【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・大光電機株式会社が、旧桜宮公会堂にて、鹿毛竜一が発明した照明器具が掲載されたカタログ「ZERO」を配布した。配布日2017年2月1日、2日。 ・大光電機株式会社は内覧会にて鹿毛竜一が発明した照明器具を公開した。展示日2017年2月1日、2日。開催場所、旧桜宮公会堂。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前端に開口を有するセードと、前記セード内に取り付けられた光源と、前記セードの前端開口に水密状態に着脱自在に取り付けられ、かつ透光部を有する前面カバーとを備え、前記光源から出射した照明光が前記セード内の光路および前記透光部を通って前方に照射されるようにした照明器具であって、
前記セードに対しその前端開口を介して出入可能な内筒部材が前記光路の外周を覆うようにして前記セード内に着脱自在に取り付けられ、
前記内筒部材は、その前側部に設けられたバッフル機能部と、前記バッフル機能部の後方に設けられ、かつ弾力性を有するオプション取付部とを一体的に有し、
前記内筒部材における前記バッフル機能部の内周面にグレア低減用のバッフルが設けられるとともに、前記オプション取付部の内周面に周方向に沿って内周溝が設けられ、
光学系のオプションがその外周縁部が前記内周溝内に弾性嵌合されて前記内筒部材に取付可能に構成され、
前記内筒部材の前端外周縁部にフランジ状のパッキンが外側に突出するようにして一体的に設けられるとともに、そのフランジ付きの内筒部材が合成ゴムの一体成形品によって構成され、
前記パッキンが前記セードの前端開口縁部と前記前面カバーの外周縁部とで挟持されて、前記セードおよび前記前面カバー間の水密が図られるように構成されていることを特徴とする照明器具。
前記オプション取付部において前記内周溝が前後方向に間隔をおいて複数設けられるとともに、前記複数の内周溝にオプションがそれぞれ取付可能に構成されている請求項1に記載の照明器具。
【背景技術】
【0002】
従来、
グレア低減用にバッフルが設けられたスポットライト等の照明器具において、所望の配光効果(配光特性)を得るために、スプレッドレンズ、ディフュージョンレンズ等のレンズ、カラーフィルター等のオプションを組み込むことができるようにした技術が提案されている。特に屋外で使用されるスポットライトにおいては、防水性や高い強度を確保しつつ、レンズ等のオプションを確実に着脱できる構造を採用する必要があるため、様々な工夫が施されている。
【0003】
例えば下記特許文献1に示すスポットライトは、円筒状のセードの前端開口に円環状のフードが取り付けられるとともに、そのフード内に、ゴム製の環状枠部材が嵌め込まれている。さらにその環状枠部材の内周面には、
グレア低減用のバッフルと、周方向に沿って配置される内周溝とが形成されている。そしてオプションとしての円形のフィルターの外周縁部が上記内周溝に嵌め込まれることによって、フィルターが環状枠部材に取り付けられるように構成されている。
【0004】
また特許文献2に示すスポットライトは、円筒状のセードの内部における光源ユニットの前方に反射板が取り付けられるとともに、その反射板の前方にバッフル機能を有するバッフル部材が取り付けられている。そしてオプションとしてのレンズがその外周縁部が反射板およびバッフル部材間に挟み込まれることによってセード内に取り付けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記特許文献1に示す照明器具は、フード内の環状枠部材の内周面にバッフルおよびフィルター取付用内周溝を設けるものであるため、バッフルとして機能する領域(バッフル機能部)における光軸方向の寸法が短くなり、
グレアを確実に抑制できるような十分なバッフル機能を得ることが困難であるという課題があった。
【0007】
また特許文献2に示すスポットライトは、バッフル部材および反射板間にレンズ等の光学部材を取り付けるようにしているため、バッフル部材および反射板間にレンズ取付用の特別な構造を別途形成する必要がありその分、構造の複雑化を来すという課題があった。
【0008】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、レンズ等のオプションを簡単かつ確実に着脱できる上さらに、十分なバッフル機能を得ることができるとともに、構造の簡素化を図ることができる屋外用の防水性スポットライト等の照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
【0010】
