特許第6943128号(P6943128)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6943128分析データベース登録装置、分析データ収集システム、分析システムおよび分析データベース登録方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6943128
(24)【登録日】2021年9月13日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】分析データベース登録装置、分析データ収集システム、分析システムおよび分析データベース登録方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20210916BHJP
【FI】
   G01N35/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-195745(P2017-195745)
(22)【出願日】2017年10月6日
(65)【公開番号】特開2019-70542(P2019-70542A)
(43)【公開日】2019年5月9日
【審査請求日】2020年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 祥人
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】若林 和人
(72)【発明者】
【氏名】中谷 嵩之
【審査官】 草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−039610(JP,A)
【文献】 特開2009−093632(JP,A)
【文献】 特開2014−186782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−37/00
G01N 1/00− 1/44
G01N 33/48−33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置から分析データ取得装置により取得された分析データを含む分析データファイルを記憶部を介して分析データベースに登録する分析データベース登録装置であって、
前記記憶部において前記分析データ取得装置が前記分析データファイルを保存するために用いる保存領域を作成する作成部と、
前記作成部により作成された前記保存領域に前記分析データファイルが保存されているか否かを判定する第1の判定部と、
前記第1の判定部により前記保存領域に前記分析データファイルが保存されていると判定された場合に、前記保存領域に保存された前記分析データファイルのみを前記分析データベースに登録する登録部と、
前記登録部による前記分析データベースへの前記分析データファイルの登録の終了が指示されたか否かを判定する第2の判定部と、
前記第2の判定部により前記分析データファイルの登録の終了が指示されたと判定された場合に、前記作成部により作成された前記保存領域を前記分析データベースへの分析データファイルの登録のために用いられない状態にする領域処理部とを備える、分析データベース登録装置。
【請求項2】
前記領域処理部は、前記第2の判定部により前記分析データファイルの登録の終了が指示されたと判定された場合に、前記作成部により作成された前記保存領域を削除する、請求項1記載の分析データベース登録装置。
【請求項3】
使用者の操作に基づいて前記作成部により作成されるべき前記保存領域の場所および前記保存領域を識別するための識別情報を指定する指定部をさらに備え、
前記作成部は、前記指定部により指定された前記保存領域の場所および前記識別情報に基づいて前記記憶部に前記保存領域を作成する、請求項1または2記載の分析データベース登録装置。
【請求項4】
前記指定部により指定された場所に前記識別情報により識別される保存領域が既に存在する場合に、既に存在する保存領域を他の場所に移動する領域移動部をさらに備える、請求項3記載の分析データベース登録装置。
【請求項5】
分析装置により得られる分析データを含む分析データファイルを分析データベースとして収集する分析データ収集システムであって、
前記分析装置から分析データを取得する分析データ取得装置と、
記憶部と、
前記分析データ取得装置により取得された分析データを含む分析データファイルを前記記憶部を介して分析データベースに登録する請求項1〜4のいずれか一項に記載の分析データベース登録装置とを備え、
前記分析データ取得装置は、前記分析装置から取得した分析データを含む前記分析データファイルを、前記分析データベース登録装置により前記記憶部に作成された保存領域に保存する、分析データ収集システム。
【請求項6】
試料の分析を実行することにより分析結果を示す分析データを得る分析装置と、
分析データベースを記憶するデータベース記憶装置と、
前記分析装置により得られる分析データを含む分析データファイルを分析データベースとして収集する請求項5記載の分析データ収集システムとを備え、
