【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)(出願人による申告)平成28年度 経済産業省「平成28年度エネルギー使用合理化技術開発費補助金(省エネルギー型製造プロセス実現に向けた三次元積層造形技術の開発・実用化事業)」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
中心軸の径方向における外側に向く内側面と、前記径方向に間隔を介して前記内側面に向く外側面と、を有し、前記内側面から前記径方向における内側に離間し、前記中心軸に沿って延び、エネルギー線が通る、第1の通路と、前記内側面と前記外側面との間に設けられ、粉体及び流体が通る、第2の通路と、が設けられたノズル部、
を具備し、
前記第1の通路は、前記中心軸に沿う第1の方向における当該第1の通路の端に位置し、当該第1の通路の外に開く、第1の開口端を含み、
前記第2の通路は、前記第1の方向における当該第2の通路の端に位置し、前記中心軸から前記第1の開口端よりも前記径方向における外側に離間し、当該第2の通路の外に開く、第2の開口端を含み、
前記内側面である第1の面は、前記第1の方向における当該第1の面の端に位置する第1の端縁を含み、
前記外側面である第2の面は、前記第1の方向における当該第2の面の端に位置するとともに前記中心軸に沿う方向において前記第1の端縁から前記第1の方向に離間する第2の端縁を含み、
前記ノズル部は、前記第2の開口端から吐出された前記流体を、前記第2の面に沿って流し、前記第2の端縁で剥離を生じて前記ノズル部の外の加工点で収束するように前記ノズル部から離れさせ、
前記ノズル部は、前記第1の開口端及び前記第2の開口端に連通して前記エネルギー線と前記粉体と前記流体とが通る第3の通路が設けられ、
前記第3の通路は、前記第1の方向における当該第3の通路の端に位置し、前記ノズル部の外に開く、第3の開口端を含み、
前記第3の開口端は、前記第1の開口端よりも狭く、
前記第2の面は、前記中心軸を含む断面において、微分可能な関数で表現可能な輪郭線を有する、
ノズル。
前記第1の筒部は、前記第1の開口端が開く第1の端部と、前記第1の通路に面する第1の内周面と、前記第1の内周面と前記第1の端部との間に位置するとともに前記第1の方向に向かうにつれて前記内側面に近づく第2の内周面と、を有する、請求項2のノズル。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、
図1乃至
図4を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向と定義する。また、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明について、複数の表現が記載されることがある。複数の表現がされた構成要素及び説明は、記載されていない他の表現がされても良い。さらに、複数の表現がされない構成要素及び説明も、記載されていない他の表現がされても良い。
【0008】
図1は、第1の実施形態に係る積層造形装置1を概略的に示す図である。第1の実施形態の積層造形装置1は、レーザマテリアルデポジション方式の三次元プリンタである。なお、積層造形装置1はこの例に限らない。
【0009】
積層造形装置1は、例えば、対象物2に粉末状の材料3を層状に積み重ねることにより、所定の形状の造形物4を積層造形(付加製造)する。材料3は、粉体の一例である。
図1に示されるように、積層造形装置1は、処理槽11と、ステージ12と、移動装置13と、ノズル装置14と、光学装置15と、計測装置16と、制御装置18と、複数の信号線19とを有する。
【0010】
各図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。Z軸は、例えば鉛直方向に沿う。なお、積層造形装置1は、Z軸が鉛直方向から傾斜するように配置されても良い。
【0011】
材料3は、ノズル装置14により供給され、対象物2上に積み重ねられる。材料3は、例えば、粉末状の熱可塑性樹脂である。なお、材料3はこれに限られず、他の合成樹脂、金属、及びセラミックスのような他の材料であっても良い。積層造形装置1は、複数種類の材料3により、造形物4を積層造形しても良い。
【0012】
対象物2は、ノズル装置14によって材料3が供給される対象である。対象物2は、ベース2a及び層2bを含む。ベース2aは、例えば、材料3と同一の材料によって作られる。なお、ベース2aは、他の材料によって作られても良い。ベース2aは、板状に形成され、ステージ12上に配置される。層2bは、ノズル装置14により供給された材料3により作られ、ベース2aの上面に積層される。
【0013】
処理槽11に、主室21と副室22とが設けられる。主室21内に、ステージ12、移動装置13、ノズル装置14の一部、及び計測装置16が配置される。副室22は、主室21と隣接して設けられる。
【0014】
主室21と副室22との間に、扉部23が設けられる。扉部23が開かれることで主室21と副室22とが連通され、扉部23が閉じられることで主室21と副室22とが隔てられる。扉部23が閉じられたとき、主室21が気密状態にされても良い。
【0015】
主室21に、給気口21a及び排気口21bが設けられる。例えば、処理槽11の外に位置する給気装置が、給気口21aを介して主室21内に窒素やアルゴンのような不活性ガスを供給する。例えば、処理槽11の外に位置する排気装置が、排気口21bを介して主室21からガスを排出する。なお、積層造形装置1は、排気口21bを介して主室21からガスを排出することにより、主室21を真空にしても良い。
【0016】
主室21から副室22に亘り、搬送装置24が設けられる。搬送装置24は、主室21で処理された造形物4を、副室22内に搬送する。すなわち、副室22には、主室21で処理された造形物4が収容される。造形物4が副室22に収容された後、扉部23が閉じられ、副室22と主室21とが隔てられる。
【0017】
