(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、提供内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.提供処理の一例〕
まず、
図1を用いて、提供装置100を備える提供システム1を例に、提供処理の動作を説明する。提供システム1は、提供装置100と、端末装置10−1〜10―3と、端末装置20−1〜20−3と、サーバ装置90を備える。端末装置10−1は広告主Aの管理者M1が操作する端末装置であり、端末装置10−2は広告主Bの管理者M2が操作する端末装置であり、端末装置10−3は広告主Cの管理者M3が操作する端末装置である。なお、以下の説明では、端末装置10−1〜10−3等を総称して端末装置10と記載することがある。端末装置10は、例えば、ノートPC等の情報処理装置である。
【0011】
端末装置20−1はユーザU01が操作する端末装置であり、端末装置20−2はユーザU02が操作する端末装置であり、端末装置20−3はユーザU03が操作する端末装置である。以下の説明では、端末装置20−1〜20−3等を総称して端末装置20と記載することがある。尚、
図1は、端末装置10−1〜10−3及び端末装置20−1〜20−3を示すが、端末装置10及び端末装置20は、夫々、任意の台数とすることができる。
【0012】
〔1−2.提供システムの動作〕
提供装置100は、広告主A〜Cの端末装置10から広告コンテンツの登録を受付け(ステップS10)、また、提供装置100は、ユーザU01〜U03の端末装置20に対して、例えば、広告コンテンツを提供するサーバ用ホストコンピュータである。
【0013】
提供装置100は、端末装置20に広告コンテンツを配信する。端末装置20は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。なお、端末装置20は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0014】
提供装置100は、端末装置20から広告コンテンツの配信要求を受付ける。広告コンテンツの配信要求を受付けると、提供装置100は、広告コンテンツの配信要求を行った端末装置20に対して、広告コンテンツを配信する(ステップS11)。
【0015】
サーバ装置90は、端末装置20から質問の投稿を受付ける(ステップS12)。質問は、例えば、広告主が販売する製品についての質問である。例えば、広告主が販売する製品に対して、否定的な質問が多い場合には、広告主に対する印象は否定的であると推定される。
【0016】
サーバ装置90は、端末装置20から回答の投稿を受付ける(ステップS13)。回答は、投稿された質問に対する回答であり、例えば、質問を閲覧した他のユーザから投稿される。例えば、広告主が販売する製品についての否定的な質問に対して、その内容を支持する回答の投稿が多い場合には、その広告主に対する印象は否定的であると推定される。一方、逆に、広告主に対する否定的な質問に対して、その内容を否定する回答の投稿が多い場合には、広告主に対する印象は肯定的であると推定される。
【0017】
サーバ装置90は、端末装置20から評価投稿を受付ける(ステップS14)。評価投稿は、例えば、投稿されたコメントや質問、質問への回答に対する評価であり、例えば、その内容を支持する「Good」や「いいね」等による評価を含む。
【0018】
提供装置100は、サーバ装置90から情報を取得する(ステップS15)。提供装置100は、サーバ装置90から取得した質問や質問に対する回答、あるいは、評価投稿の内容に基づいて、広告主に対する印象の判定を行う(ステップS16)。尚、広告主の名称は、いわゆるブランドを示す場合がある。この為、“広告主に対する印象”は“ブランドに対する印象”と同義として両者を併用する場合がある。また、ユーザから投稿される質問や質問に対する回答、評価等を総称して投稿情報と呼ぶ場合がある。広告主に対する印象の判定の内容については、後述する。提供装置100は、判定の結果に基づいて広告主A〜Cの広告量の調整を行う(ステップS17)。例えば、広告主Aに対する印象が「肯定的」であると評価する割合(以降、肯定度と言う場合がある)が増加したと判定した場合には、広告主Aの広告量を増やす調整を行う。例えば、ユーザU01〜U03に配信する広告のコンテンツを増やす調整を行う。逆に、広告主に対する肯定度が低下した場合には、例えば、ユーザU01〜U03に配信する広告のコンテンツを減らす調整を行う。
【0019】
提供装置100は、広告主A〜Cに対して情報提供を行う(ステップS18)。例えば、広告主Aに対して、広告主Aに対する印象の変化を示すデータD1の情報、及び、印象の変化に基づく広告量の調整を示すデータD2の情報を含むデータDを提供する。
【0020】
例えば、データD1は、時刻t1以降、広告主Aに対する印象の肯定度が低下したことを示す。時刻t1は、例えば、広告主Aに関するニュース記事が配信された時刻である。データD2は、広告主に対する印象の肯定度がしきい値「BIt」まで低下したタイミングt2において、例えば、広告主Aに関する広告量を減らす調整を行ったことを示す。
【0021】
このように、提供装置100は、広告主A〜Cに関する投稿情報に基づいて夫々の広告主に対する印象が肯定的であるか否定的であるかを判定し、その判定結果に応じて、その広告主に関する広告量を調整する。これにより、効率的に広告コンテンツの配信を行うことができる。尚、広告量の調整は、広告主の意向に基づいた調整とすることができる。例えば、広告主に対する肯定度が低い場合に、広告量を増やすことを希望する広告主の広告量については、その意向に従って広告量を増やす調整とすることができる。例えば、提供装置100が端末装置10から広告主の意向に従った指示情報を示す情報信号(図示せず)を受付け、その情報信号に基づいて広告量を調整することができる。
【0022】
また、広告量の調整をした後の結果に基づいて、広告量の調整の仕方を変更してもよい。例えば、広告量を増やす調整をしたにも拘らず、広告主の広告コンテンツへのクリック率(CTR:Click Through Rate)が増えない場合には、広告量を元の状態に戻す調整を行ってもよい。広告コンテンツへのクリック率は、広告主に対する印象の肯定度を反映すると考えられるからである。尚、広告量の調整に加え、あるいは、広告量の調整に代えて、広告主に関して配信する広告コンテンツを変更してもよい。
【0023】