前記分析データ収集システムの前記登録部は、前記保存領域に保存された分析データファイルを前記データベース記憶装置の前記分析データベースに登録する、分析システム。
【請求項7】
分析装置から分析データ取得装置により取得された分析データを含む分析データファイルを記憶部を介して分析データベースに登録する分析データベース登録方法であって、
前記記憶部において前記分析データ取得装置が前記分析データファイルを保存するために用いる保存領域を作成するステップと、
作成された前記保存領域に前記分析データファイルが保存されているか否かを判定するステップと、
前記保存領域に前記分析データファイルが保存されていると判定された場合に、前記保存領域に保存された前記分析データファイルのみを前記分析データベースに登録するステップと、
前記分析データベースへの前記分析データファイルの登録の終了が指示されたか否かを判定するステップと、
前記分析データファイルの登録の終了が指示されたと判定された場合に、前記保存領域を前記分析データベースへの分析データファイルの登録のために用いられない状態にするステップとを含む、分析データベース登録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置により得られる分析データを登録する分析データベース登録装置、分析データ収集システム、分析システムおよび分析データベース登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分析装置においては、測定対象の試料について種々の分析が行われる。近年、分析装置が制御装置およびサーバとともにネットワークに接続された分析システムが提案されている。このような分析システムにおいては、分析装置による分析結果を示すデータがサーバに登録されることにより、データが一元管理される。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたネットワーク型分析システムにおいては、分析装置、分析制御サーバおよびデータベースサーバがネットワークに接続される。分析装置から逐次出力される分析結果が分析制御サーバに保存され、分析が完了した後に、保存された分析結果が一塊の出力分析データとして分析制御サーバからデータベースサーバに格納(登録)される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−51565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分析システムは、一般に、分析装置に分析を実行させる分析アプリケーションプログラムと、出力分析データをデータベースサーバに登録する登録アプリケーションプログラムとを含む。登録アプリケーションプログラムが実行されている状態で分析アプリケーションプログラムが起動した場合には、分析装置による分析が開始され、分析装置から出力される分析結果が出力分析データとして確定した時点でデータベースサーバに登録される。この構成によれば、分析アプリケーションプログラムにより得られた出力分析データが登録アプリケーションプログラムによりデータベースサーバに順次登録されるので、データベースサーバに登録される出力分析データに改ざん等の修正を加える余地がなく、出力分析データの信頼性が保証される。
【0006】
しかしながら、登録アプリケーションプログラムが実行されていない状態で分析アプリケーションプログラムが起動した場合には、出力分析データは、データベースサーバに登録されないため、分析制御サーバに保存され続ける。この状態においては、出力分析データはセキュリティに関して無防備となり、特定の使用者は分析制御サーバに保存された出力分析データに改ざんを加えることが可能である。したがって、その後、登録アプリケーションプログラムが起動することにより分析制御サーバに保存されている出力分析データがデータベースサーバに登録された場合でも、当該出力分析データの信頼性を保証することができない。
【0007】
本発明の目的は、データベースに登録される分析データの信頼性の向上が可能な分析データベース登録装置、分析データ収集システム、分析システムおよび分析データベース登録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)第1の発明に係る分析データベース登録装置は、分析装置から分析データ取得装置により取得された分析データを含む分析データファイルを記憶部を介して分析データベースに登録する分析データベース登録装置であって、記憶部において分析データ取得装置が分析データファイルを保存するために用いる保存領域を作成する作成部と、作成部により作成された保存領域に分析データファイルが保存されているか否かを判定する第1の判定部と、第1の判定部により保存領域に分析データファイルが保存されていると判定された場合に、保存領域に保存された分析データファイルのみを分析データベースに登録する登録部と、登録部による分析データベースへの分析データファイルの登録の終了が指示されたか否かを判定する第2の判定部と、第2の判定部により分析データファイルの登録の終了が指示されたと判定された場合に、作成部により作成された保存領域を分析データベースへの分析データファイルの登録のために用いられない状態にする領域処理部とを備える。
