(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出上の特典を除き、賞球の獲得量(遊技球の払い出し)に関して有利であることを指す。
【0010】
<本発明の特徴>
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。なお、当該特徴を説明するにあたり、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、当該説明以降の遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
【0011】
本発明は、表示手段(演出表示装置80)と、
上記表示手段の表示を制御する表示制御手段(第1副制御基板200及び第2副制御基板300)と、
を備え、発射された遊技球が所定の領域(第1始動口センサ70、第2始動口センサ71)を通過したことに基づいて当否判定に用いる乱数を取得し、乱数が取得された場合に変動開始条件が充足されるまで取得された乱数に対応する図柄変動の開始を保留する遊技機であって、
上記表示制御手段は、
終了していない図柄変動の少なくとも一部に対応する特定表示を実行するものであって、
上記特定表示として、第一の特定表示(下部保留表示領域811に表示される画像)及び第二の特定表示(上部保留表示領域821に表示される画像)を実行するものであり、
上記第一の特定表示は、
当該第一の特定表示に対応する図柄変動の数を特定可能とするものであって、
所定の図柄変動に少なくとも対応するものであり、
上記第二の特定表示は、
当該第二の特定表示に対応する図柄変動の数を特定可能とするものであって、
上記所定の図柄変動に少なくとも対応するものであり、
上記第一の特定表示及び上記第二の特定表示のうちの少なくともいずれか一方は、
上記所定の図柄変動に加え、上記所定の図柄変動とは異なる図柄変動に対応するものであり、
所定の条件(対決演出中に装飾図柄がリーチ状態となること)が充足された場合に、上記第一の特定表示によって当該第一の特定表示に対応する図柄変動の数が特定可能となる状態が維持される一方、
上記所定の条件が充足された場合に、上記第二の特定表示の少なくとも一部が視認困難となることで、当該第二の特定表示によって当該第二の特定表示に対応する図柄変動の数が特定不能となり、
実行される図柄変動には、第一の図柄変動(特図変動パターンPX4が導出された図柄変動)と、上記当否判定によって有利な判定がなされる期待度が当該第一の図柄変動よりも高い第二の図柄変動(特図変動パターンPY1が導出された図柄変動、又は特図変動パターンPY2が導出された図柄変動)と、があり、
上記所定の条件は、
上記第二の図柄変動が実行されている期間において充足されるものであることを特徴とする遊技機である。
【0012】
本発明によれば、遊技球の発射が停止されてしまう可能性が高い図柄変動において、遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くすることができる。
【0013】
なお、上記特定表示は、保留されている特
図2の図柄変動に対応する画像に限らず、保留されている特
図2の図柄変動と変動中の特
図2の図柄変動を合わせた図柄変動を対象にしてもよい。さらに、後述する本実施形態とは異なるが、特
図1の図柄変動及び特
図2の図柄変動の双方が保留されている場合に、保留されている特
図2の図柄変動が優先的に実行されない(保留されたタイミングが古い図柄変動から順に実行される)ゲーム性を採用した場合には、保留されている特
図1の図柄変動と保留されている特
図2の図柄変動を合わせた図柄変動(実行中の図柄変動を合わせてもよい)を対象にしてもよい。すなわち、上記特定表示は、終了していない図柄変動(実行中の図柄変動を含む、連続的に実行される(保留されたタイミングが古い順に実行される)図柄変動)を対象とすればよい。
【0014】
さらに、上記特定表示は、当該特定表示に対応する図柄変動の数と同数の保留画像で構成される表示方法に限らず、当該特定表示に対応する図柄変動の数が特定可能な表示方法(態様)であれば、一つにまとまった画像(例えば、当該画像に対応する図柄変動の数字を模した画像)とする表示方法であってもよいし、当該図柄変動の数とは異なる数の画像とする表示方法であってもよく、上記第一の特定表示の表示方法と、上記第二の特定表示の表示方法は、同一の表示方法であってもよいし、異なる表示方法であってもよい。
【0015】
また、上記第一の特定表示が表示される表示装置と、上記第二の特定表示が表示される表示装置は、後述する本実施形態のように別の表示装置であってもよいし、同一の表示装置であってもよい。さらに、それぞれの表示装置は、液晶表示装置に限らず、ランプ等の表示装置であってもよく、それぞれの表示装置が別の表示装置である場合には、第一の特定表示が表示される表示装置がランプであり、且つ第二の特定表示が表示される表示装置が液晶表示装置である等、それぞれの表示装置の種類が異なっていてもよい。
【0016】
また、上記所定の条件は、後述する本実施形態における条件(対決演出中に装飾図柄がリーチ状態となること)に限らず、種々の条件を採用してもよい。さらに、上記所定の条件が充足される図柄変動は、対決演出が実行される図柄変動に限らず、上述の演出モードが切り替わる図柄変動等、どのような図柄変動を採用してもよい。
【0017】
また、上記第二の特定表示によって上記第二の特定表示に対応する図柄変動の数が特定不能となるとは、後述する本実施形態のように、上記第二の特定表示のすべてが視認困難となる場合に限らず、上記第二の特定表示の一部が視認困難となることで上記第二の特定表示によって上記第二の特定表示に対応する図柄変動の数が特定不能となるようになることも含む。
【0018】
また、後述する本実施形態では、上記第一の特定表示に対応する図柄変動の数、及び上記第二の特定表示に対応する図柄変動の数は、いずれも2以上である場合を例に説明するが、後述の説明で矛盾が生じなければ、上記第一の特定表示に対応する図柄変動の数、及び上記第二の特定表示に対応する図柄変動の数の少なくともいずれか一方を1としてもよい。
【0019】
また、上記第二の図柄変動は、本実施形態のように、特
図2の特図当否判定によって大当りが導出されていることを告知する対決演出が(大当りとなるか否かを告知する演出としてもよい)が実行される図柄変動等、上記当否判定によって有利な判定がなされる期待度が上記第一の図柄変動よりも高い図柄変動であればよい。
【0020】
上記の特徴を有する遊技機10について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0021】
<遊技機10の構造について>
まず、
図1から
図4を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図である。
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す鳥瞰図である。
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
なお、
図1から
図4に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0022】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、「遊技領域50a」と称す)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
【0023】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示省略)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0024】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0025】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、後述する主制御基板100に電気的に接続されているメイン操作部39として、玉貸ボタン39a、及びプリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bが設けられ、後述する第1副制御基板200に電気的に接続されている操作部として、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、及びそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)等が含まれる。なお、各操作部には、操作を検知するためのセンサが設けられており、接続対象の制御基板は、当該センサの検知状態の変化によって各操作部の操作を検知している。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0026】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
【0027】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ演出ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や演出ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
【0028】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の周囲に配設されているサブ表示部82で構成されている。サブ表示部82は、さらに、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82aと、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部82bと、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部82cと、を含んでいる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶表示装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶表示装置である。
【0029】
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる装飾図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列における装飾図柄の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に装飾図柄が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
【0030】
また、メイン表示部81及び上サブ表示部82aは、保留画像を表示することができる。メイン表示部81において、保留画像が表示される表示領域と、装飾図柄が表示される表示領域とは、離間してもよいし重複してもよい。
ここで、保留画像とは、後述する作動保留情報のそれぞれに対応する画像であり、その形状や色彩等によって対応する作動保留情報に基づいて実行される図柄変動の有利度を示唆する場合がある。
また、メイン表示部81は、実行中の図柄変動(いわゆる当該変動)に対応し、形状や色彩等によって当該図柄変動(対応する図柄変動)の有利度を示唆する保留画像と同等の画像(以下、「当該保留画像」と称する場合がある)を表示することができる。以下の説明において、単に保留画像と記載した場合、当該画像は、作動保留情報(保留されている図柄変動)に対応する保留画像(上記の当該保留画像は含まない)を指す。なお、本実施形態では、当該保留画像は、主としてメイン表示部81に表示される。
【0031】
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
【0032】
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82c)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用することができる。
【0033】
よって、遊技機10は、表示手段(演出表示装置80)を備えていると換言できる。
【0034】
さらに、遊技機10において、表示手段(演出表示装置80)は、第一の表示装置(メイン表示部81)及び第二の表示装置(上サブ表示部82a)で構成されるものであると言える。
【0035】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄及び普通図柄が表示される。
また、図柄表示装置90はメイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0036】
特別図柄は、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特
図1」、第2特別図柄は「特
図2」と略称される場合がある。
【0037】
普通図柄は、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
【0038】
また、図柄表示装置90には、上述の表示装置以外に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特
図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特
図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも、2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
【0039】
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、以下の説明では、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
【0040】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0041】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0042】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67を図示する。ここで、図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0043】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた数(本実施形態では、15)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0044】
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド41により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
なお、特別電動役物は、「アタッカー」と称され、特別電動役物ソレノイド41によって特別電動役物が開放状態となることを、「アタッカー開放」と称する場合がある。
また、特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因する小当り遊技の少なくとも一部においても特別電動役物65が開放状態となるが、上記の大当り遊技と比較して当該開放状態となる時間が短い。そのため、小当り遊技は、大当り遊技よりも不利な遊技状態と言える。
【0045】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図1の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0046】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0047】
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド40により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特
図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大しうる。
【0048】
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74の検知結果によってゲート63への入賞が判定される。ゲート63に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0049】
一般入賞口67は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67に対応付けられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。また、一般入賞口67を複数個設けるようにしてもよい。
【0050】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0051】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0052】
<遊技機10の制御構成について>
次に、
図5を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。
図5は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、
図5に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図5で図示しない制御構成を備えていてもよい。
【0053】
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、CPU101によるプログラム処理とは別系統で動作して乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
