(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な他の形態に実現でき、ここで説明する実施例に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付与することにする。
【0027】
明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0028】
以下の説明で、からだの中心方向は‘内側’、‘内側’と反対の方向は‘外側’、爪先方向は‘前方’、踵方向は‘後方’と定義する。また、‘長さ方向’は踵から爪先を連結する方向を意味し、‘幅方向’は足の広さであって長さ方向に対して直角の方向を意味する。
【0029】
本発明の詳細な説明で使用される用語として開放性運動連鎖(OKC:open kinetic chain)と閉鎖性運動連鎖(CKC:closed kinetic chain)を定義すれば次の通りである。
【0030】
閉鎖性運動連鎖(CKC)は、歩行や腕立て伏せなどの動作(activities such as gait and push‐up)のように人体の動きによって地面や壁のような固定された物体(fixed object such as ground and wall)に力が加えられる状態である。この場合、人体が固定された物体に力を加えるようになると、同時に反作用の力が固定された物体から発生するようにな
る。
【0031】
反面、開放性運動連鎖(OKC)は、ベンチプレ
スなどの動作のように(activities such asbench pres
s)固定
された地点に人体の動きによる力が加えられない場合であって、反作用の力
が発生しない。
【0032】
また、本発明の実施例の説明で、人体負荷力(BLF、body load force)は歩行のような閉鎖性運動連鎖
で人体が地面(ground)に加える力(force)であり、負荷線(LL、load line)は人体負荷力(body load force)が加えられる方向性を表わしたライン(line)である。地面反力(GRF、ground reaction force)は人体負荷力(body load force)の反力(reaction force)であって、人体負荷力(body load force)と同一な大きさの反対方向力である。負荷線(load line)の方向は地面と接触する地点の位置によって決定され、接触形状、例えばポイント接触(point contact)あるいは面接触(plane contact)によっても変わる。
【0033】
本発明の説明で、外的モーメント(external moment)は地面反力(GRF)によって各関節に発生する回転力と定義し、内的モーメント(internal moment)は筋収縮によって各関節に発生する回転力と定義することにする。
【0035】
図1の(a)〜(e)は人間の歩行周期を説明するための図である。
【0036】
人間の歩行周期は一方の足(図面において斜線で表示した部分)を基準にして大きく立脚期(stance phase)と遊脚期(swing phase)に区分される。
【0037】
立脚期(stance phase)は歩行中に足が地面に触れている状態である。このような立脚期(stance phase)は、踵接地(a、heel strike)、荷重反応期(b、loading response)、立脚中期(c、midstance)、踵離地(d、heel off)、および爪先離地(e、toe off)の5段階に区分することができる。
【0038】
踵接地(heel strike)は、立脚期中に踵部分の外側が地面に接触される瞬間を意味する。この時には、地面反力(GRF、ground reaction force)によって足首関節(ankle joint)が底側屈曲(plantar flexion)され、距骨下関節(subtalar joint)で回内(pronation)と外反(eversion)が発生して、地面衝突による衝撃を吸収することができる(
図1の(a)に示す)。
【0039】
荷重反応期(loading response)は、踵接地(heel strike)後に足裏全体が地面に接触しながら持続的な回内(pronation)が発生して足に加えられる衝撃を吸収し体重を分散して不規則な地面に足を適応させる過程である(
図1の(b)に示す)。
【0040】
立脚中期(midstance)は、足に体重が
乗せられる段階である(
図1の(c)に示す)。
【0041】
踵離地(heel off)は、足の踵が上げられる段階である(
図1の(d)に示す)。
【0042】
爪先離地(toe off)はつま先が上げられる段階である(
図1の(e)に示す)。
【0043】
一方、遊脚期(swing phase)は、足全体が地面から離れている状態を意味する。
【0044】
歩行は、立脚期と遊脚期(swing phase)が反復的に循環して行われる。
【0045】
図2は、人体の下肢骨格の縦軸(longitudinal axis of lower limb skeleton)に沿って位置する関節面を示した図である
。地面のような固定された物体に体重が負荷されれば、下肢骨格の縦軸に沿って
地面との接触地点
に負荷線(LL)が
下がるようになり、これに対する反作用として同一な大きさの地面反力(GRF、ground reaction force)が反対方向に発生するようになる。
【0046】
即ち、負荷線(LL)は、人体が地面に加える力(body load force)の方向を表わした線であって、踵接地(heel strike)瞬間には下肢骨格の縦軸に沿って地面と触れる地点(C
P)に向かうようになる。
図3は、一般的な歩行周期中の踵接地(heel strike)瞬間の
人体の負荷線(LL)と地面反力(GRF、ground reaction force)を説明するための図である。負荷線(LL)は、下肢の軸に沿って踵が地面(G)と接触する部分に下り、地面反力(GRF、ground reaction force)が反対方向に発生する。
【0047】
図4は本発明の第1実施例を説明するための図面であって、歩行補助装置を示している。本発明の第1実施例の歩行補助装置は、足固定部1、足支持部3、リア連結部5、そして後足部板(rear foot plate)を含む。
【0048】
足固定部1は履物またはキャストシューズ(cast shoes)のように患者が着用することができ、フロント側底に一定の高さのフロント支持部(1a、forefoot)が結合できる。
