【文献】
Spreadtrum Communications,Discussion on numerology and frame structure,3GPP TSG RAN WG1 meeting #84 bis R1-162549,2016年04月15日
【文献】
NTT DOCOMO, INC.,Initial views and evaluation results on non-orthogonal multiple access for NR,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #85 R1-165175,2016年05月27日
【文献】
CMCC et al.,WF on multiple access for NR,3GPP TSG RAN WG1 #84bis R1-163656,2016年04月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モバイル通信システムのスケジューラにより時間−周波数無線リソースを配分する方法であり、前記モバイル通信システムの複数の時間−周波数無線リソースをリソーススケジューリングユニットへとそれぞれ別様に区切る複数のヌメロロジ方式が規定された、方法であって、
参照リソースセットがヌメロロジ方式ごとに規定され、各参照リソースセットが、前記各ヌメロロジ方式に従って配分されるように使用可能な時間−周波数無線リソースセットに関連付けられており、少なくとも1つのヌメロロジ方式の前記参照リソースセットが、周波数領域および/または時間領域において、少なくとも別のヌメロロジ方式の前記参照リソースセットと重なっており、
当該方法が、
前記スケジューラにより実行される、前記複数のヌメロロジ方式に従って、時間−周波数無線リソースを1つまたは複数のユーザ端末に配分するリソース配分手順を実行するステップを含み、
第1のヌメロロジ方式に関して前記リソース配分手順を実行した後、前記第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースが、
前記第1のヌメロロジ方式に従って配分された前記時間−周波数無線リソースの上書きであり、当該上書きされた時間−周波数無線リソースに関する情報が前記スケジューラによりブロードキャストされる、上書きによって、
前記第1のヌメロロジ方式よりもスケジューリング時間インターバルが短い第2のヌメロロジ方式に従って再配分される、
方法。
前記リソース配分手順が、時間領域または周波数領域において互いに重なることなく前記各参照リソースセットに基づいて、前記時間領域および/または前記周波数領域において前記複数の時間−周波数無線リソース全体で前記複数のヌメロロジ方式が多重化されるように実行され、
任意選択として、ヌメロロジ方式の前記参照リソースセットが、前記各ヌメロロジ方式に従って、前記リソース配分手順において配分可能な前記無線リソースに対する制限を設定する、
請求項1に記載の方法。
各ヌメロロジ方式に関して、少なくとも1つの制御情報領域が前記各ヌメロロジ方式の前記参照リソースセット内に規定され、前記制御情報領域の時間−周波数無線リソースを前記スケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、前記各ヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能であり、
任意選択として、少なくとも1つのヌメロロジ方式の前記制御情報領域が、少なくとも1つの他のヌメロロジ方式の前記制御情報領域と重なっており、
任意選択として、1つのヌメロロジ方式の前記制御情報領域の前記時間−周波数無線リソースが、別のヌメロロジ方式に従って、データ送信用に配分されるように使用可能であり、
任意選択として、ユーザ端末が、当該ユーザ端末が対応する1つまたは複数のヌメロロジ方式それぞれの前記制御情報領域をモニタリングすることにより、当該ユーザ端末宛てのリソース配分情報を受信し、
任意選択として、前記複数のヌメロロジ方式の前記制御情報領域に関する情報が前記スケジューラによって前記ユーザ端末に送信される、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
共通制御情報領域が前記複数のヌメロロジ方式のうちの1つの前記参照リソースセット内に規定され、前記共通制御情報領域の時間−周波数無線リソースを前記スケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、少なくとも別のヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能である、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースのリソース配分情報が、前記配分された時間−周波数無線リソース内で予約され、前記第1のヌメロロジ方式よりもスケジューリング時間インターバルが短い第2のヌメロロジ方式に従って配分される予約時間−周波数無線リソースを示す、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
モバイル通信システムにおいて時間−周波数無線リソースを配分するスケジューラからユーザ端末がリソース配分情報を受信する方法であり、前記モバイル通信システムの複数の時間−周波数無線リソースをリソーススケジューリングユニットへとそれぞれ別様に区切る複数のヌメロロジ方式が規定された、方法であって、
参照リソースセットがヌメロロジ方式ごとに規定され、各参照リソースセットが、前記各ヌメロロジ方式に従って配分されるように使用可能な時間−周波数無線リソースセットに関連付けられており、少なくとも1つのヌメロロジ方式の前記参照リソースセットが、周波数領域および/または時間領域において、少なくとも別のヌメロロジ方式の前記参照リソースセットと重なっており、前記スケジューラがリソース配分手順を実行することにより、前記複数のヌメロロジ方式に従って、時間−周波数無線リソースを1つまたは複数のユーザ端末に配分し、
当該方法が、
前記ユーザ端末により実行される、前記スケジューラによって前記ユーザ端末に配分された前記無線リソースに関するリソース配分情報を受信するステップを含み、
第1のヌメロロジ方式に関して前記リソース配分手順を実行した後、前記第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースが、
前記第1のヌメロロジ方式に従って配分された前記時間−周波数無線リソースの上書きであり、当該上書きされた時間−周波数無線リソースに関する情報が前記スケジューラによりブロードキャストされる、上書きによって、
前記第1のヌメロロジ方式よりもスケジューリング時間インターバルが短い第2のヌメロロジ方式に従って再配分される、
方法。
モバイル通信システムにおいて時間−周波数無線リソースを配分するスケジューラであり、前記モバイル通信システムの複数の時間−周波数無線リソースをリソーススケジューリングユニットへとそれぞれ別様に区切る複数のヌメロロジ方式が規定された、スケジューラであって、
参照リソースセットがヌメロロジ方式ごとに規定され、各参照リソースセットが、前記各ヌメロロジ方式に従って配分されるように使用可能な時間−周波数無線リソースセットに関連付けられており、少なくとも1つのヌメロロジ方式の前記参照リソースセットが、周波数領域および/または時間領域において、少なくとも別のヌメロロジ方式の前記参照リソースセットと重なっており、
当該スケジューラが、動作時に、
前記複数のヌメロロジ方式に従って、時間−周波数無線リソースを1つまたは複数のユーザ端末に配分するリソース配分手順を実行する、プロセッサを備え、
第1のヌメロロジ方式に関して前記リソース配分手順を実行した後、前記第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースが、
前記第1のヌメロロジ方式に従って配分された前記時間−周波数無線リソースの上書きであり、当該上書きされた時間−周波数無線リソースに関する情報が前記スケジューラによりブロードキャストされる、上書きによって、
前記第1のヌメロロジ方式よりもスケジューリング時間インターバルが短い第2のヌメロロジ方式に従って再配分される、
スケジューラ。
モバイル通信システムにおいて時間−周波数無線リソースを配分するスケジューラからリソース配分情報を受信するユーザ端末であり、前記モバイル通信システムの複数の時間−周波数無線リソースをリソーススケジューリングユニットへとそれぞれ別様に区切る複数のヌメロロジ方式が規定された、ユーザ端末であって、
参照リソースセットがヌメロロジ方式ごとに規定され、各参照リソースセットが、前記各ヌメロロジ方式に従って配分されるように使用可能な時間−周波数無線リソースセットに関連付けられており、少なくとも1つのヌメロロジ方式の前記参照リソースセットが、周波数領域および/または時間領域において、少なくとも別のヌメロロジ方式の前記参照リソースセットと重なっており、前記スケジューラがリソース配分手順を実行することにより、前記複数のヌメロロジ方式に従って、時間−周波数無線リソースをユーザ端末に配分し、
前記ユーザ端末が、動作時に
前記スケジューラによって当該ユーザ端末に配分された前記時間−周波数無線リソースに関するリソース配分情報を受信する受信部を備え、
第1のヌメロロジ方式に関して前記リソース配分手順を実行した後、前記第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースが、
前記第1のヌメロロジ方式に従って配分された前記時間−周波数無線リソースの上書きであり、当該上書きされた時間−周波数無線リソースに関する情報が前記スケジューラによりブロードキャストされる、上書きによって、
前記第1のヌメロロジ方式よりもスケジューリング時間インターバルが短い第2のヌメロロジ方式に従って再配分される、
ユーザ端末。
前記リソース配分手順が、時間領域または周波数領域において互いに重なることなく前記各参照リソースセットに基づいて、前記時間領域および/または周波数領域において前記複数の時間−周波数無線リソース全体で前記複数のヌメロロジ方式が多重化されるように前記スケジューラによって実行され、
任意選択として、ヌメロロジ方式の前記参照リソースセットが、前記各ヌメロロジ方式に従って、前記リソース配分手順において配分可能な前記無線リソースに対する制限を設定する、
請求項11に記載のユーザ端末。
各ヌメロロジ方式に関して、少なくとも1つの制御情報領域が前記各ヌメロロジ方式の前記参照リソースセット内に規定され、前記制御情報領域の時間−周波数無線リソースを前記スケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、前記各ヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能であり、
任意選択として、少なくとも1つのヌメロロジ方式の前記制御情報領域が、少なくとも1つの他のヌメロロジ方式の前記制御情報領域と重なっており、
任意選択として、1つのヌメロロジ方式の前記制御情報領域の前記時間−周波数無線リソースが、別のヌメロロジ方式に従って、データ送信用に配分されるように使用可能であり、
任意選択として、当該ユーザ端末が、当該ユーザ端末が対応する1つまたは複数のヌメロロジ方式それぞれの前記制御情報領域をモニタリングすることにより、当該ユーザ端末宛てのリソース配分情報を受信し、
任意選択として、前記複数のヌメロロジ方式の前記制御情報領域に関する情報が前記スケジューラによって当該ユーザ端末に送信される、