ステージ12は、対象物2を支持する。また、ステージ12は、積層造形された造形物4を支持する。移動装置13は、例えば、ステージ12を互いに直交する三軸方向に移動させる。さらに、移動装置13は、ステージ12を互いに直交する二軸まわりに回動させても良い。
【0018】
ノズル装置14は、ステージ12上に位置された対象物2に材料3を供給する。また、レーザ光Lが、ノズル装置14から、供給される材料3やステージ12上に位置する対象物2に照射される。レーザ光Lは、エネルギー線の一例である。
【0019】
レーザ光Lが、材料3の供給と並行してノズル装置14から照射される。ノズル装置14から、レーザ光Lに限らず、他のエネルギー線が照射されても良い。エネルギー線は、レーザ光Lのように材料を溶融又は焼結できるものであれば良く、例えば、電子ビームや、マイクロ波乃至紫外線領域の電磁波であっても良い。
【0020】
ノズル装置14は、材料供給装置31と、流体供給装置32と、ノズル34と、材料供給管35と、流体供給管36と、移動機構38とを有する。材料供給装置31は、供給装置の一例である。ノズル34は、ノズル及びノズル部の一例である。
【0021】
材料供給装置31は、タンク31aと、材料供給部31bとを有する。タンク31aは、材料3を収容する。材料供給部31bは、タンク31aの材料3を、材料供給管35を介してノズル34へ供給する。すなわち、材料供給部31bは、ノズル34から材料3を対象物2へ供給し得る。
【0022】
材料供給部31bは、例えば、キャリアガスにより材料3をノズル34へ供給する。キャリアガスは、例えば、窒素やアルゴンのような不活性ガスである。このように、材料供給部31bは、例えば、キャリアガスを収容するタンクと、当該タンクのキャリアガスを材料供給管35へ流すポンプと、キャリアガスの流れにタンク31aの材料3を供給する装置と、を有する。なお、材料供給部31bは、他の手段により材料3をノズル34へ供給しても良い。
【0023】
流体供給装置32は、流体供給部32aを有する。流体供給部32aは、流体であるパージガスを、流体供給管36を介してノズル34へ供給する。パージガスは、例えば、窒素やアルゴンのような不活性ガスである。このように、流体供給部32aは、例えば、パージガスを収容するタンクと、当該タンクのパージガスを流体供給管36へ流すポンプと、を有する。
【0024】
図2は、第1の実施形態のノズル34の一部及び対象物2の一部を示す断面図である。
図3は、第1の実施形態のノズル34の一部を示す断面図である。
図2及び
図3に示すように、ノズル34は、主室21に配置され、中心軸Axに沿って延びる筒状に形成される。中心軸Axは、Z軸に沿って延びる。なお、中心軸Axは、Z軸に対して斜めに延びても良い。
【0025】
ノズル34の先端34aは、間隔を介して対象物2に向く。先端34aは、Z軸に沿う負方向(Z軸の矢印の反対方向、
図2における下方向)におけるノズル34の端部である。Z軸に沿う負方向は、中心軸Axに沿う方向であり、第1の方向の一例である。
【0026】
ノズル34に、通路41と、出射路42と、吐出路43とが設けられる。通路41は、第3の通路の一例である。出射路42は、第1の通路の一例である。吐出路43は、第2の通路の一例である。
【0027】
通路41は、中心軸Axに沿って延びる略円形の断面を有する孔である。通路41の内径は、先端34aに近づくに従って小さくなる。通路41は、開口41aを含む。開口41aは、第3の開口端の一例である。開口41aは、Z軸に沿う負方向における通路41の端に位置する。開口41aは、ノズル34の先端34aで、ノズル34の外に通路41が開口する部分を指す。
【0028】
通路41は、出射路42及び吐出路43に連通する。言い換えると、出射路42及び吐出路43は、通路41で合流する。なお、出射路42及び吐出路43は、この例に限られない。
【0029】
出射路42は、ノズル34の内部に設けられ、中心軸Axに沿って延びる略円形の断面を有する孔である。出射路42の内径は、先端34aに近づくに従って小さくなる。出射路42の内径は、一定であっても良い。
【0030】
出射路42は、出射口42aを含む。出射口42aは、第1の開口端の一例である。出射口42aは、Z軸に沿う負方向における出射路42の端に位置する。出射口42aは、出射路42の外に開き、通路41に連通する。レーザ光Lが、出射路42を通り、出射口42aから通路41に出射される。
【0031】
出射路42は、
図1の流体供給管36に連通される。このため、流体供給部32aは、流体供給管36を介して、出射路42にパージガスを供給する。当該パージガスは、レーザ光Lとともに、出射路42を通り、出射口42aから通路41に吐出される。
【0032】
吐出路43は、ノズル34の内部に設けられ、中心軸Axに沿って延びる略円環状の断面を有する孔である。吐出路43は、中心軸Axから出射路42よりも中心軸Axの径方向における外側に離間し、出射路42を囲むように設けられる。径方向は、中心軸Axと直交する方向である。
【0033】
吐出路43は、吐出口43aを含む。吐出口43aは、第2の開口端の一例である。吐出口43aは、Z軸に沿う負方向における吐出路43の端に位置する。吐出口43aは、吐出路43の外に開き、通路41に連通する。
【0034】
吐出路43は、
図1の材料供給管35に連通される。このため、材料供給部31bは、材料供給管35を介して、吐出路43にキャリアガスGと材料3とを供給する。キャリアガスGは、流体の一例である。
図3に矢印で示すように、材料供給部31bから供給されたキャリアガスGと材料3とが、吐出路43を通り、吐出口43aから通路41に吐出される。
【0035】
上述のように、レーザ光Lが出射口42aから通路41へ吐出され、キャリアガスG及び材料3が吐出口43aから通路41へ吐出される。レーザ光L、キャリアガスG、及び材料3は、通路41を通り、開口41aからノズル34の外に出る。
【0036】
図1に示す移動機構38は、ノズル34を互いに直交する三軸方向に移動させる。さらに、移動機構38は、ノズル34を互いに直交する二軸まわりに回動させても良い。すなわち、移動機構38は、ステージ12に対してノズル34を相対的に移動させる。移動装置13も、ステージ12に対してノズル34を相対的に移動させる。
