特許第6942967号(P6942967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6942967
(24)【登録日】2021年9月13日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/58 20060101AFI20210916BHJP
   B65D 33/06 20060101ALI20210916BHJP
   B65D 33/38 20060101ALI20210916BHJP
【FI】
   B65D75/58
   B65D33/06
   B65D33/38
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-13515(P2017-13515)
(22)【出願日】2017年1月27日
(65)【公開番号】特開2018-118784(P2018-118784A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2019年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 拓也
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−025143(JP,U)
【文献】 特開2004−042967(JP,A)
【文献】 特開2016−088552(JP,A)
【文献】 特開昭60−158047(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0247682(US,A1)
【文献】 実開平06−049341(JP,U)
【文献】 国際公開第2012/090536(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/58
B65D 33/06
B65D 33/38
B65D 33/10
B65D 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わせた表側フィルムと裏側フィルムの端縁がシールされ、注出口を備えた包装袋であって、
前記表側及び裏側フィルムの双方に肉厚片を備え、
前記肉厚片は、前記注出口から内容物を注ぐ際に上側となる端縁のシール部の近傍に、前記シール部から離間して付設され、
前記肉厚片の包装袋中央部側の内縁は、前記表側及び裏側フィルムを前記シール部側から片手で挟持したときに、前記片手の手指が届く位置よりも前記シール部側に配置され、
前記肉厚片は、前記表側及び裏側フィルムの双方の内面の、前記内縁の輪郭が互いに重なる位置に設けられ、
前記肉厚片は、0.5mm〜10mmの厚さを有する
ことを特徴とする、包装袋。
【請求項2】
重ね合わせた表側フィルムと裏側フィルムの端縁がシールされ、注出口を備えた包装袋であって、
前記表側及び裏側フィルムの一方又は双方に肉厚片を備え、
前記肉厚片は、前記注出口から内容物を注ぐ際に上側となる端縁のシール部の近傍に、前記シール部から離間して付設され、
前記肉厚片の前記包装袋中央部側の内縁は、前記シール部に沿うように配置され、
前記内縁は、前記シール部側へ凸状に湾曲し、前記肉厚片の中央から両端に向かって曲率を大きくした形状を有する
ことを特徴とする、包装袋。
【請求項3】
重ね合わせた表側フィルムと裏側フィルムの端縁がシールされ、注出口を備えた包装袋であって、
前記表側及び裏側フィルムの一方又は双方に肉厚片を備え、
前記肉厚片は、前記注出口から内容物を注ぐ際に上側となる端縁のシール部の近傍に、前記シール部から離間して付設され、
前記表側フィルム及び前記裏側フィルムを、前記肉厚片の質量分だけ軽量化した
ことを特徴とする、包装袋。
【請求項4】
前記肉厚片の前記包装袋中央部側の内縁は、前記シール部に沿うように配置されている
ことを特徴とする、請求項1又は3記載の注出口付き包装体。
【請求項5】
前記肉厚片は、前記包装袋の前記シール部に沿った方向の中央部を含む位置に配置されている
ことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に係り、より詳細には、注出口から内容物を注ぐ際に持ち易い、包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省資源の観点から、詰め替え用の内容物を収容するスタンディングパウチのような軟質合成樹脂フィルムの包装袋が広く利用されている。これらの包装袋には、内容物をプラスチックボトル等の容器に移し替えるために、スパウトを付設する等、注出口を形成している。
【0003】
ところが、スタンディングパウチのような包装袋は柔らかいため、内容物が収容された胴部を掴みにくく、特に、1Lを超える大容量の包装袋は重たいため、これを持ち上げると手指から滑りやすく、内容物の移し替え作業が容易でない。
【0004】
そこで、特許文献1には、胴部にくびれ部を形成するとともに、側部シール部に沿って剛性部材からなる持ち手を取り付けたことにより、自立性に優れ、内容物を注ぐ際に持ちやすくしたスタンディングパウチが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3185296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のスタンディングパウチでは、包装袋のデザインが制約を受けるとともに、側部シール部に剛性部材を取り付ける必要がある。このため、より簡易な構成で、内容物を移し替える際に持ちやすい包装袋が実現されることが望まれる。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、内容物を移し替える際に簡易な構成で容易に保持することができる包装袋を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の包装袋は、重ね合わせた表側フィルムと裏側フィルムの端縁がシールされ、注出口を備えた包装袋であって、前記表側及び裏側フィルムの双方に肉厚片を備え、前記肉厚片は、前記注出口から内容物を注ぐ際に上側となる端縁のシール部近傍に、前記シール部から離間して付設され、前記肉厚片の包装袋中央部側の内縁は、前記表側及び裏側フィルムを前記シール部側から片手で挟持したときに、前記片手の手指が届く位置よりも前記シール部側に配置され、前記肉厚片は、前記表側及び裏側フィルムの双方の内面の、前記内縁の輪郭が互いに重なる位置に設けられ、前記肉厚片は、前記表側及び裏側フィルムの双方の内面に設けられ、前記肉厚片は、0.5mm〜10mmの厚さを有することを特徴としている。
また、本発明の包装袋は、重ね合わせた表側フィルムと裏側フィルムの端縁がシールされ、注出口を備えた包装袋であって、前記表側及び裏側フィルムの一方又は双方に肉厚片を備え、前記肉厚片は、前記注出口から内容物を注ぐ際に上側となる端縁のシール部の近傍に、前記シール部から離間して付設され、前記肉厚片の前記包装袋中央部側の内縁は、前記シール部に沿うように配置され、前記内縁は、前記シール部側へ凸状に湾曲し、前記肉厚片の中央から両端に向かって曲率を大きくした形状を有することを特徴としている。
また、本発明の包装袋は、重ね合わせた表側フィルムと裏側フィルムの端縁がシールされ、注出口を備えた包装袋であって、前記表側及び裏側フィルムの一方又は双方に肉厚片を備え、前記肉厚片は、前記注出口から内容物を注ぐ際に上側となる端縁のシール部の近傍に、前記シール部から離間して付設され、前記表側フィルム及び前記裏側フィルムを、前記肉厚片の質量分だけ軽量化したことを特徴としている。
【0009】
このように、肉厚片という簡易な構成を設けたことにより、包装袋を持つ際に、手指を肉厚片の内縁の段差に係止することができる。このため、包装袋が手指から滑ることを防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
したがって、本発明の包装袋によれば、内容物を移し替える際に、簡易な構成で、包装袋を容易に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による包装袋の正面図である。
図2】包装袋を片手で保持した様子を示す説明図である。
図3】(a)〜(c)は、手指の保持位置と包装袋の傾斜を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の抽出包装袋の実施形態を説明する。
