【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る風車翼内部の検査方法は、
風車翼の検査方法であって、
支持フレーム、前記支持フレームに回動自在に配置された少なくとも一つの車輪、及び前記支持フレームにおける進行方向の前部に取り付けられた検査機器を含む検査ユニットを前記風車翼の内部に入れるステップと、
前記風車翼の翼根部側から翼先端部側に向けて前記検査ユニットを搬送する搬送ステップと、を備える。
【0007】
前記搬送ステップでは、
前記検査ユニットの後端部に少なくとも一本の延長棒を接続し、前記延長棒を前記翼先端部側に押し出すことで前記検査ユニットを送り出してもよい。
この場合、風車翼の内部に検査ユニットを入れ、該検査ユニットの後端部に延長棒を接続して当該延長棒を翼先端部側に押し出すことで、車輪を有する検査ユニットが翼先端部側に送り出される。その際、翼長に応じて延長棒を追加的に接続することで翼先端部側まで検査ユニットを搬送することができる。従って、例えば地上、洋上又は風車に取り付けられた状態で水平又はほぼ水平の状態に配置された風車翼の内部において、作業員が入り込めない翼先端部側まで検査ユニットを搬送することができる。よって、例えば風車翼内部への作業員や物の落下のような危険を回避して、風車翼内部の検査を安全に行うことができる。
【0008】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の方法において、
風車に取り付けられた風車翼のアジマス角を水平方向±30°以内の状態に保持するステップを備え、
前記検査ユニットを前記風車翼の内部に入れるステップ及び前記搬送ステップは、風車に取り付けられ、アジマス角が前記保持ステップの状態で保持された風車翼に対して行われてもよい。
【0009】
上記(2)の方法によれば、風車翼は風車に取り付けられた状態でアジマス角が水平方向±30°以内すなわち90°±30°又は270°±30°に保持される。つまり、風車に取り付けられ、作業員が概ね安全に移動可能な角度に保持された状態の風車翼の内部を検査することができるから、検査のために風車翼を取り外す必要がなく、検査に関するコストの低減と工期の短縮化を図ることができる。
【0010】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の何れか1つに記載の方法において、
前記搬送ステップでは、送り出した前記検査ユニット又は最後部の前記延長棒の後端部に前記延長棒の前端部を連結してもよい。
【0011】
上記(3)の方法によれば、先頭すなわち翼先端部側に検査ユニットが配置され、該検査ユニットの後端部すなわち翼根部側に延長棒が連結され、追加で連結された延長棒のうち最後部の延長棒の後端部に新たな延長棒の前端部が連結されることで検査ユニットが翼先端部側に搬送される。このように延長棒を継ぎ足すことにより、簡易な構成で上記(1)又は(2)の何れか1つで述べた効果を享受することができる。
【0012】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の何れか1つに記載の方法において、
前記延長棒は長手方向に伸縮自在に構成され、
前記搬送ステップでは、前記延長棒を前記長手方向に伸長してもよい。
【0013】
上記(4)の方法によれば、伸縮自在な延長棒を採用することにより、例えば風車翼内部の検査に際して延長棒を運搬する際、延長棒を収縮した状態とすることで運搬し易くすることができるから、一度の運搬でより多くの延長棒を搬入することができる。一方、検査ユニットを送り出す際に延長棒を伸長させて連結することにより、必要とされる延長棒の数を低減することができる。さらに、翼根部近傍のスペースが限られた状態で検査する場合にも、伸縮しない延長棒に比べて少ない数の延長棒を容易に運び込むことができるから、作業性の向上が図られる。
【0014】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)の何れか1つに記載の方法において、
前記風車翼が取り付けられるハブの内部に前記検査ユニットを運び込むステップと、
前記ハブの内部から前記風車翼の内部に前記検査ユニットを送り込むステップと、を更に含んでもよい。
【0015】
上記(5)の方法によれば、風車のハブに取り付けられた状態の風車翼の内部を検査する際、翼根部側であるハブの内部に検査ユニットが運び込まれ、ハブの内部から風車翼の内部に検査ユニットが送り込まれる。このように、風車に取り付けられた状態の風車翼内部の検査に際し、ハブ内の限られたスペースでの作業において上記(1)〜(4)の何れか一つで述べた効果を享受することができる。
【0016】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の何れか1つに記載の方法において、
各々の前記延長棒は、最短状態における長手方向の長さが3m以下又は前記翼根部の直径の2倍以下の長さに形成されてもよい。
【0017】
上記(6)の方法によれば、各々の延長棒は、最短状態における長手方向の長さが3m以下又は翼根部の直径の2倍以下の長さに形成されるから、検査対象である風車翼の翼長によらず、搬送し易い長さの延長棒を用いて検査することができる。また、例えば風車に取り付けられた状態の風車翼の内部を検査する場合に、延長棒を一度ハブの内部に運び込む必要が生じても、円滑に運び込むことができる。
【0018】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の何れか1つに記載の方法において、
前記検査機器は、前記風車翼の内部を撮像可能な撮像装置を含んでもよい。
