特許第6943926号(P6943926)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6943926
(24)【登録日】2021年9月13日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】カラオケシステム及びカラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20210927BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-139811(P2019-139811)
(22)【出願日】2019年7月30日
(65)【公開番号】特開2021-21895(P2021-21895A)
(43)【公開日】2021年2月18日
【審査請求日】2020年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】金子 幸裕
【審査官】 高橋 克
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−182590(JP,A)
【文献】 特開2017−097299(JP,A)
【文献】 特開2017−062449(JP,A)
【文献】 特開2013−190736(JP,A)
【文献】 特開2012−182568(JP,A)
【文献】 特開2000−010571(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3084786(JP,U)
【文献】 特開2016−224217(JP,A)
【文献】 特開平7−199975(JP,A)
【文献】 特開平11−095768(JP,A)
【文献】 特開2010−152153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器が接続可能なカラオケ装置と、前記カラオケ装置に通信可能に接続されたサーバとを備えたカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、
前記外部機器の接続状況を検出して接続情報を出力する検出部と、
操作者による入力操作にしたがって装置設定を示す設定情報を設定する設定部と、
接続情報及び設定情報を前記サーバに送信する送信部と、を有し、
前記サーバは、
接続情報及び設定情報の組み合わせ毎の評価を示す評価テーブルを記憶した記憶部と、
前記カラオケ装置から接続情報及び設定情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した接続情報及び設定情報の組み合わせの適否を評価テーブルに基づいて判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を前記カラオケ装置に報知する報知部と、を有し
前記外部機器の接続状況と前記カラオケ装置の装置設定の相性診断が実行可能なことを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
前記サーバは、前記判定部による判定結果に基づいて設定情報の変更を指示する指示部を有し、
前記設定部は、前記指示部からの指示に基づいて設定情報を変更することを特徴とする請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記検出部は、接続された前記外部機器の機種情報を含む接続情報を出力し、
前記記憶部は、機種情報及び設定情報の組み合わせ毎の評価を、少なくとも推奨又は非推奨で示す評価テーブルを記憶することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラオケシステム。
【請求項4】
外部機器が接続可能なカラオケ装置であって、
前記外部機器の接続状況を検出して接続情報を出力する検出部と、
操作者による入力操作にしたがって装置設定を示す設定情報を設定する設定部と、
接続情報及び設定情報の組み合わせ毎の評価を示す評価テーブルを記憶する記憶部と、
接続情報及び設定情報の組み合わせの適否を評価テーブルに基づいて判定する判定部と、を備え
