(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1処理部は、前記第1メディアを用いて前記第1識別情報を格納するアドレスを送り、前記アドレスへのアクセスがあった場合に、前記第1識別情報をストリーム再生する、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信処理装置。
前記第1メディアを用いた通信が開始した場合に前記第1識別情報を生成し、前記音声メディアを用いた通信が終了した場合に当該第1識別情報を削除する、第4処理部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の通信処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施するための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0014】
≪第1実施形態≫
[構成]
図1は、第1実施形態のコンタクトセンタサーバの詳細構成図である。
コンタクトセンタサーバ120(通信処理装置)は、顧客(利用者)に提供するコンタクトセンタサービスの処理を実行するサーバ装置である。コンタクトセンタサーバ120は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶手段(記億部)と、ネットワークインタフェースとを有するコンピュータとして構成される。このコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラムを実行することにより、各種機能が実現される。
ここで、コンタクトセンタサーバ120は、通信処理装置の一例であり、顧客は、利用者の一例であり、記憶手段は、記憶部の一例である。
【0015】
コンタクトセンタサーバ120は、サービスを実現するための呼を処理する。ここで用いられる“呼(call)”とは、ネットワーク(通信網)を流れるひとまとまりの情報であり、例えば、音声、ビデオ、マルチメディア(デジタル化された映像・音声・文字データなどを組み合わせた総合的なメディア)、e−メール、ファックス、テキストチャット、音声メッセージなどのさまざまな種類の通信でやり取りされる情報である。
本実施形態では、コンタクトセンタサーバ120が提供するサービスとしてテキストチャットを例に挙げて説明する。しかし、本発明が適用されるサービスは、テキストチャットに限定されない。なお、説明の便宜上、単に「チャット」を呼ぶときは、テキストチャットを意味する。また、テキストチャットの具体例には、インスタントメッセージや、LINE(登録商標)がある。
【0016】
コンタクトセンタサーバ120は、アプリケーション処理部21と、OS(Operating System)処理部22とを有する。
コンタクトセンタサーバ120は、公衆網151を介して1または複数の顧客通信装置130や、1または複数の顧客音声通信装置131および顧客テキスト通信装置132と通信可能に接続している。また、コンタクトセンタサーバ120は、構内通信網152を介して1または複数のオペレータ通信装置140や、1または複数のオペレータ音声通信装置141およびオペレータテキスト通信装置142と通信可能に接続している。
ここで、公衆網151、構内通信網152は、ネットワークの一例である。公衆網151の具体例は、IP(Internet Protocol)ネットワーク、PSTN(Public Switched Telephone Network)、携帯電話網などである。
またここで、構内通信網152の別称は、LAN(Local Area Network)である。なお、オペレータとコンタクトセンタサーバ120が同一の施設内に存在しない場合(例:オペレータが在宅勤務の場合)、コンタクトセンタサーバ120は、構内通信網152の代わりに、ネットワークの一例であるWAN(Wide Area Network)を介して1または複数のオペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)と通信可能に接続されていてもよい。
【0017】
顧客通信装置130、顧客音声通信装置131および顧客テキスト通信装置132は、何れも顧客によって使用、操作される通信装置であり、コンタクトセンタサーバ120によって提供されるサービスを利用するための通信装置である。
【0018】
顧客通信装置130は、音声とテキストによる通信が可能な通信装置であり、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)に代表されるコンピュータ装置、携帯電話端末、タブレット端末やスマートフォンである。顧客通信装置130は、例えば、音声およびテキストによる通信を行う通信部31と、種々の情報を表示する表示部32と、電話番号や文字を入力する操作部33とを備える。
ここで、顧客通信装置130は、後述される顧客音声通信装置131と顧客テキスト通信装置132とを1つの装置にて実現される装置の総称である。顧客音声通信装置131は、第2通信装置の一例であり、顧客テキスト通信装置132は、第1通信装置の一例である。
【0019】
顧客音声通信装置131は、音声による通信が可能な通信装置であり、例えば、固定電話端末、携帯電話端末、または音声通話ソフトウェアがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC)とそれに接続された音声入出力装置(マイクロフォンとスピーカやヘッドセット)等の通信装置である。顧客音声通信装置131は、例えば、音声による通信を行う通信部と、電話番号を入力する操作部とを備える(何れも図示せず)。
【0020】
顧客テキスト通信装置132は、テキストによる通信が可能な通信装置であり、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)に代表されるコンピュータ装置、携帯電話端末、またはタブレット端末等の通信装置である。顧客テキスト通信装置132は、例えば、テキストによる通信を行う通信部と、種々の情報を表示する表示部と、文字を入力する操作部とを備える(何れも図示せず)。
【0021】
本実施形態では、顧客とオペレータとの間で音声通信およびテキスト通信の両方を行うことを前提としている。そのため、顧客は、コンタクトセンタサーバ120との通信において、音声とテキストによる通信が可能な顧客通信装置130を一台所持するか、または音声による通信が可能な顧客音声通信装置131およびテキストによる通信が可能な顧客テキスト通信装置132を一台ずつ合計で二台所持することになる。
【0022】
オペレータ通信装置140、オペレータ音声通信装置141およびオペレータテキスト通信装置142は、何れもオペレータによって使用、操作される通信装置であり、顧客の問い合わせに応答したり、コンタクトセンタサーバ120が備えるアプリケーション処理部21が提供するアプリケーションにアクセスしたりするための装置である。
ここで、オペレータ通信装置140は、後述されるオペレータ音声通信装置141とオペレータテキスト通信装置142とを1つの装置にて実現される装置の総称である。オペレータ通信装置140は、第3通信装置の一例である。オペレータ音声通信装置141は、第3通信装置の一例である。
【0023】