【0049】
フロント支持部1aはある程度弾性力やクッションを有する弾性体から形成でき、足固定部1のつま先から足裏の中間部分まで延長されて配置できる。フロント支持部1aは、キャストシューズ(cast shoes)に適用される場合、足固定部1と一体に成形され得る。フロント支持部1aは、履物の底裏構造(shoe sole structure)からなり得る。
【0050】
足支持部3は、プレート形態からなり得る。足支持部3は、足固定部1の底に一体に固定され得る。足支持部3は、足固定部1と分離されている場合には、既存の履物またはキャストシューズ(cast shoes)にベルクロファスナーのような結合具を用いて簡単に結合して使用することができる。
【0051】
本発明の実施例の説明で便宜上、足固定部1と足支持部3を区分して説明しているが、足固定部1自体が足支持部3の役割を果たすように一体形に形成されるのが可能である。したがって、本発明の実施例の説明では足支持部3が足固定部1を含むこともできる。即ち、リア連結部5は、足支持部3に結合されてもよく、足固定部1に直接結合されてもよい。
【0052】
一方、足支持部3が足裏長さ方向に長く形成された場合には、フロント支持部1aが足支持部3の前方側に結合されてもよい。
【0053】
以下の本発明の実施例では説明の便宜上、リア連結部5が足支持部3に結合された例として説明する。
【0054】
リア連結部5は、足固定部1の踵部分で足支持部3と後足部板7を連結する。リア連結部5は、ジョイント構造を含む。
【0055】
リア連結部5は、ジョイント構造の例として足支持部3に固定される第1部材5a、後足部板7に結合される第
2部材5b、そして第1部材5aと第2部材5bをヒンジ結合するヒンジ部材Cを含むことができる。
【0056】
ヒンジ部材Cは、足の幅方向が中心軸を成すように第1部材5aと第2部材5bを連結することができる
。したがって、後足部板7は足の長さ方向の傾き(ピッチ(pitch)ともいい、矢状面での傾きを意味する)が調節できる。即ち、後足部板7は、水平の地面(G、ground)を基準にして足の側面から見れば水平または任意の角度に傾き(pitch)を有することができる。
【0057】
後足部板7は、リア連結部5の第2部材5bに結合される。後足部板7は歩行周期中の踵接地(heel strike)段階で地面(G)に面で接触されるように平板からなることが好ましい。後足部板7は踵部分をカバーできる程度の大きさを有し弾性力を有する弾性体からなり得る。このように後足部板7は弾性体からなって、患者の歩行がある程度踵接地(heel strike)段階で患者の足に加えられる衝撃を緩和させることもできる。
【0058】
一方、リア連結部5のヒンジ部材Cの回転軸は歩行周期中の踵接地(heel strike)時に歩行の進行方向を基準にして側面から見る時、負荷線(LL、load line)の線上または
負荷線の後方に配置させるのが好ましい。ヒンジ部材の回転軸が負荷線(LL)の後方に位置するようになると、地面反力(GRF)による回転モーメントは足支持部3に固定される第1部材5aを時計回り方向に回転するようにする。また、歩行は人体が前方移動する動作であるので、踵接地(heel strike)時には脚(lower leg)が時計回り方向に回転する慣性を有しており、したがって、ヒンジ部材の回転軸が負荷線(LL)の線上に位置しても足支持部3に固定される第1部材5aは時計回り方向に回転するようになる。したがって、患者は倒れることなく安定性のある歩行が可能である。
【0059】
図5は、一般的な履物を履いた状態で歩行周期中の踵接地(heel strike)時点を示した図である。このような一般的な履物を着用した状態の歩行では、踵接地(heel strike)時点で地面(G)と接触する部分が履物の後側端部が点接触される。この時、履物の後側端部が地面に点接触する瞬間、開放性運動連鎖(OKC)状態から閉鎖性運動連鎖(CKC)状態に変換されて地面反力が発生するようになる。閉鎖性運動連鎖(CKC)状態で作用−反作用の力は接触地点から発生するので、負荷線(LL)は地面と人体が点接触する地点へ向かうようになり、これに対する反対方向に地面反力(GRF)が誘発される。この時、足首関節(A)と距骨下関節(subtalar joint)の回転軸は負荷線(LL)の前方に位置するので、地面反力(GRF)による回転モーメントは足を地面側に屈曲させて足裏が地面に触れるようにする。この時の回転モーメントあるいはトルク(torque)は、関節(A)軸から地面反力(GRF)が作用するラインまでの垂直距離(r)に比例する
。
【0060】
副木やキャスト固定、短下肢補助器(ankle foot orthosis)を着用した場合、関節炎、神経損傷による足首硬直があるときには足首関節(ankle joint)および距骨下関節(subtalar joint)での動きが制限されて
、地面反力(GRF)による回転モーメントは足首関節の近位部(proximal part、体の中心側)である脚(lower leg)を時計回り方向に回転させるようにする。したって、患者は膝が急に曲げられて(abrupt knee bucking)安定した歩行が不可能であり、ひどい場合には落ちたり倒れたりして怪我をするようになる。
【0061】
反面、
図4の実施例でヒンジ部材のジョイント動きは自由なので、後足部板(rear foot plate)が地面に接触する瞬間、ヒンジジョイントの回転運動によって後足部板(rear foot plate)は瞬く間に地面と面接触をするようになる。踵接地(heel strike)瞬間に地面と面接触をするようになれば、負荷線(load line)は下肢骨格の縦軸(longitudinal axis of lower appendicular skeleton)に沿って地面に向かうようになり、反対方向に地面反力(GRF)が誘発される。また、足首関節(ankle joint)と距骨下関節(subtalar joint)は
図2で示したように骨格の縦軸に沿って位置するようになり、したがって、実施例で踵接地(heel strike)瞬間の負荷線(load line)と地面反力(GRF)は足首関節(ankle joint)と距骨下関節(subtalar joint)を通過するようになって関節軸から地面反力(GRF)が作用するラインまでの垂直距離が減るようになる(力の作用点までの距離減少)。したがって、足首関節(ankle joint)と距骨下関節(subtalar joint)に作用する回転モーメントは減少され、関節の動きは最少化され、ヒンジ部材のジョイントが動きを代わりに補償するようになる
