が規制されている。本実施形態では、スカート部31と第1係止部53とが係止される構成について説明したが、この構成のみに限られない。すなわち、外キャップ11が内キャップ10に対して内キャップ10の下方から係止される構成であれば、例えばスカート部31を有さない構成等であってもよい。
【0025】
小径部52は、大径部51の上端開口縁から上方に延設されている。大径部51及び小径部52の外周面は、面一になっている。小径部52の下端開口縁(大径部51から径方向の内側に突出した部分)は、上述したフランジ部26の上面にキャップ軸O方向で当接している。これにより、内キャップ10に対する外キャップ11の下方移動が規制されている。すなわち、本実施形態の外キャップ11は、小径部52と第1係止部53との間に下筒部24がキャップ軸O方向で挟持されることで、内キャップ10に対するキャップ軸O方向への移動が規制されている。
【0026】
小径部52において、キャップ軸O方向における中央部分には、第2係止部(係止部)55が形成されている。第2係止部55は、小径部52の内周面から径方向の内側に突出している。なお、第2係止部55は、小径部52における周方向の全周に亘って連続的に形成されていても、周方向に間欠的に形成されていてもよい。
【0027】
外天壁部43は、小径部52の上端部から径方向の内側に突設されている。外天壁部43は、キャップ軸O方向から見た平面視でリング状に形成されている。
【0028】
内筒42は、外天壁部43の内周縁から下方に延設されている。内筒42の下端開口縁は、小径部52の下端開口縁よりも上方に位置している。すなわち、内筒42の下端開口縁は、フランジ部26の上面に対してキャップ軸O方向に離間している。図1図2に示すように、内筒42には、径方向の内側に窪むガイド溝58が形成されている。ガイド溝58は、内筒42をキャップ軸O方向に貫通している。本実施形態において、ガイド溝58は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0029】
図1に示すように、操作部12は、キャップ軸O方向に沿う縦断面視でハット形状に形成されている。具体的に、操作部12は、操作天壁部61と、操作周壁部62と、操作フランジ部63と、を主に有している。操作部12は、内キャップ10及び外キャップ11に対してキャップ軸O方向に移動可能に、かつ外キャップ11に対して相対回転不能に外キャップ11に組み付けられている。
【0030】
操作天壁部61は、上述した内筒42の内側において、内天壁部22に対して上方に離間した状態で配置されている。すなわち、操作天壁部61は、内筒42の内側を通して外キャップ11の外部に露出している。本実施形態において、操作天壁部61の上面は、外天壁部43の上面と面一に配置されている。但し、操作天壁部61の上面は、外天壁部43の上面に対して下方若しくは上方に配置されていてもよい。なお、操作部12は、少なくとも一部が外キャップ11から露出して操作可能に構成されていれば、必ずしも操作天壁部61が露出している必要はない。
【0031】
操作周壁部62は、操作天壁部61の外周縁から下方に延設されている。操作周壁部62は、内周壁部23の周囲を取り囲んでいる。なお、操作周壁部62の内周面は、内周壁部23の外周面に摺動可能に構成されていても、内周壁部23の外周面に対して径方向に離間していてもよい。
【0032】
操作フランジ部63は、操作周壁部62の下端部から径方向の外側に突出している。操作フランジ部63の外周縁は、上述した第2係止部55に第2係止部55の上方から係止されている。これにより、外キャップ11に対する操作部12の下方移動が抑止されている。操作フランジ部63は、外キャップ11に対する操作部12の押圧操作に伴い、第2係止部55を乗り越え可能に構成されている。操作フランジ部63の外周面は、縦断面視において、上方に向かうに従い径方向の内側に延びる傾斜面に形成されている。但し、操作フランジ部63の外周面は、縦断面視において、径方向に直交する平坦面であってもよい。
【0033】
図1図2に示すように、操作周壁部62の外周面には、縦リブ66が形成されている。縦リブ66は、操作周壁部62の外周面から径方向の外側に突出するとともに、キャップ軸O方向に延設されている。縦リブ66の下端面は、操作フランジ部63の上面に接続されている。本実施形態において、縦リブ66は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。各縦リブ66は、周方向で対応するガイド溝58内に各別に収容されている。これにより、操作部12は、外キャップ11に対する回転が規制された上で、外キャップ11に対してキャップ軸O方向に移動可能に構成されている。
【0034】
