特許第6942777号(P6942777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カーステン マニュファクチュアリング コーポレーションの特許一覧

特許6942777たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法
<>
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000002
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000003
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000004
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000005
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000006
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000007
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000008
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000009
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000010
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000011
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000012
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000013
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000014
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000015
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000016
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000017
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000018
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000019
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000020
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000021
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000022
  • 特許6942777-たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法 図000023
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6942777
(24)【登録日】2021年9月10日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】たわみ機構を備えるクラブヘッドおよび関連方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20210916BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20210916BHJP
【FI】
   A63B53/04 A
   A63B102:32
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-218237(P2019-218237)
(22)【出願日】2019年12月2日
(62)【分割の表示】特願2018-89449(P2018-89449)の分割
【原出願日】2013年9月18日
(65)【公開番号】特開2020-62412(P2020-62412A)
(43)【公開日】2020年4月23日
【審査請求日】2019年12月25日
(31)【優先権主張番号】61/703,149
(32)【優先日】2012年9月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/797,772
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォッサム ブランドン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ニコレット マイケル アール.
(72)【発明者】
【氏名】シュバイゲルト ブラドリー ディ.
【審査官】 石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−114102(JP,A)
【文献】 特開平10−263118(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0256957(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC A63B53/00−53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラブヘッドであって、
上端と、前記上端の反対側にある下端と、
ヒール端と、前記ヒール端の反対側にあるトウ端と、
フェース面およびロフト面と関連している前面を備える前部部分であって、前記前面は上部周縁部分を含む前記前部部分と、
前方周縁部分を含むクラウン面とソール面とを備える本体部分であって、前記前部部分と一体に形成されている前記本体部分と、
前記前部部分と前記本体部分との境界部分であって、前記前面が前記クラブヘッドの前記上端において、前記クラブヘッドの前記下端を中心にして、前記本体部分に向けてたわむことができるように構成されるたわみ機構をする前記境界部分と、
を備え、
前記たわみ機構が、前記ヒール端から前記トウ端において前記境界部分に部分的に沿って配置されており、
前記たわみ機構が、前記前面と前記クラウン面との間に位置する溝を備え、
前記たわみ機構が、前記溝に位置する少なくとも1つのたわみ機能部を備え、前記少なくとも1つのたわみ機能部が、ステップ部分と立ち上がり部分とを備え、
前記ステップ部分は、ステップ部分第1側面と前記ステップ部分第1側面と反対側のステップ部分第2側面とを備え、
前記ステップ部分第1側面は、前記上部周縁部分に隣接しており、
前記立ち上がり部分は、立ち上がり部分第1側面と前記立ち上がり部分第1側面と反対側の立ち上がり部分第2側面とを備え、
前記立ち上がり部分第2側面は、前記前方周縁部分に隣接しており、
前記ステップ部分第2側面は、前記立ち上がり部分第1側面に隣接しており、
前記フェース面が前記ロフト面と同一平面上にある場合、前記ステップ部分は、前記フェース面に対して垂直であり、前記立ち上がり部分は、前記フェース面に対して平行であり
前記少なくとも1つのたわみ機能部の前記ステップ部分は、前記クラブヘッドの前端から後端に向かう方向で測定されるステップ部分長さを有し、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の前記立ち上がり部分は、前記クラブヘッドの前記上端から前記下端に向かう方向で測定される立ち上がり部分長さを有し、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の前記ステップ部分が、ステップ部分厚さを備え、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の前記立ち上がり部分が、立ち上がり部分厚さを備え、
前記ステップ部分長さと前記立ち上がり部分長さとは等しく、
前記ステップ部分厚さと前記立ち上がり部分厚さとは等しい、クラブヘッド。
【請求項2】
前記ステップ部分厚さまたは前記立ち上がり部分厚さのうちの少なくとも1つが、0.06センチメートル以上、かつ0.18センチメートル以下であり、
前記ステップ部分長さと前記立ち上がり部分長さは、2.54センチメートル以上であって、10.16センチメートル以下である、請求項1に記載のクラブヘッド。
【請求項3】
前記たわみ機構が、前記クラブヘッドの前記上端において、前記クラブヘッドの前記下端を中心にして、前記本体部分に向けてたわむように前記前面がゴルフボールを打撃するとき、(i)前記ゴルフボールのたわんだときの打ち上げ角が、前記ゴルフボールの静的なときの打ち上げ角よりも高い、または(ii)前記ゴルフボールのたわんだときのバックスピンが、前記ゴルフボールの静的なときのバックスピンより少ない、
のうちの少なくとも1つである、
請求項1又は2に記載のクラブヘッド。