【0037】
光学装置15は、光源45と、光学系46と、複数のケーブル47とを有する。光源45は、発振素子を有し、発振素子の発振によりレーザ光Lを出射する。光源45は、出射されるレーザ光Lのパワーを変更可能である。さらに、光源45は、出射されるレーザ光Lの波長を変更(選択)可能であっても良い。
【0038】
光源45は、中空ファイバーのようなケーブル47を介して光学系46に接続される。光源45は、出射されたレーザ光Lを、ケーブル47を介して光学系46に入射させる。レーザ光Lは、光学系46を経てノズル34に入る。
【0039】
光学系46は、光源45から出射されたレーザ光Lを、ノズル34の出射路42を通して対象物2や、対象物2に向けて噴射された材料3に照射する。このように、光学装置15は、ノズル34の出射路42にレーザ光Lを供給し、出射口42aからレーザ光Lを出射させる。
【0040】
光学系46は、例えば、第1のレンズ51と、第2のレンズ52と、第3のレンズ53と、第4のレンズ54と、ガルバノスキャナ55とを有する。第1のレンズ51、第2のレンズ52、第3のレンズ53、及び第4のレンズ54は、固定される。なお、光学系46は、第1のレンズ51、第2のレンズ52、第3のレンズ53、及び第4のレンズ54を、例えば、光路に対して交差(直交)する二軸方向に移動可能な調整装置を備えても良い。
【0041】
第1のレンズ51は、ケーブル47を介して光学系46に入射されたレーザ光Lを、平行光に変換する。変換されたレーザ光Lは、ガルバノスキャナ55に入射する。
【0042】
第2のレンズ52、第3のレンズ53、及び第4のレンズ54はそれぞれ、ガルバノスキャナ55から出射されたレーザ光Lを収束する。第2のレンズ52で収束されたレーザ光Lは、ケーブル47を経てノズル34に至る。第3のレンズ53及び第4のレンズ54で収束されたレーザ光Lは、対象物2に照射される。
【0043】
ガルバノスキャナ55は、第1のレンズ51で変換された平行光を、第2のレンズ52、第3のレンズ53、及び第4のレンズ54のそれぞれに入る光に分ける。ガルバノスキャナ55は、第1のガルバノミラー57と、第2のガルバノミラー58と、第3のガルバノミラー59と、を有する。各ガルバノミラー57,58,59は、光を分けるとともに、傾斜角度(出射角度)を変化可能である。
【0044】
第1のガルバノミラー57は、第1のレンズ51を通過したレーザ光Lの一部を通過させ、通過したレーザ光Lを第2のガルバノミラー58に出射する。また、第1のガルバノミラー57は、レーザ光Lの他の一部を反射させ、反射したレーザ光Lを第4のレンズ54に出射する。第1のガルバノミラー57は、第4のレンズ54を通過したレーザ光Lの照射位置を、第1のガルバノミラー57の傾斜角度に応じて変化させる。
【0045】
第2のガルバノミラー58は、第1のガルバノミラー57を通過したレーザ光Lの一部を通過させ、通過したレーザ光Lを第3のガルバノミラー59に出射する。また、第2のガルバノミラー58は、レーザ光Lの他の一部を反射させ、反射したレーザ光Lを第3のレンズ53に出射する。第2のガルバノミラー58は、第3のレンズ53を通過したレーザ光Lの照射位置を、第2のガルバノミラー58の傾斜角度に応じて変化させる。
【0046】
第3のガルバノミラー59は、第2のガルバノミラー58を通過したレーザ光Lを反射させ、第2のレンズ52に出射する。
【0047】
光学系46は、第1のガルバノミラー57、第2のガルバノミラー58、及び第3のレンズ53を含む溶融装置46aを有する。溶融装置46aは、レーザ光Lの照射によって、ノズル34から対象物2に供給された材料3を加熱することにより、層2bを形成するとともにアニール処理を行う。
【0048】
また、光学系46は、第1のガルバノミラー57及び第4のレンズ54を含む除去装置46bを有する。除去装置46bは、ベース2a上又は層2bに形成された不要な部位をレーザ光Lの照射によって除去する。
【0049】
除去装置46bは、例えば、ノズル34による材料3の供給時における材料3の飛散によって発生する不要部位や、層2bの形成時に発生する不要部位等の、造形物4の所定の形状とは異なる部位を除去する。除去装置46bは、当該不要部位を除去可能なパワーを有するレーザ光Lを出射する。
【0050】
計測装置16は、固化した層2bの形状及び造形された造形物4の形状を計測する。計測装置16は、計測した形状の情報を制御装置18に送信する。計測装置16は、例えば、カメラ65と、画像処理装置66と、を有する。画像処理装置66は、カメラ65で計測した情報に基づいて画像処理を行う。なお、計測装置16は、例えば、干渉方式や光切断方式等によって、層2b及び造形物4の形状を計測する。
【0051】
制御装置18は、移動装置13、搬送装置24、材料供給装置31、流体供給装置32、移動機構38、光源45、ガルバノスキャナ55、及び画像処理装置66に、信号線19を介して電気的に接続される。
【0052】
制御装置18は、例えば、CPUのような制御部18aと、ROM、RAM、及びHDDのような記憶部18bと、他の種々の装置とを有する。CPUがROM又はHDDに組み込まれたプログラムを実行することで、制御部18aは、積層造形装置1の各部を制御する。
【0053】
制御部18aは、移動装置13を制御することで、ステージ12を三軸方向に移動させる。制御部18aは、搬送装置24を制御することで、造形した造形物4を副室22に搬送する。
【0054】
制御部18aは、材料供給装置31を制御することで、材料3の供給の有無及び供給量を調整する。制御部18aは、流体供給装置32を制御することで、パージガスの供給の有無及び供給量を調整する。
【0055】
制御部18aは、移動機構38を制御することで、ノズル34の位置を制御する。制御部18aは、ガルバノスキャナ55を制御することで、第1のガルバノミラー57、第2のガルバノミラー58、及び第3のガルバノミラー59の傾斜角度を調整する。
【0056】
