【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)株式会社ALL−A内、令和元年11月13日試験 (2)株式会社ALL−A内、令和元年12月21日試験 (3)トレイクかたがみ内、令和2年1月9日試験 (4)株式会社ALL−A内、令和2年1月11日試験 (5)トレイクかたがみ内、令和2年1月16日試験 (6)潟上市天王福祉センター内、令和2年1月27日試験 (7)株式会社ALL−A内、令和2年2月1日試験 (8)株式会社ALL−A内、令和2年2月15日試験 (9)潟上市天王福祉センター内、令和2年2月17日試験 (10)秋田魁新報 令和2年2月20日付あきた経済面、株式会社秋田魁新報社、令和2年2月20日発行 (11)https://www.sakigake.jp/news/photo/20200220AK0012/2/、株式会社秋田魁新報社、令和2年2月20日掲載 (12)トレイクかたがみ内、令和2年2月27日試験
【文献】
フレイルチェックについて,神戸市介護予防専門部会(平成29年度第1回)資料4[online],[2021年5月31日検索],インターネット<URL: https://www.city.kobe.lg.jp/a46210/shise/committee/hokenfukushikyoku/iryovision/291027ichiran.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記識別情報に基づいて前記受診者を識別し、前記受診者ごとの前記問診部による問診及び前記測定部による測定の実施状態の更新を受け付け、前記受診者の通過管理を行う管理部、
を更に備え、
前記結果出力部は、前記実施状態と、前記問診部及び前記測定部によって取得されるデータの収集状況とを表示し、前記健診結果の出力を行うか否かの指示を受け付ける
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のフレイル健診システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、フレイル健診システムの概要を示す図である。
図1に示すように、フレイル健診システム1は、フレイル健診を集団で行うことを効率的に支援するシステムであり、データベースを有するサーバ2と、フレイル健診の受診者に関する情報の入力を受け付け、受診者を識別可能な識別情報を含む受付票33を出力する受付部3と、フレイル健診の質問を表示し、質問に対する回答の入力を受け付ける問診部4と、フレイル健診の測定を行う測定部6と、問診部4及び測定部6によって取得されるデータを収集し、健診結果を出力する結果出力部7と、を備え、問診部4、測定部6及び結果出力部7は、受付票33の識別情報に基づいて受診者を識別し、受診者ごとに処理を実行する。
【0016】
更に、フレイル健診システム1は、受付票33の識別情報に基づいて受診者を識別し、受診者ごとの問診部4による問診及び測定部6による測定の実施状態の更新を受け付け、受診者の通過管理を行う管理部5と、一部の測定結果を一時的に記憶する外部記憶装置9と、を備える。
【0017】
サーバ2は、例えば、データセンター等に配置されるサーバ用コンピュータであり、ネットワーク8を介して他の端末や装置と接続される。
【0018】
受付部3は、フレイル健診の受付担当者によって使用される受付端末31、及び受付端末31に接続される受付プリンタ32等によって構成され、フレイル健診の健診場所に配置される。受付端末31は、例えば、ノートPC(「Personal Computer」の略)やタブレット端末であり、ネットワーク8を介してサーバ2と接続される。受付プリンタ32は、受付票33として印刷される印刷用紙を備える。
【0019】
問診部4は、フレイル健診の受診者によって使用される問診端末41等によって構成され、フレイル健診の健診場所に配置される。問診端末41は、例えば、タブレット端末やスマートフォンであり、ネットワーク8を介してサーバ2と接続される。
【0020】
管理部5は、フレイル健診の案内担当者によって使用される管理端末51等によって構成され、フレイル健診の健診場所に配置される。管理端末51は、例えば、タブレット端末やスマートフォンであり、ネットワーク8を介してサーバ2と接続される。
【0021】
測定部6は、運動機能を測定する運動機能測定システム61、体組成を測定する体組成測定装置62、身長を測定する身長計63、握力を測定する握力計64等によって構成され、フレイル健診の健診場所に配置される。
【0022】
運動機能測定システム61は、例えば、ノートPC又はデスクトップPC等の制御装置(後述の
図4及び
図6参照)を有し、制御装置がネットワーク8を介してサーバ2と接続される。また、運動機能測定システム61は、受診者の歩行速度を測定する歩行速度測定部10、及び受診者の立位バランスを測定する立位バランス測定部20等を備える。