【0019】
上記(7)の方法によれば、検査機器としての撮像装置により、風車翼の内部を撮像することができる。よって、風車翼内部の視覚的な情報を得ることができるから、検査精度の向上が図られる。なお、撮像装置として、例えばファイバースコープ等よりも視野角の広い撮像装置等を採用することにより、より鮮明な画像を得ることができるから、検査精度のさらなる向上を図ることができる。
【0020】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の何れか1つに記載の方法において、
前記検査機器は、前記進行方向の少なくとも前方を照射可能な照明装置を含んでもよい。
【0021】
上記(8)の方法によれば、検査機器としての照明装置により、進行方向の少なくとも前方を照射することができる。これにより、例えば作業員が目視で認識できる範囲にあっては作業員の目視による検査の作業性及び検査精度の向上が図られる。また、例えば検査装置として撮像装置等と併用した場合には撮像装置によってより鮮明な画像を得ることができるから、検査精度の向上を図ることができる。
【0022】
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(8)の何れか1つに記載の方法において、
前記検査ユニットは、前記検査機器による検査結果を表示する表示部を更に備え、
前記検査結果を前記表示部に表示する表示ステップを更に備えていてもよい。
【0023】
上記(9)の方法によれば、検査機器による検査結果が表示部に表示される。つまり、作業現場において作業員が検査結果をリアルタイムに把握することができるから、風車翼内部の検査の作業性及び検査精度の向上を図ることができる。
【0024】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(9)の何れか1つに記載の方法において、
前記延長棒には、各々の前記延長棒の後端部から前記検査ユニットの先端までの距離を示す目盛り、又は前記検査ユニットを起点とした各前記延長ユニットの連結数を示す指標が付されており、
前記搬送ステップでは、前記目盛り又は前記指標を確認しながら前記検査ユニットを搬送してもよい。
【0025】
上記(10)の方法によれば、延長棒に付された目盛り又は指標を確認しながら検査ユニットを翼先端部側に搬送することができる。これにより、例えば風車翼内部で異常が確認された部分の翼長方向又は翼全体における位置を作業員が容易に把握することができるから、検査の作業性の向上を図ることができるとともに、例えば風車翼の補修等について適切な対応をとるための判断材料を得ることができる。
【0026】
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(10)の何れか1つに記載の方法において、
前記検査ユニットの最前部に配置された器具を用いて検査に伴う軽作業を行うステップをさらに備えていてもよい。
【0027】
上記(11)の方法によれば、検査ユニットの最前部に配置された器具により、検査に伴う軽作業を行うことができる。軽作業は、例えば、検査範囲の障害物除去、薬剤噴霧、光・音照射、部材の切削又は貼り付けなどであってもよい。このような構成により、検査における作業の自由度の向上が図られる。
【0028】
(12)本開示の少なくとも一実施形態に係る風車翼の検査装置は、
進行方向に長尺な支持フレーム、前記支持フレームの前後部にそれぞれ回動自在に配置された車輪、及び前記支持フレームにおける前記進行方向の前部に取り付けられた検査機器を含む検査ユニットを備える。
また、前記検査ユニットの後端部に接続される延長棒を含む少なくとも一の延長ユニットを備えていてもよい。
【0029】
この場合、上記(1)で述べたように、風車翼の内部に検査ユニットを入れ、該検査ユニットの後端部に延長棒を接続して当該延長棒を含む延長ユニットを翼先端部側に押し出すことで、車輪を有する検査ユニットが翼先端部側に送り出される。その際、翼長に応じて延長棒を追加的に接続することで翼先端部側まで検査ユニットを搬送することができる。従って、例えば地上、洋上又は風車に取り付けられた状態で水平又はほぼ水平の状態に配置された風車翼の内部において、作業員が入り込めない翼先端部側まで検査ユニットを搬送することができる。よって、例えば風車翼内部への作業員や物の落下のような危険を回避して、風車翼内部の検査を安全に行うことができる。
【0030】
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)に記載の構成において、
前記検査装置は、前記検査機器の周囲に配置され、高さ方向及び幅方向の少なくとも一方を含む周囲との接触を検知するセンサを含んでもよい。
【0031】
上記(13)の構成によれば、センサにより、検査ユニットが高さ方向及び幅方向の少なくとも一方において周囲と接触したか否かを検知することができる。つまり、例えば、風車翼内部において、検査ユニットが風車翼の内面や風車翼の構造体、又は異物等と接触したことを検知することができる。
【0032】
(14)幾つかの実施形態では、上記(13)に記載の構成において、
前記検査装置は、前記センサの検知結果を報知する報知部を更に含んでいてもよい。
【0033】
上記(14)の構成によれば、センサの検知結果が報知部によって報知される。これにより、検査機器が周囲と接触したことを作業員が把握したり記録したりすることができる。そして、この報知部の報知に基づき、例えば、検査ユニットの進路を修正したり、検査ユニットが翼先端部の近傍に到達したことを把握して検査を終了したりする等の対応をとることができる。