【0009】
この分析データベース登録装置においては、分析データ取得装置が分析データファイルを保存するために用いる保存領域が記憶部に作成される。分析データ取得装置は、分析装置から取得した分析データを含む分析データファイルを作成された保存領域に保存する。保存領域に分析データファイルが保存されていると判定された場合に、その分析データファイルのみが分析データベースに登録される。また、分析データファイルの登録の終了が指示されたと判定された場合に、保存領域が分析データベースへの分析データファイルの登録のために用いられない状態にされる。
【0010】
この構成によれば、分析データ取得装置は、分析データベース登録装置が動作しているときに、分析データベース登録装置により作成された保存領域に分析データファイルを保存することができる。一方、分析データベース登録装置が動作していないときには、分析データ取得装置が分析データファイルを保存するために用いる保存領域が存在しないため、分析データ取得装置により分析データファイルが保存領域に保存されない。分析データベース登録装置により作成された保存領域に保存された分析データファイルは分析データベースに登録されるが、他の領域に保存された分析データファイルは分析データベースに登録されない。それにより、セキュリティに関して無防備な状態に置かれた分析データファイルが分析データベースに登録されることが防止される。その結果、分析データベースに登録される分析データの信頼性を向上させることができる。
【0011】
(2)領域処理部は、第2の判定部により分析データファイルの登録の終了が指示されたと判定された場合に、作成部により作成された保存領域を削除してもよい。この場合、保存領域を容易に分析データベースへの分析データファイルの登録のために用いられない状態にすることができる。
【0012】
(3)分析データベース登録装置は、使用者の操作に基づいて作成部により作成されるべき保存領域の場所および保存領域を識別するための識別情報を指定する指定部をさらに備え、作成部は、指定部により指定された保存領域の場所および識別情報に基づいて記憶部に保存領域を作成してもよい。この場合、使用者は、記憶部における所望の場所に保存領域を作成することができる。
【0013】
(4)分析データベース登録装置は、指定部により指定された場所に識別情報により識別される保存領域が既に存在する場合に、既に存在する保存領域を他の場所に移動する領域移動部をさらに備えてもよい。この構成によれば、記憶部における指定された場所に保存領域が既に存在する場合でも、既存の保存領域を削除することなく指定された場所に保存領域を作成することができる。この場合、既存の保存領域に保存されたデータが分析データベースに登録されることが防止されるとともに既存の保存領域に保存されたデータが消失することが防止される。
【0014】
(5)第2の発明に係る分析データ収集システムは、分析装置により得られる分析データを含む分析データファイルを分析データベースとして収集する分析データ収集システムであって、分析装置から分析データを取得する分析データ取得装置と、記憶部と、分析データ取得装置により取得された分析データを含む分析データファイルを記憶部を介して分析データベースに登録する第1の発明に係る分析データベース登録装置とを備え、分析データ取得装置は、分析装置から取得した分析データを含む分析データファイルを、分析データベース登録装置により記憶部に作成された保存領域に保存する。
【0015】
この分析データ収集システムにおいては、分析データ取得装置は、分析データベース登録装置が動作しているときに、分析データベース登録装置により作成された保存領域に分析データファイルを保存することができる。一方、分析データベース登録装置が動作していないときには、分析データ取得装置が分析データファイルを保存するために用いる保存領域が存在しないため、分析データ取得装置により分析データファイルが保存領域に保存されない。分析データベース登録装置により作成された保存領域に保存された分析データファイルは分析データベースに登録されるが、他の領域に保存された分析データファイルは分析データベースに登録されない。それにより、セキュリティに関して無防備な状態に置かれた分析データファイルが分析データベースに登録されることが防止される。その結果、分析データベースに登録される分析データの信頼性を向上させることができる。
【0016】
(6)第3の発明に係る分析システムは、試料の分析を実行することにより分析結果を示す分析データを得る分析装置と、分析データベースを記憶するデータベース記憶装置と、分析装置により得られる分析データを含む分析データファイルを分析データベースとして収集する第2の発明に係る分析データ収集システムとを備え、分析データ収集システムの登録部は、保存領域に保存された分析データファイルをデータベース記憶装置の分析データベースに登録する。
