特許第6943941号(P6943941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6943941レモンバーム抽出物を有効成分として含む注射剤及び化粧料組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6943941
(24)【登録日】2021年9月13日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】レモンバーム抽出物を有効成分として含む注射剤及び化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/53 20060101AFI20210927BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20210927BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20210927BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20210927BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20210927BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20210927BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20210927BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20210927BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20210927BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20210927BHJP
   A61K 8/20 20060101ALI20210927BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20210927BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20210927BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20210927BHJP
   A61K 8/58 20060101ALI20210927BHJP
   A61Q 19/06 20060101ALI20210927BHJP
【FI】
   A61K36/53
   A61K47/02
   A61K47/46
   A61K47/10
   A61K47/18
   A61K47/24
   A61K47/26
   A61P17/00
   A61K9/08
   A61K8/9789
   A61K8/20
   A61K8/44
   A61K8/55
   A61K8/34
   A61K8/58
   A61Q19/06
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-234300(P2019-234300)
(22)【出願日】2019年12月25日
(65)【公開番号】特開2020-158484(P2020-158484A)
(43)【公開日】2020年10月1日
【審査請求日】2019年12月25日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0033690
(32)【優先日】2019年3月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0050030
(32)【優先日】2019年4月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519461565
【氏名又は名称】林 載▲そん▼
【氏名又は名称原語表記】LIM,Jae Sun
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】林 載▲そん▼
【審査官】 大島 彰公
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−0645385(KR,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0086436(KR,A)
【文献】 特開2008−074814(JP,A)
