(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力手段は、前記レシートデータを、紙媒体のレシートとして印字出力又は電子レシートとして外部装置に出力する請求項1〜3の何れか一項に記載の販売データ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態に係る販売データ処理装置及びプログラムについて、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、スーパーマーケット等の小売店(店舗)に導入される販売システムに適用した例について説明するが、この実施形態に限定されるものではない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る販売データ処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示すように、販売データ処理システム1は、POS端末10と、情報提供サーバ20とを有する。POS端末10と情報提供サーバ20とは、ネットワークN1を介して接続される。ネットワークN1は、例えばインターネットや専用線によって構成される。なお、ネットワークN1に接続されるPOS端末10及び情報提供サーバ20の個数は特に問わないものとする。
【0010】
POS端末10は、販売データ処理装置の一例である。POS端末10は、店舗毎に一又は複数台設けられ、店員等のオペレータの操作に応じて、客が購入する商品の決済に係る処理を実行する。
【0011】
情報提供サーバ20は、外部装置の一例である。情報提供サーバ20は、例えばPOS端末10が置かれた店舗を運営する企業や、当該企業以外の第三者機関が管理するサーバ装置である。情報提供サーバ20は、POS端末10に対し後述する付加情報を提供する。なお、本実施形態では、情報提供サーバ20は、一のサーバ装置で実現されるものとするが、これに限らず、複数のサーバ装置の協働により実現されるクラウドサーバであってもよい。
【0012】
図2は、POS端末10の外観の一例を示す外観斜視図である。POS端末10は、ドロワ11の上に載置されており、ドロワ11の引出12の開放動作を制御することができる。ドロワ11は、客から受領した現金や、釣銭等に使用する現金を収納する。なお、POS端末10は、ドロワ11に代えて、又はドロワ11と共に自動釣銭機を備えていてもよい。POS端末10の本体ハウジング13は、上面右側にキーボード14と第1表示部15とを設ける。
【0013】
キーボード14は、POS端末10を操作する各種キーを備える。キーボード14は、例えば、締めキー141と、現計キー142とを備える。締めキー141は、後述する販売登録の終了を指示するための操作子である。現計キー142は、後述する決済処理の開始を指示するための操作子である。
【0014】
第1表示部15は、表示面上にタッチパネルが積層されたタッチパネルディスプレイである。第1表示部15は、例えば、店員等のオペレータが主に見る画面を表示する。本体ハウジング13は、上面後方には、第2表示部16を設ける。第2表示部16は、表示面上にタッチパネルが積層されたタッチパネルディスプレイである。第2表示部16は、例えば、商品を購入する客が主に見る画面を表示する。
【0015】
POS端末10は、本体ハウジング13の上面左側には印字部17を設ける。印字部17は、取引単位のレシートやジャーナル等を用紙に印字するプリンタである。用紙は、印字媒体の一例である。なお、用紙は、ロール状に巻かれたロール紙であってもよいし、それぞれが個別に分けられた紙葉であってもよい。
【0016】
POS端末10は、本体ハウジング13の右側面の溝に、カードリーダ18を備える。カードリーダ18は、客が所持するクレジットカードやデビットカード等のカード媒体から、電子決済に係る電子結果情報を読み取る。
【0017】
また、POS端末10は、手持ち式のスキャナ装置19を設ける。スキャナ装置19は、商品に付されたコードシンボルから、当該商品を識別可能な商品コードを読み取る。
【0018】
図3は、POS端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。POS端末10は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、記憶部104、通信部105、キーボード14、第1表示部15、第2表示部16、印字部17、カードリーダ18及びスキャナ装置19を備える。
【0019】
CPU101は、プロセッサであり、ROM102又は記憶部104に記憶されたプログラムを実行することで、POS端末10の動作を統括的に制御する。ROM102は、CPU101が実行可能な各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAM103は、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。CPU101は、RAM103をワークエリア(作業領域)としてROM102又は記憶部104等に格納されたプログラムを実行する。
【0020】
記憶部104は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部104は、CPU101が実行可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。
【0021】
また、記憶部104は、各種情報を記憶するための記憶領域として、内部コンテンツ記憶部1041と、商品マスタ記憶部1042とを保持する。また、記憶部104は、後述する外部コンテンツを記憶するための外部コンテンツ記憶部1043を保持する。
