(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6943962
(24)【登録日】2021年9月13日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】マルチ圧力定格バルブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20210927BHJP
【FI】
F16K27/00 B
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-534321(P2019-534321)
(86)(22)【出願日】2017年12月8日
(65)【公表番号】特表2020-502451(P2020-502451A)
(43)【公表日】2020年1月23日
(86)【国際出願番号】US2017065253
(87)【国際公開番号】WO2018118457
(87)【国際公開日】20180628
【審査請求日】2019年8月20日
(31)【優先権主張番号】15/390,147
(32)【優先日】2016年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】クライン,ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ファデル,ポール
【審査官】
西井 香織
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0327165(US,A1)
【文献】
実公昭47−018941(JP,Y1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0211739(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00 − 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブアセンブリのためのマルチシートボンネットであって、
前記マルチシートボンネットを前記バルブアセンブリに固定するように構成されたロッキング機構;
マルチシートボンネットの端部且つボンネット開口部の周囲に配置された第1シーリング面であって、マルチシートボンネットが高圧マニホールドと係合するとき高圧ボンネットシールを形成するため高圧マニホールドの高圧シートと係合するように構成された第1シーリング面;及び
マルチシートボンネットが低圧マニホールドと係合するとき低圧ボンネットシールを形成するため低圧マニホールドの低圧シートと係合するように構成された第2シーリング面
を含み、
高圧ボンネットシールは、低圧ボンネットシールよりも高い圧力定格を含み、
マルチシートボンネットは、高圧マニホールド又は低圧マニホールドのいずれか一方と係合する、
マルチシートボンネット。
【請求項2】
ステムが高圧シート又は低圧シートのいずれか一方と係合するように、前記バルブアセンブリの前記ステムが開口部を越えて突出できるように、ボンネット開口部が構成される、請求項1記載のマルチシートボンネット。
【請求項3】
第1シーリング面が高圧シートと係合するように、前記第1シーリング面が、前記ボンネット開口部に隣接して位置付けられた、請求項2記載のマルチシートボンネット。
【請求項4】
第1シーリング面が高圧シートの1つ以上の面と係合するように、
前記第1シーリング面が、
前記ボンネット開口部の第1側面に隣接して配置された第1の面部分と、前記ボンネット開口部の第2側面に隣接して配置された第2の面部分とを含む、請求項3記載のマルチシートボンネット。
【請求項5】
前記第1の面部分と前記第2の面部分が、前記高圧シートの高圧シート面と係合して、高圧バウンダリを形成する、請求項4記載のマルチシートボンネット。
【請求項6】
前記高圧バウンダリが、前記高圧シートを漏れから防ぐ、請求項5記載のマルチシートボンネット。
【請求項7】
前記高圧シートが、10,000PSIの圧力定格を含む、請求項1記載のマルチシートボンネット。
【請求項8】
前記第2シーリング面が、第1の面部分と第2の面部分とを含み、
第1の面部分と第2の面部分が、それぞれ、前記低圧シートの第1低圧シート面と第2低圧シート面と係合する、請求項1記載のマルチシートボンネット。
【請求項9】
前記第1の面部分と前記第2の面部分が、それぞれ、前記第1シーリング面に対して45度の角度で各々伸長する、請求項8記載のマルチシートボンネット。
【請求項10】
