(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から一方の側に複数のリードが並べて突設され、相対する他方の側に一つの放熱リードが突設された表面実装部品を搭載する表面実装部品搭載用のプリント配線板と、その搭載方法に関する発明が知られている(下記特許文献1を参照)。この発明は、表面実装部品をはんだ付けによって搭載するとき、表面実装部品がはんだのぬれの力によって放熱リードの側により強く引っ張られて位置ずれを起こすのを防止するものである。
【0003】
特許文献1に記載されたプリント配線板は、リードがはんだ付けされる第1のパッドと、放熱リードがはんだ付けされる第2のパッドとを備えている。この第2パッドは、プリント配線板に設けられた放熱導体パターンの特定領域部分である。この特定領域部分は、プリント配線板に搭載される表面実装部品側の第2パッドの縁に隣接して放熱リードに対応する形状と寸法をもつ主部と、この主部から搭載される表面実装部品のリードと放熱リードの相対方向に突出する副部とからなる。この第2パッドは、特定領域部分を除く放熱導体パターンの全表面がレジストによって被覆されている(特許文献1、請求項1等を参照)。
【0004】
また、実装の際に角度ずれが小さいことが要求される電子部品の実装構造に関し、特に電流センサや加速度センサ等のセンシング軸を有した電子部品の実装構造に関する発明が知られている(下記特許文献2を参照)。特許文献2に記載された電子部品の実装構造は、複数の接続ランドが設けられた基板上に、前記接続ランドとはんだ付けされる金属製のリード端子を複数有した電子部品を実装するものである。上記電子部品は、略直方体形状の基体の側面から複数のリード端子を延出させている。
【0005】
上記複数のリード端子は、上記基体の四隅のうち、少なくとも2個所に設けられたアライメント用リード端子と、このアライメント用リード端子を除く電気的に上記基体内の電子回路に接続される電極リード端子とからなる。上記アライメント用リード端子は、電極リード端子より長く延出されている。また、上記複数の接続ランドは、上記アライメント用リード端子とはんだ付けされるアライメント用接続ランドと、上記電極リード端子とはんだ付けされる電極用接続ランドとからなる。上記アライメント用接続ランドの長さは、上記電極用接続ランドの長さよりも長い(特許文献2、請求項1等を参照)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の電子回路基板の実施の形態を説明する。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る電子回路基板100の要部を拡大した平面図である。
図2は、
図1に示す電子回路基板100のII-II線に沿う断面図である。
図3は、
図1に示す電子回路基板100のIII-III線に沿う断面図である。
【0015】
本実施形態の電子回路基板100は、たとえば、車載用の電子制御ユニットの一部を構成するものである。車載用の電子回路基板100は、たとえば、温度変化による熱応力や、振動、衝撃などの外力の影響を受けやすい比較的に厳しい環境で用いられるため、高い信頼性が要求される。電子回路基板100は、プリント配線板10と、このプリント配線板10の表面に実装された電子部品20とを備えている。
【0016】
図4は、
図1に示す電子回路基板100を構成するプリント配線板10の要部を拡大した平面図である。プリント配線板10は、電子部品20が実装される表面に沿う一方向D1に並んだ第1ランド11と第2ランド12を有している。図示は省略するが、プリント配線板10は、たとえば、絶縁性を有する素材からなる基板の表面に印刷された電子回路の配線を有し、基板の表面や配線の一部がソルダーレジストによって被覆されている。第1ランド11と第2ランド12は、たとえば、プリント配線板10の電子回路の配線に電子部品20をはんだ接合するための部分である。
【0017】
第1ランド11と第2ランド12は、プリント配線板10の表面に沿う一方向D1において、それぞれ、互いに近接する内側縁11a,12aと、この内側縁11a,12aと反対側で互いに離隔する外側縁11b,12bとを有している。本実施形態において、プリント配線板10は、一の第1ランド11と複数の第2ランド12を有しているが、複数の第1ランド11と一または複数の第2ランド12を有してもよく、一の第1ランド11と一の第2ランド12を有してもよい。第1ランド11の表面積は、たとえば、個々の第2ランド12の表面積よりも大きく、複数の第2ランド12の表面積の合計よりも大きくなっている。
【0018】
