【実施例】
【0026】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0027】
1.新規有機化合物
本発明の新規化合物は、ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシンにスピロフルオレンモイエティが縮合されて基本骨格をなし、このような基本骨格に多様な置換基が結合または縮合されてなる構造であって、下記化学式1で表されることを特徴とする:
[化学式1]
【化6】
前記化学式1において、
R
1とR
2、R
2とR
3、R
3とR
4、R
5とR
6、R
6とR
7、およびR
7とR
8のうちの少なくとも1つは、それぞれ独立に、下記化学式2で表される環と縮合されて縮合環を形成し、前記R
1とR
2、R
2とR
3、R
3とR
4、R
5とR
6、R
6とR
7、およびR
7とR
8のうちの少なくとも2つが下記化学式2で表される環と縮合されて縮合環を形成する場合、縮合される環は、互いに同一または異なり;
下記化学式2で表される環と縮合環を形成しないR
1〜R
8は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
3〜C
40のアルキルシリル基、C
6〜C
60のアリールシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールアミン基からなる群より選択されるか、隣接する基(例えば、隣接して存在する他のR
1〜R
8のうちのいずれか1つの置換基など)と結合して縮合環を形成してもよいし;
前記R
1〜R
8のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なっていてもよいし;
[化学式2]
【化7】
前記化学式2において、
点線は、縮合がなされる部分を意味し;
Y
1〜Y
12は、それぞれ独立に、NまたはC(R
9)であり;
R
9は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
3〜C
40のアルキルシリル基、C
6〜C
60のアリールシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールアミン基からなる群より選択されるか、隣接する基(例えば、隣接して存在する他のR
9など)と結合して縮合環を形成してもよく、前記R
9が複数の場合、これらは、互いに同一または異なり;
前記R
9のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なっていてもよい。
【0028】
一般的に、有機電界発光素子に含まれる有機物層のうち、燐光発光層は、色純度の増加と発光効率を増加させるためにホストおよびドーパントを含む。この時、前記ホストは、三重項エネルギーギャップがドーパントより高くなければならない。すなわち、ドーパントから効果的に燐光発光を提供するためには、ホストの最も低い励起状態のエネルギーがドーパントの最も低い放出状態のエネルギーより高くなければならない。本発明において、前記化学式1で表される化合物の場合、ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン部分が広い一重項エネルギー準位と高い三重項エネルギー準位を有する。このようなジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシンに縮合されたスピロフルオレンモイエティなどに特定の置換基が導入されることにより、前記化学式1の化合物が発光層のホストに適用される場合、ドーパントより高いエネルギー準位を示すことができる。
【0029】
また、前記化学式1で表される化合物は、前述のように高い三重項エネルギーを有するため、発光層で生成されたエキシトン(exciton)が隣接する電子輸送層または正孔輸送層に拡散(移動)するのを防止することができる。したがって、前記化学式1の化合物を用いて正孔輸送層と発光層との間に有機物層(以下、「発光補助層」という)を形成するか、または発光層と電子輸送層との間に有機物層(以下、「電子輸送補助層」という)を形成する場合、前記化合物によってエキシトンの拡散が防止されるため、前記発光補助層や電子輸送補助層を含まない従来の有機電界発光素子とは異なり、実質的に発光層内で発光に寄与するエキシトンの数が増加して素子の発光効率が改善できる。
【0030】
また、前記化学式1で表される化合物は、前記基本骨格に導入される置換基によってHOMOおよびLUMOエネルギーレベルが調節可能で、広いバンドギャップおよび高いキャリア輸送性を有することができる。
【0031】
しかも、本発明の化合物は、ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン内の酸素原子の高い正孔輸送能によって、前記基本骨格に電子供与性が大きい電子供与基(electron donating group、EDG)が結合される場合、正孔輸送層材料として容易に使用することができる。また、前記基本骨格に電子吸収性が大きい電子求引基(electron withdrawing group、EWG)が結合される場合、分子全体が両極性(bipolar)の特性を有して正孔と電子との結合力を高めることができる。
【0032】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記化学式1で表される化合物は、下記化学式3〜5のうちのいずれか1つで表される化合物であってもよいが、これに制限されるわけではない:
[化学式3]
【化8】
[化学式4]
【化9】
[化学式5]
【化10】
前記化学式3〜5において、
Y
1〜Y
12およびR
1〜R
8はそれぞれ、前記化学式1で定義された通りである。
【0033】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記化学式3〜5において、Y
1〜Y
4のうちの少なくとも1つは、C(R
9)であり、R
9が複数の場合、これらは、互いに同一または異なり、R
9は、前記化学式2で定義された通りである。
【0034】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記化学式3〜5において、Y
1〜Y
12のすべては、C(R
9)であり、ここで、複数のR
9は、互いに同一または異なり、R
9は、前記化学式2で定義された通りである。
【0035】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R
9は、下記化学式6で表される置換基であることが、発光効率の面で好ましいが、これに制限されるわけではない:
[化学式6]
【化11】
前記化学式6において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
L
1およびL
2は、それぞれ独立に、単結合、C
6〜C
18のアリーレン基、および核原子数5〜18個のヘテロアリーレン基からなる群より選択され;
R
10は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
