(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの電極が、前記患者の身体上に配置された、少なくとも2つの活性電極と接地電極とを備え、前記活性電極が、前記パルス生成器によって生成された前記電気パルスを前記患者の前記身体に送達するように構成された、請求項1または2に記載のニューロモデュレーションデバイス。
前記少なくとも2つの活性電極が、前記患者の一方の脚に取り付けられる第1の活性電極と、他方の脚に取り付けられる第2の活性電極とを備える、請求項3に記載のニューロモデュレーションデバイス。
前記少なくとも2つの活性電極が、前記患者の第1の脚に取り付けられる第1の活性電極と、同じ脚に取り付けられる第2の活性電極とを備える、請求項3に記載のニューロモデュレーションデバイス。
前記ニューロモデュレーション応答検出器が、前記患者の脚に取り付けられるように構成された少なくとも2つのセンサを含む、請求項1に記載のニューロモデュレーションデバイス。
【背景技術】
【0002】
人間被験者に利益をもたらすのに有利なニューロンの電気刺激の使用は、例えば、米国特許第13704337号および第7257448号に記載されており、失禁を治療するため、運動およびそれに続く心拍数の増加をシミュレーションする目的のために筋肉を刺激するため、下肢のリンパ排液を改善するため、ニューロンを刺激するため、そして電流の好ましい効果に関連する他の関連用途のために使用される。
【0003】
失禁を治療するための経皮性脛骨神経刺激(PTNS(percutaneous tibial nerve stimulation))法は、距腿部内の神経に近接して導入された針を使用し、それに接続された電流によって、骨盤領域内のその神経ならびに隣接神経を刺激する。骨盤部のこの反復刺激は、筋肉の機能と、患者の身体と神経系との間の通信の両方に有意に好ましい効果を有することができる。電流を使用する刺激による膀胱機能の改善は、数分間続く反復セッションによって達成される。患者の身体に針を挿入することの歴史的に不利な点は、主に痛みと、神経損傷の危険性と、また治療を行う医療専門家の必要性とを含む。成功した治療のために、刺激されるべき神経の正確な標的化を確実にすることが重要である。実際には、患者の主観的感覚が使用され、最も重要なことには、神経刺激によって引き起こされる底屈が観察される。しかしながら、これは、いつも正確とは限らず、最高の成功率を達成する上で最大の障害となることが証明されている。
【0004】
神経刺激に対する応答を測定するデバイスがWO2015/066597に記載されている。しかしながら、そこに記載されている2つの小さい肛門周囲電極は、間違いなく、訓練された医療専門家の存在なしに実施されることが困難な解決策である。このデバイスは、デジタル入力から信号を受信し、信号の少なくとも一部をメモリ内に記憶する。したがって、それは、センサモジュールを介して実行されている現在の処置の記録を保持し、所望の刺激(複合筋活動電位)が達成されているかどうかを判定するために、通信デバイスによってセンサモジュールへ、またはセンサモジュールからの記録の少なくとも一部のリアルタイムの伝送を開始する。
【0005】
筋肉群の反射運動を接触読み取りし、共鳴形態におけるインパルス刺激周波数のフィードバック制御のための電気信号を生成するための検出器の一例がWO2013/113297に記載されている。
【0006】
患者の身体信号の検出のための筋電図デバイスが文献米国特許第20150126894号、第5800470号に記載されており、文献WO2005023087は、筋電図デバイスの改善を提供している。
【0007】
今まで、そのようなデバイスは、患者の口頭での評価または観察に基づく電流パラメータの専門的な適用および設定を必要としていた。逆に、それは、すべての患者に予め設定された平均値で設定され得るが、これは、誰にでも適しているというわけではない。例えば、高体重または高い皮膚抵抗のような異常を有する患者は、治療から不十分な結果を経験するであろう。したがって、電気量を個々のニーズに適応させる必要がある。この問題は、以下に説明するそのパラメータを設定するためのシステムおよび方法によって解決される。
【0008】
さらに、上記で説明した歴史的な方法は、より低い治療効果を示す傾向がある。神経刺激の適用は、坐骨神経の神経枝ごと、または肢ごとに1つの活性電極のみによって行われる。そのような治療方法は、治療時間を長引かせ、多数の治療セッションを必要とし、したがって、患者および/または医療スタッフの両方に不便を感じさせる。
【0009】
過活動膀胱症候群の治療におけるニューロモデュレーションの使用は、現代医学においてよく知られている。失禁を治療するための経皮的脛骨神経刺激(PTNS)法は、距腿部内の神経に近接して導入された針を使用し、それに接続された電流によって、骨盤領域内のその神経ならびに隣接神経を刺激する。骨盤部のこの反復刺激は、筋肉の機能と、患者の身体と神経系との間の通信の両方に有意に好ましい効果を有することができる。電流を使用する刺激による膀胱機能の改善は、数分間続く反復セッションによって達成される。患者の身体に針を挿入することの歴史的に不利な点は、主に痛みと、神経損傷の危険性と、また治療を行う医療専門家の必要性とを含む。成功した治療のために、刺激されるべき神経の正確な標的化を確実にすることが重要である。実際には、患者の主観的感覚が使用され、最も重要なことには、神経刺激によって引き起こされる底屈が観察される。しかしながら、これは、いつも正確とは限らず、最高の成功率を達成する上で最大の障害となることが証明されている。PTNS法では、インパルス長は、約0.2msである。
【0010】
過活動膀胱症候群を治療する別の方法は、仙骨神経刺激によるものである。この方法は、仙骨神経、特にデルマトームS3を刺激するために、プログラム可能な刺激装置の皮下埋込みに基づく。仙骨神経刺激法は、主に、患者の身体に対する侵襲的外科的処置の必要性のために不利である。さらに、刺激のための電気エネルギーを供給するバッテリは、交換されなければならず、患者の身体に繰り返し外科的処置を行う。
【0011】
脛骨または他の神経の刺激を介して失禁を治療する方法がある。例えば、失禁を治療する方法は、米国特許第8660646号に記載されている。しかしながら、それらの方法は、依然として十分な治療効率を実証していない。さらに、この方法は、患者の個々のニーズに従う神経刺激のパラメータの設定を可能にしない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、メモリユニットと、パルスを生成するための患者の身体に取り付けられた少なくとも1つの電極と、少なくとも1つの電極パルスパラメータを設定するための、電極に接続され、ニューロモデュレーションに対する少なくとも1つの応答検出器にさらに接続された制御ユニットとを備える、末梢神経を刺激するためのデバイスを提供する。ニューロモデュレーションに対する応答検出器は、患者の身体の少なくとも一部の運動の周波数に関する情報を送信するために制御ユニットに接続される。デバイスの制御ユニットはさらに、患者の身体の少なくとも一部の運動の周波数値に関する情報に応じて、電極パルスの電流の流れを自動的に設定する。
【0014】
制御ユニットは、ニューロモデュレーションに対する応答検出器から、またはメモリから周波数値に関する情報を受信する。デバイスの検出器は、光学センサ、赤外線センサ、加速度計、または、静電容量センサ、誘導式センサ、温度センサ、流量センサ、超音波センサ、もしくは磁気センサであり得る。本発明の代替実施形態では、検出器として筋電計も使用され得る。好ましい構成では、検出器は、2つ以上のセンサを使用することができる。
【0015】
メモリデバイスは、以下の、HDDディスク、SSDディスク、フラッシュメモリ、メモリカード、RAM、CD、DVD、またはBlu-ray(登録商標)のうちの少なくとも1つであり得る。代替構成では、メモリは、ネットワークサービスを介してアクセス可能なリモート記憶デバイスであり得る。