前記低圧シートが、6,092PSIの圧力定格を含む、請求項1記載のマルチシートボンネット。
【請求項11】
前記ロッキング機構が、ボンネットロックを含む、請求項1記載のマルチシートボンネット。
【請求項12】
バルブ本体;
前記バルブ本体内に配置されたステムであって、高圧マニホールドの高圧シート又は低圧マニホールドの低圧シートのいずれか一方と係合することで流体の流れを制限するように構成されたステムチップを含むステム;
前記バルブ本体を取り囲むマルチシートボンネット、を含み、
前記マルチシートボンネットは
前記ステムが前記バルブ本体から突出できるように構成された開口部;
開口部の端部に配置された第1シーリング面であって、マルチシートボンネットが高圧マニホールドと係合するとき高圧マニホールドの高圧シートと高圧ボンネットシールを形成するように構成された第1シーリング面;
マルチシートボンネットが低圧マニホールドと係合するとき低圧マニホールドの低圧シートと低圧ボンネットシールを形成するように構成された第2シーリング面を含み、
第1シーリング面は、第2シーリング面よりも高い圧力定格を含み、
マルチシートボンネットは、高圧マニホールド又は低圧マニホールドのいずれか一方と係合する、マルチ圧力バルブアセンブリ。
【請求項13】
前記ステムに結合されたハンドルをさらに含み、前記ハンドルは、前記ステムがボンネット開口部を越えて突出するように作動可能である、請求項12記載のマルチ圧力バルブアセンブリ。
【請求項14】
前記第1シーリング面が、10,000PSIの圧力定格に準拠した高圧シートで第1のシールを形成するように構成された、請求項12記載のマルチ圧力バルブアセンブリ。
【請求項15】
前記第2シーリング面が、6,092PSIの圧力定格に準拠した低圧シートで第2のシールを形成するように構成された、請求項12記載のマルチ圧力バルブアセンブリ。
【請求項16】
前記第2シーリング面が、第1の部分と第2の部分とを含み、前記第1及び第2の部分は、前記第1シーリング面に関して斜めに伸長するように構成された、請求項12記載のマルチ圧力バルブアセンブリ。
【請求項17】
前記高圧シートは高圧マニホールドアセンブリの高圧チャネル内に位置付けられ、
前記低圧シートは低圧マニホールドアセンブリの低圧チャネル内に位置付けられ、
高圧ボンネットシールは流体が前記高圧チャネルを漏れ出るのを防ぐ圧力バウンダリを形成し、
低圧ボンネットシールは、流体が前記低圧チャネルを漏れ出ることを防ぐ圧力バウンダリを形成する、請求項12記載のマルチ圧力バルブアセンブリ。
【請求項18】
マニホールドでマルチシートバルブアセンブリを据え付ける方法であって、
マルチシートボンネットを前記マルチシートバルブアセンブリに固定することと;
前記マルチシートボンネットを圧力チャネル中に挿入することと;
前記圧力チャネルの第1シーリング面を、マルチシートボンネットの第1ボンネットシーリング面と係合すること、圧力チャネルの第2シーリング面を、マルチシートボンネットの第2ボンネットシーリング面と係合すること、第1シーリング面がマルチシートボンネットの端部且つボンネット開口部の周囲に配置されることと;
前記マルチシートバルブアセンブリを前記マニホールドにシーリングすること;を含み、
第1ボンネットシーリング面は、第2ボンネットシーリング面とは異なる圧力定格を含む方法。
【請求項19】
前記マニホールドに準拠した圧力適用を決定することをさらに含む、請求項18記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、一般的にプロセス圧力測定に関連する。より具体的には、限定によるものではなく、本開示は、多様な圧力定格をサポートするように構成された機械的特徴を有する圧力トランスミッタアセンブリに関連する。
【0002】
現在、幅広い様々なプロセス環境がある。プロセス環境は、有益な出力としてプロセス変量を提供する1つ以上のシステムを含み得る。用語プロセス変量は、一般的に化学的又は物理的特徴のようなプロセスの特徴を指し、これはプロセス中の様々な要因に基づいて変化し得る。プロセス変量の例は、圧力、温度、流れ、伝導率、pH、及び他の特性を含み得る。プロセス環境を監視することの1つの目標は、プロセス測定を得ることである。例えば、圧力は、一般的に2つの圧力の差である流れの測定のために使用される基本的なプロセス変量であると考えられる。
【0003】