【0054】
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板(図示省略)において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。なお、RAM103のバックアップがなされる領域は、電源断が生じた場合、電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくための領域となっており、電源断復帰時には当該領域でバックアップされている情報に基づいて遊技機の状態が電源断の生じる前の状態に復帰されるようになっている。
【0055】
また、主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74等と電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
【0056】
また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、及び普通図柄保留ランプ96に電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらの表示装置及びこれらの保留ランプを制御可能に構成されている。同様に、主制御基板100は、普通電動役物ソレノイド40及び特別電動役物ソレノイド41に電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらのソレノイドを制御可能に構成されている。さらに、主制御基板100は、メイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39の操作を検知可能に構成されている。
【0057】
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線及び1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
【0058】
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備え、これらが内部バスを介して相互に接続され、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37及びカーソルボタン38に電気的に接続されており、当該操作部の操作を検知可能に構成されている。
【0059】
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ画像及び音響を指示する画像制御コマンド、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データ、可動装飾体及びサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データ等を生成する。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像及び音響に関する画像制御コマンドが第1副制御基板200から第2副制御基板300へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が第2副制御基板300から第1副制御基板200へ送信される。
【0060】
また、第1副制御基板200は、演出ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、演出ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
【0061】
また、第1副制御基板200は、可動装飾体22及びサブ表示部82と電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。
そして、可動装飾体及びサブ表示部82は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
【0062】
よって、遊技機10は、表示手段(演出表示装置80)の位置を制御する位置制御手段(第1副制御基板200)を備えていると換言できる。
【0063】
第2副制御基板300は、第1副制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート304とを備えており、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置へ送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、CPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、読み込んだ音響データを合成処理して生成した最終的な音響データを増幅器を介してスピーカ33に出力する。
【0064】
よって、遊技機10は、表示手段(演出表示装置80)の表示を制御する表示制御手段(第1副制御基板200及び第2副制御基板300)を備えていると換言できる。
【0065】
払出制御基板400は、CPU401、ROM402及びRAM403を主体として構成されている。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニットを駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドルの操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
【0066】
<遊技機10の機能構成について>
次に、
図6を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。
図6は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、
図6に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図6で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、必要に応じて、機能構成を説明する際に、
図7及び
図8も参照することとする。
【0067】
主制御基板100は、
図6に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段130、特図抽選手段140、普図抽選手段150、大当り遊技制御手段160、図柄表示制御手段165、電動役物制御手段170、遊技状態制御手段175、メイン情報記憶手段180、メインエラー制御手段185、及びメインコマンド管理手段190を備えており、これらの手段は、
図5を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
【0068】
なお、メイン情報記憶手段180は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段270に向けて送信される。
【0069】
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
【0070】
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一又は複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、及び普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段180の対応する格納領域に格納する。
【0071】
メイン保留制御手段120は、特図の図柄変動の保留、及び普図の図柄変動の保留に関する制御を行う。特
図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を、特
図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特
図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特
図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段140の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特
図1保留カウンタ」と称する)を備え、特
図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段180の現在の特
図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特
図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特
図1保留カウンタよりも1少ない特
図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
また、メイン保留制御手段120は、特
図2及び普図に関しても、特
図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特
図2の保留カウンタを特
図2保留カウンタと称する。
また、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特
図1又は特
図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算又は減算)した際に、特
図1保留カウンタ及び特
図2保留カウンタを含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特
図1に対応する作動保留情報及び特
図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特
図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される。
【0072】
事前判定手段130は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合に、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段130は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、特図当否判定の事前判定、特図停止図柄抽選の事前判定、特図変動パターン抽選の事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブル(詳細は、後述)と同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定は、後に実行される抽選の結果と同一の結果が導出される。
また、事前判定手段130は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、大当り遊技中ではないことを指し、さらに、本実施形態では、普図高確中の特
図1の作動保留情報が保留された場合には、事前判定コマンドの送信を規制している。
【0073】
特図抽選手段140は、特図当否判定手段141、特図停止図柄抽選手段142、及び特図変動パターン導出手段143を備え、特図当否判定手段141、特図停止図柄抽選手段142、特図変動パターン導出手段143の順に各手段による処理を実行する。特図抽選手段140は、特図の変動開始条件が充足された際に、メイン情報記憶手段180に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す。
なお、「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り中ではないこと、特
図1及び特
図2のいずれも図柄変動中でないこと、特
図1及び特
図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することの全ての条件が充足されたことである。
【0074】
よって、遊技機10は、発射された遊技球が所定の領域(第1始動口センサ70、第2始動口センサ71)を通過したことに基づいて当否判定に用いる乱数を取得し、乱数が取得された場合に変動開始条件が充足されるまで取得された乱数に対応する図柄変動の開始を保留すると換言できる。
【0075】
ここで、
図7は、主制御基板100における抽選で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図であり、以下の説明において必要に応じて参照する。
なお、
図7で示す抽選テーブル以外の抽選テーブルを含め、以下の抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、以降の抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。同様に、以降で図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「−」又は「0」が記載されているが、これらは各ROMに記憶されたデータを示すものではない。同様に、抽選に使用される乱数範囲の最大値と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。
【0076】
特図当否判定手段141は、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、小当たり、はずれのいずれに該当するかを抽選によって決定する。
図7(a)は、特
図1当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜65535である。そのため、特
図1において特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)には、200/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの65036/65536の確率ではずれとなり、特
図1において特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)には、500/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの64736/65536の確率ではずれとなる。
【0077】
図7(b)は、特
図2当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1当否判定の場合と同様に、0〜65535である。そのため、特
図1の特図低確では、200/65536の確率で大当り、残りの65336/65536の確率ではずれとなり、特
図2の特図高確では、500/65536の確率で大当り、残りの65036/65536の確率ではずれとなる。
【0078】
このように、特図高確は、特図低確よりも大当りが導出される確率が高く、特図低確よりも有利度が高い状態であると言える。また、本実施形態における特
図2当否判定では、小当りが導出されることがない。
【0079】
特図停止図柄抽選手段142は、特図当否判定手段141によって大当りが導出された場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図7(c)は、特
図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜99である。そのため、特
図1では、大当りが導出された際に、50/100の確率で図柄A、50/100の確率で図柄Bが停止図柄として決定される。
なお、図柄Aは、大当り遊技中に特別電動役物65が十分な時間(概ね9球入賞する程度)に亘って解放される回数(ラウンド数(R数))が9であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確、普図高確となる図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。一方、図柄Bは、ラウンド数が8であり、且つ大当り遊技終了後に特図低確、普図高確(詳細は後述)となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。よって、図柄Aは、ラウンド数及びその後の特図抽選状態の双方において、図柄Bよりも有利な図柄である。
【0080】
図7(d)は、特
図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1停止図柄抽選と同様に、0〜99である。そのため、特
図1では、大当りが導出された際に、65/100の確率で図柄a、35/100の確率で図柄bとなる。
なお、図柄aは、ラウンド数が16であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確、普図高確となる確変図柄であり、図柄bは、ラウンド数が8であり、大当り遊技終了後に特図低確、普図高確となる通常図柄である。よって、図柄bよりも図柄aの方が有利度が高くなると言える。
【0081】
上述の通り、本実施形態は、特
図1による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(50/100)と、特
図2による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(80/100)とが異なっている(特
図1の図柄変動よりも特
図2の図柄変動が有利になっている)。詳細は省略するが、この違いは、大当り遊技中に遊技球が大入賞口55内に設けられた特定領域を通過した場合に大当り遊技終了後に特図高確とする機能を備え、特定領域の通過が容易となるラウンド(本実施形態では、9ラウンド目)を設けるか否かを特図の停止図柄によって変えることで実現している。
【0082】
また、特図停止図柄抽選手段142は、特図当否判定手段によって大当りが導出されなかった場合には、特
図1の小当り時は図柄C、特