第1ランド11は、たとえば、上記一方向D1に並んだ主部11cと延出部11dを有している。第1ランド11の主部11cは、第1ランド11の大部分を占める内側縁11a側の矩形の部分である。第1ランド11の延出部11dは、上記一方向D1に直交してプリント配線板10の表面に沿う方向D2において、主部11cよりも寸法が拡大され、両端部が主部11cの両側縁11e,11fから突出した外側縁11b側の部分である。第1ランド11の延出部11dは、
図1および
図2に示すように、上記一方向D1において、プリント配線板10に実装される電子部品20の本体部21の側縁21aよりも外側へ延出するように設けられている。
【0019】
第1ランド11は、たとえば、外側縁11bから上記一方向D1へ突出する突出部11gを有している。この突出部は、
図1および
図3に示すように、電子部品20の実装時にはんだフィレットSfが形成される部分であり、電子部品20の実装後の検査において、はんだフィレットSfを確認するために設けられている。本実施形態において、第1ランド11の突出部11gは、矩形の形状を有しているが、突出部11gの形状は、特に限定されない。突出部11gの表面積は、第1ランド11の突出部11g以外の部分の表面積よりも小さい。
【0020】
電子部品20の周囲に十分な配線スペースおよび実装スペースを確保する観点から、突出部11gは、たとえば、自動光学検査においてはんだフィレットSfの検査が可能な範囲で、できるだけ小さいことが好ましい。具体的には、上記一方向D1および上記一方向D1に直交する方向D2の寸法を、たとえば、1mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.25mm程度にすることができる。
【0021】
第1ランド11は、たとえば、表面に複数のサーマルビア14の開口14aを有している。サーマルビア14は、たとえば、第1ランド11およびプリント配線板10を貫通する貫通孔である。サーマルビア14は、たとえば、内壁面に銅めっきが施され、第1ランド11にはんだ接合される放熱部22の熱をプリント配線板10の裏面等に放熱させる。
【0022】
第1ランド11は、たとえば、表面の一部がソルダーレジスト13によって被覆されている。ソルダーレジスト13は、サーマルビア14の配列方向、たとえば、上記一方向D1およびそれに直交する方向D2に、それぞれ帯状に形成されている。サーマルビア14は、第1ランド11の表面のソルダーレジスト13によって被覆された領域に、銅めっきの内側の貫通孔が開口している。
【0023】
第2ランド12は、たとえば、長方形の形状を有し、第1ランド11から上記一方向D1に所定の距離だけ離隔した位置に形成されている。本実施形態において、第2ランド12は、上記一方向D1に直交する方向D2に4つが所定の間隔をあけて並んで設けられている。第2ランド12は、上記一方向D1に直交する方向D2において、互いに近接する2つの第2ランド12の組が、間隔をあけて2組設けられている。2組の間の間隔は、各組の第2ランド12の間の間隔よりも広くなっている。
【0024】
図5は、
図1に示す電子回路基板100を構成する電子部品20の下面図である。本実施形態において、電子部品20は、たとえば、最大定格のコレクタ損失が1W以上のパワートランジスタである。なお、電子回路基板100は、パワートランジスタに限定されず、任意の電子部品20を搭載することができる。
【0025】
電子部品20は、たとえば、本体部21と、本体部21に設けられた放熱部22と、本体部21から一方向D1に延びるリード端子23とを備えている。電子部品20の本体部21は、たとえば、パワートランジスタにおけるモールド部である。電子部品20の放熱部22は、たとえば、パワートランジスタにおけるヒートシンクである。なお、放熱部22は、接地され、電源に接続され、または電子回路の配線に接続される電子部品20の電極部であってもよい。
【0026】
電子部品20は、第1ランド11にはんだ接合される第1接合部24と、第2ランド12にはんだ接合される第2接合部25とを有している。また、電子部品20の第1接合部24と第2接合部25は、上記一方向D1において、それぞれ、互いに近接する内側縁24a,25aと、この内側縁24a,25aと反対側で互いに離隔する外側縁24b,25bとを有している。
【0027】
本実施形態において、第1接合部24は、第1ランド11に対向する放熱部22の表面であり、第2接合部25は、第2ランド12に対向するリード端子23の先端部である。より詳細には、第1接合部24は、第1ランド11の突出部11g、ソルダーレジスト13が形成された領域、およびサーマルビア14の開口14aを除く部分に対向する放熱部22の表面である。すなわち、本実施形態において、電子部品20の第1接合部24は、複数の領域に分割されている。
【0028】
図4および