プロセス測定を得るために、多くのプロセス環境はプロセストランスミッタを含む。プロセストランスミッタは普通、感知要素で測定されたプロセス変量に応答するセンサを含む。感知要素は、記録及び/又は制御のための出力として、変量を標準化された伝送信号に変換する。工業プロセス、例えば、スラリー、液体、化学物質中の蒸気及び気体、パルプ、石油、気体、薬剤、食品、並びにその他のプロセスプラントを非限定的に含む様々なプロセス環境での様々なプロセス変量を測定するために、工業プロセストランスミッタが使用され得る。プロセストランスミッタのある特定のタイプは、液体圧力トランスミッタを含む。
【0004】
圧力トランスミッタは典型的に、マニホールドによってプロセスに結合される。よってマニホールドは、プロセスとトランスミッタとの間のアセンブリであり得、測定のために、プロセス流体を1つ以上のチャネルを通してトランスミッタに運ぶ。マニホールドは、一体型のマニホールド、従来のマニホールド、インラインのマニホールド、及び/又は、共面のマニホールドで見られるものを含む様々なチャネル構成を含み得る。例として、マニホールドとその関係付けられたチャネル構成は、モデル304、モデル304、モデル305、及びモデル306マニホールドの商品名で、Rosemount Inc. of Chanhassen, Minnesotaから市販されているものを含み得る。
【0005】
マニホールドの各チャネルは、プロセス流体の流れを制御するために、バルブアセンブリによって開けられ、又は閉められ得る。バルブアセンブリは、一般的にプロセス試料を分離し、プロセス流れを均等化し、及び/又は、プロセスからの流体フローを排出する、若しくは流出させるように作動する。共面マニホールドは特に、任意の数のバルブを、例えば2つ、3つ、又は5つのバルブ構成を有し得る。マニホールドは典型的に、圧力トランスミッタ分離を提供する少なくとも1つのバルブを有する。例えば、分離バルブは、圧力センサにつながるマニホールド内で、試料チャンバに対して又は別のエリアに対して、流体チャネルを開けるように又は閉めるように動かされる。
【0006】
プロセスに使用されるマニホールドの特定のタイプは、いくつかの要因に依存し得る。1つとして、それはサンプリングされることになるプロセス流体のタイプに依存し得る。例えば、化学溶液は、共面マニホールドにより適しているが、水ベースの溶液は、一体型のマニホールドにより適している。しかしながら、さらに重要なことに、マニホールドとその関係付けられた構成要素、例えばバルブアセンブリの選択は、プロセス流体の圧力に依存し得る。いくつかのプロセス環境において、マニホールドアセンブリに対する2つの主要な圧力定格がある。これは6,092ポンド毎平方インチ(PSI)の低圧定格と、10,000PSI以上の高圧定格を含む。さらに、一部の工業規格は、プロセスによって生成されるものよりも遥かに高い圧力定格で製品が検査されることを要求する。例えば一部の製品は、プロセスで観測される圧力定格の4倍で認定を合格しなければならない。
【発明の概要】
【0007】
バルブアセンブリ構成のためのマルチシートボンネットが、本明細書中で開示される。マルチシートボンネットは、マルチシートボンネットをバルブアセンブリに固定するように構成されたロッキング機構を含み得る。さらに、マルチシートボンネットは、高圧シートと係合するように構成された第1シーリング面に加え、低圧シートと係合するように構成された第2シーリング面を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施態様が特に有用である圧力トランスミッタの概略図である。
【
図2】本発明の1つの実施態様にしたがった、バルブアセンブリの横断面図である。
【
図3A】本発明の1つの実施態様にしたがった、高圧マニホールドアセンブリの横断面図である。
【
図3B】本発明の1つの実施態様にしたがった、高圧マニホールドアセンブリに据え付けられたマルチシートバルブアセンブリの横断面図である。
【
図3C】本発明の1つの実施態様にしたがった、高圧マニホールドアセンブリに据え付けられたマルチシートバルブアセンブリ及びガスケットの横断面図である。
【
図4A】本発明の1つの実施態様にしたがった、低圧マニホールドアセンブリの横断面図である。
【
図4B】本発明の1つの実施態様にしたがった、低圧マニホールドアセンブリに据え付けられたマルチシートバルブアセンブリの横断面図である。
【
図4C】本発明の1つの実施態様にしたがった、低圧マニホールドアセンブリに据え付けられたマルチシートバルブアセンブリ及びガスケットの横断面図である。
【
図5】本発明の1つの実施態様にしたがった、マルチシートバルブアセンブリを据え付ける方法の概略図である。
【
図6A】本発明の1つの実施態様にしたがった、高圧マニホールドアセンブリの実例となる図である。
