特許第6944892号(P6944892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6944892
(24)【登録日】2021年9月15日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】軌道構造及び軌道構築方法
(51)【国際特許分類】
   E01B 21/00 20060101AFI20210927BHJP
【FI】
   E01B21/00
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-31050(P2018-31050)
(22)【出願日】2018年2月23日
(65)【公開番号】特開2019-143443(P2019-143443A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2019年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230825
【氏名又は名称】日本軌道工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100063842
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118119
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 大典
(72)【発明者】
【氏名】長藤 敬晴
(72)【発明者】
【氏名】阿部 則次
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和男
(72)【発明者】
【氏名】若月 修
【審査官】 山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−242391(JP,A)
【文献】 特開2010−057425(JP,A)
【文献】 特開2006−045988(JP,A)
【文献】 特開2011−094385(JP,A)
【文献】 米国特許第05285964(US,A)
【文献】 実開昭57−096203(JP,U)
【文献】 実開昭49−025103(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本のレールを設置するための1本の凹溝が設けられた軌道ブロックが、一部分でブロック支持部材に支持されて、軌道間隔で並列して軌道方向に連接されて道路に埋設され、レールが前記軌道ブロックの凹溝に、レール締結装置により固定されていることを特徴とする軌道構造。
【請求項2】
前記ブロック支持部材は、路盤に設置され、前記軌道ブロックの高さを調整する高さ調整機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の軌道構造。
【請求項3】
前記ブロック支持部材は、前記軌道ブロックを支持する支持部と前記支持部を支持する脚部を備えて構成され、前記高さ調整機構は、前記脚部と前記支持部との相対的な位置関係を調整し、前記支持部の高さを調整して軌道ブロックの高さを調整することを特徴とする請求項2に記載の軌道構造。
【請求項4】
前記支持部はボルト孔を備えた形鋼を備えて構成され、前記脚部はボルトを備えて構成され、前記形鋼の前記ボルト孔に挿入される前記ボルトの挿入長さにより前記脚部と前記支持部との相対的な位置関係が調整されることを特徴とする請求項3に記載の軌道構造。
【請求項5】
前記ブロック支持部材が路盤に設置され、軌道間隔で並列した2本の前記軌道ブロックを連結固定していることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の軌道構造。
【請求項6】
前記凹溝に充填剤が充填され、前記レールの一部及び前記レール締結装置が前記充填剤に封入されていることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載の軌道構造。
【請求項7】
前記レール締結装置はレール締結用ボルトを含み、前記レール締結用ボルトの頭部が上蓋付きパイプの内部空間に挿入され、前記レール締結装置及び前記上蓋付きパイプが前記充填材に封入されていることを特徴とする請求項6に記載の軌道構造。
【請求項8】
前記レール締結用ボルトの頭部には上面から穿孔されたレンチ用穴が形成され、前記レール締結用ボルトの頭部は前記上蓋付きパイプの内部空間と嵌り合っていることを特徴とする請求項7に記載の軌道構造。
【請求項9】
前記凹溝の側面に沿ってワイヤが設置されていることを特徴とする請求項6から8のうちいずれか1項に記載の軌道構造。
【請求項10】
1本のレールを設置するための1本の凹溝が設けられた軌道ブロックが、軌道間隔で並列して軌道方向に連接されて道路に埋設され、レールが前記軌道ブロックの凹溝に、レール締結装置により固定され、前記凹溝に充填剤が充填され、前記レールの一部及び前記レール締結装置が前記充填剤に封入され、前記レール締結装置はレール締結用ボルトを含み、前記レール締結用ボルトの頭部が上蓋付きパイプの内部空間に挿入され、前記レール締結装置及び前記上蓋付きパイプが前記充填材に封入され、前記レール締結用ボルトの頭部には上面から穿孔されたレンチ用穴が形成され、前記レール締結用ボルトの頭部は前記上蓋付きパイプの内部空間と嵌り合っていることを特徴とする軌道構造。
【請求項11】
