(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る帯電装置が採用された画像形成装置の構成を示す側面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、色分解された画像情報に応じて各色相に合致した現像剤(以下、トナーと称する。)により形成される現像剤像(以下、トナー像と称する。)が形成される感光体ドラム21(21a,21b,21c,21d)と、この感光体ドラム21を帯電させる帯電器(帯電装置)22(22a,22b,22c,22d)と、この感光体ドラム21の表面に前記トナーを供給する現像装置23(23a,23b,23c,23d)とを備えた複数のプロセス印刷ユニット(画像形成部)20(20a,20b,20c,20d)を備え、さらに、画像情報に基づいて色毎に各々の感光体ドラム21上にレーザ光(ビーム)を照射して静電潜像を生成する露光ユニット(光走査装置)10と、供給された記録用紙を搬送する無端の転写ベルト31を備えた転写ベルトユニット30と、加熱ローラ27aと加圧ローラ27bとにより記録用紙に転写されたトナー像を熱定着させる定着ユニット27とを備え、印刷画像情報に基づき電子写真方式により感光体ドラム21上に形成された静電潜像を現像剤によって顕像化して、その顕像化されたトナー像を記録用紙に転写して出力するようにした画像形成装置1であって、帯電器22として、本発明に係る帯電装置を構成して搭載したものである。
【0016】
まず、画像形成装置1の全体構成について説明する。
【0017】
本実施形態に係る画像形成装置1は、
図1に示すように、画像情報を色分解して色相毎に画像を形成してカラー画像を出力するようにした、いわゆるデジタルカラープリンタであって、大略的に画像形成部108と給紙部109とにより構成され、外部に接続されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置(図示省略)からの印刷ジョブに基づいて多色画像又は単色画像を記録用紙上に形成するものである。
【0018】
画像形成部108は、電子写真方式で、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色を用いて多色画像を形成するものであって、主に、露光ユニット10、プロセス印刷ユニット20、定着ユニット27、転写ベルト31を備える転写手段としての転写ベルトユニット30、転写ローラ36、転写ベルトクリーニングユニット37とにより構成されている。
【0019】
画像形成部108の概略構成は、画像形成装置1の筐体1aの一端側の上部に定着ユニット27を配置し、該定着ユニット27の下方に筐体1aの一端側から他端側に渡り転写ベルトユニット30を配置するとともに、該転写ベルトユニット30の下方にプロセス印刷ユニット20を配置し、さらに該プロセス印刷ユニット20の下方に露光ユニット10を配置している。
【0020】
また、転写ベルトユニット30の他端側には転写ベルトクリーニングユニット37が設けられている。さらに、画像形成部108の上部には定着ユニット27に隣接して排紙トレイ43が設けられている。そして、この画像形成部108の下側に給紙部109が構成されている。
【0021】
本実施形態では、プロセス印刷ユニット20として、ブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色に対応した4個のプロセス印刷ユニット20a,20b,20c,20dが転写ベルト31に沿って順次設けられている。
【0022】
これらプロセス印刷ユニット20(20a,20b,20c,20d)は、筐体1a内で略水平方向(図中の左右方向)に平行して並設され、色毎に像担持体たる感光体ドラム21(21a,21b,21c,21d)、該感光体ドラム21を帯電させる帯電器(帯電手段)22(22a,22b,22c,22d)、現像装置(現像手段)23(23a,23b,23c,23d)、クリーナユニット24(24a,24b,24c,24d)等をそれぞれ備えている。
【0023】