【0017】
この分析システムにおいては、分析装置により得られた分析データを含む分析データファイルが分析データ収集システムにより収集され、データベース記憶装置の分析データベースに登録される。分析データ収集システムによれば、セキュリティに関して無防備な状態に置かれた分析データファイルが分析データベースに登録されることが防止される。その結果、分析データベースに登録される分析データの信頼性を向上させることができる。
【0018】
(7)第4の発明に係る分析データベース登録方法は、分析装置から分析データ取得装置により取得された分析データを含む分析データファイルを記憶部を介して分析データベースに登録する分析データベース登録方法であって、記憶部において分析データ取得装置が分析データファイルを保存するために用いる保存領域を作成するステップと、作成された保存領域に分析データファイルが保存されているか否かを判定するステップと、保存領域に分析データファイルが保存されていると判定された場合に、保存領域に保存された分析データファイルのみを分析データベースに登録するステップと、分析データベースへの分析データファイルの登録の終了が指示されたか否かを判定するステップと、分析データファイルの登録の終了が指示されたと判定された場合に、保存領域を分析データベースへの分析データファイルの登録のために用いられない状態にするステップとを含む。
【0019】
この分析データベース登録方法によれば、セキュリティに関して無防備な状態に置かれた分析データファイルが分析データベースに登録されることが防止される。その結果、分析データベースに登録される分析データの信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、データベースに登録される分析データの信頼性の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態に係る分析システムの構成を示す図である。
図2】分析データ収集システムの機能的な構成を示すブロック図である。
図3】登録処理における保存先指定画面の一例を示す図である。
図4】分析処理における保存先指定画面の一例を示す図である。
図5】分析データベース登録プログラムにより行われる登録処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
図6】分析データ取得プログラムにより行われる分析処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る分析データベース登録装置、それを備えた分析データ収集システムおよび分析システム、ならびに分析データベース登録方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(1)分析システムの構成
図1は、本発明の実施の形態に係る分析システムの構成を示す図である。図1に示すように、分析システム500は、1以上の分析データ収集システム100、1以上の分析装置200およびデータベース記憶装置300を含む。各分析データ収集システム100、各分析装置200およびデータベース記憶装置300は、互いに通信可能にネットワーク510に接続される。
【0024】
各分析データ収集システム100は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータにより実現され、制御部110、記憶部120、操作部130および表示部140を含む。制御部110は、CPU(中央演算処理装置)を含む。記憶部120は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)およびHDD(ハードディスクドライブ)等により構成される。記憶部120には、種々のデータが記憶されるとともに、種々のプログラムが記憶される。
【0025】
操作部130は、例えばマウス等のポインティングデバイスおよびキーボードを含み、制御部110に指示を与えるために使用者により操作される。表示部140は、例えばLCD(液晶ディスプレイ)パネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルを含み、GUI(Graphical User Interface)等の画像を表示する。分析データ収集システム100の詳細については後述する。
【0026】
各分析装置200は、例えば液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフまたは質量分析計を含む。分析装置200は、測定対象の試料について種々の分析を行い、分析結果を示す分析データを分析データ収集システム100に与える。データベース記憶装置300は、サーバ等の大容量の記憶装置を含む。このデータベース記憶装置300には、分析データベースが構築されている。分析データ収集システム100は、分析装置200から与えられた一または複数の分析データを含む分析データファイルをデータベース記憶装置300の分析データベースに記憶させる。それにより、分析データベースに分析データファイルが登録される。
