(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マッサージパッドが、円形状を有し、少なくとも2つのリングに配置されている複数のマッサージ突起を含み、これらのリングが、円形の前記マッサージパッドの中心点に対して同心円状に配置される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマッサージデバイス。
前記基部表面から延びている少なくとも2つのマッサージ突起を備え、該マッサージ突起の各々が、基部と、先端中心を有する先端とを有し、前記マッサージ突起のうちの少なくとも1つが、前記先端中心を起点とする等角に配置された半径方向の線に沿って延びている少なくとも1つの細長い隆起又は細長い窪みを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のマッサージデバイス。
前記少なくとも2つのマッサージ突起の各々が、前記基部表面から延び、かつ前記先端中心の各々を通る中心軸を有し、前記マッサージ突起の各々の前記中心軸が、前記基部表面に対して垂直に配設されている、請求項6〜8のいずれか一項に記載のマッサージデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で提案されているマッサージデバイスは、2つの目的を果たし、すなわち、一方ではマッサージ効果(例えば、マッサージされた皮膚領域における血行の促進)を提供することと、他方では、マッサージパッド(及び具体的には、マッサージパッド上のマッサージ突起)が、マッサージされている身体部分と良好に接触するように、異なる形状の身体部分への適応性を提供することである。
【0009】
前述の特開第2010/167047(A)号に記載されているような電動ブラシデバイスは、このデバイスのように様々な身体部分への良好な適応性を提供せず、弾性基材は、弾性基材を繰り返し偏向させるダイビング手段によって保持されており、その結果、人間の手が頭皮をマッサージするように基材上の指が本質的に頭皮をマッサージする。このデバイスは、様々な輪郭を有する他の身体部分に適応することを意図していないが、本質的に外力を受けてもまったく適応しないように配置されている。例えば、上肢は比較的柔らかい輪郭を有し、一方では肘や膝は比較的強固な輪郭を有している。本説明によるマッサージデバイスは、これらの異なる身体の輪郭に容易に適応する能力を有する。
【0010】
本開示は、マッサージパッド自体の一方では、具体的には、少なくとも1つのマッサージ突起が構造化されている(すなわち、少なくとも1つの細長い窪み又は隆起を有する)マッサージ突起に重点を置いており、提案されているように、そのマッサージパッドをマッサージデバイスに使用することができ、本開示は、他方では、任意のマッサージ突起(複数)(例えば、構造化されていないマッサージ突起)を有するマッサージデバイスに重点を置いているが、このマッサージデバイスは、パッドが、マッサージパッドに作用する外力が加わると、凸形状から変形状態へと偏向させることがある(例えば、使用者がマッサージデバイスを皮膚の上に誘導するときに、外力が身体部分によって加えられる)ように配置されている。
【0011】
本開示は、具体的には、マッサージデバイスに関係しており、このマッサージデバイスは、弾性材料から作製され、凸状の基部表面を備えた基部と、基部表面から延びている少なくとも1つのマッサージ突起とを有するマッサージパッドであって、このマッサージ突起が、基部、及び先端中心を有する先端を有している、マッサージパッドを備え、かつ硬質キャリアであって、マッサージパッドが、その外周で硬質キャリアと接続されており、マッサージパッドの少なくとも中心領域内でマッサージパッドと硬質キャリアの間に隙間が設けられており、具体的には、この隙間は、マッサージパッドが、少なくとも中心領域内で凹状態に変形できるように構造化されている、硬質キャリアを備えている。マッサージパッドは、具体的には、マッサージパッドが本質的に所定の方式で変形するように、加えられた外力を受けて変形線を提供する少なくとも1つの溝状の窪みを有することができる。溝状の窪みは、具体的には、加えられた外力を受けてマッサージパッドの変形線を画定するように、基部表面の反対側の、マッサージパッドと反対側の内側表面に配置されてもよく、具体的には、溝状の窪みはリング状である。更に具体的には、マッサージパッドの中心点(ここでは、中心点はマッサージパッドの面積の中心として画定される)に対して同心円状に配置されている少なくとも2つのリング状の窪みを設けることができる。次に、マッサージパッドの中心軸は、中心点を通って延び、かつマッサージpdの無負荷状態における中心点でマッサージパッドの外側基部表面に対して垂直である軸として定義される。マッサージパッドは、具体的には円形であってもよい。少なくとも1つの溝状の窪みは、マッサージ突起間に延在してもよい。