【0022】
内部コンテンツ記憶部1041は、表示や印字の出力に使用するコンテンツデータを記憶したデータファイルである。内部コンテンツ記憶部1041は、複数の言語毎に、当該言語で表されたコンテンツデータ(以下、内部コンテンツという)を記憶する。より詳細には、内部コンテンツ記憶部1041は、各言語を識別する言語コードに関連付けて、当該言語で作成された内部コンテンツを記憶する。
【0023】
図4は、内部コンテンツ記憶部1041のデータ構成の一例を示す図である。
図4に示すように、内部コンテンツ記憶部1041は、コンテンツIDと、言語コードと、内部コンテンツとを関連付けて記憶する。
【0024】
コンテンツIDは、内部コンテンツの各々を識別するための識別子である。内部コンテンツは、表示用と印字用とに区分けされたり、出力対象等に応じて区分けされたりしている。例えば、表示用であれば、後述する言語選択画面用や、販売登録に係る表示画面、決済処理用に係る表示画面用の内部コンテンツがそれぞれ記憶されている。また、印字用であれば、レシート出力用やジャーナル出力用の内部コンテンツがそれぞれ記憶されている。コンテンツIDは、区分された内部コンテンツを識別するために用いられる。
【0025】
各コンテンツIDには、複数の言語コードが関連付けられている。言語コードは、POS端末10で対応可能な各言語を識別するための識別情報である。言語コードには、対応する言語を用いて作成された内部コンテンツが関連付けられている。
【0026】
内部コンテンツは、表示や印字の対象となるコンテンツデータである。本実施形態の内部コンテンツは、項目名やメッセージ等の所定の文字列を表したテキストデータを含む。ここで、同一のコンテンツIDに関連付けられた各言語の内部コンテンツは、同一の事柄や意味を表す。つまり、同一のコンテンツIDに関連付けられた各言語の内部コンテンツは対訳関係を有している。
【0027】
なお、内部コンテンツは、テキストデータに限らず、他の種類のコンテンツデータであってもよいし、複数種類のコンテンツデータで構成されてもよい。例えば、内部コンテンツは、ロゴマークやイラスト等の画像データであってもよい。また、内部コンテンツは、出力時のレイアウトを定義するためのレイアウトデータであってもよい。レイアウトデータは、他の内部コンテンツ(テキストデータ、画像データ)と組み合わせることで、画面レイアウトや印字レイアウト等を定義するものである。また、各言語で出力形態が共通する内部コンテンツについては、コンテンツID“0002”や“0003”に示すように、各言語間で同一の内部コンテンツを保持する構成としてもよい。
【0028】
また、外部コンテンツ記憶部1043は、内部コンテンツ記憶部1041と同様のデータ構成を有するものとする。
【0029】
図3に戻り、商品マスタ記憶部1042は、商品に関する商品情報を記憶したデータファイルである。商品マスタ記憶部1042は、複数の言語毎に、当該言語で表された各商品の商品情報を記憶する。より詳細には、商品マスタ記憶部1042は、商品を識別可能な商品コード毎に、各言語を識別する言語コードに関連付けて、当該言語で表された商品情報を保持する。
【0030】
図5は、商品マスタ記憶部1042のデータ構成の一例を示す図である。
図5に示すように、商品マスタ記憶部1042は、商品コードと、言語コードと、商品情報とを関連付けて記憶する。
【0031】
商品コードは、商品を識別可能な識別情報である。識別情報は、例えばJANコード(Japanese Accepted Name)等を用いることができる。言語コードは、POS端末10で対応可能な各言語を識別するための識別情報である。言語コードには、対応する言語で表された商品情報が関連付けて記憶される。
【0032】
商品情報は、商品コードに対応する商品の商品名、単位数量当たりの価格(単価)等、当該商品に関する情報を含む。ここで、同一の商品コードに関連付けられた各言語の商品情報は、同一の事柄や意味を表す。つまり、同一の商品コードに関連付けられた各言語の商品情報は対訳関係を有している。
【0033】
なお、商品情報は、商品名や単価に限らず、他のデータを含んでもよい。例えば、商品情報は、商品の種別、原産地や生産者をテキストで表したデータを含んでもよい。また、商品が薬剤の場合、商品情報は、その薬剤に関する説明文や注意事項等をテキストで表したデータを含んでもよい。また、商品情報は、商品の画像やイラストを表した画像データを含んでもよい。なお、各言語で出力形態が共通する商品情報(単価等)については、複数の言語間で同一の商品情報を保持する構成としてもよい。
【0034】
図3に戻り、通信部105は、ネットワークN1に接続された各機器と通信を行うための通信インタフェースである。具体的には、通信部105は、CPU101の制御の下、ネットワークN1に接続された情報提供サーバ20との間で通信を行う。
【0035】
次に、POS端末10が有する特徴的な機能について説明する。
図6は、POS端末10の機能構成の一例を示す図である。
【0036】
POS端末10のCPU101は、記憶部104に記憶されたプログラムをRAMに展開し、当該プログラムを実行することで、
図6に示す各機能部を実現する。具体的には、CPU101は、機能部として、操作受付部1001と、言語設定部1002と、販売登録部1003と、決済処理部1004と、付加情報取得部1005と、表示制御部1006と、印字制御部1007とを備える。
【0037】
操作受付部1001は、キーボード14を介した各種操作を受け付ける。また、操作受付部1001は、第1表示部15のタッチパネルや、第2表示部16のタッチパネル等を介した各種操作を受け付ける。
【0038】
