特許第6942070号(P6942070)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6942070
(24)【登録日】2021年9月9日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】会計装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20210916BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20210916BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20210916BHJP
   G07D 11/14 20190101ALI20210916BHJP
   G07D 11/26 20190101ALI20210916BHJP
   G07D 11/60 20190101ALI20210916BHJP
【FI】
   G07G1/01 301D
   G07G1/12 321K
   G07G1/12 331Z
   G07G1/00 331B
   G07G1/01 311
   G07D11/14
   G07D11/26
   G07D11/60
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-22671(P2018-22671)
(22)【出願日】2018年2月13日
(65)【公開番号】特開2019-139531(P2019-139531A)
(43)【公開日】2019年8月22日
【審査請求日】2020年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 高広
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−237910(JP,A)
【文献】 特開2008−299745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
G07D 11/00 − 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を排出する排出部に当該排出部が排出した前記物品があると判定したことを条件に前記排出部に前記物品が放置されていることを第1報知方法で報知する会計装置であって、
前記排出部が排出した前記物品があるかを前記排出部ごとに判定する第1判定手段と、
会計処理を操作する操作者が所定の位置にいるかを判定する第2判定手段と、
前記第1判定手段が複数の前記排出部に前記物品があると判定した場合に、前記第2判定手段が所定の位置に前記操作者がいないと判定したことを条件に、前記排出部の其々の優先順位に基づいて前記物品が放置されていることを第2報知方法で報知する報知手段と、
を備える会計装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記第1判定手段が前記優先順位の高い前記排出部から前記物品が無くなったと判定したことを条件に、次の前記優先順位の前記排出部に前記物品が放置されていることを報知する、
請求項1に記載の会計装置。
【請求項3】
前記操作者の属性を示す属性情報の入力を受け付ける入力手段を更に備え、
前記報知手段は、前記入力手段が受け付けた前記属性情報に応じた前記第2報知方法で報知する、
請求項1又は2に記載の会計装置。
【請求項4】
前記第2判定手段により前記操作者が所定の位置にいると判定されたことを条件に、コードシンボルを読み取る読取制御手段を更に備える、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の会計装置。
【請求項5】
前記報知手段は、前記第1判定手段が報知しないことが設定されている前記排出部に前記物品があると判定した場合、前記第2報知方法では報知しない、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の会計装置。
【請求項6】
物品を排出する排出部に当該排出部が排出した前記物品があると判定したことを条件に前記排出部に前記物品が放置されていることを第1報知方法で報知する会計装置のコンピュータを、
前記排出部が排出した前記物品があるかを前記排出部ごとに判定する第1判定手段と、
会計処理を操作する操作者が所定の位置にいるかを判定する第2判定手段と、
前記第1判定手段が複数の前記排出部に前記物品があると判定した場合に、前記第2判定手段が所定の位置に前記操作者がいないと判定したことを条件に、前記排出部の其々の優先順位に基づいて前記物品が放置されていることを第2報知方法で報知する報知手段と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、会計装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客の操作で販売対象の商品の会計処理を実行する会計装置として、セルフPOS端末や、セミセルフPOS端末が知られている。セルフPOS端末は、販売対象の商品を登録する登録処理と、登録処理により登録された商品の会計処理とを顧客の操作により実行する会計装置である。セミセルフPOS端末は、販売対象の商品の会計処理を顧客の操作により実行する会計装置である。
