特許第6944219号(P6944219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 安徽一諾青春工業設計有限公司の特許一覧

<>
  • 特許6944219-省エネ型の産業排水処理装置 図000002
  • 特許6944219-省エネ型の産業排水処理装置 図000003
  • 特許6944219-省エネ型の産業排水処理装置 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6944219
(24)【登録日】2021年9月14日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】省エネ型の産業排水処理装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 21/01 20060101AFI20210927BHJP
   B01D 21/00 20060101ALI20210927BHJP
   B01D 21/02 20060101ALI20210927BHJP
   B01D 21/24 20060101ALI20210927BHJP
   B01D 21/30 20060101ALI20210927BHJP
【FI】
   B01D21/01 D
   B01D21/01 B
   B01D21/00 C
   B01D21/02 Z
   B01D21/24 F
   B01D21/30 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-501233(P2020-501233)
(86)(22)【出願日】2019年11月6日
(65)【公表番号】特表2021-520983(P2021-520983A)
(43)【公表日】2021年8月26日
(86)【国際出願番号】CN2019115919
(87)【国際公開番号】WO2020258642
(87)【国際公開日】20201230
【審査請求日】2020年1月20日
(31)【優先権主張番号】201910572346.1
(32)【優先日】2019年6月26日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520006355
【氏名又は名称】安徽一諾青春工業設計有限公司
【氏名又は名称原語表記】Anhui Yinuoqingchun Industrial Design Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100145517
【弁理士】
【氏名又は名称】宮原 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】シュフェン ツォウ
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第108483730(CN,A)
【文献】 特開昭52−025460(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第108640357(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第109928440(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103132567(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00− 9/00
B01D 21/00−21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体及び前記装置本体に設置されて動力モータを本体とした動力装置を備える省エネ型の産業排水処理装置であって、