【文献】 特開2012−229266(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第109464452(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K、A61P、A61Q
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レモンバーム抽出物を有効成分とする化粧料組成物であって
レモンバーム抽出物、塩化ナトリウム、ヒバマタ抽出物、セイヨウトチノキ種子抽出物、クルミ(JuglansRegia)抽出物、チロシン、アデノシン三リン酸二ナトリウム、アデノシンリン酸、メチルプロパンジオール、メチルシラノールマンヌロン酸を含み、
前記組成物は、超音波機器、高周波機器、エレクトロポレーション、または針のないインジェクトによって皮膚に適用され
前記組成物は、
塩化ナトリウム0.898重量%、レモンバーム抽出物0.01875重量%、チロシン0.00800重量%、セイヨウトチノキ種子抽出物0.00560重量%、クルミ抽出物0.00560重量%、ヒバマタ抽出物0.00240重量%、アデノシンリン酸0.00024重量%、アデノシン三リン酸二ナトリウム0.00024重量%、メチルプロパンジオール0.04000重量%、メチルシラノールマンヌロン酸0.00180重量%及び残量の精製水を含むことを特徴とするレモンバーム抽出物を有効成分とする化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レモンバーム抽出物を有効成分として含む注射剤及び化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、細長いVライン型の顔は誰もが好む顔型である。特に、最近では、まるまるとした顔から脱して、小さくて彫りの深い顔ラインを形成しようとする人々が多い傾向にある。
【0003】
脂肪吸引(lipoplasty)を目的としてホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine、PPという)とデオキシコール酸(sodium deoxycholate)を利用した複合製剤注射剤が局所肥満に多く利用されてきた。
【0004】
しかし、このようなホスファチジルコリンとデオキシコール酸を利用した複合製剤注射剤による脂肪壊死塊の発生により、ホスファチジルコリンを除いたデオキシコール酸の単独製剤を利用した脂肪分解組成物を開発しているが、デオキシコール酸の単独製剤を利用した脂肪分解組成物の場合、浮腫、紅斑、痛症、皮膚硬結などの副作用が頻繁に発生するという問題点がある。
【0005】
一方、コスメシューティカル(Cosmeceutical)とは、化粧品(cosmetics)と製薬(pharmaceuticals)の合成語であり、薬用化粧品を意味する。検証された効能の医薬成分を化粧品につなぎ合わせた製品である。医者、薬剤師などの医療専門家が研究開発に参加した化粧品もコスメシューティカルに属する。既存の化粧品が皮膚管理のためのものであれば、コスメシューティカル製品は皮膚治療に焦点が合わせられている。
【0006】
過度な皮下脂肪の除去及び皮膚弾力の増進に効果的なスリミング(slimming)及びアンチセルライト(anti−cellulite)化粧品に対する要求もたゆまず高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、注射だけで容易に顔を細長くする注射剤組成物を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、皮膚に適用して直接的に脂肪細胞内の脂肪を分解し、セルライト除去効果を表すことができる化粧料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施例によると、レモンバーム抽出物を有効成分とする脂肪分解用注射剤組成物を提供する。
【0010】
本発明の実施例によると、レモンバーム抽出物、マロニエ(Aesculus Hippocastanum)抽出物、ヒバマタ(Fucus Vesiculosus)抽出物、クルミ(Juglans Regia)抽出物、ADP(Disodium Adenosine Phosphate)、Adenosine Triphosphate、Tyrosineを含む注射剤組成物を提供する。
【0011】
本発明の実施例によると、上記組成物を有効成分として含有する脂肪分解用注射剤組成物を提供する。
【0012】
本発明の第1実施例によると、塩化ナトリウム0.898重量%、プロピレングリコール0.11462重量%、フェノキシエタノール0.0468重量%、メチルプロパンジオール0.04重量%、レモンバーム抽出物0.01875重量%、チロシン0.00800重量%、セイヨウトチノキ種子抽出物0.00560重量%、クルミ抽出物0.00560重量%、エチルヘキシルグリセリン0.00520重量%、ヒバマタ抽出物0.00240重量%、メチルシラノールマンヌロン酸0.00180重量%、ソルビン酸0.00100重量%、アデノシンリン酸0.00024重量%、アデノシン三リン酸二ナトリウム0.00024重量%、及び残量の精製水を含むレモンバーム抽出物を有効成分とする注射剤組成物を提供する。
