(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6943953
(24)【登録日】2021年9月13日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】点滴システムにおけるモータ摩耗を予測するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02P 29/032 20160101AFI20210927BHJP
A61M 5/145 20060101ALI20210927BHJP
H02P 8/38 20060101ALI20210927BHJP
【FI】
H02P29/032
A61M5/145 500
H02P8/38
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-515207(P2019-515207)
(86)(22)【出願日】2017年9月22日
(65)【公表番号】特表2019-530500(P2019-530500A)
(43)【公表日】2019年10月24日
(86)【国際出願番号】IB2017055757
(87)【国際公開番号】WO2018060821
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2020年8月7日
(31)【優先権主張番号】62/401,320
(32)【優先日】2016年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】コンシグリオ ローランド ポール
【審査官】
宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−513786(JP,A)
【文献】
特表2002−528324(JP,A)
【文献】
特開2007−37753(JP,A)
【文献】
特表2002−528676(JP,A)
【文献】
特開2006−320757(JP,A)
【文献】
特開2009−233388(JP,A)
【文献】
特許第2816569(JP,B2)
【文献】
特開2005−331760(JP,A)
【文献】
特開平11−122993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/145
H02P 8/38
H02P 29/032
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置用の回転駆動装置において、
摩擦材料で固定子に結合されるロータを含む回転モータと、
前記ロータに接続され、前記ロータの回転距離を測定する複数のエンコーダ段を生成する回転運動エンコーダと、
エンコーダ段の実際のカウントとエンコーダ段の予測カウントとの比較に基づいて、モータ動作中に測定された前記回転モータの滑り値及びモータ動作を停止した後に測定された前記回転モータの惰行値の少なくとも1つを決定し、
前記決定された滑り値及び前記決定された惰行値の少なくとも1つに基づき、前記摩擦材料の摩耗状態を構成する前記回転モータの摩耗状態を決定する
ようにプログラムされた少なくとも1つの電子プロセッサと、
を有し、
前記決定された滑り値に基づいて、前記予測カウントと比較して前記実際のカウントが低いことは、前記摩擦材料の摩耗状態が、大きな摩耗状態であることを示し、
前記決定された惰行値に基づいて、前記予測カウントと比較して前記実際のカウントが高いことは、前記摩擦材料の摩耗状態が、大きな摩耗状態であることを示す、
回転駆動装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの電子プロセッサが、エンコーダ段の実際のカウント及びエンコーダ段の予測カウントの比較に基づいて、モータ動作中に測定された前記回転モータの滑り値及びモータ動作を停止した後に測定された前記回転モータの惰行値の各々を決定するようにプログラムされる、請求項1に記載の回転駆動装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電子プロセッサが、エンコーダ段の実際のカウント及びエンコーダ段の予測カウントの計算された差分に基づいて、モータ動作中に測定された前記回転モータの滑り値及びモータ動作を停止した後に測定された前記回転モータの惰行値の各々を決定するようにプログラムされる、請求項1及び2のいずれか一項に記載の回転駆動装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの電子プロセッサが、
前記測定された滑り値及び前記測定された惰行値の少なくとも1つが第1の閾値を超過する場合に前記モータを交換するように警告を生成し、
前記測定された滑り値及び前記測定された惰行値の少なくとも1つが第2の閾値を超過する場合に前記回転モータがオンになることを防ぐ、
