特許第6943944号(P6943944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6943944中性子ラジオグラフィの実現のための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6943944
(24)【登録日】2021年9月13日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】中性子ラジオグラフィの実現のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/05 20060101AFI20210927BHJP
   G01N 23/044 20180101ALI20210927BHJP
   G01T 3/00 20060101ALI20210927BHJP
   G21C 17/10 20060101ALI20210927BHJP
【FI】
   G01N23/05
   G01N23/044
   G01T3/00 G
   G21C17/10 300
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-503277(P2019-503277)
(86)(22)【出願日】2017年7月18日
(65)【公表番号】特表2019-527360(P2019-527360A)
(43)【公表日】2019年9月26日
(86)【国際出願番号】RU2017000530
(87)【国際公開番号】WO2018016994
(87)【国際公開日】20180125
【審査請求日】2019年2月19日
(31)【優先権主張番号】2016130254
(32)【優先日】2016年7月22日
(33)【優先権主張国】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】516219347
【氏名又は名称】ステート・アトミック・エナジー・コーポレーション・ロスアトム・オン・ビハーフ・オブ・ザ・ロシアン・フェデレーション
【氏名又は名称原語表記】STATE ATOMIC ENERGY CORPORATION ‘ROSATOM’ ON BEHALF OF THE RUSSIAN FEDERATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】イズトフ、アレクセイ・レオニドビッチ
(72)【発明者】
【氏名】クロシュキン、ニコライ・イバノビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ネベロフ、ビタリー・アレクサンドロビッチ
【審査官】 今浦 陽恵
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0019510(US,A1)
【文献】 特開2009−168496(JP,A)
【文献】 特開昭56−042187(JP,A)
【文献】 特開昭50−118778(JP,A)
【文献】 特開平03−277996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00−23/2276
G01T 1/00−1/16,1/167−7/12
G21C 17/00−17/003,17/013、17/02
17/025,17/032−17/10,17/108
17/12−17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査中の対象物を保護用容器へと配置することと、取り付けシートを介してベッド上に前記保護用容器を配置すること、及びそこにおいて堅く留めることと、半環状凹部を有する肢部であって、ベッドに対して回転可能に前記ベッド上に載置された肢部における溝中に第1の放射化検出器を取り付けることと、前記第1の放射化検出器と中性子ビームの方向との間に角度(+α)を設定することと、前記中性子ビームを照射することと、照射の後に、前記第1の放射化検出器により取得された放射能分布を第1の写真フィルムに転写するために、前記第1の放射化検出器が前記第1の写真フィルムと接触するよう前記第1の放射化検出器をボックスから特別な容器に移動させることと、前記溝中に第2の放射化検出器を取り付けることと、前記第2の放射化検出器と前記中性子ビームの方向との間に角度(−α)を設定することと、前記中性子ビームを射することと、照射の後に、前記第2の放射化検出器により取得された放射能分布を第2の写真フィルムに転写するために、前記第2の放射化検出器が前記第2の写真フィルムと接触するよう前記第2の放射化検出器を前記ボックスから前記特別な容器に移動させることと、±α(|+α|=|−α|)の角度で画像を取得するために前記中性子ビームが照射されたフィルムを処理することと、前記異なる角度で取得した画像により立体視画像を生成することと、を含む、中性子ラジオグラフィの方法。
