(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6944545
(24)【登録日】2021年9月14日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】船舶用エンジンの運転方法
(51)【国際特許分類】
B63H 21/21 20060101AFI20210927BHJP
B63H 21/38 20060101ALI20210927BHJP
F02D 17/00 20060101ALI20210927BHJP
F02D 17/02 20060101ALI20210927BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20210927BHJP
【FI】
B63H21/21
B63H21/38 Z
F02D17/00 B
F02D17/02 B
F02M37/00 341D
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-569474(P2019-569474)
(86)(22)【出願日】2017年9月26日
(65)【公表番号】特表2020-524107(P2020-524107A)
(43)【公表日】2020年8月13日
(86)【国際出願番号】KR2017010612
(87)【国際公開番号】WO2019066091
(87)【国際公開日】20190404
【審査請求日】2019年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】517430897
【氏名又は名称】デウ シップビルディング アンド マリン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】ナム,ビョン タク
(72)【発明者】
【氏名】アン,チョル ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン ロク
【審査官】
結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−125123(JP,A)
【文献】
特開2002−227675(JP,A)
【文献】
実開昭54−31738(JP,U)
【文献】
特開昭63−15634(JP,A)
【文献】
特開2015−123806(JP,A)
【文献】
“6. Fuel System”,Waertsilae 34DF PRODUCT GUIDE,フィンランド,WAERTSILAE FINLAND Oy,2016年09月,p.6-1〜6-39
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 21/21,21/38,
F02D 17/00−17/02,
F02M 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエンジンを搭載した船舶のエンジン運転方法において、
1)前記船舶で要求される負荷がエンジン1台の最大負荷の90%以上125%以下である場合、前記複数のエンジンのうち1台は断続燃焼モード(Skip Firing Mode)で運転し、他の1台は通常モードで運転し、その他のエンジンは運転させず、
前記断続燃焼モードで運転するエンジンは25%以下の所定負荷を負担し、
前記通常モードで運転するエンジンは前記船舶で要求される残りの負荷と前記船舶の要求負荷変動を負担し、
2)前記船舶で要求される負荷が125%以下の状態から125%を超えると、前記断続燃焼モードで運転したエンジン(以下、「第1エンジン」という。)が、前記船舶で要求される負荷の125%を超える負荷を一時的に負担した後、前記運転しなかったエンジン(以下、「第3エンジン」という。)を始動し、
3)前記第1エンジンは再び25%以下の負荷で断続燃焼モードで運転し、前記通常モードで運転したエンジン(以下、「第2エンジン」という。)と前記第3エンジンが、前記船舶で要求される負荷の残りの部分を負担することを特徴とする、船舶用エンジンの運転方法。
【請求項2】
前記2)ステップで、前記第1エンジンは、前記船舶で要求される負荷の125%を超える負荷を一時的に負担する時に一時的に通常モードで運転し、
前記3)ステップで、前記第2エンジンと前記第3エンジンは通常モードで運転することを特徴とする、請求項1に記載の船舶用エンジンの運転方法。