ここで、図2図3に示すように、内キャップ10と操作部12との間には、係合機構71が配設されている。係合機構71は、操作部12の操作に伴い、外キャップ11と内キャップ10との連結状態及び非連結状態を切り替える。具体的に、係合機構71は、内キャップ10に設けられた内係合部72と、操作部12に設けられた操作係合部73と、を備えている。
【0035】
図3に示すように、内係合部72は、フランジ部26から上方に突設されている。内係合部72における径方向の内側を向く面は、上筒部25の外周面に連なっている。内係合部72における周方向及び上方を向く面は、操作係合部73との係合面を構成している。図3に示すように、内係合部72の係合面は、案内部81、締め込み規制部82、内傾斜部83及び緩み規制部84が周方向における第2回転方向M2から第1回転方向M1にかけて順次連なって形成されている。
【0036】
案内部81は、第1回転方向M1に向かうに従い上方に向けて直線状に延在する傾斜面である。なお、案内部81は、第1回転方向M1に向かうに従い上方に湾曲しながら延在していてもよい。すなわち、本実施形態において、「傾斜」とは、単に周方向の一方に向かうに従いキャップ軸O方向に延在する構成をいう。
【0037】
締め込み規制部82は、案内部81の上端縁から上方に延設されている。締め込み規制部82は、内係合部72において、第2回転方向M2を向き、かつ第2回転方向M2に対して直交する平坦面である。但し、締め込み規制部82は、第2回転方向M2に対して傾斜して延在していてもよい。
【0038】
内傾斜部83は、締め込み規制部82の上端縁から第1回転方向M1に向かうに従い下方に向けて直線状に延在する傾斜面である。なお、内傾斜部83は、第1回転方向M1に向かうに従い下方に湾曲しながら延在していてもよい。
【0039】
緩み規制部84は、内傾斜部83の下端縁から下方に延設されている。緩み規制部84は、内係合部72において、第1回転方向M1を向き、かつ第1回転方向M1に対して直交する平坦面である。但し、緩み規制部84は、第1回転方向M1に対して傾斜して延在していてもよい。本実施形態において、締め込み規制部82の下端縁及び緩み規制部84の上端縁(案内部81の上端縁及び内傾斜部83の下端縁)は、キャップ軸O方向の位置が同等に配置されている。但し、締め込み規制部82の下端縁及び緩み規制部84の上端縁のキャップ軸O方向の位置は、適宜変更が可能である。
【0040】
操作係合部73は、操作フランジ部63の内周部分から下方に延設されている。操作係合部73における周方向及び下方を向く面は、内係合部72との係合面を構成している。操作係合部73の係合面は、締め込み規制部91、摺動部92及び緩み規制部93が第1回転方向M1から第2回転方向M2にかけて順次連なって形成されている。
【0041】
締め込み規制部91は、操作係合部73において、第1回転方向M1を向き、かつ第1回転方向M1に対して直交する平坦面である。但し、締め込み規制部91は、第1回転方向M1に対して傾斜して延在していてもよい。
緩み規制部93は、操作係合部73において、第2回転方向M2を向き、かつ第2回転方向M2に対して直交する平坦面である。但し、緩み規制部93は、第2回転方向M2に対して傾斜して延在していてもよい。
【0042】
摺動部92は、締め込み規制部91及び緩み規制部93の下端縁同士を接続している。摺動部92のうち、周方向の中央部に対して第2回転方向M2寄りに位置する部分は、第2回転方向M2に向かうに従い上方に延在する操作傾斜部92aを構成している。本実施形態において、操作傾斜部92aは、下方に突の湾曲面である。但し、操作傾斜部92aは、第2回転方向M2に向かうに従い上方に向けて直線状に延在する構成であってもよい。
【0043】
操作傾斜部92aは、上述した緩み規制部93の下端縁に連なっている。なお、操作傾斜部92aは、少なくとも緩み規制部93の下端縁に連なる構成であれば、摺動部92のうち、操作傾斜部92aの周方向における範囲は適宜変更が可能である。例えば、摺動部92における周方向の全体が操作傾斜部92aであってもよい。本実施形態において、摺動部92のうち、周方向の中央部に対して第1回転方向M1寄りに位置する部分は、キャップ軸O方向に直交する平坦面に形成されている。
【0044】
本実施形態において、各係合部72,73は、周方向に間隔をあけて複数ずつ形成されている。但し、各係合部72,73は、少なくとも1つずつ形成されていれば、異数であってもよい。
【0045】
操作部12は、緩み係合位置(図4図5参照)と、締め込み係合位置(図1図3参照)と、退避位置(図6図7参照)と、の間をキャップ軸O方向に移動可能に構成されている。