前記外部機器の接続状況と装置設定の相性診断が実行可能なことを特徴とするカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケシステム及びカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置には、ルータ、リモートコントローラ、マイクロホン、オーディオ・アンプ、撮影カメラ、ビデオプレーヤ、ディスプレイ等の多くの外部機器が接続されている。従来、カラオケ装置、ビデオプレーヤ等のソース機器とモニタ等のシンク機器の接続を切り替えることで、カラオケ装置に格納されていない楽曲データの利用や、カラオケ以外のコンテンツを手軽に楽しむことができる切替装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、カラオケ装置に新たな外部機器が接続された場合に、外部機器の動作を制御するカラオケ装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第6368875号公報
【特許文献2】特許第3176497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カラオケ装置には、通信、演奏、歌唱音声、映像、録音録画、ユーザ・インターフェース、BGM/BGV、コンテンツ等に関連した設定のように、設置環境、店舗の位置付け、オーナーの意向に沿って調整するための設定項目が非常に多い。また、外部機器の接続状況とカラオケ装置に設定された装置設定には相性が良くない組み合わせがあり、カラオケ装置や外部機器の機能が制限されたり、動作に不具合が生じたりする場合がある。上記したように、カラオケ装置には多くの外部機器が接続され、多くの設定項目があるため、カラオケ店舗を担当するカラオケ事業者の担当スタッフでも、外部機器の接続状況と装置設定の相性に起因した不具合の原因究明や解決は容易ではない。
【0005】
本発明の目的は、外部機器の接続状況とカラオケ装置の装置設定の相性に起因した不具合の原因究明や解決を容易に行うことができるカラオケシステム及びカラオケ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、外部機器が接続可能なカラオケ装置と、前記カラオケ装置に通信可能に接続されたサーバとを備えたカラオケシステムであって、前記カラオケ装置は、前記外部機器の接続状況を検出して接続情報を出力する検出部と、操作者による入力操作にしたがって装置設定を示す設定情報を設定する設定部と、接続情報及び設定情報を前記サーバに送信する送信部と、を有し、前記サーバは、接続情報及び設定情報の組み合わせ毎の評価を示す評価テーブルを記憶した記憶部と、前記カラオケ装置から接続情報及び設定情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した接続情報及び設定情報の組み合わせの適否を評価テーブルに基づいて判定する判定部と、前記判定部による判定結果を前記カラオケ装置に報知する報知部と、を有し、前記外部機器の接続状況と前記カラオケ装置の装置設定の相性診断が実行可能なカラオケシステムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カラオケ装置に多数の外部機器が接続され、カラオケ装置に多くの設定内容が設定された場合であっても、外部機器の接続状況と装置設定の相性に起因した不具合の原因究明や解決を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るカラオケシステムの構成図である。
図2】第1実施形態に係るカラオケシステムのブロック図である。
図3】第1実施形態に係る評価テーブルの一例を示す図である。
図4】第1実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係るカラオケシステムのブロック図である。
図6】第2実施形態に係る評価テーブルの一例を示す図である。
図7】第2実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
図8】変形例2に係るカラオケシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係るカラオケシステム1について説明する。図1は、第1実施形態に係るカラオケシステム1の構成図である。図2は、第1実施形態に係るカラオケシステム1のブロック図である。図3は、第1実施形態に係る評価テーブルの一例を示す図である。
【0010】
図1に示すように、カラオケシステム1は、カラオケ事業者によって管理されており、カラオケ店舗に設置された複数のカラオケ装置2と、データセンタ等に設置されたサーバ3とを備えている。複数のカラオケ装置2はネットワーク5を介してサーバ3に通信可能に接続されている。ネットワーク5は、例えばインターネット回線網や、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)によって構成されている。また、各カラオケ店舗のカラオケ装置2には、カラオケ事業者の担当スタッフによって設置環境、店舗の位置付け、オーナーの意向等に沿って各種機能等が設定されている。