〔2.提供装置の構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る提供装置100の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る提供装置100の構成例を示す図である。
図2に示すように、提供装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、提供装置100は、端末装置10の管理者M1〜M3等から各種操作を受付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0024】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、通信ネットワークN(図示せず)と有線または無線で接続され、例えば提供システム1に含まれる端末装置10及び20、サーバ装置90等との間で情報の送受信を行う。
【0025】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、
図2に示すように、広告主情報記憶部121と、ユーザ情報記憶部122と、印象語記憶部123を有する。
【0026】
(広告主情報記憶部121)
実施形態に係る広告主情報記憶部121は、各広告主に関する各種情報を記憶する。広告主情報記憶部121は、各広告主が販売する商品、広告主に関する広告コンテンツといった情報を広告主に対応付けて記憶する。
図3は、広告主情報記憶部121に記憶される情報の例を示す図である。
図3の例では、広告主情報記憶部121は、例えば、広告コンテンツCT01〜CT03の情報を各広告主A〜Cに対応付けて記憶する。また、広告主情報記憶部121は、各広告主A〜Cが販売する商品の商品名NAME1〜NAME3を広告主A〜Cに対応させて記憶する。「登録日」は、各広告コンテンツCT01〜CT03が登録された日を示す。例えば、広告コンテンツCT01は、y1年m1月d1日に登録されたことを示す。また、「カテゴリ」は、広告コンテンツCT01〜CT03が関連するカテゴリを示し、
図3の例の場合は、車に関するものであることを示す。なお、広告主情報記憶部121は、
図3の例に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、広告主情報記憶部121は、広告主に対する印象度をカテゴリ毎に記憶してもよい。
【0027】
(ユーザ情報記憶部122)
実施形態に係るユーザ情報記憶部122は、ユーザに関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部122は、各ユーザの端末装置20に配信した広告コンテンツに対するユーザの行動情報を記憶する。
図4は、ユーザ情報記憶部122に記憶される情報の例を示す。ユーザ情報記憶部122は、例えば、各ユーザU01〜U05、U07に対応付けて、各ユーザが質問を投稿した「質問投稿日」、その質問に対して回答を投稿した「回答投稿日」、及び、その質問、あるいは回答内容の「印象」を記憶する。例えば、
図4の例では、ユーザU04が、y0年m0月d0日に質問を投稿し、その質問の広告主に対する印象は中間(ニュートラル)「NT」であったことを示す。また、
図4の例は、ユーザU01がその質問に対してy4年m4月d4日に回答を投稿し、その回答の広告主に対する印象は肯定的「P」であったことを示す。なお、ユーザ情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0028】
(印象語記憶部123)
実施形態に係る印象語記憶部123は、印象語の情報を記憶する。例えば、印象語記憶部123は、広告主に対する肯定的な印象を示す印象語を記憶する。
図5は、実施形態に係る印象語記憶部123に記憶される情報の例を示す。
図5に示す例では、カテゴリ「車」、「衣料品」について、夫々、広告主に対して肯定的な印象を示す「肯定的印象語」と、広告主に対して否定的な印象を示す「否定的印象語」が登録される。例えば、
図5に示す例では、カテゴリ「車」において、「肯定的印象語」として「乗りやすい」「かっこいい」等が登録され、「否定的印象語」として「乗りにくい」「かっこ悪い」等が登録されている。尚、「カテゴリ」は製品分野に限らず、安全性、経済性、価格等、細分化してもよい。「カテゴリ」を細分化することで、広告主に対する印象の判定の精度を上げることができる。例えば、広告主Aについては、「安全性」についての印象は肯定的であるが、「価格」についての印象は否定的であるといった判定を行うことができる。尚、印象語記憶部123に記憶される印象語は、適宜、見直すことができる。なお、印象語記憶部123は、
図5の例に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0029】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、提供装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(提供プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0030】
図2に示すように、制御部130は、取得部131と、判定部132と、調整部133と、生成部134と、送信部135を有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0031】
(取得部131)
例えば、取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、通信部110を介して、サーバ装置90から投稿情報を取得する。取得部131は、広告主情報記憶部121やユーザ情報記憶部122や印象語記憶部123から各種情報を取得する。また、取得部131は、各種情報を外部の情報処理装置から取得してもよい。
【0032】
例えば、取得部131は、所定の電子商取引における広告主から広告コンテンツの情報を取得する。
図1の例では、取得部131は、端末装置10から広告主A〜Cの広告コンテンツの登録を受付け、情報を取得する。
【0033】
例えば、取得部131は、ユーザU01〜U03による広告主に関する検索内容から広告主に関する情報を介して取得する。例えば、取得部131は、ユーザU01〜U03による広告主に関する質問内容から広告主に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザU01〜U03による広告主に関するコメントや質問に対する回答、あるいは回答への評価情報から広告主に関する情報を取得する。
【0034】
(判定部132)
