【文献】
村上 和夫,よくわかるRFID,日本,株式会社オーム社,2014年 6月20日,第2版,p.53−62,ISBN:978−4−274−50492−1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の開示する技術の一実施形態を説明する。
【0010】
図1に示されるように、本実施形態に係るRFIDタグ10は、基材12、アンテナパターン14、ICチップ16、接着材18、第一粘着層20、第一ラミネートフィルム22、第二粘着層24、第二ラミネートフィルム26、及び、ゴム被覆材28を備える。
【0011】
基材12は、平面視で長方形のシート状(板状)に形成されている。各図において、矢印X、矢印Y、矢印Zは、基材12の長さ方向(長手方向)、幅方向(短手方向)、厚み方向をそれぞれ示している。基材12の幅方向は、基材12の平面視で基材12の長さ方向と直交する方向であり、基材12の厚み方向は、基材12の側面視で基材12の長さ方向と直交する方向である。基材12の長さ方向、幅方向、厚み方向は、RFIDタグ10の長さ方向、幅方向、厚み方向と同じである。
【0012】
アンテナパターン14は、基材12の表面(アンテナパターン14が形成された一方の面)に形成されており、基材12の長さ方向に延びている。このアンテナパターン14は、例えば、銀ペーストやアルミ箔等の金属材料により形成される。本実施形態において、アンテナパターン14は、一例として、直線状に形成されている。
【0013】
IC(Integrated Circuit)チップ16は、基材12の表面に搭載されており、接着材18を介して基材12の表面に接着されている。このICチップ16は、基材12の長さ方向及び幅方向の中央部に配置されており、アンテナパターン14と接続されている。
【0014】
第一粘着層20は、「粘着層」の一例であり、第一ラミネートフィルム22は、「ラミネートフィルム」の一例である。第一粘着層20及び第一ラミネートフィルム22は、基材12の表側(アンテナパターン14及びICチップ16が配置された側)に配置されている。この第一粘着層20及び第一ラミネートフィルム22は、基材12と略同じ形状及び大きさを有している。第一粘着層20は、基材12の表面、アンテナパターン14、及び、ICチップ16を覆っており、第一ラミネートフィルム22は、第一粘着層20を介して基材12の表面に接着されている。
【0015】
第二粘着層24及び第二ラミネートフィルム26は、基材12の裏側(アンテナパターン14及びICチップ16が配置された側と反対側)に配置されている。この第二粘着層24及び第二ラミネートフィルム26も、第一粘着層20及び第一ラミネートフィルム22と同様に、基材12と略同じ形状及び大きさを有している。第二粘着層24は、第一粘着層20と反対側から基材12の裏面(アンテナパターン14が形成された一方の面と反対側の他方の面)を覆っており、第二ラミネートフィルム26は、第二粘着層24を介して基材12の裏面に接着されている。
【0016】
上述の基材12、第一粘着層20、第一ラミネートフィルム22、第二粘着層24、及び、第二ラミネートフィルム26は、RFIDタグ10の本体であるタグ本体30(インレット)を形成している。基材12、第一ラミネートフィルム22、及び、第二ラミネートフィルム26は、いずれもプラスチック製であり、可撓性を有している。
【0017】
この基材12、第一ラミネートフィルム22、及び、第二ラミネートフィルム26には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET: Polyethylene terephthalate)や、ポリエチレンナフタレート(PEN: Polyethylene Naphthalate)等の材料が適用される。一方、第一粘着層20及び第二粘着層24には、例えば、アクリル系やゴム系等の材料が適用される。
【0018】
ところで、本実施形態に係るRFIDタグ10は、例えば水や薬品等の液体を使用する環境で使用されることが想定される。この場合に、例えば水や薬品等の液体がRFIDタグ10にかかると、第一粘着層20及び第二粘着層24の外周部から液体が第一粘着層20及び第二粘着層24の内側へ浸透し、第一粘着層20及び第二粘着層24が損傷する虞がある。また、液体が第一粘着層20の内側へ浸透すると、液体がアンテナパターン14やICチップ16に到達し、アンテナパターン14が腐食したり、ICチップ16が故障したりする虞がある。