前記動力装置は動力室を備え、前記動力室の左側端壁に動力モータが固定して取り付けられ、前記動力モータの右端に第1回転軸が動力を伝動可能に接続され、前記動力室に前記第1回転軸の右端に固定して取り付けられる第1かさ歯車が設置され、前記動力室の上端壁に上方へ延びている第2回転軸が回転可能に取り付けられ、前記動力室に前記第2回転軸の下端に固定して取り付けられ且つ前記第1かさ歯車と噛み合いする第2かさ歯車が設置され、前記第2回転軸の上端にプーリ伝動機構を介してミョウバン予備混合装置が設置され、ミョウバン予備混合装置は前記動力室の右側に設置された予備混合室を備え、前記予備混合室においてブレード機構及び予備混合ブロックによってミョウバン及び排水が予備混合され、前記動力室の下端壁に下方へ延びている第3回転軸が回転可能に取り付けられ、前記動力室に前記第3回転軸の上端に固定して取り付けられ且つ前記第1かさ歯車と噛み合いする第3かさ歯車が設置され、前記第3かさ歯車の下端に歯車系を介して撹拌反応装置が伝動可能に接続され、前記撹拌反応装置は前記予備混合室の下端壁に連通して設置された回転室を備え、前記回転室に撹拌ブロックが回転可能に設置され、前記撹拌ブロックに上向きに開口した撹拌室が設置され、前記撹拌室にカム撹拌機構が設置され、前記カム撹拌機構と前記撹拌ブロックの回転方向が反対する運動関係により排水とミョウバンの反応が促進され、前記撹拌反応装置の下側に沈殿ろ過装置が設置され、前記沈殿ろ過装置は前記撹拌室の下端壁に連通して設置された沈殿室を備え、前記沈殿室に反応により生じた不純物を排水から分離するためのろ過機構が設置されている、ことを特徴とする省エネ型の産業排水処理装置。
【請求項2】
前記ミョウバン予備混合装置は前記予備混合室の左側端壁に連通して設置された供給室を備え、前記装置本体の上端面に上向きに開口した供給口が設置され、前記供給口と前記供給室との間にキャビティが連通して設置され、前記供給室の上下端壁の間に第4回転軸が回転可能に取り付けられ、前記供給室に前記第4回転軸の外面に固定して取り付けられる取付スリーブが設置され、前記供給室に前記取付スリーブの外面に固定して取り付けられる第1ブレードが設置され、且つ前記第1ブレードの上下端面が前記供給室の上下端壁に当接し、前記予備混合室の上端壁に下方へ延びている第5回転軸が回転可能に取り付けられ、前記予備混合室に接続ブラケットを介して前記予備混合室の内壁の間に固定して取り付けられる固定スリーブが上下対称となるように設置され、且つ前記第5回転軸は上下の2つの固定スリーブを回転可能に貫通し、前記予備混合室に前記第5回転軸の外面に固定して取り付けられる第2ブレードが設置され、且つ前記第2ブレードの左端が前記第1ブレードと互いに嵌め合いし、前記予備混合室の左側端壁に前記動力室の上側に位置するプーリ室が連通して設置され、且つ前記第2回転軸の上端は前記プーリ室に回転可能に伸び且つ前記プーリ室の上端壁に回転して嵌め合いするように接続され、前記プーリ室に前記第2回転軸の外面に固定して取り付けられる駆動輪が設置され、前記予備混合室に前記第5回転軸の外面に固定して取り付けられる従動輪が設置され、前記駆動輪と前記従動輪との間に伝動ベルトが動力を伝動可能に接続され、前記予備混合室に前記第5回転軸の外面に固定して取り付けられる複数の撹拌ブロックが設置され、前記予備混合室の右端壁の上側に外界に連通している排水パイプが設置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の省エネ型の産業排水処理装置。
【請求項3】
前記撹拌反応装置は下方へ延び且つ前記撹拌室の内部に伸びている前記第3回転軸を備え、前記動力室の下側に歯車室が設置され、且つ前記第3回転軸の下端が前記歯車室を回転可能に貫通し、前記歯車室に前記第3回転軸の外面に固定して取り付けられる駆動歯車が設置され、前記歯車室の下側に嵌合室が設置され、前記歯車室と前記嵌合室との間に第6回転軸が回転して嵌め合いするように接続され、且つ前記第6回転軸の上端が前記歯車室の上端壁に回転して嵌め合いするように接続され、前記歯車室に前記第6回転軸の外面に固定して取り付けられ且つ前記駆動歯車と噛み合いする従動歯車が設置され、前記嵌合室の上端壁に下方へ延びている回転スリーブが回転して嵌め合いするように接続され、前記回転スリーブの下端が前記撹拌室の内部に伸びており、且つ前記撹拌室は前記第3回転軸の外面に套設され、前記嵌合室に前記回転スリーブの外面に固定して取り付けられる伝動プーリが設置され、前記嵌合室に前記第6回転軸の下端に固定して取り付けられる嵌合プーリが設置され、前記嵌合プーリと前記伝動プーリとの間にタイミングベルトが動力を伝動可能に接続され、前記撹拌室に前記回転スリーブの外面に固定して取り付けられる固定ブラケットが設置され、且つ前記回転スリーブから離れた前記固定ブラケットの一端は前記撹拌ブロックに固定して接続され、前記撹拌室に前記回転スリーブの外面に固定して取り付けられるカム取付ブロックが設置