ここで、色毎に対応する構成要素に付したa,b,c,dの記号は、それぞれブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色に対応するように記載したものであるが、以下の説明において、特定の色に対応する構成要素を指定して説明する場合を除き、各色に対して設けられている構成要素をまとめて、感光体ドラム21、帯電器22、現像装置23、クリーナユニット24と記載するものとする。
【0024】
感光体ドラム21は、外周面の一部が転写ベルト31の表面に接触するように配置されるとともに、ドラムの外周面に沿って電界発生部としての帯電器22、現像装置23、及びクリーナユニット24が近接配置されている。
【0025】
帯電器22は、ローラ型帯電器が用いられ、感光体ドラム21を挟んで転写ベルトユニット30が配置する位置と略反対側で感光体ドラム21の外周面に沿って配置されている。
【0026】
現像装置23は、ブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の各色のトナーが各色ずつ現像装置23a,23b,23c,23d毎に収納されており、感光体ドラム回転方向(図中の矢印A方向)で帯電器22より下流側に配置されている。
【0027】
現像装置23a,23b,23c,23dには、高速、且つ大量印刷に対応可能にするために、それぞれの現像装置23a,23b,23c,23dにトナーを補給するための5個のトナー補給部500a,500b,500c,500dを備えたトナー補給装置100a,100b,100c,100dが設けられ、それぞれ現像ローラ231(231a,231b,231c,231d)が感光体ドラム21a,21b,21c,21dに対向して配置されて、それぞれ感光体ドラム21a,21b,21c,21dの外周面に形成された静電潜像に各色のトナーを供給して顕像化するように構成されている。
【0028】
補給用のトナーとして、トナー補給部500aにはブラック(BK)のトナー、トナー補給部500bにはシアン(C)のトナー、トナー補給部500cにはマゼンタ(M)のトナー、トナー補給部500dにはイエロー(Y)のトナーが収納されている。
【0029】
尚、ブラック(BK)のトナー用のトナー補給部500aは、通常多く用いられるモノクロ印字を考慮して大量印刷が可能なように並列して2個設けられている。
【0030】
そして、各トナー補給部500は、それぞれ対応するトナーを用いて現像する現像装置23のほぼ真上に配置されており、対応する現像装置23それぞれに対して、トナーの補給用通路体612(612a,612b,612c,612d)を介して接続されている。
【0031】
なお、ブラック(BK)のトナーを補給するための補給用通路体612aは、2つのトナー補給装置100a,100aからのトナーを一つにまとめて現像装置23aに補給するような構造となっている。
【0032】
クリーナユニット24は、感光体ドラム回転方向で帯電器22より上流側に配置されている。また、クリーナユニット24は、クリーニングブレード241を備え、該クリーニングブレード241を感光体ドラム21の外周面に沿って当接配置し、該感光体ドラム21上の残留トナーを掻き取り回収するように構成されている。図中の符号242は回収したトナーを搬送する搬送スクリューである。
【0033】
本実施例ではクリーニングブレード241を用いたが、特にこれらの構成に限定されるものではなく、クリーニングブレードは1つ以上用いても良いし、ファーブラシや磁気ブラシを単独で用いても良い。またクリーニングブレードとファーブラシ、磁気ブラシを併用しても良い。該感光体ドラム21上の残留トナーを掻き取り回収するように構成されるものであれば使用できる。
【0034】
露光ユニット10は、主に、箱状に形成された筐体10aと、その内部に配置されるレーザ照射部11aを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)11、ポリゴンミラー12、及び色毎にレーザ光を反射する反射ミラー13a,13b,13c,13d,14a,14b,14c等により構成されている。