オペレータ通信装置140は、音声とテキストによる通信が可能な通信装置であり、例えば、音声通話ソフトウェアおよびテキストチャットのソフトウェアがインストールされたコンピュータ装置である。オペレータ通信装置140は、顧客通信装置130と同様のハードウェア構成であってよく、例えば、音声およびテキストによる通信を行う通信部41と、種々の情報を表示する表示部42と、電話番号や文字を入力する操作部43とを備える。
【0024】
オペレータ音声通信装置141は、音声による通信が可能な通信装置であり、例えば、固定電話端末、またはコードレス電話端末等の通信装置である。オペレータ音声通信装置141は、顧客音声通信装置131と同様のハードウェア構成であってよく、例えば、音声による通信を行う通信部と、電話番号を入力する操作部とを備える(何れも図示せず)。
【0025】
オペレータテキスト通信装置142は、テキストによる通信が可能な通信装置であり、例えば、テキストチャットのソフトウェアがインストールされたコンピュータ装置、またはタブレット端末等の通信装置である。オペレータテキスト通信装置142は、顧客テキスト通信装置132と同様のハードウェア構成であってよく、例えば、テキストによる通信を行う通信部と、種々の情報を表示する表示部と、文字を入力する操作部とを備える(何れも図示せず)。
【0026】
本実施形態では、顧客とオペレータとの間で音声通信およびテキスト通信の両方を行うことを前提としている。そのため、オペレータは、コンタクトセンタ業務において、音声とテキストによる通信が可能なオペレータ通信装置140を一台所持するか、または音声による通信が可能なオペレータ音声通信装置141およびテキストによる通信が可能なオペレータテキスト通信装置142を一台ずつ合計で二台所持することになる。
【0027】
(アプリケーション処理部21)
アプリケーション処理部21は、コンタクトセンタサーバ120が提供する所定のサービスを実現する1または複数のアプリケーションを処理する。
アプリケーション処理部21は、IVR(Interactive Voice Response:自動音声応答)処理部23と、呼制御処理部24と、通信処理部25と、オペレータ管理処理部26とを有する。また、アプリケーション処理部21は、ここでは、アプリケーション処理部21が備える各機能の概要を説明し、詳細は後記する動作で説明する。
ここで、IVR処理部23は、第2処理部の一例であり、呼制御処理部24は、第3処理部の一例であり、通信処理部25は、第1処理部の一例である。
【0028】
(IVR処理部23)
IVR処理部23は、通信処理部25を介して公衆網151に接続し、音声通話の着信が可能な自動応答システムとして機能する。IVR処理部23は、音声通話の着信により、その着信した電話番号(顧客が発信の際に使用した発信先の電話番号)に応じて、あらかじめ決められたロジックに従って用意された応答音声を再生する。IVR処理部23は、応答音声を再生することで、顧客にダイヤル操作を促し、ロジックによってはこれを繰り返すことで呼制御に必要な情報を顧客から取得し、取得した情報に従って呼制御処理部24に音声通話を引き継ぐ。
【0029】
(呼制御処理部24)
呼制御処理部24は、顧客音声通信装置131および顧客テキスト通信装置132(または顧客通信装置130)から受け取った着信を特定のオペレータに適切に分配するACD(Automatic Call Distribution)処理部として機能する。呼制御処理部24は、例えば、発信者番号、着信番号、オペレータのスキルや稼働時間、空き状況などに応じて着信呼を自動的に割り振る。呼制御処理部24は、着信呼の割り振りの際、適切なオペレータを選択する。また、呼制御処理部24は、IVR処理部23から着信するオペレータの情報を受信した場合には、当該オペレータの状態に応じて着信を割り振る機能も有する。
ここで、「スキル」とは、所属グループの業務において、顧客に対する応対のレベルを示す情報であり、当該情報は、例えば、レベル1〜レベル5の5段階からなる情報とする。例えば、レベル1は、所属グループの中で、顧客に対する応対のレベルが最も低いレベルのオペレータを示す情報とし、レベル5は、所属グループの中で、顧客に対する応対のレベルが最も高いレベルのオペレータを示す情報とする。
またここで、「所属グループ」とは、例えば、各オペレータの業務別に用意することができるが、これに限定されない。各オペレータは、1または複数の所属グループに所属することができる。
【0030】
(通信処理部25)
通信処理部25は、施設内の複数のオペレータ音声通信装置141同士(オペレータ通信装置140も含む)で内線通話をできるようにしたり、施設内の複数のオペレータテキスト通信装置142同士(オペレータ通信装置140も含む)でテキストチャット通信をできるようにしたりする中継処理部として機能する。
ここで、通信処理部25は、オペレータ音声通信装置141(オペレータ通信装置140を含む)と顧客音声通信装置131(顧客通信装置130を含む)との間で音声通信をできるようにしたり、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140を含む)と顧客テキスト通信装置132(顧客通信装置130を含む)との間でテキストチャット通信をできるようにしたりする中継処理部として機能する。
またここで、通信処理部25は、コンタクトセンタサーバ120とオペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)との間で、音声、テキストなどのメディア(情報)をやり取りする、コンタクトセンタサーバ120とオペレータ通信装置間における接続などの通信制御に関わる制御信号をやり取りする際に、中継処理部として機能する。
通信処理部25は、コンタクトセンタサーバ120と顧客通信装置130(顧客音声通信装置131、顧客テキスト通信装置132を含む)との間で、音声、テキストなどのメディア(情報)をやり取りする、コンタクトセンタサーバ120と顧客通信装置間における接続などの通信制御に関わる制御信号をやり取りする際に、中継処理部として機能する。
通信処理部25は、オペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)と顧客通信装置130(顧客音声通信装置131、顧客テキスト通信装置132を含む)との間で、コンタクトセンタサーバ120を介して、音声、テキストなどのメディア(情報)をやり取りする、接続などのオペレータ通信装置と顧客通信装置間における接続などの通信制御に関わる制御信号をやり取りする際に、中継処理部として機能する。
【0031】
(オペレータ管理処理部26)
オペレータ管理処理部26は、オペレータの状態(少なくとも、空き、チャット中、通話中、呼出中、保留中、着信予約中、着信予約呼出中、着信不可などを含む)(作業に関わる状態情報)、所属グループ、オペレータ識別子、スキル、および担当するオペレータ音声通信装置141およびオペレータテキスト通信装置142(またはオペレータ通信装置140)に接続するための識別情報(電話番号、IPアドレス)、を管理する機能部である。
ここで、オペレータ識別子は、コンタクトセンタのオペレータを一意に識別可能で、かつ、電話機のダイヤルパッドで入力可能な数桁の短い数字列である。また、オペレータ管理処理部26は、呼制御処理部24から分配の通知を受ける機能と、オペレータ音声通信装置141(オペレータ通信装置140を含む)からオペレータの状態通知を受ける機能とを有している。そして、オペレータ管理処理部26は、オペレータ音声通信装置141(オペレータ通信装置140を含む)から先の通知を受ける際には、どのオペレータ音声通信装置141からの通知であるかを認識すると共に、当該オペレータ音声通信装置141に紐付けされた(関連付けられた)オペレータも認識する機能も有している。その際、オペレータを識別するオペレータ識別情報と、オペレータ音声通信装置141(オペレータ通信装置140を含む)を識別するオペレータ通信装置識別情報とが紐付けされた(関連付けられた)情報は、コンタクトセンタサーバ120に備えられた管理テーブルに記憶され、オペレータ管理処理部26は、管理テーブルを参照することにより、オペレータ通信装置やオペレータに関わる上記の認識機能を実現する。
