【実施例】
【0075】
全ての温度は℃である。融点はStuart SMP30デジタル融点機器を用いてオープンキャピラリー中で測定し、そして補正しない。NMRスペクトルは、Bruker Avance-III-400(1H=400.06 MHz; 19F=376.4 MHz; 13C=100.6 MHz)で周囲プローブ温度(名目295K)で重クロロホルム(CDCl
3)または六重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)のいずれかを溶媒として用いて記録した。化学シフト(δ)は、ppm対内部標準としてのTMS(
1H NMR,
13C NMR)で与える。結合定数は、ヘルツ(Hz)で与える。CI MS(陽イオン)は、TLCプレートエクスプレスリーダーを用いてAdvionエクスプレッションコンパクト質量分析計で行った。シリカゲルプレート、Supelco. S-A(254nMでの蛍光指示薬)(Sigma-Aldrich Chemie GmbH Riedstr. 2D-8955T, Steinheim 497329-970, Germany)をTLCモニタリングのために用いた。
【0076】
追加の液体クロマトグラフィー質量スペクトルは、Acquity UPLC(Waters Corp.)を備えたQToF Premier質量分析計で得た。LC分離は、100%水性(0.1%の水中ギ酸)〜100%有機(0.1%のアセトニトリル中ギ酸)の逆相勾配を用いて0.6 mL/minでC18 BEHクロマトグラフィーカラム(2.1 mm x 100 mmおよび1.7 um粒子径)上で達成した。カラムクロマトグラフィーは、Sigma-Aldrich(The Old Brickyard, Gillingham, SP8 4JL. UK)からのシリカゲル(70-230メッシュ)を用いて、またはKP-Sil, UltraまたはNHカラムを用いるBiotage Isolera Oneシステムを用いて行った。マイクロ波合成は、T640ターミナルコントローラーを有するMilestone microSYNTH MA020高度マイクロ波合成ラボステーションを用いて行った。エネルギー出力は、500ワットであり、そして加熱プログラムは、6-分温度ランプおよび10-分冷却を含んだ。試薬は、Sigma-Aldrich、FluorochemおよびAlfa Aesarから得、そしてさらなる精製なしで用いた。
【0077】
略語
DCM:ジクロロメタン
DIAD アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIPEA:N,N-ジ-イソプロピルエチルアミン
DME:1,2-ジメトキシエタン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HATU:O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HBTU:O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HMDS ヘキサメチルジシラザン
mCPBA メタ-クロロパーオキシ安息香酸
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
NMM:N-メチルモルホリン
Pd
2(dba)
3 トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)
rt:室温
TBTU O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TMEDA N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン
【0078】
調製例1:
5-(ヒドロキシメチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
ウラシル(10.0 g, 89.2 mmol, 1.0 eq.)およびパラホルムアルデヒド(3.24 g, 107 mmol, 1.2 eq.)をKOH(0.5 M, 133 ml)で処理し、そして混合物を50℃で8時間30分間加熱し、rtで64時間攪拌し、次いで50℃で24時間加熱した。混合物を氷浴中で0℃に冷却し、そしてHCl(濃)でpH 6まで酸性化した。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、そしてオーブン乾燥して標題化合物(4.93 g, 39%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.05 (s, 1H), 10.71 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 4.85 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 4.11 (dd, J = 5.5, 1.1 Hz, 2H). R
f = 0.10 (50:8:1 DCM:EtOH:NH
3)
【0079】
調製例2
2,4-ジクロロ-5-(クロロメチル)ピリミジン
調製例1からの5-(ヒドロキシメチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(5.53 g, 38.9 mmol, 1 eq.)をオキシ塩化リン(V)(27.2 ml, 292 mmol, 7.5 eq.)で処理し、続いてDIPEA(25.8 ml, 156 mmol, 4 eq.)を滴下した。得られた懸濁物にトルエン(5.7 ml)を加え、そして混合物を110℃で19時間加熱した。オキシ塩化リン(V)を減圧下で除去し、そして残渣をHCl(1.5 M, 125 ml)に注ぎ、rtまで冷却し、そしてEtOAc(2 × 50 ml)で抽出し、水(50 ml)、NaHCO
3(50 mlの飽和溶液)およびブライン(50 ml)で連続して洗浄した。有機物をMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(1:1 石油:EtOAc)により精製して標題化合物(6.07 g, 79%)を橙色オイルとして得た。
【0080】
調製例3
2,4-ジクロロ-5-(ヨードメチル)ピリミジン
調製例2からの(2,4-ジクロロ-5-ヨードメチル)ピリミジン(6.07 g, 30.4 mmol, 1 eq.)のアセトン(30 ml)溶液にヨウ化ナトリウム(7.27 g, 30.4 mmol, 1 eq.)を加え、そして得られた混合物をrtで1時間攪拌し、次いで加熱還流し、そしてさらに30分間攪拌した。得られた混合物をrtまで冷却し、そして沈殿物を濾去した。濾液を減圧下でエバポレートし、そして残渣をジエチルエーテル(200 ml)中に取った。有機物をメタ重亜硫酸ナトリウム(50 mlの飽和溶液)、水(50 ml)およびブライン(50 ml)で連続して洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して標題化合物(7.35 g, 84%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.62 (s, 1H), 4.41 (s, 2H); R
f = 0.68 (1:1 石油エーテル:EtOAc)
【0081】
調製例4
1'-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
MeCN(50 ml)中の調製例3からの2,4-ジクロロ-5-(ヨードメチル)ピリミジン(1.73 g, 5.98 mmol, 1 eq.)、6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(1.06 g, 5.98 mmol, 1 eq.)およびK
2CO
3(2.03 g, 14.7 mmol, 2.45 eq.)を5時間加熱還流した。混合物をrtまで冷却し、そしてMeCNを減圧下で除去した。残渣をDCM(50 ml)と水(50 ml)との間で分配した。有機層を水(25 ml)およびブライン(25 ml)で連続して洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣の固体をカラムクロマトグラフィー(400:8:1 DCM:EtOH:NH
3)により精製して標題化合物(1.44 g, 71%)を明茶色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.56 (s, 1H), 7.11 - 7.07 (m, 2H), 6.88 - 6.82 (m, 2H), 5.06 (s, 2H), 1.71 - 1.67 (m, 2H), 1.60 - 1.56 (m, 2H); MS CI 339.8 [M + H]
+
【0082】
調製例5
1'-((2-クロロ-4-(イソペンチルアミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
EtOH(6 ml)中の調製例4からの1'-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(145 mg, 0.43 mmol, 1 eq.)、イソペンチルアミン(51 μl, 0.59 mmol, 1 eq.)およびNaHCO
3(86 mg, 1.02 mmol, 2.38 eq.)を1 h加熱還流し、そして混合物をrtで一晩攪拌した。EtOHを減圧下で除去し、そして残渣に水(20 ml)を加えた。沈殿物をろ取して標題化合物(166 mg, 99%)を灰白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.11 (s, 1H), 7.06 (s, 1H, NH), 6.82 - 6.74 (m, 3H), 4.72 (s, 2H), 3.47 - 3.42 (m, 2H), 1.81 - 1.78 (m, 2H), 1.67 - 1.59 (m, 3H), 1.48 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.95 (d, J = 6.4 Hz, 6H). MS CI 390.1 [M + H]
+
【0083】
調製例5と類似の方法で調製した化合物を以下の表に示す:
【0084】
【表2-1】
【0085】
【表2-2】
【0086】
【表2-3】
【0087】
【表2-4】
【0088】
【表2-5】
【0089】
調製例7
1'-((2-クロロ-4-((2-モルホリノエチル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
調製例4からの1'-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(0.20 g, 0.59 mmol, 1 eq.)のMeCN(6 ml)溶液をDIPEA(206 μl, 1.18 mmol, 2 eq.)および4-(2-アミノエチル)モルホリン(78 μl, 0.59 mmol, 1 eq.)で処理した。得られた溶液をrtで60時間攪拌した。MeCNを減圧下でエバポレートし、残渣をDCM(50 ml)に溶解し、そして有機層をHCl(0.5 M, 3 × 50 ml)で抽出した。水層をpH 7.8(NaHCO
3)まで塩基性化した。この溶液をDCM(3 × 50 ml)で抽出し、有機層をブライン(80 ml)で洗浄し、そしてNa
2SO
4で乾燥した。溶媒を減圧下でエバポレートして標題化合物(196 mg, 76%) を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.12 (s, 1H), 7.19 (s, 1H, NH), 6.82 - 6.72 (m, 3H), 4.74 (s, 2H), 3.72 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 3.59 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 6.4 Hz, 2H) 2.53 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 1.80 - 1.77 (m, 2H), 1.62- 1.59 (m, 2H); MS CI 432.9 [M + H]
+.