【請求項2】
前記角度±αが40°〜80°の範囲から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検査中の対象物が、第1の及び第2の放射線照射の間に同じ中性子線密度で前記中性子ビームが照射されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
検査中の対象物の中性子ラジオグラフィを実施するための装置であって、中性子源、検査中の対象物のための保護用容器、及びフラットな放射化検出器を有する検出系を備え、
前記装置は、さらに、取り付けシートを備えたベッドと、前記ベッドに対して回転可能に前記ベッド上に載置された肢部であって、複数の放射化検出器を留めるための、直径に沿った形態の溝を有する肢部とを備え、ここで、前記取り付けシートは前記保護用容器を前記ベッドに配置するためのものであり、
前記肢部は、前記検査中の対象物の軸と並行な軸を中心に設定角度分前記ベッドに対して回転可能なように取り付けられ、前記肢部は、中性子ビームの方向に対して角度±α分前記肢部が回転する際に、細長い対象物に前記中性子ビームが通過するための半環状凹部を有する、装置。
【請求項5】
前記肢部の回転中心が、前記ベッドと一体にされたボールベアリングに取り付けられており、前記肢部は、前記ベッドの円形トラックに配置されるローラー上に載置されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記肢部が、回転及び固定機構を介して設定角度分自動的に前記ベッドに対して回転されることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中性子ラジオグラフィに関し、細長い放射性のアイテム、主として核燃料要素の検査のために、また、放射線照射された及び放射線照射されていない対象物の、その材料組成及び内部構造を決定するための非破壊試験のために、使用されることができるものである。
【背景技術】
【0002】
バックグラウンドY放射線照射線量及び照射時間を計算することと、検出器を取り付けることと、写真材料上に中性子ラジオグラフィ画像を記録することと、を含む、直接照射による中性子イメージングの方法が知られている(N.D. Tyufyakov, A.S. Shtan, Principles of Neutron Radiography, M., Atomizdat, 1975, p.250)。
【0003】
中性子ラジオグラフィ観察(viewing)のための装置であって、そこでプール型の原子炉からの中性子ビームが使用され、及びコリメータポートの寸法を変更することによってビームコリメーションがスムーズに変えられることができる装置が知られている(Radiation technology, Rev. 16. M., Atomizdat, 1978)。
【0004】
この装置は、アイテム及び検出器を制御位置へ送るための送り駆動と、放射化検出器(the activation detector)を、キャリッジから写真容器へそれを移すために留めるための手段と、放射化されたスクリーン(the activated screen)をX線フィルムに押し下げるために必要とされる圧縮空気を供給するための空気圧系を備える。
【0005】
アイテムは、90°に等しい検出器平面及びアイテム平面に対してコリメートされた中性子ビームの当てる角度(the striking angle)で単一の側面において150×1200mmのラジオグラフィックボックス内で放射線を照射される。欠陥が見つかったとき、この欠陥の原因を決定するために、1つ又は複数の他の角度でそれを検査することが必要とされた。この目的のために、放射線照射されたアイテムは、ラジオグラフィックボックスから保護用ボックスへと複数回運ばれなければならず、アイテムは保護用容器中で回転され、かつ照射位置に戻されなければならなかった。
【0006】
原子炉中性子ビームの垂直チャンネルの水平上部に次いで位置付けられる縦型の保護用容器の可動クロスビーム中に検査中の試料を配置することと、所定の絞り値の低減レート及びクロスビーム速度を設定することと、を含む、中性子ラジオグラフィのための方法が知られている(N.G. Kocherygin, V.D. Kozmenko, Apparatus for defectoscopy of highly active samples, А.С. No.199476, cl.42k, 46/07, IPC G01n, 1967)。クロスビーム通過の速度及び絞り変化レートは経験的に選択され、及び照射の最後に、フィルム上で鮮明な画像を取得するために、放射化されたスクリーンの一様なバックグラウンド放射線及びそれの十分な放射能(activity)が提供される。