【0012】
このマッサージデバイスのマッサージパッドは、具体的には、本明細書に記載の1つ又は複数の構造化されたマッサージ突起及び/又は1つ又は複数の構造化されていないマッサージ突起を含むことができる。このマッサージデバイスは、具体的には、他の動き、例えば、マッサージパッドが研削デバイスの研削パッドと同様に動かされるようなキャリアの偏心運動を排除するものではないとしても、キャリアを運動状態、具体的には、マッサージパッドの中心点を通って延びる回転軸の周りの回転又は揺動回転運動に駆動するための駆動装置を含むことができる。マッサージパッドが、加えられた外力を受けて、凸状の基底状態から少なくとも部分的に凹状態に変形するという記載された可能性により、肘又は膝領域において顕著に見られるように、マッサージパッドを輪郭のある皮膚表面に適応することを可能にするが、マッサージパッドは、他の身体の輪郭すべてに適応するためにも変形する。脇の下の小さな窪みでは、足裏をマッサージする場合のように、マッサージピットは本質的にその凹形状のままであってもよい。他の身体の輪郭は、少なくとも部分的にマッサージパッドを凹形状に変形させる。変形の強さは、具体的には使用者によって、すなわち使用者がマッサージパッドを皮膚に押し付ける力によって制御可能である。
【0013】
本開示の目的のために、「弾性材料」という用語は、3〜90の範囲内の、具体的には10〜80の範囲内のショアA硬度を有するエラストマ材料(すなわち、弾性特性を有するポリマー)を意味するものと想定し、これには、具体的には、不飽和ゴム(例えば、天然ゴム)及び硬化不飽和ゴム(例えば、硬化シリコンゴム)の加硫物を含むが、この硬度範囲内の他の種類のエラストマ(例えば、熱可塑性エラストマ−TPE)も含む。
【0014】
快適なマッサージ体験を提供するために、マッサージパッドは、ある程度の弾性(又は硬さ)を有する弾性材料から作製されている。マッサージパッドのショアA硬度は、20〜70の範囲内、具体的には25〜60の範囲内、更に具体的には40〜50の範囲内にあってもよいが、20〜40、50〜70、25〜45、45〜65、35〜55などの範囲内も同様に考慮される。異なる硬度の範囲は、異なるマッサージの意図のために、又は異なる種類の使用者のために適し得る。例えば、ソフトなマッサージ体験を好む使用者もいれば、より効果的な(例えば、より強い)マッサージ体験を好む使用者もいる。また、この精密な形状のマッサージ突起、及び窪み又は隆起の縁半径のような詳細は、主観的かつ客観的の両方でマッサージ体験に影響を与える。シリコンエラストマは、マッサージパッドに適した材料の1つの範囲であり、一方で、述べられているショアA硬度範囲内の他のエラストマも考慮されている。3〜90の範囲内のショアA硬度を有する多種多様なシリコン材料が、例えば、ドイツ国ミュンヘンのWacker Chemie AGから入手可能である。例としては、例えば、Eastosil(登録商標)LR 3003ファミリーからの材料は、例えば、10、20、25、30、40、50、60、70、又は80のショアA硬度で入手可能である。その硬度の代わりに、弾性材料は、それらのヤング率によって特徴付けることができ、エラストマ材料は、0.5N/mm
2〜50N/mm
2の範囲内、具体的には、0.6N/mm
2〜20N/mm
2の範囲内、更に具体的には、0.8N/mm
2〜10N/mm
2の範囲内、更にもっと具体的には、0.9N/mm
2〜5N/mm
2の範囲内にあってもよい(これらの範囲は、所与のショアA硬度範囲のいずれかと必ずしも一致せず、科学者は、エラストマのショアA硬度とヤング率との間に非線形の関係を導き出したが、そのような関係が本明細書に示された範囲間に示されることを意味するものではない)。
【0015】