【0090】
調製例11
1'-((2-クロロ-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
MeCN(4 ml)中の調製例4からの1'-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(135 mg, 0.40 mmol, 1 eq.)を4-アミノテトラヒドロピラン(41 μl, 0.40 mmol, 1 eq.)およびDIPEA(142 μl, 0.80 mmol, 2 eq.)のMeCN(2 ml)溶液で処理した。混合物をrtで60時間攪拌し、そして白色沈殿物の形成を観察した。混合物をマイクロ波バイアルに移し、そしてマイクロ波中、70℃で30分間加熱した。沈殿物を濾過し、そしてDCMに溶解した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を19:1ヘプタン:EtOAc溶液(× 3)で洗浄し、そして乾燥して標題化合物(78.1 mg, 49%)を灰白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.08 (s, 1H), 7.16 (s, 1H, NH), 6.81 - 6.71 (m, 3H), 4.70 (s, 2H), 3.52 (td, J = 7.0, 5.2 Hz, 2H), 3.44 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.32 (s, 3H), 1.90 - 1.83 (m, 2H), 1.82 - 1.77 (m, 2H), 1.60 - 1.57 (m, 2H); MS CI 404.1 [M + H]
+.
【0091】
調製例12
1'-((2-クロロ-4-((3-メトキシプロピル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
MeCN(4 ml)中の調製例4からの1'-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(135 mg, 0.40 mmol, 1 eq.)をDIPEA(142 μl, 0.80 mmol, 2 eq.)および3-メトキシプロピルアミン(43 μl, 0.40 mmol, 1 eq.)で処理した。得られた溶液をマイクロ波中、70℃で20分間攪拌した。MeCNを減圧下でエバポレートし、残渣をDCM(50 ml)に溶解し、有機層を水(2 × 20 ml)で洗浄し、そしてMgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(15-75%ヘプタン:EtOAc)により精製して標題化合物(88 mg, 57%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.08 (s, 1H), 7.16 (s, 1H, NH), 6.81 - 6.72 (m, 3H), 4.70 (s, 2H), 3.53 (td, J = 7.0, 5.2 Hz, 2H), 3.44 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.32 (s, 3H), 1.91 - 1.83 (m, 2H), 1.81 - 1.77 (m, 2H), 1.61 - 1.58 (m, 2H); MS CI 390.8 [M + H]
+.
【0092】
調製例13
1'-((4-(3-アミノピロリジン-1-イル)-2-クロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
調製例4からの1'-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(135 mg, 0.40 mmol, 1 eq.)、3-アミノピロリジン二塩酸塩(64.0 mg, 0.40 mmol, 1 eq.)、NaHCO
3(135 mg, 1.6 mmol, 4 eq.)およびイソプロパノール(10 ml)の混合物を2時間30分間加熱還流した。混合物をrtまで冷却し、そしてイソプロパノールを減圧下で除去した。残渣を水(20 ml)とDCM(20 ml)との間で分配した。有機層を水(20 ml)およびブライン(20 ml)で連続して洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(1:1ヘプタン:EtOAc〜EtOAc)により精製して標題化合物(52 mg, 34%)を灰白色固体として得た。
R
f = 0.79 (9:1 DCM:MeOH); MS CI 388.9 [M + H]
+.
【0093】
調製例14
1'-((2-クロロ-4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
調製例4からの1'-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(190 mg, 0.56 mmol, 1 eq.)、チオモルホリン-S,S-ジオキシド(58 mg, 0.56 mmol, 1 eq.)、NaHCO
3(131 mg, 1.29 mmol, 2.32 eq.)およびイソプロパノール(10 ml)をマイクロ波中、100℃で30分間加熱した。イソプロパノールを減圧下で除去した。残渣をDCM(15 ml)と水(15 ml)との間で分配した。有機層を水(15 ml)およびブライン(15 ml)で連続して洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して1’-((2-クロロ-4-チオモルホリノピリミジン-5-イル)メチル)-6’-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3’-インドリン]-2’オン(265 mg)を橙色オイルとして得、これをさらなる精製なしで次の工程に用いた。
【0094】
1’-((2-クロロ-4-チオモルホリノピリミジン-5-イル)メチル)-6’-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3’-インドリン]-2’オン(265 mg, 0.56 mmol)のDCM(15 ml)溶液を0℃まで冷却した。mCPBA(251 mg, 1.12 mmol, 2 eq.)を5分割して5分かけて加え、そして混合物をrtまで温め、そしてさらに4時間攪拌した。混合物をNaHCO
3(3 × 25 mlの飽和溶液)で洗浄し、水性洗浄液をDCM(3 × 25 ml)で抽出し、そして合わせた有機物をMgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(9:1ヘプタン:EtOAc〜1:1ヘプタン:EtOAc)により精製して標題化合物(66 mg, 20%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.08 (s, 1H), 6.84 - 6.69 (m, 2H), 6.25 (dd, J = 8.6, 2.2 Hz, 1H), 4.86 (s, 2H), 4.09 - 4.01 (m, 4H), 3.29 - 3.21 (m, 4H), 1.86 - 1.79 (m, 2H), 1.64 - 1.58 (m, 2H); MS CI 437.8 [M + H]
+.