ようにプログラムされる、請求項1に記載の回転駆動装置。
【請求項5】
前記回転モータが、非磁性であり、前記非磁性回転モータが、
前記ロータを駆動するように前記固定子に電気正弦波を入力する電流源、
を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回転駆動装置。
【請求項6】
請求項1に記載の回転駆動装置を有する医療用ポンプにおいて、前記回転モータが、非磁性である、医療用ポンプ。
【請求項7】
磁気共鳴環境において医療装置を使用する方法において、
回転運動エンコーダで、摩擦材料で固定子に結合される、回転モータのロータの回転距離を測定する複数のエンコーダ段を生成するステップと、
少なくとも1つの電子プロセッサで、エンコーダ段の実際のカウント及びエンコーダ段の予測カウントの比較に基づいて、モータ動作中に測定された前記回転モータの滑り値及びモータ動作を停止した後に測定された前記回転モータの惰行値の少なくとも1つを決定するステップと、
前記少なくとも1つの電子プロセッサで、前記決定された滑り値及び前記決定された惰行値の少なくとも1つに基づき、前記摩擦材料の摩耗状態を構成する前記回転モータの摩耗状態を決定するステップと、
を有し、
前記決定された滑り値に基づいて、前記予測カウントと比較して前記実際のカウントが低いことは、前記摩擦材料の摩耗状態が、大きな摩耗状態であることを示し、
前記決定された惰行値に基づいて、前記予測カウントと比較して前記実際のカウントが高いことは、前記摩擦材料の摩耗状態が、大きな摩耗状態であることを示す、
方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電子プロセッサで、エンコーダ段の実際のカウント及びエンコーダ段の予測カウントの比較に基づいて、モータ動作中に測定された前記回転モータの滑り値及びモータ動作を停止した後に測定された前記回転モータの惰行値の各々を決定するステップ、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの電子プロセッサで、エンコーダ段の実際のカウント及びエンコーダ段の予測カウントの計算された差分に基づいて、モータ動作中に測定された前記回転モータの滑り値及びモータ動作を停止した後に測定された前記回転モータの惰行値の各々を決定するステップ、
を含む、請求項7及び8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの電子プロセッサで、
前記測定された滑り値及び前記測定された惰行値の少なくとも1つが第1の閾値を超過する場合に前記モータを交換するように警告を生成するステップと、
前記測定された滑り値及び前記測定された惰行値の少なくとも1つが第2の閾値を超過する場合に前記回転モータがオンになることを防ぐステップと、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記回転モータが、非磁性であり、前記方法が、
前記非磁性回転モータの電流源で、前記ロータを駆動するように前記固定子に電気正弦波を入力するステップ、
を含む、請求項7乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、広くは、放射線医学分野、医療点滴分野、点滴ポンプ分野、及び関連分野に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、病院及び家庭の両方で使用される点滴ポンプは、患者に対する供給のために液体を加圧するのにモータシステムを使用する。これらのモータシステムは、摩耗を受ける。これらのタイプのポンプは、起動時に駆動システムの調子の点検を実行し、ポンプが臨床医により使用されることを可能にする又は無効にする。この決定に予測的要素は存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
病院における一般的な使用に対する点滴ポンプは、臨床医及び患者に対して深刻な安全性リスクをもたらすので、MRI環境において安全に使用されることができない。特別なポンプは、特にMR使用に対して開発されているが、これらは、臨床医が慣れているものとは異なるのでこれらの独自のリスクをもたらし、臨床医が、不慣れな動作を実行しようと努力をするので、重要な数秒が失われる可能性がある。
【0004】
ここに開示される改良は、既存の点滴ポンプシステム及び方法等の前述の及び他の不利点に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例によると、医療装置に対する回転駆動装置(rotary drive)は、ロータを持つ回転モータを含む。前記ロータに接続された回転運動エンコーダは、前記ロータの回転距離を測定する複数のエンコーダ段を生成するように構成される。少なくとも1つの電子プロセッサは、エンコーダ段の実際のカウント及びエンコーダ段の予測カウントの比較に基づいて、モータ動作中に測定された前記回転モータの滑り(slippage)値とモータ動作を停止した後に測定された前記回転モータの惰行(coasting)値との少なくとも1つを決定するようにプログラムされる。