図4図5に示す緩み係合位置では、内係合部72の緩み規制部84と、操作係合部73の緩み規制部93と、が周方向で係合している。緩み係合位置では、内キャップ10に対する外キャップ11の第2回転方向M2への回転が係合機構71を介して規制されている。これにより、外キャップ11及び操作部12の第2回転方向M2への回転に伴い、不正開封防止キャップ1全体が第2回転方向M2へ一体で回転する。なお、緩み係合位置において、操作部12の操作フランジ部63は、第2係止部55を下方に乗り越えている。
【0046】
図1図3に示す締め込み係合位置では、内係合部72の締め込み規制部82と、操作係合部73の締め込み規制部91と、が周方向で係合している。締め込み係合位置では、内キャップ10に対する外キャップ11の第1回転方向M1への回転が係合機構71を介して規制されている。これにより、外キャップ11及び操作部12の第1回転方向M1への回転に伴い、不正開封防止キャップ1全体が第1回転方向M1へ一体で回転する。なお、締め込み係合位置において、操作部12は、第2係止部55が操作フランジ部63に操作フランジ部63の下方から係止されることで、外キャップ11に対する下方移動が抑止されている。
【0047】
図6図7に示す退避位置では、操作係合部73が内係合部72に対して上方に位置している。退避位置では、操作係合部73及び内係合部72が周方向の両側で係合しない。すなわち、退避位置では、内キャップ10に対する外キャップ11及び操作部12の第1回転方向M1及び第2回転方向M2の双方への回転が許容される(内キャップ10に対して外キャップ11及び操作部12が空転する。)。なお、退避位置において、操作フランジ部63は第2係止部55に対して上方に離間している。上述した締め込み係合位置及び退避位置は、本発明における「許容位置」に相当している。
【0048】
次に、上述した収容容器3の作用について説明する。
まず、収容容器3の開封方法について説明する。以下の説明では、図1図3に示すように、締め込み係合位置において、操作係合部73の摺動部92が内係合部72の案内部81とキャップ軸O方向で対向している状態を初期位置として説明する。
収容容器3を開封するには、操作部12を緩み係合位置に移動させる。具体的には、図1図3に示す初期位置に位置する操作部12を下方に向けて押し込む。本実施形態において、操作部12は外キャップ11に対する回転が規制されている。そのため、図9に示すように、操作部12の押し込み操作に伴い、摺動部92が案内部81を摺動することで、操作部12及び外キャップ11が第2回転方向M2に一体で回転しながら、操作部12が外キャップ11に対して下方に移動する(図9における矢印L1参照)。図4に示すように、操作部12が下方に移動する過程において、操作フランジ部63が第2係止部55を下方に乗り越える。これにより、図5に示すように、操作部12が緩み係合位置に移動する。なお、操作係合部73と内係合部72(案内部81)とがキャップ軸O方向で対向していない場合には、操作部12の押し込み操作によって操作部12の緩み係合位置に向けた下方移動のみが行われる(外キャップ11及び操作部12は回転しない)。
【0049】
操作部12が緩み係合位置に移動した状態で、外キャップ11をさらに第2回転方向M2に回転させると、内係合部72及び操作係合部73の緩み規制部84,93が周方向で係合する。この状態で、図5図8に示すように、外キャップ11をさらに第2回転方向M2に回転させると、外キャップ11の第2回転方向M2への回転力が係合機構71を介して内キャップ10に伝達される。これにより、内キャップ10及び外キャップ11が一体になって第2回転方向M2に回転する。その結果、口部5に対する内キャップ10の螺着が解除され、収容容器3が開封される。
【0050】
次に、操作部12が図5に示す緩み係合位置にある状態での収容容器3の閉塞操作について説明する。
内キャップ10を口部5に組み合わせた状態で、外キャップ11を第1回転方向M1に回転操作する。図8図9に示すように、外キャップ11の第1回転方向M1への回転操作に伴い、外キャップ11及び操作部12が内キャップ10に対して第1回転方向M1に相対回転する。すると、操作係合部73の摺動部92が内係合部72の案内部81上を摺動することで、操作部12が外キャップ11に対して上方に移動する(図9における矢印L2参照)。操作部12の上方移動に伴い、操作フランジ部63が第2係止部55を上方に乗り越える。これにより、図1図3に示すように、操作部12が締め込み係合位置に移動する。すなわち、内係合部72の締め込み規制部82と、操作係合部73の締め込み規制部91と、が周方向で係合する。
【0051】
この状態で、外キャップ11を第1回転方向M1に回転させると、外キャップ11の第1回転方向M1への回転力が係合機構71を介して内キャップ10に伝達される。これにより、内キャップ10及び外キャップ11が一体になって第1回転方向M1に回転する。その結果、内キャップ10が口部5に螺着され、収容容器3が閉塞される。