言語設定部1002は、表示又は印字に用いる言語の設定を行う機能部である。言語設定部1002は、キーボード14、第1表示部15のタッチパネル及び第2表示部16のタッチパネル等を介して言語を指定する操作を受け付けると、その指定された言語を表示や印字用の言語に設定する。本実施形態では、言語設定部1002は、POS端末10で対応可能な複数の言語(言語コード)の中から、第1言語と第2言語との指定(選択)を受け付ける。
【0039】
第1言語は、POS端末10が通常使用する言語である。第1言語は、例えば、POS端末10の初回起動時に選択され、選択された言語の言語コードがデフォルトの言語設定として記憶部104等に設定(記憶)される。第1言語には、例えば、POS端末10が置かれた国の言語や、POS端末10のオペレータが理解可能な言語を選択することが好ましい。なお、第1言語の選択方法は特に問わないものとする。また、第1言語は、予め設定されている構成としてもよい。本実施形態では、第1言語として「日本語」が設定されているものとする。
【0040】
第2言語は、商品の取引時に一時的に使用する言語であり、取引毎に選択することが可能となっている。ここで、取引とは、一人の客に対して販売登録及び決済処理が行われる期間を意味する。第2言語は、取引の開始時や取引中に訪日外国人等の客によって選択され、選択された言語の言語コードが取引の間RAMに設定(記憶)される。
【0041】
言語設定部1002は、表示制御部1006と協働することで、第2言語を選択するための言語選択画面(
図7参照)を客用の第2表示部16に表示させ、言語選択画面から選択された一の言語を第2言語に設定する。言語選択画面については後述する。
【0042】
販売登録部1003は、客が購入する商品の販売登録を行う。例えば、販売登録部1003は、スキャナ装置19により商品に付されたコードシンボルから商品コードが読み取られると、その商品コードに対応する商品を商品マスタ記憶部1042から特定し販売登録する。また、決済処理部1004は、上記と同様の処理を行うことで、操作受付部1001が受け付けた操作により特定される商品を販売登録する。また、販売登録部1003は、販売登録された商品の単価及び数量に基づき、各商品の商品金額(単価×数量)や、当該商品金額を合計(又は小計)した合計金額等を算出する。なお、販売登録とは、特定した商品の商品コードを、当該商品の購入数や商品金額等と関連付けてRAM103に保持することを意味する。
【0043】
決済処理部1004は、販売登録された商品の販売データに基づいて、当該商品の決済処理を実行する。例えば、決済処理部1004は、現計キー142の操作に応じて、販売登録された各商品の合計金額を、客が支払った金額(支払金額)で決済する決済処理を実行する。また、決済処理部1004は、支払金額から合計金額を減算することで、釣り銭額を算出する。なお、支払金額は、現金に限らず、クレジットカードやデビットカード等の媒体から読み取った電子決済情報によって支払われる構成としてもよい。
【0044】
付加情報取得部1005は、情報提供サーバ20から提供される付加情報を通信部105を介して取得する。例えば、付加情報取得部1005は、情報提供サーバ20から定期的又は不定期で提供される付加情報を取得する。また、付加情報取得部1005は、情報提供サーバ20に対して付加情報の取得要求を送信することで、情報提供サーバ20から付加情報を取得する。
【0045】
付加情報は、表示や印字の出力に使用することが可能なコンテンツデータ(以下、外部コンテンツという)を含む。具体的には、本実施形態の付加情報は、外部コンテンツIDと、言語コードと、外部コンテンツとを含む。
【0046】
外部コンテンツIDは、付加情報(外部コンテンツ)の各々を識別するための識別子である。外部コンテンツIDには、複数の言語コードが関連付けられている。また、言語コードには、対応する言語を用いて作成された外部コンテンツが関連付けられている。外部コンテンツは、上述した内部コンテンツと同様にテキストデータ等で構成される。ここで、同一の外部コンテンツID(付加情報)に関連付けられた各言語の外部コンテンツは、同一の事柄や意味を表す。つまり、同一の外部コンテンツIDに関連付けられた各言語の外部コンテンツは対訳関係を有する。なお、各言語で出力形態が共通の外部コンテンツについては、複数の言語間で同一の外部コンテンツを保持する構成としてもよい。
【0047】
外部コンテンツが表す内容は特に問わず、種々の形態が可能である。例えば、外部コンテンツは、POS端末10が置かれた店舗や特定の商品を宣伝するための広告情報であってもよい。また、外部コンテンツは、POS端末10が置かれた地域や国に関する地域情報であってもよい。また、外部コンテンツは、POS端末10が置かれた店舗や当該店舗周辺の他の店舗で利用することが可能な割引クーポン等のサービス情報であってもよい。
【0048】
また、付加情報は、外部コンテンツ以外の他のデータを含んでいてもよい。例えば、付加情報は、外部コンテンツの出力に係る条件を定めたデータ(以下、付加条件)を含んでもよい。係る付加条件には、例えば、特定の言語が設定されている場合に出力することや、特定の時間帯に出力すること等の条件を設定することができる。
【0049】
付加情報取得部1005は、情報提供サーバ20から付加情報を取得すると、その付加情報に含まれた外部コンテンツ等を外部コンテンツ記憶部1043に記憶する。外部コンテンツ記憶部1043は、外部コンテンツを記憶するためのデータファイルであり、例えば、上述した内部コンテンツ記憶部1041と同様のデータ構成(
図5参照)を有する。なお、付加情報取得部1005は、外部コンテンツ記憶部1043への格納時に外部コンテンツIDを割り当てる構成としてもよい。また、付加情報に、付加条件等の他のデータが含まれる場合には、当該他のデータを対応する外部コンテンツIDに関連付けて外部コンテンツ記憶部1043に記憶するものとする。