【0019】
そこで、本実施形態に係るRFIDタグ10では、液体が第一粘着層20及び第二粘着層24の内側へ浸透することを抑止するために、RFIDタグ10に第一封止部32及び第二封止部34が設けられている。
【0020】
第一封止部32は、「封止部」の一例である。この第一封止部32は、第一ラミネートフィルム22の一部が基材12に溶着されることにより形成されている。具体的には、第一封止部32は、第一ラミネートフィルム22の一部が基材12側に凸を成すように変形されて形成されている。また、この基材12側に凸を成す第一封止部32の先端部は、基材12の表面に接合されている。この第一封止部32は、第一粘着層20の外周部に沿って形成されており、平面視でアンテナパターン14及びICチップ16を囲う環状を成している。
【0021】
第二封止部34は、第一封止部32と同様に、第二ラミネートフィルム26の一部が基材12に溶着されることにより形成されている。この第二封止部34も、上述の第一封止部32と同様に、第二ラミネートフィルム26の一部が基材12側に凸を成すように変形されて形成されている。また、この基材12側に凸を成す第二封止部34の先端部は、基材12の裏面に接合されている。この第二封止部34も、平面視で環状を成している。なお、
図1及び以下に説明する各図の平面図では、第一封止部32及び第二封止部34が破線により簡略化して図示されている。
【0022】
本実施形態では、一例として、第一封止部32及び第二封止部34は、例えば超音波溶着又は熱溶着等の溶着加工により同時に形成されている。つまり、第一ラミネートフィルム22及び第二ラミネートフィルム26の同じ位置を厚さ方向の両側から溶着工具で挟み込むことにより、第一封止部32及び第二封止部34は、同時に形成されている。そして、これにより、第一封止部32及び第二封止部34は、平面視で互いに重複する位置、すなわち、平面視で同じ形状及び大きさで且つ基材12の長さ方向及び幅方向の同じ位置に形成されている。
【0023】
ゴム被覆材28は、第一封止部32及び第二封止部34が形成された後にタグ本体30と一体化されたものであり、タグ本体30を包囲している。ゴム被覆材28を有するRFIDタグ10全体は、長尺板状を成している。なお、
図1では、RFIDタグ10の内部構造の理解の容易のために、RFIDタグ10が厚み方向に誇張して示されている。
【0024】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0025】
以上詳述したように、本実施形態に係るRFIDタグ10によれば、第一ラミネートフィルム22には、この第一ラミネートフィルム22の一部が基材12に溶着されることにより、第一封止部32が形成されている。この第一封止部32は、平面視でアンテナパターン14及びICチップ16を囲う環状に形成されている。したがって、例えば水や薬品等の液体がRFIDタグ10にかかった場合でも、第一粘着層20の外周部から液体が第一粘着層20の内側へ浸透することを第一封止部32により抑止することができる。これにより、第一粘着層20が損傷することを抑制することができる。また、液体が第一粘着層20を通じてアンテナパターン14やICチップ16に到達することも抑止することができるので、アンテナパターン14が腐食したり、ICチップ16が故障したりすることを抑制することができる。
【0026】
また、第二ラミネートフィルム26には、第一ラミネートフィルム22と同様に、第二ラミネートフィルム26の一部が基材12に溶着されることにより、第二封止部34が形成されている。この第二封止部34も、第一封止部32と同様に、環状に形成されている。したがって、例えば水や薬品等の液体がRFIDタグ10にかかった場合でも、第二粘着層24の外周部から液体が第二粘着層24の内側へ浸透することを第二封止部34により抑止することができる。これにより、第二粘着層24が損傷することを抑制することができる。
【0027】