【0095】
調製例17
1'-({2-クロロ-4-[(4-ヒドロキシブチル)スルファニル]ピリミジン-5-イル}メチル)-6'-フルオロ-1',2'-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドール]-2'-オン
DMF(8 ml)中の調製例4からの1'-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(135 mg, 0.40 mmol, 1 eq.)、メルカプトブタノール(45 μl, 0.44 mmol, 1.1. eq.)およびK
2CO
3(110 mg, 0.80 mmol, 2 eq.)の混合物を80℃で2時間加熱した。混合物をrtまで冷却し、そしてEtOAc(10 ml)と水(10 ml)との間で分配した。水層をEtOAc(2 × 10 ml)でさらに抽出し、そして合わせた有機物を水(10 ml)およびブライン(10 ml)で連続して洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(1:4〜4:1 EtOAc:ヘプタン)により精製して標題化合物(61 mg, 37%)を灰白色固体として得た。
R
f = 0.78 (100:8:1 DCM:MeOH:NH
3); MS CI 409.1 [M + H]
+.
【0096】
調製例21
1'-[(2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル]-6'-フルオロ-1',2'-ジヒドロスピロ[シクロブタン-1,3'-インドール]-2'-オン
MeCN(12 ml)中の調製例3からの2,4-ジクロロ-5-(ヨードメチル)ピリミジン(510 mg, 1.77 mmol, 1 eq.)、6'-フルオロスピロ[シクロブタン-1,3'-インドリン]-2'-オン(338 mg, 1.77 mmol, 1 eq.)およびK
2CO
3(598 mg, 4.34 mmol, 2.45 eq.)を3時間加熱還流した。混合物をrtまで冷却し、そしてMeCNを減圧下で除去した。残渣をDCM(20 ml)と水(20 ml)との間で分配した。有機層を水(10 ml)およびブライン(10 ml)で連続して洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣の固体をカラムクロマトグラフィー(14% EtOAc:ヘプタン)により精製して標題化合物(338 mg, 82%)を薄黄色固体として得た。
R
f = 0.67 (2:1ヘプタン:EtOAc); MS CI 381.1 [M - Cl + H]
+.
【0097】
調製例22
1'-{[2-(3-アミノピロリジン-1-イル)-4-[(4-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]ピリミジン-5-イル]メチル}-6'-フルオロ-1',2'-ジヒドロスピロ[シクロブタン-1,3'-インドール]-2'-オン
EtOH(4 ml)中の調製例21からの1'-[(2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル]-6'-フルオロ-1',2'-ジヒドロスピロ[シクロブタン-1,3'-インドール]-2'-オン(145 mg, 0.43 mmol, 1 eq.)、4-アミノシクロヘキサノール塩酸塩(45.4 mg, 0.30 mmol, 1 eq.)およびNaHCO
3(59.9 mg, 1.02 mmol, 2.38 eq.)を5 h加熱還流し、そして混合物をrtまで冷却した。EtOHを減圧下で除去し、そして残渣に水(20 ml)を加えた。沈殿物をろ取して標題化合物(68.5 mg, 43%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.05 (s, 1H), 7.45 (dd, J = 8.2, 5.2 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.82 (ddd, J = 9.4, 8.3, 2.3 Hz, 1H), 6.61 (dd, J = 8.7, 2.2 Hz, 1H), 4.58 (s, 2H), 4.07 - 3.93 (m, 1H), 3.78 - 3.65 (m, 1H), 2.68 - 2.55 (m, 2H), 2.47 - 2.19 (m, 4H), 2.08 - 1.98 (m, 4H), 1.57 - 1.29 (m, 6H). R
f = 0.87 (100:8:1 DCM:MeOH:NH
3).
【0098】
調製例23
1'-{[2-クロロ-4-(5-ヒドロキシペント-1-イン-1-イル)ピリミジン-5-イル]メチル}-6'-フルオロ-1',2'-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドール]-2'-オン
調製例4からの1'-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(1.01 g, 3.0 mmol, 1 eq.)およびペンチン-1-オール(0.42 ml, 4.5 mmol, 1.5 eq.)をトリエチルアミン(1.75 ml, 12.6 mmol, 4 eq.)の脱気した1,4-ジオキサン(10 ml)溶液に加えた。ヨウ化銅(28 mg, 4 mol%)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(42 mg, 2 mol%)を加え、そして混合物を60℃で2時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(1:1-6:4 EtOAc:ヘプタン)により精製して標題化合物(1.03 g, 75%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.48 (s, 1H), 6.79 (dd, J = 8.2, 5.2 Hz, 1H), 6.73 (ddd, J= 9.4, 8.2, 2.2 Hz, 1H), 6.63 (dd, J= 8.9, 2.2 Hz, 1H), 5.05 (s, 2H), 3.82 (td, J = 6.0, 5.1 Hz, 2H), 2.72 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.94 (tt, J = 7.0, 5.9 Hz, 2H), 1.82 - 1.78 (m, 2H), 1.59 - 1.55 (m, 2H). R
f = 0.13 (1:1ヘプタン:EtOAc).
【0099】
調製例24
1'-{[2-クロロ-4-(3-フルオロプロポキシ)ピリミジン-5-イル]メチル}-6'-フルオロ-1',2'-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドール]-2'-オン
水素化ナトリウム(鉱油中60%)(10.6 mg, 0.44 mmol, 1.1 eq.)を3-フルオロプロパン-1-オール(30 μl, 0.4 mmol, 1 eq.)のDMF(3 ml)溶液に加え、そして混合物をrtで10分間攪拌した。DMF(1 ml)中の調製例4からの1'-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(135 mg, 0.4 mmol, 1 eq.)を滴下し、そして混合物をrtで1時間攪拌した。水(10 ml)を加え、そして混合物をEtOAc(2 × 10ml)で抽出した。有機層を水(2 × 10 ml)およびブライン(10 ml)で連続して洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下でエバポレートした。残渣をカラムクロマトグラフィー(3:1ヘプタン:EtOAc)により精製して標題化合物(97 mg, 64%)を薄黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.26 (s, 1H), 6.95 - 6.52 (m, 3H), 4.86 (s, 2H), 4.73 - 4.41 (m, 4H), 2.32 - 2.11 (m, 2H), 1.84 - 1.70 (m, 2H), 1.58 - 1.48 (m, 2H). MS CI 381.1 [M + H]
+.
【0100】
実施例1
1'-((2-(3-アミノピロリジン-1-イル)-4-(イソペンチルアミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
トルエン(8 ml)中の調製例5からの1'-((2-クロロ-4-(イソペンチルアミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(77.8 mg, 0.20 mmol, 1 eq.)、3-アミノピロリジン二塩酸塩(32.0 mg, 0.20 mmol, 1 eq.)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(19.1 mg, 0.04 mmol, 20 mol%)、炭酸セシウム(260 mg, 0.80 mmol, 4 eq.)およびPd
2(dba)
3(18.3 mg, 0.02 mmol, 10 mol%)の混合物を100℃で26時間加熱した。追加の2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(10 mol%)およびPd
2(dba)
3(5 mol%)を加え、そして反応物をさらに19時間100℃で攪拌した。反応混合物をrtまで冷却し、減圧下で濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(150:8:1 DCM:EtOH:NH
3)により精製して標題化合物(41.0 mg, 47%)を明茶色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.98 (s, 1H), 6.82 (dd, J = 8.9, 2.0 Hz, 1H), 6.77 - 6.68 (m, 2H), 6.42 (t, J = 4.9 Hz, 1H, NH), 4.64 (s, 2H), 3.82 - 3.54 (m, 4H), 3.52 (td, J = 7.2, 5.4 Hz, 2H), 3.28 (dd, J = 11.1, 4.8 Hz, 2H), 2.21 - 2.10 (m, 5H), 1.78 - 1.70 (m, 3H), 1.68 - 1.55 (m, 2H), 1.55 - 1.51 (m, 2H), 1.47 - 1.42 (m, 2H), 1.26 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 0.92 (d, J = 8.2 Hz, 6H); MS CI 439.9 [M + H]
+.