図5に示すように、電子部品20の放熱部22は、たとえば、突出部11gを除く第1ランド11と同一の形状および同一の寸法を有している。すなわち、第1ランド11が突出部11gを有しない場合に、第1ランド11の平面形状と放熱部22の平面形状は合同である。そのため、
図1に示す平面視で、第1接合部24の四方の側縁24a,24b,24c,24dは、第1ランド11の四方の側縁11a,11b,11e,11fに重なる。換言すると、
図1に示す平面視で、放熱部22と第1ランド11は、全体がぴったりと重なっている。
【0029】
すなわち、本実施形態の電子回路基板100は、上記一方向D1に直交し、かつプリント配線板10の表面に沿う方向D2において、電子部品20の第1接合部24の両側縁24c,24dの位置が、プリント配線板10の第1ランド11の両側縁11e,11fの位置に揃えられている。ここで、側縁11eと側縁24c、および、側縁11fと側縁24dの位置が揃えられているとは、たとえば、プリント配線板10の表面に垂直な方向において、側縁11eと側縁24c、および、側縁11fと側縁24dが、互いに重なるように配置されていることを意味する。換言すると、第1接合部24の両側縁24c,24dと第1ランド11の両側縁11e,11fは、それぞれ、プリント配線板10の表面に垂直で上記一方向D1に平行な一の平面上に配置され、上記一方向D1に交差する方向D2に段差なく面一に配置されている。
【0030】
なお、プリント配線板10の表面に垂直な方向において、第1接合部24の両側縁24c,24dと第1ランド11の両側縁11e,11fが完全に重なる場合だけでなく、許容範囲の微小な位置ずれは、上記一方向D1と直交する方向D2において両側縁の位置が揃えられている場合に含まれる。このような許容範囲の位置ずれは、たとえば、はんだ接合のときに溶融したはんだの表面張力や、はんだが凝固するときの収縮などによる微小な位置ずれであり、たとえば、0.1mm以下の位置ずれである。
【0031】
本実施形態において、第1ランド11と第1接合部24の接合面積は、第2ランド12と第2接合部25の接合面積よりも大きい。より詳細には、第1ランド11と電子部品20の第1接合部24の接合面積は、第1ランド11の突出部11g、ソルダーレジスト13が形成された領域、およびサーマルビア14の開口14aを除く部分の面積以上で、放熱部22の第1ランド11に対向する面すなわち第1接合部24の面積以下になる。第2ランド12と電子部品20の第2接合部25の接合面積は、複数の第2ランド12に対向する複数のリード端子23の先端部の面積の和におおむね等しい。
【0032】
本実施形態の電子回路基板100は、
図1および
図2に示すように、上記一方向D1において、第1接合部24の外側縁24bの位置が、第1ランド11の外側縁11bの位置に揃えられていることを最大の特徴としている。ここで、上記一方向D1において外側縁24b,11bの位置が揃えられているとは、たとえば、プリント配線板10の表面に垂直な方向において、外側縁24b,11bが重なるように配置されていることを意味する。換言すると、第1接合部24の外側縁24bと第1ランド11の外側縁11bは、プリント配線板10の表面に垂直で上記一方向D1に垂直な一の平面上に配置され、上記一方向D1に段差なく面一に配置されている。
【0033】
なお、プリント配線板10の表面に垂直な方向において、外側縁24b,11bが完全に重なる場合だけでなく、はんだ接合のときに溶融したはんだの表面張力や、はんだが凝固するときの収縮などによる微小な位置ずれは、上記一方向D1において外側縁24b,11bの位置が揃えられている場合に含まれる。このような許容される微小な位置ずれは、たとえば、0.1mm以下である。
【0034】
また、本実施形態の電子回路基板100は、上記一方向D1において、第2接合部25の外側縁25bと内側縁25aは、第2ランド12の外側縁12bと内側縁12aの間に位置している。第2接合部25の外側縁25bと第2ランド12の外側縁12bとの間の距離d1、および、第2接合部25の内側縁25aと第2ランド12の内側縁12aとの間の距離d2は、電子部品20の寸法公差、電子部品20の許容される位置ずれ、および自動光学検査に必要な寸法等を考慮して、たとえば0.5mm程度に設定される。
【0035】
また、上記一方向D1において、電子部品20の放熱部22の端部は、本体部21の外側に突出している。また、上記一方向D1において、リード端子23は、放熱部22の突出方向とは反対の方向に延びている。これにより、上記一方向D1において、第1接合部24の外側縁24bと第2接合部25の外側縁25bが、電子部品20の本体部21の両側縁21a,21aの外側に位置している。
【0036】
また、上記一方向D1における電子部品20の放熱部22の本体部21からの突出量よりも、本体部21から上記一方向D1に延びるリード端子23の先端部までの寸法の方が大きくなっている。これにより、上記一方向D1において、第1接合部24の外側縁24bと本体部21の一側縁21aとの距離d3は、第2接合部25の外側縁25bと、本体部21の他側縁21aとの距離d4よりも小さくなっている。