【0003】
ところで、顧客は、会計処理において発行されるレシートや、釣銭等を会計装置から回収することを忘れて放置してしまうことがある。この放置を防止する技術として、特許文献1に記載の技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1には、複数の物品が放置された場合の技術については開示されていない。また、放置された物品が、レシートと、貨幣とでは重要度も異なっており、一律に報知することが適切とは言えない。そこで、放置された物品の重要度に応じて報知することが可能な技術が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の物品の回収を忘れた場合に放置された物品の重要度に応じて報知することができる会計装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の会計装置は、物品を排出する排出部に当該排出部が排出した前記物品があると判定したことを条件に前記排出部に前記物品が放置されていることを第1報知方法で報知する会計装置であって、第1判定手段と、第2判定手段と、報知手段と、を備える。前記第1判定手段は、前記排出部が排出した前記物品があるかを前記排出部ごとに判定する。前記第2判定手段は、会計処理を操作する操作者が所定の位置にいるかを判定する。前記報知手段は、前記第1判定手段が複数の前記排出部に前記物品があると判定した場合に、前記第2判定手段が所定の位置に前記操作者がいないと判定したことを条件に、前記排出部の其々の優先順位に基づいて前記物品が放置されていることを第2報知方法で報知する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態にかかるセルフPOS端末の外観の一例を示す正面図である。
図2図2は、セルフPOS端末を上方から見た状態の外観の一例を示す斜視図である。
図3図3は、セルフPOS端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、報知設定のデータ構成の一例を示す説明図である。
図5図5は、セルフPOS端末が備える特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、本実施形態のセルフPOS端末が実行するモード変更処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本実施形態のセルフPOS端末が実行する報知処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、会計装置およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、会計装置およびプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。本実施形態の会計装置およびプログラムは、セルフPOS端末への適用例である。
【0009】
図1は、実施形態にかかるセルフPOS端末1の外観の一例を示す正面図である。図2は、セルフPOS端末1を上方から見た状態の外観の一例を示す斜視図である。セルフPOS端末1は、販売対象の商品を登録する登録処理と、登録処理により登録された商品の会計処理とを顧客の操作により実行する会計装置である。
【0010】
セルフPOS端末1は、本体装置11と、カゴ置き台12と、袋詰め台13とを備えている。本体装置11は、中央部分に入出金部20を備えている。また、本体装置11は、入出金部20の上方に、スキャナ40(図3参照)、カードリーダ50(図3参照)、及びプリンタ60(図3参照)等の各種装置が格納された格納部14を備えている。また、本体装置11は、格納部14の上方に表示操作部70を備えている。また、本体装置11は、表示操作部70の後方に表示灯80を備えている。
【0011】
カゴ置き台12は、商品登録の際に、カゴが置かる物置台である。袋詰め台13は、買い物袋を開放した状態で引掛けられる物置台である。買い物袋には、商品登録が終わった商品が入れられる。
【0012】
入出金部20は、硬貨投入部21、硬貨排出部22、紙幣投入部23、及び紙幣排出部24を備える。硬貨投入部21は、顧客が支払う硬貨の投入を受け付ける投入口である。硬貨排出部22は、釣銭等の入出金部20から排出された硬貨を受ける受け皿である。紙幣投入部23は、顧客が支払う紙幣の投入を受け付ける投入口である。紙幣排出部24は、釣銭等の入出金部20から排出された紙幣の排出口である。
【0013】