図1のはずれ時は図柄D、特
図2のはずれ時は図柄cを停止図柄として一律に決定する。
【0083】
特図変動パターン導出手段143は、特図変動パターン(変動時間)を決定する際に参照する特図変動パターン抽選テーブルを複数種類備え、現在の特図変動パターン導出状態(詳細は、後述)と今回の特図当否判定手段の抽選結果とに基づいて、今回の特図変動パターンを決定するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを決定する。
また、特図変動パターン導出手段143は、決定された特図変動パターンを含む演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、特図変動パターン抽選テーブル及び特図変動パターン導出状態を含めた特図変動パターン決定の詳細は、後述する。
【0084】
普図抽選手段150は、特図抽選手段140と同様に、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段180に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行し、当該普図当否判定によって普通電動役物61が開放状態に制御されることとなる普図当りに当選した場合に普図の停止図柄を抽選により決定する普図停止図柄抽選、及び普図の変動パターン(変動時間)を抽選により決定する普図変動パターン抽選を実行する。
より具体的には、普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがあり、抽選テーブルの図示は省略するが、本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率ではずれとなる一方、普図低確では、1/65536の確率で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率ではずれとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536ではずれとなる)ようにしてもよい。
【0085】
普図停止図柄抽選では、特図停止図柄抽選と同様に、普通電動役物61の開放状態となるパターンが異なる複数種類の停止図柄から、普図停止図柄抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの停止図柄が決定される。なお、普図当否判定ではずれとなった場合には、特
図1、2と同様に、停止図柄が一律に決定される。
【0086】
また、普図変動パターン抽選では、特図変動パターン抽選と同様に、複数種類の普図変動パターンから、普図変動パターン抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの普図変動パターンが決定される。
【0087】
大当り遊技制御手段160は、特図当否抽選の結果が大当りである場合、決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、及び大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
また、大当り遊技制御手段160は、大当り開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
また、大当り遊技制御手段160は、特図当否抽選の結果が小当りの場合も同様に、小当り開始デモに係る時間、及び小当り終了デモに係るデモ時間を決定し、小当り開始時には、小当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させ、小当り終了時には、小当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0088】
図柄表示制御手段165は、特
図1の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図2を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段165は、特
図1及び特
図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
【0089】
また、図柄表示制御手段165は、普図の普図変動パターン(変動時間)に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に普図を普図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段165は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
【0090】
電動役物制御手段170は、特図当否抽選の結果が大当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド41に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する解放パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物65の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R、9R、8R)だけ連続して実行する遊技状態である。
【0091】
また、電動役物制御手段170は、特図当否抽選の結果が小当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド41に制御信号を出力し、特別電動役物65を短期間(0.05秒)だけ開放させる。
【0092】
また、電動役物制御手段170は、普図当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド40に制御信号を出力して、普通電動役物61を普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
【0093】
遊技状態制御手段175は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段175は、上述の通り、通常大当りに係る大当り遊技の開始時に特図低確とし、確変大当りに係る大当り遊技の終了時に特図高確とする。
【0094】
また、遊技状態制御手段175は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段175は、大当り開始時には、大当りに係る図柄に関わらず、普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時に100回の図柄変動が行われるまで普図高確とし(100回の図柄変動後には普図低確とする)、確変大当りに係る大当り終了時に次回の大当り遊技の開始まで(例えば、大当りが導出されるのに十分な有限の回数(例えば、5000回)を設定する場合も含む)普図高確とする。なお、特図低確且つ普図高確の状態を低確時短と称する場合がある。
【0095】
また、遊技状態制御手段175は、上述の特図変動パターン導出状態を制御する。この特図変動パターン導出状態の遷移については、
図8を参照しながら説明する。なお、
図8は、特図抽選状態及び普図抽選状態による遊技状態の遷移、及び特図変動パターン導出状態の遷移を示した状態遷移図である。
特図変動パターン導出状態を大別すると、特図低確且つ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態A、特図高確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態B、及び特図低確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態Cがあり、特図変動パターン導出状態A〜特図変動パターン導出状態C間の遷移条件には、遷移条件(i)〜遷移条件(iii)がある。遷移条件(i)は、確変大当りに係る大当り遊技の終了、遷移条件(ii)は、通常大当りに係る大当り遊技の終了、遷移条件(iii)は、100回目の図柄変動の終了となる。なお、特図変動パターン導出状態Cにおいて通常大当りに係る大当り遊技が開始された場合には、当該大当り遊技の終了後に再度特図変動パターン導出状態Cが設定される(遷移条件(iii)における図柄変動のカウントが0から開始される)こととなる。
【0096】
ここで、特図変動パターン導出状態A、特図変動パターン導出状態B、及び特図変動パターン導出状態Cの平均変動時間(当該特図変動パターン導出状態において選択され得る変動時間(特図変動パターン)に対して出現率(当該特図当否判定の結果が導出される確率に対して当該特図変動パターンの当選確率を掛け算することで導出される任意の図柄変動において発生し得る割合)を掛け算することで導出される変動時間の総和)は、特図変動パターン導出状態A、特図変動パターン導出状態C、特図変動パターン導出状態Bの順に短くなる。
【0097】
さらに、特図変動パターン導出状態Bは、特図変動パターン導出状態B1、特図変動パターン導出状態B2、特図変動パターン導出状態B3に分けられる。
図8に示す通り、遊技状態制御手段175は、確変大当り終了時には特図変動パターン導出状態B1を設定し、大当りが終了してから100回目の図柄変動の終了時(遷移条件(イ))に特図変動パターン導出状態B2を設定し、大当りが終了してから200回目の図柄変動の終了時(遷移条件(ロ))に特図変動パターン導出状態B3を設定する。なお、特図変動パターン導出状態B1〜特図変動パターン導出状態B3の平均変動時間の関係性については、後述する。
【0098】
また、遊技状態制御手段175は、特図抽選状態、普図抽選状態、及び特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0099】
メイン情報記憶手段180は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0100】
メインエラー制御手段185は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
なお、メインエラー制御手段185は、例えば、磁気センサ(図示省略)の検知によるエラー状態等、重要度の高いエラー状態となった場合には、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等、エラーコマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する以外の処理を実行するようにしてもよい。
【0101】
メインコマンド管理手段190は、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0102】
第1副制御基板200は、
図6に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、ランプ制御手段240、可動役物制御手段250、サブ情報記憶手段260、及びサブコマンド管理手段270を備えており、これらの手段は、
図5を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
なお、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段190から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。
【0103】
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
【0104】
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、サブ保留制御手段223、先読み演出制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、及び大当り演出制御手段227を備える。
【0105】
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドが送信された場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードは、通常モード、低確時短モード、確変モードに大別され、確変モードは、さらに、高速変動モード1、高速変動モード2、超高速変動モードに分けられる。そして、特図変動パターン導出状態Aには通常モード、特図変動パターン導出状態Bには確変モード、特図変動パターン導出状態Cには低確時短モードが対応し、特図変動パターン導出状態B1には高速変動モード1、特図変動パターン導出状態B2には高速変動モード2、特図変動パターン導出状態B3には超高速変動モードが対応する。
【0106】
演出ルート決定手段222は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果(本実施形態では、特図変動パターン)に基づいて、今回保留された図柄変動に対応する演出ルートを決定(設定)する。
演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。
また、演出ルート決定手段222は、本実施形態における確変モードにおいて、演出ルートを決定するのに先立ち、保留組合せパターンを設定するか否かを抽選によって決定する保留組合せパターン設定処理(詳細は、後述)を実行し、保留組合せパターンが設定された場合には、決定された当該保留組合せパターンに対応する演出ルートの中から今回保留された図柄変動に対応する演出ルートを決定し、保留組合せパターンが設定されなかった場合には、事前判定の結果に基づいて演出ルートを決定する。なお、保留組合せパターンとは、後述する対決演出の期待度を示唆する味方キャラの種別及び当該味方キャラが装備する武器の種別の組合せを規定するものであり、詳細は後述する。
【0107】
サブ保留制御手段223は、保留コマンドの受信があった場合に、当該コマンドに含まれる特
図1保留カウンタと特
図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特
図1保留カウンタに対応する数の保留画像と、特
図2保留カウンタに対応する数の保留画像とを表示させるための演出データを設定する。
なお、保留画像は、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出の対象となる画像であり、本実施形態では、確変モード中の特
図2に対応する保留画像を用いて保留先読み演出を実行している。
ここで、本実施形態における保留先読み演出は、上サブ表示部82a及びメイン表示部81のそれぞれに同一の特
図2の図柄変動に対応する保留画像を表示させ、それぞれの保留画像の態様が決定された保留組合せパターンに対応する態様となるよう、それぞれの保留画像の態様を段階的に変化させる演出である。そして、保留画像を最初に表示させる演出データを設定する保留先読み演出開始処理は、後述する先読み演出制御手段224によって実行され、保留画像の態様を段階的に変化させる保留先読み演出変化処理は、後述する演出内容決定手段225によって実行される。
【0108】
先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
なお、先読み演出制御手段224は、上述の保留先読み演出開始処理を実行しており、当該処理の詳細は、後述する。
【0109】
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出ルート決定手段222によって既に決定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容を決定する。
より具体的には、演出ルート決定手段222は、決定された演出ルートの各段階において、実行する演出の内容(演出パターン)を、当該演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
なお、演出内容決定手段225は、上述の保留先読み演出変化処理を実行しており、後述する。
【0110】
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出内容決定手段225によって決定された演出内容等に基づいて、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。なお、以下の説明では、特に断りがない限り、装飾図柄の最終的な停止を、単に、装飾図柄の停止と表現する場合がある。
本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、及び数字の「7」を模した「7図柄」があり、以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
【0111】
また、装飾図柄制御手段226は、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させて決定している。具体的には、図柄Aと図柄aには、奇数図柄揃い(例えば、「1図柄」−「1図柄」−「1図柄」)を対応させ、図柄Bと図柄aには、偶数図柄揃い(例えば、「2図柄」−「2図柄」−「2図柄」)を対応させ、図柄Cと図柄Dと図柄cにはバラケ目(いずれの図柄揃いもない図柄の組合せ)を対応させている。
なお、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄aに偶数図柄揃いを対応させる等、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
【0112】
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容を決定する。なお、大当り演出には、大当り遊技の開始を報知する開始デモ演出、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出、及び大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出が存在する。
