特許第6942904号(P6942904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6942904
(24)【登録日】2021年9月10日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】パッシブ電磁ペン
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20210916BHJP
【FI】
   G06F3/03 400A
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2021-515530(P2021-515530)
(86)(22)【出願日】2018年10月18日
(86)【国際出願番号】CN2018110836
(87)【国際公開番号】WO2020056833
(87)【国際公開日】20200326
【審査請求日】2021年3月19日
(31)【優先権主張番号】201811094907.3
(32)【優先日】2018年9月19日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520273430
【氏名又は名称】ハンヴォン ユージー テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HANVON UGEE TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】特許業務法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー ユェンヂー
(72)【発明者】
【氏名】ドン リーミン
【審査官】 円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/030930(WO,A1)
【文献】 特開平8−335132(JP,A)
【文献】 特開平10−228345(JP,A)
【文献】 特開2006−163652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペン芯と、第一鉄心と、鉄心収容部とを備え、前記第一鉄心の外にはコイルが巻かれており、前記第一鉄心が前記鉄心収容部の前記ペン芯のペン先に近い端部に固定され、前記鉄心収容部内には、前から後ろへ順に第二鉄心と、弾性部材と、圧力調節板と、前記圧力調節板と互いに嵌合される第一構造とが設けられ、前記ペン芯は前記第一鉄心の中央を通ってさらに前記第二鉄心を押し進めて、前記圧力調節板は回転する時に表面と前記第一構造の表面との接触により前記圧力調節板に軸方向の変位を発生させることで、前記弾性部材の軸方向変位を変えることを特徴とするパッシブ電磁ペン。
【請求項2】
前記圧力調節板の前記第一構造との接触面が第一斜面であり、前記第一構造の前記圧力調節板との接触面が第二斜面であることを特徴とする請求項1に記載のパッシブ電磁ペン。
【請求項3】
前記第一鉄心と前記第二鉄心との間にはさらにフィルム片が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパッシブ電磁ペン。
【請求項4】
前記第二鉄心と前記弾性部材との間にはさらにペン芯ホルダーが設けられていることを特徴とする請求項3に記載のパッシブ電磁ペン。
【請求項5】
前記ペン芯の後端には段差が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のパッシブ電磁ペン。
【請求項6】
前記弾性部材はシリコーンゴム棒と前記シリコーンゴム棒に外嵌されたばねとを含み、前記シリコーンゴム棒は前記ペン芯ホルダーと固定的に接続されていることを特徴とする請求項4に記載のパッシブ電磁ペン。
【請求項7】
前記鉄心収容部の外にはさらにPCBA電子回路基板が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のパッシブ電磁ペン。
【請求項8】
前記圧力調節板には回転ハンドルが設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のパッシブ電磁ペン。
【請求項9】
前記第一鉄心の中央には第一貫通穴が開けられ、前記第二鉄心の中央には第二貫通穴が開けられており、前記第一貫通穴の直径が前記第二貫通穴の直径より大きいことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のパッシブ電磁ペン。