【請求項4】
前記クラブヘッドが、ドライバークラブヘッド、フェアウェーウッドクラブヘッド、またはハイブリッドゴルフクラブヘッドのうちの1つを含む、
請求項1からのいずれか1項に記載のクラブヘッド。
【請求項5】
方法であって、
クラブヘッドを提供することであって、
上端と、前記上端の反対側にある下端と、
ヒール端と、前記ヒール端の反対側にあるトウ端と、
フェース面およびロフト面と関連している前面を備える前部部分であって、前記前面は上部周縁部分を含む前記前部部分と、
前方周縁部分を含むクラウン面とソール面とを備える本体部分であって、前記前部部分と一体に形成されている前記本体部分と、
を備えるクラブヘッドを提供することと、
前記前部部分と前記本体部分との境界部分を提供することであって、前記前面が前記クラブヘッドの前記上端において、前記クラブヘッドの前記下端を中心にして、前記本体部分に向けてたわむことができるように構成されるたわみ機構を構成する前記境界部分を提供することと
を備え、
前記たわみ機構を提供することが、少なくとも1つのたわみ機能部を提供することを含み、前記少なくとも1つのたわみ機能部が、ステップ部分と立ち上がり部分とを備え、
前記ステップ部分は、前記上部周縁部分に隣接するステップ部分第1側面を備え、
前記立ち上がり部分は、立ち上がり部分第1側面と、前記立ち上がり部分第1側面と反対側の立ち上がり部分第2側面とを備え、
前記立ち上がり部分第2側面は、前記前方周縁部分及び前記ステップ部分第1側面の反対側のステップ部分第2側面に隣接しており、
前記ステップ部分第2側面は、前記立ち上がり部分第1側面に隣接し、
前記たわみ機構を提供することが、前記前面と前記クラウン面との間に位置するように、前記少なくとも1つのたわみ機能部を備える1個以上の溝を形成することを含み、
前記フェース面が前記ロフト面と同一平面上にある場合、前記ステップ部分は、前記フェース面に対して垂直であり、前記立ち上がり部分は、前記フェース面に対して平行であり、前記ステップ部分と前記立ち上がり部分は、たわみ機能角度を形成し、
前記たわみ機構を提供することが、前記クラブヘッドの前端から後端に向かう方向で測定されるステップ部分長さを有する前記ステップ部分と、前記クラブヘッドの前記上端から前記後端に向かう方向で測定される立ち上がり部分長さを有する前記立ち上がり部分と、を提供し、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の前記ステップ部分は、ステップ部分厚さを備え、前記少なくとも1つのたわみ機能部の前記立ち上がり部分が、立ち上がり部分厚さを備え、前記ステップ部分長さと前記立ち上がり部分長さとは等しく、前記ステップ部分厚さと前記立ち上がり部分厚さとは等しい、方法。
【請求項6】
前記ステップ部分厚さまたは前記立ち上がり部分厚さのうちの少なくとも1つが、0.06センチメートル以上、かつ0.18センチメートル以下であり、
前記ステップ部分長さと前記立ち上がり部分長さは、2.54センチメートル以上であって、10.16センチメートル以下である、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記クラブヘッドを提供することが、ドライバークラブヘッド、フェアウェーウッドクラブヘッド、またはハイブリッドゴルフクラブヘッドのうちの1つを提供することを含む、
請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
ゴルフクラブであって、
クラブヘッドであって、
上端と、および前記上端の反対側にある下端と、
ヒール端と、前記ヒール端の反対側にあるトウ端と、
フェース面およびロフト面と関連している前面を備える前部部分であって、前記前面は上部周縁部分を含む前記前部部分と、
前方周縁部分を含むクラウン面とソール面とを備える本体部分であって、前記前部部分と一体に形成されている前記本体部分と、
前記前部部分と前記本体部分との境界部分であって、前記ヒール端から前記トウ端において前記境界部分に部分的に沿って配置されるたわみ機構をする前記境界部分と、
を備える、前記クラブヘッドと、
前記クラブヘッドに連結されるクラブシャフトと、
を備え、
前記たわみ機構が、ゴルフボールを前記クラブヘッドの前記前面で打撃することが、前記前面を、前記クラブヘッドの前記上端において、前記クラブヘッドの前記下端を中心にして、前記本体部分に向けてたわませるように構成されており、
前記たわみ機構が、前記前面と前記クラウン面との間に位置する溝を備え、
前記たわみ機構が、前記溝に位置する少なくとも1つのたわみ機能部を備え、前記少なくとも1つのたわみ機能部が、ステップ部分と立ち上がり部分とを備え、
前記ステップ部分は、ステップ部分第1側面と前記ステップ部分第1側面と反対側のステップ部分第2側面とを備え、
前記ステップ部分第1側面は、前記上部周縁部分に隣接しており、
前記立ち上がり部分は、立ち上がり部分第1側面と前記立ち上がり部分第1側面と反対側の立ち上がり部分第2側面とを備え、
前記立ち上がり部分第2側面は、前記前方周縁部分に隣接しており、
前記ステップ部分第2側面は、前記立ち上がり部分第1側面に隣接しており、
前記フェース面が前記ロフト面と同一平面上にある場合、前記ステップ部分は、前記フェース面に対して垂直であり、と前記立ち上がり部分は、前記フェース面に対して平行であり、前記ステップ部分と前記立ち上がり部分は、90度のたわみ機能角度を形成し、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の前記ステップ部分は、前記クラブヘッドの前端から後端に向かう方向で測定されるステップ部分長さを有し、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の前記立ち上がり部分は、前記クラブヘッドの前記上端から前記下端に向かう方向で測定される立ち上がり部分長さを有し、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の前記ステップ部分が、ステップ部分厚さを備え、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の前記立ち上がり部分が、立ち上がり部分厚さを備え、
前記ステップ部分長さと前記立ち上がり部分長さとは等しく、
前記ステップ部分厚さと前記立ち上がり部分厚さとは等しい、ゴルフクラブ。
【請求項9】
前記ゴルフボールが、前記クラブヘッドの前記前面に当たる時またはその後、および、前記前面を、前記クラブヘッドの前記上端において、前記クラブヘッドの前記下端を中心にして、前記本体部分に向けてたわませる時またはその後、前記たわみ機構が、(i)前記前面からの前記ゴルフボールの打ち上げ角を高くする、または(ii)前記ゴルフボールに加えられるバックスピンを低減する、のうちの少なくとも1つであるように構成される、
請求項に記載のゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、スポーツ用品に関し、より詳細には、クラブヘッドおよび関連方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年9月19日に出願された、米国特許仮出願第61/703,149号、および2013年3月12日に出願された、米国特許非仮出願第13/797,772号の利益を主張する。米国特許非仮出願第13/797,772号は、米国特許仮出願第61/703,149号の利益を主張する。米国特許仮出願第61/703,149号および米国特許非仮出願第13/797,772号は、本明細書に参照によりその全体を組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ゴルフクラブによって打撃されたゴルフボールに加えられた打ち上げ角およびバックスピンは、ゴルフボールの飛距離に影響を与え得る。ゴルフクラブの打撃フェースまたは打撃プレートの向きは、ゴルフクラブによって打撃されたゴルフボールに加えられる打ち上げ角およびバックスピンに影響を与え得る。例えば、打ち上げ角は、ゴルフクラブの打撃フェースまたは打撃プレートのロフト角によって影響され得る。さらに、打撃フェースまたは打撃プレートのギア効果によってゴルフボールにバックスピンを加えられ得る。概して、打ち上げ角を高くすること、および/またはバックスピンを低減することは、ゴルフボールの飛距離を伸ばし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態のさらなる説明を助けるために、以下の図面が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】一実施形態による例示的なクラブヘッドを示す上面図である。
【0006】
図2図1の実施形態のクラブヘッドを示す底面背面図である。
【0007】
図3図1の実施形態のクラブヘッドを示す正面図である。
【0008】
図4図1の実施形態のクラブヘッドを示す背面図である。
【0009】
図5図1の実施形態のクラブヘッドを示す上面図である。
【0010】
図6図1の実施形態のクラブヘッドを示す底面図である。
【0011】
図7図1の実施形態のクラブヘッドを示す右側面図である。
【0012】
図8図1の実施形態のクラブヘッドを示す左側面図である。
【0013】