判定部132は、広告主に関して取得した情報から広告主に対する印象を判定する。例えば、判定部132は、広告主に関する印象が肯定的であるか否定的であるかを判定する。例えば、判定部132は、取得部131が取得した情報に含まれる印象語と、印象語記憶部123が記憶する印象語とを照合することにより、広告主に対する印象を判定する。
【0035】
(調整部133)
調整部133は、広告主に関する広告量の調整を行う。例えば、調整部133は、判定部132の判定結果に基づいて、配信する広告コンテンツの量を調整して広告量を調整する。あるいは、広告コンテンツの配信先を調整して広告量を調整する。尚、調整部133は、広告主からの指示情報に基づいて広告主に関する広告量を調整とする構成とすることができる。例えば、広告主に対する肯定度が低い場合に広告量を増やすことを指示する指示情報に基づいて、広告量を増やす調整を行う。あるいは、広告主からの指示情報に基づいて、広告主に対する印象が否定的なユーザに対する広告コンテンツの配信を中止させることにより広告量を減らす調整を行う。また、調整部133は、広告主からの指示情報に基づいて、他の広告主に対する印象度に応じて広告量を調整する。
【0036】
図1の例では、調整部133は、広告主に対する印象の肯定度が低下した場合に、その広告主の広告量を減らす調整を行う。
【0037】
例えば、調整部133は、広告主に対して否定的な印象を持っているユーザに対する広告コンテンツの配信を停止することにより、広告量を調整する。
【0038】
例えば、調整部133は、一の広告主に対する印象度と他の広告主に対する印象度を比較して、その比較結果に応じて一の広告主の広告量の調整を行う。これにより、一の広告主の広告を効率的に配信することができる。
【0039】
(生成部134)
生成部134は、広告主に提供する各種データ情報を生成する。例えば、生成部134は、判定部132による判定結果の情報と、判定結果に基づく広告量の調整の結果を示すデータを生成する。例えば、生成部134は、広告主に対する印象度の推移を月次ベースで生成する。
図1の例では、生成部134は、広告主に対する印象を示すデータD1と広告量の調整を示すデータD2を含むデータDを生成する。尚、生成部134は、特定の広告主に関する検索で使用された検索ワードの情報をまとめたデータを生成してもよい。
【0040】
(送信部135)
送信部135は、広告主の端末装置10とユーザの端末装置20に各種情報を送信する。例えば、送信部135は、生成部134が生成した各種データを端末装置20に送信する。
図1の例では、送信部135は、広告主の端末装置10にデータDを送信する。また、
図1の例では、送信部135は、ユーザの端末装置に広告主A〜Cの広告コンテンツを配信する。
【0041】
図6は、広告主に対する印象を判定する為の投稿情報を取得する一つの例を説明する為の図である。
図6に示す例においては、広告主に関する投稿情報は、質問とその回答から取得する。
【0042】
図6の状態D13の例では、カテゴリ「車」の画面において、ユーザは端末装置20のテキストボックスTB2に質問を記入する。
図6の例では「○○○の車を検討しています。どう思いますか?」の質問が記入されている。ユーザは、ボタンB23をクリックすることで、質問を投稿する。投稿した質問は、例えば、サーバ装置90に送信される。
【0043】
図6の状態D14は、投稿した質問Q1に対する回答が表示された状態を示す。回答は、例えば、ユーザからの投稿を受付け、サーバ装置90から配信されて端末装置20に表示される。
図6の例においては、閲覧情報V17と回答情報R17が付されている。閲覧情報V17は、質問Q1が閲覧された回数を示す。
図6の状態D14の例では、閲覧情報V17として“閲覧数:13,713”が表示されている。この例は、質問Q1に対して13,713回の閲覧が行われたことを示している。また、
図6の状態D14の例では、回答情報R17として“回答数:7”が表示されている。この例では、質問Q1に対して7つの回答があったことを示している。
【0044】
図6の状態D14は、「ベストアンサーに選ばれた回答」A17を表示する。
図3の例では、評価情報EP17として肯定的評価を示す画像(親指を上向きに立てた手の画像)“100”が表示されている。この例は、回答A17に対して100件の肯定的評価がなされたことを示している。また、評価情報EN17として否定的評価を示す画像(親指を下向きに下した手の画像)“10”が表示される。この例は、回答A17に対して10件の否定的評価がなされたことを示している。
【0045】
また、
図6の状態D14では、“もっと見る”ボタンB3を表示する。ユーザがボタンB3をクリックすることで、質問Q1に対する他の回答を閲覧することができる。
【0046】
図6の例では、提供装置100は、例えば、ベストアンサーに選ばれた回答A17の内容を分析して、広告主に対する印象を判定する。提供装置100は、回答対象の主体(広告主)として○○○を認識し、印象語として「いい」、「乗せやすい」を認識する。提供装置100が予め記憶する印象語と照合することにより、広告主○○○に対する印象を判定することができる。
図6の例では、「いい」「乗せやすい」は、肯定的な印象語として登録されており、ベストアンサーに選ばれた回答A17は、広告主○○○に対する肯定的な内容として判定される。広告主に関する質問は、ユーザが広告主に対して興味を示す場合であり、また、その質問に対する回答は、ユーザがその広告主に対する印象を反映する場合が多い。従って、質問と回答に基づいて広告主に対する印象を判定することで、広告主に対する印象を適切に判定することができる。
【0047】
また、ベストアンサーは、多くのユーザに指示された内容であると評価できる。従って、広告主に対する印象を、ベストアンサーに選ばれた回答を分析して判定することで、信頼性の高い判定を行うことができる。
【0048】
図7は、提供装置100が回答を解析する様子を示す図である。
図7には、提供装置100が回答A11〜A13、A15を解析する様子が示されている。例えば、回答A11〜A13、A17は、ユーザが
図7に示すボタンB3をクリックすることで、閲覧することができる。
【0049】
回答A11は「○○○の車□□□は乗りやすい」という内容の回答である。提供装置100は回答AQ11において回答対象となっている主体を特定する。例えば、提供装置100は回答A11の構文解析(例えば、形態素解析)を行う。そして、提供装置100は、主語部分である「○○○の車□□□」の「○○○」を回答A11における回答対象の主体(広告主、あるいはブランド)と特定する。さらに、提供装置100は回答A11が肯定的な内容か否定的な内容かを判定する。