請求項11〜13のいずれか一項に記載のユーザ端末。
共通制御情報領域が前記複数のヌメロロジ方式のうちの1つの前記参照リソースセット内に規定され、前記共通制御情報領域の時間−周波数無線リソースを前記スケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、少なくとも別のヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能であり、
当該ユーザ端末が、前記共通制御情報領域をモニタリングすることにより、当該ユーザ端末宛てのリソース配分情報を受信する、
請求項11〜13のいずれか一項に記載のユーザ端末。
【背景技術】
【0002】
次世代セルラー技術(別称5G)の技術仕様書の第1版を2018年6月に提供するため(Rel.15)、3GPP内では、5Gの研究がすでに始まっていた。3GPP TSG RAN#71ミーティング(ヨーテボリ、2016年3月)において、RAN1、RAN2、RAN3、およびRAN4を含む最初の5G研究項目「Study on New Radio Access Technology」が承認された。この5G研究項目は、最初の5G規格を規定するRel.15作業項目になると予想されるため、重要な3GPPマイルストーンである。
【0003】
この研究項目の目標は、「新規無線(NR)」アクセス技術を開発して、高度モバイルブロードバンド(eMBB)、大規模MTC(mMTC)、クリティカルMTC、およびRAN要件研究において規定される別の要件を含む広範なユーザケースを満たすことである。新規無線アクセス技術(RAT)では、最大100GHzの周波数範囲が考慮されるものと予想される(たとえば、そのすべての内容を本明細書に援用する非特許文献1を参照のこと)。
【0004】
1つの目的として、少なくとも高度モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼低遅延通信(URLLC)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)を含む非特許文献1に規定のすべての使用シナリオ、要件、および配置シナリオに対応する単一の技術フレームワークを提供することが挙げられる。たとえば、eMBB配置シナリオには、屋内ホットスポット、過密都市、地方、都市マクロ、および高速を含んでいてもよい。URLLC配置シナリオには、産業用制御システム、モバイルヘルスケア(遠隔モニタリング、診断、および治療)、車両の実時間制御、スマートグリッドの広域モニタリングおよび制御システムを含んでいてもよい。mMTCには、スマートウェアラブルおよびセンサネットワーク等のデータ転送に緊急を要さない多数のデバイスを伴うシナリオを含んでいてもよい。第2の目的は、前方互換性を実現することである。
【0005】
フェーズI(2018年6月に完了)およびフェーズII(2019年12月に完了)という2つのフェーズにおいて、規範的仕様が生じるものと仮定する。新規RATのフェーズI仕様は、(効率的な共通セル/サイト/キャリア動作の観点で)フェーズII仕様以降と前方互換である必要がある一方、LTEに対する後方互換性は求められていない。新規RATのフェーズII仕様は、フェーズI仕様を基礎として構築するが、新規RATに関して設定された要件をすべて満たすものとする。後々進歩する特徴に対応するとともに、フェーズII仕様より後に特定されるサービス要件のサポートを可能にするため、フェーズII以降の円滑な将来展開が保証される必要がある。
【0006】
基本的な物理レイヤ信号波形は、OFDMに基づきつつ、非直交波形および多重アクセスにも潜在的に対応することになる。たとえば、OFDMに加えて、DFT−S−OFDM、および/またはDFT−S−OFDMの異形、および/またはフィルタリング/ウィンドウイング等の別の機能もさらに考慮する。LTEにおいては、ダウンリンクおよびアップリンク送信それぞれの波形として、CPベースのOFDMおよびDFT−S−OFDMが用いられる。NRにおける設計目標の1つは、ダウンリンク、アップリンク、およびサイドリンクに関して、可能な限り共通の波形を見出すことである。いくつかの企業によって、アップリンク送信の場合によってはDFT拡散の導入が不要となり得ることが確認されている。
【0007】
前述の目的を達成するため、波形のほか、いくつかの基本フレーム構造およびチャネルコード化方式が開発されることになる。
【0008】
また、この研究では、前述の目的を達成するために無線プロトコル構造およびアーキテクチャの観点で必要となるものについての共通理解を見出すものとする。
【0009】
さらに、同じ連続スペクトルブロック上での異なるサービスおよび使用ケースに対する効率的なトラヒックの多重化を含めて、新規RATが前述の目的を満たすのに必要な技術的特徴を研究するものとする。
【0010】
非特許文献1において特定される通り、NRのさまざまな使用ケース/配置シナリオは、データレート、遅延、およびサービスエリアの観点で多様な要件を有する。たとえば、eMBBは、IMTアドバンストが提供するレートの約3倍のピークデータレート(ダウンリンクで20Gbps、アップリンクで10Gbps)およびユーザ体験データレートに対応するものと予想される。一方、URLLCの場合は、より厳しい要件が超低遅延(ULおよびDLについて0.5ms(それぞれユーザプレーン遅延の場合))および高信頼性(1msに1〜10
−5)に設定されている。最後に、mMTCでは、高接続密度(都市環境で1,000,000デバイス/km
2)、過酷な環境における大きなサービスエリア、および低コストデバイス用の極長寿命バッテリ(15年)が求められる。
【0011】
したがって、1つの使用ケースに適したOFDMヌメロロジ(たとえば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル持続時間、巡回プレフィックス(CP)持続時間、スケジューリングインターバル当たりのシンボル数)でも、別のケースでは十分に作用しない場合がある。たとえば、低遅延用途では、mMTC用途よりも短いシンボル持続時間(大きなサブキャリア間隔)および/またはスケジューリングインターバル(別称TTI)当たりの少ないシンボル数が必要となる場合もある。さらに、チャネル遅延拡散が大きな配置シナリオでは、遅延拡散が小さなシナリオよりも長いCP持続時間が必要となる。これに応じて、同様のCPオーバヘッドを維持するため、サブキャリア間隔が最適化されるものとする。
【0012】
3GPP RAN#84bisミーティング(釜山、2016年4月)においては、NRが2つ以上のサブキャリア間隔値に対応することが必要との合意に至った。サブキャリア間隔の値は、サブキャリア間隔にN(整数)を乗じた特定の値に由来する。最新のRAN1ミーティングであるRAN1#85(南京、2016年5月)においては、作業の前提として、15kHzサブキャリア間隔を含むLTEベースのヌメロロジがNRヌメロロジの基本設計であるとの結論に至った。倍率Nに関しては、NRヌメロロジの基本設計の前提として、N=2
nとの結論に至った。将来のミーティングでは、ヌメロロジ候補の絞り込み選択がなされる可能性もある。これに対応して、15kHz、30kHz、60kHz・・・というサブキャリア間隔を考慮している。
図1A〜
図1Cは、3つの異なるサブキャリア間隔(15kHz、30kHz、および60kHz)ならびに対応するシンボル持続時間を示している。シンボル持続時間T
uおよびサブキャリア間隔Δfは、式Δf=1/T
uによって直接関連付けられている。LTEシステムと同様に、用語「リソースエレメント」の使用によって、1つのOFDM/SC−FMAシンボルの長さに対して1つのサブキャリアで構成された最小リソース部を表すことができる。
【0013】
また、最新のRAN1ミーティングにおいては、RAN1 NR波形性能基準として、CPを伴うOFDMおよびCPを伴うDFT−S−OFDM(SC−FDMA)という2つのOFDMベースの波形が用いられるものとする合意に至った。RAN1#84bisおよび#85ミーティングにおいて提案されたすべての波形は、合意に至った評価前提に基づいて評価可能である。各企業は、OFDM波形の評価に適用されるDFT拡散、ガードインターバル、Tx/Rxフィルタリングおよび/またはウィンドウイングに関する詳細を提供するものとする。将来のミーティングでは、NRの波形候補の絞り込みがなされることになる。
【0014】
また、NRは、複数の理由から柔軟なネットワークおよびUEチャネル帯域幅に対応するものとし、利用可能なスペクトルひいては考え得る送信帯域幅に関する非常に多様な可能性でギガヘルツ未満から数十ギガヘルツまでの非常に広範なスペクトルにおける動作に対応することが期待されるものと認識されている。NRに用いられる多くの周波数帯は、完全に特定されておらず、スペクトル配分のサイズが未知であることを暗示している。NRは、広範な用途および使用ケースに対応することが期待されるものの、一部では非常に広いUE送信/受信帯域幅が必要であり、その他は非常に低いUE複雑性を必要とし、はるかに低いUE送信/受信帯域幅が暗示される。したがって、RAN1#85においては、NR物理レイヤ設計によって、NRキャリア帯域幅の観点での微粒度が可能になるものとする合意に至り、帯域幅能力が異なるデバイスであっても、NRキャリア帯域幅に関わらず同じNRキャリアに対して効率的にアクセス可能である。
【0015】
多様な要件の異なるサービスの多重化に対応するため、3GPP RAN1#85(南京、2016年5月)においては、(ネットワークの視点から)同じNRキャリア帯域幅内の異なるヌメロロジの多重化にNRが対応することが合意に至った。一方、UEの視点からは、UEが1つまたは2つ以上の使用シナリオに対応し得る(たとえば、eMBB UEまたはeMBBおよびURLLCの両者に対応するUE)。一般的に言えば、2つ以上のヌメロロジに対応すると、UE処理が複雑化する可能性がある。
【0016】
ネットワークの視点からは、NRキャリア内の周波数領域(別称FDM)および時間領域(別称TDM)の両者において異なるヌメロロジの多重化を考慮するのが有利となる。異なるヌメロロジの例示的な多重化を
図2に示すが、ここでは、ヌメロロジ1をeMBBに、ヌメロロジ2をURLLCに、ヌメロロジ3をmMTCに使用することも可能である。eMBBおよびURLLCをTDM化するのが良いのは、両者が非常に広い帯域幅を要求し、eMBBが高データレートを実現するのに必要だからである。URLLCは、優れた周波数ダイバーシティで高信頼性要件を満たすのに、広い帯域幅を必要とする。一方、mMTCでは、狭い送信帯域幅しか求められないため、eMBBおよび/またはURLLCとのFDM化が考えられる。
【0017】
LTEにおいては、周波数−時間リソースがリソースブロック(RB)として構造化されるが、1つのRBは、周波数領域の12個の連続するサブキャリアと時間領域の1つの0.5msスロットとから成る。たとえば、3GPP LTEにおいては、
図3に示すように、各サブフレームが2つのダウンリンクスロットに分割され、第1のダウンリンクスロットが第1のOFDMシンボル内の制御チャネル領域(PDCCH領域)を含む。各サブフレームは、時間領域の所与数のOFDMシンボル(3GPP LTE(Rel.8)においては12個または14個のOFDMシンボル)から成り、各OFDMシンボルがコンポーネントキャリアの全帯域幅に及ぶ。このため、OFDMシンボルはそれぞれ、各サブキャリア上で送信される多くの変調シンボルから成る。LTEにおいては、N