【0016】
代替的には、リモートメモリ記憶ユニットは、ネットワークサービスに接続された別のニューロモデュレーションデバイスを介してアクセス可能であり得る。
【0017】
制御ユニットは、電極パルスの周波数を、記録された運動の周波数と実質的に等しくなるまで変更する。制御ユニットはまた、記録された運動の最適周波数に達するまで、パルスの電流の流れを変更する。
【0018】
デバイスは、分離された1つまたは複数の制御ユニットを含むことができる。制御ユニットは、ディスプレイデバイスとオペレータのためのユーザ入力とをさらに含んでもよいコントローラの一部であり得る。本発明によれば、制御ユニットは、パルスの周波数を0.1から100Hzの範囲内に設定し、パルスの長さを0.1から10msの範囲内に設定する。本発明によれば、制御ユニットは、パルスの形状をさらに設定してもよい。本デバイスの制御ユニットは、正から負まで変動する電圧の極性をさらに設定してもよい。
【0019】
制御ユニットは、制御ユニットの内部メモリであるメモリ内、またはネットワークサービスを介して利用可能なリモート記憶ユニット内に記憶されたデータベースと通信する。ここで、データベースは、パルスの電流の流れの推奨パラメータに関する情報を記憶する。データベースは、限定はしないが、患者の年齢、性別に関する情報、患者の身元および個人データに関する情報、例えば、識別番号、保険番号、住所、社会保障番号、クレジットカード番号などのような、患者の個人データをさらに含んでもよい。本発明によれば、制御ユニットは、データベースからの情報をリモートストレージに送る。本発明によれば、検出器およびコントローラは、単一の構成の一部である。実施形態のうちの1つによれば、コントローラおよび少なくとも1つの電極は、単一のユニットの一部である。そのような単一のユニットは、電気的および機械的に接続されたデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、単一のユニットはまた、単一の構成に統合され得る。
【0020】
本発明は、ニューロモデュレーションデバイスを使用してヒトにおける過活動膀胱の症状を治療するための方法をさらに提供する。具体的には、方法は、ニューロモデュレーションデバイスが制御ユニットと、電気パルスを生成することができる少なくとも2つの電極とを含む、過活動膀胱の症状の治療に関する。本発明によれば、活性電極は、第1の活性電極が患者の脚のいずれかに取り付けられ、第2の活性電極も患者の脚のいずれかに取り付けられるように、患者の身体に取り付けられる。活性電極が取り付けられた後、第1の活性電極内の第1の電気パルスが患者の身体に送達され、同時にまたはその後、第2の活性電極内の他の電気パルスが患者の身体に送達される。次のステップでは、パルス電流の流れが設定される。好ましい方法は、各パルスのタイミングを同期させるステップをさらに含む。
【0021】
実施形態のうちの1つでは、活性電極は、末梢神経の枝の近くに取り付けられる。好ましい実施形態のうちの1つでは、活性電極は、第1の活性電極が坐骨神経の第1の枝に取り付けられ、別の第2の活性電極が坐骨神経の別の枝に取り付けられるように、患者に取り付けられる。実施形態のうちの1つでは、以下の神経、すなわち、腰仙骨神経叢、坐骨神経、総腓骨神経、脛骨神経、陰部神経、上殿神経、下殿神経、後大腿皮神経、内閉鎖筋神経、梨状筋、大腿方形筋神経、足底神経、尾骨神経のうちの1つが刺激される。好ましい実施形態では、陰部神経または脛骨神経または総腓骨。
【0022】
実施形態のうちの1つでは、第1の活性電極は、患者の一方の脚に取り付けられ、第2の活性電極は、他方の脚に取り付けられる。本方法の別の実施形態では、第1の活性電極は、患者の第1の脚に取り付けられ、第2の活性電極も、同じ脚に取り付けられる。
【0023】
活性電極は、本発明によれば、経皮的(transcutaneous)電極、経皮性(percutaneous)電極、または長期移植用の電極である。本方法によれば、第1の電極は、いずれかの膝の裏側に取り付けられ、第2の活性電極は、他方の膝の裏側に取り付けられる。好ましい実施形態のうちの1つでは、電気パルスの同期は、パルスを各パルスの先頭に合わせることによって達成される。好ましい実施形態のうちの別のものでは、パルスのタイミングは、標的領域における第1の活性電極からのパルスの送達の時間と、別の活性電極からのパルスの送達の時間とに従って同期される。実施形態のうちの1つでは、標的領域は、仙骨神経叢または坐骨神経である。本発明は、実施形態のうちの1つによれば、接地コネクタを患者の身体上、最も有利には患者の恥骨上、下腹部、または仙骨領域上に配置するステップをさらに含む。
【0024】
電気パルスは、実施形態のうちの1つによれば、0.1Hzと100Hzとの間の周波数と、0.1msと5msとの間のパルス幅と、0mAと250mAとの間の電流と、0Vと90Vとの間の電圧とを有する。電気パルスの周波数は、最も有利には2.5Hzと60Hzとの間であり、電気パルスのパルス幅は、0.1msと2.5msとの間である。電極が2cm
2よりも大きい活性表面を有する実施形態のうちの1つでは、電気パルスは、15mAと250mAとの間の電流を有する。電極が0.5cm
2と2cm
2との間の活性表面を有する実施形態のうちの別のものでは、電気パルスは、0mAと15mAとの間の電流を有する。電極が0.5cm
2未満の活性表面を有する実施形態のうちの1つでは、電気パルスは、0mAと5mAとの間の電流を有する。
【0025】
好ましい実施形態では、電気パルスは、実質的に長方形または直角三角形の形状を有し、単相性または二相性である。好ましい実施形態によれば、パルスの時間は、制御ユニットのメモリ内に記憶されたアルゴリズムによって決定される。
【0026】
実施形態のうちの1つでは、本方法は、第1および第2の活性電極の正確な位置決めのための以下のステップをさらに含む。活性電極のいずれかの取り付け後、電気パルスが生成され、次いで、患者の身体の少なくとも一部の反射運動が監視される。患者の身体の監視された部分の反射運動の十分性が判定される。患者の身体の監視された部分の反射運動が不十分である場合、活性電極は、再配置される。ステップは、患者の身体の少なくとも一部の運動が十分になるまで、したがって、活性電極にとって最適な位置になるまで繰り返される。本発明は、上記の請求項によるニューロモデュレーションデバイス、他の類似のニューロモデュレーションデバイス、または他の医療デバイスのような医療デバイスの使用に関する情報を収集するための方法をさらに提供する。方法は、以下のステップを含む。制御ユニットからの情報が収集される。情報は、制御ユニットからメモリに送られる。情報は、データベース内に記憶される。情報は次いで、前記データベースから取り出される。実施形態のうちの1つでは、医療デバイスは、治療用医療デバイス、外科用医療デバイス、または診断用医療デバイスである。制御ユニットは、以下の手段、すなわち、GSM(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、無線周波数、赤外線通信、LAN、USB、またはワイヤレスインターネット接続のいずれかを使用してメモリと通信することができる。実施形態のうちの1つでは、方法は、識別番号を患者、医療デバイス、または情報に割り当てるステップをさらに含む。実施形態のうちの1つでは、方法は、情報をデバイスのメモリ内に記憶するステップと、医療デバイスを別の医療デバイスに接続するステップとをさらに含む。好ましい実施形態のうちの1つでは、情報は、受けた治療に関し、パルス電流、電流強度、およびパルスの周波数からなるグループのうちの少なくとも1つを含む。実施形態のうちの別のものでは、方法は、データベース内に記憶された情報を評価するステップと、請求書発行のために前記情報を使用するステップとをさらに含む。本発明の別の実施形態は、情報を患者の医師におよび/または患者の電子カルテに送信するためにデータベース内に記憶された情報を使用するステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、治療のパラメータまたはデバイスの使用を自動的に変更するためにデータベース内に記憶された情報を使用するステップをさらに含む。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、