【請求項10】
前記第一鉄心の外径が前記第二鉄心の外径より小さいことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のパッシブ電磁ペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報入力機器の分野に関し、特にパッシブ電磁ペンに関する。
【背景技術】
【0002】
計算機技術の迅速な発展に伴って、各種類のハードウェア機器も日進月歩で次々と現れるようになっている。入力機器には、文字手書きと絵描き入力の需要により便利にするために、手書きタブレット、絵描きタブレットなどを含み、「絵描きタブレット」と総称して呼べる各種の手書き描画入力機器が現れた。
【0003】
絵描きタブレットは技術的に電気抵抗式、静電容量式、電磁式、表面音波式、光学(赤外)などに分けられる。その中で、電磁式が最も広く応用されており、且つ既に市場に認められている。電磁式絵描きタブレットはさらに、アクティブとパッシブの二種類に分けられている。それに応じて、電磁式絵描きタブレットシステムに含まれている電磁ペンもアクティブとパッシブの二種類に分けられている。パッシブ電磁ペンの周波数の大きさの変化は、可変静電容量技術または可変インダクタンス技術によって達成することができる。パッシブ電磁ペン可変インダクタンス技術を採用した電磁式絵描きタブレットシステムは、初期時、変化するインダクタンスがPCBA上のコンデンサーと並列接続になり、アンテナ板が一つの周波数で発射してペンを充電し、アンテナ板の発射停止時、ペンがエネルギーを受け取ることから、エネルギーを発射する側に変わり、ペン上のインダクタンスが変化した時に、PCBA上の固定コンデンサーと並列接続され、ペンが発射する周波数を変えて、さらにアンテナ板が異なるペン周波数を得られるようにして、異なる筆圧値(書く時の重量感を反映した)変化を発生させる。
【0004】
パッシブ電磁ペンの可変インダクタンス技術は、巻線のあるソレノイドにおいて使用されることが多く、ソレノイド内の鉄心を移動させることにより、インダクタンス値を変化させたり、或いは、同一軸線上の2つの鉄心のうち、一方の鉄心に巻線があり、他方の鉄心に巻線がなく、2つの鉄心の遠近関係を変化させることでインダクタンス値を変化させる目的を達成する。前者の場合は、ソレノイド上に巻線することになるので、ペンの直径が後者より太くなる上に、前者の場合は、コイルがソレノイドに巻かれているので、コイルと鉄心との間の距離を大きくしてしまい、前者のエネルギー損失も後者より大きくなる。
【0005】
しかしながら、2つの鉄心の遠近関係を利用する構成を採用するパッシブ電磁ペンは、多くの部品からなり、各部品にはそれぞれ製造誤差があり、各部品はまた異なる材質であるため、組立生産時に寸法不一致の問題が発生することがよくあり、それによってパッシブ電磁ペンの出荷時に、その内部弾性部材の軸方向変位空間が標準の軸方向変位空間より小さく或いは大きくなる(つまり、パッシブ電磁ペンの実際の寸法が標準寸法より小さく或いは大きくなる)問題を引き起こし、各パッシブ電磁ペンの書き込み重量感を一致に保つことを確保するのが難しく、量産化には不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記技術問題を解決するために、本発明の目的は、一致性の優れたパッシブ電磁ペンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が採用する技術案は以下になる:パッシブ電磁ペンは、ペン芯と、第一鉄心と、鉄心収容部とを備え、前記第一鉄心の外にはコイルが巻かれており、前記第一鉄心が前記鉄心収容部の前記ペン芯のペン先に近い端部に固定され、前記鉄心収容部内には、前から後ろへ順に第二鉄心と、弾性部材と、圧力調節板と、前記圧力調節板と互いに嵌合される第一構造とが設けられ、前記ペン芯は前記第一鉄心の中央を通ってさらに前記第二鉄心を押し進めて、前記圧力調節板は回転する時に表面と前記第一構造の表面との接触により前記圧力調節板に軸方向の変位を発生させることで、前記弾性部材の軸方向変位を変える。
【0008】
さらに、前記圧力調節板の前記第一構造との接触面が第一斜面であり、前記第一構造の前記圧力調節板との接触面が第二斜面である。
【0009】