。
【0062】
図6は、本発明の第2実施例を説明するための図面であって、歩行補助装置を示している。
【0063】
本発明の第2実施例の歩行補助装置は、足固定部1、足支持部3(foot supporting part)、リア連結部5(heel part connecting member)、後足部板7(rear foot plate)、そして角度維持部9を含むことができる。
【0064】
本発明の第2実施例は、第1実施例の説明した内容と異なる点のみを説明し、同じ内容は第1実施例の説明で代置する。
【0065】
角度維持部9は、股関節や膝関節筋力が弱いか均衡維持能力が落ちた患者で踵接地(heel strike)時に安定性を高めるためのもので
ある。角度維持部9は、後足部板に力が加えられない時には
足支持部3と後足部板7が
なす角度を
一定に維持する
。したがって、後足部板は次の周期の踵接地(heel strike)瞬間に地面(G)との面接触
をする
ようになる。
【0066】
本発明の第2実施例の角度維持部9は、後足部板7の前方(歩行の進行方向を基準にする)側に配置できる。角度維持部9は、立脚期時期のうちの踵離地(heel off
)または遊脚期(swing phase)段階において踵接地ピッチ角度(pitch angle at heel strike、踵接地時に地面と
足が成す角度)に原状回復させる役割を果たす。
【0067】
即ち、角度維持部9は歩行周期中、
遊脚期(swing phase)および踵離地(heel off)時期に踵接地ピッチ角度(heel strike pitch angle)を維持し、次の踵接地(heel strike)時期に患者が安定した歩行を行うことができる。
【0068】
このような角度維持部9は、足支持部3に結合される第1部材9a、第1部材9aに結合される弾性部材9b、そして弾性部材9bと後足部板7を連結する第2部材9cを含むことができる。第1部材9aと第2部材9cは弾性部材9bを支持する役割を果たすことができる。弾性部材9bは、一定の力を受ければ圧縮され再び初期位置に復元されるスプリングや復元力に優れた合成樹脂材からなり得る。
【0069】
後足部板7と足支持部3とがなす角度(a)は
図10度から30度の範囲でセッティングすることができ、好ましくは20度から25度の範囲でセッティングすることができる(
図10に図示)。しかし、角度維持部9は、患者の状態によって現場で医療陣が直接セッティングできる構造からなり得る
。
【0070】
図7は、本発明の第2実施例の他の例示を説明するために歩行補助装置を示した図である。本発明の第2実施例の他の例示の歩行補助装置は、足固定部1が脚を固定する補助器からなる例示である。
【0071】
脚を固定する補助器からなる足固定部1は、中枢神経系疾患患者の状態によって脚部分と足部分が側面から見て90度前、後の角度に維持することができるようにセッティングされるのが好ましい。脳卒中のような中枢神経系損傷によって歩行障害が発生した場合には、脚部分と足部分が側面から見て90度前、後に維持される状態でセッティングされた本発明の歩行補助装置を着用して歩行することのみで相当なリハビリ治療効果を得ることができる。このような足固定部1は、ストラップSを用いて足部と脚部を固定することができる。
【0072】
このように、足固定部1が足部分と脚部分が固定された状態で中枢神経系疾患の患者のリハビリ治療に適用される時、患者は地面反力(GRF)によって各関節に発生する回転力である外的モーメント(external moment)と、筋収縮によって各関節に発生する回転力である内的モーメント(internal moment)の影響が最少化される状態で歩行リハビリ訓練を受けることができる。このような場合に医療陣が患者の病症の進行状態によって歩行に関連した歩行ピッチまたは歩行速度、歩行安定性のような客観的なデータを容易に得て加工して標準化することもできる。
【0073】
また、足固定部1は、他の例示(図示せず)として、脚部分と足部分が側面から見て角度を調節することができるようにヒンジ結合された形態に構成され得る。この場合に脚部と足部の角度を医療陣や患者が直接角度を調節する構造が適用できる。
【0074】
図8は、本発明の第2実施例のまた他の例示を説明するための図である。
【0075】
本発明の第2実施例の足固定部1はサンダル型シューズからなり、石膏包帯で足部と脚部が固定された患者が使用することができる。足部や脚部の骨折によって石膏包帯を巻いた患者が本発明の歩行補助装置を着用した場合に自然な歩行がなされて歩行の安定性と治療効果を一層高めることができる。
【0076】
特に、本実施例は糖尿、関節炎などを患っている患者の足関節動きを最少化するか足関節動きを固定して使用することができる。
【0077】
本発明の第2実施例の歩行補助装置を着用した患者が歩行する時の歩行補助装置の主要作動過程を説明する。
【0078】
図6は、本発明の第2実施例の歩行周期中の踵接地(heel strike)時点の状態を示した図である。
【0079】
本発明の第1実施例の説明では、後足部板7が自由になっている状態で踵接地(heel strike)が行われて本発明の目的を達成した。本発明の第2実施例では、角度維持部9の弾性部材9bが復元力の作用で足支持部3と後足部板7を一定の角度(a、
図10に示す)に維持した状態で歩行周期中の踵接地(heel strike)が行われる。この時、本発明の第1実施例で説明した通り、後足部板7は地面(G)との面接触が発生する。従って、本発明の第1実施例で説明した理由によって患者が座り込むか倒れることなく安定性のある歩行を行うことができる。
【0080】
図9は、本発明の第2実施例の歩行周期中の立脚中期(midstance)を説明するための図である。
【0081】
歩行周期中の立脚中期(midstance)では角度維持部9の弾性部材9bが適切な圧力で圧縮されながら、立脚中期(midstance)の初期には負荷線(LLb)がリア連結部5の中心軸前方に移動し、立脚中期(midstance)の終り部分にはフロント支持部1a側に移動する。
【0082】
図10は、本発明の第2実施例の歩行周期中の踵離地(heel off)を説明するための図である。
【0083】
歩行周期中の踵離地(heel off)では、負荷線(LL)がさらに前方側に移動する。そして、この時には後足部板7が地面(G)から離れる。そうすれば、後足部板7は弾性部材9bの復元力によって角度維持部9が一定の初期の角度に維持される。その後、爪先離地(toe off)段階に進められる。