【
図6B】本発明の1つの実施態様にしたがった、低圧マニホールドアセンブリの実例となる図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例示的実施態様の詳細な説明
マニホールドアセンブリは従来、特定の圧力定格を満たすように設計される。圧力定格に基づいて、マニホールド内の内部チャネル数、これらのチャネルの直径、及びチャネルのポート寸法は変化し得る。圧力定格により変化し得るマニホールドのある特定の特徴は、バルブシートである。バルブシートは一般的に、バルブアセンブリと係合するマニホールドの内部チャネルにインターフェースを含む。この交点の1つの機能は、流体漏れを防ぐシーリング面を提供することである。
【0010】
バルブシートと、したがってシートと係合するバルブは、典型的に高圧定格又は低圧定格のいずれかにしたがって設計されるが、両方ではない。これは理想的ではない。2つの異なるバルブアセンブリを使用することは、バルブ在庫を活用するのを難しくし、2つの異なる製品ラインを維持することを要求する。これは望ましくないことに、製造コストを増大させ得る。代替的に、高圧バルブアセンブリは、低圧及び高圧シートの両方で使用され得る。しかしながらこれもまた、低圧マニホールドに不当な製造及び設計の抑止を課すので理想的ではない。例えば、高圧バルブアセンブリを調整するために、あるものは低圧マニホールド内の内部チャネル数とその寸法を制限する必要があるだろう。
【0011】
単一のバルブが多様な圧力定格で使用され得ることは、本明細書中で一般的に提供される。例えば、単一のバルブアセンブリ設計が異なるバルブシートに対して使用され得、バルブシートのそれぞれは異なる圧力定格にしたがって設計される。マルチ圧力定格バルブアセンブリは、マニホールド内のチャネルの位置付けと、これらのチャネルのポート寸法に関して最大の柔軟性を可能にし得る。これは製造コストを低減させて製品管理を合理化する一方で、工業規格の要件にも準拠している。
【0012】
図1は、共面マニホールド108に結合された圧力トランスミッタ100の概略図である。圧力トランスミッタ100は例示的に、センサ区画104に結合された電子ハウジング102を含み、センサ区画104はさらにアイソレータアセンブリ106に結合されている。アイソレータアセンブリ106がマニホールド108にさらに結合されていることが、実例として示される。マニホールド108は例示的に、プロセス流体を受け得る複数のプロセス流体入口110及び112を含む。圧力トランスミッタ100は、複数のバルブアセンブリ114及び116をさらに含む。バルブアセンブリ114及び116のそれぞれは、マニホールド108内のチャネル開口部内で受けられる。
【0013】
図2は、本発明の1つの実施態様にしたがったバルブアセンブリ200の横断面図である。バルブアセンブリ200は、バルブとマニホールドの間の通路を開けること、閉めること、又は部分的に妨げることによって、プロセス流体の流れを制御するように構成される。
図2中に、バルブアセンブリ200が実例としてバルブ本体202を含むことが示される。バルブ本体202は、アクチュエータ222に結合されたバルブステム204を受けるように構成される。アクチュエータ222は、バルブ本体202内でステム204を垂直に(例えば上下に)動かすように係合(例えば回転)され得る。例えば、バルブ本体202は、内部表面に、ステム204のねじ山付き部分を受ける少なくとも1つのねじ山付き部分を有する。よってステム204が本体202内で回転されると、バルブ開口部224からステムチップ206を突出させる又は収納するように、ステムがねじ山と係合する。ステム204は、締め付けナット208によりバルブ本体202に固定され得る。1つの特定の例では、締め付けナット208は、バルブ本体202に関してステム204を固定するために、バルブ本体202でねじ山と係合し得る。
【0014】
本発明の1つの実施態様にしたがうと、バルブアセンブリ200はまた、ボンネット216を含む。ボンネット216は、バルブアセンブリ200に関して様々な用途を務め得る。製造において、ボンネット216は、バルブ本体202に固定されて、ステム204が通過する本体202の部分を取り囲む。ボンネット216は、バルブ本体202に対して、溶接、ボルト締め配置、又は別の構成を非限定的に含む様々な方法で固定され得る。
図2中で例示的に示されるように、ボンネット216は、ボンネットロック210でバルブ本体202に固定される。
【0015】