3〜C
40のアルキルシリル基、C
6〜C
60のアリールシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールアミン基からなる群より選択されるか、隣接する基(例えば、L
1またはL
2、または隣接して存在する他のR
9またはR
10など)と結合して縮合環を形成してもよいし;
前記L
1およびL
2のアリーレン基およびヘテロアリーレン基と、R
10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なっていてもよい。
【0036】
本発明の好ましい一実施形態によれば、R
10は、水素、重水素(D)、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60のヘテロアリール基、およびC
6〜C
60のアリールアミン基からなる群より選択されてもよい。
【0037】
本発明の化学式1で表される化合物は、前記基本骨格に多様な置換基、特にアリール基および/またはヘテロアリール基が導入されることにより、化合物の分子量が有意に増大し、したがって、ガラス転移温度が向上して従来の有機物層材料(例えば、CBP)より高い熱的安定性を有することができる。また、前記化学式1で表される化合物は、有機物層の結晶化の抑制にも効果がある。
【0038】
このように、本発明の化学式1で表される化合物を、有機電界発光素子の有機物層材料、好ましくは、発光層材料(青色、緑色、および/または赤色の燐光ホスト材料)、電子輸送層/注入層材料、正孔輸送層/注入層材料、発光補助層材料、寿命改善層材料に適用する場合、有機電界発光素子の性能および寿命特性が大きく向上できる。このような有機電界発光素子は、結果的にフルカラー有機発光パネルの性能を極大化させることができる。
【0039】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記L
1およびL
2は、それぞれ独立に、下記化学式7〜11のうちのいずれか1つで表されるリンカーであることが、発光効率の面で好ましいが、これに制限されるわけではない:
[化学式7]
【化12】
[化学式8]
【化13】
[化学式9]
【化14】
[化学式10]
【化15】
[化学式11]
【化16】
前記化学式7〜11において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
X
1は、O、S、N(R
12)、またはC(R
13)(R
14)であり;
X
2は、NまたはC(R
15)であり;
pは、0〜4の整数であり;
R
11は、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
3〜C
40のアルキルシリル基、C
6〜C
60のアリールシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールアミン基からなる群より選択されるか、隣接する基(例えば、L
1またはL
2、または隣接して存在する他のR
9、R
10またはR
11など)と結合して縮合環を形成してもよく、前記R
11が複数の場合、これらは、互いに同一または異なり;
R
12〜R
15は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択されるか、または隣接する基(例えば、L
1またはL
2、または隣接して存在する他のR
9、R
10またはR
11など)と結合して縮合環を形成してもよく;
前記R
11〜R
15のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なっていてもよい。
【0040】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R
10は、下記化学式12〜14のうちのいずれか1つで表される置換基であることが、発光効率の面で好ましいが、これに制限されるわけではない:
[化学式12]
【化17】
[化学式13]
【化18】
[化学式14]
【化19】
前記化学式12〜14において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
Z
1〜Z
5は、それぞれ独立に、NまたはC(R
18)であり;
T
1およびT
2は、それぞれ独立に、単結合、C(R
19)(R
20)、N(R
21)、O、およびSからなる群より選択されるが、T
1およびT
2のすべてが単結合ではなく;
qおよびrは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり;
R
16およびR
17は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択されるか、または隣接する基と結合して縮合環を形成してもよく、前記R
16およびR
17それぞれが複数の場合、これらは、互いに同一または異なり;
R
18〜R
21は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択されるか、または隣接する基と結合して縮合環を形成してもよく、前記R
18〜R
21それぞれが複数の場合、これらは、互いに同一または異なり;
前記R
16〜R
21のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なっていてもよい。
【0041】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記化学式12〜14で表される置換基は、下記化学式A−1〜A−24のうちのいずれか1つで表される置換基であってもよいが、これに制限されるわけではない:
【化20】
前記化学式A−1〜A−24において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
tは、0〜5の整数であり、
uは、0〜4の整数であり;
vは、0〜3の整数であり;
wは、0〜2の整数であり;
R
22は、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択されるか、隣接する基(例えば、L
1またはL
2のうちのいずれか1つ、または隣接する他のR
22またはR
16〜R
21など)と結合して縮合環を形成してもよく、前記R
22が複数の場合、これらは、互いに同一または異なり;
前記R
22のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なっていてもよいし、
R
16〜R
21、pおよびqは、前記化学式12〜14で定義された通りである。
【0042】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R
10は、下記化学式15で表される置換基であることが、発光効率を高めることができて好ましいが、これに制限されるわけではない:
[化学式15]
【化21】
前記化学式15において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