【0011】
図2に示すように、カラオケシステム1のカラオケ装置2には、カラオケ演奏及びカラオケ演奏以外の様々なサービスを提供できるように複数の外部機器4が接続されている。カラオケ装置2には、外部機器4として、ルータ11、第1、第2のリモートコントローラ12a、12b、第1、第2のマイクロホン13a、13b、オーディオ・アンプ14、スピーカ15、メインモニタ16、サブモニタ17、ビデオプレーヤ18、撮影カメラ19等が接続されている。なお、これらの外部機器4は、カラオケ装置2に接続される機器の一例であり、カラオケ装置2には他の外部機器が接続されていてもよい。
【0012】
ルータ11は、ネットワーク5(図1参照)を介してカラオケ装置2とサーバ3を通信可能に接続している。第1、第2のリモートコントローラ12a、12bは、楽曲の選曲や音量調整等のカラオケ装置2に対する各種操作を受け付けている。また、第1、第2のリモートコントローラ12a、12bは、店舗スタッフ等のユーザの操作に応じて自動録画機能、採点機能等のカラオケ演奏に関する機能の他、DVD(Digital Versatile Disk)等のビデオ視聴機能等の各種機能の設定に使用される。第1、第2のマイクロホン13a、13bは、歌唱者の歌唱音声をアナログの歌唱音声信号に変換してカラオケ装置2に出力する。
【0013】
カラオケ装置2は、再生された演奏信号と第1、第2のマイクロホン13a、13bからの歌唱音声信号を、音響処理部23(後述)が備えるミキサによって適切な比率でミキシングして、オーディオ・アンプ14に出力する。オーディオ・アンプ14は、このミキシング信号をアンプによって増幅する。スピーカ15は、オーディオ・アンプ14からの出力信号を歌唱音声と演奏音に変換して放音する。メインモニタ16及びサブモニタ17は、楽曲再生中に背景映像と共に歌詞テロップを表示する。ビデオプレーヤ18は、光ディスクから映像データを再生してメインモニタ16及びサブモニタ17に表示させる。撮影カメラ19は、歌唱中の歌唱者を撮影して歌唱映像をカラオケ装置2に出力する。
【0014】
カラオケ装置2には、設定部21と、記憶部22と、音響処理部23と、表示処理部24と、録画処理部25と、モード切替部26と、検出部27と、送信部28と、受信部29とが設けられている。設定部21は、操作者による第1、第2のリモートコントローラ12a、12bの入力操作にしたがって設定情報を設定する。設定情報には、ネットワーク設定、イコライジング設定、アダルト向けコンテンツの許可設定等の他に、自動録画機能、デュエット採点機能等に関わる設定が含まれている。設定部21によってこれらの設定が記憶部22に記憶されることで、カラオケ装置2に対して各設定が反映される。
【0015】
記憶部22には、演奏データ、歌詞テロップデータ、映像データ、属性データ、リファレンスデータが記憶されている。演奏データの再生によってスピーカ15から演奏音が放音される。歌詞テロップデータ及び映像データによって演奏データの再生に同期して歌詞テロップ及び背景映像がメインモニタ16及びサブモニタ17に表示される。属性データには、曲名、歌手名、作詞者名、作曲者名等の楽曲に関する情報が含まれている。リファレンスデータによって第1、第2のマイクロホン13a、13bから入力された歌唱音声信号が採点される。また、記憶部22には、各データの他に上記した設定情報が記憶されている。
【0016】
表示処理部24は、記憶部22から歌詞テロップデータ及び映像データを読み出して、メインモニタ16及びサブモニタ17に歌詞テロップと背景映像を表示させる。表示処理部24は、演奏データの再生に同期して歌詞テロップの表示色を変化させる。これにより、歌唱者が、歌詞テロップの表示色の変化から、歌詞を見ながら演奏の進行に合わせて歌唱することができる。また、表示処理部24は、ビデオプレーヤ18で再生された映像をメインモニタ16等に表示させる。
【0017】
音響処理部23は、記憶部22から演奏データを順に読み出して演奏信号を再生し、上記したように演奏信号と第1、第2のマイクロホン13a、13bからの歌唱音声信号をミキサによって適切な比率でミキシングしてオーディオ・アンプ14に出力する。歌唱者が演奏に合わせて歌唱することで、スピーカ15から演奏音と共に歌唱音声が放音される。録画処理部25は、撮影カメラ19によって撮影された歌唱映像と音響処理部23から出力されたミキシング信号を同期させて録画データを生成する。録画処理部25は、自動録画機能が有効の場合に演奏信号の再生に合わせて自動的に録画を開始するが、マニュアル操作によって任意のタイミングで録画を開始することも可能である。録画データは、例えばサーバ3にアップロードされてもよい。