さらに、前記第一鉄心と前記第二鉄心との間にはさらにフィルム片が設けられている。
【0010】
さらに、前記第二鉄心と前記弾性部材との間にはさらにペン芯ホルダーが設けられている。
【0011】
さらに、前記ペン芯の後端には段差が設けられている。
【0012】
さらに、前記弾性部材はシリコーンゴム棒と前記シリコーンゴム棒に外嵌されたばねとを含み、前記シリコーンゴム棒は前記ペン芯ホルダーと固定的に接続されている。
【0013】
さらに、前記鉄心収容部の外にはさらにPCBA電子回路基板が設けられている。
【0014】
さらに、前記圧力調節板には回転ハンドルが設けられている。
【0015】
さらに、前記第一鉄心の中央には第一貫通穴が開けられ、前記第二鉄心の中央には第二貫通穴が開けられており、前記第一貫通穴の直径が前記第二貫通穴の直径より大きい。
【0016】
さらに、前記第一鉄心の外径が前記第二鉄心の外径より小さい。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以下の有益な効果を有する:本発明のパッシブ電磁ペンは、圧力調節板及び前記圧力調節板と互いに嵌合される第一構造を増設しており、圧力調節板は、回転する時に表面と第一構造の表面との接触により圧力調節板に軸方向の変位を発生させることで、弾性部材の軸方向変位を変えて、弾性部材の軸方向の変位により、パッシブ電磁ペンの出荷時の実際の寸法を標準寸法と等しくして、各パッシブ電磁ペンの書き込み重量感を一致に保つことを確保でき、量産化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明のパッシブ電磁ペンの斜視分解図である。
図2】本発明のパッシブ電磁ペンの組立後の構造模式図である。
図3】本発明における圧力調節板の断面図である。
図4】本発明における第一構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、明細書の添付図面と具体的な実施例を組み合わせて本発明についてさらに解釈及び説明する。
【0020】
図1図2を参照すると、本発明のパッシブ電磁ペンは、ペン芯1と、第一鉄心2と、鉄心収容部4とを備え、前記第一鉄心2の外にはコイル21が巻かれており、前記第一鉄心2が鉄心収容部4のペン芯1のペン先に近い端部に固定され、前記鉄心収容部4内には、前から後ろへ順に第二鉄心42と、弾性部材と、圧力調節板46と、前記圧力調節板46と互いに嵌合される第一構造47とが設けられ、前記ペン芯1は第一鉄心2の中央を通ってさらに第二鉄心42を押し進めて、前記圧力調節板46は、回転する時に表面と第一構造47の表面との接触により圧力調節板46に軸方向の変位を発生させることで、弾性部材の軸方向変位を変える。
【0021】
従来技術の2つの鉄心の遠近関係を利用する構造のパッシブ電磁ペンは通常、コイルが巻かれていない鉄心がペン先側に近い端部にある構造を採用しており、そのペン先はコイルが巻かれていない鉄心に突き当たっており、ペン先が力を受けた時に、コイルが巻かれていない鉄心を、コイルが巻かれた鉄心に近づくように押し進めて、インダクタンスの変化を起こす。しかしながら、この構造によれば、往々にして2つの鉄心間の距離をあまり遠くすることができなくなるため、非常に薄い弾性材料からなる弾性素子しか置くことができず、長時間の使用後、この弾性素子が弾性疲労することによって、2つの鉄心間の距離がコントロールできなくなり、このパッシブ電磁ペンが正常に作動できなくなる。
【0022】
本発明のパッシブ電磁ペンは、同様に2つの鉄心の遠近関係を利用する構造を用いてインダクタンス変化を起こすが、構造的に異なるのは、コイルが巻かれた鉄心(すなわち第一鉄心)がペン先側に近く、ペン芯が第一鉄心の中央を通って、巻線がない鉄心(すなわち第二鉄心)を押し進めることである。このような構造によれば、第二鉄心の後方に、ペン先が優れたフォースフィードバック性能を持つように弾性部材を設計できる十分な空間を持たせることができる。さらに、このようなペンの先端は巻線のある鉄心構造であり、コイルがソレノイドに巻かれた可変インダクタンス構造と比較して、ペンの直径が小さく、よってペンの外観は比較的細く、かつ美しくでき、ペンが得るエネルギーも、ソレノイドに巻かれた構造より大きく、また、薄すぎる弾性部材もなく、製品の寿命が長い。本発明によれば、第二鉄心が押し進められると、巻かれたコイルのインダクタンス値が変化し、変化するインダクタンスがPCBA電子回路基板上のコンデンサーと並列接続され、アンテナ板が一つの周波数で発射してペンを充電し、アンテナ板の発射停止時、ペンがエネルギーを受け取る側から、エネルギーを発射する側に変わり、ペン上の巻線のインダクタンスが変化した時に、PCBA電子回路基板上の固定コンデンサーと並列接続され、ペンが発射する周波数を変えて、さらにアンテナ板が異なるペン周波数を得られるようにして、異なる筆圧値変化を発生させる。