R
23およびR
24は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択されるか、隣接する基(例えば、R
23およびR
24が互いに結合)と結合して縮合環を形成してもよいし;
前記R
23およびR
24のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なっていてもよい。
【0043】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R
23およびR
24は、それぞれ独立に、水素、C
1〜C
40のアルキル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、およびC
6〜C
60のアリールアミン基からなる群より選択されてもよい。
【0044】
本発明の好ましい一実施形態によれば、R
23およびR
24は、それぞれ独立に、水素、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフタレニル基、フルオレニル基、および下記化学式16で表される置換基からなる群より選択されてもよいが、これに制限されるわけではない:
[化学式16]
【化22】
前記化学式16において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
L
3は、それぞれ独立に、単結合、C
6〜C
18のアリーレン基、および核原子数5〜18個のヘテロアリーレン基からなる群より選択され;
R
25およびR
26は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
3〜C
40のアルキルシリル基、C
6〜C
60のアリールシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールアミン基からなる群より選択されるか、隣接する基(例えば、L
3または隣接して存在する他のR
23またはR
24など、またはR
25およびR
26が互いに結合)と結合して縮合環を形成してもよいし;
前記L
3のアリーレン基およびヘテロアリーレン基と、R
25およびR
26のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1〜C
40のアルキル基、C
2〜C
40のアルケニル基、C
2〜C
40のアルキニル基、C
6〜C
60のアリール基、核原子数5〜60個のヘテロアリール基、C
6〜C
60のアリールオキシ基、C
1〜C
40のアルキルオキシ基、C
6〜C
60のアリールアミン基、C
3〜C
40のシクロアルキル基、核原子数3〜40個のヘテロシクロアルキル基、C
1〜C
40のアルキルシリル基、C
1〜C
40のアルキルボロン基、C
6〜C
60のアリールボロン基、C
6〜C
60のアリールホスファニル基、C
6〜C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6〜C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なっていてもよい。
【0045】
本発明の化学式1で表される化合物は、下記化合物で表してもよいが、これに限定されるものではない:
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【0046】
本発明において、前記化学式1で表される化合物は、一般的な合成方法により合成される(Chem.Rev.,60:313(1960);J.Chem.SOC.4482(1955);Chem.Rev.95:2457(1995)等参照)。本発明の化合物に関する詳細な合成過程は、後述する合成例で具体的に記述する。
【0047】
2.有機電界発光素子
一方、本発明の他の態様は、上記の本発明に係る化学式1で表される化合物を含む有機電界発光素子(有機EL素子)に関する。
【0048】
具体的には、本発明は、陽極(anode)、陰極(cathode)、および前記陽極と陰極との間に介在した1層以上の有機物層を含む有機電界発光素子であって、前記1層以上の有機物層のうちの少なくとも1つは、前記化学式1で表される化合物を含む。この時、前記化合物は、単独または2以上混合されて使用可能である。
【0049】
前記1層以上の有機物層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、発光補助層、寿命改善層、電子輸送層、電子輸送補助層、および電子注入層のうちのいずれか1つ以上であってもよく、このうち少なくとも1つの有機物層が前記化学式1で表される化合物を含むことができる。好ましくは、前記化学式1で表される化合物を含む有機物層は、発光層または発光補助層であってもよい。
【0050】
本発明の一例によれば、有機電界発光素子の発光層は、ホスト材料を含むことができるが、この時、ホスト材料として、前記化学式1で表される化合物を含むことができる。このように、前記化学式1で表される化合物を有機電界発光素子の発光層材料、好ましくは、緑色の燐光ホストとして含む場合、発光層において正孔と電子との結合力が高くなるため、有機電界発光素子の効率(発光効率および電力効率)、寿命、輝度および駆動電圧などが向上できる。
【0051】
前述の本発明に係る有機電界発光素子の構造は特に限定されず、例えば、基板、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および陰極が順次に積層された構造であってもよい。この時、前記発光層と電子輸送層との間には電子輸送補助層が追加的に積層され、前記電子輸送層上には電子注入層が追加的に積層される。本発明において、前記正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子輸送補助層、および電子注入層のうちの1つ以上は、前記化学式1で表される化合物を含むことができ、好ましくは、発光層または発光補助層が前記化学式1で表される化合物を含むことができる。
【0052】
また、本発明の有機電界発光素子の構造は、陽極、1層以上の有機物層、および陰極が順次に積層されるだけでなく、電極と有機物層との界面に絶縁層または接着層が挿入された構造であってもよい。
【0053】
本発明の有機電界発光素子は、前記有機物層のうちの少なくとも1つ以上(例えば、発光層または発光補助層)が前記化学式1で表される化合物を含むように形成することを除けば、当技術分野で知られている材料および方法を利用して他の有機物層および電極を形成して製造できる。
【0054】
前記有機物層は、真空蒸着法や溶液塗布法により形成される。前記溶液塗布法の例としては、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレーディング、インクジェットプリンティング、または熱転写法などがあるが、これらに限定されない。
【0055】
本発明で使用可能な基板としては特に限定されず、シリコンウエハ、石英、ガラス板、金属、プラスチックフィルム、およびシートなどが使用可能である。
【0056】