【0023】
結果出力部7は、フレイル健診の結果出力担当者によって使用される結果出力端末71、及び結果出力端末71に接続され、フレイル健診の結果を示す結果報告書73を出力する結果出力プリンタ72等によって構成され、フレイル健診の健診場所に配置される。結果出力端末71は、例えば、ノートPC(「Personal Computer」の略)やタブレット端末であり、ネットワーク8を介してサーバ2と接続される。結果出力プリンタ72は、結果報告書73として印刷される印刷用紙を備える。
【0024】
外部記憶装置9は、例えば、USBメモリ等の着脱式記憶装置であり、体組成測定装置62に装着され、体組成測定装置62の測定結果を記憶する。また、外部記憶装置9は、適宜のタイミングで、フレイル健診の結果出力担当者によって結果出力端末71に装着され、結果出力端末71が測定結果を取得する。これによって、結果出力端末71は、通信手段がない体組成測定装置62に対しても、測定結果を取得できる。
【0025】
サーバ2、受付端末31、問診端末41、管理端末51、結果出力端末71、及び運動機能測定システム61の制御装置は、制御部としてのCPU(「Central Processing Unit」の略)、主記憶部としてのメモリ、補助記憶部としてのHDD(「Hard Disk Drive」の略)やフラッシュメモリ、表示部としての液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ、入力部としてのキーボードやマウス、タッチパネルディスプレイ、有線通信部としてのLAN(Local Area Network)ケーブル又は無線通信部としての無線モジュール等を備える。
【0026】
補助記憶部としてのHDDやフラッシュメモリには、OS(「Operating System」の略)、アプリケーションプログラム、処理に必要なデータ等が記憶されている。CPUは、補助記憶部からOSやアプリケーションプログラムを読み出して主記憶部に格納し、主記憶部にアクセスしながら、その他の機器を制御し、後述する処理を実行する。
【0027】
更に、受付端末31、問診端末41、管理端末51、結果出力端末71、及び運動機能測定システム61の制御装置は、QRコード(登録商標)を読み取り可能なQRコード(登録商標)リーダーを備える。
【0028】
尚、受付部3及び結果出力部7は、ハードウエアを共用しても良い。すなわち、受付端末31を結果出力端末71として利用しても良いし、受付プリンタ32を結果出力プリンタ72として利用しても良い。同様に、問診端末41及び管理端末51は、ハードウエアを共用しても良い。すなわち、問診端末41を管理端末51として利用しても良い。
【0029】
図2は、フレイル健診システムのデータベースの一例を示す図である。
図2に示すデータベースのデータは、サーバ2に保存される。但し、一部のデータは、受付端末31、問診端末41、管理端末51、結果出力端末71、及び運動機能測定システム61の制御装置等に保存されても良い。
【0030】
図2(a)に示す受診者テーブル100は、フレイル健診の受診者の情報を記憶するトランザクションテーブルであって、例えば、フレイル健診の会場を一意に識別する会場コード101と、会場単位で受診者を一意に識別する受診者ID102と、受診者の氏名103、生年月日104、性別105、住所106及び電話番号107と、受診者がペースメーカーを装着しているか否かを示すペースメーカー有無108と、を含む。
【0031】
会場コード101は、フレイル健診の会場の情報を記憶するマスターテーブルである会場マスタ(不図示)と紐付けられる。受診者ID102は、受診者を識別可能な識別情報の一つである。
【0032】
図2(b)に示す受付テーブル110は、フレイル健診の受付の情報を記憶するトランザクションテーブルであって、例えば、会場コード101と同一の会場コード111と、受診日時112と、受付ごとに自動的に採番される受診番号113と、受診者ID102と同一の受診者ID114と、問診部4による問診の実施状態を示す通過(問診)115と、測定部6による各測定の実施状態を示す通過(身体測定)116、通過(身体機能測定)117及び通過(体組成測定)118と、を含む。
【0033】
通過(問診)115、通過(身体測定)116、通過(身体機能測定)117及び通過(体組成測定)118は、「0:未到達」、「1:実施中」、「2:実施済」、「255:実施せず」、のいずれかの値である。会場によっては、実施しないものもあるため、実施するものについては初期値を「0:未到達」とし、実施しないものについては初期値を「255:実施せず」とする。
【0034】
同じ受診者が同日に同じ会場で複数回受診しないことを前提とすれば、会場単位で受診番号113と受診者ID114は1対1に対応するので、受診番号113は、受診者を識別可能な識別情報の一つである。受診者テーブル100と受付テーブル110は、会場コード101、111及び受診者ID102、114によって紐付けられる。