され、前記カム取付ブロックに前記回転スリーブを貫通したカム取付室が設置され、前記カム取付室に前記第3回転軸の外面に固定して取り付けられるカムが設置され、前記第3回転軸から離れた前記カム取付室の端壁にシュートが連通して設置され、前記シュートに左右にスライド可能なプッシュロッドが設置され、前記カム取付けブロックに前記カム取付室の両側に位置するバネ室が左右対称となるように設置され、且つ前記プッシュロッドは前記バネ室をスライド可能に貫通し、前記バネ室の上下端壁のいずれにも外界に連通しているストローク溝が設置され、前記ストローク溝に左右にスライド可能であるとともに前記プッシュロッドの上下端面に固定して取り付けられる撹拌ロッドが設置され、前記第3回転軸から離れた前記撹拌ロッドの端面と前記第3回転軸から離れた前記バネ室の端壁との間に上下対称となるように押さえバネが固定して設置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の省エネ型の産業排水処理装置。
【請求項4】
前記沈殿ろ過装置は前記沈殿室の左側に設置されかつ外界に連通している収容室を備え、前記収容室の右端壁と前記沈殿室の左端壁との間に右上方へ延びているろ過チャンネルが連通して設置され、前記ろ過チャンネルに電磁弁が設置され、前記沈殿室の左右端壁の間に左下方へ延びているろ過網が固定して取り付けられ、前記沈殿室の左右端壁の上側の間に開口制御弁が固定して取り付けられ、前記沈殿室の右側端壁の下側に外界に連通している排水パイプが設置され、前記排水パイプに排水制御弁が設置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の省エネ型の産業排水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水処理の技術分野に関し、具体的には、省エネ型の産業排水処理装置である。
【背景技術】
【0002】
排水とは、通常、ある程度汚染された、生活や産業活動などに由来する廃水のことであり、このような排水がそのまま河道に排出されると、河道付近の生態環境を破壊して、その近くに住んでいる人の心身の健康に大きな影響を及ぼし、そのため、これら排水については、処理して検査に合格したものしか排出できず、排水の処理過程において、まず排水における大粒子を沈殿させてろ過し、ミョウバンなどの浄化剤を手動で添加する従来の処理方式は、時間も手間もかかり、従来の浄化装置は、構造が複雑であり、機構同士の連動性が悪く、反応において浄化剤と排水を均一に撹拌できない場合が多く、その結果として両方の反応速度を低下させ、また、排水の流量が変わる場合には、浄化剤の添加量をタイムリーに変えることができず、従って、柔軟性に欠ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第107902737号明細書
【0004】
本発明は、下水処理装置に関し、特に、下水処理用の下水・ミョウバン撹拌沈殿分離装置に関する。
【0005】
【特許文献2】中国特許出願公開第107915289号明細書
【0006】
本発明は、下水処理装置に関し、特に下水処理用の下水処理タンクのミョウバン投入装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術における上記欠陥を克服するために、省エネ型の産業排水処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による省エネ型の産業排水処理装置は、装置本体及び前記装置本体に設置されて動力モータを本体とした動力装置を備え、
前記動力装置は動力室を備え、前記動力室の左側端壁に動力モータが固定して取り付けられ、前記動力モータの右端に第1回転軸が動力を伝動可能に接続され、前記動力室に前記第1回転軸の右端に固定して取り付けられる第1かさ歯車が設置され、前記動力室の上端壁に上方へ延びている第2回転軸が回転可能に取り付けられ、前記動力室に前記第2回転軸の下端に固定して取り付けられ且つ前記第1かさ歯車と噛み合いする第2かさ歯車が設置され、前記第2回転軸の上端にプーリ伝動機構を介してミョウバン予備混合装置が設置され、ミョウバン予備混合装置は前記動力室の右側に設置された予備混合室を備え、前記予備混合室においてブレード機構及び予備混合ブロックによってミョウバン及び排水が予備混合され、前記動力室の下端壁に下方へ延びている第3