また、陽極物質としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属、またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO
2:Sbのような金属と酸化物との組み合わせ;ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDT)、ポリピロールまたはポリアニリンのような導電性高分子;およびカーボンブラックなどがあるが、これらに限定されない。
【0057】
また、陰極物質としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズまたは鉛のような金属、またはこれらの合金;およびLiF/AlまたはLiO
2/Alのような多層構造の物質などがあるが、これらに限定されない。
【0058】
以下、本発明を実施例を通じて詳細に説明する。ただし、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明が下記の実施例によって限定されるものではない。
【0059】
[準備例1]化合物Inv1の合成
【化36】
<段階1>2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成
2−ブロモジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(100g、0.38mol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(115.8g、0.46mol)、Pd(dppf)Cl
2(31g、0.038mol)、およびKOAc(111.9g、1.14mol)をフラスコに入れた後、これに1,4−ジオキサン(2L)を入れて溶かした後、8時間加熱撹拌した。反応終了後、蒸留水を入れてエチルアセテートで有機層を抽出した。得られた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(73g、収率62%)を得た。
【0060】
<段階2>メチル5−クロロ−2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)ベンゾエートの合成
前記<段階1>で得られた2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(73g、0.235mol)、メチル2−ブロモ−5−クロロベンゾエート(70.3g、0.282mol)、およびPd(PPh
3)
4(13.5g、0.011mol)をフラスコに入れて、これに2M Na
2CO
3飽和水溶液(352ml)と1,4−ジオキサン(2L)を入れて溶かした後、8時間加熱撹拌した。反応終了後、蒸留水を入れてエチルアセテートで有機層を抽出した。得られた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物メチル5−クロロ−2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)ベンゾエート(75.4g、収率91%)を得た。
【0061】
<段階3>9−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オンの合成
前記<段階2>で得られたメチル5−クロロ−2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)ベンゾエート(75.4g、0.214mol)をTHF(1L)に入れて加熱した後、メタンスルホン酸350mlを添加した後、4時間撹拌した。水500mlを入れて生成された固体を濾過し、水600ml、エタノール200mlで洗い、乾燥して、化合物9−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オン(53.0g、収率78%)を取得した。
【0062】
<段階4>11−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−9−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オールの合成
2−ブロモ−1,1’−ビフェニル(30ml、174.0mmol)を無水THF500mlに溶かし、−78℃に冷却させた後、2.5M n−BuLi(73.2ml、183mmol)をゆっくり添加した後、1時間撹拌した。この反応液に前記<段階3>で得られた9−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オン(53.0g、165.4mmol)を添加した後、温度を常温にゆっくり上げながら3時間撹拌した。塩化アンモニウム水溶液を入れて反応を終了させた後、蒸留水を入れてエチルアセテートで有機層を抽出した。得られた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物11−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−9−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オール(62.8g、収率80%)を得た。
【0063】
<段階5>化合物Inv1の合成
前記<段階4>で得られた11−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−9−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オール(62.8g、132.3mmol)をAcOH400mlに入れて加熱した後、硫酸0.1mlを添加後、1時間加熱撹拌した。常温に温度を下げた後、生成された固体を濾過し、水600ml、エタノール200mlで洗い、乾燥して、化合物Inv1(58.6g、収率93%)を取得した。
【0064】
[準備例2]化合物Inv2の合成
【化37】
<段階1>2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成
2−ブロモジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(100g、0.38mol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(115.8g、0.46mol)、Pd(dppf)Cl
2(31g、0.038mol)、およびKOAc(111.9g、1.14mol)をフラスコに入れた後、これに1,4−ジオキサン(2L)を入れて溶かした後、8時間加熱撹拌した。反応終了後、蒸留水を入れてエチルアセテートで有機層を抽出した。得られた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(73g、収率62%)を得た。
【0065】
<段階2>メチル4−クロロ−2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)ベンゾエートの合成