図1に、本発明の実施形態による包装袋の正面図を示す。同図に示すように、本実施形態の包装袋10は、重ね合わせた表側フィルム1と裏側フィルム2の両側の端縁がシールされた左側のシール部3及び右側のシール部4と、上側の端縁がシールされた上側のシール部5とを有し、さらに、下部にマチ部6を設けたスタンディングパウチ100であり、これらシール部に囲まれた収容部に内容物が密封包装されている。このスタンディングパウチ100には、図1に示すように、左側のシール部3と上側のシール部5とが出会う図面左上のコーナーが斜めに切り落とされて、スパウトの注出口7が設けられている。
なお、同図では、符号2は、表側フィルム1の裏側に重ね合わせた裏側フィルムを指している。
【0013】
表側フィルム1及び裏側フィルム2は、例えば、それぞれ200mm×300mmの寸法を有し、熱融着可能なシーラント層と基材層による積層フィルムにより構成されている。また、印刷層、接着層を設けることも可能である。
【0014】
表側フィルム1及び裏側フィルム2には、熱融着可能であれば、種々の材料及び構成を採用することができる。例えば、ナイロン、直鎖状ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。また、表側フィルム1及び裏側フィルム2は、バリア性フィルムである蒸着フィルムや、アルミラミネートフィルムを挙げることができる。また、これらのプラスチックフィルムを単層で、或いは二種以上を積層して構成することができ、内容物に応じて適宜選択される。
【0015】
本実施形態における表側フィルム1及び裏側フィルム2は、例えば、内面側から、シーラント層としての厚さ120μmの軟質ポリエチレン層、基材としての厚さ15μmのナイロン層及び厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート層を順次に積層した構成を有する。
【0016】
そして、表側フィルム1及び裏側フィルム2の双方の内面に、それぞれ肉厚片8が取り付けられている。図1では、2枚の肉厚片8の輪郭を重ねて破線で示す。肉厚片8は、表側及び裏側フィルム1及び2の内面の材料と同一材料で形成されて内面にそれぞれ熱溶着してもよいし、内面の材料と同一材料又は別材料で形成されて接着剤で内面に接着してもよい。
【0017】
肉厚片8は、例えば、厚さ0.8mmの軟質ポリエチレンシートを打ち抜いて形成され、長さ130mm、最大幅7.5mmの湾曲形状を有する。2枚の肉厚片8の合計厚さは、1.6mmとなり、肉厚片8の縁部に、包装袋10を摘まむ際に手指を係止するのに十分な段差が形成される。包装袋10を確実に保持するために、肉厚片8の最大幅は1〜50mm、肉厚片8からなる段差は、0.5〜10mmであることが好ましい。
【0018】
肉厚片8は、注出口7から内容物を注ぐ際に上側となる右側のシール部4の近傍に、右側のシール部4から離間して付設されている。右側のシール部4は、注出口7が形成されたコーナーに隣接しないシール部であり、左右2つのシール部3及び4のうち、抽出口7から遠い方のシール部である。
【0019】
また、図1に示すように、肉厚片8は、包装袋10の右側のシール部4に沿って配置され、シール部4に沿った方向の中央部、つまり、包装袋の高さの半分の位置を含むように配置されている。肉厚片8の包装袋10中央部側の内縁8aは、右側のシール部4側へ凸状に湾曲した形状を有している。特に、肉厚片8の内縁8aは、同図に示すように、肉厚片8の中央から両端に向かって曲率を大きくした湾曲形状を有している。
【0020】
本実施形態の肉厚片8は、内面側に取り付けられているため、包装袋10の外観には影響を与えない。このため、包装袋10のデザインが制約を受けない。また、肉厚片8という簡単な構成を付加するだけであり、包装袋10の表側フィルム1及び裏側フィルム2の形態はそのままであるため、包装袋10の充填適正を阻害することなく、包装袋10の生産性を維持することができる。
【0021】
図2に、本実施形態の包装袋10を片手で保持した様子を示す。同図に示すように、肉厚片8の包装袋10中央部側の内縁8aは、手指Fが届く位置に配置されている。換言すれば、肉厚片8は、表側及び裏側フィルム1及び2を右側のシール部4側から片手Hで挟持したときに、片手Hの手指Fが届く位置よりも右側のシール部4側に配置されている。特に、右側のシール部4の内縁から3〜50mmの範囲にあることが好ましい。肉厚片8をこのように配置することにより、包装袋10を持つ際に、手指Fを肉厚片8の内縁8aの段差に係止することができる。このため、包装袋10が手指Fから滑ることを防止することができる。