【0027】
(2)分析データ収集システム
図2は、分析データ収集システム100の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、分析データ収集システム100は、分析データベース登録処理(以下、登録処理と略記する。)を実行する分析データベース登録装置10と、分析データ取得処理(以下、分析処理と略記する。)を実行する分析データ取得装置20とを含む。なお、本実施の形態においては、分析データベース登録装置10および分析データ取得装置20が共通のコンピュータに含まれるが、本発明はこれに限定されない。分析データベース登録装置10および分析データ取得装置20は、別個のコンピュータに含まれてもよい。この場合は、複数のコンピュータにより分析データ収集システム100が構成される。
【0028】
分析データベース登録装置10は、指定部11、フォルダ判定部12、領域移動部13、作成部14、ファイル判定部15、登録部16、終了判定部17および領域処理部18を含む。制御部110が記憶部120に記憶された分析データベース登録プログラムを実行することにより、分析データベース登録装置10の構成要素(11〜18)の機能が実現される。分析データベース登録装置10の構成要素(11〜18)の一部または全てが電子回路等のハードウエアにより構成されてもよい。
【0029】
指定部11は、使用者による操作部130の操作に基づいて、記憶部120における分析データファイルの保存先を指定させるためのGUIを表示部140に表示させる。ここで、保存先は、分析データファイルが保存されることとなる保存用フォルダの識別情報と、その保存用フォルダの所在を示すパスとからなる。識別情報は、例えばフォルダ名である。使用者は、操作部130を操作することにより、GUI上で保存先を入力することができる。保存先が入力された場合、指定部11は、その保存先を指定する。また、操作部130から保存先が入力されない場合、指定部11は、既定の保存先または前回の登録処理における保存先を指定する。
【0030】
フォルダ判定部12は、指定部11により指定されたパスに保存用フォルダと同一の識別情報を有するフォルダが既に存在するか否かを判定する。既にフォルダが存在する場合、領域移動部13は、その既存のフォルダを保存先とは異なる他の記憶領域に移動させる。他の記憶領域は記憶部120内に設けられた領域であってもよいし、記憶部120とは異なる他の記憶媒体に設けられた領域であってもよい。作成部14は、指定部11により指定されたパスに保存用フォルダを作成する。これにより、記憶部120に分析データファイルの保存先が確保される。後述するように、分析データ取得装置20による分析処理が実行されることにより、保存用フォルダに分析データファイルが保存される。
【0031】
ファイル判定部15は、保存用フォルダに分析データファイルが存在するか否かを判定する。分析データファイルが存在する場合、登録部16は、その分析データファイルをデータベース記憶装置300に記憶させる。これにより、分析データファイルが登録される。
【0032】
終了判定部17は、登録処理の終了の指示を受け付けたか否かを判定する。使用者は、操作部130を操作することにより、分析データベース登録装置10による登録処理の終了を終了判定部17に指示することができる。終了判定部17に登録処理の終了が指示された場合、領域処理部18は、保存用フォルダを分析データベースへの分析データファイルの登録のために用いられない状態にする。
【0033】
本実施の形態においては、領域処理部18は、保存先の保存用フォルダを削除することにより、保存用フォルダを分析データベースへの分析データファイルの登録のために用いられない状態にするが、本発明はこれに限定されない。領域処理部18は、保存用フォルダを保存先とは異なる他の記憶領域に移動させてもよいし、保存用フォルダの識別情報を変更してもよい。これらの場合でも、保存用フォルダを分析データベースへの分析データファイルの登録のために用いられない状態にすることができる。
【0034】
分析データ取得装置20は、指定部21、フォルダ判定部22、実行部23、取得部24および保存部25を含む。制御部110が記憶部120に記憶された分析データ取得プログラムを実行することにより、分析データ取得装置20の構成要素(21〜25)の機能が実現される。分析データ取得装置20の構成要素(21〜25)の一部または全てが電子回路等のハードウエアにより構成されてもよい。
【0035】
指定部21は、使用者による操作部130の操作に応答して、記憶部120における分析データファイルの保存先を入力させるためのGUIを表示部140に表示させる。使用者は、操作部130を操作することにより、GUI上で保存先を入力することができる。この場合、使用者は、分析データベース登録装置10により表示部140に表示された保存先(保存用フォルダの識別情報およびパス)を入力する。保存先が入力された場合、指定部21は、その保存先を指定する。フォルダ判定部22は、指定部21により指定されたパスに保存用フォルダが存在するか否かを判定する。保存用フォルダが存在するためには、分析データベース登録装置10の分析データベース登録プログラムが実行されている必要がある。