DLRB×N
RBsc個のサブキャリアおよびN
DLsymb個のOFDMシンボルから成るリソースグリッドによって、各スロットの送信信号が表される。N
DLRBは、帯域幅内のリソースブロック数である。数量N
DLRBは、セル中に設定されたダウンリンク送信帯域幅によって決まり、以下を満たすものとする。
N
min,DLRB≦N
DLRB≦N
max,DLRB
ここで、N
min,DLRB=6およびN
max,DLRB=110はそれぞれ、現行版の仕様が対応する最小および最大ダウンリンク帯域幅である。N
RBscは、1つのリソースブロック内のサブキャリア数である。通常の巡回プレフィックスサブフレーム構造の場合は、N
RBsc=12およびN
DLsymb=7である。データ送信用にUEに配分する最小リソース粒度は、1つのサブフレーム(すなわち、1つのTTI)内の2つの時間連続RBから成り、RB対と称する。言い換えると、最小リソーススケジューリングユニットは、RB対である。
【0018】
NRにおいては、最小リソース粒度およびリソーススケジューリングユニットを表す何らかのRB概念も必要になると予想される。ただし、RBの規定は従来、ヌメロロジと厳密に結び付いている。そこで、複数の異なるヌメロロジをスケジューリングする場合には、RBの概念を再考する必要がある。これは、3GPPにおいて進行中の題目である。
【0019】
異なるヌメロロジによって、時間−周波数無線リソースがさまざまなサービスに対して如何に効率良く配分されるかについては、依然として不明である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
移動局、移動ノード、ユーザ端末、またはユーザ機器(UE:User Equipment)は、通信ネットワーク内の物理エンティティである。1つのノードが複数の機能エンティティを有していてもよい。機能エンティティは、所定組の機能の実装ならびに/またはノードもしくはネットワークの他の機能エンティティへの提供を行うソフトウェアまたはハードウェアモジュールを表す。ノードは、通信を可能にする通信設備または媒体にノードを接続する1つまたは複数のインタフェースを有していてもよい。同様に、ネットワークエンティティは、他の機能エンティティまたは対応するノードとの通信を可能にする通信設備または媒体に機能エンティティを接続する論理インタフェースを有していてもよい。
【0031】
一組の請求項および本願において使用する用語「無線リソース」は、時間−周波数無線リソース等の物理的な無線リソースを表すものとして広く了解されるものとする。
【0032】
以下の例示的な実施形態は、5Gモバイル通信システムを想定した新たな無線技術の改良された無線リソース配分手順を提供する。5Gモバイル通信システムに関しては、ほとんど合意に至っていないため、以下では、多くの仮定によって、第1の実施形態の基礎となる原理を説明できるようにする必要がある。ただし、これらの仮定は、ほんの一例に過ぎず、本開示の範囲を制限すべきではないことが了解されるものとする。当業者であれば、本明細書に明示的には記載していない方法で、特許請求の範囲に示す本開示の原理をさまざまなシナリオに適用可能であることに気付くであろう。たとえば、この新たな無線技術は、LTE(−A)に対して規定済みの無線技術から発展することになるが、5Gモバイル通信システムの要件を満たすように複数の変化が予想され得る。その結果、種々実施形態の特定の例示的な実施態様では、5G通信システムの新たな無線技術に等しく適用可能であるとともに、第1の実施形態に関して説明する種々実施態様に適用可能である限り、(Rel.10/11/12/13/14等により)LTE(−A)通信システムに対して規定済みの手順、メッセージ、機能等を依然として再利用することも可能である。
【0033】
(第1の実施形態)
以下、前述の問題を解決する第1の実施形態を詳細に説明する。第1の実施形態のさまざまな実施態様および変形例についても同様に説明する。
【0034】
第1の実施形態では、さまざまなOFDMヌメロロジ間での時間−周波数無線リソースの動的な共有を可能にするリソース配分のフレームワークを提供すると同時に、リソース配分の簡単で効率的な指定を提供する。
図4に示すように、無線基地局および複数のユーザ端末を伴う簡単かつ例示的なシナリオを仮定する。図示の3つのUEはそれぞれ、背景の項で紹介済みの異なるサービスすなわちmMTC、eMBB、およびURLLCサービスに対応する。
【0035】
背景の項で論じた通り、次世代5Gでは、複数の異なるヌメロロジに対応することになっており、これらはモバイル通信システムにおいて共存するとの合意に至った。異なるヌメロロジ方式は、eMBB、mMTC、またはURLLCサービス等の特定のサービスに対して適応されている。3GPP標準化は端緒に就いたばかりであり、実際に対応する特定のサービスについては、不確かな点が多いことに留意されたい。ただし、第1の実施形態に関する以下の説明では、eMBB、mMTC、およびURLLCの各サービスでデータ送信が可能となるように、これらのサービスに対して通信システムが同時に対応することを例示的に仮定する。
【0036】
上記に対応して、サービスそれぞれの各ヌメロロジ方式が規定されており、これらさまざまなヌメロロジ方式により、無線基地局等において、周波数帯の利用可能な時間−周波数無線リソース(6GHzを下回る特定帯域幅(たとえば、100MHz)のキャリア等)を、スケジューラにより配分可能なリソーススケジューリングユニットへと区切ることができる。説明目的で以下に使用する例示的なシナリオの場合、周波数帯の帯域幅は、4.3MHzと仮定する。第1の実施形態およびその原理は、異なる周波数帯および帯域幅にも等しく適用可能である。
【0037】
これに関連して、リソーススケジューリングユニットという用語は、スケジューラによるスケジューリングが可能な最小単位である時間−周波数無線リソース群として了解されるものとする。したがって、リソーススケジューリングユニットは、ヌメロロジ方式の特定の特性に従って、1つまたは複数のシンボルの持続時間にわたる1つまたは複数の連続するサブキャリアで構成された時間−周波数無線リソースを含む。
【0038】
一般的に、ヌメロロジ方式は、サブキャリア間隔およびシンボル持続時間(互いに直接関連する)、リソーススケジューリングユニット当たりのサブキャリア数、巡回プレフィックス長、またはTTI長(リソーススケジューリングユニット当たりのシンボル数またはシンボル数を導出可能なリソーススケジューリングユニット当たりの絶対持続時間によって規定されるスケジューリング時間インターバル)等のさまざまなパラメータを特徴とする。その結果、ヌメロロジ方式は、これらヌメロロジ特性のうちの1つまたは複数だけ、互いに異なっていてもよい。ヌメロロジ特性を適当に決定することによって、1つのヌメロロジ方式を特定のサービスおよびその要件(遅延、信頼性、周波数ダイバーシティ、データレート等)に合わせることができる。たとえば、背景の項で説明した通り、サービスeMBBおよびURLLCはともに、非常に広い帯域幅を必要とする点において類似するものの、URLLCサービスが超低遅延を必要とする点において異なる。これらの要件の結果として、URLLCサービスのヌメロロジ方式は通常、eMBBサービスのヌメロロジ方式よりも短いTTI(および、場合により短いシンボル長)を使用することになる。各サービスに用いられるヌメロロジ特性については、未だ合意に至っていない。
【0039】
以下から明らかとなるように、例示として第1の実施形態の原理の説明に用いられるヌメロロジ方式間で異なる主要なヌメロロジ特性は、サブキャリア間隔およびシンボル持続時間のほか、スケジューリング時間インターバルの長さ(すなわち、リソーススケジューリングユニット当たりのシンボル数)である。図面には示していないものの、巡回プレフィックスの長さがシンボル長と同様にスケーリングされるものと仮定する一方、各ヌメロロジ方式については、各サブキャリア間隔が当該ヌメロロジ方式に従う12個のサブキャリアをリソーススケジューリングユニットが有するように無線リソースを区切るものと仮定する。それにも関わらず、第1の実施形態およびその原理は、以下で例示的に用いられるさまざまなヌメロロジ方式だけに限定されず、さまざまなヌメロロジ方式およびその対応するさまざまなヌメロロジ特性にも適用可能であることに留意されたい。また、以下の説明では、合計3つのヌメロロジ方式しか規定していないが、第1の実施形態の基礎となる原理は、モバイル通信システムに対してさまざまな組および数のヌメロロジ方式が規定される場合にも等しく当てはまることになる。
【0040】
上記さまざまな例示的ヌメロロジ方式については、
図5に関連して説明するが、これらは
図1A〜
図1Cに基づく。
図5は、3つの異なるヌメロロジ方式に従った無線リソースの区切りを簡単に示している。結果としてのリソーススケジューリングユニットをヌメロロジ方式それぞれの太枠四角形で示している。
【0041】
図5のヌメロロジ方式1は、15kHzのサブキャリア間隔(その結果として66.7μsのシンボル持続時間(
図1A参照))と、リソーススケジューリングユニット当たり12個のサブキャリアおよび6個のシンボルとを有することを特徴とする。結果としてのリソーススケジューリングユニットは、(たとえばLTEシステムにより知られる各16.7μsの巡回プレフィックスを例示的に考えた場合)180kHzの周波数帯域幅および0.5msの長さを有する。これに対応して、周波数領域においては、周波数帯の帯域幅が24個のリソーススケジューリングユニット(それぞれ180kHzの帯域幅)へと区切られることになる。これらのヌメロロジ特性により、ヌメロロジ方式1は、mMTCサービスのデータ送信用と考え得る。このため、当該ヌメロロジ方式に従うUEは、TTIすなわち0.5msごとにスケジューラで理論的にスケジューリングすることも可能である。
【0042】
ヌメロロジ方式2は、(2×15kHz=)30kHzのサブキャリア間隔(その結果として33.3μsのシンボル持続時間(
図1B参照))と、リソーススケジューリングユニット当たり12個のサブキャリアおよび6個のシンボルとを有することを特徴とする。このため、結果としてのリソーススケジューリングユニットは、(各16.7μs/2のスケーリング巡回プレフィックスを例示的に考えた場合)360kHzの周波数帯域幅および0.25msの長さを有する。これに対応して、周波数領域においては、周波数帯の帯域幅が12個のリソーススケジューリングユニット(それぞれ360kHzの帯域幅)へと区切られることになる。これらのヌメロロジ特性により、ヌメロロジ方式2は、eMBBサービスのデータ送信用と考え得る。このため、当該ヌメロロジ方式に従うUEは、TTIすなわち0.25msごとにスケジューラで理論的にスケジューリングすることも可能である。
【0043】
ヌメロロジ方式3は、(4×15kHz=)60kHzのサブキャリア間隔(その結果として16.7μsのシンボル持続時間(
図1C参照))と、リソーススケジューリングユニット当たり12個のサブキャリアおよび4個のシンボルとを有することを特徴とする。このため、結果としてのリソーススケジューリングユニットは、(各16.7μs/4のスケーリング巡回プレフィックスを例示的に考えた場合)720kHzの周波数帯域幅および0.0833msの長さを有する。これに対応して、周波数領域においては、周波数帯の帯域幅が6個のリソーススケジューリングユニット(それぞれ720kHzの帯域幅)へと区切られることになる。これらのヌメロロジ特性により、ヌメロロジ方式3は、URLLCサービスのデータ送信用と考え得る。このため、当該ヌメロロジ方式に従うUEは、TTIすなわち0.0833msごとにスケジューラで理論的にスケジューリングすることも可能である。