【0113】
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像及び音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像及び音響に関する画像制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。
【0114】
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドが送信された場合に、エラー演出パターンを決定し、当該エラー演出パターンに従ってエラー演出を実行するための演出データを読み出す。
なお、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段185と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよく、当該エラー状態としては、例えば、普図低確時におけるゲート63の入賞回数に基づいて判定される右打ちエラー状態がある。
【0115】
ランプ制御手段240は、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに演出ランプ35に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを演出ランプ35へ送信する。
【0116】
可動役物制御手段250は、可動装飾体22及びサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいて可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22及びサブ表示部82へ送信する。
【0117】
サブ情報記憶手段260は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0118】
サブコマンド管理手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶させ、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に画像制御コマンドが記憶されている場合には、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。なお、各画像制御コマンドは、原則として、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0119】
<特図変動パターン導出状態Bにおける特図変動パターン抽選について>
次に、
図9を用いて、確変モードにおいて選択される特図変動パターンを説明する。
図9は、特図変動パターン導出状態B(確変モード)における特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図である。
なお、特図変動パターン抽選テーブルには、抽選値が存在する箇所に「●」を付しており、当該抽選値の記載を省略しているが、各特図変動パターン抽選テーブルを用いた抽選では更新範囲0〜255の乱数が使用されるため、「●」が付された箇所には、一の抽選で使用される可能性がある抽選値の合算が256を超えない範囲で、1〜255のいずれかの抽選値が対応づけられている。
また、説明の便宜上、
図9で示す各特図変動パターンのそれぞれには、対応する変動時間も記載している。
また、
図9に示す特図変動パターン抽選テーブルは、特
図2に対応するものであり、確変モードにおいて特
図1が変動する場合には、特図当否判定の結果ごとの専用の特図変動パターン(図示省略)が採用される。
【0120】
特
図2における特図当否判定の結果がはずれであった場合には、特図変動パターンPX1〜特図変動パターンPX4が導出される可能性がある。なお、特図変動パターンPX4が導出された場合には、保留組合せパターン抽選が実行されることとなる。
【0121】
ここで、特
図2の特図当否判定の結果として最も多く導出されるはずれが導出された場合には、特図変動パターン導出状態B1では、特図変動パターンPX1が最も導出される可能性が高く、特図変動パターン導出状態B2においては、特図変動パターンPX2が最も導出される可能性が高く、特図変動パターン導出状態B3においては、特図変動パターンPX3が最も導出される可能性が高い。そして、各特図変動パターンの変動時間は、特図変動パターンPXD1(1500ms)、特図変動パターンPXD2(1000ms)、特図変動パターンPXD3(500ms)の順に短くなるため、各特図変動パターン導出状態の平均変動時間は、特図変動パターン導出状態B1、特図変動パターン導出状態B2、特図変動パターン導出状態B3の順に短くなる。
なお、本実施形態とは異なるが、各特図変動パターンの変動時間を、特図変動パターンPX1、特図変動パターンPX2、特図変動パターンPX3の順に変動時間を長くし、各特図変動パターン導出状態の平均変動時間を、特図変動パターン導出状態B1、特図変動パターン導出状態B2、特図変動パターン導出状態B3の順に長くするようにしてもよい。
【0122】
また、特
図2の特図当否判定の結果として確変大当りが導出された場合(停止図柄が図柄aであった場合)には、特図変動パターンPY1が導出される可能性があり、特
図2の当否判定の結果として通常大当りが導出された場合(停止図柄が図柄aあった場合)には、特図変動パターンPY2が導出される可能性がある。なお、特図変動パターンPY1及び特図変動パターンPY2が導出された場合には、特図変動パターンPX4が導出された場合と同様に、保留組合せパターン抽選が実行されることとなる。
【0123】
なお、本実施形態では、停止される各図柄に対して一つの特図変動パターンしか対応していないため、これらの特図変動パターンを導出するにあたって抽選を行わないようにしてもよい。
【0124】
また、本実施形態では、各図柄に対して一つの特図変動パターンしか対応していないが、少なくとも一部の図柄に対して複数の特図変動パターンを対応させるようにしてもよい。
【0125】
<確変モード中の演出について>
本実施形態は、確変モードにおける大当り、及び当該大当りに係る特
図2の停止図柄の種類を告知するにあたり、対決演出を採用している。対決演出とは、装飾図柄がリーチ状態(変動中の1つの図柄列を除いた図柄列(本実施形態では、2つ)のすべてに同一の数字を模した装飾図柄が停止された状態)となり、味方キャラ(種別として、キャラA〜キャラDがある)が武器(種別として、武器a〜武器cがある)を装備して敵キャラと対決し、当該対決で味方キャラが勝利した場合には、奇数図柄揃いで装飾図柄を停止させ、当該対決で味方キャラが敗北した場合には、偶数図柄揃いで装飾図柄を停止させる演出であり、当該演出は、味方キャラの種別と当該味方キャラが装備する武器の種別の組合せによって敵キャラに勝利する(装飾図柄が奇数図柄揃いで停止する)期待度が変化する演出である。
また、本実施形態において、対決演出で登場する味方キャラの種別、及び当該味方キャラが装備する武器の種別は、当該対決演出が実行される図柄変動に対応する保留画像を用いた保留先読み演出の態様によって示唆される。より具体的には、本実施形態における保留先読み演出は、上サブ表示部82a及びメイン表示部81のそれぞれに同一の特
図2の図柄変動に対応する保留画像を表示する演出であり、当該演出では、上サブ表示部82aに味方キャラの種別を示唆する保留画像(以下、「キャラ保留画像)と称する)が表示され、メイン表示部81に武器の種別を示唆する保留画像(以下、「武器保留画像」と称する)が表示される。なお、キャラ保留画像及び武器保留画像のそれぞれは、後述する保留先読み演出開始処理によって対応する図柄変動が保留された時点の態様が定められ、その後、当該態様は、後述する保留先読み演出変化処理によって図柄変動の進行に従って段階的に変化させられる。
以降の説明では、具体例を交えながら、上述の保留先読み演出の詳細、及び上述の対決演出の詳細を説明する。
【0126】
<保留先読み演出について>
まず、
図10及び
図11を用いて、上述の保留先読み演出の詳細を説明する。なお、
図10は、保留先読み演出における保留画像の態様の種類を示す図であり、
図11は、保留先読み演出におけるキャラ保留画像及び武器保留画像の態様が変化する様子の一例を示す図である。
【0127】
本実施形態の確変モードにおける保留画像は、上述の通り、対決演出における味方キャラの種別を示唆するキャラ保留画像と、対決演出において味方キャラが装備する武器の種別を示唆する武器保留画像に大別され、キャラ保留画像は、
図10(a)〜
図10(d)で示す4種類のキャラ保留画像に小別され、武器保留画像は、
図10(e)〜
図10(g)で示す3種類の武器保留画像に小別される。
【0128】
より具体的には、
図10(a)で示すキャラ保留画像は、円形の枠の中にキャラAに対応する味方キャラの顔が描かれたキャラ保留画像(以下、「キャラ保留画像A」と称する場合がある)であり、
図10(b)で示すキャラ保留画像は、円形の枠にキャラBに対応する味方キャラの顔が描かれたキャラ保留画像(以下、「キャラ保留画像B」と称する場合がある)であり、
図10(c)で示すキャラ保留画像は、円形の枠にキャラCに対応する味方キャラの顔が描かれたキャラ保留画像(以下、「キャラ保留画像C」と称する場合がある)であり、
図10(d)で示すキャラ保留画像は、円形の枠にキャラDに対応する味方キャラの顔が描かれたキャラ保留画像(以下、「キャラ保留画像D」と称する場合がある)であり、各キャラ保留画像は、円形の枠内に描かれた顔によっていずれの味方キャラの種別が示唆されているかが判断可能となっている。
同様に、
図10(e)で示す武器保留画像は、円形の枠の中に武器a(ナイフを模したもの)が描かれた武器保留画像(以下、「武器保留画像a」と称する場合がある)であり、
図10(f)で示す武器保留画像は、円形の枠に武器b(剣を模したもの)が描かれた武器保留画像(以下、「武器保留画像b」と称する場合がある)であり、
図10(g)で示す武器保留画像は、円形の枠に武器c(大剣を模したもの)が描かれた武器保留画像(以下、「武器保留画像c」と称する場合がある)であり、各武器保留画像は、円形の枠内に描かれた武器によっていずれの武器の種別が示唆されているかが判断される。
【0129】
また、味方キャラの種別及び武器の種別が設定されない場合(保留組合せパターンが設定されない場合)には、キャラ保留画像の表示位置及び武器保留画像の表示位置のそれぞれに
図10(h)で示すデフォルト保留画像が表示される。なお、デフォルト保留画像は、味方キャラの種別及び武器の種別のいずれも示唆しない保留画像であり、デフォルト保留画像の態様は、キャラ保留画像の表示位置に表示される場合と、武器保留画像の表示位置に表示される場合とで、本実施形態のように同一の態様としてもよいし、異なる態様としてもよい。
【0130】
図11には、保留先読み演出におけるキャラ保留画像の態様及び武器保留画像の態様が変化する様子が示されている。
図11は、保留組合せパターン設定処理によって保留組合せパターンHB2が設定され、且つ保留変化シナリオSB2−9が設定された場合のキャラ保留画像の態様及び武器保留画像の態様が変化する様子を示す図である。なお、保留変化シナリオとは、キャラ保留画像の態様及び武器保留画像の態様を保留組合せパターンに対応する態様に向けて変化させる流れが規定されたものであり、保留組合せパターン設定処理の詳細、保留組合せパターンの詳細、及び保留変化シナリオの詳細については、後述する。
【0131】
図11で示す例をより具体的に説明すると、
図11(a)には、上サブ表示部82aの上部保留表示領域821の4つ目の保留(以下、「保留4」と称し、同様に、3つ目の保留を「保留3」、2つ目の保留を「保留2」、1つ目の保留を「保留1」と称し、下部保留表示領域811においても同様)に対応する表示領域にキャラ保留画像Aが表示され、且つメイン表示部81の下部保留表示領域811の保留4に対応する表示領域に武器保留画像aが表示されている様子が示されている。
また、
図11(a)には、上部保留表示領域821の保留1〜保留3のそれぞれに対応する表示領域、及び下部保留表示領域811の保留1〜保留3のそれぞれに対応する表示領域には、デフォルト保留画像が表示されている様子が示されている。
【0132】
図11(b)には、
図11(a)で示す図柄変動の次の図柄変動において、上部保留表示領域821の保留3に対応する表示領域にキャラ保留画像Bが表示され、且つ下部保留表示領域811の保留3に対応する表示領域に武器保留画像aが表示されている様子が示されており、
図11(a)から
図11(b)への流れによって、キャラ保留画像Aがキャラ保留画像Bに変化したことが分かる。なお、キャラ保留画像Aからキャラ保留画像Bに変化した場合には、当該キャラ保留画像の周囲にエフェクトがかけられ、当該変化を認識させ易くなっている。
また、
図11(b)には、
図11(a)で示す図柄変動の次の図柄変動が開始された後に、新たに特
図2の図柄変動が保留されたため、上部保留表示領域821の保留1、保留2、及び保留4のそれぞれに対応する表示領域、及び下部保留表示領域811の保留1、保留2、及び保留4のそれぞれに対応する表示領域には、デフォルト保留画像が表示されている様子が示されている。
【0133】
図11(c)には、
図11(b)で示す図柄変動の次の図柄変動において、上部保留表示領域821の保留2に対応する表示領域にキャラ保留画像Bが表示され、且つ下部保留表示領域811の保留2に対応する表示領域に武器保留画像aが表示されている様子が示されている。
また、
図11(c)には、
図11(b)で示す図柄変動の次の図柄変動が開始された後に、新たに特
図2の図柄変動が保留されたため、上部保留表示領域821の保留1、保留3、及び保留4のそれぞれに対応する表示領域、及び下部保留表示領域811の保留1、保留3、及び保留4のそれぞれに対応する表示領域には、デフォルト保留画像が表示されている様子が示されている。
【0134】
図11(d)には、
図11(c)で示す図柄変動の次の図柄変動において、上部保留表示領域821の保留1に対応する表示領域にキャラ保留画像Bが表示され、且つ下部保留表示領域811の保留1に対応する表示領域に武器保留画像bが表示されている様子が示されており、
図11(c)から
図11(d)への流れによって、武器保留画像aが武器保留画像bに変化したことが分かる。なお、武器保留画像aから武器保留画像bに変化した場合には、キャラ保留画像の態様が変化する場合と同様に、当該武器保留画像の周囲にエフェクトがかけられ、当該変化を認識させ易くなっている。
また、
図11(d)には、
図11(c)で示す図柄変動の次の図柄変動が開始された後に、新たに特
図2の図柄変動が保留されたため、上部保留表示領域821の保留2〜保留4のそれぞれに対応する表示領域、及び下部保留表示領域811の保留2〜保留4のそれぞれに対応する表示領域には、デフォルト保留画像が表示されている様子が示されている。
【0135】
このように、本実施形態では、保留されている特
図2の図柄変動に対応する画像を、上サブ表示部82aの上部保留表示領域821、及びメイン表示部81の下部保留表示領域811のそれぞれに表示させている。
【0136】
よって、遊技機10において、表示制御手段(第1副制御基板200及び第2副制御基板300)は、終了していない図柄変動の少なくとも一部に対応する特定表示を実行するものであって、特定表示として、第一の特定表示(下部保留表示領域811に表示される画像)及び第二の特定表示(上部保留表示領域821に表示される画像)を実行するものであると換言できる。
【0137】
さらに、遊技機10において、表示制御手段(第1副制御基板200及び第2副制御基板300)は、第一の表示装置(メイン表示部81)に対して第一の特定表示(下部保留表示領域811に表示される画像)を実行させ、第二の表示装置(上サブ表示部82a)に対して第二の特定表示(上部保留表示領域821に表示される画像)を実行させるものであると換言できる。
【0138】
また、上部保留表示領域821に表示される画像は、当該画像に対応する図柄変動(保留されている特
図2の図柄変動)の数と同数の保留画像で構成され、この保留画像の数によって上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動の数が特定可能になっている。
【0139】
よって、遊技機10において、第二の特定表示(上部保留表示領域821に表示される画像)は、一又は複数の図柄変動に対応するものであって、第二の特定表示に対応する図柄変動の数と同数の単位表示で構成されるものであると換言できる。
【0140】
また、下部保留表示領域811に表示される画像も同様に、当該画像に対応する図柄変動の数と同数の保留画像で構成されており、この保留画像の数によって下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動の数が特定可能になっている。
【0141】
また、遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くする後述の効果を奏するにあたっては、上部保留表示領域821に表示される画像は、当該画像に対応する図柄変動の数が特定可能となる態様であれば、一つにまとまった画像であってもよいし、当該図柄変動の数とは異なる数の画像であってもよい。同様に、下部保留表示領域811に表示される画像についても、当該画像に対応する図柄変動の数が特定可能となる態様であれば、一つにまとまった画像であってもよいし、当該図柄変動の数とは異なる数の画像であってもよい。
【0142】
また、本実施形態において、上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動は、下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動と一致している。
【0143】
また、本実施形態では、上部保留表示領域821に表示される保留画像、及び下部保留表示領域811に表示される保留画像を表示させるにあたり、アニメーション(以下、「表示アニメーション」と称する)を用い、保留画像を滑らかに表示させるようにしており、本実施形態における表示アニメーションの詳細と表示アニメーションの変形例については、後述する。