図9】クラブヘッドが静止状態にある場合の図1の実施形態のクラブヘッドを図3の線3−3に沿って示す部分断面図である。
【0014】
図10】クラブヘッドの前面がたわんでいる場合の図1の実施形態のクラブヘッドを図3の線3−3に沿って示す部分断面図である。
【0015】
図11】別の実施形態による例示的なクラブヘッドを示す上面図である。
【0016】
図12図11の実施形態のクラブヘッドを示す底面背面図である。
【0017】
図13図11の実施形態のクラブヘッドを示す正面図である。
【0018】
図14図11の実施形態のクラブヘッドを示す背面図である。
【0019】
図15図11の実施形態のクラブヘッドを示す上面図である。
【0020】
図16図11の実施形態のクラブヘッドを示す底面図である。
【0021】
図17図11の実施形態のクラブヘッドを示す右側面図である。
【0022】
図18図11の実施形態のクラブヘッドを示す左側面図である。
【0023】
図19】別の実施形態によるクラブヘッドを示す部分断面図である。
【0024】
図20】方法の一実施形態のための流れ図である。
【0025】
図21図20の実施形態によるクラブヘッドの前部部分と本体部分との境界部分に配置されるたわみ機構を提供するための例示的な行為を示す図である。
【0026】
図22】方法の別の実施形態のための流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
説明を簡単かつ明確にするために、図面は構造の概要を示しており、よく知られた機構および技法の説明および細部は、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるために省略される場合がある。また、図面内の要素は必ずしも原寸に比例していない。例えば、図面内の一部の要素の寸法は、本発明の実施形態の理解を深めるのを助けるために、その他の要素に比べて強調される場合がある。異なる図面における同じ参照番号は、同じ要素を意味する。
【0028】
明細書および特許請求の範囲に「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの語がある場合、これらは、類似の要素どうしを区別するために用いられており、必ずしも特定の連続的または経時的な順番を表すためではない。このように用いられる語は、本明細書に説明される実施形態が、例えば、本明細書に図示または別段に記述されるもの以外の順序で実施できるように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。さらに、「含む」および「有する」の語、ならびにそれらのあらゆる変形は、非排他的包含に及ぶように意図され、その結果、一連の要素を含むプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置が、必ずしもこれらの要素に限定されるのではなく、明示的に列挙されていないその他の要素、あるいはそのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置に内在するその他の要素を含み得る。
【0029】
明細書および特許請求の範囲に「左」、「右」、「前」、「後」、「上部」、「底部」、「上」、「下」などの語がある場合、これらは、説明の目的のために用いられており、必ずしも永続的な相対位置を説明するためではない。このように用いられる語は、本明細書に説明される発明の実施形態が、例えば、本明細書に図示または別段に記述されるもの以外のその他の向きで実施できるように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。
【0030】
「連結する(couple)」「連結される(coupled)」「連結する(couples)」「連結している(coupling)」などの語は、幅広く解釈されるべきであり、2つ以上の要素を機械的および/またはその他の方法で連結することを指す。2つ以上の要素は、一緒に機械的に連結されてもよいが、電気的またはその他の方法では一緒に連結されてはいない。連結は、任意の期間、例えば、永続的または半永続的であってもよいし、ある瞬間だけであってもよい。
【0031】
「機械的連結(mechanical coupling)」などは、幅広く解釈されるべきであり、すべてのタイプの機械的連結を含む。
【0032】
「連結される」などの語の近くに「取り外し可能に(removably)」、「取り外し可能(removable)」などの語が無いことは、問題にしている連結などが取り外し可能であることも取り外し可能でないことも意味しない。
【0033】
一部の実施形態は、クラブヘッドを含む。クラブヘッドは、上端と、上端の反対側にある下端とを備える。さらに、クラブヘッドは、前面を備える前部部分を備える。前面は、フェース面およびロフト面と関連している。またさらに、クラブヘッドは、クラウン面とソール面とを備える本体部分を備える。その一方、クラブヘッドは、前部部分と本体部分との境界部分に配置されるたわみ機構を備える。たわみ機構は、前面が、クラブヘッドの上端または下端のうちの一方において、かつクラブヘッドの上端または下端のうちの他方を中心にして、本体部分に向けてたわむことができるように構成される。
【0034】
さらなる実施形態は、方法を含む。方法は、クラブヘッドを提供することを含む。クラブヘッドは、上端と、上端の反対側にある下端とを備える。さらに、クラブヘッドは、前面を備える前部部分を備える。前面は、フェース面およびロフト面と関連している。またさらに、クラブヘッドは、クラウン面とソール面とを備える本体部分を備える。また、方法は、前部部分と本体部分との境界部分に配置されるたわみ機構を提供することを含む。
たわみ機構は、前面が、クラブヘッドの上端または下端のうちの一方において、かつクラブヘッドの上端または下端のうちの他方を中心にして、本体部分に向けてたわむことができるように構成される。
【0035】
その他の実施形態は、方法を含む。方法は、クラブヘッドを振ることを含む。クラブヘッドは、上端と、上端の反対側にある下端とを備える。さらに、クラブヘッドは、前面を備える前部部分を備える。前面は、フェース面およびロフト面と関連している。またさらに、クラブヘッドは、クラウン面とソール面とを備える本体部分を備える。その一方、方法は、ゴルフボールをクラブヘッドの前面で打撃することを含み、ゴルフボールをクラブヘッドの前面で打撃することが、前面をクラブヘッドの上端または下端のうちの一方において、かつクラブヘッドの上端または下端のうちの他方を中心にして、本体部分に向けてたわませることを含む。
【0036】
さらなる実施形態は、ゴルフクラブを含む。ゴルフクラブは、クラブヘッドと、クラブヘッドに連結されるクラブシャフトとを備える。クラブヘッドは、上端と上端の反対側にある下端と、前面を備える前部部分と、本体部分と、前部部分と本体部分との境界部分に配置されるたわみ機構とを備える。たわみ機構は、ゴルフボールをクラブヘッドの前面で打撃することが、前面をクラブヘッドの上端または下端のうちの一方において、かつクラブヘッドの上端または下端のうちの他方を中心にして、本体部分に向けてたわませるように構成され得る。
【0037】
図面を参照すると、図1は、一実施形態によるクラブヘッド100の上面正面図を示している。クラブヘッド100は、単に例示的なものであり、本明細書に提示される実施形態に限定されるものではない。クラブヘッド100は、本明細書に具体的に図示または記載していない多くの異なる実施形態または実施例に用いられ得る。
【0038】
クラブヘッド100は、任意の好適なクラブヘッドを備え得るが、多くの実施例では、クラブヘッド100は、ウッドタイプのゴルフクラブヘッド(例えば、ドライバークラブヘッド、フェアウェーウッドクラブヘッド、ハイブリッドクラブヘッドなど)を備える。これらまたはその他の実施例では、クラブヘッド100は、金属製のウッドゴルフクラブヘッドを備え得るが、クラブヘッド100はまた、1つ以上のその他の好適な材料を備え得る。特に、クラブヘッド100の少なくとも一部は、ステンレス鋼、チタン、チタン合金などを備え得る。様々な実施形態において、クラブヘッド100は中空であり得る。概して、クラブヘッド100は、ゴルフクラブの一部であり得る。
【0039】
クラブヘッド100は、上端101と、下端102と、前端103と、後端104と、トウ端105と、ヒール端106とを備える。さらに、クラブヘッド100は、前部部分107と、本体部分108と、たわみ機構112と、境界部分113とを備える。クラブヘッド100は、ホーゼル114、ホーゼル移行部分115、および/または1つ以上のウェイトポート217(図2)を備え得る。一部の実施形態では、クラブヘッド100は、スカート面116を備え得る。その一方、その他の実施形態では、ホーゼル114、ホーゼル移行部分115、スカート面116、および/またはウェイトポート(複数可)217(図2)は省略され得る。前部部分107は、前面109を備える。本体部分108は、クラウン面110とソール面111とを備え、またスカート面116をさらに備えることもできる。一部の実施形態では、ソール面111および/またはスカート面116は、ウェイトポート(複数可)217(図2)を備え得る。
【0040】