図5に示すように、3つの主要な構成要素を含む。第1の構成要素は、制御ユニット13であり、第2の構成要素は、検出器14であり、第3の構成要素は、電極15である。電極は、2つのタイプであり得る。電極の第1の可能な実施形態は、
図4に示すものであり、それは、磁石3と、磁極片4と、電極の第1の極1と、電極の第2の極8とを含む。磁石3の役割は、低い刺激電流において深さの範囲を増加させることである。磁極片4と共に、それは、電極の第1の極1の軸の周りの軸方向において放射線状の電場線を線形化し集中させることができる。これは実質的に、細胞間空間への電荷のキャリアとしてのイオンの運動および濃度の方向に関するトンネル効果をもたらす。この実施形態では、磁石3は、永久であり、例えば、銅または真鍮の電極の第1の極1がその中心を貫通する中空の円筒形の形状を有する。皮膚との接触領域において、電極の第1の極1は、好ましくは円形であり、銀のような適切な材料の層で被覆される。外部ケーシング、および永久磁石3の皮膚から離れた側は、反磁性材料の磁極片4によって囲まれている。皮膚から離れた側から、電極の第1の極1は、ナット6を取り付けるためにねじが切られており、ワイヤ2を接続するためのアダプタ7で終わっている。代替的には、電極の第1の極1は、ばねおよび追加の底部と組み合わされて固定される。電極の第1の極は、ねじが切られておらず、追加の底部の少なくとも一部に一致する係止縁を有し、ここで、電極の第1の極1は、ばね部材が電極の第1の極1と直接または間接的に固定要素5との間に張力を生み出すように、付勢ばね部材によって固定される。したがって、電極の第1の極1の係止縁と追加の底部の少なくとも一部との間に力が加えられ、電極の第1の極1の固定をもたらす。電極の環状の第2の極8は、間隙または別の絶縁体によって電極の第1の極1から分離されながら固定要素5に固定される。したがって、それは、電極の第1の極1および電極の第2の極8の固定位置を有する双極電極である。磁石3は、絶縁体によって、そしておそらく空隙によっても、電極の第1の極1から分離される。磁石3は、そのN極が組織に面して配向される。電極の第1の極1、磁石3、磁極片4、および電極の第2の極8は、医療用途を意図した材料で作られ、磁極片と接触している磁石3の極の領域を除
いて互いに電気的に絶縁される。また、絶縁体は、生体適合性材料のものであり、それはまた、頻繁な殺菌に耐えることができ、好ましくは耐水性でもある。
【0029】
好ましくは、磁石3は、電磁石の形態であり得る。当業者には明らかなように、適切なソース9を使用して、調節可能な磁気励起によって、最高濃度の電荷キャリア、すなわち一種のチャネルを有する領域の形状を設定することが可能である。さらに、いくつかの電磁石が使用される場合、それらの異なる励起によって、組織への電流の流れの方向、すなわち、そのようなチャネルの方向に影響を及ぼすことが可能である。一例として、これは、皮膚への電気刺激デバイスの不正確な配置の場合でも、所望の神経を見つけるために使用され得る。
【0030】
直流電源9は、電極の第1の極1と電極の第2の極8との間に接続される。周波数は、1Hzから15Hzの間に設定され得、パルスは、単相性または二相性であり得、例えば、指数関数的な上り傾斜または下り傾斜と、0mAから50mAの電流範囲で0.1msから5msの幅とを有する矩形波、正弦波、三角波であり得る。2Hzから6Hzの周波数が、最も好ましいと思われ、非常に効率的である。
【0031】
デバイスを特定の場所に固定するハーネスと、電源とがさらに含まれる。電気刺激電極の適切な配置は、方法全体の効率にとって、そして、電極の不適切な取り扱いによる方法の効率低下の危険性を排除するために極めて重要である。固定要素5の役割は、同じ電気刺激部位への電極の繰り返しの取り付けを確実にすることである。患者に恒久的に適合する形状を作成し、そして各刺激セッションに対して等しい状態を保証するために、電極の位置を固定するために人間の身体の形状を固定点として使用することができる特別なハーネスが使用される。
【0032】
電極の別の実施形態は、導電性磁石を有する実施形態によって表される。能動構成要素の幾何学的配置のこの例は、
図1および
図2に示されており、それは、反磁性くさび10と、主磁石11と、磁極片4とを含む。これらの構成要素は、低い刺激電流であっても、反磁性くさび10と受動導電性接点12との間を流れる電流の増加した侵入深さを提供する。それらは、それらの構成のため、主磁石11の軸の周りの軸方向に放射線状の電場線を線形化し集中させることができる。これは、磁場によるイオン移動の直径および方向が制限されたイオンチャネルをもたらす。したがって、細胞間空間への電荷のキャリアとして、イオンは、磁力線によって決定される軌道に沿って移動する。反磁性くさび10は、2つの機能を有する。それは、主磁石11の軸から磁力線をそらし、皮膚との電気的接触を提供する。この例では、反磁性くさび10は、銅から作られ、皮膚とのよりよい接触のため、そして最大限の患者の快適さのために、組織に隣接する端部において丸められた円筒形の形状である。
図2から明らかなように、反磁性くさび10は、主磁石11の磁場によって完全にまたは少なくとも実質的に囲まれるように配置される。維持するのが容易でありながらその機能を実行するために、それは、金または他の電気をよく伝導する非毒性で不活性な材料の層でさらに覆われる。皮膚から離れた外部ケーシングおよび主磁石11の基部は、好ましくは、反磁性材料で作られた磁極片4によって取り囲まれる。皮膚から離れた側の反磁性くさび10は、導電性接着剤または他の導電性接続によって主磁石11に接続され、また、上記の効果に加えて、主磁石11の皮膚の方に向けられた側におけるいわゆる磁気短絡も防止する。この例では、電極の受動導電性接点12は、金メッキされ得る薄い銅シートとして具体化されているが、銀、金、ビスマス、カーボン、および様々な組成の導電性プラスチックのような他の反磁性材料が同様に使用され得る。図において、電極の受動導電性接点12は、環状であり、固定要素5に取り付けられ、それによって、固定要素5が作られたものと同じ絶縁材料で充填された間隙によって主磁石11から分離されている。しかしながら、他の実施形態では、受動導電性接点12は、様々なタイプの導電性布地または任意の導電性ゲルまたは医学において一般的に使用される他の導電性材料によって表され得る。この例では、主磁石11は、ネオジム磁石(NdFeB)によって表される。主磁石11は、1つの磁石から構成され、または代替実施形態では隣接して配置されたいくつかの磁石から構成され、それは、そのN極が組織に面して配向される。電極の固定要素5および受動導電性接点12は、医療用途を意図した材料から作られ、それらは、好ましくは防水性であり、頻繁な殺菌に対して耐性がある。
図3は、電気刺激デバイスの力線を示す。
【0033】
電圧源9が、反磁性くさび10と受動導電性接点12との間でデバイスに接続される。信号の形状および周波数のその出力値は、調整可能である。好ましくは、0.1Hzから100Hzの間の周波数が使用され得、パルスは、単相性または二相性であり得る。パルス形状は、指数関数的な上り傾斜または下り傾斜と、0mAから50mAの振幅で0.1msから5msまたは正確には1msから3msの幅とを有する矩形波、正弦波、三角波であり得る。1Hzから15Hz、またはより正確には2〜7Hzの周波数が、最も好ましいと思われ、非常に効率的であるが、各患者は、異なる周波数に最適に応答する可能性があるので、個々の調整が重要な役割を果たす。