制御部18aは、光源45を制御することで、光源45から出射されるレーザ光Lのパワーを調整する。制御部18aは、光源45を制御することで、光源45から出射されるレーザ光Lの波長を調整しても良い。
【0057】
記憶部18bに、例えば、造形される造形物4の形状(参照形状)を示すデータが記憶される。また、記憶部18bに、三次元の処理位置(各点)毎のノズル34とステージ12との高さを示すデータが記憶される。
【0058】
制御部18aは、ノズル34から複数の異なる材料3を選択的に供給し、複数の材料3の比率を調整する機能を備えても良い。この機能により、造形物4の位置によって複数の材料3の比率が変化する傾斜材料が造形可能になる。
【0059】
制御部18aは、層2b又は造形物4の形状を判断する機能を備える。例えば、制御部18aは、計測装置16で取得された層2b又は造形物4の形状と、記憶部18bに記憶された参照形状とを比較することで、所定の形状でない部位が形成されているか否かを判断する。
【0060】
また、制御部18aは、層2b又は造形物4の形状の判断により所定の形状でない部位と判断された不要な部位を除去することで、層2b又は造形物4を所定の形状にトリミング及びポリッシュする機能を備える。例えば、制御部18aは、まず、層2b又は造形物4における所定の形状でない部位に、第1のガルバノミラー57を介して第4のレンズ54から出射されたレーザ光Lが材料3を蒸発可能なパワーとなるように光源45を制御する。次いで、制御部18aは、第1のガルバノミラー57を制御して、レーザ光Lを、当該部位に照射して当該部位を蒸発させる。
【0061】
次に、
図4を参照し、積層造形装置1による造形物4の製造方法の一例について説明する。
図4は、第1の実施形態の積層造形装置1による造形処理(製造方法)の手順の一例を概略的に示す図である。
【0062】
図4に示されるように、まず、積層造形装置1は、材料3の供給及びレーザ光Lの照射を行う。制御部18aは、材料3がノズル34から所定の範囲に供給されるよう、材料供給装置31及びノズル34を制御する。さらに、制御部18aは、供給された材料3がレーザ光Lによって溶融又は焼結するよう、光源45及び光学系46を制御する。
【0063】
図2に示すように、光学系46が、ノズル34から噴射される材料3に、ノズル34を通してレーザ光Lを照射する。ノズル34の吐出口43aから吐出され、通路41を通り開口41aから噴射される材料3は、レーザ光Lによって予備的に加熱されながら、ベース2a上の層2bを形成する範囲に供給される。なお、飛散中に溶融した材料3が、対象物2に到達しても良い。
【0064】
対象物2に供給された材料3は、レーザ光Lを照射されることで、溶融又は焼結して集合する。集合した材料3は、溶融領域2cを形成する。溶融領域2cは、供給された材料3のみならず、レーザ光Lを照射されたベース2aや層2bの一部を含んでも良い。また、溶融領域2cは、完全に溶融した材料3のみならず、部分的に溶融した材料3同士が結合したものであっても良い。
【0065】
溶融領域2cが固化することで、ベース2aや層2bの上に、層状又は薄膜状等の材料3の集合が形成される。なお、材料3は、材料3の集合への伝熱によって冷却されることにより、粒状で積層され、粒状の集合となっても良い。
【0066】
次に、
図4に示すように、積層造形装置1は、アニール処理を行う。制御部18aは、ベース2a上の材料3の集合にレーザ光Lが照射されるよう、光源45及び溶融装置46aを制御する。材料3の集合は、レーザ光Lにより再溶融又は再焼結され、固化することにより層2bになる。このように、光学系46は、光源45から出射されたレーザ光Lを材料3に照射して、当該材料3を溶融又は焼結し、固化した材料3の層2bを形成する。
【0067】
次に、積層造形装置1は、形状計測を行う。制御部18aは、アニール処理が行われたベース2a上の材料3を計測するよう、計測装置16を制御する。制御部18aは、計測装置16で取得された層2b又は造形物4の形状と、記憶部18bに記憶された参照形状と比較する。
【0068】
次に、積層造形装置1は、トリミングを行う。制御部18aは、形状計測及び参照形状との比較により、例えば、ベース2a上の材料3が所定の形状と異なる位置に付着していたことが判明した場合には、不要な材料3が蒸発するよう、光源45及び除去装置46bを制御する。一方、制御部18aは、形状計測及び参照形状との比較により、層2bが所定の形状であったことが判明した場合には、トリミングを省略する。
【0069】
上述した層2bの形成が終了すると、積層造形装置1は、当該層2bの上に、新たな層2bを形成する。積層造形装置1は、層2bを反復的に積み重ねることにより、造形物4を積層造形する。
【0070】
以下に、ノズル34について詳しく説明する。
図3に示すように、ノズル34は、第1の筒部71と、第2の筒部72とを有する。本実施形態において、第1の筒部71と第2の筒部72とは、互いに別個の部品である。この例に限らず、第1の筒部71と第2の筒部72とは一体の部品であっても良い。
【0071】
第1の筒部71は、例えば、真鍮のような金属によって作られる。第2の筒部72は、例えば、タングステンのような金属によって作られる。第2の筒部72の融点は、第1の筒部71の融点よりも高い。なお、第1の筒部71及び第2の筒部72の融点はこの例に限られない。
【0072】
第1の筒部71は、中心軸Axに沿って延びる筒状に形成される。第1の筒部71に、ノズル34の出射路42が設けられる。第1の筒部71は、内側面75と、第1の内周面76と、第2の内周面77と、第1の端部78とを有する。
【0073】
内側面75は、筒状の第1の筒部71の外周面である。このため、内側面75は、中心軸Axの周方向に連続する略筒状の面であり、径方向においてノズル34の外側に向く。言い換えると、内側面75は、中心軸Axから遠ざかる方向に向く。周方向は、中心軸Axまわりに回転する方向である。
【0074】
内側面75は、第1の端部78に近づくに従って外径が小さくなる略円筒状に形成される。別の表現によれば、内側面75は、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて中心軸Axに近づく第1の収束方向D1に延びる円錐面である。第1の収束方向D1は、第2の方向の一例である。内側面75は、この例に限られない。