なお、オペレータ管理処理部26は、管理するオペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)を担当するオペレータの状態、所属グループ、スキル、および担当するオペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)のIPアドレス、当該オペレータ通信装置140に紐付けされたオペレータなどの情報を記憶する記憶部(図示せず)を有する。
またここで、オペレータ識別子は、オペレータの識別情報の一例である。
【0032】
(アプリケーション処理部21の変形例)
なお、アプリケーション処理部21は、CRMデータベース部(図示せず)を有してもよい。
CRMデータベース部は、例えば、顧客に関わる情報や、顧客とオペレータとの間でやり取りされたことに関わる情報などを管理するものである。
また、CRMデータベース部は、オペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)の表示部に対して、当該オペレータ通信装置140と接続される顧客通信装置130の顧客情報や、当該オペレータ通信装置140のオペレータと当該顧客通信装置130の顧客との間でやり取りされた情報などを表示する。
CRMデータベース部は、オペレータ通信装置140の表示部に情報を表示するタイミングとして、オペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)と顧客通信装置130との間で接続されるとき(または、接続前、接続前及び接続されるとき、接続されるとき及び接続後、接続後、接続前から接続後まで)や、オペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)から情報の表示を要求されたときなどがある。
ここで、CRMは、Customer Relationship Managementの略称である。
【0033】
(OS処理部22)
OS処理部22は、コンタクトセンタサーバ120全体を管理するソフトウェアである。OS処理部22は、アプリケーション処理部21の制御対象となる1または複数種類のアプリケーションが共通して利用する基本的な機能を実装している。
【0034】
[動作]
図2Aおよび
図2Bを参照して(適宜、
図1参照)、第1実施形態の動作フローについて説明する。ここでは、顧客が顧客音声通信装置131および顧客テキスト通信装置132を所持し、オペレータがオペレータ音声通信装置141およびオペレータテキスト通信装置142を所持する場合を例に挙げて説明する。つまり、顧客やオペレータが音声通話とテキストチャットとを別装置で行う場合(例えば、音声通話を電話機で行い、テキストチャットをPCで行う場合)を想定する。また、オペレータ音声通信装置141およびオペレータテキスト通信装置142は、コンタクトセンタ業務を提供するに足る数だけ存在するものとする。
ここで、
図2Aおよび
図2Bは、コンタクトセンタサーバ120に関わる構成において、IVR処理部23、呼制御処理部24、およびオペレータ管理処理部26について、記載する。
またここで、
図2Aおよび
図2Bは、コンタクトセンタサーバ120に関わる構成において、通信処理部25の処理について、省略して記載する。
なお、通信処理部25は、コンタクトセンタサーバ120とオペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)との間で、音声、テキストなどのメディア(情報)をやり取りする、コンタクトセンタサーバ120とオペレータ通信装置間における接続などの通信制御に関わる制御信号をやり取りする際に、中継処理部として機能する。
通信処理部25は、コンタクトセンタサーバ120と顧客通信装置130(顧客音声通信装置131、顧客テキスト通信装置132を含む)との間で、音声、テキストなどのメディア(情報)をやり取りする、コンタクトセンタサーバ120と顧客通信装置間における接続などの通信制御に関わる制御信号をやり取りする際に、中継処理部として機能する。
通信処理部25は、オペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)と顧客通信装置130(顧客音声通信装置131、顧客テキスト通信装置132を含む)との間で、コンタクトセンタサーバ120を介して、音声、テキストなどのメディア(情報)をやり取りする、接続などのオペレータ通信装置と顧客通信装置間における接続などの通信制御に関わる制御信号をやり取りする際に、中継処理部として機能する。
【0035】
いま、顧客は、顧客テキスト通信装置132を利用してオペレータテキスト通信装置142を使用するオペレータとテキストチャットを行っており、そのやり取りから音声通話に移行することになったとする(F001)。このとき、オペレータは、オペレータテキスト通信装置142を操作することで、テキストチャットから音声通話に移行するための情報を顧客に送信する(F002)。具体的には、オペレータの操作により、オペレータテキスト通信装置142は、コンタクトセンタサーバ120(通信処理部25)を介して、音声を用いた通信にて接続するためのコンタクトセンタサーバ120の電話番号とオペレータを識別するための情報(オペレータ識別子)をテキスト情報として顧客テキスト通信装置132に送信する。
ここで、F002は、第1ステップの一例である。
【0036】
顧客テキスト通信装置132は、コンタクトセンタサーバ120の電話番号とオペレータ識別子とを受信して、顧客テキスト通信装置132(表示部)は、受信した電話番号とオペレータ識別子とを表示する(F003)。
顧客テキスト通信装置132(操作部)は、顧客においてこれらの情報の表示について確認された後で、顧客によりコンタクトセンタの電話番号とオペレータ識別子が確認されたことについて操作される(以下、表示確認操作と記載する)(F004)。
この表示確認操作において、顧客テキスト通信装置132は、例えば、テキストチャットウィンドウに選択可能なボタンやリンクなどの情報を表示し、顧客により表示された当該情報についてクリック(選択)されることであってよい。
また、この表示確認操作において、顧客テキスト通信装置132は、テキストチャットウィンドウ以外のポップアップ画面に選択可能なボタンやリンクなどの情報を表示し、顧客により表示された当該情報についてクリック(選択)されることであってよい。
ここで、コンタクトセンタサーバ120の電話番号は、通信処理装置と音声を用いた通信にて接続するための通信処理装置の識別情報の一例である。
【0037】