【0034】
別の例は、反磁性くさび10を含まず、したがって、上記で説明したものに加えて、表在神経を刺激すること、皮膚を通しての物質の吸収を改善すること、および皮膚への栄養物のよりよい供給のためのような他の用途にも適切である電気刺激デバイスの解決策である。組織との非侵襲的な電気的接続のために、この実施形態は、主磁石11の基部が皮膚と直接接触しているとみなす。図示の実施形態では、皮膚に面する側、すなわち皮膚に当てられことが意図されている側において、主磁石11は、反磁性くさび10を備えることによって組織への非侵襲的な電気的接続に適合される。この実施形態では、主磁石11は、皮膚に面する側、すなわち皮膚に当てられことが意図されている側において、エポキシ樹脂、導電性プラスチック、またはニッケル、銀、カーボン、金、もしくはプラチナのような金属で表面の少なくとも一部が被覆されていることによって、組織への非侵襲的な電気的接続に適合される。これは再び、主磁石11および受動導電性接点12が互いに対して固定要素5内でしっかりと固定された双極電極であり、それは、特定の部位の再刺激に有利である。他の実施形態と同様に、上記で説明したように主磁石11の磁極片4を使用して磁場の効果を高めることが可能であるが、その使用は、すべての用途にとって必要とされるわけではない。
【0035】
固定要素は、プラスチック、ゴム、または、その両方ともが一緒に接着されるかもしくは他の方法で取り付けられるネオプレンストラップもしくは使い捨てテープのような他の材料から作られ得る。
【0036】
デバイスは、緊張性尿失禁の治療を意図したものではなく、むしろ、例えば、膀胱内の神経受容体における過敏症によって引き起こされる緊急型の失禁または過活動膀胱(OAB)の治療を意図している。これらの受容体の機能不全のために、膀胱が4分の1満杯であるときでも、脳内の受容体は、緊急の膀胱収縮を引き起こす誤った信号を送ることになる。患者はそのとき、トイレに行く差し迫った必要を感じ、または、場合によっては、尿が漏れることになる。提案するデバイスを使用する刺激の目的は、脳への求心性経路を通る信号の伝達であり、それは次いで、膀胱内の受容体を再起動し、これらは次いで、通常の状態に戻ることになる。
【0037】
電極15システムおよび検出器14は、システム全体を制御する制御ユニット13を介して接続される。上述のように、システムは、単一の電極15または複数の電極15を含むことができる。これらは、経皮的電極、経皮性電極、または埋込み型電極であり得る。単一の電極15を使用するときであっても、最適な周波数を決定することが可能であるが、末梢神経の臨床的に有効な刺激のために、2つの電極を使用することが必要である。電極15は、パルス生成器18に接続される。後者は、2つのタイプのものであり得る。生成器18は、直接電極15の一部であり、すなわち、それは電極15内に位置し、または、それは外部にある。外部パルス生成器18は、コントローラ16内に配置され得、または、埋込み型電極15の場合には、それは、刺激器にリモートで電力を供給する。
【0038】
検出器14は、センサ17から構成される。本発明の実施形態では、センサ17は、光学センサ17である。光学センサ17は、いくつかの実施形態を有することができるが、最も好ましくは、それは光学バリアである。光学センサ17のアセンブリが
図6において詳細に示されており、発明の説明において以下に説明される。一般に、光学バリアは、送信機と受信機とを含む。送信機は、生成器18と、増幅器19と、光学系を有する赤外線ダイオード20とを含む。生成器18は、38kHzの周波数に設定される。受信機は、絞り21と、収束レンズ22と、赤外線フィルタ23と、前置増幅器24と、周波数フィルタ25と、復調器26と、レベル変換器27と、プログラム可能リターダ28とを含む。周波数フィルタ25は、38kHzに設定される。以下の部品、すなわち、収束レンズ22、赤外線フィルタ23、前置増幅器24、フィルタ25、および周波数復調器26は、1つの構成要素として実装され得る。送信機および受信機のこのシステムでは、足31は、送信機出力と受信機入力との間に配置される。反射型光学バリアのような他のタイプの光学バリアは、本発明によって排除されない。反射型光学バリアを使用するとき、光学センサ17は、1つのセンサ17、または検出器14上に様々な間隔をおいて配置された複数の光学センサ17から構成され得る。反射型光学バリアの各光学センサ17は、同時に送信機および受信機である。これは、前記センサ17の近くに入った物体を検出することを可能にする。複数の光学センサ17を有する実施形態の第1の利点は、1つのセンサ17のみを使用するときのように、検出器14がオペレータによって患者に対して正確に設定される必要がないことである。別の利点は、運動に関するより詳細な情報がいくつかのセンサ17から受信されることであり、それは、制御ユニット13によってさらに詳細に処理され得る。一般に、光学センサ17の使用は、センサ17からの距離が毎回数センチメートル変化する可能性がある場合でも、センサ17が良好な精度で物体を検出するので、使用の簡単さの点で有利である。これらの光学センサ17は、赤外線または他のスペクトルの光の透過に基づく。センサ17はまた、偏光フィルタを追加されてもよい。標準的な赤外線センサ17に加えて、カメラも光学センサ17として使用され得る。カメラは
、十分な解像度を有するCCDまたはCMOSカメラを含んでもよい。さらに、光学センサ17は、信号の変調なしで、周囲光による光学バリアの過負荷に対する耐性増加のために信号の変調を伴って、または、周囲光による光学バリアの過負荷に対する耐性増加のために信号の変調を伴って赤外線領域において機能するように構成され得る。
【0039】
1つの可能な構成では、センサ17は、次々と配置され得る。センサ17は、ホルダ上に配置され、ホルダを介して、センサ17は、構造の残りの部分にしっかりと取り付けられる。センサ17を有するホルダは、締結要素または係止要素によって調整され得る。次いで、システム全体は、その近くにある下肢の運動を記録する。
【0040】
代替実施形態では、センサ17は、患者の身体に取り付けられる加速度計として使用される。加速度計の使用は、他のセンサよりもユーザフレンドリーである。加速度計は、場合によっては加速度計が組み込まれ得るバンドを使用して患者の身体に取り付けられ得る。さらに、加速度計は、位置における小さい変化を検出することができる。加速度計は、脚の一部に取り付けられ、刺激から生じる運動は、加速度計によって測定される。代替実施形態では、静電容量センサ、誘導式センサ、温度センサ、磁気センサ、または超音波センサ17、筋電計の直接使用が使用されてもよい。光学センサ17と比較した場合の欠点は、センサ17が物体を検出することができる距離が小さいことである。超音波センサ17の一例を
図7に示す。そのようなセンサ17は、50kHzの生成器18と、エキサイタ29と、50kHzの共振周波数の一次ピエゾ素子30および二次ピエゾ素子32と、増幅器33と、50kHzの周波数フィルタ34と、復調器26と、レベル変換器27と、プログラム可能リターダ28とを含む。センサ17の場合、肢31は、第1のピエゾ素子と第2のピエゾ素子との間に配置される。
【0041】
デジタル信号を提供するセンサ17の利点はまた、アナログセンサ17が接触を介してのみデバイスによって誘発された運動を記録することができるということである。誘発された運動を記録するとき、接触センサ17は、観察される減少を自然に妨げるので、高品質の情報を提供しない。場合によっては、同じ運動の複数の記録によって引き起こされるセンサ17内のエコーを生じる。結局、これは、劣った検出品質および不適当な周波数の刺激の誤った決定、または刺激のための異なる電圧特性をもたらす。さらに、機械的センサ17はまた、明瞭でノイズのない信号を提供するために追加の構成要素を必要とする。
【0042】