【0023】
図1に示すように、本発明の第一鉄心2と第二鉄心42は何れも中空構造であり、内部で軸方向に沿って移動するようにペン芯1を収容することができる。ペン芯1のペン先側が左、ペン後端が右にある。図1図2に示すように、鉄心収容部4は互いに嵌合される前部41と底部(即ち第一構造)47とを備え、第一鉄心2はペン先方向から鉄心収容部4の前部41に固定され、第二鉄心42はペン後部方向から鉄心収容部4内に装着される。第一鉄心2は固定されているが、第二鉄心42はペン芯1により鉄心収容部4内で押し進められることが可能である。底部47は回転可能に前部41と組み合わせられて、鉄心収容部を構成する。
【0024】
圧力調節板46が回転時に第一構造47との接触で軸方向変位を発生させる方式としては、斜面(両者の接触面が斜面である)の高さ変化により軸方向変位を発生させる方式とすることが可能である。
【0025】
弾性部材は、ペン芯1に逆方向の作用力を提供して、ペン芯1で書き込みする時に書き込みの重量感を得るようにするための部材である。また、弾性部材はさらに、軸方向の変位によりパッシブ電磁ペンの出荷時の実際の寸法が標準寸法と等しくなるように、一定の弾性的遊びを提供する。弾性部材としては、ばね、ゴム棒(例えばシリコーンゴム棒)などの弾性を有する構造を採用してもよく、ばねとゴム棒などで構成された複合構造としてもよい。
【0026】
図1図3図4を参照し、さらに好ましい実施形態として、前記圧力調節板46の第一構造47との接触面が第一斜面462であり、前記第一構造47の圧力調節板46との接触面が第二斜面471である。
【0027】
第一斜面462と第二斜面471は何れも、電磁ペンのペン芯軸方向と垂直でも平行でもない。第一斜面462と第二斜面471の傾斜角度と傾斜方式(例えば左へ傾斜、右へ傾斜など)は何れも実際の需要によって柔軟に選択できる。
【0028】
圧力調節板46と第一構造27の接触面は全て斜面構造を採用することで、圧力調節板46は回転する時に、第一構造47との接触が斜面による接触であるため、斜面に沿って上昇或いは降下して、さらに弾性部材を収容する空間を変えて、弾性部材を軸方向に沿って移動させる。これにより、ペンで書き込みする時の重量感を変えることができる。
【0029】
図1を参照し、さらに好ましい実施形態として、第一鉄心2と第二鉄心42との間にはさらにフィルム片3が設けられている。
【0030】
本発明によれば、第一鉄心2と第二鉄心42との2つの鉄心は、ペン芯1で書いていない時に、一つの固定かつ正確な距離を保たなければならないので、間に一枚の厚さが精確なフィルム片3を挟むことで、2つの鉄心間の距離を確保する。
【0031】
図1を参照し、さらに好ましい実施形態として、第二鉄心42と弾性部材との間にはさらにペン芯ホルダー43が設けられている。
【0032】
本発明のペン芯ホルダー43は、ペン芯1を挟持するためのものである。
【0033】
図1を参照し、さらに好ましい実施形態として、前記ペン芯1の後端には段差11が設けられている。
【0034】
段差11は第二鉄心42を押し進めるためのものである。
【0035】
図1を参照し、さらに好ましい実施形態として、前記弾性部材はシリコーンゴム棒44とシリコーンゴム棒44に外嵌されたばね45とを含み、前記シリコーンゴム棒44はペン芯ホルダー43と固定的に接続されている。
【0036】
本発明のシリコーンゴム棒44とばね45は、ペン芯1に逆方向の作用力を提供して、ペン芯1で書き込みする時に書き込みの重量感を得るようにするための部材である。具体的に、シリコーンゴム棒44の長さの一部分は、ペン芯ホルダー43の中に固定でき、シリコーンゴム棒44の外にはばね45が外嵌されており、ペン芯1が力を受けた時、シリコーンゴム棒44とばね45は鉄心収容部の底部(即ち第一構造)47の方向へ力を作用することで、逆方向の作用力を得る。一方、シリコーンゴム棒44又はばね45の圧力調節板46との接触面は平面とすることが可能である。
【0037】