顧客テキスト通信装置132は、表示確認操作が行われた場合に、顧客が情報を確認したことを示す確認通知をコンタクトセンタサーバ120の呼制御処理部24に送信する(伝える)(F005)。呼制御処理部24は、顧客テキスト通信装置132とオペレータテキスト通信装置142との間の通信を終了させる(F006)と共に、オペレータ管理処理部26に当該オペレータがテキストチャットから音声通話に移行する旨を通知する(F007)。呼制御処理部24は、通知の際、通信の終了に関わるオペレータテキスト通信装置142の識別子をオペレータ管理処理部26に通知する。オペレータ管理処理部26は、当該オペレータの状態を、顧客からの音声着信を受け付けるための待ち状態として「着信予約中」に変更する(F008)。なお、「F006」において、呼制御処理部24は、テキストチャットが終了したことを示す情報をオペレータテキスト通信装置142に表示するようにしてもよい。また、「F008」において、オペレータ管理処理部26は、オペレータ音声通信装置141やオペレータテキスト通信装置142に「着信予約中」であることを示す情報を表示するようにしてもよい。
【0038】
続いて、顧客音声通信装置131は、顧客の操作により、顧客テキスト通信装置132で先に受信したテキストチャットから音声通話に移行するためのコンタクトセンタサーバ120の電話番号に発信する。呼制御処理部24は、顧客音声通信装置131からの発信について、音声通話に関わる着信呼として、着信する。呼制御処理部24は、顧客音声通信装置131からの発信について着信すると、IVR処理部23に対して、顧客音声通信装置131から着信したことと、顧客音声通信装置131が発信の際に使用した発信先の電話番号とを通知する(F009)。
IVR処理部23は、呼制御処理部24から、顧客音声通信装置131から着信したことと、顧客音声通信装置131が発信の際に使用した発信先の電話番号とを受信すると、顧客音声通信装置131からの発信に対して自動応答する。さらに、IVR処理部23は、顧客音声通信装置131に対して、テキストチャットでオペレータから受信したオペレータ識別子を入力するように音声で案内する(F010)。
【0039】
続いて、顧客音声通信装置131は、顧客により操作され(例えば、電話機のダイヤルパッドなどが操作され)、先に受信したオペレータ識別子が入力される(F011)。顧客音声通信装置131は、入力されたオペレータ識別子をIVR処理部23に送信する。IVR処理部23は、オペレータ識別子を受け付け、オペレータ識別子およびテキストチャットから音声通話への移行であることを示す情報を、呼制御処理部24に送信する(F012)。
ここで、F012は、第2ステップの一例である。
【0040】
続いて、呼制御処理部24は、オペレータ管理処理部26からオペレータ識別子の示すオペレータの状態を取得する(F013)。呼制御処理部24は、取得したオペレータの状態が「着信予約中」であり、かつF009の着信呼がテキストチャットから音声通話に移行した呼であるか否かを確認する(F014)。呼制御処理部24は、オペレータの状態が「着信予約中」であり、かつF009の着信呼がテキストチャットから音声通話に移行した呼である場合、その着信呼を当該オペレータに分配するために、呼び出し信号を送信する(F015)。また、呼制御処理部24は、オペレータ管理処理部26に対して当該オペレータの状態を「着信予約呼出中」に変更するように指示し(F016)、オペレータ管理処理部26は当該オペレータの状態を「着信予約呼出中」に変更する(F017)。
【0041】
なお、呼制御処理部24は、F009の着信呼がテキストチャットから音声通話に移行した呼でない場合、「着信予約中」状態のオペレータには分配しない。また、呼制御処理部24は、どのような呼であっても「着信予約呼出中」状態のオペレータには呼を分配しない。なお、オペレータ管理処理部26は、「着信予約中」状態が一定時間以上継続した場合は、着信可能な「空き」状態に遷移させる。つまり、呼制御処理部24は、オペレータ識別子を送ったオペレータに対して、所定時間の間、当該オペレータ識別子を送られた顧客からの着信呼以外について接続しない。
【0042】
このように、オペレータの状態として「着信予約中」と「着信予約呼出中」の二つがあることで、「着信予約呼出中」でオペレータが応答する前に顧客が呼を放棄した場合(例えば、電話を切った場合)に、呼制御処理部24は、オペレータ管理処理部26におけるオペレータの状態を「着信予約呼出中」から「着信予約中」に戻すことが可能になる。オペレータが応答できずに顧客が呼を放棄する場合は、非常に短時間の呼出しであると想定され(例えば、通話回線の一時的な障害や顧客の誤操作)、この顧客から再度着信がある場合が高い。オペレータの状態を「着信予約呼出中」から「着信予約中」に戻すことで、その顧客からの再度の着信に、当該オペレータは、確実に対応することが可能になる。
【0043】
オペレータ音声通信装置141は、呼び出し信号を受信し、オペレータ音声通信装置141を使用するオペレータにより受信した呼び出し信号に応答されると、オペレータ音声通信装置141は、呼制御処理部24に、呼び出し信号に関わる応答信号を通知する(送信する)(F018)。呼制御処理部24は、オペレータ音声通信装置141から、呼び出し信号に関わる応答信号を受信すると、当該オペレータのオペレータ音声通信装置141と顧客音声通信装置131との間を接続して音声通話を確立させる(F019)。また、呼制御処理部24は、オペレータ管理処理部26に当該オペレータを「通話中」状態に変更するよう要求し(F020)、オペレータ管理処理部26は、当該オペレータの状態を「着信予約呼出中」から「通話中」に変更する(F021)。これにより、顧客とオペレータとの間で音声通話が確立し、通話が開始される。
ここで、F019は、第3ステップの一例である。
【0044】
なお、ここでの動作の説明では、顧客が顧客音声通信装置131および顧客テキスト通信装置132を所持し、オペレータがオペレータ音声通信装置141およびオペレータテキスト通信装置142を所持する場合を例に挙げて説明した。つまり、顧客やオペレータが音声通話とテキストチャットとを別装置で行う場合(例えば、音声通話を電話機で行い、テキストチャットをPCで行う場合)を想定していた。しかしながら、顧客が顧客通信装置130(
図1参照)を使用することや、オペレータがオペレータ通信装置140(
図1参照)を使用することも当然に可能である。
【0045】
≪第1実施形態の変形例≫
ここでは、顧客に送信するオペレータを特定するための情報をオペレータ識別子としているが、都度システムで数字列をランダムに発生させてオペレータ識別子の代わりに顧客に送信し、その発生させた数字列とシステムで固定的にオペレータを管理しているオペレータ識別子とを関連付けることで、顧客による同一番号の再利用を防ぐ構成としてもよい。
ここで、顧客に送信するオペレータを特定するための情報は、第1識別情報の一例である。
【0046】
テキストチャットから音声通話に移行する際にオペレータテキスト通信装置142から顧客テキスト通信装置132へ送信される電話番号とオペレータ識別子は、オペレータが入力してもよいし、オペレータテキスト通信装置142にデータとして予め用意しておき、かつオペレータのテキストチャット画面上に送信用ボタンを用意しておき、そのボタンを押下することで自動送信するようにしてもよい。また、アプリケーション処理部21に送信用データして予め用意しておき、かつオペレータのテキストチャット画面上に送信用ボタンを用意しておき、そのボタンを押下することで自動送信するようにしてもよい。
【0047】
テキストチャットから音声通話に移行する際に、オペレータテキスト通信装置142から顧客テキスト通信装置132へ送信される電話番号は、直接オペレータ識別子を入力可能な電話番号でもよいし、IVR処理部23により音声ガイダンスでテキストチャットから音声通話に移行するオプションを含んだメニューを提示可能な電話番号でもよく、後者の場合は、例えば顧客にテキストチャットから音声通話に移行するオプションを選択させてからオペレータ識別子を入力させるような操作手順となる。