1本のレールを設置するための1本の凹溝が設けられた軌道ブロックが、軌道間隔で並列して軌道方向に連接されて道路に埋設され、レールが前記軌道ブロックの凹溝に、レール締結装置により固定され、前記凹溝に充填剤が充填され、前記レールの一部及び前記レール締結装置が前記充填剤に封入され、前記凹溝の側面に沿ってワイヤが設置されていることを特徴とする軌道構造。
【請求項12】
前記レール締結装置はクリップを含み、前記クリップ上端の凹溝の側面側に切欠き部を形成し、前記切欠き部により形成される空間に前記ワイヤを設置することを特徴とする請求項9又は11に記載の軌道構造。
【請求項13】
前記ワイヤの先端部は、前記充填材に封入されているワイヤ用パイプ内に設置されていることを特徴とする請求項9、11又は12に記載の軌道構造。
【請求項14】
1本のレールを設置するための1本の凹溝が設けられた軌道ブロックを、一部分でブロック支持部材に支持させて、軌道間隔で並列させて軌道方向に連接し、前記凹溝の上方にレール設置空間を形成して道路に埋設し、レールを前記軌道ブロックの凹溝に、レール締結装置により固定することを特徴とする軌道構築方法。
【請求項15】
前記軌道ブロックを軌道方向に連接する前に、2本の前記軌道ブロックを前記ブロック支持部材で予め軌道間隔で並列させて連結固定することを特徴とする請求項14に記載の軌道構築方法。
【請求項16】
前記ブロック支持部材が備える前記軌道ブロックの高さを調整する高さ調整機構で前記軌道ブロックの高さを調整することを特徴とする請求項14又は15に記載の軌道構築方法。
【請求項17】
前記ブロック支持部材が前記軌道ブロックを支持する支持部と前記支持部を支持する脚部を備えて構成され、前記脚部と前記支持部との相対的な位置関係を調整し、前記支持部の高さを調整して、前記軌道ブロックの高さを調整することを特徴とする請求項16に記載の軌道構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、踏切道や路面電車用の併用軌道における軌道構造及び該軌道を構築するための方法に関し、詳しくは、レール敷設用の軌道ブロックを軌道方向に並列に連接させて、コンクリート等の道路の舗装部に埋設して構成する軌道構造及び該軌道を構築するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から踏切道や路面電車用の併用軌道には、軌道沈下が少なく、保守管理が容易であるため、複数枚のコンクリート製の軌道ブロックを軌道方向に一体化させて構成した軌道構造が採用されている(特許文献1)。この軌道構造200では、図13に示すように、軌道を構成する平行する2本のレール9、9を敷設するための平行な2本の凹溝99、99が設けられたコンクリート製の軌道ブロック210が用いられ、この軌道ブロック210が軌道方向に複数枚連接されて構成されている。
【0003】
又、軌道ブロックには、軌道方向に貫通する挿入孔220が形成され、軌道ブロックの連接状態で連通した挿入孔220にPC鋼棒230が挿入されて、PC鋼棒230の両端がナットで締結されて軌道ブロック210が相互に固定される構成も採用されていた。
【0004】
そして、このような軌道構造は、レール敷設後の凹溝に、歩行者の足や自転車等の車輪が嵌り込むことによる怪我や、木の枝等の障害物が入り込むことによる事故を防止するため、又、レールの振動による騒音を軽減するために、ゴムシュートやゴム緩衝材が設置されていた。
【0005】
しかし、ゴムシュート及びゴム緩衝材を用いた軌道構造は、部品点数が多いので、レール及び軌道の敷設に多大な費用と時間を必要とするという問題点があった。
【0006】
このような問題点を解決する技術として、図14に示すように、軌道の基礎部であるコンクリートスラブ90のレール設置用の凹部901の底面に振動吸収板902を設置し、振動吸収板902上にレール9を載置した後にポリウレタン樹脂903を充填して硬化させ、ポリウレタン樹脂903でレール9を固定する技術が提案されている(特許文献2)。尚、ポリウレタン樹脂903の使用量の低減や電線等の収納管として、ポリウレタン樹脂903にはパイプ94が埋設されている。
【0007】
又、図15に示すように、軌道用基礎95のレール設置用の凹部96の底面に軌道パッド97を設置し、軌道パッド97上にレール9を載置した後に、凹部96内の空間に複数個に分割された樹脂製のブロック98を設置し、ブロック98、98間、ブロック98と凹部96、ブロック98とレール9間の隙間に樹脂909を注入して接着する技術が提案されている(特許文献3)。
【0008】
又、図16に示すように、軌道用基礎80のレール設置用の凹部801の底面に軌道パッド802を設置し、軌道パッド802上にレール9を載置し、レール9を、ボルト83で軌道用基礎80に固定した板バネ84等からなるレール締結手段で軌道用基礎80の凹部801に固定した後に、凹部801内の空間に樹脂85を充填して硬化させる技術が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第5922594号公報
【特許文献2】特許第3824948号公報
【特許文献3】特許第5346183号公報
【特許文献4】特許第5292011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に記載の軌道構造の従来技術では、軌道を構成する2本の平行に離間したレールを一個の軌道ブロックに設置する構造であるので、軌道ブロックの軌道方向に直交する横幅は軌道間隔以上に構成されているので、1個1個の軌道ブロックが重く且つ大きいために、又、その接続に重く且つ長いPC鋼棒を用いているために、軌道構造の構築及びレールの敷設作業が困難であるという問題があった。