【0075】
内側面75は、第1の下端縁75aを含む。第1の下端縁75aは、Z軸に沿う負方向における内側面75の端に位置する。第1の実施形態において、内側面75が第1の面の一例であり、第1の下端縁75aが第1の端縁の一例である。
【0076】
上述のように、内側面75は円錐面である。このため、
図3に示すような中心軸Axを含む断面において、
図3のX軸及びZ軸により定まるX‐Z座標系における内側面75の輪郭線は、連続性を有する微分可能な関数で表現可能である。輪郭線は、例えば、断面の縁、及び母線とも称され得る。また、内側面75は、全微分可能な関数で表現可能な面である。内側面75は、例えば、中心軸Axを含む断面において連続性を有する微分可能な関数で表現可能な輪郭線を有し、中心軸Axに向かって凸又は中心軸Axから遠ざかる方向に凸な曲面、のような他の形状を有しても良い。
【0077】
第1の内周面76及び第2の内周面77は、筒状の第1の筒部71の内周面であるとともに、ノズル34の内周面である。第1の内周面76及び第2の内周面77は、内側面75の反対側に位置し、径方向においてノズル34の内側に向く。言い換えると、第1の内周面76及び第2の内周面77は、中心軸Axに近づく方向に向く。
【0078】
出射路42は、筒状の第1の筒部71の内側に設けられる。第1の内周面76及び第2の内周面77は、出射路42を区画し、出射路42に面する。出射路42は、内側面75から径方向における内側に離間する。
【0079】
第1の内周面76は、第1の端部78に近づくに従って外径が小さくなる略円筒状に形成される。別の表現によれば、第1の内周面76は、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて中心軸Axに近づく第2の収束方向D2に延びる円錐面である。第2の収束方向D2と中心軸Axとが交差する角度は、第1の収束方向D1と中心軸Axとが交差する角度よりも小さい。
【0080】
第2の内周面77は、第1の内周面76と第1の端部78との間に位置する。第2の内周面77のZ軸に沿う正方向の端は、第1の内周面76に接続される。第2の内周面77のZ軸に沿う負方向の端は、第1の端部78に接続される。
【0081】
第2の内周面77は、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて内側面75に近づく。本実施形態において、第2の内周面77は、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて中心軸Axから遠ざかる円錐面である。なお、第2の内周面77は、この例に限られない。
【0082】
第1の端部78は、Z軸に沿う負方向における第1の筒部71の端に位置する。本実施形態において、第1の端部78は、Z軸に沿う負方向における第1の筒部71の略円環状の端面である。第1の端部78に、出射口42aが開く。
【0083】
内側面75は、第1の下端縁75aにおいて第1の端部78に接続される。言い換えると、内側面75は、第1の端部78から延びる。さらに、第2の内周面77も、第1の端部78から延びる。内側面75及び第2の内周面77はこの例に限られない。
【0084】
第1の筒部71は、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて薄くなる。言い換えると、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて、径方向における内側面75と第1の内周面76又は第2の内周面77との間の距離が短くなる。なお、第1の筒部71はこの例に限られない。
【0085】
第2の筒部72は、中心軸Axに沿って延びる筒状に形成される。第2の筒部72は、間隔を介して第1の筒部71を囲む。言い換えると、第2の筒部72は、第1の筒部71の外側で中心軸Axに沿って延びる。第2の筒部72は、外側面81と、外周面82と、第2の端部83とを有する。
【0086】
外側面81は、筒状の第2の筒部72の内周面である。外側面81は、径方向においてノズル34の内側に向く。言い換えると、外側面81は、内側面75が向く方向の反対方向であって中心軸Axに近づく方向に向く。
【0087】
外側面81は、第2の端部83に近づくに従って内径が小さくなる略円筒状に形成される。別の表現によれば、外側面81は、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて中心軸Axに近づく第1の収束方向D1に延びる円錐面である。外側面81は、この例に限られない。
【0088】
上記のように、第1の筒部71の内側面75と第2の筒部72の外側面81とは、共に第1の収束方向D1に延びる。すなわち、内側面75と外側面81との中心軸Axに対する傾斜角度は同じであり、内側面75と外側面81とは、略平行な面である。なお、内側面75と外側面81との、中心軸Axに対する傾斜角度は互いに異なっても良い。
【0089】
外側面81は、第2の下端縁81aを含む。第2の下端縁81aは、Z軸に沿う負方向における外側面81の端に位置する。第1の実施形態において、外側面81が第2の面の一例であり、第2の下端縁81aが第2の端縁の一例である。
【0090】
上述のように、外側面81は円錐面である。このため、
図3に示すような中心軸Axを含む断面において、
図3のX軸及びZ軸により定まるX‐Z座標系における外側面81の輪郭線は、微分可能な関数で表現可能である。また、外側面81は、全微分可能な関数で表現可能な面である。外側面81は、例えば、中心軸Axを含む断面において微分可能な関数で表現可能な輪郭線を有し、中心軸Axに向かって凸又は中心軸Axから遠ざかる方向に凸な曲面、のような他の形状を有しても良い。
【0091】
外周面82は、筒状の第2の筒部72の外周面であるとともに、ノズル34の外周面である。このため、外周面82は、中心軸Axの周方向に連続する略筒状の面であり、外側面81の反対側に位置し、径方向においてノズル34の外側に向く。言い換えると、外周面82は、中心軸Axから遠ざかる方向に向く。外周面82は、第2の端部83に近づくに従って外径が小さくなる略円筒状に形成される。