[1]前端に開口を有するセードと、前記セード内に取り付けられた光源と、前記セードの前端開口に水密状態に着脱自在に取り付けられ、かつ透光部を有する前面カバーとを備え、前記光源から出射した照明光が前記セード内の光路および前記透光部を通って前方に照射されるようにした照明器具であって、
前記セードに対しその前端開口を介して出入可能な内筒部材が前記光路の外周を覆うようにして前記セード内に着脱自在に取り付けられ、
前記内筒部材は、その前側部に設けられたバッフル機能部と、前記バッフル機能部の後方に設けられ、かつ弾力性を有するオプション取付部とを一体的に有し、
前記内筒部材における前記バッフル機能部の内周面に
グレア低減用のバッフルが設けられるとともに、前記オプション取付部の内周面に周方向に沿って内周溝が設けられ、
光学系のオプションがその外周縁部が前記内周溝内に弾性嵌合されて前記内筒部材に取付可能に構成されていることを特徴とする照明器具。
【0011】
[2]前記オプション取付部において前記内周溝が前後方向に間隔をおいて複数設けられるとともに、前記複数の内周溝にオプションがそれぞれ取付可能に構成されている前項1に記載の照明器具。
【0012】
[3]前記内筒部材の前端外周縁部にフランジ状のパッキンが外側に突出するようにして一体的に設けられ、
前記パッキンが前記セードの前端開口縁部と前記前面カバーの外周縁部とで挟持されて、前記セードおよび前記前面カバー間の水密が図られるように構成されている前項1または2に記載の照明器具。
【0013】
[4]前記オプションは、レンズによって構成されている前項1〜3のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の効果】
【0014】
発明[1]の照明器具によれば、バッフル機能部およびオプション取付部が設けられた内筒部材をセードに出入自在に取り付けるものであるため、内筒部材のオプション取付部に対し必要に応じてオプションを取り付けたり取り外したりすることができ、オプションの着脱を簡単かつ確実に行うことができる。さらに内筒部材をセード内に収容するようにしているため、内筒部材のバッフル機能部を広範囲に設けることができ、十分なバッフル機能を得ることができる。またオプション取付部は内筒部材に一体的に設けられているため、オプション取付専用の手段を別途採用する必要がなくその分、部品点数等を削減できて構造の簡素化を図ることができる。
【0015】
発明[2]の照明器具によれば、内筒部材にオプション取付用の内周溝を複数形成しているため、各内周溝に種類の異なるオプションをそれぞれ取り付けることができ、オプション取付による優れた配光効果を相乗的に得ることができる。
【0016】
発明[3]の照明器具によれば、内筒部材にパッキンを一体的に設けてそのパッキンにより前面カバーおよびセード前端間の水密を図るようにしているため、前面カバーおよびセード前端間の水密を図るためのパッキン等を別途個別に組み付ける必要がなく、部品点数をさらに削減できて構造の簡素化をより確実に図ることができる。
【0017】
発明[4]の照明器具によれば、オプションとしてレンズを確実に取り付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1はこの発明の実施形態である照明器具を示す斜視図、
図2は正面図、
図3は
図2のA−A線断面図、
図4は
図2のB−B線断面図、
図5は分解断面図、
図6は要部分解斜視図である。
【0020】
これらの図に示すように本実施形態の照明器具は、防水性を有する屋外用のスポットライトを構成するものである。なお本実施形態においては、発明の理解を容易にするため、照明光を照射する方向(
図3および
図4の左側方向)を「前方」とし、その反対方向(
図3および
図4の右側方向)を「後方」として説明する。
【0021】
図1〜
図6に示すように本実施形態の照明器具は、セード1と、光源ユニット5と、内筒部材6と、前面カバー7と、電極ユニット8とを基本的な構成要素として備えている。
【0022】
セード1は、シリンダー等とも称されており円筒形状に形成されている。本実施形態においてセード1は、その前半部を構成する前側外筒体2と、後半部を構成する後側外筒体3とによって構成されている。前側外筒体2および後側外筒体3は共に、ダイキャストによるアルミニウム合金製の一体成形品によって構成されている。
【0023】
前側外筒体2は、前後両端が開放された円筒状に形成されており、本実施形態においては、前側外筒体2の前端開放部(前端開口)が、セード1の前端開口として構成されるものである。
【0024】
図3および
図5に示すように前側外筒体2の内周面には、軸心方向(前後方向)のほぼ中間部に、周方向に等間隔おきに複数のねじ留め部21が内側(内径方向)に突出するように一体に形成されている。さらにねじ留め部21の内周面における前端部には、全周にわたって周方向に連続する内向きフランジ22が一体に形成されている。