【0037】
また、上記一方向D1において、電子部品20の本体部21の一側縁21aから突出した放熱部22の端部と反対側の端部は、本体部21とプリント配線板10との間に位置している。一方、電子部品20のリード端子23の先端部は、電子部品20の本体部21の外側に延出している。これにより、一方向D1において、電子部品20の第1接合部24の内側縁24aは、電子部品20の本体部21の両側縁21a,21aの内側に位置し、電子部品20の第2接合部25の内側縁25aは、本体部21の両側縁21a,21aの外側に位置している。
【0038】
また、本実施形態の電子回路基板100において、電子部品20の第1接合部24および第2接合部25ならびにプリント配線板10の第1ランド11および第2ランド12は、上記一方向D1に非対称に設けられている。具体的には、上記一方向D1において、接合面積の大きい第1ランド11と第1接合部24は、電子部品20の片側に設けられている。また、上記一方向D1において、接合面積の小さい第2ランド12と第2接合部25は、電子部品20の反対側に設けられている。
【0039】
以下、本実施形態の電子回路基板100の作用について、比較例の電子回路基板900との対比に基づいて説明する。
【0040】
図8は、
図2に相当する比較例の電子回路基板900の断面図である。比較例の電子回路基板900は、電子部品20の第1接合部24の外側縁24bの位置が、プリント配線板10の第1ランド11の外側縁11bの位置に揃えられていない点で、本実施形態の電子回路基板100と異なっている。比較例の電子回路基板900のその他の構成は、本実施形態の電子回路基板100の構成と同様であるので、同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
比較例の電子回路基板100において、電子部品20を実装するには、まず、第1ランド11と第2ランド12の表面に、たとえば、はんだペーストを印刷する。次に、2点鎖線で示すように、電子部品20の第1接合部24を第1ランド11上に配置し、第2接合部25が、上記一方向D1において、第2ランド12の内側縁12aと外側縁12bとの間に位置するように、電子部品20を配置する。次に、はんだリフロー工程により、はんだペーストを加熱して、電子部品20の第1接合部24および第2接合部25を、プリント配線板10の第1ランド11と第2ランド12にはんだ接合する。
【0042】
ここで、第1接合部24と第1ランド11の接合面積は、第2接合部25と第2ランド12の接合面積よりも大きい。そのため、第1接合部24と第1ランド11の間のはんだS1の体積は、第2接合部25と第2ランド12の間のはんだS2の体積よりも大きくなる。具体的には、第1接合部24と第1ランド11の間のはんだS1の体積は、第2接合部25と第2ランド12の間のはんだS2の体積の数倍程度、たとえば5倍程度になる場合がある。このような場合、第1接合部24と第1ランド11の間で溶融したはんだS1は、第2接合部25と第2ランド12の間で溶融したはんだS2よりも、体積が大きく、より広い範囲にぬれ拡がる。
【0043】
ここで、比較例の電子回路基板900では、上記一方向D1において、電子部品20の第1接合部24の外側縁24bの位置が、プリント配線板10の第1ランド11の外側縁11bの位置に揃えられていない。そのため、より体積が大きくより広い範囲にぬれ拡がる第1接合部24と第1ランド11の間のはんだS1の表面張力によって、電子部品20が第1ランド11に引き寄せられる。すると、電子部品20が、許容範囲を超えて位置ずれを起こし、たとえば、電子部品20の第2接合部25の内側縁25aが、第2ランド12の外側へ移動して、第2接合部25と第2ランド12の接合不良が生じるおそれがある。また、電子部品20が、上記一方向D1において第2ランド12から第1ランド11へ向かう方向へ位置ずれを起こすと、電子部品20の第2接合部25を第2ランド12に接合するはんだのフィレットが異形になる。より詳細には、電子部品20の第2接合部25の外側縁25b側ではんだのフィレットの形状が乱れ、電子部品20の第2接合部25の内側縁25a側ではんだのフィレットが形成されない。また、電子部品20が許容範囲を超えて位置ずれを起こした場合、その電子回路基板900は廃棄され、歩留まりが低下する。
【0044】