【0018】
モード切替部26は、カラオケ装置2の動作モードを通常モードと管理モードに切り替える。通常モードはカラオケ装置2が通常動作するモードであり、管理モードはカラオケ装置2に不具合が生じたときに起動するモードである。カラオケ装置2が管理モードに移行した場合には、外部機器4の接続状況とカラオケ装置2の装置設定の相性診断を実行して、カラオケ装置2の不具合の原因を診断することが可能である。カラオケ装置2の動作モードは、カラオケ事業者の担当スタッフ等によって、カラオケ装置2が操作されることで変更される。
【0019】
検出部27は、管理モードにおいて外部機器4の接続状況を検出して接続情報を出力する。接続情報には、カラオケ装置2に対する外部機器4の接続の有無が含まれている。外部機器4の接続状況の検出は、例えば端子の抵抗値を監視することで外部機器4の接続の有無を検出する公知の技術を用いることができる。また、カラオケ装置2には、第1、第2のリモートコントローラ12a、12bのように無線で接続されている外部機器4がある。このため、検出部27は、カラオケ装置2から外部機器4に特定信号を送信し、外部機器4からの応答信号に基づいて外部機器4の接続の有無を検出してもよい。
【0020】
送信部28は、管理モードにおいて接続情報と設定情報を関連付けて相性診断のリクエスト信号を生成し、リクエスト信号に送信処理を施してサーバ3に送信する。受信部29は、管理モードにおいてサーバ3からのレスポンス信号に受信処理を施して、レスポンス信号から相性診断の判定結果を取得する。相性診断の判定結果は、表示処理部24によってメインモニタ16及びサブモニタ17に表示されてカラオケ装置2の不具合の原因究明に利用される。なお、送信部28及び受信部29は、通常モードにおいても、サーバ3との間で定期的に各種信号の送受信を実施している。
【0021】
カラオケシステム1のサーバ3は、複数のカラオケ装置2の各種情報を統括管理するものであり、記憶部31と、取得部32と、判定部33と、報知部34とを有している。記憶部31には、接続情報及び設定情報の組み合わせ毎の評価を示す評価テーブルが記憶されている。評価テーブルには、外部機器4の接続状況とカラオケ装置2の装置設定の組み合わせの評価がOK(適合)及びNG(不適合)として事前に登録されている。評価テーブルは、カラオケ事業者によって定期的に更新されており、記憶部31には最新の評価テーブルが記憶されている。
【0022】
例えば、図3に示すように、評価テーブルには、カラオケ装置2の設定情報として自動録画ONが登録されており、外部機器4の接続情報としてビデオプレーヤ及び撮影カメラの接続の有無が登録されている。すなわち、接続情報としてビデオプレーヤ用接続端子及び撮影カメラ用接続端子への外部機器の接続の有無が登録されている。ビデオプレーヤの接続と自動録画ONの組み合わせはNGと評価されており、撮影カメラの接続と自動録画ONの組み合わせはOKと評価されている。したがって、ビデオプレーヤ18の接続中には自動録画は有効にはならない。これは、ビデオプレーヤ18と撮影カメラ19が同時に接続されている場合、自動録画よりもビデオ視聴が優先されることを意味している。なお、図3における丸印は接続有りを示している。
【0023】
取得部32は、カラオケ装置2からのリクエスト信号に対して受信処理を施して、リクエスト信号から接続情報及び設定情報を取得する。判定部33は、取得部32が取得した接続情報及び設定情報の組み合わせの適否を評価テーブルに基づいて判定する。例えば、接続情報にビデオプレーヤの接続が含まれ、設定情報に自動録画ONが含まれる場合には、ビデオプレーヤの接続と自動録画ONの組み合わせがNGと判定される。報知部34は、判定部33による判定結果をカラオケ装置2に報知する。報知部34は、判定結果を含むレスポンス信号を生成し、レスポンス信号に送信処理を施してカラオケ装置2に送信する。
【0024】
このようにして、外部機器4の接続状況と装置設定の相性に起因した不具合の原因究明や解決を容易に行うことができる。以下、一例として自動録画機能の不具合が生じた場合について説明する。カラオケ店舗の店舗スタッフがカラオケ装置2を操作して、自動録画機能を有効にしたところ、カラオケ演奏が開始しても自動的に録画されないという不具合が生じた。設定情報として自動録画ONが記憶部22に記憶されているが、カラオケ装置2の自動録画機能が機能していない。店舗スタッフには原因が解らないため、カラオケ装置2を設置したカラオケ事業者の担当スタッフによって原因究明が実施される。