【請求項3】
前記3)ステップで、前記第2エンジンと前記第3エンジンは前記船舶で要求される負荷の残りの部分を均等に負担することを特徴とする、請求項2に記載の船舶用エンジンの運転方法。
【請求項4】
4)前記船舶で要求される負荷が125%を超える状態から減少すると、前記第2エンジンと前記第3エンジンの負荷を徐々に下げ、
5)前記船舶で要求される負荷が125%以下になると、前記第3エンジンの運転を停止させることを特徴とする、請求項1に記載の船舶用エンジンの運転方法。
【請求項5】
前記4)ステップで、前記第1エンジンは断続燃焼モードで運転することを特徴とする、請求項4に記載の船舶用エンジンの運転方法。
【請求項6】
前記4)ステップで、前記第2エンジンと前記第3エンジンは前記船舶で要求される負荷の残りの部分を均等に負担することを特徴とする、請求項4に記載の船舶用エンジンの運転方法。
【請求項7】
前記5)ステップで、前記第1エンジンは断続燃焼モードで25%以下の所定負荷を負担し、前記第2エンジンは前記船舶で要求される残りの負荷と前記船舶の要求負荷変動を負担することを特徴とする、請求項4に記載の船舶用エンジン運転方法。
【請求項8】
前記5)ステップで、前記第2エンジンは通常モードで運転することを特徴とする、請求項7に記載の船舶用エンジンの運転方法。
【請求項9】
前記船舶は断続燃焼モードで運転することができる4台のエンジンを備え、
前記4台のエンジンのうちの1台は予備品(Standby)であり、平常時は3台のエンジンが運転することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の船舶用エンジンの運転方法。
【請求項10】
前記複数のエンジンは34DFエンジンであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の船舶用エンジンの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のエンジンを搭載した船舶のエンジン運転方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
船舶で使用されるエンジンの中で天然ガスを燃料として使用することができるDF(Dual Fuel)エンジンがある。DFエンジンは、天然ガスと燃料油の両方を使用するエンジンであり、4ストローク発電用エンジンと2ストローク主推進用エンジンに分けられる。
【0003】
4ストローク発電用DFエンジンは一般的にDFエンジンといわれ、発電機に接続されて、エンジンの負荷は接続された発電機によって決定される。発電機に接続された機器からより多くの電力が要求されると、発電機を回転させるトルク(Torque)が増加することになり、トルクが増加すると発電機の回転数が減少し、減少した回転数を補償するためエンジンのガバナー(Governor)がより多くの燃料を注入し、エンジンにより多くの燃料が注入されるとエンジンの回転数が増加して既存の回転速度を維持することになる。すなわち、エンジンの負荷はエンジンの回転速度とトルクによって決定されるが、エンジンの回転速度は一定に維持され、トルクが調節されながらエンジンの負荷も調節される。4ストロークDFエンジンはピストンが上昇しながら燃料と燃焼空気を圧縮するオットーサイクル(Otto Cycle)を採用している。
【0004】
2ストローク主推進用DFエンジンには、X−DFエンジン、ME−GIエンジンなどがあるが、船舶を推進するためのエンジンであるため、発電機ではなくプロペラと接続される。2ストロークDFエンジンは、ピストンの上死点付近で燃料を燃焼室に直接噴射するディーゼルサイクル(Diesel Cycle)を採用している。高圧2ストロークDFエンジンであるME−GIエンジンは、約300bar〜350bar程度の圧力の天然ガスを燃料として使用する。
【0005】
一方、34DFエンジンは、複数のシリンダーのうち特定のシリンダーを継続的に点火させるのではなく、複数のシリンダーを均等に点火させる方式の運転が可能であるという特徴がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
天然ガスと燃料油の両方を使用できるエンジンを複数搭載した船舶において、複数のエンジンの負荷をいかに調整するか、天然ガスと燃料油はいかなる割合で供給するかなど、エンジンの燃料費を最小限に抑えるための努力が続けられている。
【0007】