また、セルフPOS端末1は、硬貨センサ25(図3参照)、硬貨LED(Light Emitting Diode)26、紙幣センサ27(図3参照)、及び紙幣LED28を備える。硬貨センサ25は、硬貨排出部22にある硬貨を検出するセンサである。例えば、硬貨センサ25は、硬貨排出部22の磁気の状態により硬貨を検出する磁気センサでる。硬貨LED26は、硬貨排出部22に硬貨がある場合に点滅するLEDである。紙幣センサ27は、紙幣排出部24にある紙幣を検出するセンサである。例えば、紙幣センサ27は、紙幣排出部24において紙幣により光が遮断されずに受光するか否かにより紙幣を検出するフォトセンサでる。紙幣LED28は、紙幣排出部24に紙幣がある場合に点滅するLEDである。
【0014】
格納部14は、正面に読取窓41、カード排出部51、及びレシート排出部61を備える。読取窓41は、光を透過可能な板で形成されている。読取窓41は、格納部14の内部に格納されたスキャナ40がコードシンボルを読み取る場合等に、格納部14の外側に光を透過させる窓である。カード排出部51は、格納部14の内部に格納されたカードリーダ50にクレジットカード等のカードが挿入される挿入口であり、挿入されたカードが排出される排出口である。レシート排出部61は、格納部14の内部に格納されたプリンタ60が発行したレシート等を排出する排出口である。
【0015】
さらに、セルフPOS端末1は、人感センサ42(図3参照)、カードセンサ52(図3参照)、カードLED53、レシートセンサ62(図3参照)、及びレシートLED63を備える。
【0016】
スキャナ40は、読取窓41の前方にかざされたバーコードや2次元コード等のコードシンボルを読み取る。例えば、スキャナ40は、商品を識別可能な商品コードや、会員登録した顧客に付与される会員カードに付された顧客を識別可能な顧客コード等を読み取る。
【0017】
人感センサ42は、セルフPOS端末1の前方の人体を検出するセンサである。例えば、人感センサ42は、赤外線を照射して、反射した赤外線により人体を検出する赤外線センサである。なお、人感センサ42は、体温を検出するセンサであってもよいし、他の形式により人体を検出するセンサであってもよい。そして、人感センサ42は、読取窓41を介して読取窓41の前方に向けられている。よって、人感センサ42は、セルフPOS端末1の前方等の所定の位置にいる人体を検出する。
【0018】
そして、スキャナ40は、人感センサ42により人体が検出された場合に、コードシンボルを読み取る。すなわち、スキャナ40は、人感センサ42により人体が検出された場合に、照明を点灯してコードシンボルの読取領域を照らしたり、コードシンボルを読み取るレーザ光等を照射したりする。
【0019】
カードリーダ50は、カード排出部51から挿入されたクレジットカード等のカードを読み取る読取装置である。カードセンサ52は、カード排出部51にあるカードを検出するセンサである。例えば、カードセンサ52は、カード排出部51においてカードにより光が遮断されずに受光するか否かによりカードを検出するフォトセンサでる。カードLED53は、カード排出部51にカードがある場合に点滅するLEDである。
【0020】
プリンタ60は、一取引の明細が示されたレシートや、商品の割引等のクーポンをレシート用紙等に印字する印字装置である。レシートセンサ62は、レシート排出部61にあるレシートを検出するセンサである。例えば、レシートセンサ62は、レシート排出部61においてレシートにより光が遮断されずに受光するか否かによりレシートを検出するフォトセンサでる。レシートLED63は、レシート排出部61にレシートがある場合に点滅するLEDである。
【0021】
表示操作部70は、例えばタッチパネルが積層された液晶表示装置である。
【0022】
表示灯80は、セルフPOS端末1に異常が発生したこと等を店員に通知する電灯である。
【0023】
次に、セルフPOS端末1のハードウェア構成について説明する。
【0024】
図3は、セルフPOS端末1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。セルフPOS端末1は、制御部101、記憶部102、通信インタフェース103、入出金部20、硬貨センサ25、硬貨LED26、紙幣センサ27、紙幣LED28、スキャナ40、人感センサ42、カードリーダ50、カードセンサ52、カードLED53、プリンタ60、レシートセンサ62、レシートLED63、表示操作部70、表示灯80、及び音声出力部104を備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス105を介して相互に接続している。
【0025】
制御部101は、セルフPOS端末1の全体の動作を制御し、セルフPOS端末1が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。CPUは、セルフPOS端末1の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部102等に格納されたプログラムを実行する。