【0013】
本発明の第2実施例によると、精製水、塩化ナトリウム、レモンバーム抽出物、セイヨウトチノキ種子抽出物、クルミ抽出物、チロシン(Tyrosine)、ヒバマタ抽出物、アデノシンリン酸(Adenosine Phosphate)、アデノシン三リン酸二ナトリウム(DISODIUM ADENOSINE TRIPHOSPHATE)、メチルプロパンジオール(METHYLPROPANEDIOL)、メチルシラノールマンヌロン酸(METHYLSILANOL MANNURONATE)を含むレモンバーム抽出物を有効成分とする化粧料組成物を提供する。
【0014】
本発明の第3実施例によると、化粧料組成物において、
塩化ナトリウム0.898重量%、レモンバーム抽出物0.01875重量%、チロシン0.00800重量%、セイヨウトチノキ種子抽出物0.00560重量%、クルミ抽出物0.00560重量%、ヒバマタ抽出物0.00240重量%、アデノシンリン酸0.00024重量%、アデノシン三リン酸二ナトリウム0.00024重量%、メチルプロパンジオール0.04000重量%、メチルシラノールマンヌロン酸0.00180重量%及び残量の精製水を含み、
上記組成物は、超音波機器、高周波機器、エレクトロポレーション、または針のないインジェクトによって皮膚に適用されることを特徴とするレモンバーム抽出物を有効成分とする化粧料組成物を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、注射だけで容易に顔が細長くなる注射剤組成物を提供することができる。
【0016】
本発明によると、レモンバーム抽出物を有効成分として塗布される領域の脂肪を分解し、セルライトを除去する化粧料組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例による注射剤組成物を施術した臨床結果を示したグラフである。
図2】本発明の実施例による脂肪細胞に注射剤組成物を投入する前に脂肪細胞が分布された組織を示した拡大写真である。
図3】本発明の実施例による注射剤組成物の投入後に脂肪細胞が80%減少した組織を示した拡大写真である。
図4】本発明の実施例による注射剤組成物を利用した施術を4週間行う前と行った後の写真を示す。
図5】本発明の実施例による注射剤組成物を利用した施術を4週間行う前と行った後の写真を示す。
図6】本発明の実施例による化粧料組成物を施術した臨床結果を示したグラフである。
図7】本発明の実施例による化粧料組成物を施術した臨床結果を示したグラフである。
図8】本発明の実施例による化粧料組成物を施術を4週間行う前と行った後の写真を示す。
図9】本発明の実施例による化粧料組成物を施術を4週間行う前と行った後の写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の具体的な実施例を添付の図面を参照して詳しく説明する。
【0019】
本発明の実施例によるレモンバーム抽出物を有効成分として含む脂肪分解組成物は、脂肪分解、リンパ循環、Vラインの顔、弾力のある顔のために注射剤で皮下に投薬されるか化粧料組成物として塗布されることができる。
【0020】
本発明の実施例による組成物は、上まぶた脂肪、目下脂肪、頬肉、頬骨、口元脂肪、顎ライン、二重顎などの部位に注射して、脂肪分解を通じて顔ラインを正すのに施術されることができる。個人の顔状態によって繊細な彫刻が可能な効果的な組成物である。浮腫の緩和、脂肪分解、リンパ循環の促進、アンチセルライトの作用をする。
【0021】
本発明の実施例による脂肪分解用注射剤組成物は、レモンバーム抽出物、マロニエ(Aesculus Hippocastanum)抽出物、ヒバマタ抽出物、クルミ抽出物、ADP(Disodium Adenosine Phosphate)、Adenosine Triphosphate、Tyrosineを含むことが好ましい。
【0022】
本発明の第1実施例による脂肪分解注射剤組成物は、次の成分から構成されることが好ましい。
【0023】
【表1】
表1は、本発明の第1実施例による注射剤組成物の成分及び配合割合を示した表である。数字は重量%を示す。
【0024】