非接触センサ17または加速度計は、患者間のどのような修正もなしに使用され得る。例えば、足の誘発された痙攣性の運動を測定するとき、測定は、患者に対して個別にカスタマイズされなければならない。運動の足および生理機能は、患者ごとに異なる。アナログセンサ17を使用するとき、そのようなカスタマイズは、センサ17の機械的/手動の再設定によって大部分実行される。これは、オペレータ、通常は医師の技術的スキルを必要とする。結果として、治療期間およびセンサ17による誤った記録の危険性が増大する。
【0043】
適切な治療効率のために、センサ17が周波数に関する情報と、好ましくは、運動の範囲または速度のような患者の体動に関する他の情報も送ることができることが必須である。センサ17、通常は接触センサの誤用、ならびに、患者の刺激を直接切り替えることは、重大な危険性を構成し、それらの誤り率のために、適切な治療をもたらさない。それらは、周波数、または運動の範囲もしくは速度のような他のパラメータに関するいかなる情報も提供しないが、それらは、電極15の活動に直接影響する。システムが患者の身体の一部の運動の周波数に関する情報を用いて動作している場合、それは、様々な構成にソフトウェア構成され得、情報を異なって処理することができる。これは、とりわけ、以下でさらに説明する他の利点も提供する。運動周波数に関する情報を送信するために、制御ユニット13は、デジタル情報を提供されなければならない。本発明によるそのようなデバイスは、2つの方法で実現され得る。センサ17からの直接出力がデジタルであるとき、またはアナログ出力が、アナログ信号をデジタル信号に変換し、それを制御ユニット13に送信するA/Dコンバータに接続されなければならないときである。
【0044】
センサ17からのデジタル信号では、各患者に対して測定値を適合させるという問題は、生じない。この場合におけるすべての状況は、事前に個性を考慮に入れた制御ユニット13の設定に含まれ、センサ17からの出力は、検出器14のいかなる機械的再設定もなしに関連情報を与えるように処理される。これは、足31に取り付けられ得る非接触センサ17と加速度計の両方に当てはまる。
【0045】
刺激された肢の運動を検出するためのセンサ17は、情報を制御ユニット13に送信する。ここで、情報は、さらなる使用のために処理される。制御ユニット13は、末梢神経の効果的なニューロモデュレーションのためのフィードバックとして患者に取り付けられた電極15を直接制御するために情報を使用する。脚の誘発された運動は、刺激電流の設定周波数が正しいという臨床的情報を提供する。したがって、制御ユニット13は、予め設定された限界値間の周波数スペクトルを読み取るように案内される。これらの値は、すでに工場で設定されており、それらは、1Hzおよび100Hzである。制御ユニット13は、2段階において電極15を制御する。これらの段階は、認識段階および治療段階である。認識段階では、本発明のデバイスは、センサ17からのフィードバックに基づいて、個々の患者に対する理想的な周波数または電流の流れの他のパラメータを探索する。制御ユニット13は、どの時点においてニューロモデュレーションの周波数が患者にとって最適であるとみなされるかを定義する設定規則を含む。理想的には、各刺激を痙攣として検出することが可能である。制御ユニット13は、理想的な周波数を認識すると、治療体制に切り替えられる。このモードでは、制御ユニット13は、検出された周波数を維持し、したがって、さらなる変化なしに末梢神経の刺激をもたらす。この段階は、典型的には30分かかる可能性がある。場合によっては、臨床処置の十分な効率のために、これは、約2分しかかからない場合がある。制御ユニット13は、センサ17からの理想的な正のフィードバックリンケージが一旦消滅すると、制御ユニット13が第1の認識段階に戻され、近接する周波数を最初に識別された周波数に設定するというような条件を含むように設定され得る。
【0046】
周波数に加えて、制御ユニット13は、同様にパルスの他のパラメータを設定する。それらのうちの1つは、0.1msと10msとの間のパルス長である。制御ユニット13によって制御される別の要因は、パルス形状である。制御ユニット13は、正から負まで変動する電圧極性も設定する。直流による刺激の手法とは異なり、二相電流は、組織の電気分解を引き起こさず、電気分解は、皮膚の問題(皮膚の炎症、感染)を潜在的にもたらすので、敏感な患者にとって問題を提示する。制御ユニット13は、電気分解の影響を相殺する逆極性を有するパルス電流xの最適な流れを算出するように設定される。このメカニズムは、「電荷平衡パルス」という用語でも知られている。この特徴は、デバイスをより安全にする。
【0047】
好ましい実施形態では、制御ユニット13は、パルスラウンドまたはパルスバーストの流れを設定する。これは、例えば、非常に短い時間にわたって印加される20のパルスである。より長い時間間隔に関して、これらのパルスバーストは、不規則な形状の単一のパルスとして現れる。
【0048】
上記で説明したパルス設定のために、これらのパラメータに指令する制御ユニット13が必要とされる。具体的な設定のための入力として、制御ユニット13は、コントローラからの情報と、センサ17からの肢運動の周波数に関する情報とを使用する。
【0049】
効果的な治療のために、恒久的な改善が達成され得る前に、失禁を患っている患者においておよそ5回治療を繰り返すことが必要であることを臨床研究が明らかにした。これは、必然的に認識段階と治療段階の療法を再び通過しながら時間の中断とともに患者に治療を施すことを必要とし、したがって、制御ユニット13は、所与の患者に関する少なくとも1つの識別された理想的なパラメータに関する情報を含む単一の患者に関するデータをスタッフが記憶することができるメモリユニットを含む。本発明のメモリは、ローカルまたはリモートのいずれかのものの任意の種類のデータストレージであり得る。これらの記憶デバイスは、HDDおよびSSDハードドライブ、フラッシュメモリ、メモリカード、RAMデバイス、CD、DVD、Blu-ray(登録商標)ディスクなどを含む。リモート記憶ユニットは、クラウドストレージのような、デバイスをローカルネットワークまたはインターネット、GSM(登録商標)に接続することによってのみアクセス可能なものを含む。ローカルネットワーク、インターネット、またはGSM(登録商標)は、すべてネットワークサービスとして理解され得る。ネットワークは、いくつかの提示されたニューロモデュレーションデバイスによっても作成されてもよく、ここで、ニューロモデュレーションデバイスのうちの第1のものは、リモートストレージに接続され、他のものは、このニューロモデュレーションデバイスに接続される。リモートストレージに接続された他のニューロモデュレーションデバイスの間接的な接続は、好ましくはワイヤレスである。他のニューロモデュレーションデバイスは、第1のニューロモデュレーションデバイスを介してリモート記憶ユニットと通信する。第1のニューロモデュレーションデバイスは、次いで、通信データの識別部分に従って、リモート記憶ユニットからのデータを第1のニューロモデュレーションデバイスに接続された他のニューロモデュレーションデバイスにリダイレクトする。
【0050】
患者に関する記憶された情報は、処置を実行するために必要とされる時間を効果的に減少させ、それは、追加の在宅療法としても役立ち得る。場合によっては、患者は、自分自身で家庭での使用を意図した電極15を購入することができ、患者または家族がそれらを用いることを可能にする。このタイプのデバイスはまた、識別された刺激パラメータに関する記憶された情報を使用し、それに従って療法を調整することができる制御ユニット13を含む。この情報のデバイスへの入力は、本発明によって特に限定されない選択された記憶方法に依存する。好ましい実施形態では、それは、例えば、理想的な刺激パラメータを識別するために診察室内のデバイスに挿入され、家庭で使用するためのデバイスにも挿入されるSDメモリカードであり得、適切な治療設定は、識別された刺激パラメータに従う。別の好ましい実施形態では、選択された記憶デバイスは、例えば、クラウドメモリであり得る。刺激パラメータは、デバイスを介してクラウドストレージに入力され得、同じまたは任意の他のデバイスによって診療所または在宅療法においてアクセス可能にされ得る。クラウドストレージおよびそこに入力された刺激パラメータはまた、クラウドストレージに接続されたコンピュータ、タブレット、携帯電話、または他の電子デバイスを介してアクセス可能であってもよい。