【0035】
図2(c)に示す受診結果テーブル120は、フレイル健診の受診結果の情報を記憶するトランザクションテーブルであって、会場コード101と同一の会場コード121と、受診日時112と同一の受診日時122と、受診番号113と同一の受診番号123と、受診結果の項目を一意に識別する項目コード124と、項目コード124に係る項目の結果値125と、項目コード124に係る項目の名称として結果報告書73に表示される結果表示126と、を含む。
【0036】
受診結果の項目は、例えば、「身長」、「体重」、「体脂肪率」等の身体測定/体組成測定に関する項目、「歩行テスト」、「立位バランステスト」等の運動機能測定に関する項目等である。項目コード124及び結果表示126は、フレイル健診の項目の情報を記憶するマスターテーブルである項目マスタ(不図示)と紐付けられる。受付テーブル110と受診結果テーブル120は、会場コード111、121、受診日時112、122及び受診番号113、123によって紐付けられる。
【0037】
図2(d)に示す判定コメントテーブル130は、フレイル健診の受診結果に含まれる判定コメントの情報を記憶するトランザクションテーブルであって、会場コード101と同一の会場コード131と、受診日時112と同一の受診日時132と、受診番号113と同一の受診番号133と、受診結果の判定項目を一意に識別する判定項目コード134と、判定項目コード134に係る判定項目の判定値135と、判定項目コード134に係る判定項目の略称として結果報告書73に表示される略称136と、判定項目コード134に係る判定項目のコメントとして結果報告書73に表示されるコメント137と、を含む。
【0038】
受診結果の判定項目は、例えば、総合判定、栄養、運動、認知、体組成、社会参加等の判定項目である。判定項目コード134は、フレイル健診の項目の情報を記憶するマスターテーブルである項目マスタ(不図示)と紐付けられる。略称136及びコメント137は、フレイル健診の判定コメントの情報を記憶するマスターテーブルである判定コメントマスタ(不図示)と紐付けられる。受付テーブル110と判定コメントテーブル130は、会場コード111、131、受診日時112、132及び受診番号113、133によって紐付けられる。
【0039】
図3は、フレイル健診システムの処理の流れを示すフローチャートである。受診者が受付場所に到着すると、受付担当者が受診者に氏名等を確認する。そして、
図3に示すように、フレイル健診システム1は、受診者の受付処理を実行する(ステップS1)。受付端末31は、受付担当者による受診者の情報の入力を受け付け、受診者テーブル100に事前に登録済か否か確認する。未登録であれば、受付端末31は、受診者IDを採番し、受診者テーブル100に受診者の情報を登録する。また、受付端末31は、受診番号を採番し、受付テーブル110に受付の情報を登録する。そして、受付端末31は、受診者を識別可能な識別情報として、例えば、受診者ID又は受診番号と、受診者ID又は受診番号に基づいて作成されるQRコード(登録商標)とを含む印刷データを受付プリンタ32に送信する。受付プリンタ32は、印刷データを受信すると、受付票33を出力する。
【0040】
次に、受付担当者は、例えば、首掛けストラップ付の透明のホルダに受付票33を入れ、受診者に渡す。受診者は、受付票33が入ったホルダを首に掛けた状態で受診する。ここで、受診者は一定の人数でグループを形成し、案内担当者がグループごとに問診場所や測定場所へ案内することが望ましい。これによって、高齢者であっても、スムーズに健診を受けることができる。案内担当者が携行する管理端末51は、QRコード(登録商標)リーダーによって、担当するグループの全受診者の受付票33に印刷されているQRコード(登録商標)を読み取るか、受診者ID又は受診番号の入力を受け付け、記憶部に記憶するとともに、担当する受診者の情報をサーバ2から取得し、表示部に表示する。
【0041】
次に、フレイル健診システム1は、フレイル健診の問診処理を実行する(ステップS2)。問診端末41は、QRコード(登録商標)リーダーによって、受診者の受付票33に印刷されているQRコード(登録商標)を読み取るか、受診者ID又は受診番号の入力を受け付ける。これによって、問診端末41は、受診者を識別し、受診者の識別情報をサーバ2に送信する。又は、管理端末51が、入力部を介して「問診開始」の選択を受け付け、受診者の識別情報と「問診開始」の指示情報をサーバ2に送信しても良い。そして、サーバ2は、受付テーブル110の通過(問診)115の値を「1:実施中」に更新する。そして、問診端末41は、フレイル健診の質問票における質問文と回答の選択肢を表示部に表示し、受診者による選択肢の選択を受け付け、回答結果をサーバ2に送信する。サーバ2は、受診結果テーブル120に回答結果を記憶する。