これに対し、本実施形態の電子回路基板100は、比較例の電子回路基板900と同様に、プリント配線板10と、このプリント配線板10の表面に実装された電子部品20とを備えている。プリント配線板10は、上記表面に沿う一方向D1に並んだ第1ランド11と第2ランド12を有している。電子部品20は、第1ランド11にはんだ接合される第1接合部24と、第2ランド12にはんだ接合される第2接合部25とを有している。第1ランド11と第1接合部24の接合面積は、第2ランド12と第2接合部25の接合面積よりも大きい。第1ランド11と第2ランド12は、上記一方向D1において、それぞれ、互いに近接する内側縁11a,12aと、この内側縁11a,12aと反対側で互いに離隔する外側縁11b,12bとを有している。第1接合部24と第2接合部25は、上記一方向D1において、それぞれ、互いに近接する内側縁24a,25aと、この内側縁24a,25aと反対側で互いに離隔する外側縁24b,25bとを有している。そして、本実施形態の電子回路基板100は、比較例の電子回路基板900と異なり、上記一方向D1において、第1接合部24の外側縁24bの位置が、第1ランド11の外側縁11bの位置に揃えられている。
【0045】
この構成により、電子部品20の第1接合部24および第2接合部25を、プリント配線板10の第1ランド11と第2ランド12にはんだ接合するときに、体積が大きい第1接合部24と第1ランド11の間のはんだS1が、上記一方向D1において第2ランド12から離れる方向にぬれ拡がることが防止される。これにより、電子部品20が、上記一方向D1において第2ランド12から離れる方向に許容範囲を超えて位置ずれを起こすことが防止され、電子部品20の第1接合部24および第2接合部25と、プリント配線板10の第1ランド11および第2ランド12との接合不良の発生を防止することができる。したがって、本実施形態の電子回路基板100によれば、製造不良を低減し、歩留まりを向上させることができる。また、本実施形態の電子回路基板100は、従来のように、レジストを被覆するための広いスペースや、アライメント用リード端子とアライメント用接続ランドのためのスペースを確保する必要がない。したがって、本実施形態の電子回路基板100によれば、電子部品20の周囲に余分なスペースを必要とすることなく電子部品20の実装時の位置ずれを防止することができる。
【0046】
また、本実施形態の電子回路基板100は、前述のように、上記一方向D1において、第2接合部25の外側縁25bと内側縁25aが、第2ランド12の外側縁12bと内側縁12aの間に位置している。これにより、電子部品20の第2接合部25と、プリント配線板10の第2ランド12との接合不良の発生をより確実に防止し、電子回路基板100の信頼性をより向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態の電子回路基板100は、前述のように、上記一方向D1において、第1接合部24の外側縁24bと第2接合部25の外側縁25bが電子部品20の本体部21の両側縁21a,21aの外側に位置している。また、上記一方向D1において、第1接合部24の外側縁24bと本体部21の一側縁21aとの距離d3は、第2接合部25の外側縁25bと、本体部21の他側縁21aとの距離d4よりも小さい。これにより、接合面積が第2接合部25と第2ランド12よりも大きい第1接合部24と第1ランド11の接合に必要なスペースを減少させ、電子部品20の周囲により広いスペースを確保することができる。
【0048】
また、本実施形態の電子回路基板100は、前述のように、上記一方向D1において、第1接合部24の内側縁24aは、本体部21の両側縁21a,21aの内側に位置し、第2接合部25の内側縁25aは、本体部21の両側縁21a,21aの外側に位置している。これにより、接合面積が第2接合部25と第2ランド12よりも大きい第1接合部24と第1ランド11の接合に必要なスペースを減少させ、電子部品20の周囲により広いスペースを確保することができる。
【0049】
また、本実施形態の電子回路基板100は、前述のように、上記一方向D1において、第2ランド12と第2接合部25は、電子部品20の片側に設けられている。このように、上記一方向D1において第1接合部24と第2接合部25が非対称な電子部品20は、はんだ接合時に位置ずれを起こしやすくなるが、本実施形態の電子回路基板100によれば、前述の構成によって電子部品20の位置ずれを防止し、接続信頼性を向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態の電子回路基板100は、前述のように、上記一方向D1に直交し、かつプリント配線板10の表面に沿う方向D2において、第1接合部24の両側縁24c,24dの位置が、第1ランド11の両側縁11e,11fの位置に揃えられている。これにより、溶融したはんだS1が上記一方向D1に直交し、かつプリント配線板10の表面に沿う方向D2にぬれ拡がるのが防止される。そのため、当該方向D2に第1接合部24に位置ずれすることが防止され、電子部品20の回転や位置ずれをより確実に防止することができる。したがって、電子回路基板100の信頼性をより向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態の電子回路基板100は、前述のように、第1ランド11が、外側縁から上記一方向D1へ突出する突出部11gを有している。これにより、第1接合部24の外側縁24bの位置が第1ランド11の外側縁11bの位置に揃えられていても、突出部11gに形成されたはんだフィレットSfを自動光学検査において確認することができ、第1接合部24と第1ランド11のはんだ接合の信頼性を向上させることができる。