【0050】
表示制御部1006は、表示制御手段の一例である。表示制御部1006は、商品の取引に係る各種の画面を、言語設定部1002が設定した言語で、第1表示部15又は第2表示部16に表示させる。
【0051】
表示制御部1006は、第2言語が未設定の場合、第1言語で表した各種の情報や画面を第1表示部15及び第2表示部16に表示させる。具体的には、表示制御部1006は、内部コンテンツ記憶部1041に記憶された各言語の内部コンテンツから、第1言語に設定された言語コード(以下単に第1言語ともいう)の内部コンテンツを用いて、各種の情報や画面を第1表示部15及び第2表示部16に表示させる。なお、表示の対象となる内部コンテンツ(コンテンツID)は、表示する画面や処理の内容等に対応して予め設定されているものとする。
【0052】
また、表示制御部1006は、第2言語が未設定の場合、言語設定部1002や決済処理部1004と協働することで、第2言語を選択させるための言語選択画面を第2表示部16に表示させる。
【0053】
図7は、言語選択画面の一例を模式的に示す図である。
図7に示す言語選択画面G1は、POS端末10が対応する各言語を、当該言語を主に使用する国の国旗で表したものである。国旗が付された操作子B11は選択可能に構成されている。言語設定部1002は、何れか一の操作子B11の選択操作を受け付けると、その選択された操作子B11の国旗に対応する言語の言語コードを第2言語に設定する。
【0054】
表示制御部1006は、言語設定部1002により第2言語が設定されると、設定された第2言語で各種の情報や画面を、客用の第2表示部16に表示させる。具体的には、表示制御部1006は、内部コンテンツ記憶部1041に記憶された各言語の内部コンテンツのうち、第2言語に設定された言語コード(以下単に第2言語ともいう)の内部コンテンツを用いて、各種の情報や画面を第2表示部16に表示させる。
【0055】
なお、言語選択画面は、
図7に限らないものとする。例えば、表示制御部1006は、POS端末10が対応する各言語で、国名や言語選択を促すメッセージ等を表した操作子を言語選択画面に表示させてもよい。また、表示制御部1006は、第1言語を選択肢(操作子)として言語選択画面に表示させてもよいし、表示させない構成としてもよい。
【0056】
また、言語選択画面を表示するタイミングは、対象とする取引が終了する前であれば特に問わないものとする。例えば、表示制御部1006は、販売登録部1003が一取引に係る販売登録を開始したタイミングで言語選択画面を表示してもよい。また、表示制御部1006は、販売登録部1003が一取引に係る販売登録を開始する前に、言語選択画面を表示してもよい。なお、販売登録を開始する前とは、先の客の取引が終了してから、次の客の取引(対象となる取引)が開始されるまでの期間を意味する。また、例えば、レシートの出力用に第2言語を設定する場合には、表示制御部1006は、販売登録部1003が一取引に係る販売登録を終了してから、決済処理部1004が決済処理を開始するまでの間に言語選択画面を第2表示部16に表示させてもよい。
【0057】
また、表示制御部1006は、言語選択画面と同一の画面内に、他の情報を表示させてもよい。例えば、表示制御部1006は、言語選択画面と同一の画面内に、販売登録された商品に関する商品情報や商品金額、合計金額等を表示してもよい。また、表示制御部1006は、外部コンテンツ記憶部1043に記憶された外部コンテンツを第2表示部16に表示させてもよい。なお、第2言語が設定済の場合には、表示制御部1006は、第2言語で商品情報(商品名)や外部コンテンツを第2表示部16に表示させるものとする。
【0058】
印字制御部1007は、生成手段、付加手段及び出力手段の一例である。印字制御部1007は、一取引の取引内容を表したレシートデータを生成する。取引内容は、一取引で販売登録された商品の内訳や、当該商品の決済処理の内容(合計金額、支払い金額、釣り銭額等)の他、取引が行われた店舗名や日時、取引を識別する取引番号等を含む。
【0059】
具体的には、印字制御部1007は、第2言語が未設定の場合、取引内容を第1言語で表した文字列を含むレシートデータを生成する。また、印字制御部1007は、第2言語が設定済の場合、レシートデータに含まれた第1言語の文字列に対応付けて、当該文字列と対訳関係にある第2言語の文字列を付加する。そして、印字制御部1007は、生成したレシートデータを印字部17に印字させることで、一取引の内容を示したレシートを出力(発行)する。発行されたレシートは、取引の終了時に客に渡される。
【0060】
ここで、第2言語が設定されている場合での、印字制御部1007の動作について説明する。印字制御部1007は、決済処理部1004の決済処理が完了すると、販売登録された商品の商品コードに関連付けられた商品情報の中から、第1言語の商品情報を抽出する。また、印字制御部1007は、販売登録された商品の商品コードに関連付けられた商品情報の中から、第2言語の商品情報を抽出する。そして、印字制御部1007は、販売登録された商品毎に、当該商品の商品情報を第1言語と第2言語とを対応付けたレシートデータを生成する。
【0061】
図8は、レシート(レシートデータ)の一例を模式的に示す図である。
図8に示すように、レシートR1は、一取引で登録された各商品の商品コードD11、商品名D12、D12a、単価D13、点数D14、商品金額D15、合計金額D16、支払金額D17、釣銭金額D18を、取引内容として含む。なお、合計金額D16、支払金額D17、釣銭金額D18の各々には、その項目を説明するための項目名D21、D22、D23が印字されている。