【0084】
図11は、本発明の第3実施例を説明するために歩行補助装置を示した図である。
【0085】
本発明の第3実施例は前述の実施例の説明と同一な部分はその説明で代置し、異なる点のみを説明する。
【0086】
本発明の第3実施例は、足支持部3が足の長さ方向に長く配置され、フロント支持部1aが足支持部3にフロント側に結合される。そして、足支持部3は固定用ストラップSが結合される。患者や医療陣は足や履物からなる足固定部1にストラップSで歩行補助装置を固定して使用することができる。このような本発明の第3実施例は、足の大きさが異なるか多様な身体的条件を有する患者に容易に適用することができて汎用性がある。
【0087】
図12は、本発明の第4実施例を説明するために歩行補助装置を示した図である。
【0088】
本発明の第4実施例は前述の実施例の説明と同一な部分はその説明で代置し、異なる点のみを説明する。
【0089】
本発明の第4実施例は、角度維持部9が引張スプリングからなり、リア連結部5の後方に配置される。本発明の第4実施例は、引張スプリングからなる角度維持部9が足支持部3と後足部板7を常に引く方向に力が作用する。従って、本発明の第4実施例は本発明の第2実施例を簡単に構成することができながら多様な実施例を示す。
【0090】
図13は、本発明の第5実施例を説明するために歩行補助装置を示した図である。
【0091】
本発明の第5実施例は前述の実施例の説明と同一な部分はその説明で代置し、異なる点のみを説明する。
【0092】
本発明の第5実施例は、角度維持部9がトーションスプリングからなり、リア連結部5に配置される。本発明の第5実施例は、トーションスプリングからなる角度維持部9が足支持部3と後足部板7を常に押す方向に力が作用する。従って、本発明の第5実施例は、構成部品を一箇所に集めて配置することによって、外観がシンプルながらも製造費用を減らすことができる。本発明の第5実施例も簡単に構成することができながら多様な実施例を示す。
【0093】
図14は、本発明の第6実施例を説明するために歩行補助装置の後足部板7(rear foot plate)の角度をセッティングすることができる角度維持部9を示した構成図である。
【0094】
本発明の第6実施例は前述の実施例の説明と同一な部分はその説明で代置し、異なる点のみを説明する。
【0095】
本発明の第6実施例は、角度維持部9を医療陣が患者の状態によって適切に調節することができる構造である。即ち、本発明の第6実施例の角度維持部9は、エアーチャンバー11、リターンスプリング13、流量調節バルブ15、そしてチェックバルブ17を含むことができる。
【0096】
エアーチャンバー11は外部の空気が流入される空間であって、ベローズ形態に形成できる。エアーチャンバー11は、足支持部3と後足部板7の間に配置できる。エアーチャンバー11は、足支持部3と後足部板7の間に配置されて両端がそれぞれ固定されてもよい。リターンスプリング13は、エアーチャンバー11の外部に配置できる。エアーチャンバー11も足支持部3と後足部板7の間に配置できる。流量調節バルブ15は、エアーチャンバー11に連結される管路15aに配置されるか、またはエアーチャンバー11に直接配置できる。流量調節バルブ15は、手動または自動で排出通路の大きさが調節されてエアーチャンバー11から排出されるエアーの速度を調節することができる。このような流量調節バルブ15は、医療陣が患者の状態によって流量調節バルブ15を通じてエアーチャンバー11に排出されるエアーの量を調節して、後足部板7の角度を最適値でセッティングすることができる。チェックバルブ17は、外部の空気がエアーチャンバー11の内部に流入できながら外部には排出されないようにする。このようなチェックバルブ17はエアーチャンバー11に連結された管路17aに配置されてもよく、エアーチャンバー11に直接配置されてもよい
。
【0097】
以下、このような本発明の第6実施例の作動過程を説明する。
【0098】
患者が歩行する過程でエアーチャンバー11が圧縮される。この時、医療陣はエアーチャンバー11が圧縮される程度を調節する。そうすれば、エアーチャンバー11の空気の一部が流量調節バルブ15を通じて外部に排出された一定の時点において、エアーチャンバー11はそれ以上圧縮されず、調整された状態を維持する。そして、歩行周期中の踵離地(heel off)時期でリターンスプリング13によってエアーチャンバー11は初期の形態に復元される。この時、エアーチャンバー11が初期の位置に復元されながらエアーチャンバー11の負圧によってチェックバルブ17を通じて外部の空気がエアーチャンバー11の内部に流入される。したがって、患者が反復的に歩行しても常に医療陣がセッティングしておいた値で後足部板7の傾斜度を医療陣が希望する程度にセッティングすることができる。
【0099】
このような本発明の第6実施例は多様な条件の患者にオーダーメードで歩行補助装置を適用させることができる。
【0100】
本発明の第1実施例〜第6実施例で、歩行補助装置の後足部板7は長さ方向である矢状面(sagittal plane)に傾きをセッティングすることができる。
【0101】
図15は本発明の第7実施例を説明するために歩行補助装置のリア連結部5(rear connecting part)を示した図であり、
図16は
図15のリア連結部が組み立てられた状態での側面を示した図であり、
図17は
図15のリア連結部が組み立てられた状態での背面側を示した図である。
【0102】
本発明の第7実施例は前述の実施例の説明と同一な部分はその説明で代置し、異なる点のみを説明する。
【0103】
本発明の第7実施例は、リア連結部5の矢状面(sagittal plane、ピッ
チ)での傾きと冠状面(coronal plane、ロール(roll
))での傾きを同時に調節することができる構造の例である。
【0104】
本発明の第7実施例のリア連結部5は、楕円体関節(ellipsoid joint)からなり得る。即ち、後足部板7は楕円体の凸部19aが一体に成形されるか結合され、足支持部3は楕円体の凸部19aに対応する楕円体の凹部19bが一体に成形されるか結合される構造からなり得る。もちろん、後足部板7は楕円体の凹部が一体に成形されるか結合され、足支持部3は楕円体の凸部が一体に成形されるか結合され得る。
【0105】
