特許第6943586号(P6943586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6943586外部モータ付きボギー台車とそれに連携する鉄道車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6943586
(24)【登録日】2021年9月13日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】外部モータ付きボギー台車とそれに連携する鉄道車両
(51)【国際特許分類】
   B61C 9/48 20060101AFI20210927BHJP
   B61C 9/38 20060101ALI20210927BHJP
   B61F 3/04 20060101ALI20210927BHJP
   B61F 5/06 20060101ALI20210927BHJP
【FI】
   B61C9/48
   B61C9/38 Z
   B61F3/04
   B61F5/06
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-58874(P2017-58874)
(22)【出願日】2017年3月24日
(65)【公開番号】特開2017-171288(P2017-171288A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2020年2月25日
(31)【優先権主張番号】1652640
(32)【優先日】2016年3月25日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】313011906
【氏名又は名称】アルストム トランスポート テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ロデ
(72)【発明者】
【氏名】ブリュノ・キャロン
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第0364847(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第0263793(EP,A2)
【文献】 特開2012−148838(JP,A)
【文献】 特開2015−140174(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0333590(US,A1)
【文献】 特開2008−162455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61C 9/38
B61F 3/04
B61F 5/52
B61B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2対の車輪(14)を備える鉄道車両用のボギー台車(10)であって、1対の前記車輪(14)は連結装置によって互いに連結されて輪軸(28)を形成し、前記輪軸(28)はフレーム(12)によって互いに連結され、前記輪軸(28)のそれぞれは前記フレーム(12)に連節され、前記フレーム(12)が2つのクロスメンバ(20、22)を備え、前記ボギー台車が少なくとも1つのモータ(16)を備え、前記2つのクロスメンバ(20、22)が互いの間に内部スペース(E)を画定するボギー台車において、
前記モータ(16)が、横断方向(Y)には前記内部スペース(E)の外側に位置し、長手方向(X)には2つの前記輪軸(28)の間に位置し、前記モータ(16)が高さ方向(Z)に2つの前記輪軸(28)の中心軸線(W)を実質的に含む平面の上方に位置し、
前記ボギー台車は、送電用軌条に対して摩擦接触することができる集電靴(54)であって、前記モータ(16)に連結された集電靴を備えることを特徴とする、ボギー台車。
【請求項2】
前記内部スペース(E)内で延びる二次サスペンション装置(58)を備える、請求項1に記載のボギー台車。
【請求項3】
前記モータ(16)が二段減速装置(44)によって前記輪軸(28)のうちの少なくとも1つに連結されることを特徴とする、請求項1または2に記載のボギー台車。
【請求項4】
前記モータ(16)が前記減速装置(44)によって前記車輪(14)のうちの1つの車輪のハブに連結されることを特徴とする、請求項3に記載のボギー台車。
【請求項5】
前記減速装置(44)が少なくとも1つの第1の歯車(46)および第2の歯車(48)を備え、前記第1の歯車(46)が前記モータ(16)の出力軸(50)に連結され、前記第2の歯車(48)が前記ハブに連結され、前記第1の歯車(46)が高さ方向(Z)において前記第2の歯車(48)の上方に配置されることを特徴とする、請求項4に記載のボギー台車。
【請求項6】