ボンネット216のバルブ本体202への取り付けが圧力バウンダリを形成するので、バルブ本体はマニホールドアセンブリと係合するとき漏れないようにされる。さらに
図2中に含まれるように、バルブ本体202の内部部分に沿って、パッキン輪212及びパッキン214が、ボンネット216及びステム204の少なくとも一部分を係合するように構成されていることが示される。パッキン輪212及びパッキン214は、バルブ本体202に関してボンネット216を固定するのを助ける様々な材料を含み得る。例えば、パッキン214は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、グラファイトベースの材料、又はフッ素エラストマー(FKM)材料のうちのいずれかを含み得る。
【0016】
バルブアセンブリ200は、マルチシートバルブアセンブリとして利用されるように構成されるので、バルブは高圧マニホールドシート及び低圧マニホールドシートの両方で使用され得る。高圧及び低圧のマニホールドは、それらのシート配置において変化し得るが、ボンネット216は、両方の圧力定格シート設計での使用のために構成されることが本明細書中で提供される。例えば、ボンネット216は、10,000PSI以上での高圧定格、及び/又は、6,092PSIでの低圧定格に準拠したシートを係合するように構成される。
【0017】
ボンネット216のある特定の特徴は、マルチシーリング面配置を含む。ボンネット216は例示的に、参照番号218A及び218Bによって概して表される部分を有する第1シーリング面を含む。
図2は一般的に切断面を描いているので、部分218A及び218Bが、開口部224の周囲を通る同一の第1シーリング面を示すことに留意されたい。議論の目的のためだけに、部分218A及び218Bは、第1シーリング面218として概して記述される。第1シーリング面218は、高圧シートの1つ以上の面に対してシーリングし得る。例えば、シーリング面218は、10,000PSI以上の定格圧力シートの1つ以上の面と係合する。第1シーリング面218は、ボンネット216のバルブ開口部224と実質的に隣接する。高圧流体のために設計されたシーリング面に加えて、ボンネット216は例示的に、部分220A及び220Bによって概して表される第2シーリング面を含む。
図2は一般的に切断面を描いているので、部分220A及び220Bが、ボンネット216の外部部分の周囲を通る同一の第2シーリング面を示すことに留意されたい。議論の目的のためだけに、部分220A及び220Bは、第2シーリング面220として概して記述される。第2シーリング面220は、低圧マニホールドシート設計での使用のために構成され得る。例えば、第2シーリング220は、6,092PSI定格圧力シートの1つ以上の面と係合する。したがって1つの実施態様では、ボンネット216はマルチシートボンネットを含む。よって、バルブアセンブリ200はバルブアセンブリ200の再設置又は再構築を要求することなく、多様な異なる圧力定格のために設計されたバルブシートと係合し得る。異なる圧力定格に対して、より少ない部品及び製品アセンブリが要求されるので、このことは製造コストを低減し、据え付けを助けることの両方をなし得る。
【0018】
別の実施態様において、ボンネット216は、多様なシーリング面でシーリングするように構成され、これにより重複するシールを生成する。例えば、シーリング面218及び220は、マニホールドアセンブリの1つ以上のシート面と実質的に同時に係合し得る。
【0019】
図3Aは例示的に、高圧マニホールドアセンブリ300の横断面図を示す。高圧マニホールドアセンブリ300は実例として、プロセス流体入口304とプロセス流体出口306とを有するマニホールド本体302を含む。プロセス流体は、プロセス流体入口304で受けられて、例えばプロセス流体出口306を介して排出され得る。したがって、矢印322によって概して示される方向で流体が入口304中に流れ得ることが例示的に示される。流体は、矢印324によって概して示される方向で出口306の外に流れ得る。1つの実施態様では、高圧マニホールドアセンブリ300は、10,000PSI以上の圧力定格である。勿論、マニホールドアセンブリ300は、他の様々な圧力定格で使用され得る。
【0020】
高圧マニホールドアセンブリ300はさらに、高圧シート面310を有する高圧チャネル308を実例として含む。高圧シート面310は、チャネル308の末端部分318の近くに配置されることが示される。1つの実施態様では、高圧チャネル308は、チャネル内でマルチシートバルブアセンブリの少なくとも一部分を受けるように構成される。例えば、高圧シート312と障害が形成され得るように、バルブアセンブリはチャネル308内で受けられる。漏れを防いで、適切なシールをチャネル308で確実にするために、バルブアセンブリは、高圧シート面310に対してシーリングするように構成されたボンネット設計を含み得る。