上端101は下端102の反対側にあり、前端103は後端104の反対側にあり、トウ端105はヒール端106の反対側にある。後部部分108および/またはスカート面116は、前部部分107の少なくとも部分的に反対側であり得る、ならびに/あるいはクラウン面110は、ソール面111の少なくとも部分的に反対側であり得る。多くの実施例では、スカート面116は、クラウン面110の少なくとも一部と、ソール面111の少なくとも一部との間に配置され得る。これらの実施例では、スカート面116は、クラブヘッド100の後端104の周囲にトウ端105からヒール端106まで巻き付き得る。
【0041】
前部部分107は、本体部分108と連結され得る、および/または一体であり得る。したがって、前部部分107は、後述のように、本体部分108と境界部分113で結合するように見え得る。さらに、クラウン面110、ソール面111、および/またはスカート面116もまた、一緒に結合するように見え得る。したがって、前面109、クラウン面110、ソール面111、およびスカート面116のうちの1つ以上は、単一の表面を備えるように見え得る。一部の実施形態では、前面109、クラウン面110、ソール面111、およびスカート面116の間の移行部のうちの1つ以上は、湾曲している、および/または面取りされている(例えば、平滑)こともあり、その他の実施形態では、尖っている、および/または角度をつけられていることもある。
【0042】
境界部分113は、前部部分107と本体部分108との間における移行の線または領域を指し得る。前部部分107と本体部分108とが一緒に機械的に連結される場合、境界部分113は、2つが一緒に機械的に連結される前部部分107と本体部分108との物理的境界によって画定され得る。しかしながら、多くの実施例では、前部部分107および本体部分108は、例えば、前部部分107と本体部分108とが一緒に形成される場合など、一体の本体を備え得る。これらの実施例では、境界部分113は、前部部分107が本体部分108に移行する、またはその逆である、代表的な線または領域を画定し得る。多くの実施例では、ホーゼル114および/またはホーゼル移行部分115は、境界部分113の一部を形成するような本体部分108の一部であり得る。
【0043】
たわみ機構112は、前部部分107と本体部分108との境界部分113に(例えば、部分的に沿って)配置される。より具体的には、たわみ機構112は、クラブヘッド100の(図1に示されるような)上端101または(図1に示されていない)下端102のうちの一方に境界部分113において配置される。たわみ機構112は、トウ端105とヒール端106との間に(例えば、連続的または非連続的に)延在し得る。たわみ機構112は、ほぼ前面109の幅以下まで延在し得る。以下に詳述されるたわみ機構112は、(a)前面109が、上端101または下端102のうちの一方において本体部分108に向けてたわむことができるように、かつ(b)前面109が、上端101または下端102のうちの他方を中心にして(すなわち、回転して)たわむことができるように構成される。
【0044】
前面109は、クラブヘッド100の打撃フェースおよび/または打撃プレートを指し得、またゴルフボール(図示せず)を打撃するように構成され得る。前面109は、1つ以上のスコアリングライン(例えば、溝)を備え得る。スコアリングライン(複数可)は、トウ端105とヒール端106との間に延在し得る。前面109が、複数のスコアリングラインを備える場合、スコアリングラインは、互いに平行であり得る。
【0045】
ホーゼル114および/またはホーゼル移行部分115は、ヒール端106またはその付近に配置され得、ホーゼル114は、クラブヘッド100からホーゼル移行部分115を介して延在し得る。ホーゼル114は、シャフト(図示せず)を受けるように構成され得る。異なる実施形態では、クラブヘッド100は、シャフトを受容するように構成される孔(図示せず)を備え得る。さらに、孔の開口部は、クラウン面110と実質的に同一平面上であり得る。ホーゼル114(または穴)がシャフトを受容するときけた時、クラブヘッド100およびシャフトは、上述のように、ゴルフクラブを実質的に提供し得る。
【0046】
ウェイトポート(複数可)217は、クラブヘッド100の物理的特性を変えることができ、クラブヘッド100の1つ以上のパラメータを(例えば、所望どおりに)調節可能にする。ウェイトポート(複数可)217は、のウェイト(例えば、取り外し可能なウェイト)を受けるように構成され得るが、1つまたは2つ以上1つ以上のウェイトポート(複数可)217は、ウェイトなしのままとされてもよい。ウェイト(複数可)が取り外し可能である場合、ウェイト(複数可)は、異なる質量を有する一式のウェイト(複数可)の一部であり得る。ウェイトポート(複数可)217は、クラブヘッド100におけるウェイトポート(複数可)217の位置(複数可)および/またはウェイトポート(複数可)217で受けたウェイト(複数可)の質量に基づいて、クラブヘッド100の物理的特性を変えることができる。一部の実施例では、ウェイトポート(複数可)217は、例えば、製造コストを下げる、および/またはクラブヘッド100の取扱いの複雑性を減らすなどのために、省略され得る。
【0047】
多くの実施例では、ウェイトポート(複数可)217は、クラブヘッド100の重心の位置を変えることができる。例えば、クラブヘッド100の重心の位置は、上端101、下端102、前端103、後端104、トウ端105、およびヒール端106のいずれかに向けて、所望通りに移動させることができる。上端101、下端102、前端103、後端104、トウ端105、およびヒール端106の(例えば、に向けた)方向に、質量を増量することでも、重心をその方向に移動することができる。重心の位置は、例えば、ゴルフクラブ100による打撃でゴルフボールに加えられた打ち上げ角および/または力などのゴルフクラブ100の様々なパフォーマンス特性に影響し得る。
【0048】
クラブヘッド100の重心の位置を変えることは、クラブヘッド100の重心まわりおよび/またはホーゼル114で受容したシャフトまわりのクラブヘッド100の慣性モーメントを変えることができる。重心の慣性モーメントは、例えば、ゴルフクラブ100による打撃でゴルフボールに加えられたスピンなどのゴルフクラブ100の様々なパフォーマンス特性に影響し得る。したがって、ウェイトポート(複数可)217はまた、クラブヘッド100の重心まわりおよび/またはホーゼル114で受容たシャフトまわりのクラブヘッド100の慣性モーメントを変えることができる。
【0049】
図面を参照すると、図2図8は、追加的な視点から、図1の実施形態によるクラブヘッド100を示している。特に、図2は、図1の実施形態によるクラブヘッド100の底面背面図を示しており、ここでは、ウェイトポート(複数可)217を視認できる。その一方、図3はクラブヘッド100の正面図を示し、図4はクラブヘッド100の背面図を示し、図5はクラブヘッド100の上面図を示し、図6はクラブヘッド100の底面図を示し、図7はクラブヘッド100の右側面図を示し、図8はクラブヘッド100の肥立ち側面図を示している。図1図8は、クラブヘッド100の特定の例示的な実施形態を示しているが、クラブヘッド100は、図1図8に図示されていない特定の部分および/または表面を備え得、ならびに/あるいは図1図8に示されている特定の部分および/または表面を省略し得る。
【0050】
再び図面を参照すると、図9は、図3の線3−3に沿ったクラブヘッド100の部分断面図を示している。より具体的には、図9は、たわみ機構112を示している。その一方、図9にさらに示されているように、前面109は、フェース面918およびロフト面925と関連し得る。
【0051】
たわみ機構(mechanism)112は、1つまたは2つ以上1つ以上のたわみ機能部(feature)919を備える。たわみ機構112は、1つまたは2つ以上1つ以上の溝924を備え得る。たわみ機構112、たわみ機能部(複数可)919、および/または溝(複数可)924は、(i)前面109およびクラウン面110または(ii)前面109およびソール面111(図1図8)のうちの1つの間の境界部分113(図1図8)に(例えば、沿って)配置され得る。さらに、たわみ機能部(複数可)919は、溝(複数可)924に配置され得る。これらの実施例では、溝(複数可)924のそれぞれが、たわみ機能部(複数可)919のうちの1つ以上を備え得る。様々な実施形態において、たわみ機構112は、ただ1つのたわみ機能部を備えるただ1つの溝を備える。
【0052】