提案されているようなマッサージパッドは、マッサージパッドの基部表面から延びる少なくとも1つの又は複数のマッサージ突起を含み、マッサージ突起の各々は(マッサージ突起が基部表面から立ち上がっている)基部と、先端、すなわち、先端が先端中心を有するマッサージ突起の自由端とを有している。マッサージ突起の先端は、マッサージデバイスの使用中に、使用者の皮膚と接触するように意図されている。快適で効果的なマッサージ体験を提供するために、マッサージ突起付きのマッサージパッドを提供することが知られている。エラストマ材料による効果的な皮膚剥削法も提供するために、マッサージ突起のうちの少なくとも1つが構造化され得、かつ先端(「構造化されたマッサージ突起」)に位置する細長い窪み又は細長い隆起を有してもよく、具体的には、細長い窪み又は細長い隆起は、先端中心に対して非円形対称に延びている(例えば、リングの形態ではない)。細長い窪み又は細長い隆起は、具体的には先端中心を起点とする半径方向の線に沿って延びることができる。ある程度までは弾性材料のショアA硬度に応じて、細長い窪み又は隆起は、0.05mm〜0.20mmの範囲内、具体的には約0.10mmの縁半径を備えた縁部(すなわち、皮膚と接触する外縁)を有することができ、その結果、細長い窪み又は細長い隆起の縁部は、特定の掻き落とし機能を提供する。いくつかの実施形態では、複数の構造化されたマッサージ突起がマッサージパッド上に配設されている。いくつかの実施形態では、すべてのマッサージ突起は、構造化されたマッサージ突起である。
【0016】
構造化されたマッサージ突起は、様々な形態のうちの1つを有してもよい。少なくとも1つの構造化されたマッサージ突起は、ドームの直径が3.0mm〜5.0mmの範囲内、具体的には約4.0mmであり、ドームの高さは3.0mm〜10.0mmの範囲内、具体的には4.0mm〜7.0mmの範囲内、更に具体的には5.2mmなどの4.5mm〜6.0mmの範囲内にあるほぼドーム型を有する。細長い隆起(又は窪み)の高さ(又は深さ)は、0.05mm〜1.0mmの範囲内、具体的には0.10mm〜0.50mmの範囲内、更に具体的には0.20mmなどの0.15mm〜0.30mmの範囲内であり得る。
【0017】
マッサージ突起が先端に向かって減少する直径を備えたほぼ円形の断面形状を有する場合(すなわち、断面形状は、基部表面の高さで断面形状の中心点を通り、かつ先端中心を通って延びる延長軸に垂直な平面内で決定される)、ほぼドーム状の形状を有する、すなわち延長軸に対して円筒対称である包囲外側表面を画定することができる。
【0018】
一般に、中心領域は、マッサージ突起の基部と先端との間に配置されてもよく、ひいては中心領域は、構造化されなくてもよい(これは、マッサージ突起の表面が特定の表面粗さ、例えば、算術平均の輪郭の粗さRaが0.1μm〜20μmの範囲内、具体的には0.5μm〜5μmの範囲内にあり、更に具体的にはこの値が約1μmであることを排除するものではない)。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの構造化されたマッサージ突起は、少なくとも2つの細長い窪み及び/又は隆起(例えば、1つの窪み及び1つの隆起)を有し、具体的には3、4、5、6、7、8、9又は10の窪み及び/又は隆起を含み得る。複数の隆起及び/又は窪みは、構造化されたマッサージ突起の先端の中心又はその近くで生じてもよく、具体的には、窪み及び/又は隆起は、先端中心の周りに等距離の所に配置されてもよい(例えば、窪み及び/又は隆起は、先端中心を起点とする半径方向の線に沿って延びることができ、かつ5つの窪み及び/又は隆起の場合、半径方向の線の間の角距離が72度である等角度間隔を有する)。いくつかの実施形態では、窪み及び/又は隆起は、先端中心の中心ゾーンに収束することができ、及び/又はそれらは、先端と中心領域との間の境界で、マッサージ突起の周りに延在するリング上の隆起又は窪みに収束することができる。
【0020】
細長い窪み又は隆起は、窪み又は隆起を通る長手方向中心軸を画定することを可能にする対称形を有するか、又は近似楕円の長軸を使用して長手方向中心軸を画定するかのいずれかである。細長い窪み又は隆起の近似楕円は、隆起又は窪みの形状を依然として含む最小の面積を有する楕円である。
【0021】
マッサージパッドは、複数の構造化されたマッサージ突起を有することができ、例えば、マッサージパッドは、2、4、6、8、10、12又はそれ以上の構造化されたマッサージ突起を有することができる。マッサージパッドは、少なくとも24個の構造化されたマッサージ突起、少なくとも36個、又は少なくとも48個、又は少なくとも60個、又は少なくとも72個、又は少なくとも84個、又は少なくとも96個のマッサージ突起を有してもよい。複数の構造化されたマッサージ突起は、具体的には、中心点の周りの1つ以上のリングに配置されてもよい。このようなマッサージパッドを含むマッサージデバイスの場合では、マッサージパッドは、回転軸がリング配置の中心点を通って延びている被駆動回転又は揺動回転のために配置されてもよい。
【0022】