【0042】
フレイル健診の質問票は、例えば、厚生労働省によって作成されたものであり、高齢者の特性を踏まえて健康状態を総合的に把握するため、健康状態、心の健康状態、食習慣、口腔機能、体重変化、運動・転倒、認知機能、喫煙、社会参加、ソーシャルサポートの10類型に整理され、15項目の質問で構成されている。例えば、健康状態に関する質問文は、「あなたの現在の健康状態はいかがですか」であり、回答の選択肢は、「(1)よい、(2)まあよい、(3)ふつう、(4)あまりよくない、(5)よくない」の5つである。尚、質問票の内容自体は、将来変更される可能性があり、本発明の実施の形態では、特に限定されるものではない。
【0043】
次に、フレイル健診システム1は、受診者の通過管理処理を実行する(ステップS3)。問診端末41は、全ての回答を受け付けると、受診者の識別情報をサーバ2に送信する。又は、管理端末51が、入力部を介して「問診終了」の選択を受け付け、受診者の識別情報と「問診終了」の指示情報をサーバ2に送信しても良い。そして、サーバ2は、受付テーブル110の通過(問診)115の値を「2:実施済」に更新する。
【0044】
次に、案内担当者は、各測定の測定場所に受診者を案内する。ここで、管理端末51は、測定部6による各測定の実施状態の更新を受け付ける。本実施の形態では、測定処理は、身体測定、身体機能測定及び体組成測定である。管理端末51は、入力部を介して「身体測定開始」、「身体機能測定開始」又は「体組成測定開始」のいずれかの選択を受け付け、受診者の識別情報と選択される指示情報をサーバ2に送信する。そして、サーバ2は、選択される指示情報に従い、受付テーブル110の通過(身体測定)116、通過(身体機能測定)117又は通過(体組成測定)118のいずれかの値を「1:実施中」に更新する。尚、受診者テーブル100のペースメーカー有無108が「有」の受診者に対しては、管理端末51は、体組成測定を実施しないように、警告メッセージを表示部に表示する。
【0045】
次に、フレイル健診システム1は、フレイル健診の測定処理を実行する(ステップS4)。身体測定は、身長計63及び握力計64による測定であり、測定が終了すると、管理端末51が測定結果の入力を受け付け、サーバ2に送信する。身体機能測定は、運動機能測定システム61による測定であり、測定が終了すると、運動機能測定システム61の制御装置が、間欠的にサーバ2に測定結果を送信する。体組成測定は、体組成測定装置62による測定であり、測定が終了すると、体組成測定装置62は、外部記憶装置9に測定結果を記憶する。外部記憶装置9は、間欠的に結果出力端末71に装着され、結果出力端末71が測定結果を取得し、サーバ2に送信する。そして、サーバ2は、受診結果テーブル120に測定結果を記憶する。
【0046】
実施予定の全ての測定が終了していない場合(ステップS6のNo)、受診者は、未到達の測定場所に移動する。そして、フレイル健診システム1は、ステップS4から繰り返す。一方、実施予定の全ての測定が終了している場合(ステップS6のYes)、受診者は、結果出力場所に移動する。そして、フレイル健診システム1は、健診結果の出力処理を実行する(ステップS7)。
【0047】
ステップS7では、結果出力部7は、受診者ごとの問診部4による問診及び測定部6による各測定の実施状態と、問診部4及び測定部6によって取得されるデータの収集状況とを表示し、健診結果の出力を行うか否かの指示を受け付ける。具体的には、結果出力端末71は、QRコード(登録商標)リーダーによって、受診者の受付票33に印刷されているQRコード(登録商標)を読み取るか、受診者ID又は受診番号の入力を受け付ける。これによって、問診端末41は、受診者を識別し、受診者の識別情報をサーバ2に送信する。サーバ2は、受付テーブル110の通過(問診)115〜通過(体組成測定)118と、受診結果テーブル120のデータとを検索し、結果出力端末71に送信する。そして、結果出力端末71は、実施状態及び受診結果データの収集状況を表示部に表示する。
【0048】
前述の通り、運動機能測定の測定結果は、運動機能測定システム61の制御装置によって間欠的にサーバ2に送信され、体組成測定の測定結果は、適宜のタイミングで外部記憶装置9及び結果出力端末71を介してサーバ2に送信される。従って、各測定が実施されてから、サーバ2が測定結果を収集し、記憶するまでの間にタイムラグが生じる。そこで、本実施の形態では、健診結果の出力を行う前に、結果出力部7が、実施状態及び受診結果データの収集状況を表示部に表示することによって、結果出力担当者が、実施済の測定に関する受診結果が全て揃っているか否かを確認できるようにしている。
【0049】