少なくとも1つのボギー車と請求項1から5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのボギー台車(16)とを備える鉄道車両であって、前記ボギー台車(16)が前記ボギー車を保持する鉄道車両。
【請求項7】
路盤面の送電用軌条によって給電されることを特徴とする、請求項6に記載の鉄道車両。
【請求項8】
少なくとも2つのボギー車を備え、前記ボギー台車(16)が2つのボギー車を保持する、請求項6または7に記載の鉄道車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2対の車輪を備える鉄道車両用ボギー台車であって、各対の車輪は互いに連結装置によって連結されて輪軸を形成し、前記輪軸はフレームによって互いに連結され、輪軸のそれぞれはフレームに連節され、フレームは2つのクロスメンバを含み、ボギー台車は少なくとも1つのモータを備え、2つのクロスメンバは互いの間に内部スペースを画定する、ボギー台車に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば特許文献1は、そのようなボギー台車について述べている。
【0003】
そのボギー台車は、車体を、より具体的には低床式路面電車の枠組みの中で、保持するように適合されている。
【0004】
しかし、記載されているボギー台車は、ある種の地下鉄の給電に必要な路盤面の集電用第三軌条の存在と相容れるものではない。そのため、このボギー台車は、路盤面からの給電が企図されたある種の鉄道車両に組み込むものとしては適していない。
【0005】
さらに、このようなボギー台車は2つの車体の間の境界をなして設置されるようには企図されていない。
【0006】
さらに、中央部に少なくとも1つのモータを備え、中央部外側の側面に二次サスペンションを備える従来型のボギー台車では、2つの車体を受けられるようにするための同一の二次サスペンションの追加と連結装置のための体積増とによってボギー台車の軸距の拡大を来しかねない。そのため、結果として、軌道に対する鉄道車両の侵食性が高まり、ボギー台車が追従できるカーブが制限されるとともに、地下鉄ではより一段と重要なポイントである車体内の利用可能スペースが減少することにもなり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2991956号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、軸距が短く、路盤面の集電用第三軌条の存在に対応できる鉄道車両用ボギー台車を提案することによって、そうした不都合を解消することを特にその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、前述のタイプの鉄道車両用ボギー台車であって、モータが内部スペースの外側に位置し、モータは高さ方向に2つの輪軸の中心軸線を概ね含む平面の上方に位置する、ボギー台車を特に対象とする。
【0010】
モータを輪軸の平面よりも上に持ち上げることにより、モータと路盤面の間に集電靴を追加する可能性が得られ、集電靴はたとえば送電用第三軌条と相互に機能するように適合される。
【0011】
本発明によるボギー台車は、そのほか、以下の特徴のいずれか1つまたは複数を、単独であれ、技術的に可能なあらゆる組合せによるのであれ、有することができる。
- モータは、横断方向には内部スペースの外側に位置し、長手方向には2つの輪軸の間に位置する。
- ボギー台車は、内部スペース内で延びる二次サスペンション装置を備える。
- モータは二段減速装置によって輪軸のうちの少なくとも1つに連結される。
- モータは減速装置によって車輪のうちの1つの車輪のハブに連結される。
- 減速装置は少なくとも第1の歯車および第2の歯車を有し、第1の歯車はモータの出力軸に連結され、第2の歯車はハブに連結され、第1の歯車は高さ方向に第2の歯車の上方に配置される。
- ボギー台車は、送電用軌条に摩擦接触することができる集電靴を備え、集電靴はモータに接続される。
【0012】
本発明はまた、少なくとも1つのボギー車と、上述のようなボギー台車であって、ボギー車を保持する少なくとも1つのボギー台車とを備える鉄道車両にも関する。
【0013】
本発明による鉄道車両は、そのほか、以下の特徴のいずれか1つまたは複数を、単独であれ、技術的に可能なあらゆる組合せによるのであれ、有することができる。
- 車両は路盤面の送電用軌条によって給電される。
- 車両は少なくとも2つのボギー車を備え、ボギー台車は2つのボギー車を保持する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例によるボギー台車の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、本発明の一実施例によるボギー台車の斜視図である添付の図1を参照しながら、例としてのみ示す以下の説明を読むことによってよりよく理解されよう。