これは、例えば、研削盤(例えば、ディスクサンダー又はオービタルサンダー)の研削パッド(例えば、円形サンドペーパー)のようなマッサージパッドの偏心運動若しくは軌道運動、又は線形振動などの他の被駆動運動を排除するものではない。一般に、マッサージパッドは、複数の非構造化されたマッサージ突起も含むことができ、例えば、リング配置では、他のすべてのマッサージ突起は、構造化されていなくてもよい。このような混合物によって研磨効果を制御することができる。2つ以上の構造化されたマッサージ突起の場合、構造化されたマッサージ突起は、異なる構造の先端を有してもよく、例えば、1種類の構造化されたマッサージ突起は、少なくとも1つの細長い窪みを有し、他の種類のマッサージ突起は、少なくとも1つの細長い隆起を有することができる。更に、マッサージパッドは、円形又は非細長の窪み又は隆起を有する少なくとも1つのマッサージ突起を含むことができる。
【0023】
マッサージパッドは、硬質キャリア上に搭載されている。弾性材料から作製されているマッサージパッドをそのまま使用することができることは一般に排除されないが(例えば、マッサージパッドは、マッサージパッドを保持するためのループを含むか、又はマッサージパッドは、手の指の1本以上を収容するための容器を含み得る)、硬質材料(例えば、硬質材料がセラミック材料、金属、ガラスなどであり得ることを排除するものではない、55〜100の範囲内のショアD硬度、又は200N/mm
2〜10.000N/mm
2の範囲内のヤング率を有する硬質プラスチック材料)から作製されているキャリアは、弾性マッサージパッドの取り扱いを支持し(例えば、キャリアは使用者の手で握られるのに適したハンドルとして形成され得る)、このキャリアは、弾性マッサージパッドがマッサージデバイス(特に、電動マッサージデバイス)のハンドルに接続可能であることを支持することができる。硬質キャリア用の適切なプラスチック材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、及びアクリル(PMMA)を含むが、これらに限定されない。
【0024】
マッサージパッドは、その外周でキャリアと接続され(例えば、マッサージパッドの外周方向接続構造を受けるために、硬質キャリアに外周方向溝が設けられてもよい)、その結果、少なくともマッサージパッドの中心領域と硬質キャリアとの間に隙間が設けられ、この隙間は、マッサージパッドの外周に向かって狭くなり得る。マッサージパッドは、マッサージパッドの面積が、マッサージパッドの外周によって画定されている平面面積よりも大きくなるように、凸状の基部を有する。マッサージパッドは、その基部内に、少なくとも1つの溝状の窪みを有してもよく、この溝状の窪みは、具体的には、マッサージ突起が延びる基部表面と反対側の基部の底表面内に設けられている。溝状の窪みは、具体的には、リング状であってもよく、マッサージパッドの中心点に対して同心円状に配置されてもよい。このような溝状の窪みは、マッサージパッドに力が加えられたときに、マッサージパッドがその周りで変形する変形線を提供するのに役立ち、その結果、マッサージパッドの特定の変形挙動を画定することができる。マッサージを移動させることもできるマッサージパッドの中心点の周りに配置されたリング状の窪み(又は2つ以上のそのようなリング状の窪み)について、これらの窪み(複数)は、外周方向ではなく、半径方向にマッサージパッドの基部を弱める。これは、具体的には、外周方向に移動するように駆動され得るマッサージ突起が、この外周方向におけるそれらの基部での撓みに対して弱くならないこと(したがって、良好なマッサージ効果を維持すること)を意味する。マッサージパッドの設計では、基部が厚すぎないことを必要とする、輪郭のある皮膚部分(例えば、膝や肘の周り)に対する良好な適応性への到達と、ある程度の最小厚さを必要とするマッサージ突起のある程度の安定性との間のバランスをとる必要がある。溝状の窪みは、良好な適応性を可能にしながら、マッサージパッドの基部の全体的に高い厚さ(マッサージ突起が容易に撓まないので良好なマッサージ効果)を有することを可能にする。上述したように、ここで説明したマッサージパッドの配置は、マッサージ突起が全体的に構造化されていないマッサージパッドにも関連がある。
【0025】
図1Aは、本開示による例示的なマッサージパッド100の側面図であり、
図1Bは、
図1Aに示すマッサージパッドのそれぞれの上面図である。マッサージパッド100は、複数のマッサージ突起110が延びている基部表面102を有する基部101を有する。マッサージパッド100は、