【0035】
レーザスキャニングユニット11のレーザ照射部から発せられたレーザ光は、ポリゴンミラー12及びfθレンズにより色分解された後、反射ミラー13a〜13cで反射して、色毎にそれぞれの感光体ドラム21a,21b,21c,21d上に照射されるようになっている。
【0036】
尚、レーザスキャニングユニット11は、レーザ照射部の代わりにEL(Electro Luminescence)、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子をアレイ状に並べた書込ヘッドを用いる構成であっても良いし、光源と液晶シャッターを用いた構成であっても良く、該感光体ドラム21上に静電潜像を形成できる手段であれば使用できる。
【0037】
転写ベルトユニット30は、
図1に示すように、主に、転写ベルト31、転写ベルト駆動ローラ32、転写ベルト従動ローラ33、中間転写ローラ35a,35b,35c,35dとにより構成されている。
【0038】
尚、以下の説明においては、中間転写ローラ35a,35b,35c,35dを総じて用いる場合には中間転写ローラ35と記載するものとする。
【0039】
転写ベルト31は、厚さ75μm〜120μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。転写ベルト31の材質は、主にポリイミド、ポリカーボネイト、サーモプラスチックエラストマーアロイ等が用いられている。
【0040】
また、転写ベルト31は、その表面が感光体ドラム21の外周面と接触するように、転写ベルト駆動ローラ32、転写ベルト従動ローラ33、中間転写ローラ35により張架され、該転写ベルト駆動ローラ32の駆動力により副走査方向(図中の矢印B方向)へ移動するように構成されている。
【0041】
転写ベルト駆動ローラ32は、筐体1aの一端側に配置され、転写ベルト31に駆動を掛けて該転写ベルト31を搬送するとともに、転写ベルト31と記録用紙とを重ね合わせた状態で転写ローラ36とで挟み込んで圧接しながら記録用紙を搬送するように設けられている。
【0042】
転写ベルト従動ローラ33は、筐体1aの他端側に配置され、転写ベルト駆動ローラ32とともに転写ベルト31を定着ユニット27側から筐体1aの他端側に渡り略水平に架設しているが、
図1中の画像形成装置1の横幅方向の寸法を小さくする場合、いわゆる幅方向の設置面積を省スペース化する場合には、転写ベルト駆動ローラ32とともに転写ベルト31を定着ユニット27側から筐体1aの他端側に渡り、いずれか一方に傾斜を持たせることも可能であり、それに伴う感光体、現像、レーザ照射部、定着等、種々適切な配置、大きさ等に、適宜設定しても構わない。
【0043】
中間転写ローラ35は、転写ベルト駆動ローラ32から転写ベルト従動ローラ33に渡り巻回された転写ベルト31の内側空間に配置されているが、軸心を感光体ドラム21に対して図中左右方向に転写ベルト31の移動方向下流側にずらした位置に配置され、転写ベルト31の内側面を押圧して、前記転写ベルト31の外側面が感光体ドラム21の外周面の一部を巻回して所定のニップ量を得るように設けてもよい。
【0044】
また、中間転写ローラ35は、直径8〜10mmの金属類(例えば、ステンレス)軸を備え、その金属軸の外周面にEPDM、発泡ウレタン等の導電性を有する弾性材が被覆されているが、これら弾性材に限定しなくとも良い。
【0045】
このように構成された中間転写ローラ35は、感光体ドラム21に形成されたトナー像を転写ベルト31に転写するために高電圧の転写バイアス、すなわち、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加され、弾性材により転写ベルト31に対して均一的に高電圧を印加するようにされている。
【0046】
上述の各感光体ドラム21上で各色相に応じた顕像化されトナー像(静電像)が転写ベルト31で積層され、装置に入力された画像情報となる。このように積層された画像情報は、転写ベルト31の接触位置に配置される転写ローラ36によって記録用紙に転写されるようになっている。
【0047】