フェース面918およびロフト面925は、クラブヘッド100の第1および第2の基準面を指し得る。フェース面918は、前面109の最前の点または複数の点(例えば、前端103(図1図8)に最も近い)と交わる。さらに、フェース面918は、クラブヘッド100がゴルフボールにアドレスするように配置されるとき、およびクラブヘッド100が静止状態にある場合(すなわち、前面109が本体部分108に向けてたわんでいない場合)、前面109と略平行であり得る。前面109が平面である、および/または実質的に平面である場合、前面109およびフェース面918は、ほぼ同一平面上にあり得る。その一方、しばしばウッドタイプクラブヘッドで実装され得るように、前面109が湾曲している(例えば、平面でない)場合、フェース面918は、前面109の湾曲における屈曲点と交わる基準面を指し得る。したがって、前面109の少なくとも一部分が、フェース面918の後方に配置され得る。概して、フェース面918およびロフト面925は、クラブヘッド100がゴルフボールに対してアドレスするように配置される場合、およびクラブヘッド100が静止状態にある場合、互いに平行かつ同一平面上にある。ロフト面925とフェース面918とは、ロフト面の向きが静止したままである一方、フェース面918の向きが前面109のたわみによって変わるという点で区別され得る。したがって、ロフト面925の向きに対するフェース面918の向きの関係が、フェース面918のたわみを表すのに役立ち得る。この約束事のもとで、フェース面918がロフト面925と同一平面上にある場合、クラブヘッド100は、先述のように静止状態にあり得る。
【0053】
多くの実施形態において、たわみ機構112、たわみ機能部(複数可)919、および/または溝924は、前部部分107(図1図8)および/または本体部分108と一緒に鋳造され得る。その他の実施形態では、たわみ機構112、たわみ機能部(複数可)919、および/または溝924は、クラブヘッド100の境界部分113(図1図8)で機械加工され得る。またさらに、たわみ機構112、たわみ機能部(複数可)919、および/または溝924は、任意の好適な製造技法により提供され得る。
【0054】
その一方、たわみ機能部(複数可)919は、前面109が、(a)上端101または下端102のうちの一方において本体部分108に向けて(すなわち、クラブヘッド100のロフト面から上端101(図1図8)または下端102(図1図8)で離れるように)、かつ(b)上端101または下端102のうちの他方を中心にして(すなわち、回転して)たわむことができるようにする任意の好適な幾何形状で配設することができる。動作可能に、たわみ機構112およびたわみ機能部(複数可)919は、境界部分113に(すなわち、上端101(図1図8)または下端102(図1図8)のいずれかにおいて境界部分113(図1図8)に沿って)配置された弾力性のある衝撃吸収帯として作用して、物体(例えば、ゴルフボール)との前面109の衝突が、たわみ機構112および/またはたわみ機能部(複数可)919において、前面109を本体部分108に向けて(すなわち、上端101または下端102でクラブヘッド100のロフト面から離れるように)たわませるようにし得る。その一方、たわみ機構112が、物体と接触して、たわみ機構112および/またはたわみ機能部(複数可)919でつぶれた場合、前面109は、たわみ機構112および/またはたわみ機能部(複数可)919が配置されていない、上端101(図1図8)または下端102(図1図8)のうちの他方における境界部分113を中心にして(すなわち、回転して)たわみ得る。したがって、前面109は、梁の自由端に力を加えられ、梁の固定端を中心にして屈曲する片持ち梁と同様に挙動し得る。
【0055】
したがって、たわみ機能部(複数可)919のそれぞれは、曲線あるいは2つまたは3つ以上の線分を備える多角形の連鎖を備え得る。例えば、たわみ機能部(複数可)919のそれぞれは、ステップ部分と、立ち上がり部分との2つの区分を備え得る(例えば、ステップ部分920および立ち上がり部分921など)。結果として、これらの実施例では、たわみ機能部(複数可)919は、階段に類似し得る。具体的な実施例では、たわみ機能部(複数可)919は、たわみ機能部角926を備え得、またたわみ機能部(複数可)919は、ステップ部分920と立ち上がり部分921とを備え得る。ステップ部分920は、ステップ部分の第1の側面927と、ステップ部分の第1の側面927の反対側にあるステップ部分の第2の側面928とを備え得る。さらに、立ち上がり部分921は、立ち上がり部分の第1の側面929と、立ち上がり部分の第1の側面929の反対側にある立ち上がり部分の第2の側面930とを備え得る。その一方、前面109は、上部周縁部分931を備え得、またクラウン面110は、前方周縁部分932を備え得る。ステップ部分の第1の側面927は、上部周縁部分931に隣接、移行、および/または接触(例えば、連結)し得、ステップ部分の第2の側面928は、立ち上がり部分の第1の側面929に隣接、移行、および/または接触(例えば、連結)し得、立ち上がり部分の第2の側面930は、前方周縁部分932に隣接、移行、および/または接触(例えば、連結)し得る。ステップ部分の第1の側面927と上部周縁部分931との間、ステップ部分の第2の側面928と立ち上がり部分の第1の側面929との間、および立ち上がり部分の第2の側面930と前方周縁部分932との間の隣接点、移行部、および/または接触点は、所望に応じて、面取りされ得る、または角度をつけられ得る。
【0056】
クラブヘッド100が静止状態にある(例えば、フェース面918がロフト面925とほぼ同一平面上にある)場合、たわみ機能部(複数可)919のステップ部分(複数可)(例えば、ステップ部分920)は、フェース面918に対して略垂直であり得る、および/またはたわみ機能部(複数可)919の立ち上がり部分(複数可)(例えば、立ち上がり部分921)は、フェース面918に対して略平行であり得る。このように配設することにより、前面109がゴルフボールを打撃する場合、ステップ部分(複数可)(例えば、ステップ部分920)は、圧縮(例えば、純粋な圧縮)を受ける荷重伝達梁(複数可)として動作し得る、および/または立ち上がり部分(複数可)(例えば、立ち上がり部分921)は、曲げ(例えば、純粋曲げ)を受けるたわみ梁(複数可)として動作し得る。さらに、クラブヘッド100が静止状態にある場合、たわみ機能部(複数可)919のステップ部分および立ち上がり部分の各組は、たわみ機能部角(例えば、たわみ機能部角926)を形成し得る。たわみ機能部角は、約0度よりも大きく、かつ約180度よりも小さいものであり得る。さらなる実施形態では、たわみ機能部角は、約80度以上、かつ約100度以下であり得る。多くの実施例では、たわみ機能部角は、約90度であり得る。
【0057】
その一方、たわみ機能部(複数可)919の各ステップ部分(例えば、ステップ部分920)は、ステップ部分長さを備え得、またたわみ機能部(複数可)919の各立ち上がり部分(例えば、立ち上がり部分921)は、立ち上がり部分長さを備え得る。ステップ部分長さは、前端103(図1図8)と後端104(図1図8)とのほぼ間に延在するステップ部分(複数可)の寸法を指し得、また立ち上がり部分長さは、上端101(図1図8)と下端102(図1図8)とのほぼ間に延在する立ち上がり部分(複数可)の寸法を指し得る。多くの実施例では、ステップ部分長さ(複数可)および/または立ち上がり部分長さ(複数可)は、約2.540センチメートル以上で、かつ約10.16センチメートル以下であり得る。ステップ部分長さ(複数可)と立ち上がり部分長さ(複数可)とは、互いに等しくてもよいし、異なっていてもよい。ステップ部分長さ(複数可)が長くなると、前面109がゴルフボールを打撃した際、ステップ部分(複数可)は座屈しやすくなり得る。その一方、立ち上がり長さ(複数可)が長くなると、立ち上がり部分(複数可)は、さらなる曲げを経る場合もあるが、前面109に対する補償を実施しない限り、前面109の高さもまたさらに低くし得る。
【0058】
またさらに、たわみ機能部(複数可)919の各ステップ部分(例えば、ステップ部分920)は、ステップ部分厚さを備え得、またたわみ機能部(複数可)919の各立ち上がり部分(例えば、立ち上がり部分921)は、立ち上がり部分厚さを備え得る。立ち上がり部分厚さは、前端103(図1図8)と後端104(図1図8)とのほぼ間に延在する立ち上がり部分(複数可)の寸法を指し得、またステップ部分厚さは、上端101(図1図8)と下端102(図1図8)とのほぼ間に延在するステップ部分(複数可)の寸法を指し得る。ステップ部分厚さ(複数可)と立ち上がり部分厚さ(複数可)とは、互いに等しくてもよいし、異なっていてもよい。多くの実施例では、ステップ部分厚さ(複数可)および/または立ち上がり部分厚さ(複数可)は、約0.06センチメートル以上かつ約0.18センチメートル以下であり得る。
【0059】
概して、たわみ機能部(複数可)919が複数のたわみ機能部を備える場合、たわみ機能部角、ステップ部分長さ、立ち上がり部分長さ、ステップ部分厚さ、および/または立ち上がり部分厚さは、複数のたわみ機能部のうちの1つ以上の間で同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらに、たわみ機能部(複数可)919は、前部部分107(図1図8)および/または本体部分108と同じまたは異なる材料を備え得る。
【0060】