【0092】
第2の端部83は、Z軸に沿う負方向における第2の筒部72の端に位置する。本実施形態において、第2の端部83は、Z軸に沿う負方向における第2の筒部72の略円環状の端面である。
【0093】
第2の端部83は、ノズル34の先端34aを形成する。なお、先端34aはこの例に限らない。第2の端部83に、開口41aが開く。第2の端部83は、Z軸に沿う負方向に向き、間隔を介して対象物2に向く。第2の端部83は、第1の端部78からZ軸に沿う負方向に離間する。
【0094】
外側面81は、第2の下端縁81aにおいて第2の端部83に接続される。言い換えると、外側面81は、第2の端部83から延びる。さらに、外周面82も、第2の端部83から延びる。外側面81及び外周面82はこの例に限られない。
【0095】
第2の筒部72は、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて薄くなる。言い換えると、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて、径方向における外側面81と外周面82との間の距離が短くなる。なお、第2の筒部72はこの例に限られない。
【0096】
第2の端部83における第2の筒部72の厚さToは、第1の端部78における第1の筒部71の厚さTiよりも薄い。すなわち、径方向において、第2の端部83における外側面81と外周面82との間の距離は、第1の端部78における内側面75と第2の内周面77との間の距離よりも短い。
【0097】
第2の筒部72の外側面81の一部は、径方向に間隔を介して第1の筒部71の内側面75に向く。内側面75と外側面81の一部との間に、吐出路43が設けられる。言い換えると、内側面75と外側面81の一部とが、吐出路43の少なくとも一部を区画する。
【0098】
内側面75及び外側面81の間に設けられる吐出路43は、第1の収束方向D1に延びる。このため、
図1の材料供給装置31により供給されたキャリアガスG及び材料3は、吐出路43で第1の収束方向D1に流れる。
【0099】
吐出路43の吐出口43aは、第1の筒部71の内側面75の第1の下端縁75aと、第2の筒部72の外側面81とによって区画される。なお、吐出口43aはこの例に限られない。吐出口43aは、中心軸Axから出射路42の出射口42aよりも径方向における外側に離間する。
【0100】
第2の筒部72の外側面81の第2の下端縁81aを含む一部は、通路41の少なくとも一部を区画する。さらに、通路41の開口41aは、外側面81の第2の下端縁81aによって区画される。なお、開口41aはこの例に限られない。中心軸Axに沿う方向において、第2の下端縁81aは、内側面75の第1の下端縁75aからZ軸に沿う負方向に離間する。
【0101】
開口41aの内径は、出射口42aの内径よりも短い。言い換えると、開口41aは、出射口42aよりも狭い。なお、開口41aの内径は、出射口42aの内径と同じかより長くても良い。
【0102】
上述のように、外側面81の一部は、吐出路43の少なくとも一部を区画し、吐出路43に位置する。一方、外側面81の第2の下端縁81aを含む一部は、通路41を区画し、通路41に位置する。このように、外側面81は、吐出路43の内部から、吐出路43の外部である通路41まで続く。このため、
図3に矢印で示すように、吐出口43aから吐出されたキャリアガスGの流れは、例えばコアンダ効果により、外側面81に沿う。コアンダ効果に加え、例えば、出射口42aから吐出されるパージガスの圧力が、キャリアガスGの流れを外側面81に沿わせる。
【0103】
コアンダ効果により、流体は、連続性を有する微分可能な関数により表現可能な輪郭線を有する面に沿って流れる。別の表現によれば、流体は、全微分可能関数により表現可能な面に沿って流れる。流体は、連続性を有する微分可能な関数により表現可能な輪郭線を有する面の端縁に到達すると、当該端縁で剥離を生じる。
【0104】
外側面81は、中心軸Axを含む断面において、連続性を有する微分可能な関数により表現可能な輪郭線を有する。一方、外側面81と第2の端部83とを一体として考えた場合、外側面81及び第2の端部83は、第2の下端縁81aにおいて連続するが微分可能ではない。言い換えると、外側面81と第2の端部83とは滑らかに連続しない。このため、外側面81に沿うキャリアガスGの流れは、第2の下端縁81aで剥離を生じ、ノズル34から離れる。
【0105】
第2の下端縁81aでノズル34から離れたキャリアガスGの流れは、大よそ第1の収束方向D1に流れる。吐出口43aから吐出された材料3は、キャリアガスGに乗って、外側面81に沿って第1の収束方向D1に流れ、第2の下端縁81aによって区画される開口41aからノズル34の外へ吐出される。
【0106】
本実施形態において、第1の収束方向D1は、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて中心軸Axに近づく方向である。このため、第2の下端縁81aでノズル34から離れたキャリアガスGの流れと、当該キャリアガスGに運ばれる材料3とは、Z軸に沿う負方向に進むに従って中心軸Axに近づく。これにより、キャリアガスGに運ばれる材料3は、
図2に示す加工点Pに集まる。加工点Pは、中心軸Ax上に位置するとともに、対象物2上又は対象物2中に位置する。当該加工点Pに、又は加工点P近傍にレーザ光Lが照射されることで、ノズル34から吐出された材料3がレーザ光Lによって溶融又は焼結させられる。
【0107】