また、第一封止部32及び第二封止部34は、平面視で互いに重複する位置に形成されている。このように、第一封止部32及び第二封止部34を平面視で互いに重複する位置に形成するには、第一封止部32及び第二封止部34を例えば超音波溶着又は熱溶着等の溶着加工により同時に形成すれば良い。したがって、第一封止部32及び第二封止部34を溶着加工により同時に形成することにより、加工工数の増加、ひいては、製造コストを抑制することができる。
【0028】
また、第一封止部32及び第二封止部34は、第一粘着層20及び第二粘着層24の外周部に沿って形成されている。したがって、例えば水や薬品等の液体がRFIDタグ10にかかった場合でも、第一粘着層20及び第二粘着層24の外周部に近い側で液体の浸透を阻止することができる。これにより、液体の浸透により第一粘着層20及び第二粘着層24に影響が生じる範囲を狭める(第一粘着層20及び第二粘着層24の外周部側に留める)ことができる。
【0029】
また、本実施形態に係るRFIDタグ10は、ゴム被覆材28を有しており、このゴム被覆材28は、基材12、アンテナパターン14、ICチップ16等を有するタグ本体30を包囲している。したがって、第一粘着層20及び第二粘着層24の外周部から液体が第一粘着層20及び第二粘着層24の内側へ浸透することをゴム被覆材28によってより一層効果的に抑止することができる。
【0030】
また、タグ本体30は、ゴム被覆材28に包囲されている。したがって、例えばRFIDタグ10が二つ折りに折り曲げられた場合でも、この二つ折りに折り曲げられたRFIDタグ10の内側でゴム被覆材28のゴム層同士が干渉する。これにより、タグ本体30の曲率半径が一定以下になることを抑制することができるので、第一封止部32及び第二封止部34の破損を抑制することができる。
【0031】
なお、RFIDタグ10の使用時にRFIDタグ10に繰り返し応力が作用すると、ゴム被覆材28に破れや亀裂等の損傷部位が生じ、この損傷部位から液体が浸入する虞がある。しかしながら、上述のように、第一ラミネートフィルム22及び第二ラミネートフィルム26には、第一封止部32及び第二封止部34が形成されている。したがって、ゴム被覆材28に破れや亀裂等の損傷部位が生じても、第一粘着層20及び第二粘着層24の外周部から液体が第一粘着層20及び第二粘着層24の内側へ浸透することを抑止することができる。
【0032】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0033】
上記実施形態において、第一封止部32及び第二封止部34は、平面視で互いに重複する位置、すなわち、平面視で同じ形状及び大きさで且つ同じ位置に形成されている。しかしながら、第一封止部32及び第二封止部34は、互いに異なる形状で且つ異なる位置に形成されていても良い。
【0034】
例えば、
図2に示される例において、第一封止部32は、平面視で第二封止部34の外側に形成されている。また、
図3に示される例において、第一封止部32は、平面視で第二封止部34の内側に形成されている。
【0035】
このように、平面視で第一封止部32及び第二封止部34の位置がずれていると、第一封止部32及び第二封止部34が平面視で互いに重複する位置に形成された場合に比して、第一封止部32及び第二封止部34によって曲げ剛性が高められた範囲が拡がる。これにより、RFIDタグ10の曲げ剛性を高めることができ、ひいては、アンテナパターン14やICチップ16の折れを抑制することができる。
【0036】
また、上記実施形態において、基材12の表側には、第一ラミネートフィルム22が一重に設けられている。しかしながら、
図4に示されるように、基材12の表側には、第一ラミネートフィルム22が二重に設けられていても良い。なお、
図4に示される例において、二重の第一ラミネートフィルム22及びこれに付随する二重の第一粘着層20及び二重の第一封止部32をそれぞれ区別する場合には、各符号の末尾に識別符号を「1」、「2」を付与することとする。
【0037】
この
図4に示される例において、外側の第一粘着層20−2及び外側の第一ラミネートフィルム22−2は、平面視で内側の第一粘着層20−1及び内側の第一ラミネートフィルム22−1よりも大きく形成されている。この外側の第一粘着層20−2及び外側の第一ラミネートフィルム22−2は、平面視で基材12と同様の形状及び大きさを有している。