図1Bに示すように、ほぼ円形の基部101を有し、この基部は、その外側(基部表面102)に対して一般に凸状である。図示の実施形態では、マッサージ突起110は、円形のマッサージパッド100の中心103の周りの4つの同心のリングに位置され、最も内側のリングは、6つのマッサージ突起を有し、第2のリングは、12個のマッサージ突起を有し、第3のリングは、18個のマッサージ突起を有し、そして第4のリングは、36個のマッサージ突起を有し、その結果、図示のマッサージパッド100は、72個のマッサージ突起110を含む。ここでは、マッサージ突起110の各々は、構造化されたマッサージ突起であるように示されている。
図2A、
図2B、及び
図3に関連してより詳細に説明するように、マッサージ突起110の各々は、マッサージ突起110がマッサージパッドの基部101から延びる基部又は足部領域、中心領域、及び先端中心を有する先端を有している。本開示によれば、少なくとも1つのマッサージ突起のうちの少なくとも先端は、細長い隆起又は窪みを含む。
【0026】
図示のマッサージパッド100は、本開示によるマッサージパッドのほんの1つの非常に具体的な例であり、マッサージパッドの基部は、任意の形状、例えば、二次形状又はほぼ正方形、三角形、環状形、多角形、長円形又は楕円形、あるいはもちろん他の任意の形状をとることができることに留意されたい。同じように、マッサージ突起の数も同様に任意であり、マッサージパッドの大きさ、マッサージ突起の大きさ、及びマッサージ効果の全体的な意図により、当業者によって選択されてもよい。具体的には、マッサージパッド上のマッサージ突起の位置は、対称的又は均質的よりもむしろランダム又は不均質であり得る。マッサージ突起の各々は、異なる形状及び/又は幾何学的寸法を有することができる一方で、いくつかの実施形態では、マッサージ突起の様々な群は、各群内で同一の形状及び幾何学的寸法を有するが、その形状及び幾何学的寸法は群間で異なるものになる。
【0027】
図2Aは、
図1A及び
図1Bに示すようなマッサージパッド100を
図1Bに示すように平面A−Aに沿って切断した断面図である。マッサージパッド100の凸状外向膨出基部101が、本質的に一定の厚さdを有するのを見ることができ、図示の実施形態では、溝状の窪み106は、基部の内側(すなわち、基部101の基部側面102と反対側の側面)に延びており、この溝状の窪みは、基部101の安定性を低下させる線(ここではリング)を提供し、したがってこれらのリングは所定の撓み線を画定する。更に、マッサージパッド100は、
図4を参照してより詳細に説明されるように、キャリアと係合するように配置されている外周方向に配置された内向きに延びるリング105を含む。円形のマッサージパッド100は、外径D
o及び内径D
iを有する。マッサージ突起110の各々の高さhは、基部表面102の高さと先端中心111との間で測定され、約5.2mmの値を有することができる。より一般的には、本明細書に記載のマッサージパッドのすべてのマッサージ突起は、同じ高さを有することができ、その結果、マッサージ突起の先端は、外側基部表面と同一形状の凸状表面上にある。
【0028】
図2Bは、
図2Aに示すように、マッサージパッド100の断面図の拡大細部Xである。細部Xは、内向きに延びるリング105と、基部101の内側表面107に配置されている1つの溝状の窪み106とを有するマッサージパッド100の基部101の外周縁部を含む。溝状の窪み106は、所定の撓み線を画定するという溝状の窪み106の意図が達成されるように、基部表面102から延びているマッサージ突起110間に配置される。この詳細図では、各マッサージ突起110が、それぞれのマッサージ突起110が基部101の基部表面102から延在する足部領域102を有することをより明確に見ることができる。中心領域104は足部領域102に続き、この中心領域104はここでは構造化されていない(ある程度の表面粗さを排除しない、例えば、算術平均の輪郭の粗さRaは、0.1μm〜20μmの範囲内、具体的には上限値は10μm、5μm、2.5μm、又は1.0μmであってもよく、更に具体的には、算術平均の輪郭の粗さは約1μmである)。次に、マッサージ突起110は、先端中心111を有する先端112によって終結される。先端中心111は、先端領域の重心を中心とする。特に細長い窪みが先端中心111を通って延びることができるので、基部表面102の高さよりも上のマッサージ突起の最高点である必要はない。マッサージ突起110は、ここでは各々ほぼ円形の断面を有し、それらはマッサージ突起110の基部112において直径Wを有する。図示の実施形態では、直径Wは約4.0mmとすることができる。マッサージ突起110の全体形状はドーム状である。マッサージ突起の各々のドーム状の形状は、基部表面102の高さ及び先端中心111でマッサージ突起の中心点119を通って延びる中心軸L2に対して本質的に円筒対称である(マッサージ突起の先端112に配置された窪みは正確な円筒対称性を破壊するが、その後、マッサージ突起の包囲表面は正確な円筒対称性を有する)。