図15を参照すれば、後足部板7に形成された楕円体の凸部19aは足の広さ方向にw1の幅を有し、足の長さ方向にW2の幅を有する。そして、広さ方向の幅(w1)が長さ方向の幅(w2)よりさらに大きく成され、その上面が楕円体を成す。もちろん、足支持部3に形成された楕円体凹部19bは、後足部板7に形成された楕円体凸部19aに対応する形状に形成されて結合される。このような本発明の第7実施例は、後足部板7が矢状面(sagittal plane)と冠状面(coronal plane)に動ける2自由度を有する。このような本発明の第7実施例の構造は、後足部板7が矢状面(sagittal plane)だけでなく冠状面(coronal plane)に動くようにして患者の安定性ある歩行に十分に対応できる。
【0106】
本発明の第7実施例の他の例示として、リア連結部5が2自由度を有するサドルジョイント(saddle joint)が適用されてもよい。
【0107】
図18は本発明の第8実施例を説明するために歩行補助装置のリア連結部5(rear connecting part)を示した図であり、
図19は
図18に示した歩行補助装置のリア連結部5(rear connecting part)の主要部を分解して示した分解斜視図である。
【0108】
本発明の第8実施例は前述の実施例の説明と同一な部分はその説明で代置し、異なる点のみを説明する。本発明の第8実施例のリア連結部5は、第7実施例と同様に2自由度を有する構造である。本発明の第8実施例のリア連結部5は、後足部板7の結合される第1部材21、第1部材21に結合されて矢状面(sagittal plane)に動く第2部材23、そして第2部材23に結合されて冠状面(coronal plane)に動き、足支持部3に結合される第3部材25を含む。
【0109】
第1部材21は、矢状面(sagittal plane)に第2部材23が移動できるように凹面である曲面部21aが形成される。そして、第2部材23は、凹面である曲面部21aに対応する凸面である曲面部23aが形成される。そして、第2部材23の上面にはまた他の凹面である曲面部23bが形成される。第2部材23に形成された凹面である曲面部23bは第1部材21に形成された凹面である曲面部21aに対して直角方向に形成されるのが好ましい。そして、第3部材25は、第2部材23の凹面である曲面部23bに対応する他の凸面である曲面部25aが形成される。
【0110】
このように構成される本発明の第8実施例のリア連結部5は、第7実施例で説明したリア連結部5と同様に2自由度を有するが、十分な患者の荷重を耐えながらも後足部板7をさらに安定性あるように矢状面(sagittal plane)と冠状面(coronal plane)に動ける。
第7実施例と第8実施例の両方とも2自由度を提供するジョイントで矢状面(sagittal plane)と冠状面(coronal plane)で回転運動が可能であり、他の例示としてユニバーサルジョイント(universal joint)も同一に適用することができる。
【0111】
図20は、本発明の第7実施例と第8実施例で負荷線(load line)が足首関節(ankle joint)と距骨下関節(subtalar joint)を通過する状態を冠状面(coronal plane)で見せるために足後側部分を示した図である。
【0112】
リア連結部のジョイントが冠状面(coronal plane)で回転が可能なので
図4の第1実施例と同様に冠状面(coronal plane)でも負荷線(load line)は下肢骨格の縦軸(longitudinal axis of lower appendicular skeleton)に沿って地面に向かうようになる。したがって、冠状面(coronal plane)でも足首関節(ankle joint)と距骨下関節(subtalar joint)に作用する回転モーメントは減少して関節の動きは最少化され、リア連結部のジョイントが
横的動きを代わりに補償するようになる。したがって、患者はさらに安定した歩行を行うことができる。
【0113】
図21は、
図20に対応する従来の例を説明するための図である。
【0114】
図21は、一般的な履物を履いた状態で歩行周期中の踵接地(heel strike)時点を冠状面(coronal plane)で示した図である。このような一般的な履物を着用した状態の歩行では踵接地(heel strike)瞬間に地面(G)と履物の外側で点接触される。矢状面を示した
図5と同様に、接触地点から負荷線(LL)と地面反力(GRF)が発生する。地面反力(GRF)による回転モーメント
は足を矢印方向に回転させる(
図21参照)。正常な場合には、このような回転モーメントは距骨下関節(subtalar joint)の回内(pronation)動きを誘発して地面からの衝撃を吸収、分散するが、足首および足関節(joints of ankle and foot)の正常な動きが不可能な場合には歩行の安定性を減少させるようになる。
【0115】
図22は、本発明の第9実施例を説明するための歩行補助装置の底面図である。
【0116】
本発明の第9実施例は、角度維持部9を後足部板7に幅方向に平行に2つを配置して後足部板7が矢状面(sagittal plane)と冠状面(coronal plane)の動きに全て対応する構造である。この時に角度維持部9は前述の実施例で説明されたものが使用できる。このような本発明の第9実施例は、後足部板7の矢状面(sagittal plane)の傾きと冠状面(coronal plane)の傾きを同時にセッティングすることができる。このような本発明の第9実施例の構造は患者の歩行をさらに安定性あるようにすることができる。
【0117】
図23は、本発明の第10実施例を説明するために歩行補助装置のリア連結部5(rear connecting part)を示した図である。
【0118】
本発明の第10実施例は前述の実施例の説明と同一な部分はその説明で代置し、異なる点のみを説明する。
【0119】
本発明の第10実施例は、リア連結部5がボールソケットジョイント(ball and socket joint)構造からなる例を示す。本発明の第10実施例は、後足部板7に受容部31が結合され、足支持部3に受容部31に接触されるボール部33が結合される。受容部31とボール部33は半球形に形成されるのが好ましい。このような構造は球形に形成されることによって足支持部3と後足部板7の高さを低めることができ、同時に作動の安定性を確保することができる。このような本発明の第10実施例は多自由度を有し、本発明にボールジョイント(またはボールソケットジョイント)が適用できるのを示すものである。
【0120】
図24は、本発明の第11実施例を説明するために歩行補助装置を示した図である。