結果出力端末71が、健診結果の出力を行う旨の指示を受け付けると、サーバ2又は結果出力端末71が、予め定められている判定条件に従って、問診部4及び測定部6によって取得されるデータの判定を行い、判定結果を判定コメントテーブル130に記憶する。サーバ2又は結果出力端末71は、フレイル健診の項目ごとに、性別、年齢下限値、年齢上限値、結果下限値及び結果上限値の各条件と、条件を満たす場合の判定値とを対応付けて記憶するマスターテーブルである判定条件マスタ(不図示)を備え、判定条件マスタに従って判定を行う。そして、結果出力端末71は、受診結果テーブル120及び判定コメントテーブル130のデータを取得し、結果報告書73の印刷データを生成し、結果出力プリンタ72に送信する。結果出力プリンタ72は、印刷データを受信すると、結果報告書73を出力する。
【0050】
図3に示すフローチャートでは、問診処理の後に測定処理を実行するものとしたが、測定処理の後に問診処理を実行しても良い。また、測定処理における身体測定、身体機能測定及び体組成測定は、一部のみの実施でも良いし、順序も問わない。
【0051】
以上の通り、フレイル健診システム1は、フレイル健診の受診者に関する情報の入力を受け付け、受診者を識別可能な識別情報を含む受付票33を出力する受付部3と、フレイル健診の質問を表示し、質問に対する回答の入力を受け付ける問診部4と、フレイル健診の測定を行う測定部6と、問診部4及び測定部6によって取得されるデータを収集し、健診結果を出力する結果出力部7と、を備え、問診部4、測定部6及び結果出力部7は、識別情報に基づいて受診者を識別し、受診者ごとに処理を実行する。これによって、受診者の識別を正確かつ迅速に行うことができるので、フレイル健診を集団で効率的に行うことを支援できる。
【0052】
また、フレイル健診システム1は、識別情報に基づいて受診者を識別し、受診者ごとの問診部4による問診及び測定部6による測定の実施状態の更新を受け付け、受診者の通過管理を行う管理部5、を更に備え、結果出力部7は、実施状態と、問診部4及び測定部6によって取得されるデータの収集状況とを表示し、健診結果の出力を行うか否かの指示を受け付ける。これによって、結果出力担当者は、何を実施したのかと、実施済の問診や測定に関する受診結果データが全て揃っているか否かを確認できるので、受診漏れやデータの取得漏れを容易にチェックすることができ、フレイル健診を集団で効率的に行うことを支援できる。
【0053】
以下では、
図4〜
図7を参照しながら、運動機能測定システム61の歩行速度測定部10及び立位バランス測定部20について説明する。尚、運動機能測定システム61は、30秒間に何回椅子からの立ち上がりができるかを評価する30秒椅子立ち上がりテスト(CS−30)等の測定機能も有し、フレイル健診の様々な運動機能測定を行うことが可能である。
【0054】
図4は、歩行速度測定部の平面視模式図である。
図4に示すように、歩行速度測定部10は、受診者が歩行するマット11と、マット11上に設けられ、開始位置の目印となる開始線12と、マット11上に設けられ、終了位置の目印となる終了線13と、マット11上に設けられ、歩行軌跡の目印となる中心線14と、圧力を検知するスイッチ素子15を有し、マット11の下に配置されるマットスイッチ16(=第1マットスイッチ16a〜第6マットスイッチ16f)と、測定に関する情報を表示するモニタ17と、スイッチ素子15及びモニタ17と接続される制御装置18と、によって構成される。尚、マット11には、後述する立位バランス測定部20による測定の目印となる4本の境界線19も設けられる。
【0055】
本実施の形態では、開始線12から終了線13までの直線距離は4mである。マットスイッチ16は、幅方向及び幅方向と直交する長手方向を有する矩形形状であって、幅方向に離間し、長手方向に伸びる直線状の3本のスイッチ素子15が内蔵されている。スイッチ素子15の長手方向の寸法は675mmである。
【0056】
マットスイッチ16は、受診者が歩行を開始する開始位置(=開始線12の手前側)及び受診者が歩行を終了する終了位置(=終了線13の手前側及び奥側)に配置される。より詳細には、第1マットスイッチ16aは、開始線12の手前側かつ中心線14の左側、第2マットスイッチ16bは、開始線12の手前側かつ中心線14の右側、第3マットスイッチ16cは、終了線13の手前側かつ中心線14の左側、第4マットスイッチ16dは、終了線13の手前側かつ中心線14の右側、第5マットスイッチ16eは、終了線13の奥側かつ中心線14の左側、第6マットスイッチ16fは、終了線13の奥側かつ中心線14の右側に配置される。
【0057】
第1マットスイッチ16a及び第2マットスイッチ16bは、隣接するスイッチ素子15同士が互いに100mmの等間隔で配置される。第3マットスイッチ16cは、右端部から15mm、55mm、155mmの位置にそれぞれスイッチ素子15が配置される。第4マットスイッチ16dは、左端部から15mm、55mm、155mmの位置にそれぞれスイッチ素子15が配置される。第5マットスイッチ16eは、右端部から75mm、225mm、325mmの位置にそれぞれスイッチ素子15が配置される。第6マットスイッチ16fは、左端部から75mm、225mm、325mmの位置にそれぞれスイッチ素子15が配置される。