【0016】
本明細書では、「垂直」と「水平」という用語は鉄道車両に装備された状態のボギー台車に対して定義される。そのため、水平面は両輪軸が延びる平面とほぼ平行であり、垂直方向はすべての水平面とほぼ直角をなし、車輪は垂直面内にある。
【0017】
以下では、上に定義した垂直方向を全般に「高さ方向」と呼ぶことにする。
【0018】
「長手方向」という用語は鉄道車両が延びる方向に対して定義されるもので、鉄道車両の走行方向に相当し、「横断方向」という用語は長手方向および高さ方向に対してほぼ直角をなす方向によって定義される。
【0019】
図1に、長手方向が符号Xにより、横断方向が符号Yにより、長手方向Xおよび横断方向Yに対して直角をなす高さ方向がZにより、それぞれ示された基準座標系を示した。
【0020】
また、「前方」および「後方」という用語は、鉄道車両の長手方向Xの移動の向きに対して定義される。
【0021】
図1に、地下鉄などの鉄道車両のボギー台車10を示した。
【0022】
ボギー台車10は、フレーム12と、ボギー台車10の前方および後方にそれぞれ設けられた2対の車輪14と、少なくとも1つのモータ16とを備える。
【0023】
図示した例では、フレーム12は内枠型と呼ばれ、すなわち、フレームは車輪14によって囲われたスペースの中に配置される。このような内枠では、ボギー台車の横断方向の寸法が抑えられるだけでなく、重量が減り、製造コストも抑えられる。
【0024】
フレーム12は、2つのサイドレール18と、2つのフレームクロスメンバ、とりわけそれぞれが両サイドレール18の間に横断方向に延びる前方クロスメンバ20および後方クロスメンバ22、とを備える。
【0025】
2つのクロスメンバ20、22は互いの間に内部スペースEを画定する。
【0026】
フレーム12は、たとえば2つの半フレームが連節されたフレームである。
【0027】
それぞれのクロスメンバ20、22はそれぞれ1つのサイドレール18と一体化され、もう1つのサイドレールとは、クロスメンバが連節された、サイドレール18が延びる全体方向と平行な軸線すなわち長手方向の軸線をもつ枢動連結部24の周りに連節される。
【0028】
それにより、フレーム12は2つのL字形部分を備え、それぞれのL字形部分はクロスメンバおよびサイドレールそれぞれによって形成される。その2つのL字形部分が2つの半フレームを形成する。
【0029】
2つの半フレームは、枢動連結部24を通る対角軸線を概ね中心として互いに連節される。
【0030】
本発明のボギー台車のものと類似した連節フレームが、たとえば欧州特許出願公開第0834435号明細書に記載されていることは留意されよう。このようなフレームは、歪みと称される軌道の欠陥によって引き起こされる輪荷重の低下を抑え、そうした歪みも問題なくクリアすることを可能にする。
【0031】
それぞれの対の車輪14は連結装置(図示せず)によって互いに連結されて、2つの車輪とそれらの車輪を連結する連結装置とを含む輪軸28を形成する。
【0032】
車輪14は、ハブによって、すなわち車輪の中心で、連結される。
【0033】
連結装置は、車輪14の間を横断方向に延び、それぞれの車輪14と一体をなす。
【0034】
連結装置はとりわけ車輪間の伝動軸の機能を果たす。したがって、連結装置は輪軸28の2つの車輪14の間で動力の伝達を行う。
【0035】
輪軸28は、2つの端部の間で横断方向の中心軸線Wに沿って延びる。車輪14は輪軸28のそれぞれの端部に取り付けられる。
【0036】
輪軸28はフレーム12によって互いに連結される。
【0037】
それぞれの輪軸28はフレーム12に連節される。
【0038】
ここでは、輪軸28のそれぞれは、輪軸の軸線とほぼ平行をなす軸線の周りで、概ね輪軸の面内において2つの半フレームに対して同時に連節されている。
【0039】
それぞれの輪軸28には、少なくとも1つの軸受を備える2つの連携する軸箱が取り付けられる。軸箱は輪軸28のそれぞれの端部に、たとえば車輪14の間で、取り付けられる。
【0040】
軸箱は、軸箱に対する輪軸の回転が可能となるように軸受によって輪軸28をフレーム12に連結する。
【0041】
それぞれの輪軸28に関して、2つの軸箱は剛性連結30によって連結される。
【0042】
剛性連結30は輪軸28の周りを回転動作しない。
【0043】
剛性連結30はスリーブによって果たされる。
【0044】
スリーブは2つの連携する軸箱の軸受を連結し、対応する輪軸28の連結装置を取り囲む。
【0045】
一実施形態によれば、それぞれの軸箱は、軸箱に対する輪軸28の回転を可能にするただ1つの軸受を備える。
【0046】