最近、エンジンの燃料費を低減する方法として、エンジンが低負荷で運転する場合、エンジンにある複数のシリンダーのうち一部のシリンダーを非活性化して、運転するシリンダーの負荷を高める方法(断続燃焼、Skip Firing)が開発された。
【0008】
本発明は、複数のエンジンを運転する方法に断続燃焼を組み合わせて、燃料費を削減しながらもエンジンの効率的運転が可能である、船舶用エンジンの運転方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、複数のエンジンを搭載した船舶のエンジン運転方法において、1)前記船舶で要求される負荷が
エンジン1台の最大負荷の90%以上125%以下である場合、前記複数のエンジンのうち1台は断続燃焼モード(Skip Firing Mode)で運転し、他の1台は通常モードで運転し、その他のエンジンは運転
させず、前記断続燃焼モードで運転するエンジンは25%以下の所定負荷を負担し、前記通常モードで運転するエンジンは前記船舶で要求される残りの負荷と前記船舶の要求負荷変動を負担し、2)前記船舶で要求される負荷が125%以下の状態から125%を超えると、前記断続燃焼モードで運転したエンジン(以下、「第1エンジン」という。)が、前記船舶で要求される負荷の125%を超える負荷を一時的に負担した後、前記運転しなかったエンジン(以下、「第3エンジン」という。)を始動し、3)前記第1エンジンは再び25%以下の負荷で断続燃焼モードで運転し、前記通常モードで運転したエンジン(以下、「第2エンジン」という。)と前記第3エンジンが、前記船舶で要求される負荷の残りの部分を負担することを特徴とする、船舶用エンジンの運転方法が提供される。
【0012】
前記2)ステップにおいて、前記第1エンジンは、前記船舶で要求される負荷の125%を超える負荷を一時的に負担する時には一時的に通常モードで運転し、前記3)ステップにおいて前記第2エンジンと前記第3エンジンは通常モードで運転する。
【0013】
前記3)ステップにおいて、前記第2エンジンと前記第3エンジンは前記船舶で要求される負荷の残りの部分を均等に負担することができる。
【0014】
前記船舶用エンジンの運転方法は、4)前記船舶で要求される負荷が125%を超えている状態から減少すると、前記第2エンジンと前記第3エンジンの負荷を徐々に下げ、5)前記船舶で要求される負荷が125%以下になると、前記第3エンジンの運転を停止させる。
【0015】
前記4)ステップにおいて、前記第1エンジンは断続燃焼モードで運転することができる。
【0016】
前記4)ステップにおいて、前記第2エンジンと前記第3エンジンは前記船舶で要求される負荷の残りの部分を均等に負担することができる。
【0017】
前記5)ステップにおいて、前記第1エンジンは断続燃焼モードで25%以下の所定負荷を負担し、前記第2エンジンは前記船舶で要求される残りの負荷と前記船舶の要求負荷変動を負担する。
【0018】
前記5)ステップにおいて、前記第2エンジンは通常モードで運転することができる。
【0019】
前記船舶は、断続燃焼モードで運転することができる4台のエンジンを備え、前記4台のエンジンのうち1台は予備品(Standby)であり、平常時には3台のエンジンを運転することができる。
【0020】
前記複数のエンジンは34DFエンジンであり得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、エンジンの寿命やエンジンの整備周期にも全く影響を与えることなくエンジンの燃料効率を高めることができ、温室効果ガス、CO、NO
Xなどの有害排出物の量を大幅に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】2台のエンジンが運転する場合において、本発明の実施形態を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の構成と作用を詳細に説明する。本発明の船舶用エンジンの運転方法を適用する船舶は、液化天然ガス運搬船、液化天然ガス燃料船、ボーリング船、海上構造物など、様々な用途の船舶であり得る。また、本発明の船舶用エンジンの運転方法が適用されるエンジンは、34DFエンジンであることが好ましいが、これに限定されることなく、燃料油と天然ガスを二重に使用できるすべてのエンジンに応用することができる。下記の実施形態は他の形態に変更することができ、本発明の範囲は下記の実施形態によって限定されない。