【0121】
本発明の第11実施例のリア連結部5は、2自由度を有するユニバーサルジョイントからなり得る。そして、足支持部3が足の長さ方向に長く形成される。そして、足支持部3のフロント側にヒンジ結合されるフロント支持部41を備えることができる。本発明の第11実施例も本発明を多様に構成することができるのを示す。
【0122】
図25は、本発明の第12実施例を説明するために歩行補助装置を示した図である。
【0123】
本発明の第12実施例は前述の実施例の説明と同一な部分はその説明で代置し、異なる点のみを説明する。
【0124】
本発明の第12実施例の歩行補助装置は、足固定部1が脚部と足部を固定する補助器からなる。
【0125】
脚を固定する補助器からなる足固定部1は、中枢神経系疾患患者の状態によって脚部分と足部分が側面から見て互いに90度前後の角度に維持することができるようにセッティングされるのが好ましい。脳卒中のような中枢神経系損傷によって歩行障害が発生した場合には、脚部分と足部分が側面から見て90度前、後に維持される状態でセッティングされた本発明の歩行補助装置を着用して歩行することのみで相当なリハビリ治療効果を得ることができる。このような足固定部1は足支持部3をねじのような締結手段で固定することができ、足支持部3を一体に成形することもできる。
【0126】
脚部と足部を固定する足固定部1は、ストラップSを用いて足部と脚部を固定することができる。
【0127】
そして、足支持部3は、前足部板51を結合することができる。前足部板51(forefoot plate)は第13実施例と同一な構造を有することができるので、その説明で代置することにする。
【0128】
図26は本発明の第13実施例を説明するために歩行補助装置を示した図であり、
図27は
図26の主要部を分解して示した分解斜視図である。
【0129】
本発明の第13実施例の歩行補助装置は、足支持部3、リア連結部5、後足部板7、フロント連結部6(front connecting part)、前足部板51(forefoot plate)、プレート連結部81(plate connecting part)、そして横的調節部91(coronal adjusting part)を含む。
【0130】
本発明の第13実施例は前述の実施例の説明と同一な部分はその説明で代置し、異なる点のみを説明する。
【0131】
本発明の第13実施例の足支持部3は、
図27〜
図29を参照して説明する。本発明の第13実施例の足支持部3は、ベース301、リア移動部材303、リア調節部材305、フロント移動部材309、フロント調節部材311、そしてカバー313を含むことができる。
【0132】
ベース301は、足の長さ方向に長く形成される。ベース301は、リア側にスライド孔部301aが形成される。スライド孔部301aの両側には、ガイド溝301bがベース301の長さ方向に形成される。
【0133】
リア移動部材303はスライド孔部301aに挿入され、ガイド溝部301bに対応するガイド突起部303aが形成される。したがって、リア移動部材303は、ガイド溝部301bに沿ってベース301の長さ方向に移動できる。一方、ベース301は、中間部分に長さ方向にホール(h)が形成される。そして、リア移動部材303は、長さ方向にねじ孔303cが形成される。リア調節部材305は、外周面にねじ山が形成されたボルト部材からなり得る。リア調節部材305は、ベース301のホール(h)とリア移動部材303のねじ孔303cに結合されてリア移動部材303をベース301に固定しながらベース301の長さ方向に移動させることができる。
【0134】
一方、リア移動部材303は、リア連結部5の一側が結合される。したがって、リア移動部材303がベース301の長さ方向に移動しながらリア連結部5の中心軸を移動させることができる。このような構造は、患者の状態によって負荷線(LL)を考慮して負荷線(LL)の後方側にリア連結部5の軸を移動させることができる。
【0135】
また、ベース301は、フロント側にまた他のスライド孔部301cが形成される。スライド孔部301cは、両側にガイド溝301dがベース301の長さ方向に形成される。
【0136】
フロント移動部材309は、スライド孔部301cに挿入され、ガイド溝部301dに対応するガイド突起部309aが形成される。したがって、フロント移動部材309は、ガイド溝部301dに沿ってベース301の長さ方向に移動できる。一方、ベース301は、中間部分に長さ方向にまた他のホール(h)が形成される。そして、フロント移動部材309には、長さ方向にねじ孔309cが形成される。フロント調節部材311は、外周面にねじ山が形成されたボルト部材からなり得る。フロント調節部材311は、ベース301のホール(h)とフロント移動部材309のねじ孔309cに結合されて、フロント移動部材309をベース301に固定しながらベース301の長さ方向に移動させることができる。
【0137】
一方、フロント移動部材309は、フロント連結部6の一側が結合される。したがって、フロント移動部材309がベース301の長さ方向に移動しながらフロント連結部6の中心軸を移動させることができる。このような構造は、患者の状態によって負荷線(LL)を考慮して負荷線(LL)の後方側にフロント連結部6の軸を移動させることができる。
【0138】
一方、カバー313は、ベース301に結合されて、リア移動部材303とフロント移動部材309が外部に離脱しないように固定することができる。
【0139】
図29を参照すれば、リア連結部5の軸(C)を長さ方向に移動させる必要がある時、医療陣は患者の状態と負荷線(LL)を考慮してリア移動部材303を移動させることができる。即ち、リア調節部材305を回転させると、リア調節部材305はその場で回転する。そうすれば、リア調節部材305がリア移動部材303にねじ結合されているので、リア移動部材303はベース301のガイド溝部301bとリア移動部材303のガイド突起部303aに沿ってベース301の長さ方向に移動する。
【0140】
フロント移動部材309もリア移動部材303と同様な方法で移動できるので、フロント移動部材309の移動過程については前述の説明で代置する。
【0141】
本発明の第13実施例で、リア連結部5とフロント連結部6はユニバーサルジョイントからなり得る。しかし、リア連結部5とフロント連結部6は前述の実施例に説明された例示が使用できる。
【0142】