【0025】
担当スタッフは、カラオケ装置2を通常モードから管理モードに移行して、外部機器4の接続状況とカラオケ装置2に設定された装置設定の相性診断をカラオケ装置2に指示する。検出部27によって外部機器4の接続状況が検出され、検出部27が出力した接続情報と記憶部22に記憶された設定情報を含むリクエスト信号がカラオケ装置2からサーバ3に送信される。接続情報には、「第1のマイクロホンの接続あり」、「第2のマイクロホンの接続なし」、「ビデオプレーヤの接続あり」、「撮影カメラの接続あり」の情報が含まれている。設定情報には自動録画機能が有効であることを示す「自動録画ON」の情報が含まれている。
【0026】
サーバ3は、評価テーブルを参照して、接続情報と設定情報の組み合わせの適否を判定する。カラオケ装置2は、ビデオプレーヤ18を接続している場合、ビデオプレーヤ18の表示処理を優先して表示するため、マニュアル操作の録音開始は受け付けるが、自動録画機能を無効にする仕様になっている。評価テーブルには上記の仕様が反映されており、接続情報の「ビデオプレーヤの接続あり」と設定情報の「自動録画ON」の組み合わせはNGと評価されている(図3参照)。このため、サーバ3からカラオケ装置2に「ビデオプレーヤを接続した場合、自動録画が無効」というメッセージを含むレスポンス信号が返信される。
【0027】
このメッセージがメインモニタ16に表示されることで、担当スタッフによってビデオプレーヤ18の接続が外される。店舗スタッフがカラオケ装置2の動作を再確認したところ、カラオケ演奏の開始と同時に撮影カメラ19によって歌唱映像を自動的に録画することができた。このように、カラオケ装置2に多数の外部機器4が接続され、カラオケ装置2に多数の設定項目がある場合であっても、外部機器4の接続状況と装置設定の相性に起因する不具合を解消できる。なお、カラオケ事業者の担当スタッフではなく、店舗スタッフが管理モードからカラオケ装置2に相性診断を指示してもよい。
【0028】
また、カラオケ装置2の各部の処理及びサーバ3の各部の処理は、プロセッサを用いてソフトウェアによって実現されてもよいし、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。プロセッサを用いる場合には、プロセッサがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで各種処理が実施される。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)が使用される。また、メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体によって構成されている。
【0029】
続いて、図4を参照して、カラオケシステム1の処理動作について説明する。図4は、第1実施形態に係るカラオケシステム1の処理を示すフローチャートである。なお、図4に示すフローチャートは一例を示すものであり、カラオケシステム1の処理動作はこのフローチャートに限定されない。また、図4では、図2の符号を適宜使用して説明する。
【0030】
図4に示すように、担当スタッフ等によってカラオケ装置2の動作モードが通常モードから管理モードに移行され、外部機器4の接続状況とカラオケ装置2に設定された装置設定の相性診断がカラオケ装置2に指示される(ステップS01)。次に、検出部27によって外部機器4の接続状況が検出されて接続情報が出力され(ステップS02)、記憶部22に記憶されている設定情報が読み出される(ステップS03)。次に、送信部28によって接続情報と設定情報を含む相性診断のリクエスト信号がカラオケ装置2からサーバ3に送信される(ステップS04)。
【0031】
サーバ3では、取得部32によってリクエスト信号から接続情報と設定情報が取得され(ステップS05)、判定部33によって記憶部31から評価テーブルが読み出される(ステップS06)。評価テーブルには、外部機器4の接続状況を示す接続情報とカラオケ装置2の装置設定を示す設定情報の組み合わせ毎の評価が登録されている。評価テーブルは、上記したようにカラオケ装置2の仕様を反映して設定されている。次に、取得部32に取得された接続情報及び設定情報の組み合わせの適否が、判定部33によって評価テーブルに基づいて判定される(ステップS07)。
【0032】