【0026】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部102は、制御プログラム106と、報知設定107とを記憶する。
【0027】
制御プログラム106は、オペレーティングシステムや、セルフPOS端末1が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム106には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0028】
ここで、図4は、報知設定107のデータ構成の一例を示す説明図である。報知設定107は、セルフPOS端末1から回収されずに放置された放置物品の報知方法の設定である。報知設定107は、放置された物品の排出部ごとに、優先順位と、報知方法とが関連付けて記憶されている。排出部は、放置された物品の排出部を示す情報である。すなわち、排出部は、カード排出部51、紙幣排出部24、硬貨排出部22、及びレシート排出部61等を示す情報である。優先順位は、放置物品の報知の優先順位を示した設定である。図4に示す優先順位は、数値が小さい方がより優先順位が高いことを示している。報知方法は、放置物品の報知方法を示した設定である。図4に示す報知方法において、「カード排出部」及び「紙幣排出部」の場合には、アテンダント端末2と、表示操作部70の画面表示との両方で報知することを示している。「硬貨排出部」の場合には、表示操作部70の画面表示で報知することを示している。「レシート排出部」の場合には、報知しないことを示している。
【0029】
通信インタフェース103は、ネットワークを介して接続された装置との通信を実行する。例えば、通信インタフェース103は、ネットワークを介して接続されたアテンダント端末2との通信を実行する。アテンダント端末2は、事前に関連付けられた複数のセルフPOS端末1の状態を表示する情報処理装置である。
【0030】
音声出力部104は、警告音や音声メッセージ等の音声を出力するスピーカである。
【0031】
次に、セルフPOS端末1が備える特徴的な機能について説明する。ここで、図5は、セルフPOS端末1が備える特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。セルフPOS端末1の制御部101は、記憶部102の制御プログラム106をRAMに展開し、制御プログラム106に従って動作することで、図5に示す各機能部をRAM上に生成する。具体的には、セルフPOS端末1の制御部101は、機能部として、通信制御部1001、商品登録部1002、会計処理部1003、属性入力部1004、放置判定部1005、人感判定部1006、モード制御部1007、報知制御部1008、及び設定変更部1009を備える。
【0032】
通信制御部1001は、通信インタフェース103を制御して、ネットワークに接続された装置との通信を制御する。例えば、通信制御部1001は、アテンダント端末2との通信を制御する。
【0033】
商品登録部1002は、読取制御手段の一例である。商品登録部1002は、販売対象の商品を登録する商品登録処理を制御する。商品登録部1002は、操作者が所定の位置にいる場合に、スキャナ40にコードシンボルを読み取る読取処理を実行させる。さらに詳しくは、商品登録部1002は、スキャナ40の照明等にコードシンボルの読取領域を照らさせる。また、商品登録部1002は、スキャナ40にコードシンボルを読み取るレーザ光等を照射させる。そして、商品登録部1002は、読取窓41の前方にかざされた商品に付されているコードシンボルを読み取ることで、商品を識別可能な商品コードの入力を受け付ける。商品登録部1002は、入力された商品コードにより特定される商品を商品登録する。
【0034】
会計処理部1003は、商品登録部1002が販売登録した商品の会計処理を制御する。例えば、会計処理部1003は、商品登録部1002が販売登録した商品の合計価格を算出する。また、会計処理部1003は、顧客から受領した金額から合計価格を減算してお釣りを算出する。
【0035】
属性入力部1004は、入力手段の一例である。属性入力部1004は、セルフPOS端末1を操作する顧客の属性を示す属性情報の入力を受け付ける。顧客の属性とは、例えば年齢や、性別や、使用言語等である。例えば、属性入力部1004は、スキャナ40が顧客カードを読み取ることで属性情報の入力を受け付ける。なお、属性情報の入力方法は、顧客カードの読み取りに限らず、操作により入力されてもよいし、近距離無線通信等により入力されてもよい。
【0036】