【0058】
モニタ17は、受診者が圧迫感を感じて歩行速度を無意識に落とさないように、終了線13から十分な距離を取って、受診者が歩行する方向と対向する側に映像が表示されるように配置される。尚、図示はしていないが、マットスイッチ16のスイッチ素子15には、信号を伝送するためのリード線がはんだ付けされ、リード線を介してスイッチ素子15と制御装置18が接続されている。制御装置18は、どのマットスイッチ16が圧力を検知しているのかを識別可能である。
【0059】
測定を開始する前、受診者は、開始線12の手前側であって、受診者左足LFが中心線14の左側、受診者右足RFが中心線14の右側に位置するように立つ。第1マットスイッチ16aが受診者左足LFの圧力を検知するとともに、第2マットスイッチ16bが受診者右足RFの圧力を検知すると、制御装置18は、モニタ17に準備完了の旨を表示させる。
【0060】
そして、制御装置18は、受診者の足、すなわち受診者左足LF又は受診者右足RFのいずれかが開始位置から離れていることをスイッチ素子15が検知してから、受診者の足が終了位置に着いていることをスイッチ素子15が検知するまでの時間を歩行時間として測定する。制御装置18は、開始位置から終了位置までの距離、すなわち開始線12から終了線13までの距離を予め記憶しておき、歩行速度を算出する。これによって、測定者が目視で確認したり、手動でストップウォッチを押したりして測定を行う必要がないため、人手を削減でき、測定者によって測定結果にバラつきが生じることもない。また、受診者は、特別な準備をする必要がなく、測定時間も短縮できる。従って、フレイル健診の歩行速度測定を集団で効率的に行うことを支援できる。
【0061】
本実施の形態では、歩行速度測定部10の歩行時間の測定終了条件は、受診者左足LF又は受診者右足RFのいずれかが、終了線13を完全に超えることである。従って、制御装置18は、終了線13の奥側に配置されるマットスイッチ16(=第5マットスイッチ16e又は第6マットスイッチ16f)が受診者の足が着いていることを検知しても、終了線13の手前側に配置されるマットスイッチ16(=第3マットスイッチ16c又は第4マットスイッチ16d)が受診者の足が着いていることを検知している間は、歩行時間の測定終了条件を満たしていないと判定する。そして、制御装置18は、終了線13の手前側に配置されるマットスイッチ16が受診者の足が着いていることを検知せず、終了線13の奥側に配置されるマットスイッチ16が受診者の足が着いていることを検知すると、歩行時間の測定終了条件を満たすと判定する。これによって、受診者左足LF又は受診者右足RFのいずれかが、終了線13を完全に超えていることを正確に判定することができ、歩行速度を精度良く測定することができる。
【0062】
図5は、歩行時間の測定終了条件を説明する図である。
図5(a)に示す例では、受診者左足LFが終了線13の第3マットスイッチ16cと第5マットスイッチ16eに跨り、受診者右足RFが第6マットスイッチ16fに位置している。表140aは、このときの第3マットスイッチ16c〜第6マットスイッチ16fの検知状態を示しており、左下のマスに示される第3マットスイッチ16cの検知状態がON、右下のマスに示される第4マットスイッチ16dの検知状態がOFF、左上のマスに示される第5マットスイッチ16eの検知状態がON、右上のマスに示される第6マットスイッチ16fの検知状態がONである。この状態であれば、歩行速度測定部10の測定終了条件を満たす。また、表140bは、表140aと受診者の左右の足が逆の状態、すなわち受診者右足RFが第4マットスイッチ16dと第6マットスイッチ16fに跨り、受診者左足LFが第5マットスイッチ16eに位置しているときの検知状態を示している。表140bの状態でも、歩行時間の測定終了条件を満たす。
【0063】
図5(b)に示す例では、受診者左足LFが第3マットスイッチ16cよりも手前に位置し、受診者右足RFが第6マットスイッチ16fに位置している。表140cは、このときの第3マットスイッチ16c〜第6マットスイッチ16fの検知状態を示しており、この状態であれば、歩行速度測定部10の測定終了条件を満たす。また、表140dは、表140cと受診者の左右の足が逆の状態、すなわち受診者右足RFが第4マットスイッチ16dよりも手前に位置し、受診者左足LFが第5マットスイッチ16eに位置しているときの検知状態を示している。表140dの状態でも、歩行時間の測定終了条件を満たす。
【0064】