以上説明された第1の実施形態に係るノズル34を備える積層造形装置1において、内側面75と外側面81との間に吐出路43が設けられ、外側面81は、中心軸Axに沿う方向において第1の下端縁75aからZ軸に沿う負方向に離間する第2の下端縁81aを含む。吐出口43aから吐出されたキャリアガスGは、外側面81に沿って流れ、第2の下端縁81aで剥離を生じてノズル34から離れる。すなわち、吐出口43aから吐出されたキャリアガスGは、コアンダ効果により、内側面75及び外側面81のうちよりZ軸に沿う負方向により長く延びた方に沿って流れ得る。第2の下端縁81aにおいてコアンダ効果が切れ、キャリアガスGはノズル34から離れて対象物2に向かって放たれる。従って、本実施形態のノズル34は、内側面75又は外側面81に沿って材料3及びキャリアガスGを収束させることが可能であり、より微細な領域に材料3を供給することができる。例えば、本実施形態のような積層造形装置1において、より微細な解像度(積層ピッチ)で積層造形を行うことが可能となる。さらに、ノズル34のうち内側面75を有する第1の筒部71をより短くすることができるため、ノズル34をより軽くすることができる。
【0108】
出射口42a及び吐出口43aが通路41に連通し、通路41の開口41aは出射口42aよりも狭い。すなわち、レーザ光Lが通る出射口42aがより広く形成され、レーザ光Lがノズル34に干渉することが抑制される。従って、ノズル34がレーザ光Lにより損傷することが抑制されるとともに、レーザ光Lの出力を高くして融点が高い材料3を溶融させるとともにスパッタの発生を抑制することができる。また、レーザ光Lを太くした場合に、レーザ光Lがノズル34に干渉することを抑制でき、より広い範囲の材料3をレーザ光Lで溶融又は焼結することができる。さらに、材料3が開口41aからノズル34の外に吐出される。当該開口41aが出射口42aよりも狭いため、より微細な領域に材料3を供給することができる。
【0109】
第1の筒部71及び第2の筒部72は、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて薄くなる。これにより、対象物2に近い第2の端部83において、第2の筒部72がより薄くなる。従って、レーザ光Lや当該レーザ光Lを照射される対象物2により第2の筒部72に伝わった熱がより効率良く放出され得る。
【0110】
第2の端部83における第2の筒部72の厚さToは、第1の端部78における第1の筒部71の厚さTiよりも薄い。これにより、対象物2により近い第2の筒部72にレーザ光Lや当該レーザ光Lを照射される対象物2から伝わった熱が、より効率良く放出され得る。
【0111】
第1の筒部71は、出射口42aが開く第1の端部78と、出射路42に面する第1の内周面76と、第1の内周面76と第1の端部78との間に位置するとともにZ軸に沿う負方向に向かうにつれて内側面75に近づく第2の内周面77と、を有する。これにより、第1の端部78により近い第2の内周面77をレーザ光Lから離間させることが可能となり、レーザ光Lが第1の筒部71に干渉することが抑制される。
【0112】
第2の筒部72の融点は、第1の筒部71の融点よりも高い。これにより、対象物2により近い第2の筒部72が、レーザ光Lや当該レーザ光Lを照射される対象物2により損傷することが抑制される。
【0113】
加工点Pにレーザ光Lが照射された対象物2からノズル34に伝わる熱の影響は、出射路42を通るレーザ光Lからノズル34の第1の筒部71に伝わる熱の影響よりも大きい。第2の筒部72は、第1の筒部71よりも対象物2に近い位置まで延びる。このため、第1の筒部71と第2の筒部72とのうち、対象物2により近い第2の筒部72は、対象物2からより遠い第1の筒部71よりも高い融点を有するように設定され、レーザ光Lを照射された対象物2からノズル34に伝わる熱の影響を軽減する。
【0114】
外側に位置する第2の筒部72は、内側に位置する第1の筒部71よりも、加工点Pにレーザ光Lを照射された対象物2から伝わる熱の影響を受けやすい。このため、第1の筒部71の第1の端部78と対象物2との距離が、第2の筒部72の第2の端部83と対象物2との距離に等しい場合、第2の筒部72の融点は、第1の筒部71の融点よりも高く設定される。
【0115】
内側面75及び外側面81は、Z軸に沿う負方向に向かうにつれて中心軸Axに近づく第1の収束方向D1に延びる。これにより、本実施形態のノズル34は、内側面75又は外側面81に沿って材料3及びキャリアガスGを収束させることが可能であり、より微細な領域に材料3を供給することができる。
【0116】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、
図5及び
図6を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0117】
図5は、第2の実施形態に係るノズル34の一部及び対象物2の一部を示す断面図である。
図6は、第2の実施形態のノズル34の一部を示す断面図である。
図5及び
図6に示すように、第2の実施形態において、第1の筒部71の内側面75の第1の下端縁75aが、中心軸Axに沿う方向において、第2の筒部72の外側面81の第2の下端縁81aからZ軸に沿う負方向に離間する。このように、第2の実施形態において、内側面75が第2の面の一例であり、第1の下端縁75aが第2の端縁の一例であり、外側面81が第1の面の一例であり、第2の下端縁81aが第1の端縁の一例である。
【0118】
第2の実施形態のノズル34において、出射路42及び吐出路43が設けられるが、通路41は設けられない。出射路42の出射口42aと、吐出路43の吐出口43aとは、ノズル34の外に開く。
【0119】
第1の筒部71の内側面75の一部と、第2の筒部72の外側面81との間に、吐出路43が設けられる。言い換えると、内側面75の一部と外側面81とが、吐出路43の少なくとも一部を区画する。吐出路43の吐出口43aは、第1の筒部71の内側面75と、第2の筒部72の外側面81の第2の下端縁81aとによって区画される。
【0120】
上述のように、内側面75の一部は、吐出路43の少なくとも一部を区画し、吐出路43に位置する。一方、内側面75の第1の下端縁75aを含む一部は、吐出路43の外に位置し、径方向の外側に露出する。このように、内側面75は、吐出路43の内部から、吐出路43の外部まで続く。このため、
図6に矢印で示すように、吐出口43aから吐出されたキャリアガスGの流れは、例えばコアンダ効果により、内側面75に沿う。