転写手段を構成する転写ローラ36は、転写ベルト31に転写されたトナー像を記録用紙に転写する転写手段を構成するものであって、転写ベルト駆動ローラ32に対して略水平で平行に対向し、該転写ベルト駆動ローラ32に巻回される転写ベルト31に対して所定のニップで圧接するように配設され、該転写ベルト31上に形成された多色トナー像を記録用紙上に転写させるための電圧、すなわち、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加されるように構成されている。
【0048】
また、転写ベルト31と転写ローラ36との間のニップを定常的に得るために、転写ベルト駆動ローラ32又は転写ローラ36の何れか一方のローラを金属等の硬質材料により構成し、他方のローラを弾性ゴム、発泡性樹脂等の軟質材料により構成するようにしている。
【0049】
転写ベルト駆動ローラ32と転写ローラ36の下方にはレジストローラ26が設けられている。レジストローラ26は、給紙部109から供給された記録用紙の先端と転写ベルト31上のトナー像の先端とを整合して転写ローラ36側へ搬送するように構成されている。
【0050】
また上記のように、感光体ドラム21との接触により転写ベルト31に付着したトナー、または転写ローラ36によって記録用紙上に転写画行われずに転写ベルト31残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるため、転写ベルトクリーニングユニット37によって除去・回収されるように設定されている。
【0051】
転写ベルトクリーニングユニット37は、転写ベルト従動ローラ33の近傍に設けられ、転写ベルト31に当接(または摺接)するように配置したクリーニングブレード37aと、該クリーニングブレード37aにより転写ベルト31上の残留トナーを掻き取ったトナー(廃トナー)を一旦収納するボックス状のトナー回収部37bとを備え、転写ベルト31上の残留トナーを掻き取り回収するようにされている。
【0052】
また、転写ベルトクリーニングユニット37は、プロセス印刷ユニット20aより転写ベルト31の移動方向上流側で該プロセス印刷ユニット20dに近接して配置されている。また、転写ベルト31のクリーニングブレード37aが外側面に接触する部分は、その内側面が転写ベルト従動ローラ33で支持されている。
【0053】
定着ユニット27は、
図1に示すように、加熱ローラ27aと加圧ローラ27bとにより構成された一対の定着ローラ271と、その定着ローラ271の上方に搬送ローラ27cを備え、記録用紙を定着ローラ271の下方より搬入して、搬送ローラ27cの上方に搬出するようにされている。
【0054】
さらに、定着ユニット27の上方には排紙ローラ28が設けられ、搬送ローラ27cから搬送された記録用紙を該排紙ローラ28により排紙トレイ43上に記録用紙を排紙するようにされている。
【0055】
定着ユニット27によるトナー像の定着は、加熱ローラ27aの内部若しくは近接して設けられたヒータランプ等の加熱手段(図示省略)を温度検出器(図示省略)の検出値に基づいて制御することにより、加熱ローラ27aを所定の温度(定着温度)に保つとともに、トナー像が転写された記録用紙を加熱ローラ27aと加圧ローラ27bとにより挟んで回転搬送しながら加熱・加圧することで記録用紙上にトナー像を熱定着するようにされている。
【0056】
また、定着ユニット27に隣接して、両面印刷用の両面原稿搬送路S3が定着ユニット27の後方から下方に向かい給紙部109付近まで構成され、その両面原稿搬送路S3上に上下方向で並設された搬送ローラ29a,29bにより記録用紙を反転させた状態で、再び転写ローラ36に向かい搬送するようになっている。
【0057】
具体的には、搬送ローラ29aは定着ユニット27の後方に配置され、搬送ローラ29bは、上下方向で搬送ローラ29aの下方に位置するとともに、横方向でレジストローラ26と略同じ位置に配置されている。
【0058】