【0050】
例えば、提供装置100は肯定的な印象を示す印象語と否定的な印象を示す印象語が登録された辞書を予め保持する。そして、提供装置100は回答A11の構文解析を行うことにより回答A11の述語部分を特定する。
図7の例では「乗りやすい」が回答A11の述語部分である。そして、提供装置100は回答A11の述語部分を、登録した印象語と照合することにより、回答A11の述語部分が肯定的内容か否定的内容かを判定する。
【0051】
提供装置100は、回答A11の述語部分が肯定的内容の場合は回答A11が肯定的であると判定し、回答A11の述語部分が否定的内容の場合は回答A11が否定的であると判定する。
図7の例では回答A11の述語部分である「乗りやすい」は肯定的な印象を示す印象語として登録されており、回答A11が肯定的であると判定する。
図7に示す“P”は回答A11が肯定的であることを示す。
【0052】
回答A12は「○○○の車△△△は燃費が良い」という内容の回答である。提供装置100は回答A12において回答対象となっている主体を特定する。例えば、提供装置100は回答A12の構文解析(例えば、形態素解析)を行う。そして、提供装置100は、主語部分である「○○○の車△△△」を、回答AQ12における回答対象の主体(広告主、あるいはブランド)と特定する。
【0053】
さらに、提供装置100は回答A12が肯定的な内容か否定的な内容かを判定する。例えば、提供装置100は肯定的な印象を示す印象語と否定的な印象を示す印象語が登録された辞書を予め保持する。そして、提供装置100は回答A12の構文解析を行うことにより回答A12の述語部分を特定する。
図7の例では「燃費が良い」が回答A12の述語部分である。そして、提供装置100は回答A12の述語部分を、登録した印象語と照合することにより、回答A12の述語部分が肯定的内容か否定的内容かを判定する。尚、「燃費」を、カテゴリを示す情報として取得してもよい。
【0054】
提供装置100は、回答A12の述語部分が肯定的内容の場合は回答A12が肯定的であると判定し、回答A12の述語部分が否定的内容の場合は回答A12が否定的であると判定する。
図7の例では回答A12の述語部分である「燃費が良い」の「良い」は肯定的な印象を示す印象語として登録されており、回答A12が肯定的「P」であると判定する。
【0055】
回答A13は「○○○の車☆☆☆はかっこいい」という内容である。提供装置100は回答A13において回答対象となっている主体を特定する。例えば、提供装置100は回答A13の構文解析(例えば、形態素解析)を行う。そして、提供装置100は、主語部分である「○○○の車☆☆☆」を、回答A13における回答対象の主体(広告主、あるいはブランド)と特定する。
【0056】
さらに、提供装置100は回答A13が肯定的な内容か否定的な内容かを判定する。例えば、提供装置100は肯定的な印象を示す印象語と否定的な印象を示す印象語が登録された辞書を予め保持する。そして、提供装置100は回答A13の構文解析を行うことにより回答A13の述語部分を特定する。
図7の例では「かっこいい」が回答A13の述語部分である。そして、提供装置100は回答A13の述語部分を、登録した印象語と照合することにより、回答A13の述語部分が肯定的内容か否定的内容かを判定する。
【0057】
提供装置100は、回答A13の述語部分が肯定的内容の場合は回答A13が肯定的であると判定し、回答A13の述語部分が否定的内容の場合は回答A13が否定的であると判定する。
図7の例では回答A13の述語部分である「かっこいい」は肯定的な印象を示す印象語として登録されており、回答A13が肯定的「P」であると判定する。
【0058】
回答A15は「○○○の安全点検は不充分だ」という内容のコメントである。提供装置100は回答A15において回答対象となっている主体を特定する。例えば、提供装置100は回答A15の構文解析(例えば、形態素解析)を行う。そして、提供装置100は、主語部分である「○○○の安全点検」を、回答A15における回答対象の主体(広告主、あるいはブランド)と特定する。
【0059】
さらに、提供装置100は回答A15が肯定的な内容か否定的な内容かを判定する。例えば、提供装置100は肯定的な印象を示す印象語と否定的な印象を示す印象語が登録された辞書を予め保持する。そして、提供装置100は回答A15の構文解析を行うことにより回答A15の述語部分を特定する。
図7の例では「不充分だ」が回答A15の述語部分である。そして、提供装置100は回答A15の述語部分を、登録した印象語と照合することにより、回答AQ15の述語部分が肯定的内容か否定的内容かを判定する。尚、「安全点検」を、カテゴリを示す情報として取得してもよい。
【0060】
提供装置100は、回答A15の述語部分が肯定的内容の場合は回答A15が肯定的であると判定し、回答A15の述語部分が否定的内容の場合は回答A15が否定的であると判定する。
図7の例では回答A15の述語部分である「不充分だ」は否定的な印象を示す印象語として登録されており、回答A15が否定的「N」であると判定する。
【0061】
主体(広告主、あるいはブランド)に関するユーザからの回答の述語部を予め登録した印象語と参照することにより、ユーザの広告主に対する印象が「肯定的」か「否定的」かを判定することができる。また、提供装置100に登録する印象語は、広告主が属する業界、あるいは、家電、車、日用品といった製品分野、あるいは、安全性、経済性、価格等に、適宜、カテゴリ分けして登録してもよい。カテゴリ分けすることで、広告主に対する印象の判定の精度を上げることができる。例えば、広告主Aが自動車業界に属する場合、広告主Aが販売する車の安全性に対する印象は肯定的であるが、価格に対する印象は否定的である等、カテゴリ毎に分けて印象の判定を行うことができる。また、カテゴリ毎に登録した印象語を適宜見直すことで、時代の流れに応じて広告主に対する印象を適切に判定することができる。尚、提供装置100は、例えば、回答が登録した印象語を含まない場合には、回答を投稿したユーザの広告主に対する印象は中間(ニュートラル)「NT」と判定する。
【0062】
図8は、回答の分析結果の一例を示す図である。
図8は、広告主「○○○」に関する回答を抽出し、内容を解析して印象を判定した結果を示す。例えば、
図8の解析結果は、回答を投稿したユーザと、主体である広告主、回答の識別番号、印象に対する判定結果、回答の閲覧数、評価等を含む。
【0063】