前面109の上部たわみの下部たわみに対する比を変えることによって、たわみ機構112は、ゴルフボールを打撃する際のクラブヘッド100の速度に応じて、ゴルフボールの打ち上げ角を動的に変える、および/またはゴルフボールのバックスピンを動的に変えるように構成され得る。つまり、前面109にゴルフボールによって加えられる力は、ゴルフボールを打撃する際のクラブヘッド100の速度に依存し得る。したがって、ゴルフボールのたわみ打ち上げ角は、ゴルフボールの静的打ち上げ角よりも高くなり得る、および/またはゴルフボールのたわみバックスピンは、ゴルフボールの静的バックスピンよりも少ないものであり得る。たわみ打ち上げ角およびたわみバックスピンは、静的打ち上げ角および静的バックスピンに対比して、たわみ機構112が実装された場合の打ち上げ角およびバックスピンを指し得、静的なときの打ち上げ角および静的バックスピンは、たわみ機構112が存在しない場合の打ち上げ角およびバックスピンを指し得る。打ち上げ角が高くなる、および/またはバックスピンが低減する程度は、前面109にどのくらいの力が伝わるか(すなわち、たわみ機構112が本体部分108に向けてどのくらいたわむか)に依存し得る。力が大きくなるほど、打ち上げ角が高くなり、バックスピンが低減する。多くの実施例では、打ち上げ角を高くすること、および/またはバックスピンを低減することは、ゴルフボールの飛距離を伸ばし得る。高くなった打ち上げ角は、前面109が本体部分108に向けてたわむ際の、前面109の拡大したロフト角に由来し得る。その一方、低減したバックスピンは、前面109が本体部分108に向けてたわむ際の、前面109によりゴルフボールに加えられた増大したトップスピンギア効果に由来し得る。多くの実施例では、打ち上げ角は、約0度よりも大きく、かつ約2度以下だけ増加することができる。さらに、バックスピンは、毎分約0回転よりも大きく、かつ毎分約500回転以下で低減され得る。
【0061】
一部の実施形態では、たわみ機構112の効果は、ウェイトポート(複数可)217の効果と組み合わされて、クラブヘッド100のパフォーマンス特性をより詳細に調整し得る。例えば、一部の実施形態では、たわみ機構112と共にウェイトポート(複数可)217を組み込むことは、ゴルフボールの打ち上げ角および/またはスピンを、たわみ機構112でなし得るよりも大幅に変えることができるようにし得る。さらなる実施形態では、ウェイトポート(複数可)217は、ゴルフボールの打ち上げ角および/またはスピンを精密に調整できるようにし得る。
【0062】
多くの実施例では、たわみ機構112が上端101(図1図10)に配置される場合、たわみ機構112は、ゴルフボールの打ち上げ角を動的に高くし、かつバックスピンを動的に低減し得る。その一方、たわみ機構112が下端102(図示せず)に配置される場合、たわみ機構112は、ゴルフボールの打ち上げ角およびバックスピンを動的に低減し得る。しかしながら、これらの実施例では、たわみ機構112は、バックスピンの低減が打ち上げ角の低下を補償して、伸びた飛距離が依然として達成されるようにするように構成され得る。
【0063】
その一方、たわみ機構112を境界部分113(図1図8)に配置することによって、たわみ機構112は、たわみ機構112がクラブヘッド100のあちこちに配置されたとしても、クラブヘッド100のユーザに対してより気が散る物でなくなり得る。したがって、多くの実施例では、ユーザの気を散らすのを軽減するために、クラブヘッド100および/またはクラウン面110は、前面109のたわみを変えるように構成されるその他の機構がないものであり得る。さらに、たわみ機構112は、前面109でスコアリングラインに調和するように構成され得る。またさらに、たわみ機構112を境界部分113(図1図8)(すなわち、前面109付近)に配置することによって、たわみ機構112は、より目立たなくなり得る(例えば、溝(複数可)924が浅くなり得る)。
【0064】
再び図面を参照すると、図10は、前面109が本体部分108に向けてたわんだ場合における、図3の線3−3に沿ったクラブヘッド100の部分断面図を示している。したがって、フェース面918は、ロフト面925と同一平面上にはない。
【0065】
次の図面を参照すると、図11図18は、別の実施形態によるクラブヘッド1100の様々な図を示している。クラブヘッド1100は、クラブヘッド100(図1図10)に類似のものであり得るが、ウェイトポート(複数可)を持たないものであり得る。したがって、クラブヘッド1100の要素が、クラブヘッド100(図1図10)の参照番号と同じ下二桁を有する番号で参照される場合、要素は、クラブヘッド100のものと類似または同一であり得る。その結果、一部の実施形態では、クラブヘッド1100は、クラブヘッド100(図1図10)よりも製造するのに費用がかからない、および/または取扱いが複雑でないものであり得る。
【0066】
さらに、図19は、クラブヘッド1900の部分断面図を示している。クラブヘッド1900は、クラブヘッド100(図1図10)およびクラブヘッド1100(図11図18)に類似のものであり得る。したがって、クラブヘッド1900の要素が、クラブヘッド100(図1図10)およびクラブヘッド1100(図11図18)の参照番号と同じ下二桁を有する番号で参照される場合、要素は、クラブヘッド100およびクラブヘッド1100のものと類似または同一であり得る。またさらに、クラブヘッド1900は、たわみ機構1912を備え、たわみ機構は、ステップ部分1920と、立ち上がり部分1921と、ステップ部分1922と、立ち上がり部分1923とを備える。ステップ部分1920およびステップ部分1922はそれぞれ、ステップ部分920(図9)と類似または同一であり得、また立ち上がり部分1921および立ち上がり部分1923はそれぞれ、立ち上がり部分921(図9)と類似または同一であり得る。
【0067】
多くの実施形態では、クラブヘッド100(図1図10)、クラブヘッド1100(図11図18)、および/またはクラブヘッド1900(図19)のいずれかは、それぞれ、例えば、クラブヘッド100、クラブヘッド1100、および/またはクラブヘッド1900の製造業者を示すためなど、1つ以上の商標および/またはその他の象徴を備え得る。
【0068】
次の図面を参照すると、図20は、方法2000の一実施形態のための流れ図を示している。方法2000は、単に例示的なものであり、本明細書に提示される実施形態に限定されるものではない。方法2000は、本明細書に具体的に図示または記載していない多くの異なる実施形態または実施例に用いられ得る。一部の実施形態では、方法2000の手順、工程、および/または行為は、提示された順番で実行され得る。その他の実施形態では、方法2000の手順、工程、および/または行為は、任意のその他の好適な順番で実行され得る。さらなるその他の実施形態では、方法2000における手順、工程、および/または行為のうちの1つまたは2つ以上は、組み合わせ、または省略され得る。
【0069】
方法2000は、クラブヘッドを提供するための行為2001を含み得る。クラブヘッドは、クラブヘッド100(図1図10)、クラブヘッド1100(図11図18)、および/またはクラブヘッド1900(図19)に類似または同一であり得る。例えば、クラブヘッドは、上端と、上端の反対側にある下端とを備え得る。また、クラブヘッドは、前面を備える前部部分を備え、またクラウン面とソール面とを備える本体部分を備え得る。上端は、上端101(図1図8)および/または上端1101(図11図18)と類似または同一であり得、また下端は、下端102(図1図8)および/または下端1102(図11図18)と類似または同一であり得る。さらに、前部部分は、前部部分107(図1図8)および/または前部部分1107(図11図18)と類似または同一であり得、前面は、前面109(図1図10)、前面1109(図11図18)、および/または前面1909(図19)と類似または同一であり得、本体部分は、本体部分108(図1図8)、本体部分1108(図11図18)、および/または本体部分1908(図19)と類似または同一であり得、クラウン面は、クラウン面110(図1図10)、クラウン面1110(図11図18)、および/またはクラウン面1910(図19)と類似または同一であり得、ならびに/あるいはソール面は、ソール面111(図1図8)および/またはソール面1111(図11図18)と類似または同一であり得る。
【0070】
方法2000は、前部部分と本体部分との境界部分に配置されるたわみ機構を提供する行為2002を含み得る。たわみ機構は、たわみ機構112(図1図10)、たわみ機構1112(図11図18)、および/またはたわみ機構1912(図19)と類似または同一であり得る。さらに、境界部分は、境界部分113(図1図8)および/または境界部分1113(図11図18)類似または同一であり得る。一部の実施形態では、行為2002は、行為2001の一部分として実行され得る、および/または行為2001とほぼ同時に実行され得る。多くの実施例では、行為2001を実行することは、たわみ機構をクラブヘッドと一緒に鋳造することを含み得る。その他の実施例では、行為2001を実行することは、たわみ機構をクラブヘッド内に機械加工することを含み得る。図21は、図20の実施形態による例示的な行為2002を示している。
【0071】