【0021】
図3Bは、本発明の1つの実施態様にしたがった、高圧マニホールドアセンブリ320に据え付けられたマルチシートバルブアセンブリ200の横断面図である。
図3Bでは、ボンネット216がシート面310と係合するように、マルチシートバルブアセンブリ200が高圧チャネル308で受けられることが示される。
図2に関して上記で議論されたように、ボンネット216は、高圧シーリング面218を含み、これはチャネル308の末端部分318に又は末端部分318の近くに配置された高圧シート面310と係合し得る。動作において、作動するアクチュエータ222は、高圧シート面310と高圧シート312に対して、ステムチップ206を移動し得る。ステムチップ206が高圧シート312と係合するとき、ステムチップは、プロセス流体が入口304と出口306の間を流れるのを制限するように障害を形成する。1つの実施態様では、チャネル308内の高圧シート312は、低圧設計のものよりも小さな直径シーリング面を有し、したがって内部チャネルへのより小さなアクセスを提供する。内部チャネルへのアクセスのレベルに関わらず、ボンネット216は、高圧チャネル308に関して、高圧シート面310でシーリングするように構成される。よって、マルチシートバルブアセンブリ200は、バルブアセンブリ又はマニホールドのいずれかを著しく変えることなく、マニホールドアセンブリの10,000PSI以上の定格高圧シートに据え付けられ得る。例えば、マルチシートバルブアセンブリ200は、10,000PSI以上の定格であるインラインのマニホールド設計で据え付けられ得る。
【0022】
図3Cは、本発明の1つの実施態様にしたがった、高圧マニホールドアセンブリに据え付けられたマルチシートバルブアセンブリ及びガスケットの横断面図である。1つの実施態様において、ボンネット216は、第1シーリング面218の部分218A及び218Bで、又は部分218A及び218Bの近くで、ガスケット314と係合するように構成される。例えば、ガスケット314は、シーリング面218A、218Bと、マニホールド本体302、特にシート面310との間に配置される。ガスケット314は、材料の一定の組み合わせにより、シーリング面(例えば、シート面310)を改善し得る。
【0023】
図4Aは、本発明の1つの実施態様にしたがった、低圧マニホールドアセンブリ400の横断面図を示す。低圧マニホールドアセンブリ400は、マニホールド本体402、プロセス流体入口404、プロセス流体出口406、及び低圧チャネル408を例示的に含む。プロセス流体は、プロセス流体入口404によって受けられて分配され得るので、流体は、例えばプロセス流体出口406を介してプロセス流れに戻る。したがって、一般的に矢印424によって示される方向で、流体が入口404中に流れ得ることが例示的に示される。流体は、一般的に矢印426によって示される方向で、出口406の外に流れ得る。1つの実施態様では、低圧マニホールドアセンブリ400の圧力定格は、6,092である。勿論、マニホールドアセンブリ400は、他の様々な低圧定格で使用され得る。
【0024】
1つの実施態様において、低圧チャネル408は、高圧マニホールド設計(例えば、高圧マニホールドアセンブリ300)のものより広い直径のシーリング面を有する。この増大された直径は、より多数の内部連結チャネルに対してマニホールド内で付加的な空間を可能にし得る。例えば、低圧マニホールドアセンブリ400は、共面一体型マニホールド設計にしたがって使用され得る。1つの実施態様では、低圧チャネル408は、チャネル内のマルチシートバルブアセンブリの少なくとも一部分を受けるように構成される。例えば、低圧シート412と障害が形成され得るように、バルブアセンブリはチャネル408内で受けられる。漏れを防いで、適切なシールをチャネル408で確実にするために、バルブアセンブリは、低圧シーリング面に対してシーリングするように構成されたボンネット設計を含み得る。
【0025】
低圧チャネル408は例示的に、低圧シート面410A及び410Bを含む。
図4Aにおいて、内部チャネル408への増大されたアクセスを提供する一方で、バルブがシーリング面に係合できるように、低圧シート面410A及び410Bは、チャネル開口部422に近接していることが示される。1つの実施態様では、シート面410A及び410Bは単一のシート面の部分であり、参照番号410によって概して表され、チャネル408の周囲に伸長する。