【0048】
また、
図2Aの処理ステップ(F006)において、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)は、音声通話に移行する際に、テキストチャットの内容が確認できるように、当該装置の表示部に表示されるテキストチャットに関わる表示領域(ウィンドウ)を終了しなくてもよい。
【0049】
また、
図2Aの処理ステップ(F006)で、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)の表示部に表示されるテキストチャットに関わる表示領域(ウィンドウ)が終了する場合、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)は、
図2Aの処理ステップ(F006)までのテキストチャットに関わる情報を、次のように表示してもよい。
ここで、
図2Aの処理ステップ(F006)において、当該テキストチャットに関わる情報と顧客の識別情報とが関連付けた情報としてCRMデータベース部に記憶され、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)は、
図2Bの処理ステップ(F015、F018、F019)で、CRMデータベース部から、当該テキストチャットに関わる情報を受信し、当該装置の表示部に表示してもよい。
【0050】
また、
図2Aの処理ステップ(F006)において、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)は、音声通話に移行する際に、引き続き顧客の顧客情報の内容が確認できるように、当該装置の表示部に表示される顧客の顧客情報に関わる表示領域(ウィンドウ)を終了しなくてもよい。
【0051】
また、
図2Aの処理ステップ(F006)で、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)の表示部に表示される顧客の顧客情報に関わる表示領域(ウィンドウ)が終了する場合、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)は、
図2Bの処理ステップ(F015、F018、F019)で、CRMデータベース部から、顧客情報を受信し、当該装置の表示部に表示してもよい。ここで、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)が表示する顧客情報は、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)で表示された顧客情報と同じ情報でも異なった情報でもよい。
さらに、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)は、
図2Bの処理ステップ(F015、F018、F019)で、CRMデータベース部から、当該顧客の識別情報を受信し、当該装置の表示部に表示または音声出力部に出力してもよい。ここで、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)が表示/出力する顧客情報は、オペレータテキスト通信装置142(オペレータ通信装置140)で表示された顧客情報と同じ情報でも異なった情報でもよい。
【0052】
また、第1実施形態では、コンタクトセンタサーバ120において、アプリケーション処理部21が通信処理部25を有する構成について記載したが、通信処理部25は、コンタクトセンタサーバ120と別の中継装置にて構成されてもよい。
ここで、コンタクトセンタサーバ120と中継装置(通信処理部25を有する)は、通信処理システムの一例である。
【0053】
以上のように、第1実施形態では、顧客がテキストチャットから音声通話に移行するための電話番号とオペレータを特定するための情報をテキスト情報でコンタクトセンタサーバ120から受け取る。そして、顧客が受け取ったテキスト情報を利用してコンタクトセンタサーバ120に発信することで、テキストチャットを行っていたオペレータと音声通話を継続できる。そのため、顧客にとって利便性がよい。第1実施形態に係るコンタクトセンタサーバ120による通信処理方法は、顧客がテキストチャットと音声通話とで異なるデバイスを利用している場合に特に有効である。
【0054】
≪第2実施形態≫
[構成]
図3は、第2実施形態のコンタクトセンタサーバの詳細構成図である。
コンタクトセンタサーバ220は、顧客に提供するコンタクトセンタサービスの処理を実行するサーバ装置である。コンタクトセンタサーバ220は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶手段と、ネットワークインタフェースとを有するコンピュータとして構成される。このコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラムを実行することにより、各種機能が実現される。
ここで、コンタクトセンタサーバ220は、通信処理装置の一例であり、顧客は、利用者の一例であり、記憶手段は、記億部の一例である。
【0055】
コンタクトセンタサーバ220は、アプリケーション処理部51と、OS(Operating System)処理部22とを有する。
コンタクトセンタサーバ220は、公衆網151を介して1または複数の顧客通信装置130や、1または複数の顧客音声通信装置131および顧客テキスト通信装置132と通信可能に接続している。なお、ここでの顧客テキスト通信装置132は、音声を外部に出力するスピーカを備える。また、コンタクトセンタサーバ220は、構内通信網152を介して1または複数のオペレータ通信装置140や、1または複数のオペレータ音声通信装置141およびオペレータテキスト通信装置142と通信可能に接続している。
ここで、公衆網151、構内通信網152は、ネットワークの一例である。公衆網151の具体例は、IP(Internet Protocol)ネットワーク、PSTN(Public Switched Telephone Network)、携帯電話網などである。
またここで、構内通信網152の別称は、LAN(Local Area Network)である。なお、オペレータとコンタクトセンタサーバ220が同一の施設内に存在しない場合(例:オペレータが在宅勤務の場合)、コンタクトセンタサーバ220は、構内通信網152の代わりに、ネットワークの一例であるWAN(Wide Area Network)を介して1または複数のオペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)と通信可能に接続されていてもよい。
【0056】
(アプリケーション処理部51)
アプリケーション処理部51は、コンタクトセンタサーバ220が提供する所定のサービスを実現する1または複数のアプリケーションを処理する。
アプリケーション処理部51は、IVR(Interactive Voice Response:自動音声応答)処理部53と、呼制御処理部54と、通信処理部55と、オペレータ管理処理部56と、チャット管理部57と、制御データベース61とを有する。ここでは、アプリケーション処理部51が備える各機能の概要を説明し、詳細は後記する動作で説明する。