【0051】
治療の持続時間を減少させることに加えて、患者データを記憶することは、他の利点を有する。個々の刺激パラメータの決定のおかげで、この情報を別の患者ファイル内に記憶する必要はない。患者の次の来院時に、必要な検索なしに情報をシステムから自動的に呼び出しだけでよい。これはまた、下手な手書きから生じる可能性がある誤りを防ぐ。誤って設定されたパラメータは、患者の状態の改善につながらない。そのような情報を含むシステムは、デバイスの使用に直接関係する統計を含めることによってさらに強化され得る。特定の周波数に関する情報に加えて、システムは、パルスの極性、それらの長さ、形状、その他のような、上記で説明したパルスに影響を及ぼす他のパラメータを記憶する。これらの統計はまた、治療情報が特定の患者について利用可能なメモリに保存される。次いで、患者に請求される額は、常に正確かつ公平に決定される。オフィス内のデバイスが実行された治療の数に応じて請求される場合、同じことは、供給者によってオフィスに請求される額にも当てはまる。そのような統計を生成するための高品質な供給源としてそのような情報を用いて作業することも可能であり、それは、次いで、臨床目的の両方に使用され得、記録された治療に基づいて将来の患者の状態の改善を予測することを可能にする。さらに、これらの統計は、デバイスの有用性を判定すること、代替治療に関連する回避されるコストを算出すること、サービス間隔を算出することなどのために有用である。
【0052】
本発明の制御ユニット13は、一体的であり得、または、デバイスは、いくつかの制御ユニット13、例えば、検出器14用の1つと、電極15を制御するための別のものとを含むことができる。デバイスがいくつかの制御ユニット13を含む場合、これらのユニットは、連続的な情報交換のための通信プロトコルを備える。治療デバイスの一部として、制御ユニット13は、医師の代わりに意思決定行為者としても働く。アナログシステムでは、誘発された運動の観察に応じて、またはそれに対するセンサ17の出力に応じて医師がパラメータを直接設定することが必要であった。これは、より低い治療効率につながる。
【0053】
センサ17から制御電子機器に運動周波数情報を送信することの利点は、製品の安全性と効率とを高めることである。刺激のための励起信号としてセンサ17からの増幅された信号のみを使用する、電子機器に接続された機械的センサ17では、潜在的に危険な状況が起こる可能性がある。医療デバイスに対するより高い要件のために、そのような手法は、臨床状態において実現可能ではなく、したがって、デバイスは、様々な状況のためのコマンドが含まれた制御ユニット13を備えなければならず、そのようにして向上したセキュリティを確実にする。これらのコマンドは、その技術レベルに応じて制御ユニット13のソフトウェアまたはファームウェアの一部であり得る。機械的センサ17も、エラー状態になりやすい。それらは、特に記録が電流による刺激のための入力として使用される場合、高い危険性を表す。これらのエラー状態は、筋肉の痙攣、またはさらに悪いことには、電極15の部位において患者に局所的なやけどを引き起こす可能性がある。より高い安全性要件を保証することを可能にする電子機器は、デジタル情報を提供するセンサ17の接続を必要とする。機械的センサ17および安全な電子機器を使用することは、センサ17と制御ユニット13との間の別のリンクを必要とし、それは、別の要素をシステムに追加することによって、デバイスの総コスト、ならびに上昇した故障率および不正確さの可能性を増加させる。
【0054】
デバイスは、コントローラ16も含む。一般に、コントローラ16は、制御ユニット13を制御するためのユーザ入力を表し、この入力は、様々な形状および形態をとることができる。コントローラ16は、上記で説明した制御ユニット13を備える。代替実施形態では、制御ユニット13は、コントローラ16の外部にある。コントローラ16は、デバイス全体の構造の一部であるが、しっかりと固定される必要はない。コントローラ16は、構造にゆるく取り付けられ得るが、少なくとも1つの位置で支持構造に対して固定可能であり得る。一実施形態では、コントローラ16は、ディスプレイデバイスとボタンとを含む。コントローラに接続されたボタンは、多段階のものであり得、オペレータによって選択されたコントローラ16の運動に応じて2つ以上の指示が与えられることを可能にする。ディスプレイデバイスは、情報をオペレータに転送するために使用される。治療を開始した後、ディスプレイデバイスは、治療ができる限り効果的であるように、デバイスを使用するための指示を示すことができる。これらは、オペレータがコントローラ16のボタンをクリックすることによって1つずつディスプレイデバイス上に表示される一連の命令の形態であり得る。表示された情報は、デバイスのコントローラ13によって制御される。
【0055】
上記で説明したニューロモデュレーションデバイスおよび他の類似のニューロモデュレーションデバイスを使用する失禁の治療方法についてさらに開示する。過活動膀胱の症状は、本発明によれば、電気パルスを生成することができる少なくとも2つの活性電極を備えるニューロモデュレーションデバイスを使用して治療される。本発明の第1のステップは、第1の1つの活性電極を患者の脚に取り付け、第2の活性電極を患者の脚のいずれかに取り付けることである。活性電極のいずれかを取り付けることは、取外し可能な電極を患者の皮膚に(経皮的に)取り付けること、または、患者の皮膚を経皮性(percutaneously)貫通させることによって患者の身体に活性電極のいずれかを取り付けること、または、長期移植のために患者の脚に活性電極を埋め込むことによって活性電極のいずれかを取り付けることとして理解されるべきである。さらに、第1の電気パルスは、第1の活性電極において患者の体内へ生成され、第2の電気パルスは、第2の活性電極において患者の体内へ生成される。さらに、本発明は、パルスの電流の流れを設定するステップを含む。本発明は、各パルスのタイミングを同期させるステップをさらに含む。
【0056】
電気パルスを生成した後、パルスは、患者の神経の枝に送達され、したがって神経を刺激し、パルスの形態で刺激を標的領域に送達する。標的領域は、仙骨神経叢または坐骨神経である。好ましい実施形態では、第1の電気パルスおよび第2の電気パルスは、交互に生成され、したがって、電気パルスの間隔は、以下、すなわち、第1の電気パルス、次いで第2の電気パルス、次いで第1の電気パルスなどのようであり得る。代替的には、間隔は、以下、すなわち、第2の電気パルス、第1の電気パルス、第2の電気パルスなどのようであり得る。好ましい実施形態のうちのいくつかでは、電気パルスは、同時に生成され得、または、第1の電気パルス、第2の電気パルス、第1の電気パルスなどのように独立して生成され得る。第1の電気パルスの1つと第2の電気パルスの1つが同時に標的に到達することが重要である。2つの独立して生成された電気パルスの同時効果は、従来技術と比較してはるかにより高い治療効果をもたらす。本発明によれば、3つ以上の活性電極が使用され、第3の活性電極が患者の身体に取り付けられ、例えば、電気パルスを生成することができる第3の活性電極が患者の脚のいずれかに取り付けられる。第3の電極は、第3の電気パルスのうちの1つ、第2の電気パルスのうちの1つ、および第1の電気パルスのうちの1つが標的領域に同時に到達するように同期される第3の電気パルスを生成する。同様に、電気パルスを生成するために、より多くの活性電極が患者の身体に取り付けられ得る。