【0027】
本実施形態の船舶用エンジンの運転方法は、1)船舶で要求される負荷が90%以上125%以下である場合、複数のエンジンのうち1台は断続燃焼モード(Skip Firing Mode)で運転し、他の1台は通常モードで運転して、その他のエンジンは運転しないステップを備える。
【0028】
船舶で要求される負荷が25%以下である場合には、1台のエンジンだけ駆動して断続燃焼モードで運転することが好ましい。また、船舶で要求される負荷が25%を超えて90%未満の場合には、1台のエンジンだけ駆動して1台のエンジンが通常モードで船舶で要求される負荷をすべて負担することも、2台のエンジンを駆動し、1台は断続燃焼モードで25%以下の負荷で運転し、もう1台は通常モードで残りの負荷を負担することもできる。
【0029】
本実施形態の船舶用エンジンの運転方法において、断続燃焼モードで運転するエンジンは25%以下の負荷であり、通常モードで運転するエンジンは25%を超える負荷である。通常モードで運転するエンジンは、船舶で要求される負荷の断続燃焼モードで運転するエンジンが負担する負荷を除いた負荷を負担し、船舶要求負荷変動も通常モードで運転する負荷で負担することが好ましい。船舶の要求負荷変動とは、船舶の運航条件に応じて要求される負荷が継続的に変動することを意味する。
【0030】
船舶で要求される負荷は、エンジン1台が最大に負担できる負荷を100%である場合を基準として示した。一例において、船舶で要求される負荷が200%である場合、2台のエンジンが最大負荷で運転した場合と同じである。
【0031】
また、船舶に搭載されるエンジンの台数は限定されないが、一般的に船舶には断続燃焼モードで運転することができる4台のエンジンが搭載され、そのうちの1台は予備品(Standby)であり、平常時には3台のエンジンが運転する。以下、本実施形態の船舶用エンジンの運転方法が3台のエンジンに適用される場合を例にして説明する。第1エンジン、第2エンジン、及び第3エンジンは、ただ3つのエンジンのうち互いに異なるいずれかのエンジンという意味であり、設置手順や各ステップにおける特定のエンジンを表現するものではない。
【0032】
一例において、1)ステップで第1エンジンが100%、第2エンジンが25%、第3エンジンが100%であり、2)ステップで第1エンジンが100%、第2エンジンが60%、第3エンジンこの100%であると説明した場合、1)ステップで3台のエンジンのうちいずれか1台が25%であり、2)ステップで3台のエンジンのうちいずれか1台が60%という意味であって、必ずしも1)ステップで25%であったエンジンが2)ステップで60%に変更されている場合だけを意味することではない。
【0033】
図1は、2台のエンジンが運転する場合における本発明の実施形態を示したグラフである。
図1のXは、低負荷最適化分配モード(Low Load Optimization Sharing Mode)が活性化(On)した時点を示し、
図1のYは、低負荷最適化分配モードが非活性化(Off)した時点を示す。低負荷最適化分配モードとは、複数のエンジンのうち1台を25%以下で運転するモードを意味する。
【0034】
図1を参照すると、一例として、船舶で要求される負荷が約120%である場合、2台のエンジンがそれぞれ約60%の負荷で運転することも(X時点より前およびY時点以降)、低負荷最適化分配モードを活性化させて、
図1のグラフbのように、1台のエンジンは25%以下の負荷で運転して、
図1のグラフaのように、船舶で要求される負荷の残りの部分を他の1台のエンジンが負担することもできる(X時点とY時点との間)。
【0035】
また、本実施形態の船舶の運転方法では、
図1のグラフbのように、25%以下の負荷で運転するエンジンは断続燃焼モードで運転し、
図1のグラフaのように、船舶で要求される負荷の残りの部分を負担するエンジンは通常モードで運転し、船舶の要求負荷変動にも対応することができる。
【0036】
本実施形態の船舶の運転方法は、2)船舶で要求される負荷が125%以下であった状態から125%を超えると、断続燃焼モードで運転したエンジン(以下、「第1エンジン」という。)が、船舶で要求される負荷の125%を超える負荷を一時的に負担した後、運転しなかったエンジン(以下、「第3エンジン」という。)を始動するステップ;と、3)第1エンジンは再び25%以下の負荷で断続燃焼モードで運転し、通常モードで運転したエンジン(以下、「第2エンジン」という。)と第3エンジンが船舶で要求される負荷の残りの部分を負担するステップを備えることができる。
