(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6943418
(24)【登録日】2021年9月13日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】下半身用装着具
(51)【国際特許分類】
A41B 9/02 20060101AFI20210916BHJP
【FI】
A41B9/02 Z
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-92484(P2017-92484)
(22)【出願日】2017年5月8日
(65)【公開番号】特開2018-188770(P2018-188770A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229162
【氏名又は名称】日本ソリッド株式会社
(72)【発明者】
【氏名】波多野 倫
【審査官】
北中 忠
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−290362(JP,A)
【文献】
米国特許第06202263(US,B1)
【文献】
登録実用新案第3196912(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3194515(JP,U)
【文献】
特開平09−119001(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/163186(WO,A1)
【文献】
登録実用新案第3023129(JP,U)
【文献】
実開平06−076304(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3010167(JP,U)
【文献】
米国特許第05406942(US,A)
【文献】
特開平04−105649(JP,A)
【文献】
特開昭61−239002(JP,A)
【文献】
特開2015−178691(JP,A)
【文献】
米国特許第8657770(US,B1)
【文献】
実開平2−118524(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3113340(JP,U)
【文献】
特開2004−105508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮管内に蛇腹状に紐状体を設け、該伸縮性管で輪状体を構成し、該構成された輪状体の内輪側にベルトの両端部をそれぞれ対向する輪状体に支持し、かつ固定ベルトを輪状体前面の半円弧の中央部から、前記輪状体に支持されたベルトの支持部に設けたことを特徴とする下半身用装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下半身用装着具に係り、さらに詳しくは健康増進、作業軽減に効果的な下半身用装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来下半身を鍛える健康器具類としては、バイク、足こぎローラ、バランスボール、ロープ、コルセット、タイツ等種々のものが提案されている。しかしながら、これらの健康器具は一長一短があって満足する器具がないのが現状である。特に腹部、腰部、大腿部、脚部および臀部を同時に鍛錬する器具はなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者は、そこで腹部、腰部、大腿部、脚部および臀部を同時に鍛錬すると共に重量物の持ち上げ作業、介護作業等をも軽減し得る下半身用装着具について種々研究を重ねた結果本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、本発明は、伸縮性管の内に紐状体を蛇腹状に挿入し、該伸縮性管および紐状体の端部同志を固着させて輪状体を構成し、該輪状体にベルトを設けることを特徴とする下半身用装着具である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の下半身用装着具を用いることによって、姿勢の矯正並びに腹部、腰部、大腿部、脚部および臀部を鍛えると共に重量物の持ち上げ作業、介護作業等を軽減することができる。またフィックス性が良く、体の適用サイズ範囲が広く同じ大きさのもので使用でき、長時間装着ができる。さらに万が一下半身用装着具を装着している時に、伸縮性管が破断した場合でも内に紐状体が入っているので飛び散って使用者にけがを負わせることもない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】紐状体端部の結合状態を示した一部拡大正面図である。
【
図5】本発明の他の態様を示す下半身用装着具の斜視図である。
【
図8】
図4に示す下半身用装着具を装着したときの身体の背面部の装着状態を示す使用状態図である。
【
図9】
図4に示す下半身用装着具を装着したときの身体の前面部の装着状態を示す使用状態図である。
【
図10】
図5に示す下半身用装着具を装着したときの身体の背面部の装着状態を示す使用状態図である。
【
図11】