【0101】
実施例2
1'-((2-(3-アミノピロリジン-1-イル)-4-(((1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
DMF(7 ml)中の調製例6からの1'-((2-クロロ-4-(((1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(140 mg, 0.335 mmol, 1 eq.)、3-アミノピロリジン二塩酸塩(85.3 mg, 0.259 mmol, 1.6 eq.)およびK
2CO
3(184 mg, 1.33 mmol, 4 eq.)の混合物を100℃で16時間加熱した。混合物をrtまで冷却し、そしてEtOAc(10 ml)と水(10 ml)との間で分配した。水層をEtOAc(2 × 10 ml)でさらに抽出し、そして合わせた有機物を水(10 ml)およびブライン(10 ml)で連続して洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM〜9:1 DCM:MeOH)により精製して標題化合物(51 mg, 33%)を灰白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.96 (s, 1H), 6.79 (dd, J = 8.9, 1.9 Hz, 1H), 6.75 - 6.65 (m, 2H), 6.35 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.61 (s, 2H), 3.95 - 3.83 (m, 1H), 3.78 - 3.50 (m, 5H), 3.25 (dd, J = 11.0, 4.6 Hz, 1H), 2.23 - 2.10 (m, 1H), 2.07 - 1.97 (m, 4H), 1.78 - 1.63 (m, 5H), 1.60 - 1.55 (m, 2H), 1.47 - 1.17 (m, 5H); MS CI 468.0 [M + H]
+.
【0102】
実施例2と類似の方法で調製した化合物を以下の表に示す:
【0103】
【表3-1】
【0104】
【表3-2】
【0105】
【表3-3】
【0106】
【表3-4】
【0107】
【表3-5】
【0108】
【表3-6】
【0109】
【表3-7】
【0110】
実施例6
1'-((2-(4-アミノメチル)ピぺリジン-1-イル)-4-(イソブチルアミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
調製例9からの1'-((2-クロロ-4-(イソブチルアミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(75 mg, 0.2 mmol)および4-(アミノメチル)ピぺリジン(17 μl, 0.2 mmol)のトルエン(8 ml)溶液を炭酸セシウム(130 mg, 2 eq.)で処理した。ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(GD2)(23.7 mg, 15 mol%)を加え、そして混合物を100℃で26時間加熱した。混合物を冷却し、トルエンを減圧下で除去し、そしてカラムクロマトグラフィー(200:8:1 DCM:EtOH:NH
3)により精製して標題化合物を灰白色固体(21 mg, 23%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.96 (s, 1H), 6.81 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 6.76 - 6.67 (m, 2H), 6.48 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.76 - 4.70 (m, 2H), 4.63 (s, 2H), 3.20 (dd, J = 6.7, 5.4 Hz, 2H), 2.78 (td, J = 13.1, 2.6 Hz, 2H), 2.58 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 1.93 - 1.83 (m, 1H), 1.80 - 1.75 (m, 1H), 1.77 - 1.73 (m, 2H), 1.61 - 1.45 (m, 8H), 1.19 - 1.07 (m, 2H), 0.91 (d, J = 6.7 Hz, 6H); MS CI 453.0 [M + H]
+.
【0111】
実施例10
1'-((2-(3-アミノピロリジン-1-イル)-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
DMF(4 ml)中の調製例11からの1'-((2-クロロ-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(68 mg, 0.17 mmol, 1 eq.)、3-アミノピロリジン二塩酸塩(29.7 mg, 0.19 mmol, 1.1 eq.)およびK
2CO
3(70.5 mg, 0.51 mmol, 3eq.)の混合物をマイクロ波中、140℃で15分間、続いて150℃で30分間加熱した。水(15 ml)を加え、そして混合物をEtOAc(3 × 10 ml)で抽出し、有機物を水(3 × 15 ml)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(0〜20% MeOH:DCM + 1% NH
3)により精製して標題化合物(14.2 mg, 18%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.00 (s, 1H), 6.85 - 6.68 (m, 3H), 6.59 - 6.48 (m, 1H), 4.65 (s, 2H), 4.20 - 4.07 (m, 1H), 3.99 (dt, J = 11.6, 3.6 Hz, 2H), 3.82 - 3.59 (m, 3H), 3.52 (td, J = 11.6, 2.4 Hz, 2H), 3.26 (dd, J = 10.9, 4.4 Hz, 1H), 2.21 - 2.10 (m, 1H), 2.03 - 1.91 (m, 2H), 1.81 - 1.73 (m, 2H), 1.80 - 1.50 (m, 6H), 1.59 - 1.52 (m, 2H); MS CI 454.1 [M + H]
+.
【0112】
実施例11
1'-((2-(3-アミノピロリジン-1-イル)-4-((3-メトキシプロピル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
調製例12からの1'-((2-クロロ-4-((3-メトキシプロピル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(77.7 mg, 0.2 mmol, 1 eq.)、3-アミノピロリジン二塩酸塩(35.0 mg, 0.22 mmol, 1.1 eq.)、K
2CO
3(82.9 mg, 0.6 mmol, 3 eq.)およびDMF(4 ml)をマイクロ波中、140℃で30分間、続いて150℃でさらに15分間加熱した。水(15 ml)を加え、そして混合物をEtOAc(3 × 10 ml)で抽出し、合わせた有機物を水(3 × 15 ml)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM: MeOH中1% NH
3) 100:0〜90:10により精製して標題化合物(28.4 mg, 32%)を橙色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.96 (s, 1H), 6.80 (dd, J = 8.9, 2.0 Hz, 1H), 6.76 - 6.66 (m, 2H), 6.49 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 4.62 (s, 2H), 3.84 - 3.51 (m, 4H), 3.47 (td, J = 6.8, 5.4 Hz, 2H), 3.41 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.25 (dd, J = 11.1, 4.8 Hz, 1H), 2.17 - 2.08 (m, 1H), 1.89 - 1.81 (m, 2H), 1.77 - 1.72 (m, 2H), 1.75 - 1.68 (m, 1H), 1.58 (s, 2H), 1.55 - 1.50 (m, 2H); MS CI 440.9 [M + H]
+.