【0036】
保存用フォルダが存在する場合、実行部23は、分析装置200に試料の分析を実行させる。取得部24は、分析装置200による分析結果を示す分析データを取得する。保存部25は、取得部24により取得された分析データを含む分析データファイルを指定部21により指定された保存先の保存用フォルダに保存する。各分析データファイルは、分析装置200による一連の分析処理により得られる一または複数の分析データを含む。
【0037】
(3)保存用フォルダの指定
次に、保存用フォルダの指定方法の一例について説明する。使用者は、分析データベース登録装置10の分析データベース登録プログラムを起動させる。それにより登録処理が開始される。この場合、使用者は、操作部130を操作することにより、分析データファイルの保存先を指定するためのGUIとして保存先指定画面を表示部140に表示させることができる。
【0038】
図3は、登録処理における保存先指定画面の一例を示す図である。図3に示すように、登録処理における保存先指定画面141は、保存先入力欄141aを含む。使用者は、操作部130を操作して保存先入力欄141aに保存先を示す文字列を入力することにより、保存先を指定することができる。
【0039】
図3の例においては、保存先入力欄141aに保存先として文字列「C:¥AAAA¥BBBB¥CCCC¥DDDD」が入力されている。この文字列は、保存用フォルダのパスが「C:¥AAAA¥BBBB¥CCCC」であり、保存用フォルダの識別情報が「DDDD」であることを示す。すなわち、図2の記憶部120の「Cドライブ」内の領域(フォルダ)「AAAA」内の領域「BBBB」内の領域「CCCC」内の保存用フォルダ「DDDD」が保存先として指定される。
【0040】
分析データベース登録装置10は、上記の保存先を指定し、パス「C:¥AAAA¥BBBB¥CCCC」で指定される領域に保存用フォルダ「DDDD」を作成する。
【0041】
使用者は、分析データ取得装置20の分析データ取得プログラムを起動させる。それにより、分析処理が開始される。使用者は、操作部130を操作することにより、分析データファイルの保存先を指定するためのGUIとして保存先指定画面を表示部140に表示させることができる。
【0042】
図4は、分析処理における保存先指定画面の一例を示す図である。図4に示すように、分析処理における保存先指定画面142は、保存先入力欄142aを含む。使用者は、操作部130を操作して保存先入力欄142aに保存先を示す文字列を入力することにより、保存先を指定することができる。
【0043】
図4の例においては、図3の保存先指定画面141の保存先入力欄141aに入力された保存先と同一の保存先「C:¥AAAA¥BBBB¥CCCC¥DDDD」が保存先入力欄142aに入力されている。それにより、指定されたパス「C:¥AAAA¥BBBB¥CCCC」に保存用フォルダ「DDDD」が保存先として指定される。
【0044】
パス「C:¥AAAA¥BBBB¥CCCC」により指定された領域に保存用フォルダ「DDDD」が存在する場合には、分析データ取得装置20は、図2の分析装置200に試料の分析を実行させ、分析データファイルを保存用フォルダ「DDDD」に保存する。
【0045】
分析データベース登録装置10は、保存先の指定後に作成された保存用フォルダ「DDDD」に保存される分析データファイルをデータベース記憶装置300に記憶させることにより、改ざんが加えられていない分析データファイルを分析データベースに登録することができる。
【0046】
ここで、分析データベース登録装置10による保存先の指定前からパス「C:¥AAAA¥BBBB¥CCCC」にフォルダ「DDDD」が既に存在している可能性がある。そのような既存のフォルダに保存されている分析データファイルは、セキュリティに関して無防備な状態で放置されていたため、分析データファイルに改ざん等の修正が加えられた可能性を排除することができない。そのため、分析データベース登録装置10は、既存のフォルダ内の分析データファイルを分析データベースに登録することなく既存のフォルダを他の記憶領域に移動させ、パス「C:¥AAAA¥BBBB¥CCCC」に改めて保存用フォルダ「DDDD」を作成する。この場合、既存のフォルダに保存されたデータが消失することが防止される。
【0047】
また、使用者は、操作部130を操作することにより、登録処理の終了を指示することができる。登録処理の終了が指示された場合、分析データベース登録装置10は、登録処理を終了する前に保存用フォルダ「DDDD」を保存先から削除する。
【0048】