図21を参照すると、行為2002は、少なくとも1つのたわみ機能部を提供するための行為2101を含み得る。たわみ機能部(複数可)は、たわみ機能部(複数可)919(図9および図10)と類似または同一であり得る。例えば、各たわみ機能部は、ステップ部分と立ち上がり部分とを備え得る。ステップ部分(複数可)のそれぞれは、ステップ部分920(図9および図10)、ステップ部分1920(図19)、および/またはステップ部分1922(図19)と類似または同一であり得、また立ち上がり部分(複数可)のそれぞれは、立ち上がり部分921(図9および図10)、立ち上がり部分1921(図19)、および/または立ち上がり部分1923(図19)と類似または同一であり得る。さらに、たわみ機能部(複数可)を提供することは、各たわみ機能部のステップ部分および立ち上がり部分を提供して、前面と関連しているフェース面が前面と関連しているロフト面とほぼ同一平面上にある場合、たわみ機能部角を形成することを含み得る。たわみ機能部角は、たわみ機能部角926(図9)と類似または同一であり得る。さらに、フェース面は、フェース面918(図9および図10)と類似または同一であり得る、および/またはロフト面は、ロフト面925(図9および図10)と類似または同一であり得る。
【0072】
さらに、行為2001は、1つ以上の溝を形成するための行為2102を含み得る。溝(複数可)は、溝(複数可)924(図9および図10)と類似または同一であり得る。一部の実施形態では、行為2101および行為2102は、互いにほぼ同時に実行され得る。その他の実施形態では、行為2102は省略され得る。
【0073】
次の図面を参照すると、図22は、方法2200の一実施形態のための流れ図を示している。方法2200は、単に例示的なものであり、本明細書に提示される実施形態に限定されるものではない。方法2200は、本明細書に具体的に図示または記載していない多くの異なる実施形態または実施例に用いられ得る。一部の実施形態では、方法2200の手順、工程、および/または行為は、提示された順番で実行され得る。その他の実施形態では、方法2200の手順、工程、および/または行為は、任意のその他の好適な順番で実行され得る。さらなるその他の実施形態では、方法2200における手順、工程、および/または行為のうちの1つまたは2つ以上は、組み合わせ、または省略され得る。
【0074】
方法2200は、クラブヘッドを振るための行為2201を含み得る。クラブヘッドは、クラブヘッド100(図1図10)、クラブヘッド1100(図11図18)、および/またはクラブヘッド1900(図19)に類似または同一であり得る。例えば、クラブヘッドは、上端と、上端の反対側にある下端とを備え得る。また、クラブヘッドは、前面を備える前部部分を備え、またクラウン面とソール面とを備える本体部分を備え得る。上端は、上端101(図1図8)および/または上端1101(図11図18)と類似または同一であり得、また下端は、下端102(図1図8)および/または下端1102(図11図18)と類似または同一であり得る。さらに、前部部分は、前部部分107(図1図8)および/または前部部分1107(図11図18)と類似または同一であり得、前面は、前面109(図1図10)、前面1109(図11図18)、および/または前面1909(図19)と類似または同一であり得、本体部分は、本体部分108(図1図8)、本体部分1108(図11図18)、および/または本体部分1908(図19)と類似または同一であり得、クラウン面は、クラウン面110(図1図10)、クラウン面1110(図11図18)、および/またはクラウン面1910(図19)と類似または同一であり得、ならびに/あるいはソール面は、ソール面111(図1図8)および/またはソール面1111(図11図18)と類似または同一であり得る。
【0075】
方法2200は、ゴルフボールをクラブヘッドの前面で打撃する行為2202を含み得、ゴルフボールをクラブヘッドの前面で打撃することが、前面をクラブヘッドの上端または下端のうちの一方において、かつクラブヘッドの上端または下端のうちの他方を中心にして、本体部分に向けてたわませることをさらに含む。多くの実施例では、前面を、クラブヘッドの上端または下端のうちの一方において、かつクラブヘッドの上端または下端のうちの他方を中心にして、本体部分に向けてたわませることは、(a)前面からのゴルフボールの打ち上げ角を高くすること、および/または(b)ゴルフボールに加えられるバックスピンを低減することを含み得る。
【0076】
具体的な実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明の精神または範囲から逸脱することなく様々な変更がなされ得ることが、当業者には理解されるはずである。したがって、本発明の実施形態の開示は、本発明の範囲の説明となることを意図されており、限定することを意図されていない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって要求される程度にだけ限定されることが意図されている。例えば、当業者であれば、図20の行為2001および2002、図21の行為2101および2102、および/または図20の行為2201および2202が、多くの異なる手順、工程、および行為を含み得、かつ多くの異なるモジュールによって、多くの異なる順番で実行され得ること、図1図22の任意の要素が修正されてもよく、ならびにこれらの実施形態のいくつかの先の考察は、必ずしもすべての可能な実施形態の完全な説明を表すものではないことを容易に理解するはずである。
【0077】
任意の特定の請求項で請求されたすべての要素は、その特定の請求項で請求される実施形態に不可欠である。よって、1つ以上の請求された要素の置き換えは、修理ではなく改造となる。加えて、利益、その他の利点、および問題に対する解決策を、具体的な実施形態に関して説明してきた。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、およびあらゆる利益、利点、または解決策を、生じさせる、またはより明白になるようにさせる任意の要素または複数の要素は、そのような利益、利点、解決策、または要素がそのような請求項において明示的に述べられているのでないかぎり、請求項のいずれかまたはすべてにおいて決定的、必須、もしくは不可欠な特徴または要素と解釈されるべきではない。
【0078】
ゴルフのルールは時々変わり得ることから(例えば、全米ゴルフ協会(USGA)、全英ゴルフ協会(R&A)などのゴルフの標準化組織および/または管理機関によって、新しい規則が適用され得る、または古いルールが削除もしくは修正され得る)、本明細書に説明される装置、方法、および製品に関係するゴルフ用品は、特定の時におけるゴルフのルールに従っている場合もあるし、従っていない場合もある。したがって、本明細書に説明される装置、方法、および製品に関係するゴルフ用品は、準拠または非準拠のゴルフ用品として宣伝され、販売用に提供され、および/または販売される場合がある。本明細書に説明される装置、方法、および製品は、この点で限定されるものではない。
【0079】
上記の実施例は、ウッドタイプのゴルフクラブヘッドと関連して説明されたかもしれないが、本明細書に説明される装置、方法、および製品は、アイアンタイプのゴルフクラブ、ウェッジタイプのゴルフクラブ、またはパタータイプのゴルフクラブなどのその他のタイプのゴルフクラブに適用可能であり得る。あるいは、本明細書に説明される装置、方法、および製品は、ホッケー用スティック、テニスラケット、釣竿、スキーのストックなどのその他のタイプのスポーツ用品に適用可能であり得る。
【0080】
さらに、本明細書に開示した実施形態および限定は、実施形態および/または限定が、(1)特許請求の範囲で明示的に特許請求されておらず、かつ(2)均等論の下で、特許請求の範囲内の明示的要素および/または限定の均等物であるか、または潜在的な均等物である場合、公有の原則(doctrine of dedication)の下で公共用として提供されることはない。
以下に、本明細書に開示した実施形態の特徴を列挙する。
(特徴1)
クラブヘッドであって、
上端と、前記上端の反対側にある下端と、
フェース面およびロフト面と関連している前面を備える前部部分と、
クラウン面とソール面とを備える本体部分と、
前記前部部分と前記本体部分との境界部分に配置されるたわみ機構であって、前記前面が前記クラブヘッドの前記上端または前記下端のうちの一方において、かつ前記クラブヘッドの前記上端または前記下端のうちの他方を中心にして、前記本体部分に向けてたわむことができるように構成されるたわみ機構と
を備える、クラブヘッド。
(特徴2)
前記たわみ機構が、少なくとも1つのたわみ機能部を備え、前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部が、ステップ部分と立ち上がり部分とを備える、
特徴1に記載のクラブヘッド。
(特徴3)
前記フェース面が前記ロフト面とほぼ同一平面上にある場合、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部の前記ステップ部分が、前記フェース面に対して略垂直、または、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部の前記立ち上がり部分が、前記フェース面に対して略平行
のうちの少なくとも1つである、
特徴2に記載のクラブヘッド。
(特徴4)
前記フェース面が前記ロフト面とほぼ同一平面上にある場合、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部の前記ステップ部分および前記立ち上がり部分が、約0度よりも大きく、かつ約180度未満であるたわみ機能部角を形成する、特徴2または3に記載のクラブヘッド。
(特徴5)