本実施例ではヒータランプ等の加熱手段の加熱ローラ27aと加圧ローラ27bを用いたが、誘導加熱方式を用いても良いし、併用しても構わない。また加圧にローラ状のものを用いなくとも良く、記録用紙上にトナー像を乱すことなく一様に熱定着できる適切な方法であれば特に手段は選ばない。
【0059】
給紙部109は、画像形成に使用する記録用紙を収容するための手差トレイ41、給紙カセット42を備え、手差トレイ41、給紙カセット42から記録用紙を一枚ずつ画像形成部108に供給するようにされている。
【0060】
手差トレイ41は、
図1に示すように、画像形成装置1の筐体1aの一側端(図中で右側)に、使用時には外方に拡開され、未使用時には一側端に収納可能に設けられ、利用者が所望する種類の記録用紙を少数枚(必要とする枚数)だけ載置して画像形成装置1の筐体1a内部に1枚ずつ取込むものである。
【0061】
手差トレイ41による記録用紙の給紙方向(図中の矢印C方向)下流側の画像形成装置1の筐体1a内には、露光ユニット10の側方にピックアップローラ41aが設けられ、さらに給紙方向下流側に搬送ローラ41bが略水平に設けられている。ピックアップローラ41aは、手差トレイ41から給紙された記録用紙の一端部の表面と接触して、ローラの摩擦抵抗により一枚ずつ確実に搬送するようになっている。
【0062】
このように構成したピックアップローラ41a及び搬送ローラ41b,41c,41dによって記録用紙搬送路S1が構成されている。
【0063】
一方、給紙カセット42は、筐体1a内の画像形成部108及び露光ユニット10の下側に設けられ、装置の仕様により規定されたサイズ、又は利用者が予め定めたサイズの記録用紙を大量に収容可能となっている。
【0064】
給紙カセット42の一端部(図中の左側端部)の上にはピックアップローラ42aが設けられ、該ピックアップローラ42aの記録用紙搬送方向下流側には搬送ローラ42bが設けられている。
【0065】
ピックアップローラ42aは、出力要求に応じて給紙カセット42にセットされた記録用紙の最上部にある記録用紙の一端部の表面と接触して、ローラの摩擦抵抗により一枚ずつ確実に繰り出して搬送するようになっている。
【0066】
搬送ローラ42bは、ピックアップローラ42aから繰り出された記録用紙を、筐体1a内の一端側に形成された記録用紙搬送路S2に沿って上方に向かい画像形成部108に搬送するようになっている。
【0067】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1による画像出力について説明する。
【0068】
画像形成装置1は、給紙部109から供給される記録用紙上に感光体ドラム21上のトナー像をいわゆる中間転写方式(オフセット方式)によって転写ベルト31を介して記録用紙に転写するようにされている。
【0069】
まず、帯電器22により感光体ドラム21の外周面を所定の電位に均一的に帯電する。帯電された感光体ドラム21に露光ユニット10からレーザ光を照射することで、色毎の感光体ドラム21上に色毎の静電潜像が生成される。
【0070】
次に、現像装置23(23a,23b,23c,23d)より感光体ドラム21(21a,21b,21c,21d)のそれぞれの外周面にトナーが供給されて、感光体ドラム21の外周面に形成された静電潜像がトナーによりトナー像として顕像化される。
【0071】
そして、感光体ドラム21に生成したトナー像が転写ベルト31に転写される。
【0072】
感光体ドラム21から転写ベルト31へのトナー像の転写は、転写ベルト31の裏側に接触配置された中間転写ローラ35に高電圧を印加することにより行われる。
【0073】
中間転写ローラ35にトナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧を印加することで、転写ベルト31は、この中間転写ローラ35により均一的に高電圧が印加されて逆極性(+)となる。これにより、感光体ドラム21上の帯電極性(−)のトナー像は、感光体ドラム21が転写ベルト31と回転接触する際に転写ベルト31上に転写される。
【0074】