次に、報知部34によって判定結果を含むレスポンス信号がサーバ3からカラオケ装置2に返信される(ステップS08)。そして、カラオケ装置2では、受信部29によってレスポンス信号から判定結果が取得され(ステップS09)、表示処理部24によってメインモニタ16に判定結果が表示される(ステップS10)。担当スタッフ等がメインモニタ16を参照しながら、外部機器4の接続を変えたり、カラオケ装置2の設定内容を変更したりすることによって、外部機器4の接続状況とカラオケ装置2に設定された装置設定の相性に起因した不具合が解消される。
【0033】
以上、第1実施形態によれば、外部機器4の接続状況を示す接続情報とカラオケ装置2の装置設定を示す設定情報の組み合わせの適否がサーバ3からカラオケ装置2に報知される。よって、カラオケ装置2に多数の外部機器4が接続され、カラオケ装置2に多くの設定内容が設定された場合であっても、外部機器4の接続状況と装置設定の相性に起因した不具合の原因究明や解決を容易に行うことができる。なお、本実施形態の評価テーブルは、カラオケ装置2の仕様を反映して設定されているものとしたが、サーバ3に機種が異なる複数のカラオケ装置2が接続されている場合には、サーバ3の記憶部31は、カラオケ装置2の機種毎にその仕様を反映した評価テーブルを記憶してもよい。この場合、サーバ3の取得部32は、接続情報及び設定情報と共にカラオケ装置2の機種識別情報を取得し、判定部33は取得した機種識別情報に対応する評価テーブルを記憶部31から読み出すことができる。
【0034】
<第2実施形態>
次に、図5を参照して、第2実施形態に係るカラオケシステム1について説明する。図5は、第2実施形態に係るカラオケシステム1のブロック図である。第2実施形態は、相性診断の判定結果に基づいてカラオケ装置2の設定内容を自動的に変更する点で第1実施形態と相違している。したがって、第2実施形態については第1実施形態と同様な構成については説明を省略する。また、第2実施形態に係るカラオケシステム1においては、第1実施形態と同一の名称には同一の符号を付して説明する。
【0035】
図5に示すように、サーバ3には、記憶部31、取得部32、判定部33、報知部34に加えて指示部35が設けられている。指示部35は、判定部33による判定結果に基づいてカラオケ装置2の設定情報の変更を指示する。具体的には、判定結果がNG(不適合)と判定された接続情報と設定情報の組み合わせについて、指示部35が設定情報に示される設定を変更にするような指示情報を生成する。指示情報は、報知部34によって報知される判定結果と共にレスポンス信号に含められて、サーバ3からカラオケ装置2に向けて送信される。
【0036】
また、図6に示すように、第2実施形態の評価テーブルには、カラオケ装置2の設定情報としてデュエット採点ONが登録されており、外部機器4の接続情報として第1、第2のマイクロホンの接続の有無が登録されている。すなわち、接続情報として第1のマイクロホン用入力端子及び第2のマイクロホン用入力端子へのマイクロホンの接続の有無が登録されている。第2のマイクロホンの未接続とデュエット採点ONの組み合わせはNGと評価されている。したがって、2つのマイクロホン13a、13bがカラオケ装置2に接続されていなければ、デュエット採点機能によって歌唱音声が適切に採点されない。デュエット採点機能が有効になったまま一人で歌唱すると、歌唱力が高くても十分な点数を得ることができない。なお、図6における丸印は接続有りを示し、バツ印は接続無しを示している。
【0037】
カラオケ装置2の設定部21は、指示部35からの指示情報に基づいて設定情報を変更する。設定部21によって記憶部22に記憶された設定情報が変更されて、カラオケ装置2に対して変更後の設定が反映される。例えば、第2のマイクロホン13bが未接続な状態で、デュエット採点ONに設定されている場合には、設定部21によってデュエット採点OFFに変更される。ここでは、第1のマイクロホン13aがカラオケ装置2に接続され、第2のマイクロホン13bがカラオケ装置2に対して未接続な場合について説明したが、第2のマイクロホン13bがカラオケ装置2に接続され、第1のマイクロホン13aがカラオケ装置2に対して未接続な場合も同様である。
【0038】
このようにして、サーバ3の判定部33による判定結果に基づいて、カラオケ装置2の設定情報を自動的に変更して、外部機器4の接続状況と装置設定の相性に起因した不具合を解決することができる。以下、一例として歌唱音声の採点機能の不具合が生じた場合について説明する。カラオケ店舗の店舗スタッフが歌唱して採点機能を試してみたところ、高い歌唱力にも関わらず、非常に低い点数しか表示されないという不具合が生じた。店舗スタッフには原因が解らないため、カラオケ装置2を設置したカラオケ事業者の担当スタッフによって原因究明が実施される。