【0044】
結果として、異なるヌメロロジ間で共有される周波数帯の時間−周波数無線リソースは、さまざまなヌメロロジ方式の基礎となるヌメロロジ特性に基づいて異なる解釈が可能である。さまざまなヌメロロジ方式がモバイルネットワークにおいて共存するものとし、これらさまざまなヌメロロジ方式の無線リソースは、必要に応じてユーザ端末に配分するのに利用可能であるものとする。
【0045】
一方、ユーザ端末は、ヌメロロジ方式のうちの1つまたは複数に対応可能である。
図4に示す例示的なシナリオにおいては、UEがそれぞれ、1つの(異なる)サービスにしか対応しないものと仮定する。
【0046】
背景の項で論じた通り、
図2では1つの例しか示していないものの、周波数領域および/または時間領域において、周波数帯およびその無線リソース内の異なるヌメロロジを多重化する方法に関しては、複数の可能性がある。第1の実施形態を説明するために以下で使用する他の考え得る多重化方式を
図6および
図7に示す。
【0047】
一般的には、各ヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分できるように、周波数帯の利用可能な時間−周波数無線リソースは、システムに共存するさまざまなヌメロロジ方式間で適当に分割されるものとする。これに対応して、各ヌメロロジ方式は、当該ヌメロロジ方式に従った配分すなわち特定のヌメロロジ方式のヌメロロジ特性に従う対応サービス(URLLC、mMTC、eMBB)のデータ送信用の無線リソースの配分のため、後でスケジューラ(無線基地局等)が使用可能な周波数帯の利用可能な無線リソースのうち、特定組の無線リソースに関連付けられている。
【0048】
各サービスのトラヒック量が時間とともに変動する点を考えると、これらサービスに対して共存するさまざまなヌメロロジ方式の多重化についても、柔軟であるものとする。利用可能な無線リソースは、ヌメロロジおよび対応するサービス間でのリソース共有が可能となるように、サービスひいては対応するヌメロロジ方式間で効率的に共有される必要がある。これに対応して、リソース配分の改善により、ヌメロロジ方式の多重化の種類および量を動的に設定可能とする必要がある。さらに、複数のUEへのリソース配分のシグナリングは、可能な限り簡単かつコンパクトであるものとする。以下、第1の実施形態の複数の実施態様を示して、このように改良されたリソース配分手順を提供する。
【0049】
図6および
図7は、4.32MHzの帯域幅および
図5に関連して導入したスケジューリング時間インターバルを有する周波数帯の例示的なヌメロロジ多重化方式を示している。さらに、さまざまなヌメロロジ方式について、無線リソースの境界でガード周波数/期間が必要となる場合がある。ただし、図面(
図6等)および以下の説明においては、このようなガード周波数帯およびガードインターバルの使用を考慮に入れない。それにも関わらず、第1の実施形態の原理は、ガード周波数帯およびガードインターバルを伴うシナリオにも等しく当てはまる。
図6および
図7の下部は、どの無線リソースがどのヌメロロジ方式に関連付けられているかを示し、ひいては各トラヒックタイプ/ファミリのスケジューリング機会を示している。1つのヌメロロジ方式に関連付けられた無線リソースは、例示的に参照リソースセットと称し得る(その他、公称リソースセットという用語も考えられる)。
【0050】
mMTCのヌメロロジ方式1およびeMBBのヌメロロジ方式2は、周波数領域においてのみ多重化され、時間領域においては多重化されない。ただし、ヌメロロジ方式1および2は、周波数帯の全帯域幅を網羅するURLLCのヌメロロジ方式3と時間多重化される。
図6のヌメロロジ方式の公称リソースセットにおいては、周波数および時間の両領域において連続する無線リソースと各ヌメロロジ方式が関連付けられるものと仮定する。ただし、これは一例に過ぎず、ヌメロロジ方式(すなわち、各公称リソースセット)は、周波数および/または時間領域において連続していない無線リソースとも関連付けられていてもよい。これに対応して、
図7に係る例示的な実施態様においては、ヌメロロジ方式1が周波数帯の上下端で非連続無線リソースと関連付けられている。さらに、ヌメロロジ方式3は、非連続期間と、本例では図示の期間の最初と最後に関連付けられている(システムのヌメロロジ方式のうちで最も長いTTIに対応する)。一般的に、利用可能な無線リソースは、スケジューラが無線リソースをヌメロロジ方式それぞれに配分することにより、複数のサービスに同時に対応できるように、共存するヌメロロジ方式に関連付けられるものとする。
図6および
図7に規定の公称リソースセットは常に結び付いて、
図6および
図7の上部に示す同じ非重畳多重化方式を構成する。言い換えると、ヌメロロジ方式の多重化は、経時的に変化しない。
【0051】
3つのヌメロロジ方式に関して
図6および
図7に仮定する公称リソースセットによれば、1つのヌメロロジ方式に関連付けられた無線リソースは、当該ヌメロロジ方式に対してのみ排他的に利用可能である。言い換えると、さまざまなヌメロロジ方式、特に、当該ヌメロロジ方式に従って配分されるように使用可能なヌメロロジ方式の関連する無線リソース(すなわち、公称リソースセット)は、重ならない。その結果、さまざまなヌメロロジ方式間では、無線リソースの共有が不可能であるため、スケジューラは、1つのヌメロロジ方式に対して「予約」された無線リソースを再利用することにより、別のヌメロロジ方式に従って別のUE(および/または、サービス)に配分する柔軟性を持たない。たとえば、URLLCサービス(すなわち、ヌメロロジ方式3)を使用可能とするために配分の必要があるリソースがない(または、ほとんどない)時間において、ヌメロロジ方式3の公称リソースセットの無線リソースは、別のサービスを使用可能とする別のヌメロロジ方式に従っては配分できないため、基本的には浪費される。
【0052】
第1の実施形態の別の実施態様によれば、さまざまなヌメロロジ方式の公称リソースセットは、少なくとも1つのヌメロロジ方式の公称リソースセットが少なくとも1つの他のヌメロロジ方式の公称リソースセットと少なくとも部分的に重なるように規定される。この概念の例示的な一実施態様を
図8に関連して説明する。この図から明らかなように、各公称リソースセットが別のヌメロロジ方式の公称リソースセットとも関連付けられた無線リソースを含むように、さまざまな公称リソースセットが規定される。言い換えると、さまざまなヌメロロジ方式の公称リソースセットは、重なることで互いに無線リソースを共有する。無線リソースの重畳は、周波数領域および/または時間領域において可能である。
図8は、その左上部に共有無線リソースを示しており、無線リソースの対応する共有エリアを網掛している。
【0053】
公称リソースセットに重畳エリアを設けることにより、必要に応じてさまざまなヌメロロジ方式ひいてはさまざまなサービスに応じて、共有無線リソースをリソース配分中に柔軟に配分可能であることから、スケジュールにより実行されるリソース配分手順を大幅に改善可能である。
図8は、その底部に規定される重畳公称無線リソースセットに基づいて、0.5msの期間内に利用可能な無線リソースをさまざまなヌメロロジ方式間で多重化可能な様態に関する複数の異なる可能性のうちの2つしか示していない。この図から明らかなように、最初の0.5ms期間において、スケジューラにより実行された実際のリソース配分の結果としての多重化は、
図6に規定の非重畳公称リソースセットの結果としての多重化と同じになり得る。ただし、説明の目的上、次の0.5msでは、はるかに多くのURLLCトラヒックを送信する必要があるものと仮定する。このため、スケジューラは、公称リソースセットが与える範囲内で多重化方式を変更する柔軟性を有し、また、ヌメロロジ方式3の公称リソースセットにおいて、最初のTTIのURLLCトラヒックをスケジューリングすることになる。結果として、スケジューラは、過去の0.5ms期間よりも利用できる無線リソースが少ない残りのヌメロロジ方式1および2を犠牲にして、(URLLCサービスを使用可能にする)ヌメロロジ方式3に関連付けられたすべての考え得る無線リソースを利用することになる。同様に、スケジューラは、(mMTCトラヒックのデータ送信用の)ヌメロロジ方式1の無線リソースをより多く使用することにより、対応する共有無線リソースをヌメロロジ方式2ではなくヌメロロジ方式1に配分するように決定してもよい。このため、
図8から明らかなように、ヌメロロジの結果としての多重化方式は大幅に変化する。
【0054】
一般的に、スケジューラは、公称リソースセットに従うとともに各ヌメロロジ方式のTTIに基づいて、無線リソース配分手順をそれぞれ無線リソース内で対応的に実行することにより、さまざまなヌメロロジがさまざまな時間に多重化される様態を動的に設定することができる。1つのヌメロロジ方式または別のヌメロロジ方式への共有無線リソースの使用は、各スケジューリング時間インターバルに応じて変化し得る。
【0055】
図8に示す2つの考え得る多重化方式は一例に過ぎず、各ヌメロロジ方式の公称リソースセットが与える限界内において、無線リソースがスケジューラにより配分されるようになっていてもよい。ただし、さまざまなヌメロロジ方式間での無線リソースの共有は、考え得る各TTIで変化する必要がない。これは、たとえばトラヒック状況が変化するか否かに応じて決まる。スケジューラは、たとえば各TTIでヌメロロジ方式が実際に多重化される様態を変更可能であるものの、以前と同じリソース分割の相対量を基本的に維持するように決定することも可能である。リソース配分手順において、スケジューラは、可能であれば、さまざまなヌメロロジ方式に従って同じ無線リソースを配分するのをやめて、当該無線リソースを使用するさまざまな送信間の干渉を回避するものとする。それにも関わらず、これは厳密に必要なことでもなく、異なるヌメロロジ(たとえば、異なるUE)に従って同じ無線リソースを配分できる/すべきか否かというスケジューラの実装次第である。干渉相殺能力を備えた高度なUEの場合、スケジューラは、重畳送信によって、リソース利用を改善する場合もある。
【0056】
さまざまなヌメロロジ方式の公称リソースセットの重畳エリアが大きくなるほど、スケジューラは、これらさまざまなヌメロロジ方式および現在必要なそのTTIに基づいて、無線リソースをより柔軟に、さまざまなサービスに配分可能となる。
図9は、すべてのヌメロロジ方式の公称リソースセットがすべての利用可能な無線リソースを含むため、すべてが互いに完全に重なる極端なケースを示している。
図9の上部に示すように、すべてのリソースが3つのヌメロロジ方式により共有されており、スケジューラは、システムにおいて異なるヌメロロジを多重化する方法に関して完全に柔軟である。その結果、
図6〜
図8に示したような方式の多重化が可能であり、さらに多くの多重化も可能である。
【0057】
ただし、たとえばFFT/IFFTサイズがUEの処理能力によって制限されることから、複雑度の低いUEについては、
図9の3つの公称リソースセットに仮定するように、周波数帯の全帯域幅を処理できない可能性もあることに留意されたい。これに対応して、特に複雑度の低いUEに適したヌメロロジ方式の場合、システム帯域幅全体に公称リソースセットを拡張するのが合理的であるかについては、疑問の余地がある。さらに、以下に説明する通り、(