図5に示す下半身用装着具を装着したときの身体の前面部の装着状態を示す使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に本発明を図面を参照しながら説明をする。
まず伸縮性管1に紐状体2を蛇腹状に挿入する方法について説明する。所定の長さを有する伸縮性管1内に、該伸縮性管1の長さより長い紐状体2を挿通する。次に伸縮性管1の一端を紐状体2と一体となるように接着剤等を用いて封着固定する。次に伸縮性管1と紐状体2とが封着された部位を基点として伸縮性管1を伸ばし、その状態で伸縮性管1の端部を紐状体2と一体となるように固定する。この固定作業が完了したら、伸縮性管1の延伸した状態を開放することによって
図1に示すように伸縮性管1の内部に紐状体2を蛇腹状に設け、紐状体2入り伸縮性管3を調製することができる。
【0008】
次にこの紐状体2入り伸縮性管3の端部における紐状体2の端部同志を適宜の手段を用いて固着する。例えば
図2に示すように紐状体2の端部を重ね合わせて、接着剤、テープ4等を用いて固着する。伸縮性管1に挿入された紐状体2の端部を固着した後、次に伸縮性管1の端部同志を接合等により結合させ固着すると
図3に示すような紐状体2入り伸縮性管3による輪状体5が調製される。
【0009】
輪状体5が調製されたら、次に
図4に示すように輪状体5に2点支持のベルト6を設ける。このベルト6の長さは所定のものでも良いが、長さが調整できる止め具付きのベルトが好ましい。またベルト6の輪状体5への支持部7も固定してもよいが、遊動状態に設けることが好ましい。
【0010】
また本発明の下半身用装着具を長時間装着したり、加齢により臀部の盛り上がりが無くなった場合には、
図5に示すように臀部に掛けた輪状体5の部分がずれないように、例えばベルト6の支持部7と輪状体5の半円弧の中央部8にズレ防止の固定ベルト9を固定することが好ましい。
この固定ベルト9は長さを調節できるように、長さの調節機能を有する止め具を左右それぞれに1個ずつ設けることが好ましい。
【0011】
本発明の下半身用装着具に用いられる伸縮性管1の素材としては、生ゴム等のゴム類、伸縮性合成樹脂等が揚げられるが、破断等の現象が少ない特に生ゴムが好適である。また伸縮性管1の形状も
図6に示すような丸型の穴口10を有するものや
図7に示すように偏平状の伸縮性管1に長方形の口穴11を有する等種々の形状のものが使用できる。
【0012】
使用する紐状体2としては、ロープ等の丸型のものや、リボン型の偏平ベルト等が掲げられる。また紐状体2の素材としては、綿、麻、絹等の天然繊維、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリ塩化ビニリデン系、アラミド系、ポリアリレート系、超高分子ポリエチレン系等の合成繊維が掲げられる。
【0013】
使用するベルト6としては、丸型のものや、リボン型の偏平ベルト等が掲げられるが、丸型のものが好ましい。またベルト6の素材としては、革および綿、麻、絹等の天然繊維、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリ塩化ビニリデン系、アラミド系、ポリアリレート系、超高分子ポリエチレン系等の合成繊維が掲げられる。
【0014】
次に本発明の下半身用装着具の使用方法について説明する。
まず
図4に示す下半身用装着具の場合は、輪状体5を支持部7の部位で2つ折りにし半円形状にする。次に半円形状にした輪状体5内に身体を入れ、
図8に示すように半円形状の輪状体5の一方を腰部に装着し、他方を臀部の下方に掛ける。また身体の前面に位置するベルト6は
図9に示すように腰部に装着する。
【0015】
次に
図5に示す下半身用装着具の装着方法について説明する。
まず輪状体5を支持部7の部位で2つ折にして半円形状にする。次に輪状体5と固定ベルト9との間にそれぞれ右足と左足を挿通し、次に輪状体5の中央部8に固定されている半円形状の輪状体5を臀部の下部に引っ掛けるように装着し、他方の半円形状の輪状体5を腰部に装着する。このようにすることによって臀部に装着した輪状体5は固定ベルト9によって常に下方に引っ張られた状態になっているので臀部から抜けることがない。この装着状態を示すと
図10および
図11のような装着状態となる。
【0016】
本発明の下半身用装着具を下半身に付けて徒歩をしたり、屈伸運動等をすることによって、輪状体5の伸縮作用により腹部、腰部、大腿部、脚部、臀部を鍛えることができる。また重量物等を持つ場合にも、一部分に掛かる力を分散させて減衰されるため、作業の軽減を計ることができる。
【0017】
また本発明の下半身用装着具を下半身に付けての日常生活等の無意識の運動を行った場合においても、紐状体2入り伸縮性管3による適度な伸びと輪状体5に設けたベルト6の組み合わせにより、保持性に優れズレが少なく、疲れず、姿勢を元に戻す働きによって姿勢の矯正効果が有り、長時間装着していることができる。さらに輪状体5を装着した腰部、臀部およびベルト6の位置する腹部の部位における効果として、腰部、腹部の引き締めおよび臀部のUPを計ることができる。
【符号の説明】
【0018】
1・・・伸縮性管
2・・・紐状体
3・・・紐状体入り伸縮性管
5・・・輪状体
6・・・ベルト
9・・・固定ベルト