各々の感光体ドラム21に形成された各色のトナー像は、転写ベルト31が移動しながら各々の感光体ドラム21と回転接触するに従いイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の順に重ねて転写され、転写ベルト31上にはカラーのトナー像が形成される。
【0075】
このようにして、色毎に感光体ドラム21上でトナーにより顕像化された静電潜像は転写ベルト31上で積層され、印刷用画像が多色トナー像として転写ベルト31上に再現される。そして、転写ベルト31上に転写された多色トナー像は、転写ベルト31が移動して記録用紙と該転写ベルト31とが重なり合う位置で、転写ローラ36によって転写ベルト31から記録用紙上に転写される。
【0076】
手差トレイ41に載置された記録用紙を用いる場合は、操作パネル(図示省略)の指示により制御されたタイミングで、
図1に示すように、ピックアップローラ41aにより手差トレイ41内から記録用紙が1枚ずつ装置内部に取り込まれる。装置内部に取り込まれた記録用紙は、搬送ローラ41bにより記録用紙搬送路S1に沿って画像形成部108へ搬送される。
【0077】
一方、給紙カセット42に収容された記録用紙を用いる場合は、出力要求に応じてピックアップローラ42aにより給紙カセット42内から記録用紙が1枚ずつ分離給送され、搬送ローラ42bにより記録用紙搬送路S2に沿って上方の画像形成部108へ搬送される。
【0078】
手差トレイ41、給紙カセット42から搬送された記録用紙は、レジストローラ26により記録用紙の先端と転写ベルト31上のトナー像の先端とを整合するタイミングで転写ローラ36側へ搬送されて、転写ベルト31上のトナー像が記録用紙上に転写される。
【0079】
トナー像が転写された記録用紙は、略垂直に搬送されて定着ユニット27に到達し、定着ユニット27において、加熱ローラ27aと加圧ローラ27bとによりトナー像が記録用紙に熱定着される。定着ユニット27を通過した記録用紙は、片面印刷要求の場合、排紙ローラ28により排紙トレイ43上にフェイスダウンで排出される。
【0080】
一方、両面印刷要求の場合は、排紙ローラ28により記録用紙をチャックした後、該排紙ローラ28を逆回転させて記録用紙を両面原稿搬送路S3へ導き、搬送ローラ29a,29bにより再度レジストローラ26へ搬送する。
【0081】
この時、記録用紙は、転写される面が反転するとともに搬送される前後方向が変わる。つまり、最初の転写時にスタート側となる端部が裏面転写時にはエンド側となり、最初の転写時にエンド側となる端部が裏面転写時にはスタート側となる。そして、記録用紙の裏面にトナー像を転写及び熱定着させた後、排紙ローラ28により排紙トレイ43上に排出される。このようにして、記録用紙への転写動作が行われる。
【0082】
ここで、本実施形態に係る帯電器22について図面を参照して説明する。
【0083】
図2は、実施形態に係る画像形成装置のプロセス印刷ユニットを構成する帯電器の一例を示す概略説明図、
図3は、前記プロセス印刷ユニットにおける感光体ドラムと帯電器の帯電ローラの離隔・接触を説明する概略図である。
【0084】
実施形態に係るプロセス印刷ユニット20は、
図2、
図3に示すように、その本体に回転可能に支持された感光体ドラム(「被帯電部材」に相当)21と、前記感光体ドラム21に帯電電位を付与する帯電器22の帯電ローラ221と、前記帯電ローラ221の回転軸の軸端部221aを保持する軸受(「軸受部材」に相当)222と、前記本体に対する前記回転軸の位置が変位可能に前記軸受222を支持するブラケット(「支持部」に相当)223とを有している。
【0085】
帯電ローラ221は、
図2、
図3に示すように、軸線方向を感光体ドラム21の軸線方向と略平行にして該感光体ドラム21に沿って配置され、その両端部の軸端部221aが軸受222の凹部222aに保持されている。
【0086】
プロセス印刷ユニット20のブラケット223は、
図3に示すように、感光体ドラム21に対向する側部が開放した凹部223aが形成され、その凹部223aに軸受222が装着されるようになっている。具体的には、凹部223aは、軸受222の両側面をガイドするとともに摺動可能に構成されている。凹部223aの底部側と軸受222の底部側との間には、圧縮コイルばね223bが配置されている。この圧縮コイルばね223bにより軸受222に装着された帯電ローラ221を感光体ドラム21に向かい付勢するようになっている。なお、開口部223cの両端部224d、224dが対向している。