【0039】
担当スタッフは、カラオケ装置2を通常モードから管理モードに移行して、外部機器4の接続状況とカラオケ装置2に設定された装置設定の相性診断をカラオケ装置2に指示する。検出部27によってカラオケ装置2に接続された外部機器4の接続状況が検出され、検出部27が出力した接続情報と記憶部22に記憶された設定情報を含むリクエスト信号がカラオケ装置2からサーバ3に送信される。接続情報には「第1のマイクロホンの接続あり」、「第2のマイクロホンの接続なし」の情報が含まれている。設定情報には、別の店舗スタッフが設定したデュエット採点機能が有効であることを示す「デュエット採点ON」の情報が含まれている。
【0040】
サーバ3は、評価テーブルを参照して、接続情報と設定情報の組み合わせの適否を判定する。カラオケ装置2は、デュエット採点を実施する場合、第1、第2のマイクロホン13a、13bからの2人の歌唱者の歌唱力を総合的に採点する仕様になっており、カラオケ装置2に第2のマイクロホン13bが接続されていないと点数が半減する。評価テーブルには上記の仕様が反映されており、接続情報の「第2のマイクロホンの接続なし」と設定情報の「デュエット採点ON」の組み合わせはNGと評価されている。このため、サーバ3からカラオケ装置2に「第2のマイクロホンを接続しない場合、デュエット採点を無効」というメッセージを含むレスポンス信号が返信される。
【0041】
また、レスポンス信号にはデュエット採点の機能をOFFに変更するための指示情報が含まれている。サーバ3からのメッセージがメインモニタ16に表示され、設定部21によってデュエット採点機能がOFFに変更され、変更された設定情報が記憶部22に記憶される。店舗スタッフがカラオケ装置2の採点機能を再確認したところ、店舗スタッフの歌唱力通りの点数が表示された。このように、カラオケ装置2に多数の外部機器4が接続され、カラオケ装置2に多数の設定項目がある場合であっても、外部機器4の接続状況とカラオケ装置2に設定された装置設定の相性に起因する不具合を簡易に解消できる。
【0042】
続いて、図7を参照して、カラオケシステム1の処理動作について説明する。図7は、第2実施形態に係るカラオケシステム1の処理を示すフローチャートである。なお、図7に示すフローチャートは一例を示すものであり、カラオケシステム1の処理動作はこのフローチャートに限定されない。また、図7では、図5の符号を適宜使用して説明する。
【0043】
図7に示すように、第2実施形態に係るステップS21−S27の各処理は、それぞれ第1実施形態に係るカラオケシステム1の処理動作のステップS01−S07の各処理と同じである。このため、ステップS21−S27の各処理の説明は省略する。判定部33によって接続情報及び設定情報の組み合わせの適否が判定されると、指示部35によって判定結果に基づいて設定情報の変更を指示する指示情報が生成される(ステップS28)。次に、報知部34によって判定結果及び指示情報を含むレスポンス信号がサーバ3からカラオケ装置2に返信される(ステップS29)。
【0044】
次に、カラオケ装置2では、受信部29によってレスポンス信号から判定結果及び指示情報が取得される(ステップS30)。そして、表示処理部24によってメインモニタ16に判定結果が表示され(ステップS31)、設定部21によって設定情報が変更される(ステップS32)。これにより、担当スタッフ等がメインモニタ16を参照して不具合を特定できる。また、カラオケ装置2の設定内容が自動的に変更されるため、特別な作業を行うことなく、外部機器4の接続状況とカラオケ装置2に設定された装置設定の相性に起因した不具合が解消される。
【0045】
以上、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、外部機器4の接続状況と装置設定の相性に起因した不具合の原因究明や解決を容易に行うことができる。また、カラオケ装置2に設定された設定情報を自動的に変更して、担当スタッフの負担を軽減することができる。
【0046】
<変形例1>
第1、第2実施形態では、評価テーブルに外部機器4の接続情報とカラオケ装置2の設定情報の組み合わせの評価がOK(適合)及びNG(不適合)として登録される構成にしたが、この構成に限定されない。評価テーブルには、評価テーブルに外部機器4の接続情報とカラオケ装置2の設定情報の組み合わせの評価が推奨及び非推奨として登録されてもよい。なお、「推奨」とは、接続が可能であり、動作が保証された外部機器(推奨機器)4が接続されることを示している。「非推奨」とは、接続が可能であるが、条件次第では動作が保証されない外部機器(非推奨機器)4が接続されることを示している。