【0113】
実施例12
1'-((4-(3-アミノピロリジン-1-イル)-2-((4-ヒドロキシブチル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
調製例13からの1'-((4-(3-アミノピロリジン-1-イル)-2-クロロピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(48 mg, 0.126 mmol, 1 eq.)、4-アミノ-1-ブタノール(19 μl, 0.201 mmol, 1.6 eq.)、K
2CO
3(17.4 mg, 0.126 mmol, 1 eq.)およびDMF(4 ml)を100℃で3時間加熱し、さらなる(13 μl, 0.126 mmol, 1 eq.)4-アミノ-1-ブタノールを加え、そして混合物をさらに5時間攪拌した。K
2CO
3(34.8 mg, 0.252 mmol, 2 eq)を加え、そして混合物をさらに8時間加熱した。水(10 ml)およびEtOAc(10 ml)を加えた。水層をEtOAc(2 × 10 ml)で抽出し、そして合わせた有機物を水(2 × 10 ml)およびブライン(10 ml)で連続して洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(0-10% MeOH/DCM)により精製して標題化合物(19.1 mg, 34%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.51 (s, 1H), 6.80 - 6.60 (m, 2H), 6.49 (dd, J = 9.0, 2.2 Hz, 1H), 4.95 (s, 2H), 4.93 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.92 - 3.81 (m, 2H), 3.77 - 3.69 (m, 1H), 3.69 - 3.62 (m, 3H), 3.45 - 3.33 (m, 3H), 2.24 - 2.08 (m, 1H), 1.90 - 1.56 (m, 8H), 1.79 - 1.74 (m, 2H), 1.54 - 1.49 (m, 2H); MS CI 442.0 [M + H]
+.
【0114】
実施例20
1'-{[2-(3-アミノピロリジン-1-イル)-4-[(4-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]ピリミジン-5-イル]メチル}-6'-フルオロ-1',2'-ジヒドロスピロ[シクロブタン-1,3'-インドール]-2'-オン
調製例22からの1'-{[2-(3-アミノピロリジン-1-イル)-4-[(4-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]ピリミジン-5-イル]メチル}-6'-フルオロ-1',2'-ジヒドロスピロ[シクロブタン-1,3'-インドール]-2'-オン(57.5 mg, 0.133 mmol, 1 eq.)、3-アミノピロリジン二塩酸塩(34.0 mg, 0.214 mmol, 1.6 eq.)、K
2CO
3(73.8 mg, 0.534 mmol, 4 eq.)およびMeCN(6 ml)を21時間加熱還流した。MeCNを減圧下でエバポレートした。水(10 ml)およびDCM(10 ml)を加えた。有機層を水(2 × 10 ml)で洗浄した。水層をDCM(10 ml)で抽出し、そして合わせた有機物をブライン(10 ml)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(1-10% MeOH/DCM)により精製して標題化合物(40.3 mg, 63%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.92 (s, 1H), 7.40 (dd, J = 8.2, 5.3 Hz, 1H), 6.75 (td, J = 9.5, 2.2 Hz, 1H), 6.66 (dd, J = 8.9, 2.2 Hz, 1H), 6.33 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.51 (s, 2H), 3.99 - 3.84 (m, 1H), 3.80 - 3.60 (m, 4H), 3.59 - 3.50 (m, 1H), 3.24 (dd, J = 11.1, 4.6 Hz, 1H), 2.70 - 2.55 (m, 2H), 2.43 - 2.20 (m, 4H), 2.18 - 1.97 (m, 5H), 1.80 - 1.68 (m, 2H), 1.64 (d, J = 31.0 Hz, 6H), 1.48 - 1.26 (m, 5H).
MS CI 481.2 [M + H]
+.
【0115】
実施例20と類似の方法で調製した化合物を以下の表に示す:
【0116】
【表4-1】
【0117】
【表4-2】
【0118】
【表4-3】
【0119】
【表4-4】
【0120】
実施例24
1'-{[2-(4-アミノピぺリジン-1-イル)-4-[(4-ヒドロキシブチル)アミノ]ピリミジン-5-イル]メチル}-6'-フルオロ-1',2'-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドール]-2'-オン
調製例8からの1'-((2-クロロ-4-((4-ヒドロキシブチル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(58.6 mg, 0.15 mmol, 1 eq.)、4-アミノピぺリジン(25 μl, 0.24 mmol, 1.6 eq.)、K
2CO
3(82.9 mg, 0.60 mmol, 4 eq.)およびMeCN(5 ml)を76時間加熱還流した。MeCNを減圧下でエバポレートした。水(10 ml)およびDCM(10 ml)を加えた。有機層を水(2 × 10 ml)で洗浄した。水層をDCM(10 ml)で抽出し、そして合わせた有機物をブライン(10 ml)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(1-5% MeOH/DCM)により精製して標題化合物(38.2 mg, 56%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.94 (s, 1H), 6.80 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 6.76 - 6.66 (m, 2H), 6.47 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 4.64 (s, 1H), 4.61 (s, 1H), 4.61 (s, 1H), 3.64 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.40 (td, J = 6.3, 4.8 Hz, 2H), 2.91 - 2.81 (m, 3H), 1.87 - 1.78 (m, 4H), 1.76 - 1.72 (m, 3H), 1.70 - 1.57 (m, 5H), 1.55 - 1.50 (m, 2H), 1.24 (qd, J= 12.5, 4.2 Hz, 2H). MS CI 455.1 [M + H]
+.
【0121】
実施例25
1'-({2-[(2-アミノエチル)アミノ]-4-[(4-ヒドロキシブチル)アミノ]ピリミジン-5-イル}メチル)-6'-フルオロ-1',2'-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドール]-2'-オン
調製例8からの1'-((2-クロロ-4-((4-ヒドロキシブチル)アミノ)ピリミジン-5-イル)メチル)-6'-フルオロスピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(58.6 mg, 0.15 mmol, 1 eq.)、エチレンジアミン(16 μl, 2.4 mmol, 1.6 eq.)、K
2CO
3(20.7 mg, 0.15 mmol, 1 eq.)およびMeCN(5 ml)を4時間加熱還流した。エチレンジアミン(84 μl, 12.6 mmol, 8.4 eq.)を加え、そして混合物をさらに72時間加熱還流した。MeCNを減圧下でエバポレートした。水(10 ml)およびDCM(10 ml)を加えた。有機層を水(2 × 10 ml)で洗浄した。水層をDCM(10 ml)で抽出し、そして合わせた有機物をブライン(10 ml)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(10% MeOH/DCM)により精製して標題化合物(18.9 mg, 30%)を無色オイルとして得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.92 (s, 1H), 6.81 (dd, J = 8.9, 2.1 Hz, 1H), 6.79 - 6.70 (m, 2H), 6.66 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 5.25 (s, 1H), 4.63 (s, 2H), 3.68 (t, J= 6.0 Hz, 2H), 3.43 (dt, J = 12.6, 6.4 Hz, 4H), 2.88 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.29 - 2.08 (m, 3H) 1.80 - 1.75 (m, 2H), 1.73 - 1.59 (m, 4H), 1.58 - 1.54 (m, 2H). MS CI 415.1 [M + H]
+.