放置判定部1005は、第1判定手段の一例である。放置判定部1005は、クレジットカード、紙幣、硬貨、又はレシート等の排出部から物品が放置されているか否かを排出部ごとに判定する。さらに詳しくは、放置判定部1005は、硬貨センサ25から出力された信号に基づいて、硬貨排出部22に硬貨が放置されているか否かを判定する。また、放置判定部1005は、紙幣センサ27から出力された信号に基づいて、紙幣排出部24に紙幣が放置されているか否かを判定する。放置判定部1005は、カードセンサ52から出力された信号に基づいて、カード排出部51にクレジットカード等のカードが放置されているか否かを判定する。放置判定部1005は、レシートセンサ62から出力された信号に基づいて、レシート排出部61にレシートが放置されているか否かを判定する。
【0037】
人感判定部1006は、第2判定手段の一例である。人感判定部1006は、セルフPOS端末1を操作する顧客等の操作者が所定の位置にいるか否かを判定する。すなわち、人感判定部1006は、顧客等の人体がセルフPOS端末1の前方にあるか否かを判定する。人感判定部1006は、人感センサ42から出力された信号に基づいて、人体が所定の位置にあるか否かを判定する。
【0038】
モード制御部1007は、スキャナ40のモードを制御する。スキャナ40のモードには、商品登録モードと、人体検出モードとが含まれている。
【0039】
商品登録モードは、商品登録処理時に設定されるモードである。商品登録部1002は、商品登録モードである場合に、人感判定部1006により人体があると判定されたことを条件に、コードシンボルの読取処理をスキャナ40に実行させる。読取処理とは、例えばスキャナ40の読取領域を照らす照明の点灯や、コードシンボルを読み取るレーザ光を照射する処理である。
【0040】
人体検出モードは、会計処理時に設定されるモードである。商品登録部1002は、人体検出モードであることを条件に、人感判定部1006により人体があると判定されてもコードシンボルの読取処理をスキャナ40に実行させない。すなわち、スキャナ40は、読取領域を照らす照明を点灯させず、コードシンボルを読み取るレーザ光を照射しない。
【0041】
報知制御部1008は、報知手段の一例である。報知制御部1008は、物品が排出部に放置されていることを報知する。報知制御部1008は、人体が検出された場合と、人体が検出されない場合とで異なる報知方法により報知する。報知制御部1008は、放置判定部1005により物品が放置されていないと判定した場合には報知しない。
【0042】
報知制御部1008は、放置判定部1005により排出部が排出した物品が放置されていると判定した場合に、物品が放置されていることを第1報知方法で報知する。第1報知方法とは、放置されている放置物品を排出した排出部に関連付けられているLEDを点滅させることである。さらに詳しくは、報知制御部1008は、硬貨排出部22に硬貨が放置されていると判定された場合に、硬貨LED26を点滅させる。報知制御部1008は、紙幣排出部24に紙幣が放置されていると判定された場合に、紙幣LED28を点滅させる。報知制御部1008は、カード排出部51にカードが放置されていると判定された場合に、カードLED53を点滅させる。報知制御部1008は、レシート排出部61にレシートが放置されていると判定された場合に、カードLED53を点滅させる。そして、報知制御部1008は、放置判定部1005が複数の排出部で物品が放置されていると判定した場合に、各放置物品を排出した排出部に関連付けられている其々のLEDを点滅させる。
【0043】
報知制御部1008は、放置判定部1005により物品が放置されていると判定し、且つ人感判定部1006が人体を検出しなくなった場合に、人体を検出しなくなってから所定時間が経過したか否かを判定する。報知制御部1008は、所定時間が経過するまでは、第1報知方法で報知する。所定時間とは、例えば略一秒である。なお、所定時間は、一秒に限らず、任意の時間であってもよい。
【0044】
ここで、セルフPOS端末1から立ち去ってはいないが、しゃがむや体勢を変える等の顧客の行為により、人感判定部1006は、一時的に顧客の人体を検出しなくなることがある。しかし、顧客は未だセルフPOS端末1から立ち去ってはいないことから報知制御部1008は、報知方法を変更する必要がない。そこで、報知制御部1008は、人体を検出しなくなってから所定時間が経過するまでは報知方法を変更しない。
【0045】
報知制御部1008は、放置判定部1005が排出部に物品が放置されていると判定し、且つ人感判定部1006が人体を検出しなくなってから所定時間が経過した場合に、報知設定107に基づいて第2報知方法で報知する。第2報知方法とは、例えば報知設定107において設定されている報知方法である。例えば、報知制御部1008は、放置物品が放置されていることを表示操作部70に表示して報知する。また、報知制御部1008は、放置物品が放置されていることを示す情報をアテンダント端末2に送信することで報知する。アテンダント端末2は、放置物品が放置されていることを示す情報を受信した場合に、放置物品の種別と、セルフPOS端末1を識別可能な情報と関連付けて表示することで報知する。また、報知制御部1008は、放置物品が放置されていることを示す音声メッセージを音声出力部104に出力させることで報知する。また、報知制御部1008は、表示灯80を点滅させることで放置物品が放置されていることを報知する。