【0006】
他の実施例によると、磁気共鳴環境において医療装置を使用する方法が、提供される。前記方法は、回転モータを用いて、回転モータのロータの回転距離を測定する複数のエンコーダ段を生成するステップと、少なくとも1つのプロセッサを用いて、エンコーダ段の実際のカウント及びエンコーダ段の予測カウントの比較に基づいて、モータ動作中に測定された前記回転モータの滑り値とモータ動作を停止した後に測定された前記回転モータの惰行値との少なくとも1つを決定するステップとを含む。
【0007】
他の実施例によると、医療ポンプに対する回転駆動装置は、ロータを持つ非磁性回転モータを含む。回転運動エンコーダは、前記ロータに接続される。前記回転運動エンコーダは、前記ロータの回転距離を測定する複数のエンコーダ段を生成するように構成される。少なくとも1つの電子プロセッサは、エンコーダ段の実際のカウント及びエンコーダ段の予測カウントの比較に基づいて、モータ動作中に測定された前記回転モータの滑り値とモータ動作を停止した後に測定された前記回転モータの惰行値との各々を決定するようにプログラムされる。
【0008】
1つの利点は、MR環境において医療装置により生成されるMR干渉を低減することにある。
【0009】
他の利点は、医療装置におけるモータの過度のモータ摩耗を検出することにある。
【0010】
他の利点は、モータ摩耗を示すモータ特性の測定を使用して過度のモータ摩耗を検出することにある。
【0011】
他の利点は、医療装置のモータが過度の摩耗により信頼できない場合に前記医療装置がオンになることを防ぐことになる。
【0012】
本開示の他の利点は、以下の詳細な記載を読み、理解すると当業者に理解される。与えられた実施例が、これらの利点の1つ、2つ又はそれ以上を提供してもよく、いずれも提供しなくてもよい。
【0013】
本開示は、様々なコンポーネント及びコンポーネントの構成、並びに様々なステップ及びステップの構成の形を取りうる。図面は、好適な実施例を説明する目的のみであり、本発明を限定するように解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一態様による医療装置の上面図を概略的に示す。
【
図2】
図1の医療装置の第1の動作状態を概略的に示す。
【
図3】
図1の医療装置を使用して適切に実行される医療装置照射方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下は、MR適合注射器ポンプ又は非磁性モータを採用する他のMR適合装置においてモータ摩耗を監視することに関する。このような医療装置において、非磁性回転モータは、動力駆動を提供する、例えば流体薬剤を送達するように注射器プランジャを押すピストンを駆動する、又は体積点滴ポンプの流体ポンプのポンプ膜を駆動する等に使用される。点滴ポンプの場合、血圧を上昇させる血管の狭窄を引き起こす昇圧剤のような、特定の薬剤に対して、数秒の薬剤の送達の中断でさえ、患者の健康に悪影響を与える可能性がある。通常の磁性モータを採用する注射器ポンプにおいて、障害を検出するように前記モータの動作を監視することは既知である。しかしながら、この監視は、モータ障害を予測せず、したがって、重要な薬剤の中断をもたらす可能性がある。
【0016】
以下は、モータ摩耗を評価するように非磁性回転モータの応答を監視するシステム及び方法を開示する。説明用の超音波モータにおいて、印可される電気正弦波は、前記ロータを駆動する固定子における振動を誘起する。回転運動エンコーダは、エンコーダ段の単位で回転を監視するのに使用される。所定数のサイクルの電気正弦波は、エンコーダ段において測定された特定の回転「距離」を誘起することを期待される。しかしながら、前記モータが、摩耗し始める場合、滑りが生じ、所定数の電気サイクルに対するエンコーダ段の測定された数が減少しうる。一般に、摩耗は、前記ロータに結合を提供する摩擦材料の劣化によると予測される。
【0017】
ここに開示されるモータ摩耗の他の効果的な測定基準は、駆動電気正弦波の停止後に生じる惰行の量である。特に、前記摩擦材料が摩耗すると、前記ロータは、前記正弦波がオフにされた後にいくらかの時間だけ惰行することが分かっている。この惰行は、前記電気正弦波がオフにされた後に生じるエンコーダ段の数として測定されることができ、より多くの惰行エンコーダ段は、より大きなモータ摩耗を意味する。
【0018】