【0052】
また、本実施形態の電子回路基板100は、前述のように、電子部品20が、本体部21と、この本体部21に設けられた放熱部22と、本体部21から上記一方向D1に延びるリード端子23とを備えている。そして、第1接合部24は、第1ランド11に対向する放熱部22の表面であり、第2接合部25は、第2ランド12に対向するリード端子23の先端部である。放熱部22と第1ランド11との接合面積は、たとえば、リード端子23の先端部と第2ランド12との接合面積よりも数倍大きく、放熱部22と第1ランド11の接合に用いられるはんだS1の体積も、リード端子23の先端部と第2ランド12の接合に用いられるはんだS2の体積よりも数倍大きくなる。本実施形態の電子回路基板100によれば、このような場合でも、前述の構成によって電子部品20の位置ずれを防止し、信頼性を向上させることができる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態の電子回路基板100によれば、電子部品20の周囲に余分なスペースを必要とすることなく電子部品20の実装時の位置ずれを防止し、たとえば車載用の電子回路基板100として要求される高い信頼性を確保することができる。
【0054】
(実施形態2)
次に、
図6および
図7を参照して、本発明の実施形態2に係る電子回路基板200について説明する。
【0055】
図6は、本発明の実施形態2に係る電子回路基板200の要部を拡大した平面図である。
図7は、
図6に示すVII-VII線に沿う断面図である。本実施形態の電子回路基板200は、以下に説明するいくつかの構成を除いて、前述の実施形態1の電子回路基板100と同様の構成を有している。そのため、本実施形態の電子回路基板200において、前述の実施形態1の電子回路基板100と同様の部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0056】
本実施形態の電子回路基板200は、上記一方向D1において、第1ランド11の外側縁11bと内側縁11aが電子部品20の本体部21の両側縁21a,21aの内側に位置している。また、上記一方向D1において、第2ランド12と第2接合部25は、電子部品20の両側に設けられている。なお、第2ランド12と第2接合部25は、上記一方向D1に直交し、かつプリント配線板10の表面に沿う方向D2においても、電子部品20の両側に設けられていてもよい。
【0057】
本実施形態の電子回路基板200は、電子部品20の一側の第2ランド12と第2接合部25に着目すると、前述の実施形態1の電子回路基板100と同様に、上記一方向D1において、第1接合部24の外側縁24bの位置は、第1ランド11の外側縁11bの位置に揃えられている。また、電子部品20の一側と反対側の第2ランド12と第2接合部25に着目すると、上記一方向D1において、前述の実施形態1の電子回路基板100と同様に、第1接合部24の外側縁24bの位置は、第1ランド11の外側縁11bの位置に揃えられている。
【0058】
また、本実施形態の電子回路基板200は、電子部品20の一側と他側のそれぞれの第2接合部25と第2ランド12に着目すると、前述の実施形態1の電子回路基板100と同様に、上記一方向D1において、第2接合部25の外側縁25bと内側縁25aは、第2ランド12の外側縁12bと内側縁12aの間に位置している。また、本実施形態の電子回路基板200は、前述の実施形態1の電子回路基板100と同様に、上記一方向D1に直交し、かつプリント配線板10の表面に沿う方向D2において、第1接合部24の両側縁24c,24dの位置は、第1ランド11の両側縁11e,11fの位置に揃えられている。
【0059】
したがって、本実施形態の電子回路基板200によれば、前述の実施形態1の電子回路基板100と同様に、電子部品20の周囲に余分なスペースを必要とすることなく電子部品20の実装時の位置ずれを防止し、たとえば車載用の電子回路基板200として要求される高い信頼性を確保することができる。
【0060】
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。