【0007】
この方法を実現するための装置は、中性子源、作業容器、その中に検査中の試料を受けるための作業容器内側の可動クロスビーム、クロスビームを中性子流方向に垂直に通過させるための通過機構、絞り変動機構、写真容器、作業容器から写真容器へと放射化されていないスクリーンを移動させるためのハンドリング機構を備えている。
【0008】
この装置は、長さの短いアイテム及び試料を検査するために設計されたものである。長いアイテムについては、そのアイテム自体の2倍の高さの容器を使用することが必要である。かさばる容器は扱うのが難しく、なぜなら測定場所に運ばれるとき、そのようなかさばる容器は、垂直(運搬)のポジションから水平(「ラジオグラフィック観察」radiographic viewing)のポジションへと動かされる必要があるからである。
【0009】
細長い垂直チャンネルの出口における中性子ビームの寸法は最小化される(50〜100mm以下)。その結果、垂直位置から水平位置へと再配向された容器中のアイテムを伴うクロスビームは、1段階ずつ複数回動かされる必要があり、それには非常に時間がかかる。
【0010】
検査されるアイテムの半径及び長さに沿って伝わる欠陥を有するゾーンの空間変動及びパラメータを可視化するために、アイテムの軸を中心に回転されて入力ビームを通過しているこれらのアイテムの画像をキャプチャすることが必要である。これは、いくつかの中性子「ラジオグラフィック観察」及び複数の追加的な作業を必要とし、それはとりわけ、中にアイテムを有する容器を、高放射性レベルアイテムがそこで遠隔操作で各機械的操作を受ける保護用ボックスに、戻すことを含む。
【0011】
非常に多くの再配置及び移動により、高放射性レベルアイテムは、何らかの予期しない理由のために損なわれる可能性があり、それは何らかの深刻な放射事故につながる可能性がある。さらに、核燃料を含む検査中のアイテムの各新しいラジオグラフィック観察(中性子ビームによる照射)は、追加的な放射能の蓄積量を増加させる。これが原因で、中央ホール内のそのようなアイテムの存在は、そのような装置を保守点検する職員にとって、毎回より放射線の危険を高める。
【0012】
中央ホール環境内で写真容器中のフィルムに、スクリーンから、隠れた画像(a hidden image)を転写することは、最善のアイデアではない、なぜなら他の放射線源が追加のバックグラウンド放射線(additive background)を提供する可能性があるからである。
【0013】
本発明の目的は、ラジオグラフィック検査結果の情報価値、精度、及び明瞭性を改善することである。
【発明の概要】
【0014】
前述の目的は、検査中の対象物を保護用容器へと配置することと、取り付けシートを介してベッド上に前記保護用容器を配置すること、及びそこにおいて堅く留めることと、半環状凹部を有する回転可能なディスクの形態で作られ、かつ前記ベッドと一体にされた肢部における溝中に第1の放射化検出器を取り付けることと、前記第1の放射化検出器と放射線の方向との間に角度(+α)を設定することと、中性子ビームを供給することと、照射の後に、前記第1の放射化検出器により取得された放射能分布を第1の写真フィルムに転写するために、前記第1の放射化検出器が前記第1の写真フィルムと接触するよう前記第1の放射化検出器をボックスから特別な容器に移動させることと、前記溝中に第2の放射化検出器を取り付けることと、前記第2の放射化検出器と放射線の前記方向との間に角度(−α)を設定することと、照射を実行することと、照射の後に、前記第2の放射化検出器により取得された放射能分布を第2の写真フィルムに転写するために、前記第2の放射化検出器が前記第2の写真フィルムと接触するよう前記第2の放射化検出器を前記ボックスから前記特別な容器に移動させることと、±α(|+α|=|−α|)の角度で画像を取得するために放射線を照射されたフィルムを処理することと、ここで、前記角度を変えることで立体視画像が生み出されることができるものであり、を含む、中性子ラジオグラフィの方法、によって達成されることができる。
【0015】
角度(±α)が40°〜80°の範囲から選択されることは、経験的に確立されている。
【0016】
高品質な画像を得るために、中性子ビームの密度はモニタされることとし、第2の照射(exposure)は、第1の照射と同じ中性子線密度で実行される。
【0017】