【0087】
〔帯電器(帯電装置)22〕
図4〜
図7に基づき、プロセス印刷ユニット(画像形成部)20の帯電器22の具体的な構造を説明する。
図4は、感光体ドラムと帯電ローラの離隔状態を説明する図、
図5は、感光体ドラムと帯電ローラの接触状態を説明する図、
図6は、プロセス印刷ユニットの一端部側の詳細構造であって
図4の離隔状態に対応した図、
図7は、プロセス印刷ユニットの一端部側の詳細構造であって
図5の接触状態に対応した図、
図8は、軸受の斜視図である。
【0088】
そして、
図4〜
図7に示すように、プロセス印刷ユニット(画像形成部)20には、帯電ローラ221と現像ローラ231を前記帯電ローラ221が前記感光体ドラム21から離間する位置に前記軸受222を固定するリブ等の離間部材224と、前記離間部材224による前記軸受222の固定を解除して、前記帯電ローラ221を感光体ドラム21に接しさせる離間解除部材226とを備えた帯電ローラ軸受保持機構が設けられる。
【0089】
前記プロセス印刷ユニット20の本体の左右両端部によって、感光体ドラム21の軸端部を回転可能に支持している。また、プロセス印刷ユニット20の左右両端部に装着した軸受222によって、前記帯電ローラの221の軸端部221aを回転可能に支持している。
【0090】
図4は、前記帯電ローラ221が前記感光体ドラム21から離間する位置になっている状態であって前記プロセス印刷ユニット20にはカバー体228が装着していない状態を示している。また、
図5は、前記帯電ローラ221が前記感光体ドラム21に接触する位置になっている状態であって前記カバー体228を装着した状態を示している。
【0091】
前記帯電ローラ221の両端の軸端部221aを支持する前記軸受222は、前記プロセス印刷ユニット20の設けられたブラケット223に対して上下方向に摺動自在に支持されている。
【0092】
〔軸受222〕
前記軸受222は、
図8に詳細に示すように、概略M字形状を呈した一体の樹脂成型されたものである。前記軸受222上端には、帯電ローラ221の軸端部221aを支えるために、矩形の中央部222bの上端に半円形に切り欠かれた凹部222aが形成される。また、前記中央部222bの左右両側面部からは、下方に概略U字形状の対となる湾曲した腕部222c、222dが延びて形成される。そして、それらの先端部に爪状またはリブ状の係止部(係止リブ)222c1、222d1が突出形成される。前記腕部222c、222dは樹脂製の弾性構造のため、外力で湾曲する等、弾性変形可能になっている。
【0093】
また、前記中央部222bの厚み方向の後側において両側面部に長さ方向(上下方向)に沿って形成されて溝222eが形成されている。この溝222eはブラケット223のレール状部が嵌り込み、前記軸受222が上下方向に移動するようになっている。
【0094】
〔プロセス印刷ユニット20における軸受222の装着〕
プロセス印刷ユニット20の本体には、感光体ドラム21と帯電ローラ221と現像ローラ231の各軸方向両端部が軸架されている(回転可能に支持されている)。これらの感光体ドラム21と帯電ローラ221と現像ローラ231を使用時に外部からホコリ等が入らないようにプロセス印刷ユニット20の本体にカバー体228を装着して覆う。
図4、
図6にはカバー体228の装着されておらず、感光体ドラム21と帯電ローラ221が離隔している状態が示される。また、
図5、
図7にはカバー体228が装着されて、感光体ドラム21と帯電ローラ221が接触している状態が示される。
【0095】
詳しくは、前記離隔している状態では、
図4、
図6に示すように、前記軸受222は、ブラケット223内の凹部223aの下方にて圧縮コイルバネ223bにて接触方向具体的には上方に向けて弾発される。その状態で、本体側の凹部223a内に突出形成された離間部材224(凸部)に、係止部222c1(前記軸受(軸受け部材)222の腕部222c先端に形成される係止リブ)が係止する。これにより、軸受222が