【0038】
また、外側の第一粘着層20−2は、内側の第一ラミネートフィルム22−1及び基材12を覆っている。この外側の第一ラミネートフィルム22−2は、外側の第一粘着層20−2を介して内側の第一ラミネートフィルム22−1及び基材12に接着されている。この外側の第一粘着層20−2及び外側の第一ラミネートフィルム22−2は、内側の第一粘着層20−1及び内側の第一ラミネートフィルム22−1とそれぞれ同様の材料で形成される。
【0039】
また、外側の第一ラミネートフィルム22−2の外周部側は、内側の第一ラミネートフィルム22−1よりも外側にはみ出している。この第一ラミネートフィルム22の外周部側には、内側の第一封止部32−1と同様の形状の外側の第一封止部32−2が形成されている。
【0040】
つまり、外側の第一封止部32−2は、外側の第一ラミネートフィルム22−2の一部が基材12に溶着されることにより形成されている。具体的には、外側の第一封止部32−2は、外側の第一ラミネートフィルム22−2の一部が基材12側に凸を成すように変形されて形成されている。また、この基材12側に凸を成す第一封止部32の先端部は、内側の第一ラミネートフィルム22−1の外側において、基材12の表面に接合されている。
【0041】
また、外側の第一封止部32−2は、第一粘着層20の外周部に沿って形成されている。この外側の第一封止部32−2は、平面視で内側の第一粘着層20−1及び第一ラミネートフィルム22−1を囲う環状を成しており、且つ、平面視で内側の第一封止部32−1の外側に形成されている。
【0042】
なお、内側の第一粘着層20−1は、「内側粘着層」の一例であり、内側の第一ラミネートフィルム22−1は、「内側ラミネートフィルム」の一例であり、内側の第一封止部32−1は、「内側封止部」の一例である。また、外側の第一粘着層20−2は、「外側粘着層」の一例であり、外側の第一ラミネートフィルム22−2は、「外側ラミネートフィルム」の一例であり、外側の第一封止部32−2は、「外側封止部」の一例である。
【0043】
このように、基材12の表側に二重の第一ラミネートフィルム22が設けられ、且つ、二重の第一ラミネートフィルム22に第一封止部32がそれぞれ形成されていると、封止構造を二重にすることができる。これにより、液体が第一粘着層20を通じてアンテナパターン14やICチップ16に到達することをより一層効果的に抑止することができる。
【0044】
なお、本例において、基材12の表側には、二重の第一ラミネートフィルム22が設けられているが、基材12の表側には、三重以上の第一ラミネートフィルム22が設けられていても良い。
【0045】
また、本例において、基材12の裏側は、一重の第二ラミネートフィルム26が設けられているが、基材12の裏側にも、二重以上の第二ラミネートフィルム26が設けられても良い。
【0046】
また、上記実施形態では、基材12の裏側に第二粘着層24及び第二ラミネートフィルム26が設けられている。しかしながら、
図5に示されるように、基材12の裏側から上述の第二粘着層24及び第二ラミネートフィルム26(
図1等参照)が省かれても良い。このように構成されていると、RFIDタグ10の構造を簡素化することができる。
【0047】
また、上記実施形態において、第一封止部32及び第二封止部34は、平面視で四角形を成しており、第一封止部32及び第二封止部34の各辺部は、直線状に形成されている。しかしながら、
図6に示されるように、第一封止部32及び第二封止部34の各長辺部には、屈曲部36がそれぞれ形成されていても良い。各屈曲部36は、基材12の幅方向中央側に凸を成すように平面視でV字状を成している。また、各屈曲部36は、ICチップ16及び接着材18に対して基材12の長さ方向にずれて位置している。
【0048】
ICチップ16及び接着材18に対して基材12の長さ方向一方側にずれて形成された一対の屈曲部36は、互いに基材12の幅方向に対向する位置(基材12の長さ方向の同じ位置)に形成されている。同様に、ICチップ16及び接着材18に対して基材12の長さ方向他方側にずれて形成された一対の屈曲部36は、互いに基材12の幅方向に対向する位置に形成されている。第一封止部32に係止された屈曲部36と、第二封止部34に形成された屈曲部36は、平面視で同じ形状及び位置に形成されている。