【0025】
また
図4に示すように前側外筒体2の内周面における後端には、周方向に等間隔おきに複数のねじ留め部23が内側に突出するように一体に形成されている。
【0026】
この前側外筒体2の内部においてねじ留め部21よりも後方側が、光源ユニット5を取り付けるための光源ユニット取付部25として構成されている。
【0027】
さらに
図3および
図5に示すように前側外筒体2の内周面における前端から内向きフランジ22までの領域には、周方向に等間隔おきに複数のねじ留め部24が内側に突出するように一体に形成されている。
【0028】
後側外筒体3は、前端が開放され、かつ後端が閉塞された後端閉塞円筒形状に形成されている。
図5に示すようにこの後側外筒体3の内周面には、上記前側外筒体2の複数のねじ留め部23にそれぞれ対応して複数のねじ留め部33が内側に突出し、かつ軸心方向(前後方向)に連続して延びるように一体に形成されている。
【0029】
また後側外筒体3の外周面には、外径方向に突出するように支持アーム31が一体に形成されている。
【0030】
光源ユニット取付部25に取り付けられる光源ユニット5は、LEDユニットによって構成されている。光源ユニット5は、ホルダー50と、LED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子によって構成される光源55と、レンズ56とを備えている。
【0031】
ホルダー50は、前側外筒体2および後側外筒体と同様、ダイキャストによるアルミニウム合金の一体成形品によって構成されており、前端が開口され、かつ後端が閉塞された後端閉塞円筒形状(カップ状)に形成されている。このホルダー50の前端開口縁部には、上記前側外筒体2のねじ留め部21に対応してフランジ51が外側に突出するように一体形成されている。さらにホルダー50内における底面には光源55が取り付けられている。
【0032】
レンズ56は、その前端外周縁部に上記前側外筒体2の内向きフランジ22に対応してフランジ57が外側(外径方向)に突出するように形成されている。さらにフランジ57には、その全周にわたって断面コ字状のパッキン(ガスケット)58が装着されている。
【0033】
そしてこのレンズ56および光源付きのホルダー50がねじ留めによって前側外筒体2に固定される。すなわち
図3および
図5に示すようにレンズ56のフランジ57を前側外筒体2の内部における内向きフランジ22の後面に接触させ、さらにホルダー50のフランジ51を前側外筒体2のねじ留め部21およびレンズ56のフランジ57の後面に接触させた状態で、ねじ59をホルダー50のフランジ51に貫通して前側外筒体2のねじ留め部21にねじ込んで固定する。これによりホルダー50を介して光源55が前側外筒体2の軸心上に配置されるとともに、レンズ56の外周縁部が両フランジ22,51に挟持されて、レンズ56が前側外筒体2の軸心上における光源55の前方に配置される。
【0034】
こうして光源ユニット5が取り付けられた前側外筒体2に後側外筒体3が取り付けられてセード1が形成される。すなわち
図4に示すように前側外筒体2の後端のねじ留め部23に、上記後側外筒体3のねじ留め部33を対応させつつ、前側外筒体2の後端開口縁部に後側外筒体3の前端開口縁部をパッキン(ガスケット)35を介して接触させた状態で、ねじ36を前側外筒体2のねじ留め部23に貫通して後側外筒体3のねじ留め部33にねじ込んで固定する。これにより前後両外筒体2,3が互いの軸心が一致した状態に連結されてセード1が組み付けられる。
【0035】
この組付状態では、前後両外筒体2,3間に介在されるパッキン35によって、前後両外筒体2,3間の水密が図られている。
【0036】
なお本実施形態においては、セード1の内部における光源ユニット5よりも前側の空間部が光路として構成されている。また後側外筒体3内には電極ユニット8が収容されている。
【0037】
一方、セード1の前側外筒体2内には内筒部材6が配置される。内筒部材6は、両端が開放された円筒形状に形成されている。さらにこの内筒部材6の前端外周縁部には外側に突出するようにフランジ状のパッキン(ガスケット)65が一体に形成されている。
【0038】
なお本実施形態においては、パッキン付きの内筒部材6は弾力性ないし柔軟性を有する黒色の合成ゴムの一体成形品によって構成されている。
【0039】
内筒部材6の前側部から中間部にかけての部分はバッフル機能部61として構成されるとともに、後側部はオプション取付部63として構成されている。
【0040】
バッフル機能部61の内周面には、
グレア低減用のバッフル62が形成されている。本実施形態においてバッフル62は、周方向に連続する凸条部および凹条部が軸心方向に沿って交互に細かいピッチで形成されたものによって構成されている。なお本発明においては、バッフル63の構成は特に限定されるものではなく、