【0057】
活性電極は、磁石3、磁極片4、電極の第1の極1、および電極の第2の極8を備える、先に説明し
図4に示した電極のような電極である。電極の別の第1の実施形態は、電極の別の実施形態は、
図1に示し先に説明した電極である。好ましくは、使用される電極は、先に説明した2つの電極、または経皮的電極の別の実施形態におけるように経皮的である。経皮的電極は、主としてそれらの使用が侵襲的処置を必要としないという理由により有利である。本発明のさらに別の実施形態では、患者の皮膚を貫通することができ、電気パルスを生成することができる経皮性電極が活性電極として使用される。本発明の実施形態のさらに別の例では、電極は、長期移植電極である。電極、例えば、第1の電極、第2の電極、および他の電極は、1つまたは複数の導体を含むことができる。任意のタイプの活性電極は、それらが電気パルスを生成することができるか、またはパルス生成器によって生成された電気パルスを患者の身体に送達することができることを特徴とする。生成器は、直接的に電極の一部である、すなわち、それは、電極内に配置されるか、またはそれは、外部にある。外部パルス生成器は、コントローラ内に配置され得、または、埋込み型電極の場合には、それは、刺激器にリモートで電力を供給する。長期移植用電極を使用する本発明の実施形態では、電極は、誘導的に「充電」され得る。この実施形態では、外部パルス生成器は、インダクタに接続され、電気パルスは、インダクタによって作成された磁場によって電極内に生成される。
【0058】
本発明の好ましい実施形態では、活性電極は、電極のいずれかによって生成された電気パルスが電気パルスを神経に伝達することができるように、末梢神経の枝に近接して取り付けられる。経皮的電極を使用する実施形態では、電極は、電極の表面が組織を介して末梢神経の枝に面するように、例えば、膝の領域内に配置される。経皮性電極または長期移植用電極を使用する実施形態では、電極は、末梢神経の枝に直接触れずに末梢神経の枝の近傍内に配置される。
【0059】
本発明の方法では、以下の神経、すなわち、腰仙骨神経叢、坐骨神経、総腓骨神経、脛骨神経、陰部神経、上殿神経、下殿神経、後大腿皮神経、内閉鎖筋神経、梨状筋、大腿方形筋神経、足底神経、尾骨神経のうちのいずれが刺激される。過活動膀胱の症状の治療において最も有利なのは、腓骨神経、陰部神経、脛骨神経、前述の神経のいずれかの組合せの刺激である。神経の刺激は、末梢神経の枝を介して電気パルスを送り、例えば、他の仙骨神経叢または坐骨神経の標的領域に神経刺激を分配することによって達成される。電極は、本発明によれば、第1の電極が坐骨神経の第1の枝に取り付けられ、第2の電極が坐骨神経の第2の枝に取り付けられるように患者に取り付けられ得、他の実施形態では、標的領域を刺激するために、複数の活性電極が坐骨神経または他の神経の複数の枝に取り付けられ得る。活性電極は、同じ脚に取り付けられ得、または各々患者の異なる脚に取り付けられ得る。場合によっては、活性電極を患者の異なる脚に取り付けることは、刺激の同時効果がより容易に達成可能であるので、治癒効果を増加させる。
【0060】
治療方法では、患者の身体上に配置された接地導体がさらに存在する。好ましくは、接地導体は、パッドの形態である。接地パッドは、患者の身体上のどこにでも配置され得る。本発明によれば、接地導体は、患者の恥骨上、下腹部、または仙骨領域上に配置される。接地導体を前記領域内に配置することによって、方法の治癒効果は、増大する。接地導体が第1および第2の電気パルスを引きつけるので、標的領域に、より効果的に到達する。加えて、接地導体は、電気パルスを生成するように構成され得、いくつかの実施形態では、接地導体は、正の電気パルスを生成し、したがって、患者の膀胱に対する鎮静効果を有する。
【0061】
提示された方法では、様々な電気パルスが使用されるべきである。本発明の好ましい実施形態では、以下の制限が電気パルスに使用される。第1の電気パルス、第2の電気パルス、または場合によっては、第3、第4、もしくは他の電極によって生成されるパルスの周波数は、0.1Hzと100Hzとの間である。前記パルスのパルス幅は、0.1msと5msとの間であり、前記パルスの電流は、0mAと250mAとの間であり、前記パルスの電圧は、0Vと90Vとの間である。異なる生理機能のためにすべての患者が治療に対して異なって反応するので、したがって、パルスのパラメータは、個々の患者によって異なる。好ましい実施形態のうちの1つでは、パラメータは、治療に対する患者の応答に従って、患者の治療の過程にわたって変化する。パラメータの調整は、治療を提供する人によって、または適切なアルゴリズムを有する制御ユニットによって自動的に行われ得る。ほとんどの患者にとって、最良の治療結果は、前記パルスの以下のパラメータ、すなわち、2.5Hzと60Hzとの間の電圧周波数および0.1msと2.5msとの間のパルス幅を使用することによって達成される。前記電気パルスの電流は、使用される電極のタイプと、その表面とにも依存する。2cm
2を超える活性表面を有する電極を使用することは、15mAと250mAとの間の前記電気パルスの電流を使用して最も効果的な治療結果を達成する。0.5cm
2と2cm
2との間の活性表面を有する電極を使用することは、0mAと15mAとの間の前記パルスの電流を使用して最も効果的な治療結果を達成する。0.5cm
2未満の活性表面を有する電極を使用することは、0mAと5mAとの間の前記パルスの電流を使用して最も効果的な治療結果を達成する。前記電気パルスの形状も、治療結果を改善するために重要であり、本発明によれば、最も効果的なのは、急な上り傾斜を有する電気パルスの形状である。したがって、有利な実施形態は、実質的に矩形または実質的に直角三角形の形状の前記電気パルスの形状を有するべきである。前記パルスは、単相性または二相性である。
【0062】
本発明のより一般的な実施形態では、バイオフィードバック信号に対応して設定された電流の流れを見る。そのようなバイオフィードバック信号は、視覚的またはセンサの決定された手段であり得る。典型的には、バイオフィードバックは、患者の下肢における痙攣の形態であり得る。
【0063】
非常に効果的な治療を確実にするために、前記パルスは、第1の電気パルスのいずれかによって患者の神経系において生成された神経刺激および第2の電気パルスのいずれかによって患者の神経系において生成された神経刺激が同時に標的領域に到達するように、第1の電気パルスによって患者の体内に生成された神経刺激および第2の電気パルスによって患者の体内に生成された神経刺激が同時に標的領域に到達するように、同期した方法で患者の身体に印加される。本発明の他の有利は実施形態では、神経刺激はまた、同期されている、三次電気パルスによっておよび/または任意の他の活性電極によって生成された任意のさらなる電気パルスによって患者の神経系において生成される。パルスの同期は、より速い回復とより短い治療セッションとが好ましくは達成されるように、より効果的な治療を提供する。パルスの同期は、本実施形態のうちの1つによれば、制御ユニットのメモリ内に記憶されたアルゴリズムによって達成され得、アルゴリズムは、電気パルスの生成のタイミングを設定する。第1の電気パルス、第2の電気パルス、および任意の他の電気パルスのバイオフィードバック、持続時間、およびパラメータを監視するセンサからのデータ、患者の以前の治療セッションのデータ、ならびに他の関連データのような複数の入力がアルゴリズムによって取得され得る。
【0064】