レモンバーム(Melissa officinalis)は、シソ科(Labiatae)に属する植物として、多様な活性フラボノイド(シナロサイド(cynaroside)、コスモシン(cosmosin)、ラムノシトリン(rhamnocitrin)、イソクェルシトリン(isoquercitrin))、テルペン及びトリテルペン酸(triterpene acids:ウルソール酸(ursolic acid)及びオレアノール酸(oleanolic acid))を含有していると知られており(Herodez SS、Hadolin M、Skerget M、Knez Z Solvent extraction study of antioxidants from balm(Melissa officinalis L) leaves Food Chemistry 200;80:275−82)、精油、コーヒー酸及びロスマリン酸、モノテルペンとセスキテルペン、フェノール系物質及びタンニンなどの活性成分もレモンバームから分離抽出された。現在までレモンバーム抽出物の抗敗血症(Ulbricht C、Brendler T、Gruenwald J、Kligler B、Keifer D、Abrams TR、Woods J、Boon H、Kirkwood CD、Hackman DA、Basch E、Lafferty HJ;Natural Standard Research Collaboration Lemon balm(Melissa officinalis L):an evidence−based systematic review by the Natural Standard Research Collaboration J Herb Pharmacother 2005;5:71−114)、抗ウイルス)、抗菌及び抗酸化活性が報告されてきた(Bolkent S、Yanardag R、Karabulut−Bulan O、Yesilyaprak B Protective role of Melissa officinalis L extract on liver of hyperlipidemic rats:a morphological and biochemical study J Ethnopharmacol 2005;99:391−8、Ali Zarei1, Saeed Changizi Ashtiyani, Soheila Taheri, Fateme Rasekh Comparison between effects of different doses ofofficinalisatorvastatin on the activity of liver enzymes in hypercholesterolemia rats AJP 2014;4(1)15−23)。レモンバーム抽出物は、Melissa officinalis leaf extractで、地中海沿岸及び中部に自生し、「メリッサ」とも呼ばれるハーブ植物として、レモンと類似した香が特徴であり、豊かなロスマリン酸成分を含有する。ロスマリン酸は、ダイエット、抗酸化、抗炎作用に役立つ。レモンバーム抽出物は、ポリフェノールとタンニン成分で皮膚の保護にも優れた効能を持つ。レモンバーム抽出物は、水、メタノール、エタノール及びこれらの中で2種以上の混合物からなる群より選択される極性溶媒、好ましくは水でレモンバーム全草、好ましくはレモンバームの葉を抽出して噴霧乾燥させて粉末化したものである。
【0025】
一名をマロニエ種子抽出物と呼ばれるセイヨウトチノキ種子抽出物(AESCULUS HIPPOCASTANUM(HORSE CHESTNUT) SEED EXTRAC)は、抗浮腫作用、抗炎症作用、血管組織壁に対して浮腫形成の防止、給薬性の減少だけでなく、皮膚を紫外線から守って肝斑を予防し、荒い皮膚を防止する効果がある。
【0026】
クルミ抽出物(JUGLANS REGIA (WALNUT) SEED EXTRACT)は、細胞で角質形成細胞による角質層の分化を促進し、損傷された皮膚の障壁機能を回復させ、保湿力の増加及び維持に優れた効果があるだけでなく、肥満細胞における脱料粒阻害及び免疫細胞の増殖効果に優れ、抗炎、刺激緩和の効果がある。
【0027】
ヒバマタ抽出物は、大きな褐藻類海草から抽出した成分であり、多量のミネラル、ビタミン、アミノ酸を含有し、皮膚を保護し、水和して荒くて乾燥した皮膚をしっとりとする効果がある。脂肪を吸収し、老廃物の排出に役立つ。
【0028】
塩化ナトリウム(SODIUM CHLORIDE)は、ソジウム(ナトリウム)とクロライド(塩化物)の化合物である無機塩成分であり、化粧品及び美容製品で酸度調節剤、防腐機能、香味剤、粘度増進剤として使用される。
【0029】
プロピレングリコール(PROPYLENE GLYCOL)は、プロピレンオキシドを加水分解させて得られる成分であり、分子量が小さくて皮膚浸透力に優れ、有効成分を浸透させるための用途として使用される。皮膚中の水分を維持させて皮膚保湿力を向上させる効果がある。
【0030】
フェノキシエタノール(PHENOXYETHANOL)は、フェノールとエチレングリコールが結合した成分であり、主に化粧品に防腐剤と保留剤の役割をする成分であり、ひと時乳房癌で悪名をはせたパラベンの代わりに化粧品に使用される代替防腐剤の一つである。