図5(c)に示す例では、受診者左足LFが第3マットスイッチ16cに位置し、受診者右足RFが第6マットスイッチ16fに位置している。表140eは、このときの第3マットスイッチ16c〜第6マットスイッチ16fの検知状態を示しており、この状態であれば、歩行速度測定部10の測定終了条件を満たす。また、表140fは、表140eと受診者の左右の足が逆の状態、すなわち受診者右足RFが第4マットスイッチ16dに位置し、受診者左足LFが第5マットスイッチ16eに位置しているときの検知状態を示している。表140fの状態でも、歩行時間の測定終了条件を満たす。
【0065】
図6は、立位バランス測定部の平面視模式図及び身体支持具の左側面視模式図である。立位バランス測定は、受診者が何も掴まらずに、所定の立位姿勢で所定の時間(=例えば10秒間)連続して立位保持ができるか否かをテストする。本実施の形態では、歩行速度測定部10及び立位バランス測定部20は、マット11、マットスイッチ16、モニタ17及び制御装置18を共用する。
【0066】
図6(a)及び
図6(b)に示すように、立位バランス測定部20は、受診者が立つマット11と、圧力を検知するスイッチ素子15を有し、マット11の下に配置されるマットスイッチ16と、マット11上に設けられ、受診者の立位位置の目印となる3本の境界線19と、ハンドグリップ213(=左ハンドグリップ213a及び右ハンドグリップ213b)を有する身体支持具21と、受診者の手がハンドグリップ213から離れていること及び受診者の手がハンドグリップ213を掴んでいることのいずれかを検知するセンサ22(=左センサ22a及び右センサ22b)と、測定に関する情報を表示するモニタ17と、スイッチ素子15及びモニタ17と接続される制御装置18と、によって構成される。尚、マット11には、前述の歩行速度測定部10の測定において目印となる終了線13や中心線14も設けられている。
【0067】
身体支持具21は、いずれも棒状の前方フレーム211、左フレーム212a、右フレーム212b及び4本の脚フレーム214が端部同士で連結され、全体が直方体の形状をなすとともに、
図6(a)に示す鉛直上方からの平面視では、前方フレーム211と対向する後方部分が開いているコの字形状をなす。
図6(b)に示すように、4本の脚フレーム214は、鉛直方向に起立し、前方フレーム211、左フレーム212a及び右フレーム212bを支持する。脚フレーム214同士は、前方フレーム211、左フレーム212a及び右フレーム212bの下方において、3本の補強フレーム215によって連結され、強度の補強がなされている。但し、身体支持具21は、この例に限定されるものではなく、受診者が立位バランス測定の前後に自らの身体を支持するために掴まることが可能なハンドグリップ213を有すれば良く、例えば、既存の歩行器等を用いても良い。
【0068】
センサ22は、例えば、検出体自体の表面反射により動作する拡散反射形の光電センサであって、検出体に光を照射する投光部と、検出体からの反射光を受光する受光部が一体の筐体に収納されたものである。左センサ22aは、左フレーム212aの上方かつ左ハンドグリップ213aよりも前方に固定され、受診者左手LHが左ハンドグリップ213aを掴んでいるか否かを検出できるように設置する。同様に、右センサ22bは、右フレーム212bの上方かつ右ハンドグリップ213bよりも前方に固定され、受診者右手RHが右ハンドグリップ213bを掴んでいるか否かを検知できるように設置する。図示はしていないが、センサ22は、有線又は無線によって制御装置18と接続されている。制御装置18は、受診者の手がハンドグリップ213を掴んでいるか否かを判定可能である。
【0069】
本実施の形態では、マットスイッチ16は、幅方向及び幅方向と直交する長手方向を有する矩形形状であって、幅方向に離間し、長手方向に伸びる直線状の4本のスイッチ素子15が内蔵されている。スイッチ素子15の長手方向の寸法は675mmである。立位バランス測定部20による測定は、第3マットスイッチ16c〜第6マットスイッチ16fを用いる。
【0070】
第3マットスイッチ16cは、右端部から15mm、55mm、155mmの位置にそれぞれスイッチ素子15が配置される。第4マットスイッチ16dは、左端部から15mm、55mm、155mmの位置にそれぞれスイッチ素子15が配置される。第5マットスイッチ16eは、右端部から75mm、225mm、325mmの位置にそれぞれスイッチ素子15が配置される。第6マットスイッチ16fは、左端部から75mm、225mm、325mmの位置にそれぞれスイッチ素子15が配置される。
【0071】
境界線19は、幅方向に離間し、長手方向に伸びる4本の直線であって、それぞれ、第5マットスイッチ16eの右端部から75mm、225mmの位置に配置される2本のスイッチ素子15、及び第6マットスイッチ16fの日あり端部から75mm、225mmの位置に配置される2本のスイッチ素子15と同一の位置に設けられる。測定を開始する前、受診者は、スイッチ素子15を踏まない位置に立つ必要がある。境界線19をスイッチ素子15と同一の位置に設けることによって、受診者は、スイッチ素子15を踏まずに立てる位置を容易に確認でき、スムーズに測定を開始できる。尚、図示はしていないが、スイッチ素子15には、信号を伝送するためのリード線がはんだ付けされ、リード線を介してスイッチ素子15と制御装置18が接続されている。制御装置18は、スイッチ素子15が圧力を検知しているか否かを判定可能である。