【0144】
<保留組合せパターン設定処理について>
次に、
図12を用いて、演出ルート決定手段222によって実行される保留組合せパターン設定処理の詳細を説明する。なお、
図12は、保留組合せパターン設定処理のフローを示す図である。また、当該処理は、確変モードにおいて事前判定コマンドを受信する(確変モードにおいて特
図2の図柄変動が保留される)度に実行される。
【0145】
最初のステップS101では、導出された特図変動パターンに基づいて、今回保留された図柄変動に対応する保留組合せパターンを抽選する。なお、当該処理の詳細は、後述する。
【0146】
ステップS103では、保留組合せパターン抽選に当選したか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS105に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS109に進む。
【0147】
ステップS105では、当選した保留組合せパターンを設定する。
【0148】
ステップS107では、設定した保留組合せパターンに基づいて保留変化シナリオを設定する。
【0149】
ステップS109では、演出ルートを決定する。
具体的には、保留組合せパターンが設定された場合には、設定された当該保留組合せパターンに基づいて味方キャラと敵キャラが対決する演出が実行される演出ルートを決定し、保留組合せパターンが設定されなかった場合には、事前判定結果に基づいて演出ルートを決定する。
【0150】
このように、設定した保留組合せパターンに対応する演出ルートを、今回保留された図柄変動に対応する演出ルートとして決定することで、当該保留組合せパターンに対応する種別の武器を装備した当該保留組合せパターンに対応する種別の味方キャラと敵キャラが対決する対決演出を実行することができる。
【0151】
なお、本実施形態では、保留組合せパターンに一の演出ルートを対応させるが、味方キャラの種別及び武器の種別が当選した保留組合せパターンと一致する演出ルートであれば、一の保留組合せパターンに対して、対決する敵キャラが異なる等の演出ルートを複数種類対応づけ、当該複数種類の演出ルートから一の演出ルートを抽選等によって決定するようにしてもよい。
【0152】
また、上述の通り、保留組合せパターン設定処理は、確変モードにおいて事前判定コマンドを受信する(確変モードにおいて特
図2が保留される)度に実行される。そのため、保留組合せパターン及び保留変化シナリオは、確変モードにおいて保留された特
図2の図柄変動ごとに設定され、設定された保留組合せパターン及び保留変化シナリオは、当該図柄変動が実行されるまで、当該図柄変動(留組合せパターン及び保留変化シナリオが設定される契機となった図柄変動)と紐づけられた形でサブ情報記憶手段260に記憶される。
【0153】
<保留組合せパターン抽選について>
図13を用いて、設定する保留組合せパターンを決定する保留組合せパターン抽選について説明する。
図13は、保留組合せパターン抽選で用いられる保留組合せパターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選テーブルには、特図変動パターンPX4用の保留組合せパターン抽選テーブル、特図変動パターンPY1用の保留組合せパターン抽選テーブル、及び特図変動パターンPY2用の保留組合せパターン抽選テーブルが含まれる。
なお、各保留組合せパターン抽選テーブルは、各保留組合せパターンに対して抽選値が対応づけられたものであり、各保留組合せパターン抽選テーブルを用いた抽選では、更新範囲0〜255の乱数が使用される。
【0154】
図13で示す通り、保留組合せパターン抽選によって決定される保留組合せパターンには、保留組合せパターンHA1〜保留組合せパターンHA3、保留組合せパターンHB1〜保留組合せパターンHB3、保留組合せパターンHC1〜保留組合せパターンHC3、及び保留組合せパターンHD1〜保留組合せパターンHD3がある。
より具体的には、保留組合せパターンHA1〜保留組合せパターンHA3は、味方キャラの種別がキャラAとなる保留組合せパターンであり、さらに、保留組合せパターンHA1は、武器の種別が武器aとなり、種別がキャラAとなる味方キャラ(以下、単に、「キャラA」と称する場合があり、同様に、種別がキャラBの味方キャラを「キャラB」、種別がキャラCの味方キャラを「キャラC」、種別がキャラDの味方キャラを「キャラD」と称する場合がある)が、種別が武器aとなる武器(以下、単に、「武器a」と称する場合があり、同様に、種別が武器bの武器を「武器b」、種別が武器cの武器を「武器c」と称する場合がある)を装備する保留組合せパターンであり、保留組合せパターンHA2は、武器の種別が武器bとなり、キャラAが武器bを装備する保留組合せパターンであり、保留組合せパターンHA3は、武器の種別が武器cとなり、キャラAが武器cを装備する保留組合せパターンである。
同様に、保留組合せパターンHB1〜保留組合せパターンHB3は、味方キャラの種別がキャラBとなる保留組合せパターンであり、さらに、保留組合せパターンHB1は、武器の種別が武器aとなり、キャラBが武器aを装備する保留組合せパターンであり、保留組合せパターンHB2は、武器の種別が武器bとなり、キャラBが武器bを装備する保留組合せパターンであり、保留組合せパターンHB3は、武器の種別が武器cとなり、キャラBが武器cを装備する保留組合せパターンである。
同様に、保留組合せパターンHC1〜保留組合せパターンHC3は、味方キャラの種別がキャラCとなる保留組合せパターンであり、さらに、保留組合せパターンHC1は、武器の種別が武器aとなり、キャラCが武器aを装備する保留組合せパターンであり、保留組合せパターンHC2は、武器の種別が武器bとなり、キャラCが武器bを装備する保留組合せパターンであり、保留組合せパターンHC3は、武器の種別が武器cとなり、キャラCが武器cを装備する保留組合せパターンである。
同様に、保留組合せパターンHD1〜保留組合せパターンHD3は、味方キャラの種別がキャラDとなる保留組合せパターンであり、さらに、保留組合せパターンHD1は、武器の種別が武器aとなり、キャラDが武器aを装備する保留組合せパターンであり、保留組合せパターンHD2は、武器の種別が武器bとなり、キャラDが武器bを装備する保留組み合わせパターンであり、保留組合せパターンHD3は、武器の種別が武器cとなり、キャラDが武器cを装備する保留組合せパターンである。
【0155】
また、特図変動パターンPX4が導出された場合(特
図2の当否判定の結果がはずれとなった場合)に用いられる特図変動パターンPX4用の保留組合せパターン抽選テーブルを用いた抽選では、保留組合せパターンHA1〜保留組合せパターンHA3及び保留組合せパターンHB1〜保留組合せパターンHB3が決定される可能性があり、保留組合せパターンHA1が128/256、保留組合せパターンHA2が32/256、保留組合せパターンHA3が16/256、保留組合せパターンHB1が64/256、保留組合せパターンHB2が8/256、保留組合せパターンHB3が8/256の確率で決定される。
なお、特図変動パターンPX4が導出された場合には、保留組合せパターンHC1〜保留組合せパターンHC3及び保留組合せパターンHD1〜保留組合せパターンHD3は決定されない。
また、詳細は省略するが、特図変動パターンPX4は、特図変動パターンPY1及び特図変動パターンPY2と比較して変動時間が短い特図変動パターンであり、特図変動パターンPX4では、装飾図柄がリーチ状態とならずに対決演出が実行されない。
【0156】
また、特図変動パターンPY1が導出された場合(特
図2の特図当否判定の結果として確変大当りが導出された場合)に用いられる特図変動パターンPY1用の保留組合せパターン抽選テーブルを用いた抽選では、保留組合せパターンHA1〜保留組合せパターンHA3、保留組合せパターンHB1〜B3、保留組合せパターンHC1〜C3、及び保留組合せパターンHD1〜D3が決定される可能性があり、保留組合せパターンHA1が2/256、保留組合せパターンHA2が6/256、保留組合せパターンHA3が24/256、保留組合せパターンHB1が8/256、保留組合せパターンHB2が24/256、保留組合せパターンHB3が32/256、保留組合せパターンHC1が32/256、保留組合せパターンHC2が32/256、保留組合せパターンHC3が64/256、保留組合せパターンHD1が10/256、保留組合せパターンHD2が10/256、保留組合せパターンHD3が12/256の確率で決定される。
【0157】
また、特図変動パターンPY2が導出された場合(特
図2の特図当否判定の結果として通常大当りが導出された場合)に用いられる特図変動パターンPY2用の保留組合せパターン抽選テーブルを用いた抽選では、保留組合せパターンHA1〜保留組合せパターンHA3、保留組合せパターンHB1〜B3、及び保留組合せパターンHC1〜C3が決定される可能性があり、保留組合せパターンHA1が64/256、保留組合せパターンHA2が32/256、保留組合せパターンHA3が32/256、保留組合せパターンHB1が62/256、保留組合せパターンHB2が22/256、保留組合せパターンHB3が12/256、保留組合せパターンHC1が18/256、保留組合せパターンHC2が10/256、保留組合せパターンHC3が4/256の確率で決定される。
なお、特図変動パターンPY2が導出された場合には、保留組合せパターンHD1〜D3は決定されない。
【0158】
このように、味方キャラの種別がキャラAの場合(保留組合せパターンHA1〜保留組合せパターンHA3)、味方キャラの種別がキャラBの場合(保留組合せパターンHB1〜保留組合せパターンHB3)、味方キャラの種別がキャラCの場合(保留組合せパターンHC1〜保留組合せパターンHC3)の順序で、特
図2の特図当否判定の結果が大当りとなる期待度が高くなり、且つ当該大当りが確変大当りである期待度が高くなる傾向にある。すなわち、味方キャラの種別は、当該順序に従って有利度が高くなる傾向にあり、保留組合せパターンが設定されない(味方キャラの種別がない)場合が最も不利な場合となる。
【0159】
また、上述の通り、上部保留表示領域821に表示される保留画像は、保留組合せパターンが設定されない場合を含め、保留組合せパターンの設定状況に応じた態様に変化する。
よって、遊技機10において、単位表示(保留画像)は、第一の態様(デフォルト保留画像の態様)となる場合と、単位表示に対応する図柄変動における当否判定によって有利な判定がなされる期待度が第一の態様よりも高い第二の態様(デフォルト保留画像とは異なる態様)となる場合と、があるものであると換言できる。
【0160】
また、味方キャラの種別がキャラAの場合、味方キャラの種別がキャラBの場合、及び味方キャラの種別がキャラCの場合のそれぞれにおいて、武器の種別が武器a、武器の種別が武器b、武器の種別が武器cの順序で、特
図2の特図当否判定の結果が大当りとなる期待度が高くなり、且つ当該大当りが確変大当りである期待度が高くなる傾向にある。すなわち、武器の種別は、当該順序に従って有利度が高くなる傾向にあり、保留組合せパターンが設定されない(武器の種別が設定されない)場合が最も不利な場合となる。
【0161】
さらに、保留組合せパターンHD1〜保留組合せパターンHD3が決定された場合には、特図変動パターンPX4及び特図変動パターンPY2が導出された可能性がなく、特図変動パターンPY1が導出されたことが確定する。すなわち、味方キャラの種別がキャラDであることが明らかになった場合には、確変大当りとなることが確定する。そのため、遊技者は、武器の種別よりも味方キャラの種別に注目し易くなる。
【0162】
また、本実施形態では、特図変動パターンPX4が導出された場合、特図変動パターンPY1が導出された場合、及び特図変動パターンPY2が導出された場合のそれぞれにおいて、いずれかの保留組合せパターンが必ず設定されることとなるが、上述の味方キャラの種別に係る有利度の関係性、及び上述の武器の種別に係る有利度の関係性が維持されれば、それぞれの場合の一部で保留組合せパターンを設定しない場合があってもよい。
なお、保留組合せパターンをしない場合とは、上述の保留組合せパターンとは異なる保留組合せパターンを設け、当該異なる保留組合せパターンを設定する場合に置き換えてもよい。
【0163】
また、本実施形態では、上部保留表示領域821に表示される保留画像の態様の上限、及び下部保留表示領域811に表示される保留画像の態様の上限を、上述の保留組合せパターンで一体的に規定しているが、それぞれの保留画像の態様の上限を独立して規定するようにしてもよい。
【0164】
<保留変化シナリオについて>
次に、
図14を用いて、保留変化シナリオの詳細を説明する。
なお、
図14は、各保留組合せパターンに対応する保留変化シナリオを示した図であり、設定する保留変化シナリオを決定するにあたり、一の保留組合せパターンに対して複数種類の保留変化シナリオが対応づけられている場合には、各保留組合せパターンの当選確率が同一(又は略同一)となる抽選によって当該一の保留組合せパターンに対応する複数種類の保留変化シナリオから設定する一の保留変化シナリオを決定する。
また、各保留組合せパターンの当選確率は同一でなくてもよく、保留組合せパターンに対応する図柄変動が大当りであるか否か、大当りである場合に確変大当りであるか否か等の条件によって当選確率に偏りが出るようにしてもよい。
【0165】
図13で示す通り、各保留変化シナリオには、保留4〜保留1のそれぞれに対応する表示領域におけるキャラ保留画像の態様及び武器保留画像の態様が定められ、各保留組合せパターンには、保留組合せパターンで定められる態様を上限として、キャラ保留画像の変化パターン及び武器保留画像の態様の変化パターンがすべて網羅されるよう保留変化シナリオが対応づけられている。
より具体的には、キャラ保留画像の態様の上限がキャラBに対応する態様(以下、キャラの種別(又は武器の種別)に対応するキャラ保留画像(又は武器保留画像)の態様を、単に、キャラの種別(又は武器の種別)で記載する場合がある)であり、且つ武器保留画像の態様の上限が武器bである保留組合せパターンHB2を例に挙げると、保留組合せパターンHB2には、保留変化シナリオSB2−1〜保留変化シナリオSB2−16が対応し、各保留変化シナリオにおける保留4〜保留1のそれぞれに対応する表示領域におけるキャラ保留画像の態様及び武器保留画像の態様は
図14に示す通りである。
【0166】
例えば、保留変化シナリオSB2−9を見ると、保留4に対応する表示領域では、キャラ保留画像の態様がキャラA、且つ武器保留画像の態様が武器aとなり、保留3に対応する表示領域では、キャラ保留の態様がキャラB、且つ武器保留画像の態様が武器aとなり、保留2に対応する表示領域では、キャラ保留画像の態様がキャラB、且つ武器保留画像の態様が武器aとなり、保留1に対応する表示領域では、キャラ保留画像の態様がキャラB、且つ武器保留画像の態様が武器bとなり、この場合、キャラ保留画像は、保留3に対応する表示領域で態様が変化し、武器保留画像は、保留1に対応する表示領域で変化する。
【0167】
なお、表示が開始される時点でのキャラ保留画像及び武器保留画像の態様は、保留変化シナリオが設定された時点での表示領域(保留4〜保留1のいずれか)に対応する態様となる。例えば、保留変化シナリオSB2−9が設定された時点での表示領域が保留3に対応する場合には、キャラ保留画像の態様はキャラBとなり、且つ武器保留画像の態様は武器aとなり、当該時点での表示領域が保留2に対応する場合には、キャラ保留画像の態様はキャラBとなり、且つ武器保留画像の態様は武器aとなり、当該時点での表示領域が保留1に対応する場合には、キャラ保留画像の態様はキャラBとなり、且つ武器保留画像の態様は武器bとなる。
【0168】
また、本実施形態では、保留組合せパターンが決定された図柄変動が保留されることなく、直接当該図柄変動になる場合には、当該時点での表示領域を保留1に対応するものとして扱い、キャラ保留画像及び武器保留画像のそれぞれがそれぞれの保留1の位置に短時間だけ表示する。
【0169】
また、本実施形態の保留変化シナリオに規定されている保留画像の態様には、デフォルト保留画像の態様が含まれていないが、デフォルト保留画像の態様が含まれていてもよい。
【0170】
また、本実施形態では、上部保留表示領域821に表示される保留画像の態様、及び下部保留表示領域811に表示される保留画像の態様を、上述の保留変化シナリオを用いて一体的に管理しているが、それぞれの保留画像の態様を独立して管理するようにしてもよい。
【0171】
また、保留画像の態様を変化させる方法としては、本実施形態の保留変化シナリオを用いた方法を必ずしも採用する必要はなく、保留組合せパターン図柄変動が進行するごとに態様を変化させるか否かを抽選し、当該抽選に当選した場合に態様を変化させる等、種々の方法を採用してもよい。
【0172】
<保留先読み演出開始処理について>
次に、
図15を用いて、先読み演出制御手段224によって実行される保留先読み演出開始処理の詳細を説明する。なお、
図15は、保留先読み演出開始処理のフローを示す図である。また、当該処理は、確変モードにおいて事前判定コマンドを受信する(確変モードにおいて特
図2の図柄変動が保留される)度に実行される。
【0173】
最初のステップS201では、上述の保留組合せパターン設定処理において新たな保留変化シナリオの設定がなされたか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS203に進み、当該条件が充足されなかった場合には保留先読み演出開始処理を終了する。
【0174】
ステップS203では、今回保留された図柄変動の手前に保留変化シナリオが設定された図柄変動があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS207に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS205に進む。
【0175】
ステップS205では、今回設定された保留変化シナリオに沿ってキャラ保留画像を最初に表示させる演出データを設定する。