前記<段階1>で得られた2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(73g、0.235mol)、メチル2−ブロモ−4−クロロベンゾエート(70.3g、0.282mol)、およびPd(PPh
3)
4(13.5g、0.011mol)をフラスコに入れて、これに2M Na
2CO
3飽和水溶液(352ml)と1,4−ジオキサン(2L)を入れて溶かした後、8時間加熱撹拌した。反応終了後、蒸留水を入れてエチルアセテートで有機層を抽出した。得られた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物メチル4−クロロ−2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)ベンゾエート(75.4g、収率91%)を得た。
【0066】
<段階3>8−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オンの合成
前記<段階2>で得られたメチル5−クロロ−2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)ベンゾエート(75.4g、0.214mol)をTHF(1L)に入れて加熱した後、メタンスルホン酸350mlを添加した後、4時間撹拌した。水500mlを入れて生成された固体を濾過し、水600ml、エタノール200mlで洗い、乾燥して、化合物8−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オン(53.0g、収率78%)を取得した。
【0067】
<段階4>11−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−8−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オールの合成
2−ブロモ−1,1’−ビフェニル(30ml、174.0mmol)を無水THF500mlに溶かし、−78℃に冷却させた後、2.5M n−BuLi(73.2ml、183mmol)をゆっくり添加した後、1時間撹拌した。この反応液に前記<段階3>で得られた8−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オン(53.0g、165.4mmol)を添加した後、温度を常温にゆっくり上げながら3時間撹拌した。塩化アンモニウム水溶液を入れて反応を終了させた後、蒸留水を入れてエチルアセテートで有機層を抽出した。得られた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物11−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−8−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オール(62.8g、収率80%)を得た。
【0068】
<段階5>化合物Inv2の合成
前記<段階4>で得られた11−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−9−クロロ−11H−ベンゾ[b]フルオレノ[2,3−e][1,4]ジオキシン−11−オール(62.8g、132.3mmol)をAcOH400mlに入れて加熱した後、硫酸0.1mlを添加した後、1時間加熱撹拌した。常温に温度を下げた後、生成された固体を濾過し、水600ml、エタノール200mlで洗い、乾燥して、化合物Inv2(58.6g、収率93%)を取得した。
【0069】
[準備例3]化合物Inv3の合成
【化38】
<段階1>2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成
2−ブロモジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(100g、0.38mol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(115.8g、0.46mol)、Pd(dppf)Cl
2(31g、0.038mol)、およびKOAc(111.9g、1.14mol)をフラスコに入れた後、これに1,4−ジオキサン(2L)を入れて溶かした後、8時間加熱撹拌した。反応終了後、蒸留水を入れてエチルアセテートで有機層を抽出した。得られた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(73g、収率62%)を得た。
【0070】
<段階2>2−(2−ブロモフェニル)ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシンの合成
前記<段階1>で得られた2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(73g、0.235mol)、1,2−ジブロモベンゼン(111g、0.470mol)、およびPd(PPh
3)
4(13.5g、0.011mol)をフラスコに入れて、これに2M Na
2CO
3飽和水溶液(352ml)と1,4−ジオキサン(2L)を入れて溶かした後、8時間加熱撹拌した。反応終了後、蒸留水を入れてエチルアセテートで有機層を抽出した。得られた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物2−(2−ブロモフェニル)ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(72.5g、収率91%)を得た。
【0071】
<段階3>2−ブロモ−9−(2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)フェニル)−9H−フルオレン−9−オールの合成
前記<段階2>で得られた2−(2−ブロモフェニル)ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(59g、0.174mol)を無水THF500mlに溶かし、−78℃に冷却させた後、2.5M n−BuLi(73.2ml、183mmol)をゆっくり添加した後、1時間撹拌した。この反応液に2−ブロモ−9H−フルオレン−9−オン(43.0g、0.166mol)を添加した後、温度を常温にゆっくり上げながら3時間撹拌した。塩化アンモニウム水溶液を入れて反応を終了させた後、蒸留水を入れてエチルアセテートで有機層を抽出した。得られた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物2−ブロモ−9−(2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)フェニル)−9H−フルオレン−9−オール(68.7g、収率80%)を得た。
【0072】
<段階4>化合物Inv3の合成