前記クラブヘッドが、トウ端と、前記トウ端の反対側にあるヒール端とを備え、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部の前記ステップ部分が、前記クラブヘッドのほぼヒール−トウ方向の寸法で測定されるステップ部分長さを備え、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部の前記立ち上がり部分が、前記クラブヘッドのほぼ前記ヒール−トウ方向の寸法で測定される立ち上がり部分長さを備え、
前記ステップ部分長さおよび前記立ち上がり部分長さがほぼ等しい、
特徴2〜4のいずれか1項に記載のクラブヘッド。
(特徴6)
前記クラブヘッドが、前端と、前記前端の反対側にある後端とを備え、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部の前記ステップ部分が、前記クラブヘッドのほぼ前後方向の寸法で測定されるステップ部分厚さを備え、
前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部の前記立ち上がり部分が、前記クラブヘッドのほぼ前記前後方向の寸法で測定される立ち上がり部分厚さを備え、
前記ステップ部分厚さまた前記は立ち上がり部分厚さのうちの少なくとも1つが、約0.06センチメートル以上、かつ約0.18センチメートル以下である、
特徴2〜5のいずれか1項に記載のクラブヘッド。
(特徴7)
前記少なくとも1つのたわみ機能部が、第1のステップ部分と第1の立ち上がり部分とを備える第1のたわみ機能部を備え、
前記第1のステップ部分が、ステップ部分の第1の側面と、前記ステップ部分の第1の側面の反対側にあるステップ部分の第2の側面とを備え、
前記第1の立ち上がり部分が、立ち上がり部分の第1の側面と、前記立ち上がり部分の第1の側面の反対側にある立ち上がり部分の第2の側面とを備え、
前記前面が上部周縁部分を備え、かつ前記クラウン面が前方周縁部分を備え、
前記ステップ部分の第1の側面が、前記上部周縁部分に隣接し、
前記ステップ部分の第2の側面が、前記立ち上がり部分の第1の側面に隣接し、
前記立ち上がり部分の第2の側面は、前記前方周縁部分に隣接する、
特徴2〜6のいずれか1項に記載のクラブヘッド。
(特徴8)
前記たわみ機構が、(i)前記前面と前記クラウン面との間、または(ii)前記前面と前記ソール面との間のうちの一方に配置される溝を備え、
前記少なくとも1つのたわみ機能部が、前記溝内に配置される、
特徴1〜7のいずれか1項に記載のクラブヘッド。
(特徴9)
前記たわみ機構が、前記クラブヘッドの前記上端または前記下端のうちの前記一方において、かつ前記クラブヘッドの前記上端または前記下端のうちの前記他方を中心にして、前記本体部分に向けてたわむように前記前面がゴルフボールを打撃するとき、(i)前記ゴルフボールのたわんだときの打ち上げ角が、前記ゴルフボールの静的なときの打ち上げ角よりも高い、または(ii)前記ゴルフボールのたわんだときのバックスピンが、前記ゴルフボールの静的なときのバックスピンより少ない、
のうちの少なくとも1つである、
特徴1〜8のいずれか1項に記載のクラブヘッド。
(特徴10)
前記クラブヘッドが、ドライバークラブヘッド、フェアウェーウッドクラブヘッド、またはハイブリッドゴルフクラブヘッドのうちの1つを含む、
特徴1〜9のいずれか1項に記載のクラブヘッド。
(特徴11)
前記たわみ機構が、少なくとも1つのたわみ機能部を備え、前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部が、ステップ部分と立ち上がり部分とを備え、
前記少なくとも1つのたわみ機能部が、第1のステップ部分と第1の立ち上がり部分とを備える第1のたわみ機能部を備え、
前記第1のステップ部分が、ステップ部分の第1の側面と、前記ステップ部分の第1の側面の反対側にあるステップ部分の第2の側面とを備え、
前記第1の立ち上がり部分が、立ち上がり部分の第1の側面と、前記立ち上がり部分の第1の側面の反対側にある立ち上がり部分の第2の側面とを備え、
前記前面が上部周縁部分を備え、かつ前記クラウン面が前方周縁部分を備え、
前記ステップ部分の第1の側面が、前記上部周縁部分に隣接し、
前記ステップ部分の第2の側面が、前記立ち上がり部分の第1の側面に隣接し、
前記立ち上がり部分の第2の側面が、前記前方周縁部分に隣接し、
前記フェース面が前記ロフト面とほぼ同一平面上にある場合、前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部の前記ステップ部分が、前記フェース面に対して略垂直であり、かつ前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部の前記立ち上がり部分が、前記フェース面に対して略平行であり、
前記たわみ機構が、前記前面と前記クラウン面との間に配置される溝を備える、
特徴1に記載のクラブヘッド。
(特徴12)
方法であって、
クラブヘッドを提供することであって、
上端と、前記上端の反対側にある下端と、
フェース面およびロフト面と関連している前面を備える前部部分と、
クラウン面とソール面とを備える本体部分と、
を備えるクラブヘッドを提供することと、
前記前部部分と前記本体部分との境界部分に配置されるたわみ機構を提供することであって、前記前面が前記クラブヘッドの前記上端または前記下端のうちの一方において、かつ前記クラブヘッドの前記上端または前記下端のうちの他方を中心にして、前記本体部分に向けてたわむことができるように構成されるたわみ機構を提供することと
を備える、方法。
(特徴13)
前記クラブヘッドを提供することが、前記たわみ機構を前記クラブヘッドと一緒に鋳造すること、または前記たわみ機構を前記クラブヘッド内に機械加工することのうちの少なくとも1つを備える、
特徴12に記載の方法。
(特徴14)
前記たわみ機構を提供することが、少なくとも1つのたわみ機能部を提供することを含み、前記少なくとも1つのたわみ機能部の各たわみ機能部が、ステップ部分と立ち上がり部分とを備える、
特徴12または13に記載の方法。
(特徴15)
前記たわみ機構を提供することが、たわみ機能部に、前記クラブヘッドのほぼヒール−トウ方向の寸法で測定されるステップ部分長さを有するステップ部分、および前記クラブヘッドのほぼ前記ヒール−トウ方向の寸法で測定される立ち上がり部分長さを有する立ち上がり部分を提供することを含み、前記ステップ部分長さおよび前記立ち上がり部分長さが互いにほぼ等しい、
特徴12または13に記載の方法。
(特徴16)
前記たわみ機構を提供することが、たわみ機能部に、前記クラブヘッドのほぼ前後方向の寸法で測定されるステップ部分厚さを有するステップ部分、および前記クラブヘッドのほぼ前記前後方向の寸法で測定される立ち上がり部分厚さを有する立ち上がり部分を提供することを含み、前記ステップ部分厚さおよび前記立ち上がり部分厚さの少なくとも1つが、約0.06センチメートル以上で、かつ約0.18センチメートル以下である、
特徴12または13に記載の方法。
(特徴17)
前記少なくとも1つのたわみ機能部を提供することが、前記フェース面が前記ロフト面とほぼ同一平面上にある場合、たわみ機能部角を形成するように前記ステップ部分および前記立ち上がり部分を提供することを含み、前記たわみ機能部角が、約0度よりも大きく、かつ約180度未満である、
特徴14〜16のいずれか1項に記載の方法。
(特徴18)
前記たわみ機構を提供することが、前記少なくとも1つのたわみ機能部または前記たわみ機能部を備える1つ以上の溝を、前記1つ以上の溝が、(i)前記前面と前記クラウン面との間または(ii)前記前面と前記ソール面との間のうちの一方に配置されるように形成することを含む、
特徴12〜17のいずれか1項に記載の方法。
(特徴19)
前記クラブヘッドを提供することが、ドライバークラブヘッド、フェアウェーウッドクラブヘッド、またはハイブリッドゴルフクラブヘッドのうちの1つを提供することを含む、
特徴12〜18のいずれか1項に記載の方法。
(特徴20)
ゴルフクラブであって、
クラブヘッドであって、
上端と、および前記上端の反対側にある下端と、
前面を備える前部部分と、
本体部分と、
前記前部部分と前記本体部分との境界部分に配置されるたわみ機構と、
を備える、クラブヘッドと、
前記クラブヘッドに連結されるクラブシャフトと、
を備え、
前記たわみ機構が、ゴルフボールを前記クラブヘッドの前記前面で打撃することが、前記前面を、前記クラブヘッドの前記上端または前記下端のうちの一方において、かつ前記クラブヘッドの前記上端または前記下端のうちの他方を中心にして、前記本体部分に向けてたわませるように構成される、
ゴルフクラブ。
(特徴21)
前記ゴルフボールが、前記クラブヘッドの前記前面に当たる時またはその後、および、前記前面を、前記クラブヘッドの前記上端または前記下端のうちの前記一方において、かつ前記クラブヘッドの前記上端または前記下端の前記他方を中心にして、前記本体部分に向けてたわませる時またはその後、前記たわみ機構が、(i)前記前面からの前記ゴルフボールの打ち上げ角を高くする、または(ii)前記ゴルフボールに加えられるバックスピンを低減する、のうちの少なくとも1つであるように構成される、
特徴20に記載のゴルフクラブ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22