【0122】
実施例30:
生物学的試験
インビトロにおける薬効
化合物を、以下のプロトコルに従ってRSV融合アッセイおよびプラーク減少アッセイに供した。
【0123】
RSV融合アッセイ
HEK 293T/17細胞を、10 % FBSおよび1x ペニシリン-ストレプトマイシン(Pen/Strep)を含むDulbecco’s培地(DMEM)中、T75培養フラスコ中で培養し、そして使用前に37℃に温めた。細胞をまず3 mlのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で簡単に洗浄することによって継代し、続いて37℃で3 TrypLEと共に4分間インキュベートした。次いで7 mlの培地をフラスコに加え、そして細胞をフラスコの底部に対してピペッティング(x3)によって分散させた。2つのさらなるT75フラスコにそれぞれ15 mlの新鮮な培地中の2 x 10
6細胞を播種した。
【0124】
細胞を6-ウェルプレートと同じ密度でT75プレート上に播種し、T75フラスコの面積と6-ウェルプレートからの1個の1.75 cm半径のウェルとを比較した。7.79 x 2 mlの3 x 10
5細胞ml
-1を用いて単一のT75フラスコに播種した。
【0125】
HEK細胞を上記のT75フラスコから取り出した。細胞を計数し、そして新鮮な培地中で3 x 10
5細胞/mlに希釈した。2個のT75フラスコにそれぞれ15.58 mlの希釈した細胞を播種した。
【0126】
HEK細胞にトランスフェクトすべきプラスミドDNA(pFR-LucおよびpcDNA3.1_Gal4/ NFκBについて)を、まずトランスフェクション試薬Fugene 6(Promega)を含む無血清培地(DMEM + Pen/Strep)中で調製した。トランスフェクションを以下の通り設定した(Luc = pFR_Luc, Gal4 = pcDNA3.1+_Gal4/NFκB, A2_F = pcDNA3.1+_A2_F)
【0127】
トランスフェクション
1 Luc + A2_F_1
2 Gal4
【0128】
無血清培地を1.5 mlエッペンドルフチューブ中に置き、次いでfugene 6を培地に加えた。チューブを1秒間ボルテックスし、その後RTで5分間インキュベートした。次いでプラスミドDNAをチューブに加え、1秒間ボルテックスし、次いでRTで15分間インキュベートした。
【0129】
次いでトランスフェクション試薬を、フラスコを立てて傾けそして試薬をフラスコ中に既にある培地に直接加えることによって適切なT75フラスコに加えた。次いでフラスコを後ろに傾け、それによって培地を完全に混合し得、その間、フラスコを正しい上下の向に配置する前に細胞を乱さず、そして37℃および5% CO
2で一晩インキュベートした。
【0130】
化合物を、3.3 μM、1 μM、500 nM 200 nMまたは100 nMのいずれかの頂点[最終]を与える12点希釈曲線において1:3に希釈した(ポリプロピレン丸底96ウェルプレート中)。コントロール化合物は常に100 nMの濃度で行った。
【0131】
次いで細胞を計数し、そして新鮮な培地中で4 x 10
5細胞/mlに希釈した。50 μlのトランスフェクション集団1細胞をアッセイプレートの全てのウェルに加えた。100 μlの希釈した化合物(化合物あたり2列)、標準曲線(1列)およびコントロール(100 nM RV(100 %阻害、4つのウェル)、DMSO(0%阻害、8つのウェル))を適切なウェルに加えた。次いで50 μlの希釈した(4 x 10
5細胞/ml) トランスフェクション集団2細胞を全てのウェルに加えた。
【0132】
次いでプレートを37℃および5% CO
2で24 hrインキュベートした。
【0133】
緩衝液をルシフェラーゼアッセイ(20 mMトリシン、10 mM MgSO4、1 mM EDTA、10 mM DTT)および溶解(25 mMトリス-ホスフェート、8 mM MgCl
2、1 mM DTT、1% Triton X-100、15%グリセロール)のために調製し、そして-20℃で保存した。ルシフェリン基質を100 mM Tris-HCl、15.76 g/L、Coenzyme A、10.36 g/L、23.5 mMルシフェリン、7.48 g/L、26.6 mM ATPおよび14.66 g/Lから調製し、そして-80℃で保存した。
【0134】
発光を記載の通り測定した:
(a)ルシフェラーゼ
培地をVirkon中に捨て、そしてプレートをウェルあたり100ul PBSで洗浄した。20 ul/ウェルの溶解緩衝液を各ウェルに加え、そしてRTで5分間振盪してインキュベートした。ルシフェリンを1:50の希釈でLAABに加えて機能ルシフェリン緩衝液を得た。100 μlの機能ルシフェリン緩衝液を各ウェルに加え、そして発光を直ちに測定した。
【0135】
(b)レサズリン
培地をVirkon中に捨て、そして100 ul SFM + 2 0ul CellTitre-Blue溶液を各ウェルに加えた。プレートを37℃、5% CO
2で2時間インキュベートした。レサズリン蛍光を590 nmで測定した。
【0136】
プラーク減少アッセイ1:
ベロ細胞を96-ウェルプレート中、3% FCSを補充した100μLの体積のOptimem中にウェル当たり4 x 10
4細胞の濃度で播種した。加湿5% CO
2雰囲気中、37℃での一晩のインキュベーション後、細胞の単層は約90%のコンフルエントであるべきであった。抗ウイルス化合物を、U-底96ウェルプレート中、予備加温した無血清(SF)Optimem中で滴定した。DMSO溶液中の化合物について、100% DMSO中の滴定をまず行い、そして各濃度を個々に加えてSF培地中4% DMSOで2 x最終濃度にし、ウイルスと混合した(ウイルスを含む2%最終DMSO)。次いで培地を細胞から取り除き、そしてPBS(100μl/ウェル)で置き換えた。
【0137】
RSVストックを解凍し、そしてSF Optimem培地中で4000 PFU/mLlに希釈した。等体積のウイルスを滴定プレート上の化合物に加えた。PBSを細胞から取り除き、次いでこれにウイルス/化合物溶液(50 μL/ウェル)を接種した。細胞を37℃+ 5% CO
2加湿インキュベーター中で2 hインキュベートして感染させた。接種物を取り除き、そして培地(Optimem + 1% FCS)を細胞に加えた(100 μl/ウェル)。続いて細胞を加湿インキュベーター中、37℃ + 5% CO
2で48 hインキュベートした。
【0138】
免疫染色手順:
培地を細胞から取り除き、そして単層をPBSで洗浄した。細胞をPBS中の氷冷80%アセトンで-20℃で20分間固定した(100 μl/ウェル)。固定剤を取り除き、そして細胞をプレートを反転させて30分間乾燥する。ブロッキング溶液(PBS-T中5%脱脂粉乳)を細胞に加え(150 μL/ウェル)、そしてプレートを室温で30分間インキュベートした。ブロッキング溶液を取り除き、そしてプレートをPBS-Tで1回洗浄した。ブロッキング溶液中の一次抗体をプレートに加え(50μl/ウェル)、そして37℃で1hインキュベートした。次いでプレートをPBS-Tで3回洗浄した。ブロッキング溶液中の二次抗体をプレートに加え(50μL/ウェル)、そして暗所中、37℃で1hインキュベートした。プレートを上記の通り洗浄し、次いで10分間乾燥した。プレートをOdyssey Imager(Li-Cor Biosciences)上、800 nMチャネル中、42 μMの解像度、培地品質およびレベル5強度でスキャンした。