図8の解析結果は、例えば、回答A11はユーザU01が投稿したもので、内容は、広告主「○○○」に関する質問Q1に対して肯定的「P」であり、回答A11の「閲覧数」は、6,182回で、「評価」は“88.9”であることを示す。この「評価」は、
図8に示す回答A17と同様、肯定的評価を示す評価情報EP11の値(図示せず)と否定的評価を示す評価情報EN11の値(図示せず)の総数で肯定的評価情報EP11の値を除した値を百分率で示す値である。以下、同様である。回答A11は、広告主○○○に対して「肯定的」である為、評価“88.9”は、広告主○○○に対する「肯定度」と捉えることができる。
【0064】
同様に、
図8は各ユーザU02、U03、U05が投稿した回答A12、A13、A15、及びユーザU07が投稿したベストアンサーA17についての「印象」「閲覧数」「評価」等を示す。尚、回答A15は、広告主○○○に対する印象が否定的「N」であるため、「評価」は否定的な印象「N」に対する支持を示す。従って、否定的な印象「N」の支持が50を下回ることを示す。
【0065】
例えば、広告主○○○に関する各回答A11〜A13、A15、A17の印象を肯定的「P」と否定的「N」に分類し、各回答に対する「閲覧数」と「評価」を乗算した値の総和によって、全体としての広告主○○○に対する印象度とすることができる。例えば、広告主○○○に対する肯定的な回答に対する「閲覧数」とその肯定的な回答を支持する「評価」の乗数の合計値(肯定的評価係数PE)と、否定的なコメントに対する「閲覧数」とその否定的なコメントを支持する「評価」の乗数の合計値(否定的評価係数NE)により求めた値(=(PE)/(PE+NE))を広告主○○○に対する肯定的な印象度とすることができる。また、同様に、(NE)/(PE+NE)を広告主○○○に対する否定的な印象度とすることができる。
【0066】
判定結果に基づいて、広告主○○○に関する広告量を調整することができる。例えば、広告主○○○に対する印象が否定的な場合には、提供装置100は、広告主○○○に関する広告コンテンツの配信を減らす調整を行うことができる。例えば、広告コンテンツの数を減らすことで広告量を減らす調整を行う。あるいは、広告主○○○に対して否定的な印象の回答を投稿したユーザU05に対しては、広告主○○○に関する広告コンテンツの配信を中止することで広告量を減らす調整を行う。例えば、ユーザU05の投稿履歴の情報に基づいて、広告コンテンツの配信先を調整することができる。広告主に対する印象が否定的な場合には、その広告主の商品に対するユーザの購買意欲は低いと想定される。従って、広告主に対する印象が肯定的か否定的かに応じて広告量を調整することで、広告コンテンツの配信を効率的に行い、例えば、広告主が広告配信に費やす広告費を有効活用することができる。
【0067】
本実施形態では、提供装置100は、複数の回答それぞれについて、回答対象となっている主体を特定する。また、提供装置100は、複数の回答それぞれについて、回答が肯定的か否定的か(例えば、回答対象の広告主に対して回答が肯定的か否定的か)を判定する。
【0068】
尚、提供装置100は、回答の内容が肯定的な場合の肯定的な評価は肯定的と判定する。回答が肯定的な場合の否定的な評価は否定的と判定する。また、回答が否定的な場合の否定的な評価は肯定的と判定する。また、回答が否定的な場合の肯定的な評価は否定的と判定する。例えば、ベストアンサーA17に基づいて広告主に対する印象を判定する場合に、仮に、ベストアンサーA17が広告主に対して肯定的な内容に評価が50を下回り、否定的な場合には、広告主に対する印象は否定的と判定する。回答の内容と評価に応じて判定することで、広告主に対する印象を適切に判定することができる。
【0069】
尚、
図6に示す質問Q1が、登録された印象語を含まない場合には、質問Q1の広告主に対する印象は、中間的(ニュートラル)「NT」と判定される。広告主に対する印象が中間的な質問の場合には、その質問に対する回答の内容によって、広告主に対する印象が肯定的「P」か否定的「N」かが判定される。一方、質問が、例えば、「製品Aは不具合が多いのですが、皆さんはどうですか?」の場合のように、否定的印象語として登録された「不具合」を含む場合には、その質問を支持する「その通りです」の回答は、否定的「N」であると判定される。すなわち、「肯定的な内容」に対する肯定は「肯定的」、「肯定的な内容」に対する否定は「否定的」、「否定的な内容」に対する肯定は「否定的」、「否定的な内容」に対する否定は「肯定的」と判定する。例えば、質問の内容とその質問に対する回答、そして、その回答に対する「評価」に基づいて、広告主に対する印象を判定することができる。この様にして、複数の質問(図示せず)とその質問に対する解析を行い広告主に対する印象度を求め、その総和を用いて広告主に対する印象の判定を行うことができる。
【0070】
図9は、広告主に対する印象度の推移を概念的に示す図である。横軸は時間、縦軸は広告主に対する印象度を示す。
図9は、広告主に対する印象度が時間と共に変化することを概念的に示す。
図9は、広告主に対する肯定的な印象度を示す実線50と否定的な印象度を示す破線51を含む。
図9は、時刻t3において、広告主に対する否定的な印象度が肯定的な印象度より高くなったことを示す。
図9のデータは、例えば、提供装置100により広告主に提供される。あるいは、広告主に提供されるデータは、印象度を算出した基礎データとして、投稿情報、「閲覧数」、「評価」に関する情報等を含んでもよい。提供装置100は、広告主に対する印象度の推移を、例えば、月単位、あるいは、週単位でモニタリングし、その結果を広告主に通知してもよい。尚、広告主に対する前月の肯定的な印象度と今月の肯定的な印象度の比を示すデータを広告主に通知してもよい。広告主は、その印象度の推移に応じて、広告量を増やす、あるいは、減らす判断を行うことができる。広告主が、その判断に基づいて広告量を調整する情報信号を端末装置10から提供装置100に供給することで、提供装置100は、その情報信号に応じて広告量を調整することができる。
【0071】
図10は、広告主の印象を判定する為の投稿情報を取得する為の他の方法を説明する為の図である。
図10に示す例においては、広告主に関する投稿情報は、広告主に関する検索ワードから取得する。検索は、例えば、端末装置20に表示される検索画面(図示せず)から行う。ユーザは、検索ワードを記入し、ボタンB24をクリックすることで、検索を行う。検索の情報は、例えば、サーバ装置90に配信され、提供装置100はその情報を取得する。
【0072】