それぞれの軸受は、たとえば円錐台の形を有する。円錐台は輪軸28の中心軸線Wの周りに広がる。連携する軸箱の軸受は中心面に対してほぼ対称形をなす。中心面は輪軸28の両車輪14から等距離で垂直に延びる。それぞれの軸受は輪軸28の中心軸線Wとの間にゼロでない角度αをなす。そのため、連携する軸箱の軸受は輪軸の主軸線との間に対向する角度αをなす。角度αは10から20°の間である。
【0047】
軸箱の間の剛性連結30は、ボギー台車に対して横断方向に加わる力を一方の軸箱から他方の軸箱へ伝達する。
【0048】
軸箱の軸受は、剛性連結により、それぞれの軸箱が対向する角度を有する2つの軸受を備える通常の構造によるのと変わらない有効性をもって、横断方向の力のすべてを受け持つことができる。
【0049】
フレーム12は、以下に説明する一次サスペンション34を介して軸箱に連結される。より具体的には、それぞれのサイドレール18は2つの一次サスペンション34を介して2つの軸箱に連結される。
【0050】
一次サスペンション34は垂直遊動を回復することができる。
【0051】
図1に特に示されているように、サスペンション34はそれぞれの軸箱に関してアーム36と一次コイルばね38とを備える。
【0052】
それぞれのアーム36は、対応する軸箱と一体をなす第1の端部40Aと、自由端である第2の端部40Bとの間にほぼ長手方向に延び、その結果それぞれの一次コイルばね38がほぼ連結装置の高さでオフセットされる。
【0053】
それぞれの一次コイルばね38は、アーム36の第2の端部40Bと、フレーム12によって、とりわけ対応するサイドレール18によって担持されるベース部42との間に延びる。有利には、それぞれの一次コイルばね38はほぼ高さ方向Zに延びる。
【0054】
フレーム12は、それぞれの一次サスペンション34のレベルでは、対応する軸箱の下方に位置する。そのため、フレーム12は全体として輪軸28の下方に広がる。
【0055】
モータ16は少なくとも1つの輪軸28を回転駆動することができる。
【0056】
モータ16は内部スペースEの外側に位置する。より正確には、モータ16は、横断方向Yには内部スペースEの外側に位置し、長手方向Xには2つの輪軸28の間に位置する。
【0057】
モータは、高さ方向Zに2つの輪軸28の中心軸線Wを概ね含む平面の上方に位置する。
【0058】
モータ16は二段減速装置44によって輪軸28の少なくとも1つに連結されて、モータの出力軸から輪軸に動力を伝えることができる。
【0059】
より具体的には、モータ16は減速装置44によって車輪14のうちの1つの車輪のハブに連結される。
【0060】
減速装置44は、少なくとも1つの第1の歯車46および第2の歯車48を含む。
【0061】
第1の歯車46の入力ピニオン46はカップリング装置52などによってモータ16の出力軸50に連結される。第1の歯車46の入力ピニオンは、高さ方向Zにモータ16の出力軸50と同じ高さに位置する。モータ16は第1の歯車46を回転駆動することができる。
【0062】
第2の歯車48の出力リングギアはハブに連結される。第2の歯車48の出力リングギアは高さ方向Zに車輪14のハブと同じ高さに位置する。
【0063】
第1の歯車46は高さ方向に第2の歯車48の上方に配置され、第2の歯車のところまで延びる。
【0064】
第1の歯車46は、第2の歯車48を、したがって輪軸28を駆動するように設けられる。
【0065】
一実施形態によれば、ボギー台車10は集電靴54をさらに備える。
【0066】
集電靴54は、鉄道車両の給電を可能にするように、鉄道車両が走行する軌道が設置された路盤面などに設けられた送電用軌条に対して摩擦接触することができる。
【0067】
集電靴54は高さ方向Zにモータ16の下方に位置する。
【0068】
集電靴54は、たとえば支持体56によってモータ16に連結される。
【0069】
集電靴54は、車両の動力伝達装置を介して、送電用軌条を流れる電流でモータ16に給電するように設けられる。
【0070】
ボギー台車10はまた、ボギー台車10によって保持される鉄道車両の少なくとも1つのボギー車に対してボギー台車10がその高さ方向Zに沿って相対移動することを可能にする二次サスペンション装置58を備える。
【0071】
図示した実施形態では、二次サスペンション装置58は鉄道車両の2つのボギー車と相互に機能するように企図されている。
【0072】
二次サスペンション装置58は内部スペースE内に延びる。
【0073】
それにより、ボギー台車の回転中心に接近することで角度力が低減することから、二次サスペンションが被る剪断応力の低減がとりわけ可能となる。
【0074】
二次サスペンション58は、サイドレール18のそれぞれについて、少なくとも1つの二次コイルばね60、たとえば平行に設けられた2つの二次コイルばね60を備える。
【0075】
二次コイルばね60は長方形の四隅に配置される。
【0076】