図4は一般的に断面図を図示するので、シート面410は、部分410A及び410Bに関してさらに説明される。
【0026】
図4Bは、低圧シート420に据え付けられたマルチシートバルブアセンブリ200の横断面図である。
図2に関して上記で議論されたように、マルチシートバルブアセンブリ200は、低圧シート構成に対するシーリングのための(部分220A及び220Bを有する)第2シーリング面220を含む。よって、第2シーリング面220は、低圧チャネル408のシート面410A及び410Bを係合することが示される。シート面410A及び410Bは、それぞれ、チャネル壁416及び418によって定義された軸に対して45度の角度で伸長し得る。さらに、ボンネット216のシーリング面218(例えば、部分218A及び218B)は、シート面410A及び410Bから水平に伸長するシーリング面の一部分と係合し得る。
【0027】
動作において、ステム204は、低圧シート412に向かってステムチップ206を移動させるように沈められ得る。ステムチップ206は、低圧シート412に関して障害を形成し得る。このような障害がステムチップ206と低圧シート412の間で形成されたとき、流体は、低圧入口404と低圧出口406の間を通過するのを妨げられる。
【0028】
図4Cは、本発明の1つの実施態様にしたがった、低圧マニホールドアセンブリに据え付けられたマルチシートバルブアセンブリ及びガスケットの横断面図である。1つの実施態様において、ボンネット216は、低圧シーリング面220A及び220Bで、又は低圧シーリング面220A及び220Bの近くで、ガスケット414と係合するように構成される。例えば、ガスケット414は、シーリング面220A、220Bと、マニホールド本体402、特にシート面410A及び410Bとの間に配置される。ガスケット414は、材料の一定の組み合わせを有するシーリング面(例えば、シート面410A及び410B)を改善し得る。
【0029】
図5は、マルチシートバルブアセンブリ500を据え付ける方法の概略図を示す。方法500は例示的に、ブロック502で概して示されるように、圧力適用を決定することを含む。圧力適用は、プロセスのタイプと、圧力トランスミッタで使用されるマニホールドアセンブリのタイプとに基づいて幅広く変化し得る。例えば、ブロック512で示されるように、高圧適用が決定され得る。高圧適用を決定することは、プロセスが、インラインのマニホールドでのバルブシート設計と、10,000PSI以上の圧力定格とを有するバルブシート設計を含むことを決定することを含み得る。さらに、ブロック514で示されるように、低圧適用が決定され得る。低圧適用を決定することは、プロセスが、6,092PSIの圧力定格を有する一体型共面マニホールド設計を含むことを決定することを含み得る。勿論、ブロック516で示されるように、他の様々な圧力適用が決定され得る。したがって、単一のボンネット設計は、様々な圧力適用に対応する異なる特徴を有する多様なバルブシートで利用され得ることが、本明細書中で意図される。
【0030】
ブロック504で、方法500は、マルチシートボンネットをバルブアセンブリに固定することを含む。1つの実施態様において、方法500にしたがったマルチシートボンネットは、
図2に関して議論されたボンネット216を含む。溶接すること、ねじ山付きナットでボンネットを固定すること、接着剤を適用すること、又は他の様々な固定機構を非限定的に含む様々な方法で、マルチシートボンネットはバルブアセンブリに固定され得る。マルチシートボンネットをバルブアセンブリに溶接することは、ブロック518で概して示される。マルチシートボンネットをボンネットロックによりバルブアセンブリに固定することは、ブロック520で概して示される。さらに、他の様々な固定機構(例えば、ロールピンを利用すること)が、ブロック522で示されるように、マルチシートボンネットをバルブ本体に固定するのに使用され得る。別の実施態様では、マルチシートボンネットは、圧入を使用することを含む固定機構でバルブ本体に固定され得る。マルチシートボンネットをバルブアセンブリに固定することは、様々な構成部品をバルブ本体内のそれぞれの部分に固定するための機構を提供し得る。さらに、マルチシートボンネットを固定することは、ボンネットとバルブ本体の間に圧力バウンダリを形成し得、これはマニホールドチャネルに対して外部である環境への、プロセス流体の任意の漏れを防ぐことを助け得る。