そして、リア連結部5とフロント連結部6は後足部板7と前足部板51にそれぞれピボット結合部101、103によってピボット結合され得る。したがって、後足部板7は、矢状面(sagittal plane)、冠状面(coronal plane)、そして水平面(
horizontal plane)で回転が可能な3自由度を有することができる。また、前足部板51も3自由度の動きが可能である。
【0143】
図30は、本発明の第13実施例のプレート連結部(plate connecting part)を示した図である。
【0144】
本発明の第13実施例のプレート連結部81を説明するための図であって、
図30の(a)はシングルタイプであり、
図30の(b)はダブルタイプである。
【0145】
本発明の第13実施例のプレート連結部81は、ピンスロットジョイント(pin−slot joint)構造である。即ち、
図30の(a)を参照すれば、後足部板7には第1リンク351が結合され、前足部板51には第2リンク353が結合される。
【0146】
第1リンク351と第2リンク353は、足の長さ方向に延長される。第1リンク351は、足の長さ方向に長孔部351aが形成される。そして、第2リンク353は、第1リンク351の長孔部351aに嵌合される軸部353aが足の幅方向に結合される。したがって、後足部板7と前足部板51は互いに連結された(linkage)状態で矢状面(sagittal plane)で線状移動(linear translation)と回転が可能である。
図30の(b)は、第1リンク351と第2リンク353が足の幅方向に対を成して配置された例を示している。このようにそれぞれのリンクが対を成して構成されれば、後足部板7と前足部板51が互いにねじれることによってスライディング運動が妨害されるのを防止することができる。このようなプレート連結部81は、設計上必要によって、シングルタイプとダブルタイプを選択して使用することができる。
【0147】
図31は、本発明の第13実施例の横的調節部91(coronal adjusting part)の作動例を示す図である。
【0148】
本発明の第13実施例の横的調節部91は、液体または油圧を用いた構造が適用できる。このような横的調節部91は、対を成して足の幅方向に配置され得る。まず、
図31を基準にして左側に配置された横的調節部91は、油圧チャンバー441、リザーバタンク443、排出管路に441a、リターン管路443a、油圧調節バルブ445、そしてチェックバルブ447を含む。油圧チャンバー441は、オイルが満たされ高さが可変するベローズタイプのチャンバーからなり得る。そして、油圧チャンバー441からは、排出管路441aを通じてリザーバタンク443にオイルが排出され得る。排出管路441aには油圧調節バルブ445が配置される。油圧調節バルブ445は、油圧チャンバー441の収容されたオイルを医療陣が所望する速度と量で排出し得るように調節することができる。このような油圧調節バルブ445は、手動で操作が可能である。リザーバタンク443と油圧チャンバー441の間にはリターン管路443aに連結されてリザーバタンク443のオイルを再び油圧チャンバー441にリターンさせることができる。リターン管路443aにはチェックバルブ447が配置されて、油圧チャンバー441に収容されたオイルはリターン管路443a側に排出されず、リザーバタンク443のオイルが油圧チャンバー441に流入されるようにする。
【0149】
図31を基準にして右側に配置された横的調節部91は、油圧チャンバー451、リザーバタンク443、排出管路451a、リターン管路453a、油圧調節バルブ455、そしてチェックバルブ457を含む。油圧チャンバー451は、オイルが受容され、高さが可変するベローズタイプのチャンバーからなり得る。そして、油圧チャンバー451は、排出管路451aを通じてリザーバタンク443にオイルが排出され得る。排出管路451aには油圧調節バルブ455が配置される。油圧調節バルブ455は、油圧チャンバー451の収容されたオイルを所望の速度と量で排出されるように調節できる。このような油圧調節バルブ455は、手動で操作が可能である。リザーバタンク443と油圧チャンバー451の間にはリターン管路453aで連結されてリザーバタンク443のオイルを再び油圧チャンバー451にリターンさせることができる。リターン管路453aにはチェックバルブ457が配置されて、油圧チャンバー451に収容されたオイルはリターン管路453a側に排出されず、リザーバタンク443のオイルが油圧チャンバー451に流入されるようにする。
【0150】
このように構成される横的調節部91は、歩行周期中の踵接地(heel strike)時、患者の歩行状態によって油圧調節バルブ445、455をそれぞれ調節する。即ち、医療陣は、患者が歩行周期中の踵接地(heel strike)時に油圧調節バルブ445、455を調節して、油圧チャンバー441、451の排出量を調節する。医療陣は、油圧調節バルブ445、455を調節して、個別患者に最適化された状態に油圧チャンバー441、451の高さを低める(
図36参照)。即ち、
図36に示したように、左、右側の油圧チャンバー441、451の高さh1、h2が変わって、個別患者に最適化された状態に合わせることができる。
【0151】
図32は、本発明の第13実施例の歩行周期中の踵接地(heel strike)時点でリア連結部材の軸を基準にして負荷線(LL)の相対位置を説明するための図である。
【0152】
本発明の第13実施例の歩行補助装置は、歩行周期中の踵接地(heel strike)時に後足部板7が地面(G)に面接触する点は前述の第1実施例および第2実施例の説明と同一である。本発明の第13実施例の歩行補助装置は、歩行周期中の踵接地(heel strike)時点にリア連結部5のジョイント軸は歩行の進行方向を基準にして歩行周期中の踵接地時に負荷線(LL)の線上または線上の後方にセッティングすることができる。本発明の第13実施例の歩行補助装置は、後足部板7と前足部板51がプレート連結部81による連動動き(coupled movement)で矢状面(sagittal plane)調節が可能であり、同時に横的調節部91によって冠状面(coronal plane)調節が可能である。
【0153】
このような本発明の第13実施例の歩行補助装置は、患者の歩行周期中の踵接地(heel strike)時点で矢状面(sagittal plane)調節と同時に冠状面(coronal plane)調節を最適化させて患者に適用することができる。
【0154】
また、本発明の第13実施例で、横的調節部91は十分な空間を有する前足部板51に配置され、設計および製作面で有利である。