ここで、IVR処理部53は、第2処理部の一例であり、呼制御処理部54は、第3処理部の一例であり、通信処理部55は、第1処理部の一例である。さらに、チャット管理部57は、第4処理部の一例である。
【0057】
(IVR処理部53)
IVR処理部53は、第1実施形態のIVR処理部23と同様の機能を有する。また、IVR処理部53は、その他に、音声認識技術を用いて顧客音声通信装置131から受信した音声を文字に変換する機能を有する。
【0058】
(呼制御処理部54)
呼制御処理部54は、第1実施形態の呼制御処理部24と同様の機能を有する。また、呼制御処理部54は、その他に、特定のオペレータにあった通話を他のオペレータで代用可能か否かを判断する機能を有する。
【0059】
(通信処理部55)
通信処理部55は、第1実施形態の通信処理部25と同様の機能を有する。
【0060】
(オペレータ管理処理部56)
オペレータ管理処理部56は、第1実施形態のオペレータ管理処理部26と同様の機能を有する。
【0061】
(チャット管理部57)
チャット管理部57は、顧客とオペレータとの間で行われるテキストチャットを管理する機能を有する。例えば、チャット管理部57は、テキストチャットにおける顧客とオペレータとの組み合わせを一意に識別する一意IDや証明する認証キーを生成および削除する機能を有する。また、チャット管理部57は、顧客とオペレータとの間で行われたテキストチャットからキーワードを抽出する機能を有する。
また、チャット管理部57は、テキストチャットを行う顧客とオペレータとの組み合わせを一意に証明する認証キーを音声ファイルとして生成する機能、当該音声ファイルを格納するアドレスの生成する機能や、その音声ファイルを顧客テキスト通信装置132(顧客通信装置130も含む)にストリーム再生する機能を有する。
また、チャット管理部57は、抽出されたキーワードを音声に変換して、オペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141を含む)に通知する機能を有する。
【0062】
(制御データベース61)
制御データベース61は、通信制御に関する種々の情報が格納される。ここでの制御データベース61は、音声アドレス情報テーブル62と、テキスト情報テーブル63と、オペレータ情報テーブル64とを格納している。
さらに、制御データベース61は、チャット管理部57で生成された音声ファイル(テキストチャットを行う顧客とオペレータとの組み合わせを一意に証明する認証キーに関わる音声ファイル)を格納する。
なお、ここではコンタクトセンタサーバ220のアプリケーション処理部51が制御データベース61を備える構成を示しているが、制御データベース61の格納される場所は特に限定されない。例えば、アプリケーション処理部51の各機能が制御データベース61を分割して備える構成であってもよいし、コンタクトセンタサーバ220とは別の装置が備える構成であってもよい。
【0063】
(アプリケーション処理部51の変形例)
アプリケーション処理部51は、さらに、CRMデータベース部(図示せず)を有してもよい。
CRMデータベース部は、例えば、顧客に関わる情報や、顧客とオペレータとの間でやり取りされたことに関わる情報などを管理するものである。
また、CRMデータベース部は、オペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)の表示部に対して、当該オペレータ通信装置140と接続される顧客通信装置130の顧客情報や、当該オペレータ通信装置140のオペレータと当該顧客通信装置130の顧客との間でやり取りされた情報などを表示する。
CRMデータベース部は、オペレータ通信装置140の表示部に情報を表示するタイミングとして、オペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)と顧客通信装置130との間で接続されるとき(または、接続前、接続前及び接続されるとき、接続されるとき及び接続後、接続後、接続前から接続後まで)や、オペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)から情報の表示を要求されたときなどである。
ここで、CRMは、Customer Relationship Managementの略称である。
【0064】
図4を参照して、制御データベース61に格納される音声アドレス情報テーブル62の構成について説明する。
図4は、音声アドレス情報テーブル62の構成例である。
音声アドレス情報テーブル62は、一意ID(Identification)と、顧客情報と、オペレータIDと、認証キーと、音声URL(Uniform Resource Locator)とからなる。
【0065】
一意IDは、チャットにおける顧客とオペレータとの組み合わせを一意に識別する情報であり、ここでは数字を例示している。
顧客情報は、顧客を識別するXML情報であり、例えば、顧客名、顧客テキスト通信装置132(または顧客通信装置130)のIPアドレス等が該当する。
オペレータIDは、顧客にチャットで対応するオペレータを一意に識別する情報であり、ここでは、「ααα」,「βββ」を例示している。
認証キーは、顧客とオペレータIDとの組み合わせを一意に証明するキーであり、ここでは複数桁の数字を例示している。
音声URLは、認証キーをURLに変換したものであり、このURLに移動すると認証キーを音声変換して再生する。音声変換は、電話のダイアルキーに対応するプッシュボタン信号(PB信号)(DTMF(Dual Tone Multiple Frequency)信号)への変換であっても良い。
ここで、認証キーは、第1識別情報の一例である。
【0066】
図5を参照して、制御データベース61に格納されるテキスト情報テーブル63の構成について説明する。
図5は、テキスト情報テーブル63の構成例である。
一意IDは、音声アドレス情報テーブル62(
図4参照)の一意IDと同じであり、チャットにおける顧客とオペレータとの組み合わせを一意に識別する情報である。
テキストは、顧客とオペレータとのチャットを記録したXML情報である。
キーワードは、顧客とオペレータとのチャットから特定の単語群を抽出したデータである。
【0067】
図6を参照して、制御データベース61に格納されるオペレータ情報テーブル64の構成について説明する。
図6は、オペレータ情報テーブル64の構成例である。
オペレータIDは、音声アドレス情報テーブル62(
図4参照)のオペレータIDと同じであり、顧客にチャットで対応するオペレータを一意に識別する情報である。
状態情報は、オペレータの状態であり、通話中や待機中などが存在する。
チャット数は、オペレータがチャットを行っている顧客の数である。
【0068】
[動作]
図7および
図8A〜
図8Cを参照して(適宜、
図3参照)、第2実施形態の動作フロー(電話接続処理)について説明する。ここでは、顧客が顧客音声通信装置131および顧客テキスト通信装置132を所持し、オペレータがオペレータ音声通信装置141およびオペレータテキスト通信装置142を所持する場合を例に挙げて説明する。つまり、顧客やオペレータが音声通話とテキストチャットとを別装置で行う場合(例えば、音声通話を電話機で行い、テキストチャットをPCで行う場合)を想定する。また、オペレータ音声通信装置141およびオペレータテキスト通信装置142は、コンタクトセンタ業務を提供するに足る数だけ存在するものとする。
ここで、
図7および
図8A〜