前記<段階3>で得られた2−ブロモ−9−(2−(ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン−2−イル)フェニル)−9H−フルオレン−9−オール(68.7g、132.3mmol)をAcOH400mlに入れて加熱した後、硫酸0.1mlを添加後、1時間加熱撹拌した。常温に温度を下げた後、生成された固体を濾過し、水600ml、エタノール200mlで洗い、乾燥して、化合物Inv3(61.7g、収率93%)を取得した。
【0073】
[合成例1]Cpd50の合成
【化39】
準備例1で得られたInv1(3.5g、7.70mmol)、(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸(2.8g、9.67mmol)、NaOH(1.06g、26.4mmol)、およびTHF/H
2O(100ml/50ml)を入れて撹拌した。この後、40℃でPd(PPh
3)
4(5mol%、0.51g)を入れて、80℃で12時間撹拌した。
【0074】
TLCで反応が終結することを確認した後、常温に冷やした。反応終了後、蒸留水を入れてエチルアセテートで有機層を抽出した。得られた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物Cpd50(4.1g、収率80%)を得た。
HRMS[M]
+:663.220
【0075】
[合成例2]Cpd51の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりにジベンゾ[b,d]フラン−4−イルボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd51を得た。
HRMS[M]
+:588.173
【0076】
[合成例3]Cpd52の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりにジベンゾ[b,d]チオフェン−4−イルボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd52を得た。
HRMS[M]
+:604.150
【0077】
[合成例4]Cpd53の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりにジベンゾ[b,d]フラン−2−イルボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd53を得た。
HRMS[M]
+:588.173
【0078】
[合成例5]Cpd54の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりにジベンゾ[b,d]チオフェン−2−イルボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd54を得た。
HRMS[M]
+:604.150
【0079】
[合成例6]Cpd77の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(3−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd77を得た。
HRMS[M]
+:729.242
【0080】
[合成例7]Cpd83の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(9−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd83を得た。
HRMS[M]
+:818.268
【0081】
[合成例8]Cpd92の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(9−(3−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd92を得た。
HRMS[M]
+:894.299
【0082】
[合成例9]Cpd95の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(9−(4’−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd95を得た。
HRMS[M]
+:970.331
【0083】
[合成例10]Cpd96の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(9−(3’−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd96を得た。
HRMS[M]
+:970.331
【0084】
[合成例11]Cpd97の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(9−(4’−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd97を得た。
HRMS[M]
+:970.331
【0085】
[合成例12]Cpd98の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(9−(3’−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd98を得た。
HRMS[M]
+:970.331
【0086】
[合成例13]Cpd148の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(4−(ナフタレン−1−イル(フェニル)アミノ)フェニル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd148を得た。
HRMS[M]
+:715.251
【0087】
[合成例14]Cpd149の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(4−(ジ([1,1’−ビフェニル]−4−イル)アミノ)フェニル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd149を得た。
HRMS[M]
+:817.298
【0088】
[合成例15]Cpd152の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(4−([1,1’−ビフェニル]−4−イル(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ)フェニル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd152を得た。
HRMS[M]
+:857.329
【0089】
[合成例16]Cpd154の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(4−(ナフタレン−1−イル(フェニル)アミノ)フェニル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd154を得た。
HRMS[M]
+:715.251
【0090】