なお、上述の通り、最初に表示させるキャラ保留画像の態様は、今回設定された保留変化シナリオ、及び当該保留変化シナリオが設定された時点での表示領域によって定められる。
【0176】
ステップS207では、キャラ保留画像の表示領域にデフォルト保留画像を表示させる演出データを設定する。
【0177】
ステップS209では、今回設定された保留変化シナリオ武器保留画像を最初に表示させる演出データを設定し、その後、保留先読み演出開始処理を終了する。
なお、最初に表示させる武器保留画像の態様は、上述の通り、今回設定された保留変化シナリオ、及び当該保留変化シナリオが設定された時点での表示領域によって定められる。
【0178】
<保留先読み演出変化処理について>
次に、
図16を用いて、演出内容決定手段225によって実行される保留先読み演出変化処理の詳細を説明する。なお、
図16は、保留先読み演出変化処理のフローを示す図である。また、当該処理は、確変モードにおいて変動開始コマンドを受信する度に実行される。
【0179】
最初のステップS301では、保留変化シナリオが設定されている図柄変動のうちの今回参照している図柄変動(以下、「対象となる図柄変動」と称する)の手前に保留変化シナリオが設定された図柄変動があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS307に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS303に進む。
【0180】
ステップS303では、対象となる図柄変動に設定されている保留変化シナリオにおいて、前回の表示領域に対応するキャラ保留画像の態様に対して今回の表示領域に対応するキャラ保留画像の態様が異なる(変化している)か否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS305に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS307に進む。
【0181】
ステップS305では、対象となる図柄変動に設定されている保留変化シナリオに従ってキャラ保留画像を変化させる演出データを設定する。
【0182】
ステップS307では、対象となる図柄変動に設定されている保留変化シナリオにおいて、前回の表示領域に対応する武器保留画像の態様に対して今回の表示領域に対応する武器保留画像の態様が異なる(変化している)か否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS309に進み、当該条件が充足されなかった場合には保留先読み変化演出を終了する。
【0183】
ステップS309では、対象となる図柄変動に設定されている保留変化シナリオに従って武器保留画像を変化させる演出データを設定する。
【0184】
その後、未だ参照していない保留変化シナリオが設定されている図柄変動があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合には、対象となる図柄変動を切り替え、上述の処理(ステップS301〜ステップS309)を再度実行するため、ステップS301に進み、当該条件が充足されなかった場合には、保留先読み変化演出を終了する。そのため、保留変化シナリオが設定されている図柄変動のそれぞれに対して上述の処理(ステップS301〜ステップS309)が実行されることとなる。
【0185】
このように、本実施形態では、保留変化シナリオが設定された図柄変動の手前に保留変化シナリオが設定された図柄変動(変動中の図柄変動を含む)がある場合(後述する上部保留表示領域821に表示される画像が視認困難となる場合)、下部保留表示領域811に表示されている保留画像のうちの後に保留変化シナリオが設定された図柄変動に対応する保留画像は保留変化シナリオに従った態様とする(デフォルト保留画像のとは異なる態様に変化させる)一方、上部保留表示領域821に表示されている保留画像のうちの後に保留変化シナリオが設定された図柄変動に対応する保留画像はデフォルト保留画像としている。
【0186】
なお、保留変化シナリオが設定された図柄変動の手前に保留変化シナリオが設定された図柄変動がある場合において、上部保留表示領域821に表示されている保留画像のうちの後に保留変化シナリオが設定された図柄変動に対応する保留画像の態様をデフォルト保留画像とは異なる態様に変化させてもよい。そして、当該変化を実行する場合には、当該変化の割合を、保留変化シナリオが設定された図柄変動の手前に保留変化シナリオが設定された図柄変動がない場合における変化の割合よりも低くすることが好ましく(現象面でこのような関係性になっていればよい)、このようにすることで、違和感を与え難くする後述の効果(詳細は後述)を高めることができる。
【0187】
また、詳しくは後述するが、保留変化シナリオが設定された、すなわち、保留組合せパターンが設定された図柄変動においては、対決演出が実行され、当該対決演出中に装飾図柄がリーチ状態となった場合に上部保留表示領域821に表示されている保留画像が視認困難となる。
よって、遊技機10は、第二の特定表示(上部保留表示領域821に表示される画像)を構成する単位表示(保留画像)は、所定の条件(対決演出中に装飾図柄がリーチ状態となること)が充足される場合に、所定の条件が充足されない場合よりも第二の態様(デフォルト保留画像とは異なる態様)となっている割合が低いものであると換言できる。
このようにすることで、違和感を与え難くする後述の効果を高めることができる。
【0188】
また、本実施形態では、保留変化シナリオが設定された図柄変動の手前に保留変化シナリオが設定された図柄変動がある場合において、下部保留表示領域811に表示されている保留画像のうちの後に保留変化シナリオが設定された図柄変動に対応する保留画像を保留変化シナリオに従った態様としているが、当該場合において、この保留画像がデフォルト保留画像とは異なる態様に変化する割合を高めるようにしてもよく、このようにすることで、違和感を与え難くする後述の効果を高めることができる。
【0189】
<対決演出の流れについて>
次に、
図17及び
図18を用いて、対決演出の流れを説明する。
なお、
図17及び
図18は、
図11で示された保留先読み演出に続く対決演出の流れを示し、特に、
図17は、保留先読み演出に続く対決演出の流れのうちの図柄変動が開始されてから装飾図柄がリーチ状態となるまでの流れを示す図であり、
図18は、保留先読み演出に続く対決演出の流れのうちの装飾図柄がリーチ状態となってから対決演出の結果が出るまでの流れを示す図である。
また、
図17(a)〜
図17(d)及び
図18(a)〜
図18(c)で示される演出の流れは、特図変動パターンPY1が導出され、且つ保留組合せパターンHB2が設定された場合の対決演出の流れを示し、
図17(a)〜
図17(d)、
図18(a)、
図18(b)、及び
図18(d)で示される演出の流れは、特図変動パターンPY2が導出され、且つ保留組合せパターンHB2が設定された場合の対決演出の流れを示している。
【0190】
図17には、上述の通り、図柄変動が開始されてから装飾図柄がリーチ状態となるまでの流れが示されており、
図17で示す演出は、
図17(a)、
図17(b)、
図17(c)、
図17(d)の順に進行する。
【0191】
具体的には、
図17(a)には、対決演出が実行される図柄変動が開始された直後の状態が示されており、上部保留表示領域821の保留1に対応する表示領域にキャラ保留画像Bが表示され、下部保留表示領域811の保留1に対応する表示領域に武器保留画像bが表示されている。
なお、
図17(a)の状態では、上部保留表示領域821の保留2〜保留4に対応する表示領域のそれぞれにも保留画像(デフォルト保留画像)が表示され、同様に、下部保留表示領域811の保留2〜保留4に対応する表示領域のそれぞれにも保留画像(デフォルト保留画像)が表示されている。
【0192】
図17(b)には、キャラ保留画像B及び武器保留画像bが、
図17(a)で表示されていた表示領域からメイン表示部81の表示領域の左側中段付近に向かって移動している様子が示されている。
なお、
図17(b)の状態では、上部保留表示領域821の保留2〜保留4に対応する表示領域のそれぞれに保留画像(デフォルト保留画像)が表示され、同様に、下部保留表示領域811の保留2〜保留4に対応する表示領域のそれぞれに保留画像(デフォルト保留画像)が表示されている。
【0193】
図17(c)には、メイン表示部81の表示領域の左側中段付近に移動したキャラ保留画像B及び武器保留画像bが衝突し、それぞれの保留画像の手前に爆発を模した煙画像を表示し、それぞれの保留画像を視認不能にしている様子が示されている。
なお、
図17(c)の状態では、上部保留表示領域821の保留2〜保留4に対応する表示領域のそれぞれに保留画像が表示されていた保留画像がスライドし、且つ新たに特
図2の図柄変動が保留されていないため、上部保留表示領域821の保留1〜保留3に対応する表示領域のそれぞれに保留画像(デフォルト保留画像)が表示されている。同様に、
図17(c)の状態では、下部保留表示領域811の保留2〜保留4に対応する表示領域のそれぞれに表示されていた保留画像もスライドし、且つ新たに特
図2の図柄変動が保留されていないため、下部保留表示領域811の保留1〜保留3に対応する表示領域のそれぞれに保留画像(デフォルト保留画像)が表示されている。
【0194】
図17(d)には、キャラ保留画像Bと武器保留画像bが合体し、メイン表示部81の表示領域の左側中央付近に武器bを装備したキャラBの画像が表示されている様子が示されるとともに、装飾図柄が6図柄でリーチ状態となっている様子も示されている。
なお、
図17(d)の状態では、新たに特
図2の図柄変動が保留されていないため、
図17(c)の状態と同様に、上部保留表示領域821の保留1〜保留3に対応する表示位置のそれぞれに保留画像(デフォルト保留画像)が表示され、且つ下部保留表示領域811の保留1〜保留3に対応する表示領域のそれぞれに保留画像(デフォルト保留画像)が表示されている。
また、図示は省略するが、本実施形態では、
図17(c)の後にキャラ保留画像と武器保留画像の合体が失敗する場合(特図変動パターンPX4が導出され、且つ保留組合せパターン(保留組合せパターンHA1〜保留組合せパターンHA3、及び保留組合せパターンHB1〜保留組合せパターンHB3のいずれか)が設定された場合)があり、当該場合には、装飾図柄がリーチ状態とならず、バラケ目(例えば、6図柄−7図柄−7図柄)で停止され、図柄変動が終了する。
【0195】
また、
図18には、上述の通り、装飾図柄がリーチ状態となってから対決演出の結果が出るまでの流れが示されており、
図18(a)、
図18(b)、
図18(c)の順、又は
図18(a)、
図18(b)、
図18(d)の順に演出が進行する。
【0196】
具体的には、
図18(a)には、敵キャラが登場し、武器bを装備したキャラBと敵キャラが対峙している対峙画像が表示され、且つ「対決開始」という文字画像が表示されている様子が示されている。ここで、対峙画像は、上サブ表示部82aの表示領域とメイン表示部81の表示領域を合わせた表示領域に表示され、当該文字画像は、メイン表示部81の表示領域の中央付近に表示されている。
なお、
図18(a)の状態では、下部保留表示領域811には、
図17(d)の状態と同様に、下部保留表示領域811の保留1〜保留3に対応する表示領域のそれぞれ保留画像(デフォルト保留画像)が表示されているが、上部保留表示領域821には、保留画像が表示されていない。
また、
図18(a)の状態において、装飾図柄のリーチ状態を示す画像は、上サブ表示部82aの表示領域の右上付近に表示され、メイン表示部81に当該画像は表示されていない。なお、当該画像については、上サブ表示部82aにも表示しないようにしてもよい。
【0197】
図18(b)には、敵キャラと武器bを装備したキャラBが攻撃し合った直後の攻撃画像がメイン表示部81の表示領域に表示され、且つ「勝利で確変大当り」という文字画像が上サブ表示部82aの表示領域に表示されている様子が示されている。
なお、
図18(b)の状態では、下部保留表示領域811には、
図18(a)の状態と同様に、下部保留表示領域811の保留1〜保留3に対応する表示領域のそれぞれに保留画像(デフォルト保留画像)が表示されているが、上部保留表示領域821には、保留画像が表示されていない。
また、
図18(b)の状態において、装飾図柄のリーチ状態を示す画像は、
図18(a)と同様に、上サブ表示部82aの表示領域の右上付近に表示され、メイン表示部81に当該画像は表示されていない。なお、当該画像については、
図18(a)と同様に、上サブ表示部82aにも表示しないようにしてもよい。
【0198】
図18(c)には、敵キャラと武器bを装備したキャラBが攻撃し合った結果、キャラBが勝利し、敵キャラが倒れている状態を示す結果画像がメイン表示部81の表示領域に表示され、且つ「勝利」という文字画像が上サブ表示部82aの表示領域に表示されている様子が示されている。
なお、
図18(c)の状態では、
図18(b)とは異なり、上部保留表示領域821の保留1〜保留3に対応する表示領域のそれぞれに保留画像が表示されておらず、且つ下部保留表示領域811の保留1〜保留3に対応する表示領域のそれぞれにも保留画像が表示されていない。
また、
図18(c)の状態において、装飾図柄が揃った状態を示す画像は、メイン表示部81の表示領域に表示され、この場合は確変大当りであるため、当該画像は7図柄揃い(奇数図柄揃い)を示す画像となる。より正確には、リーチ状態を構成していた6図柄が揃った状態を示す画像を表示した後に7図柄揃いを示す画像に切り替えられる
【0199】
図18(d)には、敵キャラと武器bを装備したキャラBが攻撃し合った結果、キャラBが敗北し、キャラBが倒れている状態を示す結果画像がメイン表示部81の表示領域に表示され、且つ「敗北」という文字画像が上サブ表示部82aに表示されている様子が示されている。
なお、
図18(d)の状態では、
図18(c)の状態と同様に、上部保留表示領域821の保留1〜保留3に対応する表示領域のそれぞれに保留画像が表示されておらず、且つ下部保留表示領域811の保留1〜保留3に対応する表示領域のそれぞれにも保留画像が表示されていない。
また、
図18(d)の状態において、装飾図柄が揃った状態を示す画像は、メイン表示部81の表示領域に表示され、この場合は通常大当りであるため、当該画像は6図柄揃い(偶数図柄揃い)を示す画像となる。
【0200】
このように、本実施形態では、
図17(d)の状態から
図18(a)の状態になったタイミング(装飾図柄がリーチ状態となったタイミング)において、下部保留表示領域811に表示される保留画像の表示が維持される一方、上部保留表示領域821に表示される保留画像が表示されなくなる。すなわち、下部保留表示領域811に表示される保留画像によってこの保留画像に対応する図柄変動の数が特定可能な状態が維持される一方、上部保留表示領域821に表示される保留画像によってこの保留画像に対応する図柄変動数が特定不可能となる。
そのため、遊技球の発射を促しつつも(上部保留表示領域821に表示される保留画像によってこの保留画像に対応する図柄変動の数が特定不能となることによる効果)、違和感を与え難くすることができる(下部保留表示領域811に表示される保留画像によってこの保留画像対応する図柄変動の数が特定可能な状態が維持されることによる効果)。
【0201】
なお、上述の通り、本実施形態では、上部保留表示領域821に表示される画像は、当該画像に対応する図柄変動(保留される特
図2の図柄変動)の数と同数の保留画像で構成される表示方法を採用しているが、遊技者に当該画像に対応する図柄変動の数が特定可能な表示方法(態様)であれば、上部保留表示領域821に表示される画像は、一つにまとまった画像(例えば、当該画像に対応する図柄変動の数字を模した画像)とする表示方法であってもよいし、当該図柄変動の数とは異なる数の画像とする表示方法であってもよく、このようにしても遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くすることができる上述の効果を奏する。
同様に、下部保留表示領域811に表示される画像の表示方法についても、当該画像に対応する図柄変動の数(保留される特
図2の図柄変動)が特定可能な態様であれば、一つにまとまった画像とする表示方法であってもよいし、当該図柄変動の数とは異なる数の画像とする表示方法であってもよい。
さらに、上部保留表示領域821に表示される画像の表示方法と、下部保留表示領域811に表示される画像の表示方法は、同一の表示方法であってもよいし、異なる表示方法であってもよい。
【0202】
また、上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となるタイミングは、対決演出が実行される図柄変動のいずれのタイミングでもよいが、本実施形態のように、本実施形態のタイミング(装飾図柄がリーチ状態となったタイミング)のように、対決演出の結果が報知される前のタイミングであれば、より好ましい。
【0203】
また、本実施形態では、
図17(d)の状態から
図18(a)の状態になった場合において、上部保留表示領域821に表示される画像のすべてが視認困難となるが、例えば、上部保留表示領域821に表示される画像の一部が視認困難となることで当該画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となるようにする等、上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像対応する図柄変動の数が特定不能にさえなれば、当該画像の一部が視認困難となるだけでもよい。
【0204】
また、本実施形態では、上部保留表示領域821に表示される画像が表示されなくなることで、当該画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となるようにしているが、このような方法に限らず、遮蔽体を設け、上サブ表示部82aの手前側を当該遮蔽体で遮蔽して当該画像を視認困難とする方法等、上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となる方法であれば、いずれの方法を採用してもよい。