【0139】
データ分析:
得られた画像を保存し、そしてコンピューター画像化ソフトウェアを活用してプラーク数を計数した。化合物についてのEC
50値を、Graphpad Prismソフトウェアを用いて得られた用量応答曲線[3つの可変log(阻害剤)対応答]から誘導した。
【0140】
【表5】
【0141】
プラーク減少アッセイ2:
このRSVプラーク減少アッセイは、RSV感染の異なる焦点における感染単位の数の定量を可能とする感染性アッセイである。これは、その他の点では健康な組織培養細胞の単層内で染色する特異的抗体によって検出されるウイルス抗原のゾーンによって示される。各プラークは単一の感染性ウイルス粒子に由来するので、抗-ウイルス効果の正確な計算は、抗-ウイルス化合物の存在下および非存在下でプラークを計数することによって得られ得る。HEp-2細胞(ATCC, CCL23)をフラスコ中で継代し、そして96-ウェルプレート中、抗生物質を含み10% FBSを補充したDMEM中で播種した。接種および続くインキュベーションの間、細胞を3% FBSを含むDMEM中で培養した。1ウェル当たり100プラーク形成単位のRSV(RSV A2 VR-1540)(PFU)を、化合物の10の段階希釈物と混合した。続いて、100 μLのウイルス/化合物混合物をコンフルエントのHEp-2細胞単層に加えた。細胞およびウイルス/化合物混合物を、加湿5% CO2インキュベーター中、35℃で1日間インキュベートした。
【0142】
細胞をPBSで2回洗浄し、その後50% v/v EtOH/MeOHを加え、次いで-20℃で保存した。染色の日に、まず固定剤をプレートから取り除いた。プレートをPBSで3回洗浄した。予備滴定した量の一次抗体を60 μL PBS/2%粉ミルクに加え、そしてプレートをrtで1 hインキュベートした。プレートをPBS/0.05% Tween20で3回洗浄し、その後60 μL PBS/2%粉ミルク中のヤギ抗-マウス西洋わさびペルオキシダーゼを加え、そしてrtで1 hインキュベートした。PBS/0.05% Tween20での3回洗浄工程後、60 μLのすぐに使用できるTrueBlueを加え、そしてプレートをrtで10-15分間インキュベートし、その後MilliQ水を加えた。プレートを水で1回洗浄し、30-60分間インキュベートし、そして水の除去後、暗所で空気乾燥した。
【0143】
プレートをスキャンし、そして免疫染色したプラークを計数するためのBioSpot分析ソフトウェア(virospots)を備えたImmunospot S6 UV分析器を用いて分析した。プラーク計数を用いてRSVについてのウイルスコントロールウェル中のスポット計数(SC)の平均に対する%感染を計算した。IC50/IC90値を、GraphPad 5.0(Prism)において種々の勾配を有する4-パラメーター非線形回帰に適合した阻害曲線の内挿によって、それぞれシグナルの50%または90%減少として計算した。
【0144】
【表6】
【0145】
実施例31: インビトロ薬物動態
化合物を以下のアッセイに供し、肝ミクロソーム安定性、浸透性、血漿タンパク質結合および計算した分配/分布計数を調査した。
【0146】
ミクロソームインキュベーション:実験手順
プールしたヒト肝ミクロソーム(プールした男性および女性)、プールしたラット肝ミクロソーム(雄Sprague Dawleyラット)およびプールしたイヌ肝ミクロソーム(雄ビーグル犬)を信頼できる商業的供給業者から購入し、そして使用前に-80℃で保存する。
【0147】
ミクロソーム(最終タンパク質濃度0.5 mg/mL)、0.1 Mリン酸緩衝液pH 7.4および試験化合物(最終基質濃度3 μM;最終DMSO濃度0.25 %)を、NADPH(最終濃度1 mM)を加えて反応を開始する前に37℃で予備インキュベートする。最終インキュベーション体積は50 μLである。コントロールインキュベーションは、各試験した化合物について含まれ、ここで0.1 Mリン酸緩衝液pH 7.4はNADPHの代わりに加えられる(NADPHを引く)。2つのコントロール化合物は、各種を含む。全てのインキュベーションは、各試験について単数で行う。
【0148】
化合物を0、5、15、30および45分間インキュベートする。コントロール(NADPHを引く)は、45分間のみインキュベートする。反応は、適切な時間点で25 μLのインキュベートを50 μLのメタノールに移すことによって停止させる。停止プレートは、2,500 rpm、4℃で20分間遠心分離し、タンパク質を沈殿させる。タンパク質の沈殿後、サンプルの上清を4つの化合物までのカセット中で合わせ、内部標準を加え、そしてサンプルをLC-MS/MSによって分析する。
【0149】
時間に対するlnピーク面積比(化合物ピーク面積/内部標準ピーク面積)のプロットから、線の勾配を決定する。続いて、半減期および固有クリアランスを計算する。
【0150】
MDR1-MDCK浸透性:実験手順
NIH(Rockville, MD, USA)から得たMDR1-MDCK細胞を6 - 30の間の継代数で使用する。細胞をMillipore Multiscreen Transウェルプレート上に3.4 x 105細胞/cm2で播種する。細胞をDMEM中で培養し、そして培地を3日目に交換する。4日目に浸透性研究を行う。細胞培養およびアッセイインキュベーションを5 % CO2の雰囲気下、95 %の相対湿度で37℃で行う。アッセイの日に、側底面および先端面の両方を37℃に温めた所望のpHでハンクス平衡塩類溶液(HBSS)で2回すすぐことによって単層を調製する。次いで細胞を所望のpHで先端区画および側底区画の両方において40分間HBSSと共にインキュベートし、生理学的パラメーターを安定化させる。
【0151】
投薬溶液は、試験化合物をアッセイ緩衝液で希釈し、10 μM(1 % v/vの最終DMSO濃度)の最終試験化合物濃度を得ることによって調製する。蛍光完全性マーカーであるルシファーイエローもまた投薬溶液に含まれる。分析標準は、試験化合物DMSO希釈液から調製され、そして緩衝液に移され、1 % v/v DMSO濃度を維持する。
【0152】
A-B浸透性の評価のために、HBSSを先端区画から取り除き、そして試験化合物投薬溶液で置き換える。次いで先端区画インサートは、新鮮な緩衝液(1 % v/v DMSOを含む)を含むコンパニオンプレートに置かれる。B-A浸透性の評価のために、HBSSをコンパニオンプレートから取り除き、そして試験化合物投薬溶液で置き換える。新鮮な緩衝液(1 % v/v DMSOを含む)を先端区画インサートに加え、次いでこれをコンパニオンプレートに置く。
【0153】
60分で、先端区画インサートおよびコンパニオンプレートを分離し、そして先端および側底サンプルを分析のために希釈する。
【0154】
試験化合物の浸透性を2回評価する。公知の浸透性特性の化合物を各アッセイプレート上でコントロールとして行う。
【0155】
試験およびコントロール化合物を、サンプルの適切な希釈で8-点較正を用いてLC-MS/MSカセット分析により定量する。開始濃度(C0)を投薬溶液から決定し、そして実験回復をC0ならびに先端および側底区画の濃度から計算する。
【0156】
実験を通しての単層の完全性を、蛍光分析を用いてルシファーイエロー浸透によりチェックする。ルシファーイエロー浸透は、単層が損傷している場合、高い。