[合成例17]Cpd155の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(4−(ジ([1,1’−ビフェニル]−4−イル)アミノ)フェニル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd155を得た。
HRMS[M]
+:817.298
【0091】
[合成例18]Cpd158の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(4−([1,1’−ビフェニル]−4−イル(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ)フェニル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd158を得た。
HRMS[M]
+:857.329
【0092】
[合成例19]Cpd179の合成
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸の代わりに(4−(ジ([1,1’−ビフェニル]−4−イル)アミノ)フェニル)ボロン酸を用いることを除けば、前記合成例1と同様の過程を行って、表題化合物Cpd179を得た。
HRMS[M]
+:817.298
【0093】
[合成例20]Cpd150の合成
【化40】
Inv1(4.6g、10.0mmol)、ジ([1,1’−ビフェニル]−4−イル)アミン(3.8g、12.0mmol)をトルエン100mlに溶かした後、Pd
2(dba)
3(0.9g、1.0mmol)を窒素下で投入した。この後、NaOtBu(2.9g、30mmol)を入れて、(t−Bu)
3P(1.0ml、1.0mmol)を前記反応液に投入した後、混合物を5時間還流撹拌した。TLCで反応が終結することを確認した後、常温に冷やした。反応終了後、蒸留水を入れてエチルアセテートで抽出した。得られた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物Cpd150(6.4g、収率86%)を得た。
HRMS[M]
+:741.267
【0094】
[合成例21]Cpd156の合成
Inv1の代わりにInv2を用いることを除けば、前記合成例20と同様の過程を行って、表題化合物Cpd156を得た。
HRMS[M]
+:741.267
【0095】
[合成例22]Cpd180の合成
Inv1の代わりにInv3を用いることを除けば、前記合成例20と同様の過程を行って、表題化合物Cpd180を得た。
HRMS[M]
+:741.267
【0096】
[実施例1]緑色有機電界発光素子の作製
合成例13で合成された化合物Cpd148を通常知られた方法で高純度昇華精製をした後、下記のように緑色有機電界発光素子を製造した。
【0097】
ITO(Indium tin oxide)が1500Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を蒸留水超音波で洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄をし、乾燥させた後、UV OZONE洗浄機(Power sonic405、Hwashin Tech)に移送させた後、UVを用いて前記基板を5分間洗浄し、真空蒸着機に基板を移送した。こうして用意されたITO透明電極上に、m−MTDATA(60nm)/TCTA(80nm)/化合物Cpd148(40nm)/CBP+10%Ir(ppy)
3(300nm)/BCP(10nm)/Alq
3(30nm)/LiF(1nm)/Al(200nm)の順に積層して、緑色有機電界発光素子を製造した。ここで、使用されたm−MTDATA、TCTA、Ir(ppy)
3、CBP、およびBCPの構造は、下記の通りである。
【化41】
【化42】
【0098】
[実施例2〜10]緑色有機電界発光素子の作製
実施例1で使用された化合物Cpd148の代わりに下記表1に記載された化合物をそれぞれ用いることを除けば、実施例1と同様に行って、緑色有機電界発光素子を製造した。
【0099】
[比較例1]緑色有機電界発光素子の作製
実施例1で使用された化合物Cpd148を用いないことを除けば、実施例1と同様に行って、緑色有機電界発光素子を製造した。
【0100】
[評価例1]
実施例1〜10、および比較例1でそれぞれ製造された緑色有機電界発光素子に対して、電流密度10mA/cm
2における駆動電圧、電流効率および発光ピークを測定し、その結果を下記表1に示した。
【0101】
【表1】
【0102】
前記表1に示しているように、本発明に係る化学式1で表される化合物(化合物Cpd148〜Cpd180)を発光補助層材料として用いた実施例1〜10の緑色有機電界発光素子は、発光補助層なしにCBPのみを発光層材料として用いた比較例1の緑色有機電界発光素子に比べて駆動電圧がやや低く、比較例1の緑色有機電界発光素子に比べて電流効率にさらに優れていることが分かった。
【0103】
[実施例11]赤色有機電界発光素子の作製
合成例13で合成された化合物Cpd148を通常知られた方法で高純度昇華精製をした後、下記のように赤色有機電界発光素子を製造した。
【0104】
まず、ITO(Indium tin oxide)が1500Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を蒸留水超音波で洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、UV OZONE洗浄機(Powersonic405、Hwashin Tech)に移送させた後、UVを用いて前記基板を5分間洗浄し、真空蒸着機に基板を移送した。
【0105】
こうして用意されたITO透明電極上に、m−MTDATA(60nm)/TCTA(80nm)/化合物Cpd148(40nm)/CBP+10%(piq)
2Ir(acac)(300nm)/BCP(10nm)/Alq
3(30nm)/LiF(1nm)/Al(200nm)の順に積層して、赤色有機電界発光素子を製造した。
【0106】
ここで使用されたm−MTDATA、TCTA、CBP、およびBCPの構造は、実施例1に記載された通りであり、(piq)
2Ir(acac)は、下記の通りである。
【化43】
【0107】
[実施例12〜20]赤色有機電界発光素子の作製
実施例11で使用された化合物Cpd148の代わりに下記表2に記載された化合物をそれぞれ用いることを除けば、実施例11と同様に行って、赤色有機電界発光素子を製造した。
【0108】
[比較例2]赤色有機電界発光素子の作製
実施例11で使用された化合物Cpd148を用いないことを除けば、実施例11と同様に行って、赤色有機電界発光素子を製造した。
【0109】
[評価例2]
実施例11〜20および比較例2で作製されたそれぞれの赤色有機電界発光素子に対して、電流密度10mA/cm
2における駆動電圧および電流効率を測定し、その結果を下記表2に示した。
【0110】
【表2】
【0111】
前記表2に示しているように、本発明に係る化学式1で表される化合物(化合物Cpd148〜Cpd180)を発光補助層材料として用いた実施例11〜20の赤色有機電界発光素子は、発光補助層なしにCBPのみを発光層材料として用いた比較例2の赤色有機電界発光素子に比べて駆動電圧がやや低いだけでなく、電流効率にさらに優れていることが分かった。