【0052】
次に、操作部12が締め込み係合位置にある状態で、外キャップ11を第2回転方向M2に回転操作を行う場合について説明する。
図10に示すように、外キャップ11を第2回転方向M2に回転させると、操作係合部73の操作傾斜部92aが内係合部72の内傾斜部83に周方向で当接する。この状態で、外キャップ11をさらに第2回転方向M2に回転させると、操作傾斜部92aが内傾斜部83上を摺動する(図10における矢印L3参照)。これにより、外キャップ11の第2回転方向M2の回転に伴い、操作部12が外キャップ11に対して上方に移動する。その後、図6図7に示すように、操作係合部73が内係合部72を乗り越える(図7における矢印L4参照)。すなわち、操作部12は、操作係合部73が内係合部72に対して上方に退避した退避位置に移動する。これにより、外キャップ11の第2回転方向M2への回転に伴い、外キャップ11が内キャップ10に対して空転することで、内キャップ10が第2回転方向M2に回転することはない。その結果、内キャップ10と口部5との螺着が解除されることはなく、収容容器3が閉塞状態を維持する。
【0053】
操作係合部73が内係合部72を乗り越えた後(摺動部92が内傾斜部83を通過した後)、操作部12は例えば自重によって締め込み係合位置に復帰する。その後、外キャップ11の第2回転方向M2への回転に伴い、再び操作係合部73が内係合部72に接触した場合には、上述した退避位置への移動が繰り返される。すなわち、本実施形態の不正開封防止キャップ1では、操作部12が締め込み係合位置にある状態で外キャップ11を第2回転方向M2に回転させると、操作部12が締め込み係合位置と退避位置との間を移動しながら、外キャップ11が内キャップ10に対して空転する。なお、操作部12は、一旦退避位置に移動した後、例えば操作部12及び外キャップ11間の摩擦力等によって退避位置を維持する構成であってもよい。
【0054】
このように、本実施形態では、緩み側係合位置及び退避位置(許容位置)にキャップ軸O方向で移動する操作部12を有する構成とした。
この構成によれば、内キャップ10と外キャップ11との連結状態及び非連結状態を、外キャップ11に対する操作部12のキャップ軸O方向の移動により切り替えることができる。緩み側係合位置では、外キャップ11に作用した第2回転方向M2への回転力が、係合機構71を介して内キャップ10に伝達される。その結果、外キャップ11及び内キャップ10が一体となって第2回転方向M2に回転することで、収容容器3を開封できる。
一方、退避位置では、内キャップ10に対する外キャップ11及び操作部12の回転が許容されるので、仮に外キャップ11が第2回転方向M2に回転したとしても、外キャップ11が内キャップ10に対して空転する。これにより、内キャップ10と口部5との螺着状態が維持される。その結果、例えば非対象者による意図しない開封を防止することができる。
【0055】
特に、本実施形態では、締め込み係合位置に位置する操作部12の緩み係合位置への下方移動が第2係止部55により抑止されているため、操作部12を締め込み係合位置から緩み係合位置に移動させるためには、操作部12が第2係止部55を乗り越えるまで操作部12を押し込み操作する必要がある。すなわち、外キャップ11を第2回転方向M2へ回転させるだけでは、不正開封防止キャップ1が開封できないので、非対象者による開封を防止できる。
しかも、操作部12が第2係止部55を乗り越えた後は、操作部12が緩み係合位置で保持されるので、操作部12を緩み係合位置に移動させた後、操作部12を指等で押さえ続けることなく、開封操作を行うことができる。
その結果、非対象者による開封を防止しつつ、対象者による操作性の向上を図ることができる。
【0056】
本実施形態では、操作部12が締め込み係合位置(許容位置)にあるとき、外キャップ11の第1回転方向M1への回転に伴い、互いに係合する締め込み規制部82,91を有している。
この構成によれば、締め込み係合位置において、外キャップ11を第1回転方向M1に回転させると、各締め込み規制部82,91が係合することで、内キャップ10及び外キャップ11が一体になって第1回転方向M1に回転する。これにより、口部5に不正開封防止キャップ1(内キャップ10)を装着できる。
【0057】
特に、本実施形態では、内係合部72が、外キャップ11の第1回転方向M1への回転に伴い、操作部12を緩み係合位置から締め込み係合位置(許容位置)に案内する案内部81を有している。