【0072】
図7は、立位バランス測定の開始位置を説明する図である。本実施の形態における立位バランス測定の立位姿勢は、
図7(a)に示すように、両足を近づけ、つま先を揃えた状態の閉脚立位、
図7(b)に示すように、一方の足の踵と他方の足の親指を近づけた状態のセミタンデム立位、及び
図7(c)に示すように、一方の足の踵と他方の足のつま先を近づけ、両足を前後に揃えた状態のタンデム立位の3つである。
【0073】
測定を開始する前、
図7(a)に示す閉脚立位では、受診者は、境界線19を踏まないように、受診者左足LFを右端から2本目と3本目の境界線19の間、受診者右足RFを右端から1本目と2本目の境界線19の間に位置し、両足のつま先を揃えて立つ。
図7(b)に示すセミタンデム立位では、受診者は、境界線19を踏まないように、受診者左足LFを右端から2本目と3本目の境界線19の間、受診者右足RFを右端から1本目と2本目の境界線19の間に位置し、一方の足の踵と他方の足の親指を近づけて立つ。
図7(c)に示すタンデム立位では、受診者は、境界線19を踏まないように、受診者左足LF及び受診者右足RFの両方とも右端から1本目と2本目の境界線19の間に位置し、一方の足の踵と他方の足のつま先を近づけ、両足を前後に揃えて立つ。
【0074】
また、
図6(a)に示すように、受診者は、自らの身体を支持するために、受診者左手LHで左ハンドグリップ213aに掴まり、受診者右手RHで右ハンドグリップ213bに掴まる。この状態で、マットスイッチ16が受診者の両足の圧力を検知せず、センサ22が受診者の両手がハンドグリップ213に掴まっていることを検知すると、制御装置18は、モニタ17に準備完了の旨を表示させる。
【0075】
そして、制御装置18は、受診者の一方の手がハンドグリップ213から離れていることをセンサ22が検知してから、受診者の一方の足が初期の立位位置から離れていることをマットスイッチ16が検知するか、又は受診者の一方の手がハンドグリップ213を再度掴んでいることをセンサ22が検知するまでの時間を立位保持時間として測定する。制御装置18は、いずれかのセンサ22が検出体を検出しなくなると、受診者の手がハンドグリップ213から離れていると判定し、マットスイッチ16が圧力を検知すると、受診者の足が初期の立位位置から離れていると判定し、いずれかのセンサ22が再度検出体を検出すると、受診者の手がハンドグリップ213を再度掴んでいると判定する。
【0076】
制御装置18は、受診者の足が初期の立位位置から離れていると判定するか、又は受診者の手がハンドグリップ213を再度掴んでいると判定すると、測定を終了し、モニタ17に測定終了の旨を表示させる。また、制御装置18は、立位保持時間が10秒を超えた場合も測定を終了し、モニタ17に測定終了の旨を表示させる。これによって、測定者が目視で確認したり、手動でストップウォッチを押したりして測定を行う必要がないため、人手を削減でき、測定者によって測定結果にバラつきが生じることもない。また、受診者は、特別な準備をする必要がなく、測定時間も短縮できる。従って、フレイル健診の歩行速度測定を集団で効率的に行うことを支援できる。
【0077】
また、立位バランス測定部20は、身体を支持するために手で掴むことが可能なハンドグリップ213を有する身体支持具21を備えるので、高齢者であっても、安全に立位バランス測定を実施できる。
【0078】
尚、歩行速度測定部10及び立位バランス測定部20は、前述の通り、一部のハードウエアや器具を共用しても良いし、別のハードウエアを使用しても良い。すなわち、モニタ17や制御装置18は、共用しても良いし、別のハードウエアを使用しても良い。同様に、マット11やマットスイッチ16は、共用しても良いし、別の器具を使用しても良い。
【0079】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係るフレイル健診システムの好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【解決手段】フレイル健診システム1は、フレイル健診の受診者に関する情報の入力を受け付け、受診者を識別可能な識別情報を含む受付票33を出力する受付部31と、フレイル健診の質問を表示し、質問に対する回答の入力を受け付ける問診部4と、フレイル健診の測定を行う測定部6と、問診部4及び測定部6によって取得されるデータを収集し、健診結果を出力する結果出力部と、を備え、問診部4、測定部6及び結果出力部7は、受診者の識別情報に基づいて受診者を識別し、受診者ごとに処理を実行する。