回転軸が回転可能に取り付けられ、前記動力室に前記第3回転軸の上端に固定して取り付けられ且つ前記第1かさ歯車と噛み合いする第3かさ歯車が設置され、前記第3かさ歯車の下端に歯車系を介して撹拌反応装置が伝動可能に接続され、前記撹拌反応装置は前記予備混合室の下端壁に連通して設置された回転室を備え、前記回転室に撹拌ブロックが回転可能に設置され、前記撹拌ブロックに上向きに開口した撹拌室が設置され、前記撹拌室にカム撹拌機構が設置され、前記カム撹拌機構と前記撹拌ブロックの回転方向が反対する運動関係により排水とミョウバンの反応が促進され、前記撹拌反応装置の下側に沈殿ろ過装置が設置され、前記沈殿ろ過装置は前記撹拌室の下端壁に連通して設置された沈殿室を備え、前記沈殿室に反応により生じた不純物を排水から分離するためのろ過機構が設置されている。
【0009】
さらなる技術案として、前記ミョウバン予備混合装置は前記予備混合室の左側端壁に連通して設置された供給室を備え、前記装置本体の上端面に上向きに開口した供給口が設置され、前記供給口と前記供給室との間にキャビティが連通して設置され、前記供給室の上下端壁の間に第4回転軸が回転可能に取り付けられ、前記供給室に前記第4回転軸の外面に固定して取り付けられる取付スリーブが設置され、前記供給室に前記取付スリーブの外面に固定して取り付けられる第1ブレードが設置され、且つ前記第1ブレードの上下端面が前記供給室の上下端壁に当接し、前記予備混合室の上端壁に下方へ延びている第5回転軸が回転可能に取り付けられ、前記予備混合室に接続ブラケットを介して前記予備混合室の内壁の間に固定して取り付けられる固定スリーブが上下対称となるように設置され、且つ前記第5回転軸は上下の2つの固定スリーブを回転可能に貫通し、前記予備混合室に前記第5回転軸の外面に固定して取り付けられる第2ブレードが設置され、且つ前記第2ブレードの左端が前記第1ブレードと互いに嵌め合いし、前記予備混合室の左側端壁に前記動力室の上側に位置するプーリ室が連通して設置され、且つ前記第2回転軸の上端は前記プーリ室に回転可能に伸びかつ前記プーリ室の上端壁に回転して嵌め合いするように接続され、前記プーリ室に前記第2回転軸の外面に固定して取り付けられる駆動輪が設置され、前記予備混合室に前記第5回転軸の外面に固定して取り付けられる従動輪が設置され、前記駆動輪と前記従動輪との間に伝動ベルトが動力を伝動可能に接続され、前記予備混合室に前記第5回転軸の外面に固定して取り付けられる複数の撹拌ブロックが設置され、前記予備混合室の右端壁の上側に外界に連通している排水パイプが設置されている。
【0010】
さらなる技術案として、前記撹拌反応装置は下方へ延び且つ前記撹拌室の内部に伸びている前記第3回転軸を備え、前記動力室の下側に歯車室が設置され、且つ前記第3回転軸の下端が前記歯車室を回転可能に貫通し、前記歯車室に前記第3回転軸の外面に固定して取り付けられる駆動歯車が設置され、前記歯車室の下側に嵌合室が設置され、前記歯車室と前記嵌合室との間に第6回転軸が回転して嵌め合いするように接続され、且つ前記第6回転軸の上端が前記歯車室の上端壁に回転して嵌め合いするように接続され、前記歯車室に前記第6回転軸の外面に固定して取り付けられ且つ前記駆動歯車と噛み合いする従動歯車が設置され、前記嵌合室の上端壁に下方へ延びている回転スリーブが回転して嵌め合いするように接続され、前記回転スリーブの下端が前記撹拌室の内部に伸びており、且つ前記撹拌室は前記第3回転軸の外面に套設され、前記嵌合室に前記回転スリーブの外面に固定して取り付けられる伝動プーリが設置され、前記嵌合室に前記第6回転軸の下端に固定して取り付けられる嵌合プーリが設置され、前記嵌合プーリと前記伝動プーリとの間にタイミングベルトが動力を伝動可能に接続され、前記撹拌室に前記回転スリーブの外面に固定して取り付けられる固定ブラケットが設置され、且つ前記回転スリーブから離れた前記固定ブラケットの一端は前記撹拌ブロックに固定して接続され、前記撹拌室に前記回転スリーブの外面に固定して取り付けられるカム取付ブロックが設置され、前記カム取付ブロックに前記回転スリーブを貫通したカム取付室が設置され、前記カム取付室に前記第3回転軸の外面に固定して取り付けられるカムが設置され、前記第3回転軸から離れた前記カム取付室の端壁にシュートが連通して設置され、前記シュートに左右にスライド可能なプッシュロッドが設置され、前記カム取付ブロックに前記カム取付室の両側に位置するバネ室が左右対称となるように設置され、且つ前記プッシュロッドは前記バネ室をスライド可能に貫通し、前記バネ室の上下端壁のいずれにも外界に連通しているストローク溝が設置され、前記ストローク溝に左右にスライド可能であるとともに前記プッシュロッドの上下端面に固定して取り付けられる撹拌ロッドが設置され、前記第3回転軸から離れた前記撹拌ロッドの端面と前記第3回転軸から離れた前記バネ室の端壁との間に上下対称となるように押さえバネが固定して設置されている。