開示されるモータ摩耗センサは、経験的寿命試験を使用して、すなわちモータ使用時間の関数として滑り及び惰行を測定して、較正されることができる。いつモータが信頼性を落とすのに十分に過度の摩耗を持つかに関するタイムリーなガイダンスを提供する考えられる実施例において、滑り及び/又は惰行が、ある第1の閾値を超過する場合、前記モータを交換又は修理するように警告が提供される。第2の閾値が超過される場合、前記点滴ポンプは、修理が実行されるまで起動することを防がれる。
【0019】
図1を参照すると、医療装置10の上面図の概略図が、示される。説明用の医療装置10は、流体ポンプ14、電源(又は例えば110Vacを装置駆動電力に変換する、電力変換器)16、及び少なくとも1つの電子プロセッサ18を囲むハウジング12を含む点滴ポンプである。
図1に示されるように、ハウジング12の「上」部分は、取り外され、そこに配置された内部コンポーネントが、可視である。流体ポンプ14は、患者に薬剤を送達するように(静脈内注射のために)患者静脈又は(動脈内注射のために)動脈に結合されるカニューレ等に送り込む管の中にIV流体バッグから血管内(IV)流体をポンプで注入するように構成される。代替的な注射器ポンプ実施例において、流体ポンプ14は、注射器ポンプ内に搭載された注射器と、プログラムされた流量でIV流体の流れを送達するように前記注射器のプランジャの制御された動作に対するモータ/ピストン構成とを有する。流体ポンプ14の前記モータは、電源16(例えばバッテリ)により電力供給される。少なくとも1つの電子プロセッサ18は、より詳細に以下に記載されるように、点滴ポンプ10の動作を制御するようにプログラムされる。
【0020】
医療装置10は、オプションとして、医療装置10の動作の詳細を表示するように構成されたディスプレイ20、及び/又は例えばディスプレイ20に隣接して配置される、キーパッド22若しくは他のユーザ入力装置をも含む。説明用のキーパッド22は、複数のキー24を含むが、ノブ又はダイヤル等のような他の入力装置が、考えられる。
【0021】
ここで
図2を参照し、
図1を参照し続けると、説明用の超音波モータが、概略的に示され、これは、点滴ポンプ10の流体ポンプ14に対する前記モータとして機能しうる。前記超音波モータは、ロータ26及び固定子28を含む。ロータ26は、摩擦材料30で固定子28に結合される。
図2は、モータコンポーネント26、28、30を概略的に示し、当技術分野において既知であるように、固定子28に対する正弦波又は他の動力電気信号の印可によりロータ26の回転運動が誘起されうる様々な構成が存在する。電流源32は、固定子28に電気正弦波を入力するように構成され、これが、前記固定子にロータ26を駆動させる(したがってモータ14を走らせる)。電流源32は、例えば、
図1の電源16により、電力供給されてもよい。
【0022】
回転運動エンコーダ34は、ロータ26と動作可能に接続される。回転運動エンコーダ34は、ロータ26の回転距離を測定する複数のエンコーダ段を生成するように構成される。例えば、前記ロータが一回転を完了する場合に、回転運動エンコーダ34は、1つのエンコーダ段として前記回転をカウントするように構成される。しかしながら、ロータ26のいかなる回転距離(例えば、半回転、2回転、及び10回転等)も、エンコーダ段と見なされることができると理解される。回転エンコーダ34は、いかなる適切なMR適合技術、例えば光学エンコーディング、又は導電性エンコーディング等を使用してもよい。磁気エンコーディングは、前記医療装置が、磁性又は磁化材料の使用を可能にする環境において使用される場合には代替的に使用されてもよい。
【0023】
一部の実施例において、少なくとも1つの電子プロセッサ18は、エンコーダ段の実際のカウント及びエンコーダ段の予測カウントの比較(すなわち、計算された差分)に基づいて、モータ動作中に測定された前記回転モータの滑り値及び/又はモータ動作を停止した後に測定された前記回転モータの惰行値を決定するようにプログラムされる。例えば、モータ14が、摩耗し始めている場合、滑りが生じ、所定数の電気サイクルに対する前記測定されたエンコーダ段の数が減少しうる。一般に、摩耗は、ロータ26と固定子28との間の結合を提供する摩擦材料30の劣化によると予測されるが、他の摩耗メカニズム、例えば構成材料のプラスチック変形も、考えられる。
【0024】
一部の例において、滑り値は、モータ14に対して決定される。そうするために、少なくとも1つのプロセッサ18は、回転運動エンコーダ34からエンコーダ段の数を受信し、前記受信されたエンコーダ段の数を、前記少なくとも1つのプロセッサ内にプログラムされたエンコーダ段の予測カウントと比較するようにプログラムされる。前記実際のカウントが、前記予測カウントを下回る場合、モータ14のより大きな摩耗状態が、決定される。モータ14の摩耗状態が、摩擦材料30の摩耗状態を構成すると理解される。より大きな摩耗状態は、摩擦材料30が摩耗していることを示し、したがって、より高い滑り値が、決定される。前記測定されたエンコーダ段の数が第1の閾値を超過する場合のような、摩擦材料30が摩耗しすぎている場合、少なくとも1つのプロセッサ18は、モータ14を交換するように警告を生成又は発行するようにプログラムされる。この警告は、ディスプレイ20に表示されることができる。