図10の検索Q11は「○○○ 車 子供 乗せやすい」という内容の検索である。提供装置100は検索Q11において検索の対象となっている主体を特定する。例えば、提供装置100は検索Q11の構文解析(例えば、形態素解析)を行う。そして、提供装置100は、主語部分である「○○○」を検索Q11における検索対象の主体(広告主、あるいはブランド)と特定する。さらに、提供装置100は検索Q11が肯定的な内容か否定的な内容かを判定する。
【0073】
例えば、提供装置100は肯定的な印象を示す検索ワードと否定的な印象を示す検索ワードが登録された辞書を予め保持する。そして、提供装置100は検索Q11の構文解析を行うことにより検索Q11の述語部分を特定する。
図10の例では「乗せやすい」が検索Q11の述語部分である。そして、提供装置100は検索Q11の述語部分を、登録した印象語と照合することにより、検索Q11の述語部分が肯定的内容か否定的内容かを判定する。尚、「車」「子供」を、カテゴリを示すワードとして特定してもよい。
【0074】
提供装置100は、検索Q11の述語部分が肯定的内容の場合は検索Q11が肯定的であると判定し、検索Q11の述語部分が否定的内容の場合は検索Q11が否定的であると判定する。
図10の例では、検索Q11の述語部分である「乗せやすい」は肯定的な印象を示す印象語として登録されており、検索Q11が肯定的であると判定する。
図10に示す“P”は検索Q11が肯定的であることを示す。
【0075】
検索Q12は「○○○ 車 燃費 良い」という内容の検索である。提供装置100は検索Q12において検索対象となっている主体を特定する。例えば、提供装置100は検索Q12の構文解析(例えば、形態素解析)を行う。そして、提供装置100は、主語部分である「○○○」を、検索Q12における検索対象の主体(広告主、あるいはブランド)と判定する。
【0076】
さらに、提供装置100は検索Q12が肯定的な内容か否定的な内容かを、既述した検索Q11と同様に判定する。例えば、提供装置100は検索Q12の構文解析を行うことにより検索Q12の述語部分を特定する。
図10の例では「良い」が検索Q12の述語部分である。そして、提供装置100は検索Q12の述語部分を、登録した印象語と照合することにより、検索Q12の述語部分が肯定的内容か否定的内容かを判定する。尚、「車」「燃費」を、カテゴリを示すワードとして特定してもよい。
【0077】
提供装置100は、検索Q12の述語部分が肯定的内容の場合は検索Q12が肯定的であると判定し、検索Q12の述語部分が否定的内容の場合は検索Q12が否定的であると判定する。
図10の例では検索Q12の述語部分である「良い」は肯定的な印象を示す印象語として登録されており、検索Q12が肯定的「P」であると判定する。
【0078】
検索QT13は「○○○ 車 安全 おすすめ」という内容の検索である。提供装置100は検索Q13において検索対象となっている主体を特定する。例えば、提供装置100は検索Q13の構文解析(例えば、形態素解析)を行う。そして、提供装置100は、主語部分である「○○○」を、検索Q13における検索対象の主体(広告主、あるいはブランド)と特定する。
【0079】
さらに、提供装置100は検索Q13が肯定的な内容か否定的な内容かを、同様に判定する。例えば、提供装置100は検索Q13の構文解析を行うことにより検索Q13の述語部分を特定する。
図10の例では「おすすめ」が検索Q13の述語部分である。そして、提供装置100は検索Q13の述語部分を、登録した印象語と照合することにより、検索Q13の述語部分が肯定的内容か否定的内容かを判定する。尚、「車」「安全」を、カテゴリを示すワードとして特定してもよい。
【0080】
提供装置100は、検索Q13の述語部分が肯定的内容の場合は検索Q13が肯定的であると判定し、検索Q13の述語部分が否定的内容の場合は検索Q13が否定的であると判定する。
図10の例では検索Q13の述語部分である「おすすめ」は肯定的な印象を示す印象語として登録されており、検索Q13が肯定的「P」であると判定する。
【0081】
検索Q20は「○○○ 車 点検 危ない」という内容の検索である。提供装置100は検索Q20において検索対象となっている主体を特定する。例えば、提供装置100は検索Q20の構文解析(例えば、形態素解析)を行う。そして、提供装置100は、主語部分である「○○○」を、検索Q20における検索対象の主体(広告主、あるいはブランド)と特定する。
【0082】
さらに、提供装置100は検索Q20が肯定的な内容か否定的な内容かを、同様に判定する。例えば、提供装置100は検索Q20の構文解析を行うことにより検索Q20の述語部分を特定する。
図10の例では「危ない」が検索Q20の述語部分である。そして、提供装置100は検索Q20の述語部分を、登録した印象語と照合することにより、検索Q20の述語部分が肯定的内容か否定的内容かを判定する。
図10の例では検索Q20の述語部分である「危ない」は否定的な印象を示す印象語として登録されており、検索Q20が否定的「N」であると判定する。尚、「車」「点検」を、カテゴリを示すワードとして特定してもよい。
【0083】
広告主に対する検索に用いられる検索ワードを解析することにより、広告主に対する印象を判定することができる。すなわち、肯定的な印象をもつ検索ワードによる検索は、肯定的な印象をもって検索したと推定することができる。一方、否定的な印象をもつ検索ワードによる検索は、否定的な印象をもって検索したと推定することができる。広告主に関連して行われた検索の内容を分析することで、広告主に対する印象を判定することができる。例えば、肯定的な印象の検索ワードを用いた検索数と否定的な印象の検索ワードによる検索数を比較することで、広告主に対してユーザがどの様な印象を持っているかを推定し、判定することができる。
【0084】
提供装置100は、判定結果に基づいて、広告主に関する広告量を調整する。例えば、広告主A〜Cに対する印象が肯定的である場合には、その広告主に関する広告量を増やす調整を行う。広告主に対する印象が肯定的な場合には、その広告主の商品に対する購買意欲は高いと推定できる。従って、広告量を増やすことでユーザによる商品の購入が増えることが期待できる。広告主に対する印象を踏まえて広告量を調整することで、効率的に広告コンテンツを配信することができる。
【0085】
尚、提供装置100による判定は、検索回数が所定の回数を超える場合にのみ、検索に用いた検索ワードに基づいて広告主に対する印象を判定する構成とすることができる。検索数は、広告主に対する関心の高さを示すと考えられる。従って、検索数を広告主に対する印象を判断する為の一つの指標とすることで、広告主に対する印象を適切に判定することができる。例えば、余りに少ない検索回数の場合には、広告主に対する印象の判定に用いる情報としては不十分な場合があるからである。