【0029】
図3は、構造化された個別のマッサージ突起110Aの上からわずかに透視した上面図である。マッサージ突起110Aは、基部表面102Aから延びており、ほぼ円形の横断面及びほぼドーム型の3D形状を有している。マッサージ突起110Aは、足部領域113Aと、本質的に構造化されていない中心領域114Aと、先端中心111Aを有する先端112Aとを有している。先端112Aには、6つの細長い窪み120Aが配設され、窪み120Aの各々は、所与の材料で掻き落とし効果が達成されるように適切な縁部半径を有する閉鎖上縁部121Aを有し、例えば、縁部半径は約0.1mmの値を有することができ、マッサージパッドが、構造化されたマッサージ突起(複数)の少なくとも先端(複数)に作製される材料は、45のショアA硬度を有する加硫シリコンゴムであってもよい。ここでは、細長い窪み120Aは、先端中心111Aを起点とする等角に配置された半径方向の線に沿って延びる(すなわち、先端中心111Aにおける半径方向の線の間の角度は60度である)。ここでは、細長い窪み120Aは、すべて同じ形状を有し、それらは中心領域104Aに向かって広がっている(又は先端中心111Aに向かって先細になっている)。マッサージ動作中に皮膚から掻き落とされた死んだ皮膚細胞は、その後、窪み120Aに集まってもよい。
【0030】
図4は、
図2Aに示すようなマッサージパッド100を通る断面形状であるが、マッサージパッド100は硬質キャリア200と接続されている。硬質キャリア200は、硬質プラスチック材料、例えば、ポリカーボネート(PC)から作製されてもよい。硬質キャリア200は、マッサージパッド100の外周の内向きに延びるリング105がその中に延びる外周チャネル210を含む。したがって、マッサージパッド100は、硬質キャリア200にしっかりと取り付けられているが、例えば、マッサージパッドが磨耗したとき(例えば、掻き落とし縁部が研磨されて丸くなりすぎ、掻き落とし効果を生み出すことができなくなったとき)、又は消費者が、マッサージパッドが磨耗していると見なしたときに、キャリア200から取り外すことができる。マッサージパッド100と硬質キャリア200との組み合わせは、(受動的)マッサージデバイス30と見なすことができる。
図4に示すマッサージデバイス30は、電動マッサージデバイス1のマッサージアタッチメント10(
図5及び
図6を参照)に装着されることを意図しているが、他の実施形態では、硬質キャリアは、手動マッサージに使用できるように、人間の手又は人間の指で容易に握ることができるように構造化されてもよい。
図4は特に、マッサージ突起が構造化されていても構造化されていなくてもよく、またマッサージパッドが凸状であり、したがって、その外周によって画定されている平坦領域よりも大きい面積を有することが重要である、本開示の前述の独立した態様に関している(マッサージパッドは円形ではなく、他の形状をとってもよい)。マッサージパッドの中心領域とキャリアとの間の隙間は、マッサージパッドの撓みを可能にし、したがって、異なる輪郭のある皮膚領域への適応を可能にする(ここで、硬質キャリアは、マッサージパッドが空洞の中で撓むことさえできるように空洞を画定する、すなわち、マッサージパッドは硬質キャリアの高さより下に変形する可能性がある)。
【0031】
図5は、電動マッサージデバイスのマッサージアタッチメント10の側面図である。アタッチメント10は、ハウジング部40に取り付けられている受動式マッサージデバイス30を含み、ハウジング部40は、電動マッサージデバイスのハンドルの駆動装置と係合するための歯車装置50を含む。歯車50は、受動式マッサージデバイス30(それゆえ、前述のように、キャリア20としっかりと接続されたマッサージパッド100)が、ハウジング40に対して、例えば、回転方式で、又は揺動回転方式で動作するように、駆動装置を介して提供された運動をマッサージデバイス30に伝達するように配置されている。
【0032】
図6は、電動マッサージデバイスとして配置されているマッサージデバイス1の斜視図である。マッサージデバイス1は、
図5を参照して説明したようなマッサージアタッチメント10と、駆動装置(図示せず)を含み、更に電池又は充電式電池を含み得るハンドル20とを含む。
【0033】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。