【0046】
また、報知制御部1008は、報知設定107に報知しないことが設定されている排出部については、放置判定部1005により物品が放置されていると判定されても、第2報知方法による報知は実行しない。この場合、報知制御部1008は、第1報知方法による報知を実行する。すなわち、報知制御部1008は、該当する排出部に関連付けられているLEDを点滅させる。
【0047】
また、報知制御部1008は、報知設定107に設定された第2報知方法で報知する場合に、報知設定107に設定された優先順位に基づいて、排出部に物品が放置されていることを報知する。例えば、報知制御部1008は、報知設定107に設定された優先順位の順番で順次報知する。さらに詳しくは、報知制御部1008は、放置判定部1005が優先順位の最も高い排出部から物品が無くなったと判定したことを条件に、次の優先順位の排出部に物品が放置されていることを報知する。
【0048】
優先順位の順番で順次報知する処理について、例えば、カード、硬貨、及びレシートが放置されている場合を例に説明する。図4に示す報知設定107において、カード排出部51、硬貨排出部22、及びレシート排出部61の順番で優先順位が高い。また、カード排出部51、及び硬貨排出部22は、画面で報知することが設定されている。レシート排出部61は、報知しないことが設定されている。この場合、報知制御部1008は、カードがカード排出部51に放置されていることを表示操作部70に表示することで報知する。報知制御部1008は、カード排出部51からカードを検出できなくなったことを条件に、硬貨が硬貨排出部22に放置されていることを表示操作部70に表示することで報知する。そして、報知制御部1008は、硬貨排出部22から硬貨を検出できなくなった場合、レシート排出部61は報知しないことが設定されているため表示操作部70による報知は終了する。そして、報知制御部1008は、レシートが放置されていることは第1報知方法で報知する。
【0049】
さらに、報知制御部1008は、属性入力部1004がセルフPOS端末1を操作する顧客の属性を示す属性情報の入力を受け付けている場合に、入力された属性情報に応じた第2報知方法で報知する。例えば、報知制御部1008は、第2報知方法が音声メッセージであり、属性情報が示す高齢者を示している場合には、高齢者でない場合よりも大きい音声で報知する。また、報知制御部1008は、第2報知方法が画面表示であり、属性情報が示す高齢者を示している場合には、高齢者でない場合よりも大きい文字の画面で報知する。また、報知制御部1008は、第2報知方法が画面表示であり、属性情報が示す顧客の国籍が外国籍の場合には、英語等の外国語で報知する。また、属性情報に応じてどの様に第2報知方法を変更するかは、報知設定107に記憶されていてもよいし、属性情報に含まれていてもよい。
【0050】
設定変更部1009は、報知設定107を変更する入力を受け付けた場合に、入力内容に応じた設定に報知設定107を変更する。設定変更の入力方法は、限定しない。例えば、設定変更の入力は、通信インタフェース103を介して入力されてもよいし、表示操作部70を介して入力されてもよい。
【0051】
次に、セルフPOS端末1が実行するモード変更処理について説明する。ここで、図6は、本実施形態のセルフPOS端末1が実行するモード変更処理の一例を示すフローチャートである。
【0052】
モード制御部1007は、商品登録処理が開始されたか否かを判定する(ステップS11)。商品登録処理が開始されていないことを条件に(ステップS11;No)、モード制御部1007は、待機する。
【0053】
商品登録処理が開始されたことを条件に(ステップS11;Yes)、モード制御部1007は、商品登録モードに設定する(ステップS12)。
【0054】
モード制御部1007は、会計処理が開始されたか否かを判定する(ステップS13)。会計処理が開始されていないことを条件に(ステップS13;No)、モード制御部1007は、ステップS12に移行して商品登録モードを維持する。
【0055】
会計処理が開始されたことを条件に(ステップS13;Yes)、モード制御部1007は、人体検出モードに設定する(ステップS14)。
【0056】
モード制御部1007は、会計処理が終了したか否かを判定する(ステップS15)。会計処理が終了していないことを条件に(ステップS15;No)、モード制御部1007は、ステップS14に移行して人体検出モードを維持する。
【0057】
会計処理が終了したことを条件に(ステップS15;No)、モード制御部1007は、モード変更処理を終了する。
【0058】
次に、セルフPOS端末1が実行する報知処理について説明する。ここで、図7は、本実施形態のセルフPOS端末1が実行する報知処理の一例を示すフローチャートである。ここで、報知処理とは、会計処理において排出部に物品が放置されていることを報知する処理である。