図6の下方に位置して前記帯電ローラ221が前記感光体ドラム21から離隔している状態に維持する。
【0096】
なお、離間部材224の上方には、上限端のリブからなる突起部223cが形成されており、
図7に示すように、前記突起部223cに前記係止部222c1が係止することによって軸受222が移動する際の飛び出しを防止できる構造になっている。
【0097】
また、
図4、
図5に示すように、離間部材224の反対側の上方に、上限端の突起部223dを形成して、
図5に示すように、前記突起部223dに係止部222d1が係止することによって軸受222が移動する際の飛び出しを防止できる構造とすることもできる。
【0098】
実施形態において、感光体ドラム21と帯電ローラ221の離隔・接触の離間手順(方法)を説明する。
【0099】
まず、軸受222における爪状の係止部222c1とプロセス印刷ユニット20側のリブ状の離間部材224を係止させて、前記軸受222を前記プロセス印刷ユニット20の本体に仮固定する。その軸受222で帯電ローラ221を仮保持して、
図6に示すように、帯電ローラ221を感光体ドラム21と離間させる状態にする。離間する隙間を符号tで示す。
【0100】
そして、隙間tを開けた離間中に前記プロセス印刷ユニット20の本体内に感光体ドラム21を取付して、前記感光体ドラム21を回転させてクリーニングブレード(図示省略)上へステアリン酸を堆積させることによって、そのステアリン酸を前記感光体ドラム21上から除去した後、最後にカバー体228をプロセス印刷ユニット20の本体へ取り付ける。カバー体228を取り付けることで、カバー体228のリブの離間解除部材226が軸受222の爪の係止部222c1を押し、係止部222c1と離間部材224との係止が解除される。圧縮コイルバネ223bが軸受222を上方に押圧するので、前記軸受222と一体で前記帯電ローラ221が感光体ドラム21と当接する位置へ移動する(隙間tがなくなる)ことを可能にする。
【0101】
また、カバー体228をプロセス印刷ユニット20の本体から外すことで、同時に軸受222と一体で帯電ローラ221を感光体ドラム21から離間させ、仮保持位置へ移動する構成とする可能にする。この場合、前記カバー体228を外し、使用者が軸受222を下方に押し下げることによって軸受222と一体の帯電ローラ221が下降して、軸受222の爪の係止部222c1が離間部材224に係止することができる。
【0102】
したがって、実施形態によれば、前記プロセス印刷ユニット20の本体に着脱可能なカバー体(カバー部材)228を備え、カバー体228に離間解除部材226としてカバー体228に離間解除リブを設けることで、離間のための冶具を必要とせず、通常通り、カバー体228をプロセス印刷ユニット20へ取り付けることで、自然と離間が解除され、帯電ローラ221を感光体ドラムへ当接させることができる(t=0)。そのため、生産性及びメンテナンス性の向上、また、冶具を市場供給する必要が無いため、追加の費用発生を抑えることが可能となる。
【0103】
なお、本発明は前記実施形態に限定されず種々に変形実施できる。前記実施形態では
図8に示すように係止部221c1に離間部材224を係止して軸受222を固定する例を示したが、軸受部材の固定手段はこれに限定されず、
図9に示す変形例のように、前記離間部材224Aが本体側のリブ等の凸部であり、前記軸受部材222Aの腕部222cに孔等の係止凹所234を設けて、前記係止凹所234内に前記本体側の凸部の離間部材224Aが嵌合して前記軸受部材222Aが固定される構造とすることもできる。
【0104】
また、前記実施形態では、
図7に示すように、カバー体228を外し、使用者が軸受222を押し下げて軸受222と一体の帯電ローラ221を下降させていたが、これに限定されず、軸受222の圧縮コイルバネ223bで付勢せずにカバー体228を外すだけで、使用者が軸受222を押し下げることなく軸受222を帯電ローラ221と一体に下降させる構造とする等種々に変形できる。