【0011】
さらなる技術案として、前記沈殿ろ過装置は前記沈殿室の左側に設置されかつ外界に連通している収容室を備え、前記収容室の右端壁と前記沈殿室の左端壁との間に右上方へ延びているろ過チャンネルが連通して設置され、前記ろ過チャンネルに電磁弁が設置され、前記沈殿室の左右端壁の間に左下方へ延びているろ過網が固定して取り付けられ、前記沈殿室の左右端壁の上側の間に開口制御弁が固定して取り付けられ、前記沈殿室の右側端壁の下側に外界に連通している排水パイプが設置され、前記排水パイプに排水制御弁が設置されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。本発明は、構造がシンプルであり、コンパクトな伝動により排水における大粒子を沈殿させ、機構同士の伝動により装置の運転の連動性を高め、2つの撹拌機構によって排水に添加されるミョウバンに対する撹拌の均一性を向上させて、カム機構によってミョウバンと排水の間の反応を加速化させ、ろ過効率を高め、また、流れる水の量に応じてミョウバンを添加することで十分の浄化能力を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の省エネ型の産業排水処理装置の内部の全体構造模式図である。
図2】本発明における図1のA−A部分の構造模式図である。
図3】本発明における図1のB部分の構造模式図である
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1−3を参照しながら本発明を詳細に説明し、説明の便宜のため、以下に説明する方位については、以下に説明する上、下、左、右、前、後の方向が図1自体の投影関係による上、下、左、右、前、後の方向と一致するように定義する。
【0015】
図1−3に示すように、本発明による実施例の省エネ型の産業排水処理装置は、装置本体100及び前記装置本体100に設置されて動力モータ105を本体とした動力装置を備え、前記動力装置は動力室137を備え、前記動力室137の左側端壁に動力モータ105が固定して取り付けられ、前記動力モータ105の右端に第1回転軸106が動力を伝動可能に接続され、前記動力室137に前記第1回転軸106の右端に固定して取り付けられる第1かさ歯車104が設置され、前記動力室137の上端壁に上方へ延びている第2回転軸154が回転可能に取り付けられ、前記動力室137に前記第2回転軸154の下端に固定して取り付けられ且つ前記第1かさ歯車104と噛み合いする第2かさ歯車103が設置され、前記第2回転軸154の上端にプーリ伝動機構を介してミョウバン予備混合装置が設置され、ミョウバン予備混合装置は前記動力室137の右側に設置された予備混合室148を備え、前記予備混合室148においてブレード機構及び予備混合ブロックによってミョウバン及び排水が予備混合され、前記動力室137の下端壁に下方へ延びている第3回転軸134が回転可能に取り付けられ、前記動力室137に前記第3回転軸134の上端に固定して取り付けられ且つ前記第1かさ歯車104と噛み合いする第3かさ歯車107が設置され、前記第3かさ歯車107の下端に歯車系を介して撹拌反応装置が伝動可能に接続され、前記撹拌反応装置は前記予備混合室148の下端壁に連通して設置された回転室123を備え、前記回転室123に撹拌ブロック121が回転可能に設置され、前記撹拌ブロック121に上向きに開口した撹拌室122が設置され、前記撹拌室122にカム撹拌機構が設置され、前記カム撹拌機構と前記撹拌ブロック121の回転方向が反対する運動関係により排水とミョウバンの反応が促進され、前記撹拌反応装置の下側に沈殿ろ過装置が設置され、前記沈殿ろ過装置は前記撹拌室122の下端壁に連通して設置された沈殿室130を備え、前記沈殿室130に反応により生じた不純物を排水から分離するためのろ過機構が設置されている。
【0016】