図8Cは、コンタクトセンタサーバ220に関わる構成において、IVR処理部53、呼制御処理部54、チャット管理部57、および制御データベース61について、記載する。
【0069】
またここで、
図7および
図8A〜
図8Cは、コンタクトセンタサーバ220に関わる構成において、通信処理部55の処理について、省略して記載する。
なお、通信処理部55は、コンタクトセンタサーバ220とオペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)との間で、音声、テキストなどのメディア(情報)をやり取りする、コンタクトセンタサーバ220とオペレータ通信装置間における接続などの通信制御に関わる制御信号をやり取りする際に、中継処理部として機能する。
通信処理部55は、コンタクトセンタサーバ220と顧客通信装置130(顧客音声通信装置131、顧客テキスト通信装置132を含む)との間で、音声、テキストなどのメディア(情報)をやり取りする、コンタクトセンタサーバ220と顧客通信装置間における接続などの通信制御に関わる制御信号をやり取りする際に、中継処理部として機能する。
通信処理部55は、オペレータ通信装置140(オペレータ音声通信装置141、オペレータテキスト通信装置142を含む)と顧客通信装置130(顧客音声通信装置131、顧客テキスト通信装置132を含む)との間で、コンタクトセンタサーバ220を介して、音声、テキストなどのメディア(情報)をやり取りする、接続などのオペレータ通信装置と顧客通信装置間における接続などの通信制御に関わる制御信号をやり取りする際に、中継処理部として機能する。
【0070】
最初に、顧客Xとオペレータαとが、顧客Xの顧客テキスト通信装置132とオペレータαのオペレータテキスト通信装置142とを用いてチャットを開始する(F201)。コンタクトセンタサーバ220のチャット管理部57は、チャットの一意IDおよび認証キーを生成する(F202)。この生成は、制御データベース61の音声アドレス情報テーブル62に対して行われる。チャットの一意IDの生成を行うタイミングはチャットの開始直後が望ましい。一方、認証キーの生成を行うタイミングはチャットが開始した後であればよく、例えば顧客から音声通話の要求があった場合などに生成してもよい。また、オペレータ管理処理部56(
図3参照)は、制御データベース61のオペレータ情報テーブル64(
図6参照)を更新する。また、チャット管理部57は、チャットの内容を制御データベース61のテキスト情報テーブル63(
図5参照)に格納する。
ここで、F201の処理、およびF202の処理は、例えば、呼制御処理部54から指示信号をトリガーにして、実行される。
【0071】
次に、オペレータは、オペレータテキスト通信装置142を操作して、認証キーが格納されているアドレス(音声URL)をチャットで顧客テキスト通信装置132に送信する(F203)。このアドレスを送信するタイミングは、任意の時期であってよく、例えば顧客から音声通話の要求があった場合などに送信してもよい。アドレスの送信は、通信処理部55を介して行われる。さらに、アドレスの送信の際、テキストチャットから音声通話に移行するためのコンタクトセンタサーバ120の電話番号も、送信される。
これにより、顧客Xの顧客テキスト通信装置132のチャット画面には、認証キーが格納されているアドレス(音声URL)が表示される。さらに、チャット画面には、電話番号も表示される。
ここで、アドレス(音声URL)は、例えば、オペレータテキスト通信装置142が、制御データベース61から読み出された上で、顧客テキスト通信装置132に送信されてもよい。また、アドレス(音声URL)は、オペレータテキスト通信装置142から制御データベース61への指示に基づいて、チャット管理部57から読み出された上で、顧客テキスト通信装置132に送信されてもよい。
【0072】
次に、顧客Xは、顧客音声通信装置131を用いて、先に受信したテキストチャットから音声通話に移行するためのコンタクトセンタサーバ220の電話番号に発信する。呼制御処理部54は、顧客音声通信装置131からの発信について、音声通話に関わる着信呼として、着信する。呼制御処理部54は、顧客音声通信装置131からの発信について着信すると、IVR処理部53に対して、顧客音声通信装置131から着信したことと、顧客音声通信装置131が発信の際に使用した発信先の電話番号とを通知する(F204)。
コンタクトセンタサーバ220のIVR処理部53は、呼制御処理部54から通知を受けると、認証キーの入力を促す音声メッセージを再生し、顧客Xの顧客音声通信装置131にこの音声メッセージを流す(F205)。これに対して、顧客Xは、顧客テキスト通信装置132に表示されるチャット画面上の認証キーのアドレス(音声URL)を選択して、顧客テキスト通信装置132でアドレスに対応する音声をストリーム再生し、再生された音声について顧客音声通信装置131を用いてコンタクトセンタサーバ220に送信する(F206)。
【0073】
具体的には、顧客テキスト通信装置132は、顧客Xによって認証キーのアドレスが選択されると、選択された認証キーのアドレス(音声URL)をコンタクトセンタサーバ220のチャット管理部57に送信する(F206a)。チャット管理部57は、制御データベース61にアクセスして、受信したアドレスに格納される認証キーの音声ファイルを抽出する。チャット管理部57は、抽出した音声ファイルを用いて、通信処理部55を介してストリーム再生し(F206b)、ストリーム再生された音声は顧客テキスト通信装置132のスピーカから出力される。顧客Xは、顧客テキスト通信装置132のスピーカから出力される音声としての認証キーを顧客音声通信装置131のマイクで拾い(取り込み)、顧客音声通信装置131は認証キーの音声をコンタクトセンタサーバ220に送信する(F206c)。なお、顧客Xがストリーム再生された音声(認証キー)について顧客音声通信装置131でPB信号(DTMF信号)を用いてコンタクトセンタサーバ220に送信してもよい。
ここで、受信したアドレスに格納される認証キーは、第1識別情報の一例であり、F206bは、第1ステップの一例である。
【0074】
次に、コンタクトセンタサーバ220のIVR処理部53は、認証キーの音声を受け取り、受け取った音声に合致する認証キーが存在するか否かを確認する(F207)。この確認は音声アドレス情報テーブル62(
図4参照)を用いて行われ、例えば音声認識技術を用いて顧客音声通信装置131から受信した音声を文字(ここでは数字)に変換することにより行われる。音声に合致する認証キーが存在しない場合には、IVR処理部53は、顧客音声通信装置131に再度の認証キー入力を促す音声メッセージを流す(F221)。
ここで、F207は、第2ステップの一例である。
【0075】
一方、「F207」で音声に合致する認証キーが存在する場合、コンタクトセンタサーバ220のIVR処理部53は、呼制御処理部54に、認証キーが存在することを通知し、呼制御処理部54は、IVR処理部53から通知を受けると、オペレータαが通話中であるか否かを確認する(F208)。この確認は、オペレータ管理処理部56を介してオペレータ情報テーブル64(
図6参照)を参照して行われる。
【0076】
オペレータαが通話中ではない場合に、コンタクトセンタサーバ220の呼制御処理部54は、顧客Xの顧客音声通信装置131とオペレータαのオペレータ音声通信装置141との間を接続し、音声通話を確立させ、顧客Xとオペレータαとは通話を開始する(F211)。