図8に規定したような)より小さな公称リソースセットを使用することには、配分された無線リソースを示すのに送信する必要がある情報を減らせる利点がある。その結果、公称リソースセットを規定する場合は、大きな重畳リソースエリアによって無線リソース配分の柔軟性を増大させることと、わずかな公称リソースセットによってリソース配分の指定を簡素化可能にすることとの間にトレードオフが存在する。
【0058】
さらに、たとえば周波数領域において公称リソースセットを制限することにより、FFT/IFFTの複雑度を低減可能であるとともに、FFT/IFFTウィンドウ位置のホッピングも可能となり得る。たとえば、
図7に示すように、mMTC UEは、周波数帯の上下部から成る公称リソースセットで設定可能である。そして、これら2つの部分の一方に従って、データを受信するUEのFFTウィンドウサイズを設定可能であるものの、予め設定されてUEおよびスケジューラの両者が了解するパターンに従って、これら2つの部分間でFFTウィンドウの位置がホッピングする。このようにして、周波数ダイバーシティを実現可能である。周波数領域における公称リソースセットの制限は、特定サービスの周波数帯域幅要件によっても決まるため、公称リソースセットをシステム周波数帯域幅の一部に制限することは、mMTCのように小さなサブキャリア間隔および/または狭い帯域幅の要件を伴うヌメロロジレイヤに適している。
【0059】
特に小さな公称リソースセットを使用する場合に、システム全体の柔軟性をさらに増大させるため、第1の実施形態の他の実施態様によれば、1つまたは複数のヌメロロジ方式の公称リソースセットを規則的に再規定できるようになる。現在規定されている公称リソースセットは、さまざまなサービスのトラヒック状況の変更に対してスケジューラがどの程度反応し得るかについての制限を設けている。さまざまなヌメロロジ方式の公称リソースセットを規則的に再規定可能とすることによって、場合によりヌメロロジ方式のTTIが与えるよりも遅いタイムスケール上ではあるものの、上記のような制限なく、さまざまなサービスのトラヒック状況の変更に対して反応することができる。公称セット設定およびTTIレベルリソース配分の両者の使用の組み合わせにより、2つのタイムスケールでトラヒック変動に適応するメカニズムがもたらされる。公称リソースセットを再設定することにより遅いトラヒック変動を考慮に入れられる一方、TTI当たりのリソース配分を変更することにより速いトラヒック変動に対応可能である。トラヒックが時間とともにゆっくりとしか変化しない状況においては、複数のTTIに同じリソーススケジューリング情報を使用することができ(たとえば、セミパーシステントスケジューリング)、スケジューリングシグナリングオーバヘッドが抑えられる。
【0060】
上述の通り、上記仮定の例示的なシナリオによれば、UEは、さまざまなヌメロロジ方式のうちの少なくとも1つに対応するため、その対応する1つまたは複数のヌメロロジ方式の公称リソースセットの規定が把握されて、公称リソースセットの無線リソースを通じたデータの送受信および情報の制御が可能になるものとする。UEが対応するヌメロロジ方式の公称リソースセットに関する必要な情報は、たとえばその無線セルの無線基地局がブロードキャストするマスター情報ブロック(MIB)の一部またはシステム情報ブロック(SIB)の一部としてUEに提供可能である。この必要な情報は、当該公称リソースセットに属する対応する時間−周波数無線リソースを特定可能であり、たとえば、MIB/SIBの位置に対する周波数区域および周波数帯域幅と、周波数領域においては、特定の持続時間内の(たとえば、特定数のTTIに及ぶ)利用可能なシンボル/TTIとがある。時間−周波数無線リソースは、対応するヌメロロジ方式の特性に基づいて、たとえばヌメロロジ方式により規定されたリソーススケジューリングユニットを特定することにより指定することができる。
【0061】
UEは、1つまたは複数のヌメロロジ方式に対応するため、対応するヌメロロジ方式に従って、対応する公称リソースセットが指定する無線リソース内で受信および送信を実行する。
【0062】
スケジューラによるリソース配分決定がUEに通知されるように、LTEにより既知の類似手法を用いることも可能である。特に、制御情報領域(ダウンリンク制御情報(DCI)サーチスペースとも称し得る)を規定可能であり、これら無線リソースの一部をスケジューラ(たとえば、無線基地局)が使用して、リソース配分情報等の制御情報をUEに送信することができる。これに対応して、各UEは、実際に各制御情報領域宛ての制御情報が存在するかどうかを知るために、その領域をモニタリングする。
【0063】
一般的に、特定の制御情報領域を規定するには、2つの可能性がある。一選択肢によれば、制御情報は、制御情報が送信されるデータと同じヌメロロジ方式で送信される。この選択肢は、1つのヌメロロジ方式にしか対応していないUEに特に適している。さらに、複数のサービスおよび各ヌメロロジ方式に対応するUEの場合は、ヌメロロジ方式およびトラヒックタイプごとに個々のDCI送信を有することによって、遅延要件を容易に満たすことができる。ただし、さまざまな制御情報領域を規定すると、UE側でのブラインドデコード化試行が増える。
【0064】
一方、ブラインドデコード化試行を減らすため、別の選択肢として、共通制御情報領域を規定することができ、ヌメロロジ方式のうちの1つまたは複数について、制御情報が送信されるデータとは別のヌメロロジ方式に従って対応する制御情報が送信されるようになっていてもよい。
【0065】
たとえば
図10および
図11に示すように制御情報領域(DCIサーチスペース)を規定可能であるが、DCIサーチスペースは、公称リソースセットの対応する無線リソース内でヌメロロジ方式ごとに規定されるため、ヌメロロジ方式のTTIに応じたUEのスケジューリングに遅れずに制御情報をUEに送信することができる。その結果、制御情報は、データも送信される関連するヌメロロジ方式に従って、常にUEに送信される。DCIサーチスペースは、すべての無線リソースが実際にスケジューリング可能すなわちTTIごとにスケジューリング可能となるように、各公称リソースセット内で規定されるものとする。したがって、ヌメロロジ方式2および3の公称リソースセットの場合は、TTI当たり1つずつ、それぞれ2つのDCIモニタリング区域が規定される。
【0066】
第1の実施形態の他の実施態様によれば、さまざまなヌメロロジ方式のDCIサーチスペースについても同様に重なり得る。これを
図12に示すが、これは、
図8に関連して規定および説明した重畳公称リソースセットに基づく。この図から明らかなように、ヌメロロジ方式1のDCIサーチスペースおよびヌメロロジ方式2の最初のTTIのDCIサーチスペースは、一部の無線リソースを共有する。これに対応して、スケジューラは、これらDCIサーチスペースの共有無線リソースを必要に応じて用いることにより、ヌメロロジ方式1またはヌメロロジ方式2の制御情報を送信することができる。それにも関わらず、共有無線リソースを有するDCIサーチスペースは、両ヌメロロジ方式のデータ送信の同時スケジューリングが可能となるように規定されるものとする。たとえば、ヌメロロジ方式2の最初のTTIにおけるDCIメッセージの実際の送信では、ヌメロロジ2 DCIサーチスペースの予約周波数の一部のみを使用する。
【0067】
さらに、同じく
図12から明らかなように、ヌメロロジ方式2のDCIサーチスペースの無線リソース(ヌメロロジ方式2の最初のTTIまたは2番目のTTI参照)は、ヌメロロジ方式1に従ったデータ送信に利用可能な無線リソースに対応し、その逆も同様である。同じことが、ヌメロロジ方式3のDCIサーチスペースの無線リソース(ヌメロロジ方式3の5番目のTTI参照)にも当てはまり、これは、ヌメロロジ方式1または2におけるデータ送信に利用可能な無線リソースに対応する。これに対応して、このような共有無線リソースの実際の使用は、スケジューラ次第であり、制御情報の送信に無線リソースが必要か否かによって決まる。スケジューラは、1つのヌメロロジ方式のDCIサーチスペースと関連付けられた無線リソースを用いることにより、別のヌメロロジ方式に従ってデータ送信を配分することができる。データ送信用にスケジューラにより配分された無線リソースでUEが制御情報をデコード化しようとしても単に失敗するだけであるため、UEに通知する必要はない。
【0068】
あるいは、
図13および
図14に関連して例示的に説明する通り、ヌメロロジ共通制御情報領域の規定によって、ブラインドデコード化試行を抑えることができる。
図13においては、ヌメロロジ方式2に対して規定された公称リソースセットにおいてDCIサーチスペースが規定されるものの、これは、制御情報を移送することにより、ヌメロロジ方式1および3に従って同様に無線リソースを配分するのにも使用可能である(
図13の対応する矢印参照)。
図14に規定の公称無線リソースセットの場合は、ヌメロロジ方式3の公称リソースセット内でヌメロロジ共通制御情報領域を規定可能であるが、無線基地局が(ヌメロロジ方式3の最初のTTIの)最初のDCIサーチスペースを使用して必要なリソース配分情報を送信することにより、ヌメロロジ方式1および2に従って無線リソースを配分することができる(この場合も、対応する矢印がこのヌメロロジ方式間リソース配分を示す)。このような場合、複数のヌメロロジに対応するUEは、任意のヌメロロジ方式の考え得るDCIメッセージに対して、1つのサーチスペースをモニタリングすることができる。
【0069】
さまざまなUEは、DCIサーチスペースの無線リソースに関する通知を受ける必要があり、対応するヌメロロジ方式のうちのいずれかに従って制御情報をモニタリングするものとする。さまざまなヌメロロジ方式のDCIサーチスペースは、たとえば対応するシステム情報ブロックにおいて、システム情報としてブロードキャストすることができる。あるいは、個別RRCメッセージの使用により、当該情報を無線基地局からUEに移送することができる。DCIサーチスペースの規定後、UEは、対応するヌメロロジ方式に従って対応する無線リソースをモニタリングするとともに、DCIサーチスペースのこれらリソースにおいてブラインドデコード化を実行するものとする。
【0070】
第1の実施形態の他の実施態様によれば、ブラインドデコード化は、制御情報のデコード化のみを想定したものではなく、データのデコード化にも適用され得る。特に、UEがデータをブラインド検出することにより、DCIなしのデータ送信も可能である。URLLCまたはmMTCのアップリンクRACHレス送信のような(アップリンク同期を得ずに小さなアップリンクパケットを送信する)一部の微小データバーストは、対応するリソース配分なく直接送信されるようになっていてもよい(さらに、HARQに対応していない可能性もある)。その結果、URLLCデータの対応するヌメロロジ方式に対して規定されたリソースセットがデータのブラインドデコード化のサーチスペースと考えられる。ブラインドデコード化を容易にするため、このようなURLLCデータ送信には、特定のコード化レートおよび/または変調方式のみが用いられるものと想定可能である。スケジューリングプロセスが不要であり、リソース配分情報が送信されないことから、送信遅延がさらに抑えられ、シグナリングオーバヘッドも同様に抑えられ得る。
【0071】
対応するDCIサーチスペースの無線リソースを用いてスケジューラにより送信されるリソース配分情報は、ヌメロロジ方式の特性に従って提供される。さらに、無線リソースについても、公称リソースセットを参照して指定可能である。その結果、さまざまなヌメロロジ方式(および、さまざまな公称リソースセット)に従って配分された無線リソースの指定が互いに切り離される。さらに、小さな公称リソースセットを提供することにより、リソース指定のための識別が必要な無線リソースがほとんどなくなるため、配分無線リソースの指定が簡素化される。