好適には又は例示的には、前記ミョウバン予備混合装置は前記予備混合室148の左側端壁に連通して設置された供給室101を備え、前記装置本体100の上端面に上向きに開口した供給口156が設置され、前記供給口156と前記供給室101との間にキャビティ155が連通して設置され、前記供給室101の上下端壁の間に第4回転軸153が回転可能に取り付けられ、前記供給室101に前記第4回転軸153の外面に固定して取り付けられる取付スリーブ152が設置され、前記供給室101に前記取付スリーブ152の外面に固定して取り付けられる第1ブレード151が設置され、且つ前記第1ブレード151の上下端面が前記供給室101の上下端壁に当接し、前記予備混合室148の上端壁に下方へ延びている第5回転軸141が回転可能に取り付けられ、前記予備混合室148に接続ブラケットを介して前記予備混合室148の内壁の間に固定して取り付けられる固定スリーブ142が上下対称となるように設置され、且つ前記第5回転軸141は上下の2つの固定スリーブ142を回転可能に貫通し、前記予備混合室148に前記第5回転軸141の外面に固定して取り付けられる第2ブレード150が設置され、且つ前記第2ブレード150の左端が前記第1ブレード151と互いに嵌め合いし、前記予備混合室148の左側端壁に前記動力室137の上側に位置するプーリ室146が連通して設置され、且つ前記第2回転軸154の上端は前記プーリ室146に回転可能に伸びかつ前記プーリ室146の上端壁と回転して嵌め合いするように接続され、前記プーリ室146に前記第2回転軸154の外面に固定して取り付けられる駆動輪102が設置され、前記予備混合室148に前記第5回転軸141の外面に固定して取り付けられる従動輪144が設置され、前記駆動輪102と前記従動輪144との間に伝動ベルト145が動力を伝動可能に接続され、前記予備混合室148に前記第5回転軸141の外面に固定して取り付けられる複数の撹拌ブロック140が設置され、前記予備混合室148の右端壁の上側に外界に連通している排水パイプ147が設置されている。以上の内容は、以下の役割を有する。前記排水パイプ147を介して前記予備混合室148に供給されると、前記供給口156から前記供給室101へ十分のミョウバンを添加するとともに、前記動力モータ105を起動させ、前記動力モータ105は前記第2回転軸154を介して動力を上方へ伝達し、前記第2回転軸154は前記駆動輪102と前記従動輪144との間の動力関係を利用して前記第5回転軸141を回転駆動し、前記第5回転軸141は前記第2ブレード150と前記第1ブレード151との嵌合関係を利用して前記供給室101におけるミョウバンを前記予備混合室148に押し、前記撹拌ブロック140は排水及びミョウバンに対して予備撹拌を行い、それによって、排水及びミョウバンに対する一回目の撹拌が完了し、撹拌の均一性が高まる。
【0017】
好適には又は例示的には、前記撹拌反応装置は下方へ延び且つ前記撹拌室122の内部に伸びている前記第3回転軸134を備え、前記動力室137の下側に歯車室110が設置され、且つ前記第3回転軸134の下端が前記歯車室110を回転可能に貫通し、前記歯車室110に前記第3回転軸134の外面に固定して取り付けられる駆動歯車136が設置され、前記歯車室110の下側に嵌合室113が設置され、前記歯車室110と前記嵌合室113との間に第6回転軸112が回転して嵌め合いするように接続され、且つ前記第6回転軸112の上端が前記歯車室110の上端壁に回転して嵌め合いするように接続され、前記歯車室110に前記第6回転軸112の外面に固定して取り付けられ且つ前記駆動歯車136と噛み合いする従動歯車111が設置され、前記嵌合室113の上端壁に下方へ延びている回転スリーブ133が回転して嵌め合いするように接続され、前記回転スリーブ133の下端が前記撹拌室122の内部に伸びており、且つ前記撹拌室122は前記第3回転軸134の外面に套設され、前記嵌合室113に前記回転スリーブ133の外面に固定して取り付けられる伝動プーリ135が設置され、前記嵌合室113に前記第6回転軸112の下端に固定して取り付けられる嵌合プーリ114が設置され、前記嵌合プーリ114と前記伝動プーリ135との間にタイミングベルト115が動力を伝動可能に接続され、前記撹拌室122に前記回転スリーブ133の外面に固定して取り付けられる固定ブラケット117が設置され、且つ前記回転スリーブ133から離れた前記固定ブラケット117の一端は前記撹拌ブロック121に固定して接続され