【0112】
[実施例21]青色有機電界発光素子の作製
合成例13で合成された化合物Cpd148を通常知られた方法で高純度昇華精製をした後、下記のように青色有機電界発光素子を製造した。
【0113】
まず、ITO(Indium tin oxide)が1500Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を蒸留水超音波で洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、UV OZONE洗浄機(Powersonic405、Hwashin Tech)に移送させた後、UVを用いて前記基板を5分間洗浄し、真空蒸着機に基板を移送した。
【0114】
こうして用意されたITO透明電極上に、DS−205(Doosan社)(80nm)/NPB(15nm)/化合物Cpd148(15nm)/ADN+5%DS−405(Doosan社)(300nm)/BCP(10nm)/Alq
3(30nm)/LiF(1nm)/Al(200nm)の順に積層して、青色有機電界発光素子を製造した。
【0115】
使用されたBCPは、実施例1に記載された通りであり、NPBおよびADNの構造は、下記の通りである。
【化44】
【化45】
【0116】
[実施例22〜30]青色有機電界発光素子の作製
実施例21で使用された化合物Cpd148の代わりに下記表3に記載された化合物をそれぞれ用いることを除けば、実施例21と同様に行って、青色有機電界発光素子を製造した。
【0117】
[比較例3]青色有機電界発光素子の作製
実施例21で使用された化合物Cpd148を用いないことを除けば、実施例21と同様に行って、青色有機電界発光素子を製造した。
【0118】
[評価例3]
実施例21〜30および比較例3で作製されたそれぞれの青色有機電界発光素子に対して、電流密度10mA/cm
2における駆動電圧および電流効率を測定し、その結果を下記表3に示した。
【0119】
【表3】
【0120】
前記表3に示しているように、本発明に係る化学式1で表される化合物(化合物Cpd148〜Cpd180)を発光補助層材料として用いた実施例21〜30の赤色有機電界発光素子は、発光補助層なしにADNを発光層材料として用いた比較例3の青色有機電界発光素子と駆動電圧が類似しているが、比較例3の有機電界発光素子に比べて電流効率にさらに優れていることが分かった。
【0121】
[実施例31]緑色有機電界発光素子の作製
合成例1で合成された化合物Cpd50を通常知られた方法で高純度昇華精製をした後、以下の過程によって緑色有機電界発光素子を作製した。
【0122】
まず、ITO(Indium tin oxide)が1500Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を蒸留水超音波で洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、UV OZONE洗浄機(Power sonic405、Hwashin Tech)に移送させた後、UVを用いて前記基板を5分間洗浄し、真空蒸着機に基板を移送した。
【0123】
こうして用意されたITO透明電極上に、m−MTDATA(60nm)/TCTA(80nm)/化合物Cpd50+10%Ir(ppy)
3(300nm)/BCP(10nm)/Alq
3(30nm)/LiF(1nm)/Al(200nm)の順に積層して、有機電界発光素子を作製した。
【0124】
[実施例32〜42]緑色有機電界発光素子の作製
実施例31で使用された化合物Cpd50の代わりに下記表4に記載された化合物をそれぞれ用いることを除けば、実施例31と同様に行って、緑色有機電界発光素子を製造した。
【0125】
[比較例4]緑色有機電界発光素子の作製
実施例31で発光層の形成時に発光ホスト物質として用いられた化合物Cpd50の代わりにCBPを用いることを除けば、前記実施例31と同様の過程で緑色有機電界発光素子を作製した。
【0126】
[評価例4]
実施例31〜42および比較例4で作製されたそれぞれの緑色有機電界発光素子に対して、電流密度10mA/cm
2における駆動電圧、電流効率および発光ピークを測定し、その結果を下記表4に示した。
【0127】
【表4】
前記表4に示しているように、合成された化合物(化合物Cpd50〜Cpd98)を発光層材料としてそれぞれ用いた実施例31〜42の緑色有機電界発光素子の場合、従来のCBPを用いた比較例4の緑色有機電界発光素子に比べて、電流効率および駆動電圧の面でより優れた性能を示すことが分かった。
【0128】
[実施例43]青色有機電界発光素子の作製
合成例1で合成された化合物Cpd50を通常知られた方法で高純度昇華精製をした後、以下の過程によって青色有機電界発光素子を作製した。
【0129】
まず、ITO(Indium tin oxide)が1500Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を蒸留水超音波で洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、UV OZONE洗浄機(Power sonic405、Hwashin Tech)に移送させた後、UVを用いて前記基板を5分間洗浄し、真空蒸着機に基板を移送した。
【0130】
こうして用意されたITO透明電極上に、CuPc(10nm)/TPAC(30nm)/化合物Cpd50+7%Flrpic(30nm)/Alq
3(30nm)/LiF(0.2nm)/Al(150nm)の順に積層して、有機電界発光素子を作製した。
【0131】
ここで使用されたCuPc、TPAC、およびFlrpicの構造はそれぞれ、下記の通りである。
【化46】
【0132】
[実施例44〜47]青色有機電界発光素子の作製
実施例1で使用された化合物Cpd50の代わりに下記表5に記載された化合物をそれぞれ用いることを除けば、実施例43と同様に行って、緑色有機電界発光素子を製造した。
【0133】
[比較例5]青色有機電界発光素子の作製
実施例43で発光層の形成時に発光ホスト物質として用いられた化合物Cpd50の代わりにCBPを用いることを除けば、前記実施例43と同様の過程で青色有機電界発光素子を作製した。
【0134】
[評価例5]
実施例43〜47および比較例5で作製されたそれぞれの青色有機電界発光素子に対して、電流密度10mA/cm
2における駆動電圧、電流効率および発光ピークを測定し、その結果を下記表5に示した。
【0135】
【表5】
前記表5に示しているように、本発明に係る化合物(化合物Cpd50〜Cpd54)を発光層材料として用いた実施例43〜47の青色有機電界発光素子は、従来のCBPを用いる比較例5の青色有機電界発光素子に比べて、電流効率および駆動電圧の面でより優れた性能を示すことが分かった。
【0136】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも発明の範疇に属することは当然である。