検査中の対象物を中性子ラジオグラフィによってテストするための方法を実施するための装置であって、中性子源、検査中の対象物のための保護用容器、及びフラットな放射化検出器を有する検出系を備え、該装置は、さらに、直径に沿った形態の溝に複数の取り付けシートを有し、回転可能な肢部の形態の検出系を上に配置したベッドを備え、前記肢部は、前記検査中の対象物の軸と並行な軸を中心に設定角度分、回転可能なように取り付けられ、フラットな放射化検出器は直径に沿った溝内に取り付けられ固定されることが意図されており、肢部が中性子ビームの方向に対して角度分回転する際に検査中の対象物が通過するための半環状凹部を肢部内に有する、装置である。
【0018】
検査中のアイテムを有する容器は、取り付けシートへと配置され、ロッカーで堅く留められる。肢部の回転中心はベッドと一体にされたボールベアリングに取り付けられ、肢部は、肢部の円形トラックに取り付けられたローラー上に載置される。
【0019】
放射化検出器が取り付けられるのに適した長さ及び幅を有する長方形スロットが、肢部の直径上に作られる。
【0020】
肢部は、中性子ビームの軸に対してαの角度で方向づけられる、複数の選択された位置のうちの1つに取り付けられ、ここでiは、様々なしかし1対の測定について厳格に定義され固定された値を有することができる。
【0021】
例えば、放射化プレートの形態で作られる放射化検出器の角度配置の配向角度(α)を変更することと、それぞれ対のX線画像を得ることとによって、検査中の対象物に対する高温及び原子炉放射線の集中的な影響に起因する変異の結果として、又は製造中に、のいずれかに生み出される接合部や、シェルの状態や、検査中の対象物における欠陥の入手可能なパターンを、2つ又は3つのステップで完全に表すことが可能である。
【0022】
両方の放射化画像は、ベッド上での検査中のプロダクトの位置を変えることなく、(出力及び組成の観点から)同じ中性子ビームにおいて得られなければならない。
【0023】
1つの検出器を角度+αに、そして別の1つを(ビーム軸に対して180度回転された)角度−αにおける反転した位置に、連続して2つの検出器を取り付けることによって、検査中の対象物についての2つの画像を得ることが可能になり、この画像は、1/sinαに等しい事前決定された画像倍率を有する立体写真(stereoscopic pair)を形成する。
【0024】
3次元中性子ラジオグラフィの使用は、欠陥のラジオグラフィック画像の生成の通常の方法と比較して、検査中の対象物における欠陥の視覚的な分析の境界を著しく拡張する。
【0025】
ベッド上に回転可能に取り付けられ、内側に検査中の対象物を有する容器の直径に等しい幅と180°の角度長を有する環状の長方形断面凹部が設けられ、放射化検出器のための溝が設けられた肢部は、検査中の対象物についての異なった垂直断面の画像を作ること、複数の異なる角度で画像を作ること、及び検査中の対象物の3次元画像のための立体写真を取得することを可能にする。
【0026】
肢部は、回転及び固定機構によって設定角度分自動的に回転される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、装置の全体図を示す。
図2(a)】図2(a)は、肢部上に取り付けられた装置の上面図を示す。
図2(b)】図2(b)は、溝中に取り付けられた検出器を示す。
【0028】
図面において、
1−コリメートされた中性子ビーム;2−検査中の対象物;3−保護用容器;4−ベッド;5−取り付けシート(ソケット);6−ロッカー;7−回転可能な肢部;8−溝;9−肢部回転軸;10−ボールベアリング;11、12−肢部の溝に取り付けられた放射化検出器、一点鎖線は中性子ビームの軸に対する肢部の溝の方向を+α、−αの角度でそれぞれ示す;13−肢部上の半環状凹部;14−事前決定された角度での肢部の回転及び固定のための機構。
【発明を実施するための形態】
【0029】
検査中の対象物(試料、アイテム)2は、保護用容器3中に配置される。容器3は、取り付けシート5を介してベッド4上に配置され、ロッカー6で堅く留められる。ベッド4には、角度長180°及び内側に検査中の対象物2を有する容器3の直径に等しい幅の環状の長方形断面凹部13を有する回転可能なディスクの形態の回転可能な肢部7が設けられる。
【0030】