【0072】
ヌメロロジ方式に関する上記説明では、アップリンクまたはダウンリンクのいずれに関連するかを区別しなかった。第1の実施形態の実施態様によれば、同じヌメロロジ方式をアップリンクおよびダウンリンク方向に使用可能であるため、これに対応して、アップリンクおよびダウンリンクデータの送受信に使用可能である。これに対応して、上記点での無線リソース配分手順についても、アップリンクまたはダウンリンクのいずれの送信がスケジューリングされるかに関わらず同じままである。一方で、ヌメロロジ方式もリソース配分も、アップリンクおよびダウンリンクに関して同じままである必要はない。むしろ、同じサービスのアップリンクまたはダウンリンクに対して、異なるヌメロロジ方式を適用可能である。たとえば、mMTCサービスは、アップリンクにおけるサービスエリアの拡張(ダウンリンクの場合は実現できない可能性がある)を要することが知られており、たとえば小さなサブキャリア間隔(たとえば、3.75kHz)ひいては長いシンボル持続時間を有する異なるヌメロロジ方式を使用して、このサービスエリア要件を満たすことができる。
【0073】
第1の実施形態の他の実施態様によれば、スケジューラは、別のヌメロロジ方式のスケジューリング配分を実行した後でも、あるヌメロロジ方式の高優先トラヒック(たとえば、極低遅延すなわち短TTIを有する)に対応することができる。これに関連して、
図15は、ヌメロロジ方式1および2に従って配分済みの無線リソース内で如何にしてヌメロロジ方式3のトラヒックに対応可能であるかを示している。この改良は、URLLCトラヒック等、非常に短い遅延が求められるトラヒックに特に有用である。
【0074】
特に、
図15の下部に示す各ヌメロロジ方式の公称リソースセットの規定を含め、
図6に関連して説明したのと同様のシナリオを仮定する。
図15から明らかなように、URLLCトラヒックの公称リソースセットは、このように十分な柔軟性を与えるため、スケジューラは、各TTIでのURLLCトラヒックの無線リソースをスケジューリング可能である。リソース配分中に得られる対応する多重化結果を
図15の左上部に示すが、これは、
図6の結果に対応する。特に、リソース配分手順は、最初の0.5ms期間について示すように、ヌメロロジ方式1および2それぞれの最初のTTIにリソースを配分する。ただし、
図15の中上部(すなわち、2番目の0.5ms期間)では、ヌメロロジ方式3の2番目のTTIにおいてすでに、緊急のURLLCトラヒックの配分が必要であるものと仮定する。ただし、この点において、スケジューラはすでに、ヌメロロジ方式1および2に従って無線リソースを配分済みであり、ヌメロロジ方式1および2に従って、対応する無線リソースがデータ送信に用いられるようにスケジューリングされる。URLLCトラヒックは通常、必要な極低遅延を実現できるように、最も高い優先度で使用可能とされるものとする。その結果、他のサービス(たとえば、eMBBおよびmMTC)に対してすでに配分された長いスケジューリングインターバル(TTI)の途中でも(すなわち、他のサービスに対する無線リソース配分がすでに発生した後でも)、URLLC送信をスケジューリング可能であるものとする。したがって、URLLCのTTIがより短いヌメロロジ方式3に対して、別のヌメロロジ方式に従ってすでに配分済みの無線リソースを再配分することにより、低遅延要件を満たし得るものとする。
【0075】
上記の実現方法には、さまざまな可能性がある。一選択肢としては、URLLCトラヒックに対してヌメロロジ方式3に突然配分されている無線リソースにおいて、その他のヌメロロジ方式の無線リソースをパンクチャすることになる。これに対応して、
図15から明らかなように、緊急のURLLCデータは、各ヌメロロジ方式1および2の対応する無線リソースのeMBBおよびmMTCデータを上書きする。したがって、パンクチャされた無線リソースでは、eMBBおよびmMTCサービスのデータを送信するのではなく、URLLCトラヒックデータが送信される。パンクチャのため、eMBBおよびmMTCトラヒックの送信の性能は低下する。任意選択として、この手順は、(他方のURLLCトラヒックに属する)上書きビットをUEが対応的に無視することから、パンクチャデータのデコード化が改善されるように、(たとえば、対応する情報をブロードキャストするスケジューラにより)影響を受けるUEにパンクチャ動作を通知することによって改良されるようになっていてもよい。
【0076】
別の改良によれば、レートマッチングの使用により、URLLCトラヒックの無線リソースの配分に対応するようにしてもよい。特に、
図15に示すように、この場合もヌメロロジ方式1および2の無線リソースがパンクチャされる。ただし、これに加えて、レートマッチングはその他の送信に対してもヌメロロジ方式1および2に従って実行されるため、(より高いコード化レートを使ってではあるものの)ヌメロロジ方式1および2に利用可能なその他のリソースにおける上書きデータの送信が実現される。さらに、影響を受けるUEは、このデータの上書きが発生するリソースに関する通知を(たとえば、スケジューラからのブロードキャストにより)受けるものとし、また、正しいリソース上で変化したコード化レートを使ってレートマッチングデータを適正にデコード化できるように、送信側で実行されたレートマッチングプロセスを認識するものとする。
【0077】
別の解決手段によれば、他のヌメロロジ方式の過去に配分された無線リソースにおけるデータ上書きの代わりに、ごく初期から適当な量の無線リソースを予約した後、上記のような状況で必要に応じて使用することも可能である。具体的に、予測可能なURLLCトラヒックの場合、ヌメロロジ方式1および2に対して実行される無線リソース配分では、たとえばヌメロロジ方式3の公称リソースセットの2番目のTTIにおける潜在的なURLLCトラヒック送信を考慮することができるため、eMBBおよびmMTCデータの送信にこれらの無線リソースを配分することはない。これに対応して、mMTCおよびeMBBトラヒックに関して送信されたリソース配分情報は、URLLCトラヒックの考え得る送信に対して予約され、ヌメロロジ方式1および2に従ったデータ送信には用いられない無線リソースを示すものとする。たとえば、ビットマッピング指定を提供可能であり、各ビットは、他方のヌメロロジ方式1および2の無線リソースセット内のシンボルのうちの1つに関連付け可能である。したがって、ヌメロロジ方式1の公称リソースセットのシンボルごとに5ビットから成るヌメロロジ方式1のビットマップは01000を示すことになるため、URLLCトラヒックの潜在的な送信に対して、ヌメロロジ方式1の2番目のシンボルが予約される。これに対応して、ヌメロロジ方式2の公称リソースセットのシンボルごとに10ビットから成るヌメロロジ方式2のビットマップは0011000000を示すことになるため、URLLCトラヒックの潜在的な送信に対して、当該ヌメロロジ方式の3番目および4番目のシンボルが予約される。ビットマップを使用する代わりに、無線リソースの予約は、開始シンボルおよび連続予約の長さを指定するだけでも実行可能である。これは、ビットマップを使用する場合よりも柔軟性に欠けるが、リソース配分情報において、予約指定にビットがほとんど使われない可能性もある。
【0078】
周期的なURLLCトラヒックを取り扱うため、ヌメロロジ方式3に従って、1つおきのTTIのみがURLLCトラヒックに利用可能となるように、公称リソースセットをこれに応じて再規定することも可能である。これを
図16に関連して説明する。これに対応して、URLLCトラヒックの公称リソースセットの間隔を空けることにより、ヌメロロジ方式3に従ったスケジューリングに利用できないTTIにおいてURLLCトラヒックを理論的に送信可能であっても、次のTTIまで待つ必要があることから、短い遅延しか導かれない。一方、ヌメロロジ方式1および2からリソースを予約するDCIのシグナリングオーバヘッドは、縮小サイズのURLLC公称セットを予約に考慮すればよいことから抑えられる。たとえば、
図15において前述の通り、ヌメロロジ1 TTIの最初に、リソースを予約するビットマッピングには、5ビットではなく2ビットしか必要ない。
【0079】
(その他の実施形態)
第1の態様によれば、モバイル通信システムにおいてスケジューラにより時間−周波数無線リソースを配分する方法が提供される。複数のヌメロロジ方式が規定され、それぞれが、モバイル通信システムの複数の時間−周波数無線リソースをリソーススケジューリングユニットへと別様に区切っている。参照リソースセットがヌメロロジ方式ごとに規定され、各参照リソースセットが、各ヌメロロジ方式に従って配分されるように使用可能な時間−周波数無線リソースセットに関連付けられている。少なくとも1つのヌメロロジ方式の参照リソースセットは、周波数領域および/または時間領域において、少なくとも別のヌメロロジ方式の参照リソースセットと重なっている。この方法は、スケジューラにより、複数のヌメロロジ方式に従って、時間−周波数無線リソースを1つまたは複数のユーザ端末に配分するリソース配分手順を実行するステップを含む。リソース配分手順は、各ヌメロロジ方式に対して規定されたスケジューリング時間インターバルに基づいてヌメロロジ方式ごとに実行される。
【0080】
第1の態様に加えて提供される第2の態様によれば、リソース配分手順は、時間領域または周波数領域において互いに重なることなく各参照リソースセットに基づいて、時間領域および/または周波数領域において複数の時間−周波数無線リソース全体で複数のヌメロロジ方式が多重化されるように実行される。任意選択として、ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、各ヌメロロジ方式に従って、リソース配分手順において配分可能な無線リソースに対する制限を設定する。
【0081】
第1または第2の態様に加えて提供される第3の態様によれば、ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、複数の時間−周波数無線リソースの一部または複数の時間−周波数無線リソースの全部と関連付けられている。任意選択として、複数の時間−周波数無線リソースの一部は、連続または非連続周波数および/または期間で構成されている。任意選択として、1つの参照リソースセットの別の参照リソースセットとの重なりは、部分的または全体的である。
【0082】
第1〜第3の態様のうちの1つに加えて、第4の態様によれば、ヌメロロジ方式に従った複数の時間−周波数無線リソースの区切りは、2つの連続するサブキャリア間の周波数距離を規定するサブキャリア間隔およびシンボル持続時間、リソーススケジューリングユニット当たりのサブキャリア数、ならびにリソーススケジューリングユニット当たりのシンボル数、というヌメロロジ特性のうちの少なくとも1つにおいて、別のヌメロロジ方式に従った複数の時間−周波数無線リソースの区切りと異なる。
【0083】
任意選択として、ヌメロロジ方式のヌメロロジ特性は、特定のユーザサービスの要件が満たされるように決まる。
【0084】
第1〜第4の態様のうちの1つに加えて、第5の態様によれば、各ヌメロロジ方式の参照リソースセットに関する情報がスケジューラによりブロードキャストされる。任意選択として、各ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、準静的に設定される。
【0085】
第1〜第5の態様のうちの1つに加えて、第6の態様によれば、複数のヌメロロジ方式は、アップリンク送信方式および/またはダウンリンク送信方式に当てはまる。