【0022】
さらに、同図に示すように、肉厚片8が右側のシール部4から離間して配設されているため、肉厚片8の内縁8aを手指Fで摘まむと、右側のシール部4が手のひらPに当接することになる。
【0023】
手指Fで摘まんだ位置は、包装袋10の重心Gよりも図面右側にずれている。このため、手指Fには、右側のシール部4が手のひらPに当接する部分を支点として、肉厚片8から図面左方向へ力がかかる(矢印α)。この力αは、肉厚片8の内縁8aの段差によって、手指Fが係止されるため、手指Fによって受け止められる。一方、手指Fよりも低い位置で右側のシール部4が手のひらPに当接する部分には、手指Fで摘まんだ部分を支点として、右側のシール部4から図面右方向へ力がかかる(矢印β)。この力βは、手のひらPによって受け止められる。これにより、包装袋10は、手指Fと手のひらPの二箇所で容易に保持することができる。
なお、図2では、包装袋10の重心Gを包装袋10の中央部に便宜的に示したが、実際の重心は内容物の移動に伴って変化する。
【0024】
このように、包装袋10は、手指Fと手のひらPの二箇所で保持することができるので、さらに、包装袋10が安定的に保持されるとともに、包装袋10の傾斜角度を容易に制御することができる。これにより、包装袋10の内容物をボトル等の容器に移し替える際に、より内容物をこぼしにくくすることができる。
【0025】
次に、図3を参照して、肉厚片8の湾曲形状の特徴を説明する。図3(a)は、肉厚片8の上部付近Aを手指で摘まんだときの包装袋10を模式的に示し、図3(b)は、肉厚片8の中央付近Bを手指で摘まんだときの包装袋10を模式的に示し、図3(c)は、肉厚片8の下部付近Cを手指で摘まんだときの包装袋10を模式的に示す。
【0026】
まず、図3(a)に示すように、肉厚片8の上部付近Aを手指で摘まんで包装袋10を持ち上げると、包装体10は、内容物の自重により、同図に示すように少し傾斜する。このとき、肉厚片8の端部近くで内縁8aが大きく湾曲しているため、肉厚片8の上部付近Aにおける内縁8aの接線Taと重力方向Gとがほぼ直交する。このため、肉厚片8の上部付近Aを手指で保持した場合に、肉厚片8の内縁8aの段差で、手指が安定的に係止され、包装袋10が滑ることが防止される。
【0027】
また、図3(b)に示すように、肉厚片8の中央付近Bを手指で摘まんで包装袋10を持ち上げると、包装袋10は、内容物の自重により、同図に示すように、右側のシール部4がほぼ水平になるように傾斜する。このとき、肉厚片8の中央付近Bにおける内縁8aの接線Tbと重力方向Gとがほぼ直交する。このため、肉厚片8の中央付近Bを手指で保持した場合にも、肉厚片8の内縁8aの段差で、手指が安定的に係止され、包装袋10が滑ることが効果的に防止される。
【0028】
また、図3(c)に示すように、肉厚片8の下部付近Cを手指で摘まんで包装袋10を持ち上げると、包装袋10は、内容物の自重により、同図に示すように、注出口7がほぼ真下を向くように大きく傾斜する。このとき、肉厚片8の下部付近Cにおける内縁8aの接線Tcと重力方向Gとがほぼ直交する。このため、肉厚片8の下部付近Cを手指で保持した場合にも、肉厚片8の内縁8aの段差で、手指が安定的に係止され、包装袋10が滑ることが効果的に防止される。
【0029】
このように、本実施形態の包装袋10では、肉厚片8が右側シール部4に沿って配置され、特に、その内縁8aが湾曲形状を有し、中央から両端へ向かうに従って曲率が大きくなるように湾曲しているため、肉厚片8のどの部分で保持しても、その保持部分での内縁8aの接線方向と重力方向とが直角に近い角度を成すことができる。
【0030】
また、1Lを超える大容量の詰め替え用パウチの場合、ボトル等用容器の数倍の体積の内容量が収容されている。このような大容量の詰め替え用パウチからボトル等の容器への内容物の移し替えは、一度に全量を移し替えるのではなく、複数回に分けて行われる。本実施形態の包装袋10内容物を例えば3回に分けて移し替える場合、1回目は、図3(a)に示したように、肉厚片8の上部付近Aを手指で挟んで保持し、2回目には、図3(b)に示したように、肉厚片8の中央付近Bを手指で挟んで保持し、3回目には、図3(c)に示したように、肉厚片8の下部付近Cを手指で挟んで保持するとよい。1〜3回目のいずれの場合にも、手指が肉厚片8の内縁8aの段差で安定的に係止される。