【0157】
タンパク質結合決定:実験手順
試験化合物の溶液(5 μM, 0.5 %最終DMSO濃度)を緩衝液(pH 7.4)および100 %種特異的血漿中で調製する。実験を、半透過性膜によって分離された2つの区画での平衡透析を用いて行う。緩衝溶液を膜の1方の側に加え、そして血漿溶液を他方の側に加える。平衡後、サンプルを膜の両側から取る。標準を血漿および緩衝液中で調製し、そして37℃でインキュベートする。試験化合物のインキュベーションを2回行う。コントロール化合物を各実験に含ませる。
【0158】
化合物の各バッチについての溶液を2つのグループ(タンパク質不含有およびタンパク質含有)に合わせ、次いでカセットをタンパク質不含有溶液(7点)およびタンパク質含有溶液(6点)について2セットの較正標準を用いてLC-MS/MSにより分析する。
【0159】
LogD決定:実験手順
0.1 Mのリン酸緩衝液pH 7.4(オクタノールで飽和)を、1mgの固体試験化合物を含むバイアルに加え、そして溶液を混合し、約15分間超音波処理する。溶液をチューブに移し、遠心分離し、そして上清を上部から取り除き、底部にいかなる固体化合物も残す。この上清を、次いで0.2 μmのフィルターを通してシリンジ濾過し、初期溶液を製造する。
【0160】
リン酸緩衝液中に異なる比のオクタノールおよび化合物を含む3つのバイアルを調製し、logD値の範囲をカバーした。バイアルを混合して平衡にし、次いで遠心分離して、オクタノールを除去する前に2相が完全に分離していることを確実にし、そして緩衝液サンプルを分析する。
【0161】
次いで、対応するバイアルからの水溶液を4つのカセット中で合わせ、そして、一般的LC-MS/MS条件を用いて分析する。各バイアル中の化合物の量を、初期溶液を段階希釈することによって生成される6点標準曲線に対して定量する。次いでlogDをこれらの濃度から計算する。
【0162】
LogP決定
LogP値を、Viswanadhan et al.; J. Chem. Inf. Comput. Sci. 1989; 29:163-172に記載の方法を用いて、ChemAxonから入手可能なソフトウェアで計算した。
【0163】
結果
実施例2について
【0164】
【表7】
【0165】
実施例32:
インビボ薬物動態
化合物の薬物動態を、1 mg/kg (IV)および10 mg/kg (PO)の用量でMICEにおいてインビボで研究した。
【0166】
方法
Sprague Dawleyラットを、静脈内および経口投与により実験化合物で処理した。各投与経路について3匹の動物を、化合物の投薬後10の時間点で連続血液サンプリングで用いた。
【0167】
静脈内ボーラスを、1mg/kgの用量および40:60ジメチルアセトアミド/生理食塩水(0.9% w/v生理食塩水)中の1mgmlの濃度で投与した。動物の体重を量り、そして200-250gの間であれば用いた。連続血液サンプルを、投薬後0.02、0.08、0.25、0.50、1、2、4、6、8および24時間で採取した。動物を任意の明らかな臨床兆候または症状について観察した。血液サンプルを抗凝固剤(ヘパリンナトリウム)中に送り、そして4℃で遠心分離した。続いて血漿サンプルを分析前に-20℃未満で凍結保存した。
【0168】
アセトニトリルを用いたタンパク質沈殿後、サンプルを、エレクトロスプレーイオン化を用いてタンデム液体クロマトグラフィー/質量分析で分析した。内部標準を有する全行列曲線(full matrix curve)を用い、そしてPKパラメーターを計算した。
【0169】
同様の方法において、経口投与を5または10 mg/kgの用量で水中1%メチルセルロース(Sigma M7140)、0.1% Tween 80中5mg/mlの濃度で強制飼養によって行った。連続サンプルを上記の通り取った。
【0170】
結果
【0171】
【表8】
【0172】
実施例33:水性処方物
実施例1の化合物を、以下の手順に従ってpH4で30% w/v captisol(すなわちスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)中の溶液として処方する。
【0173】
30% w/v captisol(すなわちスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)の担体を、必要量のcaptisolを適切な容器に量り取り、最終体積の水の約80%を加え、そして溶液が形成されるまで磁気攪拌することによって調製する。次いで担体を水で所定の体積にする。
【0174】
実施例1の化合物の水溶液を、175 mgの化合物を適切な容器に量り取り、そして必要な体積の担体の約80%を加えることによって調製する。塩酸の水溶液を用いて、pHをpH2に調節し、そして得られる混合物を、溶液が形成されるまで磁気攪拌する。次いで処方物を担体で所定の体積にし、そして水酸化ナトリウムの水溶液を用いてpHをpH4に調節する。
【0175】
実施例34 錠剤組成物
それぞれ0.15 gの重量でありかつ25 mgの本発明の化合物を含む錠剤を以下の通り製造する:
10,000錠剤についての組成物
本発明の化合物(250 g)
ラクトース(800 g)
コーンスターチ(415g)
タルク粉末(30 g)
ステアリン酸マグネシウム(5 g)
【0176】
本発明の化合物、ラクトースおよびコーンスターチの半分を混合する。次いで混合物を0.5 mmメッシュサイズの篩に通す。コーンスターチ(10 g)を暖かい水(90 mL)に懸濁する。得られるペーストを用いて粉末を顆粒化する。顆粒を乾燥し、そして1.4 mmメッシュサイズの篩上で小さなフラグメントに粉砕する。残りの量のスターチ、タルクおよびマグネシウムを加え、注意深く混合し、そして錠剤に加工する。
【0177】
実施例35 注射可能処方物
本発明の化合物 200 mg
塩酸溶液0.1Mまたは
pH 4.0〜7.0に十分な水酸化ナトリウム溶液0.1M
10 mLに十分な滅菌水
【0178】
本発明の化合物を大部分の水(35℃-40℃)に溶解し、そして必要に応じて塩酸または水酸化ナトリウムでpHを4.0と7.0との間に調節する。次いでバッチを水で所定の体積にし、そして滅菌細孔フィルターを通して滅菌10 mL琥珀ガラスバイアル(タイプ1)中にろ過し、そして滅菌クロージャーおよびオーバーシールを用いて密封する。
【0179】
実施例36 筋肉内注射
本発明の化合物 200 mg
ベンジルアルコール 0.10 g
グリコフロール75 1.45 g
3.00 mlに十分な注射用水
【0180】
本発明の化合物をグリコフロールに溶解する。次いでベンジルアルコールを加えそして溶解し、そして水を加えて3 mLにする。次いで混合物を滅菌細孔フィルターを通してろ過し、そして滅菌3 mLガラスバイアル(タイプ1)に密封する。
【0181】
実施例37 シロップ処方物
本発明の化合物 250 mg
ソルビトール溶液 1.50 g
グリセロール 2.00 g
安息香酸ナトリウム 0.005 g
香味料 0.0125 mL
5.00 mLに十分な精製水
【0182】
本発明の化合物を、グリセロールと大部分の精製水との混合物に溶解する。次いで安息香酸ナトリウムの水溶液を溶液に加え、続いてソルビトール(sorbital)溶液を加え、そして最後に香味料を加える。精製水で所定の体積にし、そしてよく混合する。