【0205】
よって、遊技機10において、所定の条件(対決演出中に装飾図柄がリーチ状態となること)が充足された場合に、第一の特定表示(下部保留表示領域811に表示される画像)によって第一の特定表示に対応する図柄変動の数が特定可能となる状態が維持される一方、所定の条件が充足された場合に、第二の特定表示(上部保留表示領域821に表示される画像)の少なくとも一部が視認困難となることで、第二の特定表示によって第二の特定表示に対応する図柄変動の数が特定不能となると換言できる。
このようにすることで、遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くすることができる。
【0206】
さらに、遊技機10において、第二の特定表示(上部保留表示領域821に表示される画像)は、所定の条件(対決演出中に装飾図柄がリーチ状態となること)が充足された場合(対決演出中に装飾図柄がリーチ状態となった場合)に、第二の特定表示を構成する単位表示(保留画像)のうちの少なくとも一つの単位表示が視認困難となることで、第二の特定表示によって第二の特定表示に対応する図柄変動の数が特定不能となるものであると換言できる。
【0207】
また、上述の通り、保留変化シナリオが設定された図柄変動の手前に保留変化シナリオが設定された図柄変動があり、上部保留表示領域821に表示されている保留画像のうちの後に保留変化シナリオが設定された図柄変動に対応する保留画像の態様をデフォルト保留画像とは異なる態様に変化させた場合において、上部保留表示領域821に表示されている保留画像の一部が視認困難となることでこの保留画像によってこの保留画像に対応する図柄変動の数が特定不能となる場合には、デフォルト保留画像とは異なる態様の保留画像が視認困難となる割合よりも高い割合で、デフォルト保留画像が視認困難となるようにしてもよく(デフォルト保留画像とは異なる態様の保留画像が視認困難となることがない場合も含む)、このようにすることで、上述の違和感を与え難くする効果を高めることができる。
【0208】
よって、遊技機10において、第二の特定表示(上部保留表示領域821に表示される画像)を構成する第一の態様(デフォルト保留画像の態様)の単位表示(保留画像)は、所定の条件が充足された場合に、第二の特定表示を構成する第二の態様(デフォルト保留画像とは異なる態様)の単位表示が視認困難となる割合よりも高い割合で視認困難となるものであると換言できる。
このようにすることで、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0209】
また、上部保留表示領域821に表示されている保留画像の一部が視認困難となることでこの保留画像によってこの保留画像に対応する図柄変動の数が特定不能となる場合において、先に保留された図柄変動に対応する保留画像が視認困難となる割合よりも、後に保留された(後に実行される図柄変動に対応する)保留画像が視認困難となる割合の方が高くなるようにしてもよく、このようにすることで、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0210】
特に、上部保留表示領域821に表示されている保留画像の一部が視認困難となることでこの保留画像によってこの保留画像に対応する図柄変動の数が特定不能となる場合において、後に保留された(後に実行される図柄変動に対応する)保留画像が視認困難となるようにすることが好ましく、このようにすることで、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0211】
また、上部保留表示領域821に表示される保留画像のすべてが視認困難となることで当該画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となる場合と、上部保留表示領域821に表示される保留画像のうちの一部が視認困難となることで当該画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となる場合の双方が存在するようにしてもよく、この場合には、上部保留表示領域821に表示される保留画像のすべてが視認困難となる割合よりも、上部保留表示領域821に表示される保留画像の一部が視認困難となる割合の方が高いことが好ましい。このようにすることで、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0212】
また、上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となる図柄変動は、対決演出が実行される図柄変動に限らず、上述の演出モードが切り替わる図柄変動等、どのような図柄変動を採用してもよい。
但し、本実施形態のように、特
図2の特図当否判定によって大当りが導出されていることを告知する対決演出(大当りとなるか否かを告知する演出としてもよい)が実行される図柄変動において、上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となるようにすれば、遊技球の発射が停止されてしまう可能性が高い図柄変動において、遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くする上述の効果を奏する。
【0213】
よって、遊技機10において、実行される図柄変動には、第一の図柄変動(特図変動パターンPX4が導出された図柄変動)と、前記当否判定によって有利な判定がなされる期待度が該第一の図柄変動よりも高い第二の図柄変動(特図変動パターンPY1が導出された図柄変動、又は特図変動パターンPY2が導出された図柄変動)とがあり、所定の条件(対決演出中に装飾図柄がリーチ状態となること)は、第二の図柄変動が実行されている期間において充足されるものであると換言できる。
このようにすることで、遊技球の発射が停止されてしまう可能性が高い図柄変動において、遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くする上述の効果を奏する。
【0214】
また、上述の通り、本実施形態では、上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動は、下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動と一致している(上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動の全部と、下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動の全部とが一致している)が、上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動と、下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動が一部で一致するようにしてもよく、このようにしても遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くする上述の効果を奏する。
なお、上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動と、下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動が一部で一致するとは、上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動、及び下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動のうちの少なくともいずれか一方が、双方の図柄変動に共通する図柄変動に加え、当該共通する図柄変動とは異なる図柄変動に対応することを言う。
【0215】
よって、遊技機10において、第一の特定表示(下部保留表示領域811に表示される画像)は、所定の図柄変動に少なくとも対応するものであり、第二の特定表示(上部保留表示領域821に表示される画像)は、所定の図柄変動に少なくとも対応するものであり、第一の特定表示及び第二の特定表示のうちの少なくともいずれか一方は、所定の図柄変動に加え、所定の図柄変動とは異なる図柄変動に対応するものであると換言できる。
【0216】
また、上述の説明では、保留される特
図2の図柄変動は、上部保留表示領域821及び下部保留表示領域811の少なくともいずれか一方に対応することを前提に説明してきたが、上部保留表示領域821及び下部保留表示領域811のいずれにも対応しない特
図2の図柄変動を設けてもよい。
なお、上部保留表示領域821及び下部保留表示領域811のいずれにも対応しない特
図2の図柄変動を設ける場合、当該特
図2の図柄変動に対応する画像(当該画像に対応する特
図2の図柄変動の数を特定可能な画像)を、上部保留表示領域821及び下部保留表示領域811のいずれとも異なる共通保留表示領域に表示するようにしてもよい。
また、共通保留表示領域に表示される画像は、下部保留表示領域811に表示される画像と同様に、上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となるタイミングにおいて、共通保留表示領域に表示される画像に対応する図柄変動の数が特定可能となる状態が維持されるようにしてもよく、このようにすることで、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0217】
また、本実施形態では、
図18(c)及び
図18(d)で示した通り、
図17(d)の状態から
図18(a)の状態になったタイミング(装飾図柄がリーチ状態となったタイミング)で上部保留表示領域821に表示される画像が表示されなくなった(上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となった)後の、
図18(b)の状態から
図18(c)の状態(又は
図18(d)の状態)になったタイミング(対決演出の結果が報知されたタイミング)で下部保留表示領域811に表示される画像が表示されなくなっている(下部保留表示領域811に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となっている)。さらに、本実施形態では、
図18(c)及び
図18(d)で示した通り、
図18(b)の状態から
図18(c)の状態(又は
図18(d)の状態)になったタイミングで上部保留表示領域821に表示される画像が表示されなくなった(上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となった)状態が維持されている。そのため、遊技球の発射を促す上述の効果を高めることができる。
【0218】
なお、上述の下部保留表示領域811に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となるタイミングは、対決演出が実行される図柄変動のタイミングであって、上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となるタイミングよりも後のタイミングであれば、いずれのタイミングであってもよい。
【0219】
また、本実施形態では、
図18(b)の状態から
図18(c)の状態(又は
図18(d)の状態)になった場合において、下部保留表示領域811に表示される画像のすべてが視認困難となるが、上部保留表示領域821と同様に、例えば、下部保留表示領域811に表示される画像の一部が視認困難となることで当該画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となるようにする等、下部保留表示領域811に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能にさえなれば、当該画像の一部が視認困難となるだけでもよい。
【0220】
<変形例1(対決演出中の上サブ表示部82aの動作)について>
次に、
図19を用いて、対決演出中の上サブ表示部82aの動作に関する変形例を説明する。なお、
図19は、変形例1における対決演出中の上サブ表示部82aの動作を示す図である。
【0221】
具体的には、
図19で示す3つの場面のうちの左側の場面(以下、「場面1」と称する)は、
図17(d)で示す場面に相当し、当該場面には、下部保留表示領域811のうちの保留1〜保留3に対応する表示領域のそれぞれに保留画像(デフォルト保留画像)が表示され、且つ上部保留表示領域821のうちの保留1〜保留3に対応する表示領域のそれぞれに保留画像(デフォルト保留画像)が表示されている様子が示されており、さらに、上サブ表示部82aがメイン表示部81を基準として上側(メイン表示部81の表示領域に対して上サブ表示部82aの表示領域が重ならない位置)にある様子が示されている。
図19で示す3つの場面のうちの真ん中の場面(以下、「場面2」と称する)は、
図17(d)と
図18(a)の間の場面に相当し、当該場面には、下部保留表示領域811のうちの保留1〜保留3に対応する表示領域に保留画像(デフォルト保留画像)が表示されている一方、上部保留表示領域821のうちの保留1〜3に対応する領域に保留画像(デフォルト保留画像)が表示されていない様子が示されており、さらに、場面1と同様に、上サブ表示部82aがメイン表示部81を基準として上側にある様子が示されている。
図19で示す3つの場面のうちの右側の場面(以下、「場面3」と称する)は、
図18(a)で示す場面に相当し、当該場面は、場面2と同様に、下部保留表示領域811のうちの保留1〜保留3に対応する表示領域に保留画像(デフォルト保留画像)が表示されている一方、上部保留表示領域821のうちの保留1〜3に対応する領域に保留画像(デフォルト保留画像)が表示されていない。さらに、当該場面には、上サブ表示部82aがメイン表示部81に重なる位置(メイン表示部81の表示領域に対して上サブ表示部82aの表示領域が重なる位置)に移動するとともに、上サブ表示部82aの表示領域に「対決開始」の文字が表示されている様子が示されている。
【0222】
このように、変形例1では、上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となるタイミング(場面2に相当)よりも後のタイミング(場面3)で、上サブ表示部82aをメイン表示部81に重なる位置に移動させている。そのため、上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となったことを遊技者に認識させ易くなり、遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0223】
なお、本変形例では、上サブ表示部82aを移動させているが、メイン表示部81を移動させるようにしてもよいし、上サブ表示部82a及びメイン表示部81の双方を移動させるようにしてもよく、このようにしても遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。ただし、本変形例のように、上サブ表示部82aを移動させる方が当該効果をより高めることができるため、好ましい。
【0224】
よって、遊技機10において、位置制御手段(第1副制御基板200)は、第一の表示装置(メイン表示部81)及び第二の表示装置(上サブ表示部82a)のうちの少なくともいずれか一方の位置を移動させる移動制御を実行するものであると換言できる。
【0225】
また、本変形例では、上サブ表示部82aをメイン表示部81に重なる位置に移動させているが、これに限らず、メイン表示部81に重ならない位置に移動させてもよく、このようにしても遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。但し、本変形例のように、上サブ表示部82aをメイン表示部に重なる位置に移動させる方が当該効果を高めることができるため、好ましい。同様に、メイン表示部81を移動させる場合、及び上サブ表示部82a及びメイン表示部81の双方を移動させる場合のいずれにおいても、移動後の位置で上サブ表示部82aとメイン表示部81を重ねる必要はなく、このようにしても当該効果を高めることができる。但し、移動後の位置で上サブ表示部82aとメイン表示部81が重る方が当該の効果を高めることができるため、好ましい。
【0226】
また、上部保留表示領域821に表示される画像によって当該画像に対応する図柄変動の数が特定不能となるタイミング(場面2に相当)と同時に、上サブ表示部82aをメイン表示部81に重なる位置に移動させるようにしてもよく、このようにしても遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0227】
よって、遊技機10において、位置制御手段(第1副制御基板200)は、所定の条件(対決演出中に装飾図柄がリーチ状態となること)が充足され、第二の特定表示(上部保留表示領域に表示されている画像)によって第二の特定表示に対応する図柄変動の数が特定不能となるタイミング、又は第二の特定表示によって第二の特定表示に対応する図柄変動の数が特定不能となるタイミングより後の(所定の条件が充足された図柄変動内の)タイミングで、移動制御を実行するものであると換言できる。
このようにすることで、遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0228】
さらに、遊技機10において、移動制御は、第二の表示装置(上サブ表示部82a)の位置を移動させるものであると換言できる。
このようにすることで、遊技球の発射を促しつつも、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0229】
<変形例2(保留画像の表示アニメーション)について>
次に、
図20を用いて、本実施形態における上部保留表示領域821に表示される保留画像の表示アニメーションと下部保留表示領域811に表示される保留画像の表示アニメーションの関係性、及びその変形例を説明する。なお、