【0025】
他の例において、惰行値(すなわち、電流源23から固定子28への駆動電気正弦波の停止後に生じる惰行の量)が、モータ14に対して決定される。そうするために、少なくとも1つのプロセッサ18は、回転運動エンコーダ34からエンコーダ段の数を受信し、前記受信されたエンコーダ段の数を、前記少なくとも1つのプロセッサ内にプログラムされたエンコーダ段の予測カウントと比較するようにプログラムされる。前記実際のカウントが、前記予測カウントより高い場合、これは、惰行(すなわち摩耗に誘起された摩擦低減による前記ロータの追加の回転)を意味し、モータ14のより大きな摩耗状態が、決定される。典型的には、モータ14の摩耗状態は、摩擦材料30の摩耗状態を構成する。より大きな摩耗状態は、摩擦材料30が摩耗していることを示し、したがって、より高い惰行値が、決定される。電気駆動電力の停止後に実行された惰行測定中に前記測定されたエンコーダ段の数が第2の閾値を超過する場合のような、摩擦材料30が摩耗しすぎている場合、少なくとも1つのプロセッサ18は、(例えば電源26を無効にすることにより)モータ14がオンになることを防ぐようにプログラムされる。同様の摩耗状態応答は、前記摩耗状態がモータ動作中の滑りに対する監視により評価される実施例において採用されることができる。
【0026】
説明用の医療装置10(すなわち、説明用の点滴ポンプ10)が、MR環境における使用に対してMR干渉を生成することを防ぐように構成されると理解される。MR干渉を生成することを防ぐように、点滴ポンプ10のコンポーネント、特に回転モータ14は、好ましくは、非磁性材料から作成される。
【0027】
ここで
図4を参照すると、MR環境において医療装置10を使用する方法100が、示される。ステップ102において、回転モータ14のロータ26の回転距離を測定する複数のエンコーダ段が、回転運動エンコーダ34で生成される。ステップ104において、モータ動作中に測定された回転モータ14の滑り値が、エンコーダ段の実際のカウント及びエンコーダ段の予測カウントの比較に基づいて決定される。ステップ106において、前記測定された滑り値が、第1の閾値を超過する場合、モータ14を交換するように警告が生成される。ステップ108において、モータ動作を停止した後に測定された前記回転モータの惰行値が、エンコーダ段の実際のカウント及びエンコーダ段の予測カウントの比較に基づいて決定される。ステップ110において、回転モータ14は、前記測定された惰行値が、第2の閾値を超過する場合に、オンになることを防がれる。所定の実施例が、滑り(ステップ104、106)又は惰行(ステップ108、110)のいずかを監視してもよく、又は両方の監視動作(ステップ104、106、108、110の全て)を実行してもよいと理解される。
【0028】
滑りに対して(又は惰行に対して)予測されたエンコーダ段の数は、注射器プランジャピストン、流体ポンプ膜、又は稼働中のモータにより動作される他の負荷と同等のモータ負荷及び駆動電力を提供する摩耗試験ジグ又は試験医療装置のいずれかにインストールされたベンチテストモータに対して経験的試験を実行することにより決定されることができる。オプションとして、例えば通常動作と比較して既知の加速度で摩耗を誘起するように上昇された温度を採用する、加速寿命試験技術が、前記試験を早めるのに使用されることができる。改善勧告又はインタロック(例えば前記モータ若しくは前記医療装置全体を交換する勧告又は過度のモータ摩耗により信頼性が落とされた装置の動作を防止するインタロック)を提供するための閾値は、故障するまで前記モータを走らせ、前記閾値において適切なクッションを設けることにより、これらの経験的試験を使用して設定されることもできる。
【0029】
医療装置10の説明用のデータ処理又はデータインタフェースコンポーネントが、開示された動作を実行するように電子プロセッサ(例えば少なくとも1つのプロセッサ18)により実行可能な命令を記憶する非一時的記憶媒体として実装されてもよいと理解される。前記非一時的記憶媒体は、例えば、ハードディスクドライブ、RAID、若しくは他の磁気記憶媒体、半導体ドライブ、フラッシュドライブ、電子的に消去可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)若しくは他の電子メモリ、光学ディスク若しくは他の光学媒体、又はこれらの組み合わせ等を有してもよい。
【0030】
本開示は、好適な実施例を参照して記載されている。修正及び変更は、先行する詳細な記載を読み、理解すると他者が思いつきうる。本発明が、添付の請求項又はその同等物の範囲内に入る限り、全てのこのような修正及び変更を含むと解釈されることが意図される。