グレアを低減できる構成(形状)であればどのような構成でも採用することができる。
【0041】
内筒部材6におけるオプション取付部63の内周面には、周方向に連続し、かつ全周にわたって形成される内周溝64が軸心方向に間隔をおいて2本形成されている。
【0042】
本実施形態において内筒部材6の外径寸法は、セード1の前端開口の内径寸法よりも小さく形成されるとともに、内筒部材6に一体成形されるパッキン65の外径寸法は、セード1の前端開口の内径寸法よりも大きく形成されている。従って内筒部材6は、セード1の内部に対し前端開口を介して出入自在に構成されるとともに、内筒部材6をセード1内に挿入した際には、パッキン65がセード1の前端面(前端開口周縁部)に当接して係止するように構成されている。
【0043】
また本実施形態において内筒部材6の各内周溝64,64には、スプレッドレンズ、ディフュージョンレンズ等のレンズ4、カラーフィルター等のフィルター、ハニカムルーバー等のルーバー等の光学系のオプションを必要に応じてそれぞれ取り付けることができるように構成されている。例えばレンズ4等のオプションを内筒部材6に取り付ける場合には、内筒部材6のオプション取付部63を拡径するように弾性変形させた状態で、オプション取付部63の内部にオプションとしてのレンズ(オプションレンズ)4を収容し、そのオプションレンズ4の外周縁部をオプション取付部63の内周溝64内に嵌め込む。その後、内筒部材6に対する弾性変形を解除することにより、オプションレンズ4の外周縁部が内周溝64内に弾性力によって保持されて、オプションレンズ4が内筒部材6内の所定位置に取り付けられる。また内筒部材6内に取り付けられたオプションレンズ4を取り外す場合には、内筒部材6のオプション取付部63を拡径するように弾性変形させて、オプションレンズ4の外周縁部を内周溝64から抜き出しながら、そのオプションレンズ4をオプション取付部63から外部に取り出すようにすれば良い。このように内筒部材6に対しオプションレンズ4等のオプションを簡単かつ確実に着脱することができる。
【0044】
なお言うまでもなく、レンズ以外のオプションにおいても、上記オプションレンズ4と同様に内筒部材6に対し着脱することができる。
【0045】
一方、セード1における円形の前端開口に取り付けられる前面カバー7は、円環状の枠体71を備えている。枠体71の枠内には、透明ガラス板等によって構成される透明保護板72がシリコン系接着剤等を介して水密状態に取り付けられている。本実施形態においては、この透明保護板72が透光部として構成されるとともに、枠体71が前面カバー7の外周縁部として構成されるものである。
【0046】
また枠体71の外周端縁にはその全周において外周壁75が後方に突出するように一体に形成されている。外周壁75はその内径がセード1の前端部の外径よりも少しだけ大きく形成されており、セード1の前端部に適合状態に外嵌できるように構成されている。
【0047】
本実施形態において、枠体71および外周壁75は、ダイキャストによるアルミニウム合金製の一体成形品によって構成されている。
【0048】
この前面カバー7が上記内筒部材6を介してセード1に取り付けられる。すなわち内筒部材6をセード1内にその前端開口から収容してセード1内の前側に配置して、内筒部材6の後端縁を前側外筒体2における内向きフランジ22内に嵌め込むとともに、内筒部材6のパッキン65をセード1の前端面(前端開口縁部)に係止するように配置しておく。さらに前面カバー7をその外周壁75をセード1の前端部外側に嵌め込むとともに、枠体71を内筒部材6のパッキン65に沿わせるように配置する。その状態でねじ76を前面カバー7の枠体71および内筒部材6のパッキン65に貫通してセード1の上記ねじ留め部24にねじ込んで固定する。これにより前面カバー7がセード1にパッキン65を介して圧接した状態に固定されるとともに、パッキン65が前面カバー7およびセード1の前端面によって挟持されることにより、内筒部材6がセード1内で位置固定される。この取付状態においては、前面カバー7およびセード1間に介在されるパッキン65によって、前面カバー7およびセード1間の水密が図られている。
【0049】
以上のように構成された本実施形態の照明器具においては、
図1および
図2に示すようにセード1の後側外筒体3に設けられた支持アーム31が、ベース10を介して設置面に取り付けられる。すなわち設置面に取り付けられるベース10には、ベース10の軸心回り(設置面に対し垂直な軸回り)に回転自在に支持アーム取付片11が設けられており、この支持アーム取付片11にセード1の支持アーム31が支持アーム31に対し直交する軸回り(設置面と平行な軸回り)に回転自在に取り付けられる。こうして照明器具が、設置面例えば、天井面等の下向き水平面、壁面等の垂直面、路面、床面、台面等の上向き水平面、さらに傾斜面、支柱等に適宜取り付けられる。