【0086】
図11は、検索結果に基づいて広告主に対する印象を判定する一つの方法を説明する図である。
図11においては、例えば、ニュース記事NSが投稿された時刻t1の前後、30分間の検索結果を用いて広告主に対する印象を判定する処理が行われる。例えば、ニュース記事NSが投稿されるまでの30分間における検索を集計し、検索集計1を行う(ステップS71)。その検索結果に基づいて、広告主に対する印象の判定を行う(ステップS73)。印象の判定は、既述した手法により行うことができる。すなわち、検索に用いられた検索ワードを分析し、広告主に対する印象が肯定的か否定的かを判定することができる。
【0087】
図11の処理においては、ニュース記事NSの投稿後、30分の間における検索を集計して、検索集計2を行う(ステップS72)。その検索結果に基づいて、同様に、広告主に対する印象の判定を行う(ステップS74)。印象の判定は、既述した手法により行うことができる。
【0088】
図11の処理においては、ニュース記事NSの投稿時刻の前後30分における検索結果に基づく判定に基づき、総合的な判定を行う(ステップS75)。総合判定は、既述した手法により行うことができる。
【0089】
判定結果に基づいて、広告量の調整を行う(ステップS76)。例えば、ニュース記事NSの投稿前の30分間における広告主に対する印象が肯定的と判断されていた状態が、ニュース記事NSの投稿後の30分間においては否定的との判定結果になった場合には、例えば、広告量を減らす調整を行う。尚、検索集計を行う時間は、30分に限らず、適宜設定してもよい。
【0090】
ニュース記事は、特定の広告主に関する内容の場合がある。ニュース記事NSの投稿前後の所定の時間内における検索ワードの変化をモニタリングすることで、ニュース記事が対象とする広告主に対する印象の変化をタイムリーに捉えることができる。例えば、影響の大きいニュース記事の場合には検索数は増加する傾向がある。従って、検索数の変化を捉えることで広告主に対する関心の程度を把握することができ、広告主に対する印象を的確に判定することが可能となる。その判定結果に基づいて広告量を調整することでタイムリーに、かつ、効率良く広告コンテンツを配信することができる。
【0091】
また、検索数の推移をモニタリングすることで、広告主に対するユーザの関心の動向を知ることができる。例えば、広告主に関する検索数が減少した場合には、その広告主に対する関心が鎮静化したと判断できる。従って、例えば、広告量を減らす調整をした後に広告主に対する関心が鎮静化したと判断される状態になった時に、元の広告量に戻す調整を行うことができる。
【0092】
図12は、広告量の調整方法の一例を示す図である。
図12の例は、広告主A〜Cと、各広告主の広告量を増やすスコア、広告量を減らすスコア、広告を特定内容に切りかえるスコアを示す。
【0093】
図12に示すスコアは、例えば、各広告主A〜Cに対する印象度に基づいて設定される。尚、各広告主A〜Cに対する印象度は、各広告主A〜Cに関する種々の投稿情報を取得し、その投稿情報を分析して判定することができる。
図12の例では、例えば、スコアは、否定的な印象度に応じてランク付けされる。例えば、広告主Aについては、スコアが5の場合には、広告主Aに関する広告量を増やす調整を行う。
【0094】
また、スコアが8になった場合には、すなわち、否定的な印象度が高くなった場合には、広告主Aに関する広告量を減らす調整を行う。
【0095】
同様に、広告主Bについては、広告量を増やすスコアは6に設定され、広告量を減らすスコアは8に設定される。更に、広告内容を特定内容に切りかえるスコアとして3が設定される。例えば、広告主Bに対する印象度が肯定的な状態の間に新たな広告コンテンツに切換える等、戦略的な広告を展開することができる。
【0096】
同様に、広告主Cについては、広告量を増やすスコアは5に設定され、広告量を減らすスコアは9に設定される。
【0097】
各広告主A〜Cの広告量を調整するスコアは、適宜、各広告主A〜Cの意向を踏まえて設定することができる。これにより、各広告主A〜Cの意向を反映して、効率的に広告コンテンツの配信を行うことができる。
【0098】
図12の例においては、各広告主A〜Cの広告量は、夫々の広告主A〜Cに対して設定したスコアに基づいて調整する例であるが、他の広告主の印象度に基づくスコアを参考にして、広告量を調整する設定とすることもできる。例えば、広告主Bに対する印象度を示すスコアが広告主Bの広告量を減らすスコアとなった状態の時に広告主Aの広告量を増やす調整を行う設定とすることができる。例えば、各広告主A〜Cの意向を踏まえた設定により広告量を調整することができる。夫々の広告主A〜Cの意向を踏まえ、戦略的に広告量を調整して、効率的に広告コンテンツの配信を行うことができる。
【0099】
〔3.提供手順〕
次に、
図13を用いて、実施形態に係る提供装置100による提供手順について説明する。
図13は、実施形態に係る提供手順を示すフローチャートである。
【0100】
図13に示すように、提供装置100は、広告主に関する投稿情報を取得する(ステップS101)。
図1では、提供装置100は、例えば、ユーザからの質問投稿、質問に対する回答投稿、あるいは、投稿されたコメント、回答等に対する評価投稿によって投稿情報を、例えば、サーバ装置90を介して取得する。
【0101】
提供装置100は、取得した投稿情報の内容を分析して、広告主に対する印象を判定する(ステップS102)。例えば、提供装置100は、広告主に対する印象が肯定的であるか、あるいは否定的であるかを判定する。
【0102】
判定結果に基づいて配信する広告量を調整する(ステップS103)。
図1の例では、提供装置100は、広告主A〜Cに対する印象度が低下した場合には、その広告主に関する広告量を減らす調整を行う。広告主に対する印象が肯定的か、あるいは否定的かに応じて広告量を調整することで、効率的に広告を配信することができる。
【0103】
尚、ニュース記事に対するユーザからのコメントの投稿を受付け、そのコメント情報から広告主に対する印象を推定してもよい。ニュース記事は、特定の広告主に対する内容の場合がある為、そのニュース記事に対する投稿情報に基づいて投稿主に対する印象をタイムリーに判定することができる。その判定結果に基づいて広告量を調整することでタイムリーに、かつ、効率良く広告コンテンツを配信することができる。尚、ニュース記事に対するコメントは、例えば、端末装置20とサーバ装置90を介して取得し、コメントに含まれる述語と予め登録した印象語との照合を行い、広告主に対する印象を判定することができる。尚、ニュース記事は、提供装置100からユーザの端末装置20に提供することも可能であり、あるいは、図示しない他のサーバ装置からユーザの端末装置20に提供される場合もある。