【0031】
メチルプロパンジオールは、溶媒で使用されるグリコールの一種である。各種の成分(サリチル酸など)が皮膚に浸透するように役立つ。水和(Hydrating)属性があり、皮膚を柔らかくしっとりとするのに役立つ。
【0032】
チロシンは、メラニンの生成を始める皮膚アミノ酸である。体内カテコールアミン(Catecholamine)、甲状腺ホルモンであるチロキシン(Thyroxine)の前駆体として、脂肪代謝を促進する。
【0033】
エチルヘキシルグリセリン(ETHYLHEXYLGLYCERIN)は、グリセリルエーテルとして有機化合物成分であり、グリセリンの一種類として柔らかさ、湿潤剤及び適正な滲み性能を持った湿潤剤の一種である。フェノキシエタノール、イソチアゾリノン、そしてパラベンなどのような防腐剤の抗菌力を増加させて防腐剤の使用量を減らすことができる。バクテリア成長を抑制して脱臭効果があり、皮膚コンディショニングを付与する。
【0034】
メチルシラノールマンヌロン酸(METHYLSILANOL MANNURONATE)は、有機シリコーンOrganic silicon(SI)であるシラノール(Silanol)と褐藻類のアルギン酸に由来したマンヌロン酸(Mannuronic Acid)が結合した物質であり、皮膚再生、弾力強化、線状皮膚萎縮症の防止効果及び抗酸化、脂肪分解、保湿効果などがある。
【0035】
ソルビン酸(SORBIC ACID)は、ブルーベリーのようなベリー類に存在する成分であり、細菌、カビなどの微生物の生育抑制効果があり、全ての化粧品に防腐成分として主に使用される。化粧品だけでなく食品にも許容される成分である。
【0036】
アデノシンリン酸は、複合性、しわ改善、抗炎剤、鎮静剤、細胞対話成分であり、真皮層内の皮膚細胞活性化酸素を伝達して繊維芽細胞の大きさの増大及び増殖を強化してコラーゲン合成を促進する。
【0037】
アデノシン三リン酸二ナトリウムは、アデノシン三リン酸のジナトリウム塩成分である。皮膚にコンディショニングを付与する役割として使用される。
【0038】
頬骨が発達して印象が強く見える場合、年を取りながらあご脂肪(jowl fat)、あご線などが垂れた場合、豊麗線横の頬のため豊麗線が深く見える場合、頬や二重あごのように部分的に脂肪が多い場合、ボトックスだけでは四角あごの校正にならない場合、輪郭や顎削り手術をしたにも顔ラインが校正にならなかった場合、脂肪吸入や手術を恐れる場合、脂肪移植が過度な場合、リフティングの前/後、顔面非対称患者、既存の脂肪分解薬物で効果を見られなかった場合、短い時間に日常生活に差し支えなく細長い顔を望む患者を対象とする。
【0039】
注射剤投薬の臨床結果は、次の通りである。
【0040】
患者年齢は20代以上の男女患者を対象とする。毎週1回ずつ、4回を一ヶ月間施術した後の結果である。施術方法は30〜40分軟膏で痲酔した後、32G needle(1cc syringe)、Mesogunを使用した。レモンバーム組成物Solutionは、1cc当たり3−4pointに分けて皮下(SQ level)に注射する。施術後、柔らかくマッサージをして、抗生剤軟膏またはVit.K軟膏を塗布する。
【0041】
次の表2は、施術部位別の施術回数、用量及び間隔を示した表である。
【0042】
【表2】
施術者は、80〜90%以上効果を示した。全体的な様子の中で、あご脂肪とあご線が最もドラマチックに変化する様子を示し、効果は2〜3週から確実に表れた。薬物使用後、浮腫やしゃく熱感がなく、日常生活に不便がなかった。糸リフティングとボトックス施術が必要な患者の場合、併行施術で満足度がさらに高くなった。特に、輪郭薬物はリンパ代謝にも関与して浮腫緩和とセルライト分解に優れた効果を表した。即ち、図1に示すように、19%が硬いセルライト減少を示し、32%が浮腫性セルライト減少を示し、49%が柔かいセルライト減少効果を示した。
【0043】
図2及び3は、本発明の実施例による組成物が脂肪細胞に反応した実験を示した電子顕微鏡写真を示す。図2は、組成物の投入前の写真であり、図3は、組成物の投入後の写真である。赤色の丸が脂肪細胞を示し、約80%の脂肪細胞が減少したことを確認することができる。
【0044】
図4及び5は、本発明の実施例による注射剤組成物を利用した施術を4週間行う前と行った後の写真をそれぞれ示す。図示のように、4週ぶりに脂肪及びセルライトの分解によりドラマチックな顔ラインの変化を確認することができる。
【0045】
一方、本発明の第2実施例によるレモンバーム抽出物を有効成分として含む化粧料組成物を以下で説明する。
【0046】
本発明の実施例によるレモンバーム抽出物を有効成分として含む脂肪分解用化粧料組成物は、脂肪分解、リンパ循環、Vライン顔、弾力のある顔のために化粧料組成物として塗布されることができる。
【0047】