【0062】
また、レシートR1は、取引内容以外の他の項目として、取引が行われた店舗の店舗名D31や、取引日時D32、取引番号D33を含む。さらに、レシートR1は、メッセージD4を含む。
【0063】
項目名D21、D22、D23、店舗名D31、メッセージD4は、例えばレシート出力用の内部コンテンツ(テキストデータ)で定義されたものである。レシートR1のレイアウトは、例えばレシート出力用の内部コンテンツ(レイアウトデータ)で定義されたものである。また、取引日時D32及び取引番号D33は、取引毎に動的に生成されるデータである。なお、取引日時D32の表示形態は、内部コンテンツとして言語毎に保持されているものとする。
【0064】
ここで、取引内容に含まれた商品名に着目すると、レシートR1では、第1言語(日本語)で表された商品名D12と、第2言語(英語)で表された商品名D12aとが併記されている。具体的には、印字制御部1007は、第1言語で表された一文(例えば商品名D12)の直下に、当該一文と対訳関係にある第2言語の一文(例えば商品名D12a)を付加して印字(出力)させる。これにより、
図8に示すように、対訳関係にある商品名同士が、二段で併記される。
【0065】
このように、印字制御部1007は、第2言語が設定されたことを条件に、販売登録された商品について、対訳関係にある商品名を併記したレシートを出力(印字)させる。これにより、第2言語を理解可能な訪日外国人等の客は、レシートに印字された取引内容(商品名D12a)を容易に理解することができる。また、第1言語を理解可能なオペレータは、レシートに印字された取引内容(商品名D12)を容易に理解することができる。また、オペレータと客(訪日外国人)とは、レシートに印字された取引内容について、認識の共通化を容易に図ることができる。
【0066】
なお、レシートR1では、商品名以外の項目を第1言語(日本語)で出力しているが、他の項目についても第2言語を付加した状態で出力させてもよい。この場合、印字制御部1007は、第2言語が選択されたことを条件に、レシートデータに含まれた第1言語の内部コンテンツ(テキストデータ)に対応付けて、当該内部コンテンツと対訳関係にある第2言語の内部コンテンツを付加する。
【0067】
具体的には、印字制御部1007は、内部コンテンツ記憶部1041に記憶されたレシート出力用の内部コンテンツの中から、第1言語の内部コンテンツに対応する第2言語の内部コンテンツを抽出する。そして、印字制御部1007は、第1言語の内部コンテンツの直下に、抽出した第2言語の内部コンテンツを付加して印字させる。これにより、
図9に示すように、対訳関係にある内部コンテンツ同士が、二段で併記される。
【0068】
図9は、レシート(レシートデータ)の他の例を模式的に示す図である。
図9のレシートR2は、
図8のレシートR1と同じ取引内容を示しているが、取引内容以外の他の項目が第1言語と第2言語とで併記されている点でレシートR1と異なっている。
【0069】
具体的には、レシートR2では、第1言語で表された項目名D21、D22、D23が、対訳関係にある第2言語の項目名D21a、D22a、D23aとそれぞれ併記されている。また、第1言語で表された店舗名D31、メッセージD4が、対訳関係にある第2言語の店舗名D31a、メッセージD4aとそれぞれ併記されている。また、取引日時D32についても、第2言語で表された取引日時D32aが併記されている。
【0070】
このように、印字制御部1007は、第2言語が設定されたことを条件に、対訳関係にある取引内容以外の項目(コンテンツ)を対応付けたレシートを印字させる。これにより、第2言語を理解可能な訪日外国人等の客は、レシートに印字された取引内容以外の項目を容易に理解することができる。また、第1言語を理解可能なオペレータは、レシートに印字された取引内容以外の項目を容易に理解することができる。また、オペレータと客(訪日外国人)とは、レシートに印字された取引内容以外の項目について、認識の共通化を容易に図ることができる。
【0071】
また、レシートR1、R2では、商品の単価D13や合計金額D16等の金額を、第1言語を使用する主要な国(以下、第1国)の通貨単位で表しているが、当該金額についても第2言語に関連する情報を付加した状態で出力させてもよい。
【0072】
例えば、印字制御部1007は、第1国の通貨単位で表した金額に対応付けて、第2言語を使用する主要な国(以下、第2国)の通貨単位に換算した金額を付加してもよい。この場合、印字制御部1007は、第1国と第2国との間の為替レートに基づいて、第1国の通貨単位で表した金額を第2国の通貨単位の金額に換算する。そして、印字制御部1007は、第1国の通貨単位で表した金額の直下に、当該金額を第2国の通貨単位で換算した金額を付加して印字させる。これにより、
図10に示すように、第1国の通貨単位で表した金額と、第2国の通貨単位に換算した金額とが、二段で併記される。
【0073】
図10は、レシートの他の例を模式的に示す図である。
図10のレシートR3は、
図8のレシートR1と同じ取引内容を示しているが、合計金額等の金額が併記されている点でレシートR1と異なる。具体的には、レシートR3では、第1国(日本)の通貨単位で表された単価D13、商品金額D15、合計金額D16、支払金額D17、釣銭金額D18の各々について、第2国(米国)の通貨単位で表された単価D13a、商品金額D15a、合計金額D16a、支払金額D17a、釣銭金額D18aがそれぞれ併記されている。なお、
図10の例では、説明の簡略化のため1USドル=100円で換算した例を示している。
【0074】