【0155】
図33は、本発明の第13実施例の歩行周期中の立脚中期(midstance)過程で負荷線(LL)が移動する位置を説明するための図面である。
【0156】
歩行周期中の立脚中期(midstance)では、立脚中期の初期時点での負荷線(LLa)が立脚中期の終了時点の負荷線(LLb)に移動する。
【0157】
負荷線(LL)の移動過程は、前述の実施例の説明と同一である。
【0158】
図34は、本発明の第13実施例の歩行周期中の踵離地(heel off)過程で負荷線(LL)の位置を説明するための図である。
【0159】
歩行周期中の踵離地(heel off)では、負荷線(LL)が前方側に移動しながら、後足部板7が地面(G)から離れる。
【0160】
そして、後足部板7は、横的調節部9およびプレート連結部81によって前足部板51と連動して動きが起こるので、角度維持はもちろん矢状面(sagittal plane)と冠状面(coronal plane)での動きが最適化され得る。
【0161】
図35は、本発明の第13実施例の歩行周期中の爪先離地(toe off)過程で負荷線(LL)の位置を説明するための図である。
【0162】
歩行周期中の爪先離地(toe off)では、負荷線(LL)がさらに前方側に移動する。以後には遊脚期(swing phase)の過程を経る
。
【0163】
図37は本発明の第14実施例を説明するための図であり、
図38は
図37のA−A部を切断して見た断面図である。
【0164】
本発明の第14実施例は、横的調節部91の他の例を説明する。本発明の第14実施例の横的調節部91は、第1部材501、第2部材503、そして弾性部材505を含む。第1部材501は内部に空間が提供され、前足部板51に結合される。第1部材501は、外周面にねじ山が形成される。第1部材501は、円筒形状に形成できる。第2部材503は円筒形状に形成され、内周面にねじ溝が形成される。したがって、第2部材503は第1部材501にねじ結合されて回転しながら第1部材501に対して相対運動をすることができる。即ち、第2部材503は、1部材501に対して回転移動しながら後足部板7と第2部材503の上面の間隔を調節することができる。第2部材503は、その上面が足支持部3に対してストッパー役割を果たすことも可能である。弾性部材505は、復元力に優れたゴム、合成樹脂材などからなり得る。
【0165】
歩行周期中の爪先離地(toe off)以後の遊脚期で、医療陣が患者に最適化されるようにセッティングした位置に迅速に復元され得る。本発明の第14実施例は、医療陣のセッティングが可能な横的調節部91を多様に構成することができるのを示す。
【0166】
図39は本発明の第15実施例を説明するための図であり、
図40は
図39のB−B部を切断して見た断面図である。
【0167】
本発明の第15実施例は、横的調節部91の他の例を示す。本発明の第15実施例は前述の第14実施例と比較して異なる点のみを説明し、同一な部分はその説明で代置する。本発明の第15実施例は、弾性部材が圧縮コイルスプリング507からなる。第2部材503が第1部材501に対して相対回転をして移動する構造は、前述の第14実施例と同一である。
【0168】
図41は、本発明の第
16実施例を説明するための図である。
【0169】
本発明の第
16実施例は横的調節部91が第
15実施例と比較して異なる点のみを説明し、同一な部分はその説明で代置することにする。
【0170】
本発明の第
16実施例の横的調節部91は、足支持部3に前足部板51方向に突出したガイド509と角度調節部材511をさらに含む。ガイド509は足支持部3に溶接またはねじ結合されてもよく、外周面にねじ山が形成される。そして、角度調節部材511は内周面にねじ溝が形成されてガイド509にねじ結合される。したがって、角度調節部材511の回転で足支持部3と前足部板51の間の離隔距離を調節することができ、前足部板と後足部板は連動されて動くので、離隔距離を予めセッティングすれば、踵接地(heel strike)時に地面と足が成す角度を調節することができる。したがって、踵接地時に安定性を高めることができる。
【0171】
図42は、本発明の第
17実施例を説明するための図である。
【0172】
本発明の第
17実施例は、一般履物に着用することができる歩行補助装置を示している。即ち、本発明の第
17実施例の歩行補助装置は、足支持部3が足固定部1と別途の構成からなり得る。そして、足支持部3はストラップSを備えていて、履物のような足固定部1に固定して使用することができる。そして、本発明の第18実施例の歩行補助装置は足支持部3、リア連結部5、後足部板7、フロント連結部6、前足部板51、そしてプレート連結部81および横的調節部91が含まれ得る。即ち、本発明の第
17実施例の歩行補助装置は、前述の実施例に該当する例示がそのまま適用できる。
【0173】
図43は、本発明の第
18実施例を説明する図である。本発明の第
18実施例は、前述の第6実施例(
図14)の変形例である。
【0174】
本発明の第
18実施例は第6実施例と比較して異なる点のみを説明する。本発明の第
18実施例は、後足部板6に結合される第1部材20と、第1部材にねじ結合される第2部材22をさらに含む。第1部材20は円筒形状に形成され、内部にエアーチャンバー11が収納される空間が提供される。第1部材20は、外周面にねじ山が形成される。第2部材22はナット形状に形成され、内周面にねじ溝が形成される。したがって、第2部材22は第1部材20にねじ結合される。第2部材22は、円周方向に沿って足支持部3に向かう面にリターンスプリング13が嵌合される溝部22aを備える。そして、リターンスプリング13は、一端が第2部材22の溝部22aに嵌合され、他端が足支持部3に接触される。したがって、リターンスプリング13は、足支持部3と第2部材22の間を弾性的に支持する。このような本発明の第
18実施例は、
図41の第
16実施例で示された角度調節部材のように踵接地(heel strike)瞬間に地面との面接触を誘発して踵接地時に安定性を高めることができる。
【0175】
リターンスプリング13の張力を調節して患者の状態または歩行状態によって医療陣が最適化して使用することができる。
本発明の実施例の歩行補助装置は、歩行ロボットまたは歩行のための装置の底構造物として使用することができる。
【0176】
以上を通じて本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属するのは当然である。