【0031】
そのうえ、包装袋10を、手指と手のひらの二箇所で保持することができるので、包装袋10の傾斜角度を容易に制御することができる。これにより、包装袋10の内容物をボトル等の容器に複数回に分けて移し替える際に、包装袋10の取り扱いが容易となり、内容物をこぼしにくくすることができる。
【0032】
次に、表1に、本実施形態における表側フィルム1及び裏側フィルム2の軟質ポリエチレン層の厚みを削減した場合の削減材料量を示す。
【0033】
【表1】
【0034】
上記の表1から、表側フィルム1及び裏側フィルム2の軟質ポリエチレン層の厚みを10μm削減するごとに、約1.1g減量できることが分かる。
【0035】
一方、肉厚片8は、包装袋10の胴部の補強部材としても機能する。例えば、包装袋10に設けた2枚の肉厚片8の合計質量は、1〜2g程度である。表側フィルム1及び裏側フィルム2の軟質ポリエチレン層の厚みを10〜20μm程度削減して薄膜化した場合、肉厚片8を付設していない包装袋10では、立ち姿が維持できなくなるが、本発明においては、肉厚片8が補強部材として包装袋10の立ち姿を維持できるため、表側フィルム1及び裏側フィルム2を、肉厚片8の質量分、またはそれ以上軽量化することができる。このため、包装袋10の立ち姿を維持しつつ、表側フィルム1及び裏側フィルム2を薄膜化することができ、肉厚片8を付設したことによる重量の増加を相殺することができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。上述した実施形態では、スタンディングパウチの包装袋の例を説明したが、本発明では、包装袋の形状はこれに限定されず、例えば、四方がシールされた平パウチ、ガゼット付きパウチ、及び、折り返したフィルムの三方をシールした包装袋にも適用することができる。
【0037】
また、上述した実施形態では、表側フィルム及び裏側フィルムの両方に肉厚片を設けた例を説明したが、本発明では、表側フィルム及び裏側フィルムの一方にのみ肉厚片材を設けてもよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、表側フィルムに設けた肉厚片と裏側フィルムに設けた肉厚片とが互いに重なる位置に配置されているが、両肉厚片は、互いにずれて配置されてもよい。
【0039】
また、上述した実施形態では、表側フィルム及び裏側フィルムの内面に肉厚片を設けた例を説明したが、本発明では、肉厚片は、表側フィルム及び裏側フィルムの一方又は双方の外面に設けてもよい。また、肉厚片は、表側フィルム及び裏側フィルムの一方又は双方の積層構造中に挿入して状態で設けてもよい。
【0040】
また、上述した実施形態では、肉厚片をシール部に沿って配置した例を説明したが、本発明では、肉厚片の延在方向はこれに限定されず、例えば、肉厚片をシール部に沿った方向に対して、垂直方向又は角度を成す方向に延在させてもよい。また、肉厚片は、一箇所の配置に限定されず、複数箇所に分散して配置してもよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、三日月形状に湾曲した肉厚片を設けた例を説明したが、本発明では、肉厚片の形状はこれに限定されず、例えば、紐状、円形、正方形、又は短冊形の形状であってもよい。また、内縁を湾曲形状として外縁を直線形状としてもよい。さらに、肉厚片の内縁の形状は、湾曲に限定されず、例えば、折れ線状に直線を屈曲させた形状であってもよいし、波形であってもよい。また、直線形状部分と曲線形状部分との結合であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る包装袋は、例えば、洗剤等の薬品や調味料等の食品に用いる詰め替え用容器に適用して好適であり、特に、1Lを超える大容量の詰め替え容器に適用して好適である。
【符号の説明】
【0043】
1 表側フィルム
2 裏側フィルム
3 左側のシール部
4 右側のシール部
5 上部のシール部
6 マチ部
7 注出口
8 肉厚片
内縁
F 手指
H 片手
P 手のひら
図1
図2
図3