電極を位置決めする方法についてさらに開示し、最初に、活性電極が患者の身体に取り付けられる。好ましくは、排他的にではないが、取り付けは、患者の膝領域において行われる。取り付け後、電気パルスが活性電極において生成される。これらの電気パルスの生成後および/または生成中、患者の身体部分の反射運動が監視される。患者の身体部分の反射運動は、例えば、下肢の痙攣であり、そのような監視は、視覚的またはセンサによって行われ得る。患者の下肢の痙攣のような監視された反射運動は、その後または監視中に、予想される反射運動と比較される。決定は、人によってまたはアルゴリズムによって行われ得る。例えば、アルゴリズムは、センサによって取得されたデータを比較し、それを制御ユニットのメモリ内に記憶されたデータと比較する。例えば、そのようなデータは、時間の期間あたりの肢の痙攣の数によって表され得る。下肢の痙攣の数が、制御ユニットのメモリ内に記憶された下肢の痙攣の数と同じか、またはそれよりも多い場合、患者の身体の反射運動は、十分であると考えられる。その後、制御ユニットは、患者の身体部分の十分なまたは不十分な反射運動の達成について人に視覚的に、聴覚的に、または触覚的に知らせることができる。患者の身体の少なくとも一部の反射運動が不十分である場合、電極は、患者の身体上に再配置され、ステップが繰り返される。この方法は、患者の神経をより効果的に刺激するために、ユーザが活性電極を正確に位置決めすることを可能にする。
【0065】
上記で説明した方法は、限定はしないが、膀胱痛症候群、便失禁、または下部尿路機能障害のような他の病態の治療にも適している。
【0066】
本方法の可能な例示的実施形態のうちの1つについてさらに開示する。この例示的実施形態の目的のため、活性電極は、経皮的タイプのものであり、ニューロモデュレーションデバイスは、2つの活性電極と、接地電極と、メモリユニットと、制御ユニットと、制御ユニットに通信可能に結合された加速度計のような、患者の身体の少なくとも一部の反射運動を監視するためのセンサと、ニューロモデュレーションデバイスを制御するためのコントローラとを含む。患者または患者の医師のような人が、活性電極を患者の身体に取り付ける。人は、第1の電極を、例えば、第1の電極の活性表面が末梢神経にほぼ面するように第1の脚の膝領域内に取り付ける。人はさらに、好ましくはパッドの形態の接地電極を、患者の恥骨上、下腹部、または仙骨領域上に配置する。人はさらに、加速度計を患者の脚の上に配置する。次いで人は、第1の電気パルスの生成を開始するためにデバイスを作動させる。この例示的実施形態のでは、ニューロモデュレーションデバイスは、患者の身体の一部、この実施形態では脚の誘発された運動の十分性を患者に知らせる。初期パルスは、患者の以前の治療セッションに従ったパラメータを用いて生成され、パラメータがメモリ内に記憶されていない場合、制御ユニットは、予め設定されたデフォルトパラメータに基づいてパラメータを設定する。第1の電気パルスのパラメータは、以下の周波数間隔、すなわち、0.1Hzと100Hzとの間のいずれか、0.1msと5msとの間のパルス幅、0mAと250mAとの間の電流、0Vと90Vとの間の電圧である。制御ユニットは、第1の電気パルスを生成し、パルスのパラメータを変更する。所定の数の第1の電気パルスおよびパラメータ値の所定の数の変更後、加速度計によって監視されている脚の運動が不十分である場合、デバイスは、例えば、別の方法で聴覚的または視覚的に人に知らせる。例えば、赤色光、テキスト表示、または所定の音による。人は次いで、第1の活性電極を再配置し、脚の運動が十分になるまでプロセスを繰り返す。ニューロモデュレーションデバイスは、例えば、緑色光によって、またはテキスト表示によって、聴覚的または視覚的に、十分な反射運動を人に知らせる。一旦第1の活性電極が正確に取り付けられると、人は、第2の活性電極を患者の身体に取り付ける。この例示的実施形態では、第2の活性電極は、第1の電極と同じ方法で膝領域において患者の第2の脚に取り付けられる。第2の電極はさらに、第1の活性電極の前述の正確な位置決めと実質的に同じステップを使用して正確に位置決めされる。活性電極の両方が患者の身体に正確に配置されているので、第1の電気パルスおよび第2の電気パルスは、患者の身体に向けられ、標的領域を刺激する。パルス電流の流れは、手動でまたは制御ユニットによって設定される。好ましくは、この例示的実施形態では、第1の電気パルスおよび第2の電気パルスのパラメータは、制御ユニットを介して設定される。この実施形態では、パルスの同期は、例えば、患者の脚の反射運動のようなバイオフィードバックに基づいて、制御ユニットによって達成される。パルスのパラメータは、患者のバイオフィードバックに応じて、治療セッション中に変化してもよい。治療セッションは、典型的には15〜45分かかる。
【0067】
この例示的実施形態では、治療セッションに関する情報が収集され、さらなる使用のために隣接するまたはリモートのメモリ記憶デバイス内に記憶され得る。
【0068】
上記で説明したニューロモデュレーションデバイス、他の類似のニューロモデュレーションデバイス、または他の医療デバイスのような医療デバイスの使用に関する情報を収集する方法についてさらに開示する。医療デバイスは、メモリと制御ユニットとを備える。そのような前記医療デバイスは、例えば、治療用医療デバイス、外科用デバイス、または診断用医療デバイスであり得る。方法は、第1のステップを含み、そこで、制御ユニットからの情報が収集され、その後、収集された情報は、制御ユニットからメモリに送信される。情報をメモリに送信した後、情報は、データベース内に記憶される。データベース内に記憶された情報は、例えば、コントロールパネル、コンピュータ、またはデータベースへのアクセスを有する他の電子デバイスを使用することによって、後にデータベースから呼び出される。制御ユニットは、限定はしないが、GSM(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、無線周波数、赤外線通信、LAN、USB、およびワイヤレスインターネット接続のような様々な通信プロトコルを使用してメモリと通信することができる。実施形態のうちの1つでは、メモリは、クラウド、リモートサーバ、またはリモートデータストレージにおいて記憶されるなど、医療デバイスから離間し得る。実施形態のうちの1つでは、識別番号が医療デバイスおよび/または患者に割り当てられる。実施形態のうちの1つでは、識別番号は、特定の情報にも割り当てられる。識別番号に従って、メモリは、患者に支払いおよび適切な治療パラメータを割り当てることができる。例えば、医療デバイスとリモートタイプのメモリとを使用して、任意の医療デバイスは、患者に関する情報を呼び出し、患者のニーズに従って治療パラメータを調節することができ、支払いも、患者の識別番号に従って向けられ得る。医療デバイスのリモートメモリにアクセスすることは、クラウドのようなリモートメモリに接続することによって、または、医療デバイス間で確立された接続を介して医療デバイスに隣接するメモリに接続することによって達成され得る。実施形態のうちの1つでは、いくつかの医療デバイスが通信ネットワークを作成することができ、医療デバイスのうちの1つは、メモリに接続することができ、他の医療デバイスは、前記1つの医療デバイスと通信することによってメモリにアクセスすることができる。
【0069】
実施形態のうちの1つによれば、データベース内に記憶された情報は、患者の医師および/または患者の電子カルテに送信される。自動的に、またはデバイスを介して患者の要求に応じて情報を送信することは、特に患者自身によって行われる在宅治療の間、患者および患者の医師にとって便利である。データベース内に記憶されたデータは、各ユーザの経過を評価するためにも使用され得る。また、データベース内に記憶された情報は、医療デバイスの使用の長期統計記録を提供することができる。そのようなフィードバックは、それに応じてデバイスを微調整し、デバイスの開発のために十分なデータを得るために製造業者にとって重要である。そのような長期統計に使用される情報、例えば、ニューロモデュレーションデバイスの使用に関するデータは、以下、すなわち、ユーザの数に関するデータ、使用の強度に関するデータ、支払いの数に関するデータ、現在の強度に関するデータ、またはパルスの周波数に関するデータのいずれかであってもよい。