【0049】
このように、
図6に示される例では、第一封止部32及び第二封止部34に屈曲部36が形成され、且つ、この屈曲部36がICチップ16及び接着材18に対して基材12の長さ方向にずれて位置している。したがって、RFIDタグ10に曲げ力が作用した場合でも、屈曲部36を起点にRFIDタグ10が折れ曲がり易くなる。これにより、ICチップ16及び接着材18とアンテナパターン14との境界部を起点にRFIDタグ10が折れ曲がることを抑制でき、ひいては、アンテナパターン14の断線を抑制することができる。
【0050】
なお、
図6に示される例では、第一封止部32及び第二封止部34に平面視でV字状の屈曲部36が形成されているが、屈曲部36の代わりに、
図7に示されるように、第一封止部32及び第二封止部34に平面視で円弧状の湾曲部38が形成されていても良い。このように構成されていても、RFIDタグ10に曲げ力が作用した場合には、湾曲部38を起点にRFIDタグ10を折れ曲がり易くすることができる。
【0051】
また、
図8に示されるように、第一封止部32及び第二封止部34は、平面視で波形に形成されていても良い。この
図8に示される例において、第一封止部32及び第二封止部34は、平面視で同じ形状の波形に形成されているが、第一封止部32及び第二封止部34は、平面視で異なる形状の波形に形成されていても良い。
【0052】
このように、
図8に示される例では、第一封止部32及び第二封止部34が平面視で波形に形成されている。したがって、例えば、第一封止部32及び第二封止部34の各辺部が直線状に形成された場合に比して、第一封止部32及び第二封止部34によって補強された部位を拡げることができる。これにより、RFIDタグ10の曲げ剛性を向上させることができる。
【0053】
また、上記実施形態において、第一ラミネートフィルム22及び第二ラミネートフィルム26には、第一封止部32及び第二封止部34が一重に形成されている。しかしながら、
図9に示されるように、第一ラミネートフィルム22及び第二ラミネートフィルム26には、第一封止部32及び第二封止部34がそれぞれ二重に形成されていても良い。また、第一ラミネートフィルム22及び第二ラミネートフィルム26には、第一封止部32及び第二封止部34がそれぞれ三重以上に形成されていても良い。このように構成されていると、多重環状を成す第一封止部32及び第二封止部34による封止性を向上させることができる。
【0054】
また、
図10に示されるように、第一ラミネートフィルム22及び第二ラミネートフィルム26には、複数の第一封止部32を繋ぐ第一連結部40、及び、複数の第二封止部34を繋ぐ第二連結部42がそれぞれ形成されても良い。第一連結部40は、「連結部」の一例である。この第一連結部40及び第二連結部42も、第一封止部32及び第二封止部34と同様に、第一ラミネートフィルム22及び第二ラミネートフィルム26の一部が基材12に溶着されて形成されている。このように構成されていると、第一封止部32及び第二封止部34による封止性をより向上させることができると共に、RFIDタグ10の曲げ剛性を高めることができる。
【0055】
また、上記実施形態において、アンテナパターン14は、直線状に延びている。しかしながら、
図11に示されるように、アンテナパターン14は、屈曲して形成されていても良い。また、この場合に、第一封止部32及び第二封止部34は、アンテナパターン14に沿って屈曲して形成されていても良い。
【0056】
また、アンテナパターン14は、湾曲して形成されていても良く、この場合に、第一封止部32及び第二封止部34は、アンテナパターン14に沿って湾曲して形成されていても良い。
【0057】
また、上記実施形態において、RFIDタグ10は、平面視で長方形状に形成されているが、例えば、平面視で正方形状、円形状、楕円形状など、長方形状以外の形状に形成されていても良い。
【0058】
なお、上記複数の変形例のうち、組み合わせ可能な変形例は、適宜、組み合わされて実施されても良い。