【0037】
船舶で要求される負荷が約120%であり、第2エンジンが約98%の負荷を負担して通常モードで運転し、第1エンジンが約22%の負荷で断続燃焼モードで運転した後、船舶で要求される負荷が約150%に変更された場合を例にして、前記2)ステップと3)ステップを下記で説明する。
【0038】
前記2)ステップにおいて、第2エンジンはそのまま約98%の負荷が維持されて通常モードで運転する。第1エンジンは、船舶で要求される負荷の増加分である約30%をさらに負担して約52%の負荷で運転し、断続燃焼モードから通常モードに転換され、第3エンジンは始動される。しかし、第1エンジンが船舶で要求される負荷の増加分を負担して通常モードで運転するのは一時的であり、直ちに前記3)ステップに転換して、第1エンジンは25%以下の負荷で断続燃焼モードで運転し、第2エンジンと第3エンジンは船舶で要求される負荷の残りの部分を負担する。
【0039】
前記3)ステップにおいて、第2エンジンと第3エンジンは通常モードで運転することが好ましく、第2エンジンと第3エンジンは船舶で要求される負荷の残りの部分を均等に負担する。一例として、船舶で要求される負荷が約150%であり、第1エンジンが約22%の負荷で運転する場合、第2エンジン及び第3エンジンはそれぞれ約64%の負荷で運転することになる。
【0040】
船舶で要求される負荷が225%を超えると、3台のエンジンはすべて通常モードで駆動されることが好ましい。3台のエンジンは船舶で要求される負荷を均等に負担することもできるが、3台のエンジンの一部を最大負荷で駆動させ、他のエンジンが残りの負荷を負担して運転することが燃料費低減の観点で好ましい。一例として、船舶で要求される負荷が260%であれば、第1エンジンの負荷は100%、第2エンジンの負荷は60%、第3エンジンの負荷は100%で運転することが好ましい。
【0041】
船舶で要求される負荷が225%以下になると、第1エンジンは25%以下の負荷で断続燃焼モードで運転し、第2エンジンと第3エンジンは船舶で要求される負荷の残りの部分を負担することが好ましい。船舶で要求される負荷が225%を超えたときに最少の負荷を負担したエンジンが、船舶で要求される負荷が225%以下まで下がったときに断続燃焼モードで運転することが好ましいが、これに限定されることではない。また、第2エンジンおよび第3エンジンは、通常モードで船舶で要求される負荷の残りの部分を均等に負担して運転することが好ましく、エンジンの負荷は一遍に減少するのではなく、3台のエンジンが交互に目標負荷に向かって徐々に減少することが好ましい。
【0042】
本実施形態の船舶の運転方法は、4)船舶で要求される負荷が125%を超える状態から減少すると、第2エンジンと第3エンジンの負荷を徐々に下げるステップ;および5)船舶で要求される負荷が125%以下になると、第3エンジンの運転を停止させるステップ;を備えることができる。
【0043】
船舶で要求される負荷が125%を超える状態から減少し始めると、第2エンジンの負荷と第3エンジンの負荷を下げながら、船舶で要求される負荷が125%以下となり、1台を断続燃焼モードで運転して他の1台の運転を停止させても船舶で要求される負荷の残りの部分を残りの1台のエンジンが負担できるようになると、第3エンジンの運転を停止させる。
【0044】
前記4)ステップにおいて第1エンジンは断続燃焼モードで運転することができる。また、第2エンジンおよび第3エンジンは、通常モードで船舶で要求される負荷の残りの部分を均等に負担することが好ましい。
【0045】
前記5)ステップにおいて、第2エンジンは通常モードで運転することができる。また、断続燃焼モードで運転する第1エンジンは25%以下の所定負荷を負担し、第2エンジンは船舶で要求される残りの負荷と前記船舶の要求負荷変動を負担する。
【0046】
前記4)ステップと5)ステップの場合にも、エンジンの負荷は一遍に減少するのではなく、3台のエンジンが交互に目標負荷に向かって徐々に減少しながら第3エンジンを停止させることが好ましい。
【0047】
本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の技術的要旨を逸脱しない範囲内で様々な形態で修正または変更できることは、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。