前方の2つの二次ばね60は、それぞれ異なるサイドレール上にあって、第1のボギー車を保持するように設けられる。後方の2つの二次ばね60は、それぞれ異なるサイドレール上にあって、第2のボギー車を保持するように設けられる。
【0077】
それぞれのばね60は、サイドレール18に用意された第1のベース部62Aと、鉄道車両を受けるようにされた第2のベース部62Bとの間に延びる。
【0078】
有利には、それぞれの二次コイルばね60は概ね高さ方向Zに沿って延びる。
【0079】
同一サイドレール18上の二次ばね60は、長手方向に沿ってそのサイドレール18に連結された2つの一次サスペンション手段34とほぼ整列される。
【0080】
ボギー台車10はさらに制動装置64を備える。
【0081】
制動装置64は、それぞれの車輪に近接してフレームに取り付けられた制動ブロック66を備える。
【0082】
それぞれの制動ブロック66は、制動操作を受けると車輪14と摩擦するように、それ以外のときは車輪14から離隔するように設けられる。摩擦はボギー台車10の制動をもたらす。
【0083】
より具体的には、制動ブロック66はサイドレール18の高さで車輪の踏面と接触し、車輪の踏面は、踏面とは軌道と接するように用意された車輪14の部分である。
【0084】
本発明が上述の実施形態だけに限定されるものではなく、特許請求範囲の枠組みから外れることなしに様々な変形形態をもち得ることは理解されよう。
【0085】
とりわけ、本発明は、それぞれが異なる輪軸に連結された1つまたは2つのモータを備えるボギー台車に適用することができよう。
【0086】
また、ボギー台車の連節フレームは、上述したものとは別の構造を有するものであることもできよう。
【0087】
最後に、本発明によるボギー車両は、路面電車、地下鉄、幹線列車など、あらゆるタイプの鉄道車両に装備することができよう。
【0088】
モータを内部スペースの外で持ち上げることにより、鉄道車両が送電用第三軌条によって給電される場合に適した状態を保ちながら、ボギー台車の軸距を、とりわけモータが内部スペース内のクロスメンバ20の高さに位置する場合と比べて短くすることができる。そうすることで、特にカーブで車輪が軌条に対して接していないときの車輪のアタック角を小さくすることができる。それにより、軌条の摩耗が減り、よりきついカーブであっても通り抜けることが可能になる。
【0089】
ここでは集電靴を受けるためのものとして説明したモータの下の空きスペースは、ボギー台車の他のタイプの1つまたは複数の要素を収めるために利用することもできよう。
【0090】
さらに、ボギー台車の軸距が短縮されると、輪軸はボギー台車の回転中心により近くなる。そして、車輪が回転中心に近ければ近いほど、車体の下におけるボギー台車の回転による車輪レベルでの横断方向の遊動は小さくなる。それにより、車輪とフロアの間に設けられる長手方向および横断方向の余裕を減らすことが可能となる。この余裕はもともと回転時にフロアが車輪と擦れるのを避けるために設けられているものである。
【0091】
軸箱間の剛性連結30は2つの軸箱の間で力を伝達する。そのため、軸箱の軸受は共有化される。軸箱ごとに2つの軸受を設ける必要はない。輪軸において共有化された2つの軸受は様々な力、特に横断方向の力を支えることができる。
【0092】
さらに、剛性連結30は回転駆動されないため、1つまたは複数の機器、たとえば別の送電用軌条と相互に作用するように適合された別の集電靴などを、それもまた回転駆動されないようにそこに掛止することができる。
【0093】
最後に、フレームの連節は、一次サスペンションが軌道の歪みに対処する能力をもつことを免ずるものであり、それによってそのサスペンションの遊動は垂直遊動だけに制限される。カーブでは、輪軸28はフレーム12と平行を保ち、そのため、車体の横揺れは二次サスペンションの遊動だけに限定される。したがって、地下軌道においては、車体の両側で車体と軌道を画定する壁(もしあれば)との間に見込むべき距離を小さくできる可能性がある。そのため、車体の寸法を拡大して、輸送する乗客および/または貨物のためにより広い車体内のスペースが得られるようにすることが可能となる。
【0094】
したがって、本発明によるボギー台車は鉄道車両に占めるその場所を最適化することができる。
【符号の説明】
【0095】
10 ボギー台車
12 フレーム
14 車輪
16 モータ
18 サイドレール
20 クロスメンバ
22 クロスメンバ
24 枢動連結部
28 輪軸
30 剛性連結
34 一次サスペンション
36 アーム
38 一次コイルばね
40A 第1の端部
40B 第2の端部
42 ベース部
44 二段減速装置
46 第1の歯車、入力ピニオン
48 第2の歯車
50 出力軸
52 カップリング装置
54 集電靴
56 支持体
58 二次サスペンション
60 二次コイルばね
62A 第1のベース部
62B 第2のベース部
64 制動装置
66 制動ブロック
E 内部スペース
W 中心軸線
図1