このように、印字制御部1007は、第2言語が設定されたことを条件に、第1国の通貨単位で表した金額と、第2国の通貨単位に換算した金額とを対応付けたレシートを印字させる。これにより、訪日外国人等の客は、第1国の通貨単位で表された金額が、第2国(自国)の通貨単位でどの程度の金額に相当するかを容易に確認することができるため、金額を確認する際の利便性を向上させることができる。なお、為替レートは、外部のサーバ装置から取得してもよいし、記憶部104等に予め記憶されている構成としてもよい。また、印字制御部1007は、換算に用いた為替レートをレシートデータに含めて印字させてもよい。
【0075】
また、印字制御部1007は、外部コンテンツ記憶部1043に記憶された付加情報(外部コンテンツ)をレシートデータに含めて印字してもよい。この場合、印字制御部1007は、第1言語の外部コンテンツをレシートデータに含めて印字させる。また、印字制御部1007は、第2言語が設定済であることを条件に、レシートデータに含まれた第1言語の外部コンテンツに対応付けて、当該外部コンテンツと対訳関係にある第2言語の外部コンテンツを付加して印字させる。
【0076】
具体的には、印字制御部1007は、外部コンテンツ記憶部1043に記憶された外部コンテンツの中から、第1言語の外部コンテンツに対応する第2言語の外部コンテンツを抽出する。そして、印字制御部1007は、第1言語の外部コンテンツの直下に、抽出した第2言語の外部コンテンツを付加して印字させる。これにより、
図11に示すように、対訳関係にある外部コンテンツ同士が、二段で併記される。
【0077】
なお、出力(印字)の対象とする外部コンテンツの選定方法は、特に問わないものとする。例えば、印字制御部1007は、外部コンテンツ記憶部1043に記憶された全ての外部コンテンツを出力対象としてもよい。また、印字制御部1007は、外部コンテンツに関連付けて記憶された条件情報に基づき、第2言語や取引日時の条件に該当する外部コンテンツを出力対象として選定してもよい。
【0078】
図11は、外部コンテンツが付加されたレシートの一例を示す図である。
図11のレシートR4は、
図8のレシートR1と同じ取引内容を示しているが、レシートの末尾部分に外部コンテンツD5が付加されている点でレシートR1と異なる。このレシートR4は、第2言語(英語)が設定済の例であり、第1言語の外部コンテンツと、第2言語の外部コンテンツとを対応付けて印字した例を示している。具体的には、外部コンテンツD5に含まれた、対訳関係にある第1言語の文字列D51と第2言語の文字列D51aとが併記されている。また、外部コンテンツD5に含まれた、対訳関係にある第1言語の文字列D52と第2言語の文字列D52aとが併記されている。
【0079】
このように、印字制御部1007は、第2言語が設定されたことを条件に、対訳関係にある外部コンテンツを対応付けたレシートを印字させる。これにより、客である訪日外国人は、レシートに印字された外部コンテンツの内容を容易に理解することができる。また、第1言語を理解可能なオペレータは、レシートに印字された外部コンテンツの内容を容易に理解することができる。また、オペレータと客(訪日外国人)とは、レシートに印字された外部コンテンツについて、認識の共通化を容易に図ることができる。
【0080】
なお、外部コンテンツの配置位置はレシートの末尾部分に限らないものとする。例えば、印字制御部1007は、レシートの先頭部分等の他の部位に外部コンテンツを配置させてもよい。また、印字部17が用紙の両面に印字することが可能な構成を有する場合、印字制御部1007は、用紙の一方の面に取引内容を印字させ、用紙の他方の面に外部コンテンツを印字させてもよい。
【0081】
また、印字制御部1007は、上記した客用のレシートとともに、店舗保存用のジャーナルを印字部17に印字させる。具体的には、印字制御部1007は、第2言語の設定有無に関わらず、第1言語で取引内容を表したジャーナルを印字させる。なお、印字制御部1007は、レシートの印字に用いた第2言語の言語コードをジャーナルに含めて印字させてもよい。
【0082】
以下、上述した構成のPOS端末10の動作について説明する。
図12は、POS端末10が実行する販売データ処理の一例を示す図である。なお、本処理の前提として、第1言語は予め設定されているものとする。また、情報提供サーバ20から提供される付加情報(外部コンテンツ)は外部コンテンツ記憶部1043に予め記憶されているものとする。
【0083】
まず、所定の操作により取引の開始が指示されると、表示制御部1006は、言語選択画面を第2表示部16に表示させる(ステップS11)。
【0084】
言語設定部1002は、ステップS11で表示された言語選択画面から一の言語(第2言語)が選択されたか否かを判定する(ステップS12)。ここで、一の言語が選択されると(ステップS12;Yes)、言語設定部1002は、その選択された言語の言語コードを第2言語に設定する(ステップS13)。また、言語選択画面から一の言語が選択されない場合又は第2言語が設定済の場合には(ステップS12;No)、ステップS15に移行する。なお、表示制御部1006は、第2言語の設定に伴い、言語選択画面を消去してもよい。
【0085】
ステップS13で第2言語が設定されると、表示制御部1006は、第2表示部16の画面に表示内容を第1言語用から第2言語用に切り替え(ステップS14)、ステップS18に移行する。
【0086】
一方、販売登録部1003は、スキャナ装置19から商品コードが入力されるのを待機している。商品コードの入力を受け付けると(ステップS15;Yes)、販売登録部1003は、ステップS16に移行する。また、商品コードが入力されない場合には(ステップS15;No)、ステップS18に移行する。なお、ステップS15(ステップS18)の処理は、ステップS12の処理と並行又は並列で行われてもよい。