また、F211の処理において、呼制御処理部54は、オペレータ管理処理部56を介して、オペレータ情報テーブル64(
図6参照)にアクセスし、オペレータαに関わる状態を、待機中から通話中に変更する。
そして、顧客Xとオペレータαとの通話が正常終了した後で、コンタクトセンタサーバ220の呼制御処理部54は、チャット管理部57に、通話が正常終了したことを通知し、チャット管理部57は、呼制御処理部54からの通知を受けて、制御データベース61の音声アドレス情報テーブル62に格納される該当の認証キーと認証キーのアドレス(音声URL)を削除する(F212)。
また、F212の処理において、呼制御処理部54は、オペレータ管理処理部56を介して、オペレータ情報テーブル64(
図6参照)にアクセスし、オペレータαに関わる状態を、通話中から待機中に変更する。
ここで、F211は、第3ステップの一例である。
【0077】
オペレータが通話中である場合(F208)、コンタクトセンタサーバ220の呼制御処理部54は、他のオペレータで代用可能か否かを判断する(F222)。この判断は、オペレータ情報テーブル64(
図6参照)を用いて行い、現在進行のチャット数が少ない順に選択する。他のオペレータで代用できない場合に、呼制御処理部54は、通信処理部55を介してオペレータαのオペレータテキスト通信装置142に通話開始を促すメッセージを送信する(F231)。また、呼制御処理部54は、さらにIVR処理部53に、通話開始を促すメッセージの送信に関わる処理を行ったことを示す情報を通知し、IVR処理部53は、呼制御処理部54からの通知を受けて、顧客Xの顧客音声通信装置131に通話を受付中であることを示す音声メッセージを送信する(F232)。
【0078】
一方、他のオペレータで代用できる場合、コンタクトセンタサーバ220の呼制御処理部54は、他のオペレータで代用できることを示す情報を、チャット管理部57に通知し、チャット管理部57は、呼制御処理部54からの通知を受けて、顧客Xとオペレータαとの間で行われたチャットからキーワードを、制御データベース61にアクセスして抽出する(F209)。抽出したキーワードは、テキスト情報テーブル63(
図5参照)に格納される。このキーワードの抽出は、辞書等を用いて行われても良い。そして、チャット管理部57は、テキスト情報テーブル63(
図5参照)に格納されるキーワードを用いて、他のオペレータ(ここでは「オペレータβ」が選択されたものとする。)のオペレータ音声通信装置141に、通話のキーワードを音声で流す(F210)。
ここで、チャット管理部57は、顧客Xとオペレータαとの間で行われたチャットと、当該チャットから抽出されたキーワードを、オペレータβのオペレータテキスト通信装置142の表示部に、表示させてもよい。
【0079】
次に、コンタクトセンタサーバ220のチャット管理部57は、通話キーワードについて再生完了を示す情報を通知し、呼制御処理部54は、チャット管理部57からの通知を受けて、顧客Xの顧客音声通信装置131とオペレータβのオペレータ音声通信装置141との間の音声通話を確立させ、顧客Xとオペレータβとは通話を開始する(F211)。
また、F211の処理において、呼制御処理部54は、オペレータ管理処理部56を介して、オペレータ情報テーブル64(
図6参照)にアクセスし、オペレータβに関わる状態を、待機中から通話中に変更する。
そして、顧客Xとオペレータβとの通話が正常終了した後で、コンタクトセンタサーバ220の呼制御処理部54は、チャット管理部57に、通話が正常終了したことを通知し、チャット管理部57は、呼制御処理部54からの通知を受けて、制御データベース61の音声アドレス情報テーブル62に格納される該当の認証キーと認証キーのアドレスを削除する(F212)。
また、F212の処理において、呼制御処理部54は、オペレータ管理処理部56を介して、オペレータ情報テーブル64(
図6参照)にアクセスし、オペレータβに関わる状態を、通話中から待機中に変更する。
【0080】
なお、ここでの動作の説明では、顧客が顧客音声通信装置131および顧客テキスト通信装置132を所持し、オペレータがオペレータ音声通信装置141およびオペレータテキスト通信装置142を所持する場合を例に挙げて説明した。つまり、顧客やオペレータが音声通話とテキストチャットとを別装置で行う場合(例えば、音声通話を電話機で行い、テキストチャットをPCで行う場合)を想定していた。しかしながら、顧客が顧客通信装置130(
図3参照)を使用することや、オペレータがオペレータ通信装置140(
図3参照)を使用することも当然に可能である。その場合、例えば、チャット画面の音声URLを選択することで取得した認証キーの音声を顧客通信装置130内で送信側のチャネルに繋いで、認証キーの音声をコンタクトセンタサーバ220に送信する。また、チャット画面の音声URLを選択することで顧客通信装置130から出力された認証キーの音声を、その顧客通信装置130(つまり、同一の装置)のマイクで拾い、マイクで拾った認証キーの音声をコンタクトセンタサーバ220に送信してもよい。
【0081】
≪第2実施形態の変形例≫
ここでは、テキストチャットを行う顧客とオペレータとの組み合わせを一意に証明する認証キーを音声入力することで一段階の認証を行っていた。しかしながら、認証の回数や認証に使用する情報はこれに限定されるものではない。例えば、音声URLを選択した後や認証キーを音声入力した後に顧客の識別情報(例えば、名前)を入力するようにして二段階で認証を行ってもよい。
【0082】
以上のように、第2実施形態では、テキストチャットから音声通話に切り替える場合に、顧客が顧客テキスト通信装置132に表示されるチャット画面上の認証キーのアドレスを選択して音声を再生する。一方、顧客は顧客音声通信装置131を用いてコンタクトセンタサーバ220に発信し、コンタクトセンタサーバ220との音声通話を確立する。そして、顧客は確立している音声通話を介して、再生された認証キーの音声を送信することで、テキストチャットを行っていたオペレータと音声通話を継続できる。そのため、顧客にとって利便性がよい。
【0083】
また、第2実施形態では、テキストチャットから音声通話に切り替える場合において、顧客とテキストチャットを行っていたオペレータが他の顧客と音声通話を行っているときには、他のオペレータで代用が可能であるか否かを計算する。そして、代用が可能である場合には他のオペレータに呼を繋ぐため、顧客の待ち時間を短縮することができる。
さらに、他のオペレータに呼を繋いだ際に、テキストチャットから抽出したキーワードを繋いだ他のオペレータに聞かせるので、オペレータがテキストチャットの概要を予め把握した状態で顧客と通話を開始することができる。
【0084】
また、第2実施形態では、認証キーの音声ファイルをアドレスで表現し、顧客は顧客テキスト通信装置132に表示されるアドレスを選択することで認証キーの音声をストリーム再生する。そして、顧客とオペレータとの通話が正常終了した後で、コンタクトセンタサーバ220が認証キーと認証キーのアドレスを削除することで、顧客側(顧客テキスト通信装置132や顧客音声通信装置131)に認証キーの音声ファイルが残っていても、これらの情報の使い回しを防ぐことができる。
また、第2実施形態では、コンタクトセンタサーバ220において、アプリケーション処理部51が通信処理部55を有する構成について記載したが、通信処理部55は、コンタクトセンタサーバ220と別の中継装置にて構成されてもよい。
ここで、コンタクトセンタサーバ220と中継装置(通信処理部55を有する)は、通信処理システムの一例である。