【0121】
内側面75に沿うキャリアガスGの流れは、第1の下端縁75aで剥離を生じ、ノズル34から離れる。第1の下端縁75aでノズル34から離れたキャリアガスGの流れは、大よそ第1の収束方向D1に流れる。吐出口43aから吐出された材料3は、キャリアガスGに乗って、内側面75に沿って第1の収束方向D1へ流れ、第1の下端縁75aから対象物2へ放たれる。
【0122】
第1の下端縁75aでノズル34から離れたキャリアガスGの流れと、当該キャリアガスGに運ばれる材料3とは、Z軸に沿う負方向に進むに従って中心軸Axに近づく。これにより、キャリアガスGに運ばれる材料3は、
図5に示す加工点Pに集まる。当該加工点Pに、又は加工点P近傍にレーザ光Lが照射されることで、ノズル34から吐出された材料3がレーザ光Lによって溶融又は焼結させられる。
【0123】
以上説明された第2の実施形態のノズル34を備える積層造形装置1において、吐出口43aから吐出された材料3及びキャリアガスGは、内側面75に沿って第1の下端縁75aまで流れる。従って、本実施形態のノズル34は、内側面75に沿って材料3及びキャリアガスGを収束させることが可能であり、より微細な領域に材料3を供給することができる。さらに、内側面75を形成する第1の筒部71と外側面81を形成する第2の筒部72との厚さを同一量減らす場合に、第2の筒部72は、第1の筒部71よりも径方向の外側に位置するため、断面積の減少量が大きくなる。このため、本実施形態のノズル34は、第2の筒部72の断面積をより小さくすることができるため、ノズル34をより軽くすることができる。
【0124】
第2の実施形態において、第1の端部78は、第2の端部83からZ軸に沿う負方向に離間する。すなわち、第1の筒部71は、第2の筒部72よりも対象物2に近い位置まで延びる。このため、対象物2により近い第1の筒部71は、対象物2からより遠い第2の筒部72よりも高い融点を有するように設定され、レーザ光Lを照射された対象物2からノズル34に伝わる熱の影響を軽減する。例えば、第1の筒部71がタングステンによって作られ、第2の筒部72が真鍮によって作られる。なお、第1の筒部71及び第2の筒部72の融点はこの例に限られない。
【0125】
以上説明された少なくとも一つの実施形態によれば、第2の開口端から吐出された流体は、コアンダ効果により、内側面及び外側面のうちより第1の方向に長く延びた方に沿って流れ得る。第2の端縁においてコアンダ効果が切れ、流体はノズル部から離れて対象物に向かって放たれる。従って、本実施形態のノズルは、内側面又は外側面に沿って粉体及び流体を収束させることが可能であり、より微細な領域に粉体を供給することができる。
【0126】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
中心軸の径方向における外側に向く内側面と、前記径方向に間隔を介して前記内側面に向く外側面と、を有し、前記内側面から前記径方向における内側に離間し、前記中心軸に沿って延び、エネルギー線が通る、第1の通路と、前記内側面と前記外側面との間に設けられ、粉体及び流体が通る、第2の通路と、が設けられたノズル部、
を具備し、
前記第1の通路は、前記中心軸に沿う第1の方向における当該第1の通路の端に位置し、当該第1の通路の外に開く、第1の開口端を含み、
前記第2の通路は、前記第1の方向における当該第2の通路の端に位置し、前記中心軸から前記第1の開口端よりも前記径方向における外側に離間し、当該第2の通路の外に開く、第2の開口端を含み、
前記内側面と前記外側面とのうち一方の第1の面は、前記第1の方向における当該第1の面の端に位置する第1の端縁を含み、
前記内側面と前記外側面とのうち他方の第2の面は、前記第1の方向における当該第2の面の端に位置するとともに前記中心軸に沿う方向において前記第1の端縁から前記第1の方向に離間する第2の端縁を含み、
前記第2の開口端から吐出された前記流体が、前記第2の面に沿って流れ、前記第2の端縁で剥離を生じて前記ノズル部から離れる、
ノズル。
[2]
前記内側面が前記第1の面であり、
前記外側面が前記第2の面であり、
前記ノズル部は、前記第1の開口端及び前記第2の開口端に連通して前記エネルギー線と前記粉体と前記流体とが通る第3の通路が設けられ、
前記第3の通路は、前記第1の方向における当該第3の通路の端に位置し、前記ノズル部の外に開く、第3の開口端を含み、
前記第3の開口端は、前記第1の開口端よりも狭い、
[1]のノズル。
[3]
前記ノズル部は、前記内側面を有するとともに前記第1の通路が設けられた第1の筒部と、前記外側面を有する第2の筒部と、を有し、
前記第1の筒部は、前記第1の方向に向かうにつれて薄くなり、
前記第2の筒部は、前記第1の方向に向かうにつれて薄くなる、
[2]のノズル。
[4]
前記第1の筒部は、前記第1の開口端が開く第1の端部を有し、
前記第2の筒部は、前記第3の開口端が開く第2の端部を有し、
前記第2の端部における前記第2の筒部の厚さは、前記第1の端部における前記第1の筒部の厚さよりも薄い、
[3]のノズル。
[5]
前記第1の筒部は、前記第1の開口端が開く第1の端部と、前記第1の通路に面する第1の内周面と、前記第1の内周面と前記第1の端部との間に位置するとともに前記第1の方向に向かうにつれて前記内側面に近づく第2の内周面と、を有する、[3]のノズル。
[6]
前記第2の筒部の融点は、前記第1の筒部の融点よりも高い、[3]のノズル。
[7]
前記内側面は、前記第1の方向に向かうにつれて前記中心軸に近づく第2の方向に延び、
前記外側面は、前記第2の方向に延びる、
[1]乃至[6]のいずれか一つのノズル。
[8]
前記外側面が前記第1の面であり、
前記内側面が前記第2の面である、
[1]のノズル。
[9]
[1]乃至[8]のいずれか一つのノズルと、
前記第1の通路に前記エネルギー線を供給する光学装置と、
前記第2の通路に前記粉体及び前記流体を供給する供給装置と、
を具備し、
前記ノズルは、前記第2の開口端から吐出された前記粉体を前記エネルギー線により溶融又は焼結させる、
積層造形装置。