これにより、分析データベース登録装置10による登録処理の終了後には、保存用フォルダ「DDDD」が存在しない。そのため、分析データベース登録装置10の分析データベース登録プログラムが実行されていないときに分析データ取得装置20の分析データ取得プログラムが起動した場合には、保存用フォルダ「DDDD」が存在しない。この場合には、保存用フォルダ「DDDD」が存在しないことが使用者に通知されるとともに新たに保存用フォルダ「DDDD」を作成すべきか否かの指示が要求される。それにより、使用者は、分析データベース登録プログラムが実行されていないことを認識することができる。
【0049】
使用者は、保存用フォルダ「DDDD」が存在しないことを認識した場合、操作部130を用いて分析データベース登録装置10の分析データベース登録プログラムの起動を指示する。これにより、使用者による操作部130の操作に基づいて、分析データベース登録装置10によりパス「C:¥AAAA¥BBBB¥CCCC」に保存用フォルダ「DDDD」が作成される。その結果、分析装置200による分析により得られる分析データを含む分析データファイルが保存用フォルダ「DDDD」に保存されるとともに保存用フォルダ「DDDD」に保存された分析データファイルが分析データベースに登録される。
【0050】
一方、保存用フォルダ「DDDD」が存在しないことが使用者に通知されるとともに新規フォルダ「DDDD」を作成すべきか否かの指示が要求された場合に、使用者は新規フォルダ「DDDD」を作成すべきことを指示することができる。この場合には、分析データ取得装置20により新規フォルダ「DDDD」が作成され、分析データ取得装置20により取得された分析データを含む分析データファイルが新規フォルダ「DDDD」に保存される。この新規フォルダ「DDDD」に保存された分析データファイルは、使用者または第三者により修正される可能性がある。
【0051】
しかしながら、分析データベース登録装置10の分析データベース登録プログラムが実行されていないので、新規フォルダ「DDDD」に保存された分析データファイルは分析データベースに登録されない。その後、分析データベース登録装置10の分析データベース登録プログラムが起動した場合には、分析データベース登録装置10において新たに保存用フォルダが作成され、新たに作成された保存用フォルダに保存された分析データファイルが分析データベースに登録され、既に存在する新規フォルダ「DDDD」に保存された分析データファイルは分析データベースに登録されない。
【0052】
(4)登録処理および分析処理
図5は、分析データベース登録プログラムにより行われる登録処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。まず、指定部11は、分析データファイルの保存先を指定する(ステップS1)。ここで、後述するステップS4が実行されるまでは、指定部11は、既定の保存先または前回の登録処理における保存先を指定する。保存先は図3の保存先指定画面141の保存先入力欄141aに表示されている。
【0053】
フォルダ判定部12は、保存先のパスで指定された記憶領域に既にフォルダが存在するか否かを判定する(ステップS2)。フォルダが存在しない場合、フォルダ判定部12はステップS4に進む。既にフォルダが存在する場合、領域移動部13は、既存のフォルダを他の記憶領域に移動させ(ステップS3)、ステップS4に進む。
【0054】
ステップS4で、指定部11は保存先が変更されたか否かを判定する(ステップS4)。使用者は、操作部130を用いて図3の保存先指定画面141の保存先入力欄141aに保存先を入力し、所定の指定操作を行うことにより保存先を変更することができる。保存先が変更された場合、指定部11はステップS1に戻り、変更後の保存先を指定する。
【0055】
ステップS4で保存先が変更されない場合、指定部11は使用者により決定操作が行われたか否かを判定する(ステップS5)。使用者は、保存先入力欄141aに表示された保存先を変更せずに所定の決定操作を行うことにより、保存先を変更せずに登録処理を進めることができる。
【0056】
ステップS5で決定操作が行われない場合、指定部11はステップS1に戻る。決定操作が行われるまでステップS1〜S5の処理が繰り返される。ステップS5で決定操作が行われた場合、作成部14は、ステップS1で指定された保存先の記憶領域に保存用フォルダを作成する(ステップS6)。この状態で、分析処理が実行されることにより、後述する分析処理のステップS15(図6)で分析データファイルが保存用フォルダに保存される。
【0057】
ファイル判定部15は、分析データファイルがステップS6で作成された保存用フォルダに保存されているか否かを判定する(ステップS7)。分析データファイルが保存用フォルダに保存されている場合、登録部16は、その分析データファイルを図2のデータベース記憶装置300に記憶させることにより分析データファイルを登録し(ステップS8)、ステップS7に戻る。
【0058】