図20(a)は、本実施形態における上部保留表示領域821に表示される保留画像の表示アニメーションと下部保留表示領域811に表示される保留画像の表示アニメーションの関係性を示したタイムチャートであり、
図20(b)は、上部保留表示領域821に表示される保留画像の表示アニメーションと下部保留表示領域811に表示される保留画像の表示アニメーションの関係性の変形例を示すタイムチャートである。
【0230】
具体的には、
図20(a)には、第2始動口59に遊技球が入賞したタイミングt1aの直後のタイミングt2a(タイミングt1aに対して処理上の遅延を考慮したタイミングであり、タイミングt1aと同一のタイミングと解釈することもできる)で下部保留表示領域811に表示される保留画像の表示アニメーションが開始され、タイミングt2aの後のタイミングt3aで上部保留表示領域821に表示される保留画像の表示アニメーションが開始され、その後のタイミングt4aで下部保留表示領域811に表示される保留画像の表示アニメーションが終了し、タイミングt4aの後のタイミングt5aで上部保留表示領域821に表示される保留画像の表示アニメーションが終了することが示されている。
【0231】
このように、上部保留表示領域821に表示される保留画像の表示アニメーションの開始タイミングと、下部保留表示領域811に表示される保留画像の表示アニメーションの開始タイミングが異なるようにすれば、上部保留表示領域821に表示される保留画像、及び下部保留表示領域811に表示される保留画像のそれぞれを認識させ易くすることができるため、遊技球の発射を促す上述の効果を高めることができる。
【0232】
特に、本実施形態のように、上部保留表示領域821に表示される保留画像(対応する図柄変動の数が特定不能となる保留画像)の表示アニメーションの開始タイミングを、下部保留表示領域811に表示される保留画像(対応する図柄変動の数が特定可能な状態が維持される保留画像)の表示アニメーションの開始タイミングよりも後のタイミングとすれば、上述の違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0233】
また、上部保留表示領域821に表示される保留画像の表示アニメーションの終了タイミングと、下部保留表示領域811に表示される保留画像の表示アニメーションの終了タイミングが異なるようにすれば、上部保留表示領域821に表示される保留画像、及び下部保留表示領域811に表示される保留画像のそれぞれを認識させ易くすることができるため、遊技球の発射を促す上述の効果を高めることができる。
【0234】
特に、本実施形態のように、上部保留表示領域821に表示される保留画像(対応する図柄変動の数が特定不能となる保留画像)の表示アニメーションの終了タイミングを、下部保留表示領域811に表示される保留画像(対応する図柄変動の数が特定可能な状態が維持される保留画像)の表示アニメーションの終了タイミングよりも後のタイミングとすれば、上述の違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0235】
図20(b)には、第2始動口59に遊技球が入賞したタイミングt1bの直後のタイミングt2b(タイミングt1bに対して処理上の遅延を考慮したタイミングであり、タイミングt1bと同一のタイミングと解釈することもできる)で下部保留表示領域811に表示される保留画像の表示アニメーションが開始され、その後のタイミングt3bで下部保留表示領域811に表示される保留画像の表示アニメーションが終了し、タイミングt3bの後のタイミングt4bで上部保留表示領域821に表示される保留画像の表示アニメーションが開始され、その後のタイミングt5bで上部保留表示領域821に表示される保留画像の表示アニメーションが終了することが示されている。
【0236】
このように、上部保留表示領域821に表示される保留画像の表示アニメーションの実行期間と、下部保留表示領域811に表示される保留画像の表示アニメーションの実行期間が重複しないようにしてもよく、このようにしても上部保留表示領域821に表示される保留画像、及び下部保留表示領域811に表示される保留画像のそれぞれを認識させ易くすることができるため、遊技球の発射を促す上述の効果を高めることができる。
【0237】
特に、本実施形態のように、上部保留表示領域821に表示される保留画像(対応する図柄変動の数が特定不能となる保留画像)の表示アニメーションの実行期間を、下部保留表示領域811に表示される保留画像(対応する図柄変動の数が特定可能な状態が維持される保留画像)の表示アニメーションの実行期間よりも後にすれば、違和感を与え難くする上述の効果を高めることができる。
【0238】
なお、本実施形態及び上述の変形例において、上部保留表示領域821に表示される保留画像、及び下部保留表示領域811に表示される保留画像の少なくともいずれか一方に対して表示アニメーションを採用しないようにしてもよく、この場合、表示アニメーションが採用されない保留画像に関し、表示アニメーションの開始タイミングと終了タイミングを同一のタイミングとした上で、上述の関係性を担保するようにすれば、同様の効果を奏する。
【0239】
また、上述の表示アニメーションに関する説明では、上部保留表示領域821に表示される画像、及び下部保留表示領域811に表示される画像のそれぞれが保留画像である場合を例に挙げて説明したが、それぞれの画像の表示方法が保留画像を用いた表示方法でない場合にも適用可能であり、この場合には、特
図2の図柄変動が保留されたことによってそれぞれの画像の態様が変化する変化アニメーションが上述の関係性になっていれば、同様の効果を奏する。
【0240】
<変形例3(保留表示方法)について>
以上の説明では、上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動の一部又は全部と、下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動の一部又は全部が一致する場合について説明してきたが、上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動と、下部保留表示領域811に表示される図柄変動が一致しない場合であっても上述の効果を奏する変形例(変形例3)があり、以降の説明では、
図21を用いて、変形例3の詳細を説明する。なお、
図21は、変形例3において保留画像が表示される流れを示す図である。
【0241】
具体的には、
図21(a)は、ある図柄変動が実行されている場合において、新たに特
図2の図柄変動(1つ目)が保留された場合を示す図であり、
図21(a)には、下部保留表示領域811の左から1番目の(
図11における保留1に対応する)表示領域に保留画像が表示されている様子が示されている。
図21(b)は、
図21(a)における図柄変動において、更に新たな特
図2の図柄変動(2つ目)が保留された場合を示す図であり、
図21(b)には、下部保留表示領域811の左から2番目の(
図11における保留2に対応する)表示領域に保留画像が表示されている様子が示されている。
図21(c)は、
図21(a)における図柄変動において、更に新たな特
図2の図柄変動(3つ目)が保留された場合を示す図であり、
図21(c)には、上部保留表示領域821の左から1番目の(
図11における保留1に対応する)表示領域に保留画像が表示されている様子が示されている。
図21(d)は、
図21(a)における図柄変動において、更に新たな特
図2の図柄変動(4つ目)が保留された場合を示す図であり、
図21(d)には、上部保留表示領域821の左から2番目の(
図11における保留2に対応する)表示領域に保留画像が表示されている様子が示されている。
【0242】
このように、変形例3では、下部保留表示領域811に、保留される特
図2の図柄変動のうちの1つ目及び2つ目の図柄変動に対応する保留画像を表示し、上部保留表示領域821に、保留される特
図2の図柄変動のうちの3つ目及び4つ目の図柄変動(保留される特
図2の図柄変動のうちの1つ目及び2つ目の図柄変動の後の図柄変動、又は保留される特
図2の図柄変動のうちの1つ目及び2つ目の図柄変動とは異なる図柄変動)に対応する保留画像を表示しており、このような保留画像の表示方法に対しても上述の発明を採用することができる。
【0243】
なお、上述の通り、変形例3においても、本実施形態と同様に、上部保留表示領域821に表示される画像は、当該画像に対応する図柄変動(保留される特
図2の図柄変動のうちの3つ目及び4つ目の図柄変動)の数と同数の保留画像で構成されるが、当該画像に対応する図柄変動の数が特定可能となる態様であれば、上部保留表示領域821に表示される画像は、一つにまとまった画像であってもよいし、当該図柄変動の数とは異なる数の画像であってもよい。
同様に、下部保留表示領域811に表示される画像についても、当該画像に対応する図柄変動の数(保留される特
図2の図柄変動のうちの1つ目及び2つ目の図柄変動)が特定可能となる態様であれば、一つにまとまった画像であってもよいし、当該図柄変動の数とは異なる数の画像であってもよい。
さらに、上部保留表示領域821に表示される画像の表示方法と、下部保留表示領域811に表示される画像の表示方法は、同一の表示方法であってもよいし、異なる表示方法であってもよい。
【0244】
また、変形例3において、上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動の数と、下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動の数は異なっていてもよい。特に、上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動の数が、下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動の数よりも多くなることが好ましく、このようにすることで、遊技球の発射を促す上述の効果を高めることができる。
【0245】
また、上述の通り、変形例3の保留表示方法を採用した場合、上部保留表示領域821に表示される保留画像は、下部保留表示領域811に表示される保留画像に対応する図柄変動の後の図柄変動に対応する。そのため、上部保留表示領域821に表示される保留画像の態様、及び上部保留表示領域821に表示される保留画の態様は、上述の保留変化シナリオのうちのキャラ保留画像及び武器保留画像のいずれか一方の態様を変化させる流れを用いて変化させる等、上述の保留画像の変化方法とは異なる方法を採用すればよい。
【0246】
<他の変形例>
以上の説明で記載されていない変形例について、以下に列挙する。
まず、上述の説明において、上部保留表示領域821が設けられた表示装置と、下部保留表示領域811が設けられた表示装置は、別の表示装置として説明してきたが、それぞれの表示領域があらかじめ定められていれば、それぞれの表示領域が設けられた表示装置を同一の表示装置としてもよい。なお、上述の共通保留表示領域を設ける場合には、当該表示領域についても同様である。
【0247】
また、上部保留表示領域821が設けられた表示装置と、上部保留表示領域821が設けられた表示装置は、いずれも液晶表示装置として説明してきたが、ランプ等の液晶表示装置とは異なる表示装置であってもよく、上部保留表示領域821が設けられた表示装置と下部保留表示領域811が設けられた表示装置が別の表示装置である場合には、例えば、上部保留表示領域821が設けられた表示装置が液晶表示装置であり、且つ下部保留表示領域811が設けられた表示装置がランプ等、上部保留表示領域821が設けられた表示装置と下部保留表示領域811が設けられた表示装置の種類が異なっていてもよい。なお、上述の共通保留表示領域を設ける場合には、当該表示領域についても同様である。
【0248】
また、上述の説明では、保留されている特
図2の図柄変動に対応する画像(保留画像)を、上部保留表示領域821及び下部保留表示領域811(共通保留表示領域を設ける場合には、当該表示領域も含む)に表示する対象として説明したが、保留されている特
図2の図柄変動と変動中の特
図2の図柄変動を合わせた図柄変動を対象にしてもよい。さらに、本実施形態とは異なるが、特
図1の図柄変動及び特
図2の図柄変動の双方が保留されている場合に、保留されている特
図2の図柄変動が優先的に実行されない(保留されたタイミングが古い図柄変動から順に実行される)ゲーム性を採用した場合には、保留されている特
図1の図柄変動と保留されている特
図2の図柄変動を合わせた図柄変動(実行中の図柄変動を合わせてもよい)を対象にしてもよい。
すなわち、終了していない図柄変動(実行中の図柄変動を含む、連続的に実行される(保留されたタイミングが古い順に実行される)図柄変動)を、上部保留表示領域821及び下部保留表示領域811(共通保留表示領域を設ける場合には、当該表示領域も含む)に表示する対象とすればよい。
【0249】
また、上述の説明では、上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動の数、及び下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動の数は、いずれも2以上である場合を例に説明してきたが、上述の説明に矛盾が生じなければ、上部保留表示領域821に表示される画像に対応する図柄変動の数、及び下部保留表示領域811に表示される画像に対応する図柄変動の数の少なくともいずれか一方を1としてもよい。
【0250】
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0251】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1) 表示手段と、
前記表示手段の表示を制御する表示制御手段と、
を備え、発射された遊技球が所定の領域を通過したことに基づいて当否判定に用いる乱数を取得し、乱数が取得された場合に変動開始条件が充足されるまで取得された乱数に対応する図柄変動の開始を保留する遊技機であって、
前記表示制御手段は、
終了していない図柄変動の少なくとも一部に対応する特定表示を実行するものであって、
前記特定表示として、第一の特定表示及び第二の特定表示を実行するものであり、
前記第一の特定表示は、
該第一の特定表示に対応する図柄変動の数を特定可能とするものであって、
所定の図柄変動に少なくとも対応するものであり、
前記第二の特定表示は、
該第二の特定表示に対応する図柄変動の数を特定可能とするものであって、
前記所定の図柄変動に少なくとも対応するものであり、
前記第一の特定表示及び前記第二の特定表示のうちの少なくともいずれか一方は、
前記所定の図柄変動に加え、前記所定の図柄変動とは異なる図柄変動に対応するものであり、
所定の条件が充足された場合に、前記第一の特定表示によって該第一の特定表示に対応する図柄変動の数が特定可能となる状態が維持される一方、
前記所定の条件が充足された場合に、前記第二の特定表示の少なくとも一部が視認困難となることで、該第二の特定表示によって該第二の特定表示に対応する図柄変動の数が特定不能となり、
実行される図柄変動には、第一の図柄変動と、前記当否判定によって有利な判定がなされる期待度が該第一の図柄変動よりも高い第二の図柄変動と、があり、
前記所定の条件は、
前記第二の図柄変動が実行されている期間において充足されるものであることを特徴とする遊技機。
(2) 上記(1)に記載の遊技機であって、
前記第二の特定表示は、
一又は複数の図柄変動に対応するものであって、
該第二の特定表示に対応する図柄変動の数と同数の単位表示で構成されるものであり、
前記単位表示は、
第一の態様となる場合と、
該単位表示に対応する図柄変動における前記当否判定によって有利な判定がなされる期待度が前記第一の態様よりも高い第二の態様となる場合と、があるものであり、
前記第二の特定表示を構成する前記単位表示は、
前記所定の条件が充足される場合に、前記所定の条件が充足されない場合よりも前記第二の態様となっている割合が低いものであることを特徴とする遊技機。
(3) 上記(1)又は上記(2)に記載の遊技機であって、
前記第二の特定表示は、
複数の図柄変動に対応し、
該第二の特定表示に対応する図柄変動の数と同数の単位表示で構成されるものであって、
前記所定の条件が充足された場合に、該第二の特定表示を構成する前記単位表示のうちの少なくとも一つの前記単位表示が視認困難とすることで、該第二の特定表示によって該第二の特定表示に対応する図柄変動の数が特定不能となるものであり、
前記単位表示は、
第一の態様となる場合と、
該単位表示に対応する図柄変動における前記当否判定によって有利な判定がなされる期待度が前記第一の態様よりも高い第二の態様となる場合と、があるものであり、
前記第二の特定表示を構成する前記第一の態様の前記単位表示は、
前記所定の条件が充足された場合に、該第二の特定表示を構成する前記第二の態様の前記単位表示が視認困難となる割合よりも高い割合で視認困難となるものであることを特徴とする遊技機。
(4) 上記(1)乃至上記(3)のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示手段の位置を制御する位置制御手段を備え、
前記表示手段は、
第一の表示装置及び第二の表示装置で構成されるものであり、
前記表示制御手段は、
前記第一の表示装置に対して前記第一の特定表示を実行させ、
前記第二の表示装置に対して前記第二の特定表示を実行させるものであり、
前記位置制御手段は、
前記第一の表示装置及び前記第二の表示装置のうちの少なくともいずれか一方の位置を移動させる移動制御を実行するものであり、
前記所定の条件が充足され、前記第二の特定表示によって該第二の特定表示に対応する図柄変動の数が特定不能となるタイミング、又は前記第二の特定表示によって該第二の特定表示に対応する図柄変動の数が特定不能となるタイミングより後のタイミングで、前記移動制御を実行するものであることを特徴とする遊技機。
(5) 上記(4)に記載の遊技機であって、
前記移動制御は、
前記第二の表示装置の位置を移動させるものであることを特徴とする遊技機。