、前記撹拌室122に前記回転スリーブ133の外面に固定して取り付けられるカム取付ブロック160が設置され、前記カム取付ブロック160に前記回転スリーブ133を貫通したカム取付室164が設置され、前記カム取付室164に前記第3回転軸134の外面に固定して取り付けられるカム163が設置され、前記第3回転軸134から離れた前記カム取付室164の端壁にシュート161が連通して設置され、前記シュート161に左右にスライド可能なプッシュロッド167が設置され、前記カム取付ブロック160に前記カム取付室164の両側に位置するバネ室168が左右対称となるように設置され、且つ前記プッシュロッド167は前記バネ室168をスライド可能に貫通し、前記バネ室168の上下端壁のいずれにも外界に連通しているストローク溝165が設置され、前記ストローク溝165に左右にスライド可能であるとともに前記プッシュロッド167の上下端面に固定して取り付けられる撹拌ロッド166が設置され、前記第3回転軸134から離れた前記撹拌ロッド166の端面と前記第3回転軸134から離れた前記バネ室168の端壁との間に上下対称となるように押さえバネ162が固定して設置されている。以上の内容は、以下の役割を有する。予備撹拌が完了した排水及びミョウバンの混合物が前記撹拌室122に落ちると、前記動力モータ105は動力を前記回転スリーブ133に伝達し、前記回転スリーブ133は前記駆動歯車136と前記従動歯車111との間の噛合関係を利用して前記第6回転軸112を回転駆動し、前記第6回転軸112は前記嵌合プーリ114と前記伝動プーリ135との間の動力関係を利用して前記回転スリーブ133を回転駆動し、前記回転スリーブ133は前記固定ブラケット117を介して前記撹拌ブロック121を前記回転室123において回転駆動し、また、前記第3回転軸134は前記カム163を回転駆動し、前記撹拌ロッド166は前記押さえバネ162の付勢力の作用によって前記ストローク溝165において左右に移動し、それによって、排水及びミョウバンをさらに撹拌し、回転方向が反対するカム機構及び前記撹拌ブロック121は撹拌の均一性を高めるとともに、排水及びミョウバンの反応を加速化させる。
【0018】
好適には又は例示的には、前記沈殿ろ過装置は前記沈殿室130の左側に設置されかつ外界に連通している収容室125を備え、前記収容室125の右端壁と前記沈殿室130の左端壁との間に右上方へ伸びているろ過チャンネル126が連通して設置され、前記ろ過チャンネル126に電磁弁127が設置され、前記沈殿室130の左右端壁の間に左下方へ延びているろ過網128が固定して取り付けられ、前記沈殿室130の左右端壁の上側の間に開口制御弁124が固定して取り付けられ、前記沈殿室130の右側端壁の下側に外界に連通している排水パイプ131が設置され、前記排水管路131に排水制御弁132が設置されている。以上の内容は、以下の役割を有する。前記撹拌室122におけるミョウバン及び排水が十分に反応した後、前記開口制御弁124を開いて、前記ろ過網128で反応後の大粒子が遮断され、反応終了後の排水が前記排水パイプ131から次の排出工程に流れ、それと同時に、大粒子が前記ろ過チャンネル126を介して前記収容室125に入り、それによって、反応により生じた大粒子のろ過が完了する。
【0019】
本発明の実施形態
使用するときに、排水を供給して、ミョウバン予備混合装置でミョウバンを排水と予備混合し、混合後、前記撹拌室122に送り、撹拌反応装置により両方の反応を加速化させ、反応終了後、前記沈殿室130に送ってろ過機構で大粒子を濾別する。
【0020】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。本発明は、構造がシンプルであり、コンパクトな伝動により排水における大粒子を沈殿させ、機構同士の伝動により装置の運転の連動性を高め、2つの撹拌機構によって排水に添加されるミョウバンに対する撹拌の均一性を向上させて、カム機構によってミョウバンと排水の間の反応を加速化させ、ろ過効率を高め、また、流れる水の量に応じてミョウバンを添加することで十分の浄化能力を確保する。
【0021】
当業者にとって明らかなように、本発明全体の趣旨及び構想から逸脱せずに、以上の実施例に対してさまざまな変形を行うことができ、これらは、すべて本発明の特許範囲に属し、本発明の保護範囲は、本発明において添付した特許請求の範囲を基準にする。
図1
図2
図3