ステップS7で、分析データファイルが保存用フォルダに保存されていない場合、終了判定部17は、登録処理の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS9)。使用者は、操作部130を操作することにより、登録処理の終了を終了判定部17に指示することができる。登録処理の終了が指示されていない場合、終了判定部17はステップS7に戻る。登録処理の終了が指示された場合、領域処理部18はステップS6で作成された保存用フォルダを削除し、登録処理を終了させる。
【0059】
図6は、分析データ取得プログラムにより行われる分析処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。まず、指定部21は、保存先の指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS11)。使用者は、操作部130を用いて図4の保存先指定画面142の保存先入力欄142aに保存先を入力し、所定の指定操作を行うことにより保存先を指定することができる。
【0060】
保存先の指定を受け付けない場合、指定部21は保存先の指定を受け付けるまで待機する。指定部21が保存先の指定を受け付けた場合、フォルダ判定部22は、ステップS11で指定された保存先の記憶領域に保存用フォルダが存在するか否かを判定する(ステップS12)。登録処理が実行されている場合には、登録処理のステップS6で保存用フォルダが作成されるため、保存用フォルダが存在する。
【0061】
保存用フォルダが存在しない場合、フォルダ判定部22はステップS11に戻る。保存用フォルダが作成されるまで、すなわち登録処理のステップS6が実行されるまでステップS11,S12の処理が繰り返される。保存用フォルダが存在する場合、実行部23は、図2の分析装置200に試料の分析を実行させる(ステップS13)。
【0062】
取得部24は、分析装置200から分析結果を示す分析データを取得する(ステップS14)。保存部25は、ステップS14で取得された分析データを含む分析データファイルをステップS11で指定された保存先の保存用フォルダに保存し(ステップS15)、分析処理を終了する。
【0063】
(5)効果
本実施の形態に係る分析データベース登録装置10においては、分析データ取得装置20が分析データファイルを保存するための保存先が記憶部120に作成される。分析データ取得装置20は、分析装置200から取得した分析データを含む分析データファイルを作成された保存先の保存用フォルダに保存する。保存用フォルダに分析データファイルが保存されていると判定された場合に、その分析データファイルがデータベース記憶装置300の分析データベースに登録される。また、分析データファイルの登録の終了が指示されたと判定された場合に、保存用フォルダが保存先から削除される。
【0064】
この構成によれば、分析データ取得装置20は、分析データベース登録装置10が動作しているときに、分析データベース登録装置10により作成された保存用フォルダに分析データファイルを保存することができる。一方、分析データベース登録装置10が動作していないときには、分析データ取得装置20が分析データファイルを保存するために用いる保存用フォルダが存在しないため、分析データ取得装置20により分析データファイルが保存用フォルダに保存されない。分析データベース登録装置10により作成された保存用フォルダに保存された分析データファイルは分析データベースに登録されるが、他のフォルダに保存された分析データファイルは分析データベースに登録されない。それにより、セキュリティに関して無防備な状態に置かれた分析データファイルが分析データベースに登録されることが防止される。その結果、分析データベースに登録される分析データの信頼性を向上させることができる。
【0065】
また、この場合には、保存用フォルダが存在しないことが使用者に通知されるとともに新たに保存用フォルダを作成すべきか否かの指示が要求される。それにより、使用者は、分析データベース登録プログラムが実行されていないことを認識することができる。そのため、分析データベース登録装置10による登録処理が実行されない状態で分析データ取得装置20による分析処理が実行されることを防止することができる。
【0066】
(6)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【0067】
上記実施の形態においては、フォルダ判定部12および終了判定部17がそれぞれ第1および第2の判定部の例であり、指定部11が指定部の例である。
【符号の説明】
【0068】
10…分析データベース登録装置、11,21…指定部、12,22…フォルダ判定部、13…領域移動部、14…作成部、15…ファイル判定部、16…登録部、17…終了判定部、18…領域処理部、20…分析データ取得装置、23…実行部、24…取得部、25…保存部、100…分析データ収集システム、110…制御部、120…記憶部、130…操作部、140…表示部、141,142…保存先指定画面、141a,142a…保存先入力欄、200…分析装置、300…データベース記憶装置、500…分析システム、510…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6