【0087】
販売登録部1003は、ステップS15で入力された商品コードの商品を販売対象の商品として販売登録する(ステップS16)。次いで、表示制御部1006は、販売登録された商品の商品情報に基づき、その商品の商品名や購入数等を第1表示部15及び第2表示部16に表示させ(ステップS17)、ステップS18に移行する。なお、第2言語が未設定の場合には、表示制御部1006は、商品情報を第1言語で第1表示部15及び第2表示部16に表示させる。また、第2言語が設定済の場合には、表示制御部1006は、商品情報を第1言語で第1表示部15に表示させるとともに、第2言語で第2表示部16に表示させる。
【0088】
続いて、販売登録部1003は、締めキー141が操作されたか否かを判定する(ステップS18)。締めキー141が操作されない場合(ステップS18;No)、操作受付部1001は、ステップS12に処理を戻す。また、締めキー141の操作を受け付けると(ステップS18;Yes)、販売登録部1003は販売登録を終了し、ステップS19の処理に移行させる。
【0089】
続いて、操作受付部1001が、現計キー142が操作されるまで待機する(ステップS19;No)。客が支払った支払金額の入力が、この待機時間の間に行われる。なお、レシートの出力用に第2言語を設定する場合、表示制御部1006は、ステップS19の待機が開始されるタイミングで言語選択画面を表示させてもよい。
【0090】
現計キー142の操作を受け付けると(ステップS19;Yes)、決済処理部1004は、販売登録された商品の合計金額を、客の支払金額で決済する決済処理を実行する(ステップS20)。
【0091】
続いて、印字制御部1007は、第2言語が設定済か否かを判定する(ステップS21)。第2言語が未設定の場合(ステップS21;No)、印字制御部1007は、販売登録された商品及び決済処理の内容(取引内容)に基づき、その取引内容を第1言語で表したレシートデータを生成する。そして、印字制御部1007は、生成したレシートデータを紙媒体のレシートとして印字部17に印字させ(ステップS22)、ステップS24に移行する。
【0092】
また、第2言語が設定済の場合(ステップS21;Yes)、印字制御部1007は、取引内容等を第1言語と第2言語とで併記したレシートデータを生成する。そして、印字制御部1007は、生成したレシートデータを紙媒体のレシートとして印字部17に印字させ(ステップS23)、ステップS24に移行する。なお、印字制御部1007は、外部コンテンツ記憶部1043に記憶された外部コンテンツを、レシートデータに含めて印字させてもよい。
【0093】
続いて、印字制御部1007は、取引内容を第1言語で表したジャーナルを印字部17に印字させる(ステップS24)。そして、レシート及びジャーナルの印字が完了すると、言語設定部1002は、第2言語の設定を解除し(ステップS25)、本処理を終了する。
【0094】
以上のように、本実施形態によれば、POS端末10は、取引の最中や取引の開始前(販売登録の開始前)に第2言語の選択を受け付けると、取引内容等を第1言語と第2言語とで表したレシートデータを生成し、レシートとして印字出力する。これにより、POS端末10は、単一のレシートにおいて複数言語化をサポートすることができる。
【0095】
また、POS端末10は、対訳関係にある第1言語及び第2言語の文字列を対応付けた状態で印字する。これにより、POS端末10は、レシートに印字された商品情報や他の項目について、第1言語を理解可能なオペレータと、第2言語を理解可能な訪日外国人等の客との間の認識の共通化を図ることができる。したがって、オペレータと訪日外国人との間でレシート内容の確認が容易となるため、利便性の向上を図ることができる。
【0096】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0097】
例えば、上記実施形態では、レシートを出力する例を説明したが、出力の対象はレシートに限らないものとする。例えば、表示制御部1006は、第2表示部16に表示する商品情報や各種コンテンツを、第1言語と第2言語とを用いて表示(併記)させてもよい。また、印字制御部1007は、ジャーナルに対してもレシートと同様の形態で印字させてもよい。更には、客に手渡されるレシート以外の印刷物についても第1言語と第2言語とを用いて印字してもよい。例えば、調剤薬局等では、薬剤とともに当該薬剤の名称、効能、用法等の説明文(コンテンツ)を印字した文書(以下、薬剤情報提供文書)を客に渡す場合がある。このような場合、印字制御部1007は、薬剤の説明文を第1言語と第2言語とを用いて表した(併記した)薬剤情報提供文書を印字させてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、第2言語は、言語選択画面に基づき選択される例を説明したが、第2言語の選択方法はこれに限らないものとする。例えば、POS端末10が、パスポート(旅券)に保持された情報を読み取り可能なパスポートリーダを備える場合、言語設定部1002は、パスポートから読み取られた情報から客の国籍を特定し、その国籍に対応する言語コードを第2言語に設定してもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、テキストデータの各種コンテンツについて、第1言語と第2言語とを併記する例を説明したが、他の種類のコンテンツについても同様に併記してもよい。例えば、内部コンテンツ記憶部1041に記憶された内部コンテンツとして、画像データが言語毎に用意されている場合には、当該画像データを併記する構成としてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、同じ種類のコンテンツ(テキストデータ)を併記する例を説明したが、これに限らず、対訳関係を有するのであれば、種類の異なるコンテンツデータを併記してもよい。この場合、例えば、内部コンテンツ記憶部1041は、コンテンツIDが共通する内部コンテンツとして、第1言語の文字列をイラスト等で表した画像データ(ロゴマーク等)を第1言語の言語コードに関連付けて記憶し、当該文字列を他の言語で表したテキストデータを対応する言語コードに関連付けてそれぞれ記憶する。係る内部コンテンツを用いることで、印字制御部1007は、第1言語の文字列を表した画像と、当該画像中の文字列を第2言語で表した文字列(テキスト)とを対応付けて印字させることができる。