肢部7の回転軸9は、ベッド4と一体にされたボールベアリング10中に取り付けられ、肢部は、(示されていない)ローラー上に載置され、凹部13を有する。一対の放射化検出器11及び12は交互に溝8に取り付けられ、検出器の高さは、ラジオグラフィックに観察される対象物2の高さに等しくなくてはならない。一対の放射化検出器11及び12は交互に溝8に取り付けられる。放射化検出器の各々は、位置11,12に載置され得、各々の放射化検出器は1つのピースであるか、又はいくつかのパーツから成ることができる。(イメージングプロセスにおける後続のステージにおいて使用される低品質の写真材料によって引き起こされるアクシデントをある程度排除するとの)統計の目的のために、同一のアイテム2が、この方法で何度か検査されることができる。ビーム軸に対する中性子検出器の回転の選択される角度は、既存の回転及び固定機構14、例えば、同期ペア(同期ジェネレータ及び同期レシーバ)、ディスクリートギアドライブ、固定支持上の肢部の下のホールシステム(hole system)及び肢部7上にバネで留められたロッカー等、を使用して規定される。適用されるこの方法では、放射化検出器は、互いに数値上等しい(|+α|=|−α|)の選択された中性子ビームの入射角に対応する位置11,12へと回転されることを確実にしなければならず、ここで中性子ビームは、検査中の対象物の「ラジオグラフィック観察」の第1のセッションの間に、次いで第2のセッションの間に使用される。
【0031】
第1の「ラジオグラフィック観察」の後に、半減期が短い放射化検出器上で生成される放射能(the activity)の良好な(ロスのない)画像をキャプチャするために、放射化検出器11上で取得された放射能分布(the activity distribution)は、第2の放射線照射を待つことなく、X線フィルムへと転写される。(同じ低半減期の)第2の放射化検出器12が放射線照射された後に、画像キャプチャ手順が繰り返され、この画像は、第2のX線フィルム上に転写される。次に、X線フィルム上のネガ画像が今度は2つの写真複写に通常の方法で転写される。両方のX線フィルム(又は写真複写)は、対応する立体視装置において同時に観察され、立体視装置は、これらの態様(aspects)を1つの3次元視の対象物に組み合わせるように構成されている。2つのX線フィルム及びそのような装置の使用は、検査中の対象物2の3D画像を生成することを可能にする。
【0032】
中性子ビーム(α下にある放射化検出器11、12の配向角度及び取得される対のX線画像をそれぞれ変更することによって、高温及び原子炉放射線の集中的な影響に起因する変異の結果として、又は製造中に、のいずれかに生み出される接合部や、シェルの状態や、検査中の対象物の現在の断面における欠陥の入手可能なパターンを、2つ又は3つのステップで完全に表すことが可能である。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 検査中の対象物を保護用容器へと配置することと、取り付けシートを介してベッド上に前記保護用容器を配置すること、及びそこにおいて堅く留めることと、半円形凹部を有する回転可能なディスクの形態で作られ、かつ前記ベッドと一体にされた肢部における溝中に第1の検出器を取り付けることと、前記第1の検出器と放射線の方向との間に角度(+α)を設定することと、中性子ビームを供給することと、照射の後に、前記第1の検出器を写真フィルムと接触させるためにボックスから特別な容器にそれを移動させることと、前記溝中に第2の検出器を取り付けることと、前記第2の検出器と放射線の前記方向との間に角度(−α)を設定することと、照射を実行することと、照射の後に、写真フィルムと接触させるために前記第2の検出器を前記ボックスから前記特別な容器に移動させることと、±α(|+α|=|−α|)の角度で画像を取得するために放射線を照射されたフィルムを処理することと、ここで、前記角度を変えることで立体視画像が生み出されることができるものであり、
を含む、中性子ラジオグラフィの方法。
[2] 前記角度±αが40°〜80°の範囲から選択されることを特徴とする、[1]に記載の方法。
[3] 前記アイテムが、第1の及び第2の放射線照射の間に同じ中性子線密度で放射線照射されることを特徴とする、[1]に記載の方法。
[4] 中性子ラジオグラフィによってアイテムを試験するための方法を実施するための装置であって、中性子源、検査中の対象物のための保護用容器、及びフラットな放射化検出器を有する検出系を備え、前記装置は、さらに、直径に沿った溝の形態で中性子検出器を留めるための取り付けシートを有し、回転可能な肢部の形態の検出系を上に配置したベッドを備え、前記肢部は、検査中の前記対象物の軸と並行な軸を中心に設定角度分、回転可能なように取り付けられ、前記肢部は、中性子ビームの方向に対して角度±αi分、前記肢部が回転する際に細長い対象物が通過するための半円形凹部を有する、装置。
[5] 前記肢部の回転中心が、前記ベッドと一体にされたボールベアリングに取り付けられており、前記肢部は、前記肢部の円形トラックに配置されるローラー上に載置されていることを特徴とする、[4]に記載の装置。
[6] 前記肢部が、回転及び固定機構を介して設定角度分自動的に回転されることを特徴とする、[4]に記載の装置。
図1
図2(a)】
図2(b)】