本発明の実施例による脂肪分解組成物は、レモンバーム抽出物、マロニエ(Aesculus Hippocastanum)抽出物、ヒバマタ抽出物、クルミ抽出物、ADP(Disodium Adenosine Phosphate)、Adenosine Triphosphate、Tyrosineを含むことが好ましい。
【0048】
本発明の第2実施例による脂肪分解用化粧料組成物は、次の成分で構成されることが好ましい。
【0049】
【表3】
表3は、本発明の第2実施例による脂肪分解用化粧料組成物の成分及び配合割合を示した表である。数字は重量%を示す。
【0050】
第1実施例と同一成分の効能に対する説明は省略する。
【0051】
レモンバーム抽出物は、水、メタノール、エタノール及びこれらの中で2種以上の混合物からなる群より選択される極性溶媒、好ましくは水でレモンバーム全草、好ましくはレモンバームの葉を抽出して噴霧乾燥させて粉末化したものである。本実施例では、レモンバーム抽出物の皮膚適用時に脂肪及びセルライトの減少効果を利用した。
【0052】
上記組成物を利用して2019年1月から3月まで100人の非施術者を対象として臨床を実施した。
【0053】
非施術者は、次の表4のように非施術者のセルライト種類に分類された。
【0054】
【表4】
非施術者の年齢は次の通りであった。70%の非施術者が15〜35歳であった。
【0055】
【表5】
循環系系統疾病が特に重要であるが、セルライトと関連した症状は、下記の表6のように非常に多様であった。
【0056】
【表6】
表6から分かるように、65%の非施術者が静脈還流欠乏(deficient venous return)、44%が家族歴の静脈瘤血管異常(family history of varicose veins)、31%が少なくとも生理2日前にくるぶし浮腫(malleolar edema)を表した。全てのこのような症状が血管と関連が非常に深い(vascular manifestations)ため、貧弱な循環機能(poor circulatory function)と美容学的セルライト問題(esthetic cellulite problems)と関係があることが統計的に証明された。
【0057】
転子周囲(peritrochanteric)と膝の内側を含む施術該当部位の全体にエレクトロポレーション(electroporation)を適用し、次のような結果を得た。電気穿孔法という意味のエレクトロポレーション(electroporation)は、皮膚脂質に電気パルスを加えて一時的に皮膚脂質を開くため、本発明の実施例による組成物のようなフォーミュラ吸収により効果的である。
【0058】
臨床は、毎週1回ずつ非施術者の状態によって4〜10週間にわたって進行された。その後は一週間おきに1回、総2回を進行し、2回実施後は「維持の目的」で一月に1回のみ進行した。1回当り時間は最小30分から最大40分であり、パワーレベルは75〜90%であった。適用部位に柔らかく円を描くようにマッサージをするという点に注意する。「維持の目的」の施術を除いて、総5〜10回の施術を受けた非施術者は、全体の71%であり、「維持の目的」施術を含み11〜20回を受けた非施術者が25%、21回以上を受けた非施術者が4%であった。
【0059】
体重減量の変化は次の表7の通りである。
【0060】
【表7】
図6は、転子周囲(peritrochanteric)の直径減少幅を示したグラフである。21%が2cm、46%が3cm、21%が4cmの減少効果を表した。
【0061】
図7は、非施術者の総合評価を示した表である。施術に対する非施術者の主観的な評価が行われ、評価基準は体重の変化だけでなく、施術過程で表れることができる症侯群(副作用)の程度と日常生活への速い復帰なども含まれている。
【0062】
3%の非施術者から両太股における一般的な血管拡張が観察された。これは一過性(transient)で痛症はなく、迷走神経(vagal)による症状ではなかった。下方の太股部分が薄暗く赤くなってから消える現象であり、同種の療法製品に対する反応程度であると理解される。
【0063】
注目に値する事実は、臨床に参加した非施術者の中で、一人も耐性が生じず同種の療法に対する拒否反応も表れなかったということである。非施術者の製品に対する受容(acceptance)が非常に優れ、かゆみ証、腫れ上がり、アレルギー現象、苦痛、深刻な紅斑などは全くなかった。
【0064】
図8は、29歳女性の施術の前(a)と後(b)の写真である。一週間に1回ずつ6回施術した結果である。
【0065】
図9は、43歳女性の施術の前(a)と後(b)の写真である。一週間に1回ずつ10回施術した結果である。
図示のように、施術部位の脂肪及びセルライトの分解によりドラマチックな変化を確認することができる。
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図8
図9