【0059】
以上、本願の開示する技術の一実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0060】
なお、上述の本願の開示する技術の一実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0061】
(付記1)
シート状に形成されたプラスチック製の基材と、
前記基材に形成されたアンテナパターンと、
前記基材に搭載されると共に、前記アンテナパターンと接続されたICチップと、
前記基材、前記アンテナパターン、及び、前記ICチップを覆う粘着層と、
前記粘着層を介して前記基材に接着されたプラスチック製のラミネートフィルムと、
前記ラミネートフィルムの一部が前記基材に溶着されて形成され、平面視で前記アンテナパターン及びICチップを囲う環状の封止部と、
を備えるRFIDタグ。
(付記2)
前記基材、前記アンテナパターン、前記ICチップ、前記粘着層、前記ラミネートフィルム、前記封止部は、タグ本体を形成し、
前記タグ本体を包囲するゴム被覆材をさらに備える、
付記1に記載のRFIDタグ。
(付記3)
前記封止部は、前記粘着層の外周部に沿って形成されている、
付記1又は付記2に記載のRFIDタグ。
(付記4)
前記粘着層としての第一粘着層と、
前記ラミネートフィルムとしての第一ラミネートフィルムと、
前記封止部としての第一封止部と、
前記第一粘着層と反対側から前記基材を覆う第二粘着層と、
前記第二粘着層を介して前記基材に接着されたプラスチック製の第二ラミネートフィルムと、
前記第二ラミネートフィルムの一部が前記基材に溶着されて形成された環状の第二封止部と、
を備える、
付記1〜付記3のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
(付記5)
前記第一封止部及び前記第二封止部は、平面視で互いに重複する位置に形成されている、
付記4に記載のRFIDタグ。
(付記6)
前記第一封止部は、平面視で前記第二封止部の外側に形成されている、
付記4に記載のRFIDタグ。
(付記7)
前記第一封止部は、平面視で前記第二封止部の内側に形成されている、
付記4に記載のRFIDタグ。
(付記8)
前記粘着層としての内側粘着層と、
前記ラミネートフィルムとしての内側ラミネートフィルムと、
前記封止部としての内側封止部と、
前記内側ラミネートフィルム及び前記基材を覆う外側粘着層と、
前記外側粘着層を介して前記内側ラミネートフィルム及び前記基材に接着されたプラスチック製の外側ラミネートフィルムと、
前記外側ラミネートフィルムの一部が前記内側ラミネートフィルムに溶着されて形成され、平面視で前記内側粘着層及び前記内側ラミネートフィルムを囲う環状の外側封止部と、
を備える、
付記1〜付記7のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
(付記9)
前記ICチップは、接着材を介して前記基材に接着され、
前記封止部には、前記接着材に対して前記基材の長さ方向にずれて位置し、平面視でV字状を成す屈曲部が形成されている、
付記1〜付記8のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
(付記10)
前記ICチップは、接着材を介して前記基材に接着され、
前記封止部には、前記ICチップ及び前記接着材に対して前記基材の長さ方向にずれて位置し、平面視で円弧状を成す湾曲部が形成されている、
付記1〜付記8のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
(付記11)
前記封止部は、平面視で波形に形成されている、
付記1〜付記10のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
(付記12)
多重環状を成す複数の前記封止部を備える、
付記1〜付記11のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
(付記13)
前記ラミネートフィルムの一部が前記基材に溶着されて形成され、複数の前記封止部を繋ぐ連結部を備える、
付記12に記載のRFIDタグ。