この構成によれば、収容容器3の閉塞操作の際、外キャップ11を第1回転方向M1に回転させるだけで、緩み係合位置に位置する操作部12を締め込み係合位置に移動させることができる。そのため、収容容器3の閉塞操作後、操作部12を意図的に締め込み係合位置に復帰させる必要がないので、更なる操作性の向上を図ることができる。収容容器3の閉塞操作後、操作部12が緩み係合位置に保持されるのを防止できるので(操作部12を締め込み係合位置に戻し忘れるのを防止できるので)、非対象者による開封をより確実に防止できる。
しかも、収容容器3の製造時において、容器本体2内への内容物の供給後、外キャップ11が緩み係合位置にある場合であっても、第1回転方向M1に外キャップ11を回転させるだけで、不正開封防止キャップ1を容器本体2に装着できる。これにより、製造効率の向上を図ることができる。
【0058】
本実施形態では、締め込み係合位置において、外キャップ11の第2回転方向M2への回転に伴い、操作係合部73の摺動部92に係合して操作部12を退避位置に案内する内傾斜部83を有している。
この構成によれば、締め込み係合位置において、外キャップ11の第2回転方向M2への回転に伴い、操作係合部73の摺動部92と内傾斜部83とが摺動することで、締め込み位置に位置する操作部12が退避位置に案内される。そのため、締め込み係合位置で外キャップ11を第2回転方向M2へ回転させた場合には、外キャップ11が内キャップ10に対して空転する。したがって、締め込み係合位置で外キャップ11を第2回転方向M2へ回転させるだけで、不正開封防止キャップ1が口部5から取り外されるのを防止できる。
【0059】
本実施形態では、操作係合部73のうち、内傾斜部83との摺接部分に操作傾斜部92aが形成されている構成とした。
この構成によれば、外キャップ11の第2回転方向M2への回転に伴い、各係合部72,73が傾斜部83,92a同士で摺接するため、操作部12をスムーズに退避位置に移動させることができる。これにより、更なる操作性の向上を図ることができる。
【0060】
本実施形態では、外キャップ11が内キャップ10に対してキャップ軸O方向に移動不能に組み合わされている構成とした。
この構成によれば、外キャップ11を安定して回転させることができるので、更なる操作性の向上を図ることができる。
【0061】
本実施形態では、内キャップ10の周囲全体が外キャップ11により取り囲まれている。これにより、不正開封防止キャップ1の外観を通常のキャップ(係合機構を有していないキャップ)と外観を同等にすることができる。そのため、開封方法の判断を難しくすることができる。
しかも、外キャップ11の外筒41に孔や隙間等が設けられていないので、係合機構71の搭載に伴う意匠性の低下を抑制できる。
【0062】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、操作部12が緩み係合位置、締め込み係合位置及び退避位置に移動する構成について説明したが、この構成のみに限られない。操作部12は、少なくとも緩み係合位置及び退避位置(許容位置)間を移動すればよい。すなわち、内係合部72が締め込み規制部82及び内傾斜部83を有さない構成であってもよい。
【0063】
上述した実施形態では、操作周壁部62に縦リブ66を設け、内筒42にガイド溝58を設ける構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、操作フランジ部63に縦リブを設け、外筒41の内周面にガイド溝を設ける構成でもよい。この構成によれば、縦リブ及びガイド溝が不正開封防止キャップ1の外部から視認できない位置に配置されるので、意匠性の向上を図ることができる。なお、操作部12にガイド溝を設け、外キャップ11に縦リブを設ける構成であってもよい。
【0064】
なお、不正開封防止キャップ1の未使用状態において、操作天壁部61及び外天壁部43を覆うようにシール部材を設けたり、操作部12と外キャップ11とを破断可能な弱化部で連結したりしてもよい。この構成によれば、操作部12が不意に緩み係合位置に移動するのを抑制できる。
【0065】
上述した実施形態では、内係合部72に案内部81や内傾斜部83が形成された構成について説明したが、この構成のみに限らず、操作係合部73に案内部や内傾斜部が形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…不正開封防止キャップ
2…容器本体
5…口部
10…内キャップ
11…外キャップ
12…操作部
55…第2係止部(係止部)
72…内係合部
73…操作係合部
81…案内部
82…締め込み規制部
83…内傾斜部
84…緩み規制部
92a…操作傾斜部
図1
図2
図3
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図5
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