【0031】
ブロック506で、バルブアセンブリは圧力チャネル中に挿入される。バルブアセンブリを圧力チャネル中に挿入することは、圧力チャネルの少なくとも一部分の中にマルチシートボンネットを挿入することを含み得る。本発明の実施態様にしたがうと、マルチシートボンネットは様々な異なる圧力チャネルで使用され得るが、それらが異なるプロセス環境での使用のためにその圧力定格に基づいて設計上変化するからである。例えば、ブロック524で示されるように、本明細書で議論される実施態様にしたがったバルブアセンブリは、高圧シート設計中に挿入され得る。1つの実施態様において、ブロック524の高圧シート設計は、10,000PSIの圧力定格であるシートを含む。さらに、ブロック526で示されるように、本明細書中で議論される実施態様にしたがったバルブアセンブリは、低圧シート設計中にも挿入され得る。1つの実施態様で、ブロック526の低圧シート設計は、6,092PSIの圧力定格であるシートを含む。勿論、バルブアセンブリは、ブロック528で示されるように、他の圧力シート設計中に挿入され得る。
【0032】
ブロック508で、方法500は、シーリング面をボンネットに係合することを例示的に含む。例えば、マルチシートボンネットの高圧シーリング面は、高圧チャネルの高圧シーリング面と係合する。さらに、マルチシートボンネットの低圧シーリング面は、低圧チャネルの低圧シーリング面と係合する。
【0033】
ブロック510で、バルブアセンブリは、マルチシートボンネットを使用して、マニホールドにシーリングされる。バルブアセンブリをマルチシートボンネットでシーリングすることは、ボンネットのシーリング面とマニホールドシートのシーリング面の間の交点に接着剤を適用することを含み得る。さらに、バルブアセンブリをマルチシートボンネットでシーリングすることは、ボンネットをマニホールドシートに溶接することを含み得る。さらに、バルブアセンブリをマルチシートボンネットでシーリングすることは、障害を形成するためにシートと係合するように、バルブアセンブリのハンドルを作動してステムチップを移動させることを含み得る。1つの実施態様において、マルチシートボンネット(例えばボンネット216)は、ボンネットのものに対して外部にある任意のシーリング機構なしで、高圧シート又は低圧シートのいずれかに堅くシーリングするように構成される。例えば、マルチシートボンネットの大きさは、マニホールドの内部チャネル通路で固定圧力ロックを形成するようにされている。
【0034】
図6Aは、本発明の1つの実施態様にしたがった、高圧マニホールド600の一例の概略図である。1つの実施態様で、高圧マニホールド600は、トランスミッタインターフェース602でトランスミッタに結合するように構成されたインラインのマニホールド設計を含む。高圧マニホールド600はまた例示的に、プロセス流体が外部環境に経路をとるか、又はプロセス自体の中に戻るように、プロセス流体の出口を提供するように構成され得る出口インターフェース604を含む。高圧マニホールド600はさらに、複数のバルブアセンブリ606及び608を例示的に含み、これはバルブマニホールド内に据え付けられて示される。バルブアセンブリ606及び608は、本明細書中で説明された実施態様によるマルチシートボンネット設計を含み得る。
【0035】
図6Bは、本発明の実施態様にしたがった低圧マニホールド610の一例の概略図である。低圧マニホールド610は例示的に、圧力トランスミッタに伝達可能に結合され得るトランスミッタインターフェース612を含む。低圧マニホールド610はさらに、プロセス流体を外部環境に提供するか、又はプロセス流体をプロセス自体の中に戻るように経路をとる出口インターフェース614を含む。1つの実施態様において、低圧マニホールド610は、マニホールド610内に据え付けられて示される複数のバルブアセンブリ616、618、及び620を有する一体型共面マニホールドを含む。バルブアセンブリ616、618、及び620は、本明細書中で説明された実施態様による様々な圧力定格シート設計で使用されるように構成されたマルチシートボンネットを含み得る。例えば、高圧マニホールド600及び低圧マニホールド610に関して議論されたバルブアセンブリは交換可能であり得るので、バルブアセンブリの取り外しは、バルブアセンブリ(例えばバルブアセンブリ200)を異なるマニホールドに移動することを要求しない。むしろ、バルブアセンブリで組み込まれた単一のボンネットは、異なるマニホールド設計のそれぞれにしたがった異なる圧力要件に順応する様々な圧力シート設計に対して使用され得る。