【0101】
また、上記実施形態では、POS端末10が、内部コンテンツ記憶部1041、商品マスタ記憶部1042及び外部コンテンツ記憶部1043を保持する構成としたが、これに限らないものとする。例えば、POS端末10がアクセス可能な外部装置(店舗内に設けられた店舗サーバ等)が、内部コンテンツ記憶部1041、商品マスタ記憶部1042及び外部コンテンツ記憶部1043の何れか又は全てを保持してもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、各言語用のコンテンツを用意し、選択された言語に応じて使用するコンテンツを切り替える構成としたが、公知の自動翻訳技術を用いることで、第1言語のコンテンツから第2言語のコンテンツを、その都度生成する構成としてもよい。この場合、内部コンテンツ記憶部1041や外部コンテンツ記憶部1043には、第1言語で作成されたコンテンツを記憶し、表示制御部1006や印字制御部1007は、第2言語に自動翻訳されたコンテンツを第2表示部16やレシートの出力に使用する。この場合、自動翻訳は、POS端末10のCPU101が行ってもよいし、ネットワークN1に接続された外部装置(翻訳サーバ等)に行わせる構成としてもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、第1言語と第2言語との印字(併記)について、第1言語を上段に第2言語を下段に印字する例を説明したが、印字方法はこれに限らないものとする。例えば、第2言語を上段に第1言語を下段に印字してもよい。また、例えば、第1言語と第2言語とを横に並べて印字してもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、紙媒体のレシートを印字(印字出力)する例を説明したが、これに限らず、電子レシートの形態で出力する構成としてもよい。この場合、印字制御部1007は、上記実施形態で説明したレシートデータを、電子レシートをとして生成する。そして、印字制御部1007は、電子レシートを生成すると、通信部105等を介して、その取引に係る客が所持する情報端末等に出力(送信)する。
【0105】
ここで、印字制御部1007が生成する電子レシートは、紙媒体のレシートに印字される内容と同じ内容を含むものとする。また、第1言語及び第2言語で表された取引内容及び他の項目については、上記実施形態と同様の形態で併記されるものとする。なお、電子レシートは、例えばXML(Extensible Markup Language)等の構造化言語に基づき、レシートデータを構造化形式に変換したものであってもよい。また、電子レシートは、表示された際の形態が、紙媒体のレシートと同様の表示形態となるよう生成することが好ましい。
【0106】
また、電子レシートの提供方法は特に問わず、種々の方法を採用することが可能である。例えば、会員登録等のシステムにより、客を識別可能な識別情報が予め得られている場合には、当該識別情報に関連付けて当該客が所持する情報端末のアドレスを登録しておく。そして、取引の際に、カードリーダ18等により客が所持する会員カード等の媒体から当該客の識別情報が読み取られると、印字制御部1007は、その識別情報に関連付けられた情報端末のアドレス宛に、生成した電子レシートを出力(送信)する。
【0107】
また、POS端末10が、NFC(Near Field Communication)やIBeacon(登録商標)等の規格に準拠した近距離無線通信装置を備える場合、当該近距離無線通信装置を介して電子レシートを提供してもよい。この場合、印字制御部1007は、近距離無線通信装置を介して、客が所持する情報端末に電子レシートを出力(送信)する。また、電子レシートは、POS端末10から客の情報端末に直接提供する形態に限らず、ネットワークN1等に接続された外部のサーバ装置を介して客の情報端末に提供してもよい。
【0108】
なお、印字制御部1007は、紙媒体のレシートと電子レシートとの何れか一方を出力してもよいし、両方を出力してもよい。例えば、印字制御部1007は、操作受付部1001が受け付けた店員や客の操作に応じて、出力先を切り替えてもよい。
【0109】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、当該装置が備える記憶媒体(ROM又はHDD)に予め組み込んで提供するが、これに限らないものとする。例えば、プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。更に、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0110】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることで提供してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。