図2を参照し、さらに好ましい実施形態として、前記鉄心収容部4の外にはさらにPCBA電子回路基板5が設けられている。
【0038】
PCBA電子回路基板5はコイル21と電気的に接続されて、変化するインダクタンスを周波数の変化に変換して、さらに、アンテナ板が異なるペン周波数を得られるようにして、異なる筆圧値を発生させる。具体的に、PCBA電子回路基板5は鉄心収容部4の後方にあり、ねじなどの方式で鉄心収容部4と固定的に接続することが可能である。
【0039】
図1を参照し、さらに好ましい実施形態として、前記圧力調節板46には回転ハンドル461が設けられている。
【0040】
本発明によれば、増設された回転ハンドル461により圧力調節板46をより回転しやすくする。回転ハンドル461は鉄心収容部4の外面から部分的に露出することが可能である。
【0041】
さらに好ましい実施形態として、前記第一鉄心の中央には第一貫通穴が開けられ、前記第二鉄心の中央には第二貫通穴が開けられており、前記第一貫通穴の直径が第二貫通穴の直径より大きい。
【0042】
本発明の第一鉄心の第一貫通穴は第二鉄心の第二貫通穴より直径が大きく、ペン芯がペン芯後端の段差で第二鉄心を押し進めるようにできる。
【0043】
さらに好ましい実施形態として、前記第一鉄心の外径が第二鉄心の外径より小さい。
【0044】
本発明の巻線のない第二鉄心の外径は、巻線のある第一鉄心よりも大きい。第一鉄心に近い端部において、第二鉄心の外径が小さくなっており、ペン全体としての外観は、巻線のない第二鉄心が内部にあることによって唐突になることはなく、全体としての外観の一致性が比較的良い。
【0045】
本発明のパッシブ電磁ペンの動作原理は以下になる:ペン芯のペン先が書くことで力を受けた時に、ペン芯が第一鉄心の中央及び第二鉄心の中央を通ってからペン芯ホルダーに挟持されて、ペン芯後端の段差により第二鉄心を軸方向に押し進めることにより、第一鉄心と第二鉄心の間に異なる距離を生成して、コイルのインダクタンス値を変化させ、変化するインダクタンスはPCBA電子回路基板上の固定コンデンサーと並列接続されて、さらにペンが発射する周波数を変化させて、異なる筆圧値の変化を発生させるとともに、第二鉄心の軸方向に沿った移動は、シリコーンゴム棒とばねを押し付けるようにペン芯ホルダーを駆動して、ペン芯に逆方向の作用力を与えて、ペン芯で書き込みする時に重量感があるようにする。また、本発明によれば、圧力調節板及び前記圧力調節板と互いに嵌合される第一構造を増設しており、パッシブ電磁ペンの出荷時の実際の寸法を標準寸法と等しくする或いは異なる書き込み重量感を得ようとする場合、圧力調節板の回転ハンドルを回して、圧力調節板が第一構造の表面との接触方式の変更(接触する斜面が上昇又は降下する)により軸方向の変位をするようにするだけで済む。圧力調節板に軸方向の変位が生じることで、シリコーンゴム棒とばねを収容する空間が変化して、シリコーンゴム棒とばねにも対応の軸方向変位を発生させる(パッシブ電磁ペンの出荷時の実際の寸法を標準寸法と等しくする或いは異なる書き込み重量感を得ることが可能である)。
【0046】
以上では、本発明の好ましい実施形態について具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではない。当業者であれば、本発明の精神に反することなく、本願の特許請求の範囲に定義された範囲内に含まれる様な等価な変形又は置換を行うこともできる。
【要約】
本発明は、ペン芯、第一鉄心と鉄心収容部を備えるパッシブ電磁ペンを開示し、前記第一鉄心の外にコイルが巻かれ、前記第一鉄心が鉄心収容部のペン芯のペン先に近い端部に固定され、前記鉄心収容部内に、前から後ろへ順に第二鉄心、弾性部材、圧力調節板及び前記圧力調節板と嵌合される第一構造が設けられ、前記ペン芯は第一鉄心の中央を通って第二鉄心を押し進め、前記圧力調節板は回転する時に表面と第一構造の表面との接触により圧力調節板に軸方向の変位を発生させることで弾性部材の軸方向変位を変える。本発明の圧力調節板は、回転する時に表面と第一構造の表面との接触により圧力調節板に軸方向の変位を発生させることで弾性部材の軸方向変位を変えることにより、パッシブ電磁ペン出荷時の実際寸法を標準寸法と等しくし、各パッシブ電磁ペンの書込み重量感を一致に保つことを確保でき、量産に有利である。本発明は情報入力機器の分野に広く応用できる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4