【0059】
放置判定部1005は、放置されている物品を検出したか否かを判定する(ステップS21)。放置されている物品を検出したことを条件に(ステップS21;Yes)、人感判定部1006は、人体を検出したか否かを判定する(ステップS22)。
【0060】
人体を検出したことを条件に(ステップS22;Yes)、報知制御部1008は、放置された物品について第1報知方法で報知する(ステップS23)。そして、報知制御部1008は、ステップS21に移行する。
【0061】
ステップS22において人体を検出しないことを条件に(ステップS22;No)、報知制御部1008は、物品が放置され、且つ、人体が検出しなくなってから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS24)。所定時間が経過していないことを条件に(ステップS24;No)、報知制御部1008は、ステップS22に移行する。
【0062】
所定時間が経過したことを条件に(ステップS24;Yes)、報知制御部1008は、報知設定107に基づいて、第2報知方法で報知する(ステップS25)。そして、報知制御部1008は、ステップS21に移行する。
【0063】
ステップS21において放置されている物品を検出しないことを条件に(ステップS21;No)、会計処理部1003は、会計処理が終了したか否かを判定する(ステップS26)。
【0064】
会計処理が終了していないことを条件に(ステップS26;No)、会計処理部1003は、ステップS21に移行する。
【0065】
会計処理が終了したことを条件に(ステップS26;Yes)、会計処理部1003は、報知処理を終了する。
【0066】
以上のように、本実施形態に係るセルフPOS端末1は、排出部から排出された物品が放置されていると判定し、且つ、顧客等の操作者が所定の位置にいないと判定した場合に、報知設定107に設定された第2報知方法で報知する。さらに、セルフPOS端末1は、複数の排出部で物品が放置されていると判定された場合、報知設定107に設定された優先順位で報知する。従って、セルフPOS端末1は、複数の物品の回収を忘れた場合に放置された物品の重要度に応じて報知することができる。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0068】
また、上記実施形態では、会計装置としてセルフPOS端末1に適用した場合を例に説明した。しかしながら、会計装置は、販売対象の商品の会計処理を顧客の操作により実行するセミセルフPOS端末にも適用することができる。
【0069】
また、上記実施形態では、報知制御部1008は、排出部に物品が放置されていることを、報知設定107に設定された排出部の優先順位の順番で順次報知すると説明した。しかしながら、報知制御部1008は、優先順位の順番でより強調して報知してもよい。また、報知制御部1008は、優先順位の順番で排出部を並べて報知してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、報知設定107は、カード排出部51、紙幣排出部24、硬貨排出部22、及びレシート排出部61等の排出部ごとに、優先順位と、報知方法とが記憶されていると説明した。しかしながら、報知設定107は、排出部が排出する物品ごとに、優先順位と、報知方法とを記憶していてもよい。例えば、レシート排出部61は、一取引の明細が示されたレシートに限らず、商品を割り引くクーポン券を排出する場合がある。そして、レシートと、クーポン券とでは重要度が異なる場合、報知設定107は、レシートと、クーポン券とで異なる優先順位と、報知方法と記憶していてもよい。
【0071】
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0072】
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 セルフPOS端末
2 アテンダント端末
11 本体装置
20 入出金部
22 硬貨排出部
24 紙幣排出部
25 硬貨センサ
26 硬貨LED
27 紙幣センサ
28 紙幣LED
40 スキャナ
42 人感センサ
50 カードリーダ
51 カード排出部
52 カードセンサ
53 カードLED
60 プリンタ
61 レシート排出部
62 レシートセンサ
63 レシートLED
70 表示操作部
80 表示灯
104 音声出力部
107 報知設定
1001 通信制御部
1002 商品登録部
1003 会計処理部
1004 属性入力部
1005 放置判定部
1006 人感判定部
1007 モード制御部
1008 報知制御部
1009 設定変更部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特開2012−48319号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7