【0086】
第1〜第6の態様のうちの1つに加えて、第7の態様によれば、各ヌメロロジ方式に関して、少なくとも1つの制御情報領域が各ヌメロロジ方式の参照リソースセット内に規定される。制御情報領域の時間−周波数無線リソースをスケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、各ヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能である。任意選択として、少なくとも1つのヌメロロジ方式の制御情報領域は、少なくとも1つの他のヌメロロジ方式の制御情報領域と重なっている。任意選択として、1つのヌメロロジ方式の制御情報領域の時間−周波数無線リソースは、別のヌメロロジ方式に従って、データ送信用に配分されるように使用可能である。任意選択として、ユーザ端末は、当該ユーザ端末が対応する1つまたは複数のヌメロロジ方式それぞれの制御情報領域をモニタリングすることにより、当該ユーザ端末宛てのリソース配分情報を受信する。任意選択として、複数のヌメロロジ方式の制御情報領域に関する情報がスケジューラによってユーザ端末に送信される。
【0087】
第1〜第6の態様のうちの1つに加えて、第8の態様によれば、共通制御情報領域が複数のヌメロロジ方式のうちの1つの参照リソースセット内に規定される。共通制御情報領域の時間−周波数無線リソースをスケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、少なくとも別のヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能である。
【0088】
第1〜第8の態様のうちの1つに加えて、第9の態様によれば、第1のヌメロロジ方式に関してリソース配分手順を実行した後、第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースは、第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースの上書きであり、任意選択として、当該上書きされた時間−周波数無線リソースに関する情報がスケジューラによりブロードキャストされる、上書き、または第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースの上書きおよび第1のヌメロロジ方式に従って配分された後続の時間−周波数無線リソースのレートマッチングの追加の実行であり、任意選択として、当該上書きされた時間−周波数無線リソースに関する情報がスケジューラによりブロードキャストされる、上書きおよびレートマッチングの追加の実行、によって、第1のヌメロロジ方式よりもスケジューリング時間インターバルが短い第2のヌメロロジ方式に従って再配分される。
【0089】
第1〜第9の態様のうちの1つに加えて、第10の態様によれば、第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースのリソース配分情報は、配分された時間−周波数無線リソース内で予約され、第1のヌメロロジ方式よりもスケジューリング時間インターバルが短い第2のヌメロロジ方式に従って配分される予約時間−周波数無線リソースを示す。
【0090】
第11の態様によれば、モバイル通信システムにおいて時間−周波数無線リソースを配分するスケジューラからユーザ端末がリソース配分情報を受信する方法が提供される。複数のヌメロロジ方式が規定され、それぞれが、モバイル通信システムの複数の時間−周波数無線リソースをリソーススケジューリングユニットへと別様に区切っている。参照リソースセットがヌメロロジ方式ごとに規定され、各参照リソースセットが、各ヌメロロジ方式に従って配分されるように使用可能な時間−周波数無線リソースセットに関連付けられている。少なくとも1つのヌメロロジ方式の参照リソースセットは、周波数領域および/または時間領域において、少なくとも別のヌメロロジ方式の参照リソースセットと重なっている。スケジューラがリソース配分手順を実行することにより、複数のヌメロロジ方式に従って、時間−周波数無線リソースを1つまたは複数のユーザ端末に配分する。リソース配分手順は、各ヌメロロジ方式に対して規定されたスケジューリング時間インターバルに基づいてヌメロロジ方式ごとにスケジューラにより実行される。この方法は、ユーザ端末により実行される、スケジューラによってユーザ端末に配分された無線リソースに関するリソース配分情報を受信するステップを含む。
【0091】
第11の態様に加えて、第12の態様によれば、リソース配分手順は、時間領域または周波数領域において互いに重なることなく各参照リソースセットに基づいて、時間領域および/または周波数領域において複数の時間−周波数無線リソース全体で複数のヌメロロジ方式が多重化されるようにスケジューラにより実行される。任意選択として、ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、各ヌメロロジ方式に従って、リソース配分手順において配分可能な無線リソースに対する制限を設定する。
【0092】
第11または第12の態様に加えて提供される第13の態様によれば、ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、複数の時間−周波数無線リソースの一部または複数の時間−周波数無線リソースの全部と関連付けられている。任意選択として、複数の時間−周波数無線リソースの一部は、連続または非連続周波数および/または期間で構成されている。任意選択として、1つの参照リソースセットの別の参照リソースセットとの重なりは、部分的または全体的である。
【0093】
第11〜第13の態様のうちの1つに加えて提供される第14の態様によれば、ヌメロロジ方式に従った複数の時間−周波数無線リソースの区切りは、2つの連続するサブキャリア間の周波数距離を規定するサブキャリア間隔およびシンボル持続時間、リソーススケジューリングユニット当たりのサブキャリア数、ならびにリソーススケジューリングユニット当たりのシンボル数、というヌメロロジ特性のうちの少なくとも1つにおいて、別のヌメロロジ方式に従った複数の時間−周波数無線リソースの区切りと異なる。
【0094】
任意選択として、ヌメロロジ方式のヌメロロジ特性は、特定のユーザサービスの要件が満たされるように決まる。
【0095】
第11〜第14の態様のうちの1つに加えて提供される第15の態様によれば、各ヌメロロジ方式の参照リソースセットに関する情報は、スケジューラによるブロードキャストを通じて受信される。任意選択として、各ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、準静的に設定される。
【0096】
第11〜第15の態様のうちの1つに加えて提供される第16の態様によれば、各ヌメロロジ方式に関して、少なくとも1つの制御情報領域が各ヌメロロジ方式の参照リソースセット内に規定される。制御情報領域の時間−周波数無線リソースをスケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、各ヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能である。任意選択として、少なくとも1つのヌメロロジ方式の制御情報領域は、少なくとも1つの他のヌメロロジ方式の制御情報領域と重なっている。任意選択として、1つのヌメロロジ方式の制御情報領域の時間−周波数無線リソースは、別のヌメロロジ方式に従って、データ送信用に配分されるように使用可能である。任意選択として、ユーザ端末は、当該ユーザ端末が対応する1つまたは複数のヌメロロジ方式それぞれの制御情報領域をモニタリングすることにより、当該ユーザ端末宛てのリソース配分情報を受信する。任意選択として、複数のヌメロロジ方式の制御情報領域に関する情報がスケジューラによってユーザ端末に送信される。
【0097】
第11〜第15の態様のうちの1つに加えて提供される第17の態様によれば、共通制御情報領域が複数のヌメロロジ方式のうちの1つの参照リソースセット内に規定される。共通制御情報領域の時間−周波数無線リソースをスケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、少なくとも別のヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能である。ユーザ端末は、共通制御情報領域をモニタリングすることにより、当該ユーザ端末宛てのリソース配分情報を受信する。
【0098】
第18の態様によれば、モバイル通信システムにおいて時間−周波数無線リソースを配分するスケジューラが提供される。複数のヌメロロジ方式が規定され、それぞれが、モバイル通信システムの複数の時間−周波数無線リソースをリソーススケジューリングユニットへと別様に区切っている。参照リソースセットがヌメロロジ方式ごとに規定され、各参照リソースセットが、各ヌメロロジ方式に従って配分されるように使用可能な時間−周波数無線リソースセットに関連付けられている。少なくとも1つのヌメロロジ方式の参照リソースセットは、周波数領域および/または時間領域において、少なくとも別のヌメロロジ方式の参照リソースセットと重なっている。このスケジューラは、動作時に、複数のヌメロロジ方式に従って、時間−周波数無線リソースを1つまたは複数のユーザ端末に配分するリソース配分手順を実行するプロセッサを備える。リソース配分手順は、各ヌメロロジ方式に対して規定されたスケジューリング時間インターバルに基づいてヌメロロジ方式ごとにプロセッサにより実行される。
【0099】
第18の態様に加えて提供される第19の態様によれば、リソース配分手順は、時間領域または周波数領域において互いに重なることなく各参照リソースセットに基づいて、時間領域および/または周波数領域において複数の時間−周波数無線リソース全体で複数のヌメロロジ方式が多重化されるように実行される。任意選択として、ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、各ヌメロロジ方式に従って、リソース配分手順において配分可能な無線リソースに対する制限を設定する。
【0100】
第18または第19の態様に加えて提供される第20の態様によれば、ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、複数の時間−周波数無線リソースの一部または複数の時間−周波数無線リソースの全部と関連付けられている。任意選択として、複数の時間−周波数無線リソースの一部は、連続または非連続周波数および/または期間で構成されている。任意選択として、1つの参照リソースセットの別の参照リソースセットとの重なりは、部分的または全体的である。
【0101】
第18〜第20の態様のうちの1つに加えて提供される第21の態様によれば、ヌメロロジ方式に従った複数の時間−周波数無線リソースの区切りは、2つの連続するサブキャリア間の周波数距離を規定するサブキャリア間隔およびシンボル持続時間、リソーススケジューリングユニット当たりのサブキャリア数、ならびにリソーススケジューリングユニット当たりのシンボル数、というヌメロロジ特性のうちの少なくとも1つにおいて、別のヌメロロジ方式に従った複数の時間−周波数無線リソースの区切りと異なる。
【0102】
任意選択として、ヌメロロジ方式のヌメロロジ特性は、特定のユーザサービスの要件が満たされるように決まる。
【0103】