【0047】
より具体的には、検出部27は、外部機器4の機種情報を含む接続情報を出力する。機種情報の検出は、例えばカラオケ装置2と外部機器4をディジタル接続した場合に公知の技術を用いて実現される。評価テーブルには、設定情報として登録された機能に対し、動作確認が取れた機種の外部機器4の評価が「推奨」に設定され、動作確認が取れていない機種の外部機器4の評価が「非推奨」に設定されている。これにより、外部機器4の接続状況と装置設定だけでは特定できないような、外部機器4の機種と装置設定の相性に起因した不具合を特定できる。
【0048】
なお、サーバ3は、第1実施形態のように判定結果をカラオケ装置2に報知する構成にしてもよいし、第2実施形態のように指示情報によってカラオケ装置2の設定情報を変更する構成にしてもよい。カラオケ装置2の設定情報を変更する場合には、指示部35によって判定結果が非推奨と判定された機種情報と設定情報の組み合わせについて、設定情報に示された設定を変更にするような指示情報が生成される。また、評価テーブルには、機種情報及び設定情報の組み合わせ毎の評価が、少なくとも推奨又は非推奨で示されていればよく、例えば推奨、非推奨、NGで示されていてもよい。
【0049】
<変形例2>
第1、第2実施形態では、サーバ3が接続情報及び設定情報の組み合わせの適否を判定する構成にしたが、この構成に限定されない。カラオケ装置2が接続情報及び設定情報の組み合わせの適否を判定してもよい。図8は変形例2に係るカラオケシステム1のブロック図である。なお、変形例2については第1、第2実施形態と同様な構成については説明を省略する。また、変形例2に係るカラオケシステム1においては、第1、第2実施形態と同一の名称には同一の符号を付して説明する。
【0050】
図8に示すように、変形例2のカラオケ装置2には判定部30が設けられ、カラオケ装置2の記憶部22に評価テーブルが記憶されている。評価テーブルは、カラオケ装置2の仕様を反映して設定されている。これにより、判定部30によって記憶部22の評価テーブルが参照されて、外部機器4の接続情報とカラオケ装置2の設定情報の組み合わせの適否が判定される。このように、変形例2のカラオケ装置2は、自装置内で組み合わせの適否を判定して、メインモニタ16に判定結果を表示することができる。
【0051】
なお、記憶部22には、サーバ3から送信された評価テーブルが記憶されていてもよいし、外部記録媒体から入力された評価テーブルが記憶されていてもよい。また、サーバ3からカラオケ装置2に評価テーブルの更新情報が定期的に送信されて、記憶部22の評価テーブルが更新されてもよい。サーバ3に機種が異なる複数のカラオケ装置2が接続されている場合には、サーバ3は、カラオケ装置2の機種識別情報に対応した評価テーブルを送信することができるし、あるいはカラオケ装置2の機種識別情報に対応した更新情報を送信することができる。また、カラオケ装置2には、判定結果に基づいて設定情報の変更を指示する指示部35が設けられていてもよい。
【0052】
また、上記した各実施形態及び各変形例において、カラオケ装置2及びサーバ3に対して、カラオケシステム1の処理動作のプログラムをインストールすることによって、カラオケシステム1に外部機器4の接続状況とカラオケ装置2の装置設定の相性診断の機能が追加されてもよい。このプログラムは記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は特に限定されないが、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0053】
また、本実施形態を説明したが、他の実施形態として、上記実施形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0054】
また、本発明の技術は上記の実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方によって実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0055】
1 :カラオケシステム
2 :カラオケ装置
3 :サーバ
4 :外部機器
13a:第1のマイクロホン
13b:第2のマイクロホン
18 :ビデオプレーヤ
21 :設定部
27 :検出部
28 :送信部
30 :判定部
31 :記憶部
32 :取得部
33 :判定部
34 :報知部
35 :指示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8