【0050】
本実施形態の照明器具において、レンズ4等のオプションを取り付ける場合には、照明器具前端面のねじ76を取り外して前面カバー7をセード1から取り外した後、内筒部材6をセード1内からその前端開口を介して外部に取り出す。こうして内筒部材6を外部に取り出した状態で、既述した通り内筒部材6を弾性変形させながらオプションレンズ4を内周溝64内に嵌め込んで取り付ける。その後、オプションレンズ付きの内筒部材6をセード1内にその前端開口から挿入して配置した後、既述した通り前面カバー7をねじ留めして、内筒部材6をパッキン65を介してセード1内に固定する。これによりオプションレンズ4をセード1内の光路(軸心)上に配置することができる。
【0051】
従ってこの状態の照明器具において光源55から出射した照明光は、光源ユニット5のレンズ56を通過した後、オプションレンズ4を通過して前面カバー7の透明保護板72を通過して前方に照射される。このように照明光がオプションレンズ4を通過して前方に照射されるため、オプションレンズ4による所望の配光効果を確実に得ることができる。
【0052】
なおオプションレンズ4を取り外す場合には、前面カバー7をセード1から取り外して内筒部材6を取り出した後、既述した通りオプションレンズ4を取り外せば良い。
【0053】
以上のように構成された本実施形態の照明器具においては、セード1に対し出入自在に内筒部材6を設けるとともに、その内筒部材6にバッフル機能部61を形成しているため、セード1内にバッフル機能部61を広範囲に形成することができ、
グレア抑制効果等のバッフル機能を十分に確保することができる。
【0054】
さらに内筒部材6にオプション取付部63を一体に形成し、そのオプション取付部63に必要に応じてレンズ4等のオプションを取り付けるようにしているため、オプション取付用の手段を別途設ける必要がなくその分、部品点数等を削減できて構造の簡素化を図ることができるとともに、組付部品数も削減できて組付作業性を向上させることができる。
【0055】
また本実施形態の照明器具においては、内筒部材6の前端外周にパッキン65を一体に形成し、そのパッキン65を前面カバー7およびセード前端間に介在してその間の水密を図るようにしているため、前面カバー7およびセード前端間の水密を図るためのパッキン等を別途組み付ける必要がなくこの点においても、部品点数を削減できて構造の簡素化をより確実に図ることができるとともに、組付部品数も削減できて組付作業性をより一層向上させることができる。
【0056】
また本実施形態においては、パッキン付きの内筒部材6を合成ゴムの一体成形品によって構成しているため、パッキン付きの内筒部材6を効率良く製造できて、コストを削減することができる。
【0057】
また本実施形態の照明装置においては既述した通り、レンズ4等のオプションを簡単に取り出すことができるため、オプションの清掃作業や保守点検作業を不具合なく確実に行うことができ、ひいては照明装置自体の耐久性を向上させることができる。
【0058】
また本実施形態の照明器具においては、内筒部材6にオプション取付用の内周溝64を2本形成しているため、各内周溝64,64にオプションをそれぞれ取り付けることができる。このため種類が異なる2つのオプションを同時に取り付けることができ、オプション取付による優れた配光効果を相乗的に得ることができる。
【0059】
なお上記実施形態においては、セード1として円筒状のものを採用しているが、本発明においてセードの形状は特に限定されるものではない。例えばセードとして、角筒状や楕円筒状のものを採用しても良い。
【0060】
さらに上記実施形態においては、前端から後端にかけて外径が一定のセード1を用いる場合を例に挙げて説明しているが、本発明においてはセードの外径を部分的変更するようにしても良い。例えばセードにおける前部外径が後部の外径よりも次第に大きくなるようにラッパ状や円錐台状に形成するようにしても良い。
【0061】
また上記実施形態においては、内筒部材6として円筒状のものを採用しているが、本発明において内筒部材6の形状は上記のものに限定されるものではなく、例えばセードの形状に合わせて、角筒状や楕円筒状に形成したり、前側部をラッパ状やテーパ状(円錐台状)に形成するようにしても良い。
【0062】
また本発明の照明器具は、屋外だけに限られずに、屋内に取り付けるようにしても良い。
【0063】
また上記実施形態においては、内筒部材6にオプション取付用の内周溝64を2本形成する場合を例に挙げて説明したが、内筒部材の内周溝の形成本数は限定されるものではなく、本発明においては内筒部材に内周溝を1本または3本以上形成するようにしても良い。