第18〜第21の態様のうちの1つに加えて提供される第22の態様によれば、各ヌメロロジ方式の参照リソースセットに関する情報がスケジューラによりブロードキャストされる。任意選択として、各ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、準静的に設定される。
【0104】
第18〜第22の態様のうちの1つに加えて提供される第23の態様によれば、複数のヌメロロジ方式は、アップリンク送信方式および/またはダウンリンク送信方式に当てはまる。
【0105】
第18〜第23の態様のうちの1つに加えて提供される第24の態様によれば、各ヌメロロジ方式に関して、少なくとも1つの制御情報領域が各ヌメロロジ方式の参照リソースセット内に規定される。制御情報領域の時間−周波数無線リソースをスケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、各ヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能である。任意選択として、少なくとも1つのヌメロロジ方式の制御情報領域は、少なくとも1つの他のヌメロロジ方式の制御情報領域と重なっている。任意選択として、1つのヌメロロジ方式の制御情報領域の時間−周波数無線リソースは、別のヌメロロジ方式に従って、データ送信用に配分されるように使用可能である。任意選択として、ユーザ端末は、当該ユーザ端末が対応する1つまたは複数のヌメロロジ方式それぞれの制御情報領域をモニタリングすることにより、当該ユーザ端末宛てのリソース配分情報を受信する。任意選択として、複数のヌメロロジ方式の制御情報領域に関する情報がスケジューラによってユーザ端末に送信される。
【0106】
第18〜第23の態様のうちの1つに加えて提供される第25の態様によれば、共通制御情報領域が複数のヌメロロジ方式のうちの1つの参照リソースセット内に規定される。共通制御情報領域の時間−周波数無線リソースをスケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、少なくとも別のヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能である。
【0107】
第18〜第25の態様のうちの1つに加えて提供される第26の態様によれば、第1のヌメロロジ方式に関してリソース配分手順を実行した後、第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースは、第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースの上書きであり、任意選択として、当該上書きされた時間−周波数無線リソースに関する情報がスケジューラによりブロードキャストされる、上書き、または第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースの上書きおよび第1のヌメロロジ方式に従って配分された後続の時間−周波数無線リソースのレートマッチングの追加の実行であり、当該上書きされた時間−周波数無線リソースに関する情報がスケジューラによりブロードキャストされる、上書きおよびレートマッチングの追加の実行、によって、第1のヌメロロジ方式よりもスケジューリング時間インターバルが短い第2のヌメロロジ方式に従って再配分される。
【0108】
第18〜第26の態様のうちの1つに加えて提供される第27の態様によれば、第1のヌメロロジ方式に従って配分された時間−周波数無線リソースのリソース配分情報は、配分された時間−周波数無線リソース内で予約され、第1のヌメロロジ方式よりもスケジューリング時間インターバルが短い第2のヌメロロジ方式に従って配分される予約時間−周波数無線リソースを示す。
【0109】
第28の態様によれば、モバイル通信システムにおいて時間−周波数無線リソースを配分するスケジューラからリソース配分情報を受信するユーザ端末が提供される。複数のヌメロロジ方式が規定され、それぞれが、モバイル通信システムの複数の時間−周波数無線リソースをリソーススケジューリングユニットへと別様に区切っている。参照リソースセットがヌメロロジ方式ごとに規定され、各参照リソースセットが、各ヌメロロジ方式に従って配分されるように使用可能な時間−周波数無線リソースセットに関連付けられている。少なくとも1つのヌメロロジ方式の参照リソースセットは、周波数領域および/または時間領域において、少なくとも別のヌメロロジ方式の参照リソースセットと重なっている。スケジューラがリソース配分手順を実行することにより、複数のヌメロロジ方式に従って、時間−周波数無線リソースを1つまたは複数のユーザ端末に配分する。リソース配分手順は、各ヌメロロジ方式に対して規定されたスケジューリング時間インターバルに基づいてヌメロロジ方式ごとにスケジューラにより実行される。このユーザ端末は、動作時に、スケジューラによって当該ユーザ端末に配分された時間−周波数無線リソースに関するリソース配分情報を受信する受信機を備える。
【0110】
第28の態様に加えて提供される第29の態様によれば、リソース配分手順は、時間領域または周波数領域において互いに重なることなく各参照リソースセットに基づいて、時間領域および/または周波数領域において複数の時間−周波数無線リソース全体で複数のヌメロロジ方式が多重化されるようにスケジューラにより実行される。任意選択として、ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、各ヌメロロジ方式に従って、リソース配分手順において配分可能な無線リソースに対する制限を設定する。
【0111】
第28または第29の態様に加えて提供される第30の態様によれば、ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、複数の時間−周波数無線リソースの一部または複数の時間−周波数無線リソースの全部と関連付けられている。任意選択として、複数の時間−周波数無線リソースの一部は、連続または非連続周波数および/または期間で構成されている。任意選択として、1つの参照リソースセットの別の参照リソースセットとの重なりは、部分的または全体的である。
【0112】
第28〜第30の態様のうちの1つに加えて提供される第31の態様によれば、ヌメロロジ方式に従った複数の時間−周波数無線リソースの区切りは、2つの連続するサブキャリア間の周波数距離を規定するサブキャリア間隔およびシンボル持続時間、リソーススケジューリングユニット当たりのサブキャリア数、ならびにリソーススケジューリングユニット当たりのシンボル数、というヌメロロジ特性のうちの少なくとも1つにおいて、別のヌメロロジ方式に従った複数の時間−周波数無線リソースの区切りと異なる。
【0113】
任意選択として、ヌメロロジ方式のヌメロロジ特性は、特定のユーザサービスの要件が満たされるように決まる。
【0114】
第28〜第31の態様のうちの1つに加えて提供される第32の態様によれば、各ヌメロロジ方式の参照リソースセットに関する情報は、スケジューラによるブロードキャストを通じて受信機により受信される。任意選択として、各ヌメロロジ方式の参照リソースセットは、準静的に設定される。
【0115】
第28〜第32の態様のうちの1つに加えて提供される第33の態様によれば、各ヌメロロジ方式に関して、少なくとも1つの制御情報領域が各ヌメロロジ方式の参照リソースセット内に規定される。制御情報領域の時間−周波数無線リソースをスケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、各ヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能である。任意選択として、少なくとも1つのヌメロロジ方式の制御情報領域は、少なくとも1つの他のヌメロロジ方式の制御情報領域と重なっている。任意選択として、1つのヌメロロジ方式の制御情報領域の時間−周波数無線リソースは、別のヌメロロジ方式に従って、データ送信用に配分されるように使用可能である。任意選択として、ユーザ端末は、当該ユーザ端末が対応する1つまたは複数のヌメロロジ方式それぞれの制御情報領域をモニタリングすることにより、当該ユーザ端末宛てのリソース配分情報を受信する。任意選択として、複数のヌメロロジ方式の制御情報領域に関する情報がスケジューラによってユーザ端末に送信される。
【0116】
第28〜第32の態様のうちの1つに加えて提供される第34の態様によれば、共通制御情報領域が複数のヌメロロジ方式のうちの1つの参照リソースセット内に規定される。共通制御情報領域の時間−周波数無線リソースをスケジューラが使用することにより、リソース配分情報をユーザ端末に送信して、少なくとも別のヌメロロジ方式に従ってデータ送信用の無線リソースを配分することが可能である。ユーザ端末は、共通制御情報領域をモニタリングすることにより、当該ユーザ端末宛てのリソース配分情報を受信する。
【0117】
(本開示のハードウェアおよびソフトウェア実装)
他の例示的な実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアと連携したソフトウェアの使用による上述の種々実施形態の実装に関する。これに関連して、ユーザ端末(移動端末)が提供される。ユーザ端末は、本明細書に記載の方法を実行するように構成されており、受信機、送信機、プロセッサ等の対応するエンティティがこれらの方法に適宜関与する。
【0118】
コンピュータ機器(プロセッサ)を用いて種々実施形態が実装または実行され得ることもさらに認識される。コンピュータ機器またはプロセッサは、たとえば汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラム可能な論理デバイス等であってもよい。また、種々実施形態は、これらのデバイスの組み合わせによって実行または具現化されていてもよい。特に、上述の各実施形態の説明に使用した各機能ブロックは、集積回路としてのLSIにより実現可能である。これらは、チップとして個々に形成されていてもよいし、機能ブロックの一部または全部を含むように1つのチップが形成されていてもよい。これらは、データ入出力が結合されていてもよい。ここで、LSIは、集積度の違いに応じて、IC、システムLSI、超LSI、極超LSIとも称し得る。ただし、集積回路を実装する技術はLSIに限定されず、個別回路または汎用プロセッサを用いることにより実現されるようになっていてもよい。また、LSIの製造後にプログラム可能なFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはLSIの内側に配設された回路セルの接続および設定を再構成可能な再構成可能プロセッサが用いられるようになっていてもよい。
【0119】
さらに、種々実施形態は、プロセッサによる実行またはハードウェアにおける直接的な実行が行われるソフトウェアモジュールによって実装されていてもよい。また、ソフトウェアモジュールおよびハードウェア実装の組み合わせも可能と考えられる。ソフトウェアモジュールは、たとえばRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVD等、如何なる種類のコンピュータ可読記憶媒体に格納されていてもよい。さまざまな実施形態の個々の特徴は、個別または任意の組み合わせにより、別の実施形態の主題であってもよいことにさらに留意されたい。
【0120】
当業者には当然のことながら、特定の実施形態に示すように、本開示の多くの変形および/または改良が可能である。したがって、本実施形態は、あらゆる点で例示に過ぎず、何ら限定的なものではないと考えるべきである。