【0104】
〔4.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る提供装置100やサーバ装置90、端末装置10、20は、例えば
図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、提供装置100を例に挙げて説明する。
図14は、提供装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0105】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0106】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0107】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0108】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0109】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る提供装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0110】
〔5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0111】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0112】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る提供装置100は、取得部131と、判定部132と調整部133を有する。取得部131は、広告主に関する投稿情報を取得する。判定部132は、投稿情報に基づいて広告主に対する印象を判定する。調整部133は、判定部132の判定結果に基づいてユーザに提供する広告主に関する広告量を調整する。これにより、広告配信を効率的に行うことができる。
【0113】
調整部133は、広告主からの指示情報に基づいて広告主に関する広告量を調整する。これにより、広告主の意向を反映して広告配信を効率的に行うことができる。
【0114】
調整部133は、広告主からの指示情報に基づいて広告主に関する広告の配信先を調整する。例えば、否定的な印象をもっているユーザへの広告コンテンツの配信を中止する。これにより、広告配信を効率的に行うことができる。
【0115】
判定部132は、広告量の調整の前後における広告主に対する印象の変化を判定し、調整部133は、その広告主に対する印象の変化に基づいて広告量を調整する。これにより、広告主に対する印象の変化を反映して広告配信を効率的に行うことができる。
【0116】
判定部132は、複数のカテゴリに分類して広告主に対する印象を判定する。カテゴリ分けすることにより広告主に対する印象の判定の精度を上げることができる。これにより、広告主に対する印象に応じて、広告配信を効率的に行うことができる。
【0117】
判定部132は、所定の期間における広告主に関する検索に使用された検索ワードに基づいて広告主に対する印象を判定する。これにより、タイムリーに、かつ、効率良く広告コンテンツを配信することができる。
【0118】
判定部132は、所定の期間における検索の回数が所定の値を超えた場合に検索ワードに基づいて広告主に対する印象を判定する。これにより、広告主に対する印象を適切に判定することができ、効率良く広告コンテンツを配信することができる。
【0119】
判定部132は、広告主に関するニュース記事を含む投稿情報に基づいて広告主に対する印象を判定する。ニュース記事は、特定の広告主に対する内容の場合がある為、そのニュース記事に対する投稿情報に基づいて投稿主に対する印象をタイムリーに判定することができる。その判定結果に基づいて広告量を調整することでタイムリーに、かつ、効率良く広告コンテンツを配信することができる。
【0120】
判定部132は、広告主に関する質問とその質問に対する回答を含む投稿情報に基づいて広告主に対する印象を判定する。広告主に関する質問と回答に基づいて広告主の印象を判定することで広告主に対する印象を適切に判定することができる為、広告コンテンツを効率良く配信することができる。
【0121】
判定部132は、広告主の質問に対する回答が所定の要件を満たす場合に、その回答に基づいて印象を判定する。例えば、ベストアンサーに選ばれた回答を分析して広告主に対する印象を判定することで、広告主に対して信頼性の高い判定を行うことができる。これにより、判定結果に応じて広告コンテンツを効率良く配信することができる。
【0122】
判定部132は、投稿情報が広告主に対する肯定的な情報に対して否定的な場合に、広告主に対する印象は否定的であると判定する。これにより、投稿情報に基づいて広告主に対する印象を適切に判定することができる。これにより、判定結果に応じて広告コンテンツを効率良く配信することができる。
【0123】
判定部132は、投稿情報が広告主に対する否定的な情報に対して否定的な場合に、広告主に対する印象は肯定的であると判定する。これにより、投稿情報に基づいて広告主に対する印象を適切に判定することができる。これにより、判定結果に応じて広告コンテンツを効率良く配信することができる。
【0124】
判定部132は、投稿情報が広告主に対する否定的な情報に対して肯定的な場合に、広告主に対する印象は否定的であると判定する。これにより、投稿情報に基づいて広告主に対する印象を適切に判定することができる。これにより、判定結果に応じて広告コンテンツを効率良く配信することができる。
【0125】
取得部131は、他の広告主に関する投稿情報を取得し、判定部132は、その投稿情報に基づいて当該他の広告主に対する印象を判定する。調整部133は、判定部132の判定結果に基づいて、一の広告主に関する広告量を調整する。これにより、広告主の意向を反映して、効率的な広告の配信を行うことができる。
【0126】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0127】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、判定部は、判定手段や判定回路に読み替えることができる。