【0011】
又、軌道ブロックの下面は平坦面であり、軌道ブロックは路盤の上面に設置されるので、軌道ブロックの安定性、軌道ブロック同士の接続性のために、路盤を軌道ブロックの下面と同等の平坦面に仕上げる必要があり、路盤構築の作業が煩雑であるという問題があった。
【0012】
更に、軌道ブロックを路盤の上面に直接設置するので、周囲の路面との相対的な軌道ブロックの高さ、ひいてはレールの高さを微調整することが困難であった。
【0013】
又、特許文献2に記載の従来技術では、レールの固定をポリウレタン樹脂のみで行っているので、雨や雪の日には樹脂の充填作業は出来ないので、レールの敷設が出来ないという問題点があった。更に、レールやポリウレタン樹脂の交換時の、ポリウレタン樹脂の除去作業が容易ではなく、多大な時間を必要とするという問題点があった。
【0014】
又、特許文献3に記載の従来技術では、複数個、複数種類の樹脂製のブロックを使用するため、パーツが多く、しかも、レールの確実な固定のためには、狭い隙間に合成樹脂を正確に充填しなければならず、施工現場での作業が容易ではないという問題点があった。
【0015】
又、特許文献4に記載の従来技術では、レールや樹脂の交換時の、樹脂の除去作業が容易ではなく、多大な時間を必要とするという問題点があった。又、充填する樹脂の使用量が多いため、樹脂の硬化に時間がかかることや、費用が高くなるという問題点があった。
【0016】
特に、路面電車のように比較的長距離の併用軌道の場合に、上記の問題点がより顕在化し、更に、軌道構造の構築及びレールの敷設の費用が高くなるという問題も生じた。
【0017】
そこで、本発明は、踏切道や路面電車用の併用軌道における軌道構造において、軌道構造の構築及びレールの敷設作業を容易とすることを目的の1つとする。又、天候に左右されずに何時でもレールの敷設を可能とすることを目的の1つとする。又、レールや充填する合成樹脂の交換時の、充填した合成樹脂の除去作業を容易とし、作業時間及び工期の短縮化を図ることを目的の1つとする。又、路盤構築の作業、ひいてはレールの敷設作業を容易とすることを目的の1つとする。又、周囲の路面との相対的な、軌道ブロックの高さ、ひいてはレールの高さの微調整を容易とすることを目的の1つとする。更に、路面電車のように比較的長距離の併用軌道の場合に、軌道構造の構築及びレールの敷設の費用を低廉化することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するための本発明は、1本のレールを設置するための1本の凹溝が設けられた軌道ブロックが、軌道間隔で並列して軌道方向に連接されて道路に埋設され、レールが前記軌道ブロックの凹溝に、レール締結装置により固定されていることを特徴とする軌道構造である。
【0019】
又、上記軌道構造において、前記軌道ブロックが、路盤に設置されたブロック支持部材に支持され、前記ブロック支持部材は、軌道ブロックの高さ調整機構を備えていることを特徴とする軌道構造である。
【0020】
又、上記軌道構造において、前記軌道ブロックが、路盤に設置されたブロック支持部材に支持され、前記ブロック支持部材が、軌道間隔で並列した2本の前記軌道ブロックを連結固定していることを特徴とする軌道構造である。
【0021】
又、上記軌道構造において、前記凹溝に充填材が充填され、前記レールの一部及び前記レール締結装置が前記充填材に封入されていることを特徴とする軌道構造である。
【0022】
又、上記軌道構造において、前記レール締結装置はレール締結用ボルトを含み、前記レール締結用ボルトの頭部が上蓋付きパイプの内部空間に挿入され、前記レール締結装置及び前記上蓋付きパイプが前記充填材に封入されていることを特徴とする軌道構造である。
【0023】
又、上記軌道構造において、前記レール締結用ボルトの頭部には上面から穿孔されたレンチ用穴が形成され、前記レール締結用ボルトの頭部は前記上蓋付きパイプの内部空間と嵌り合っていることを特徴とする軌道構造である。
【0024】
又、上記軌道構造において、前記凹溝の側面に沿ってワイヤが設置されていることを特徴とする軌道構造である。
【0025】
又、上記軌道構造において、前記レール締結装置はクリップを含み、前記クリップ上端の凹溝の側面側に切欠き部を形成し、前記切欠き部により形成される空間に前記ワイヤを設置することを特徴とする軌道構造である。
【0026】
又、上記軌道構造において、前記ワイヤの先端部は、前記充填材に封入されているワイヤ用パイプ内に設置されていることを特徴とする軌道構造である。
【0027】
更に、1本のレールを設置するための1本の凹溝が設けられた軌道ブロックを、軌道間隔で並列させて軌道方向に連接し、前記凹溝の上方にレール設置空間を形成して道路に埋設し、レールを前記軌道ブロックの凹溝に、レール締結装置により固定することを特徴とする軌道構築方法である。
【0028】
又、上記軌道構築方法において、2本の前記軌道ブロックをブロック支持部材で予め軌道間隔で並列させて連結固定することを特徴とする軌道構築方法である。
【0029】
又、上記軌道構築方法において、前記ブロック支持部材が備える軌道ブロックの高さ調整機構で前記軌道ブロックの高さを調整することを特徴とする軌道構築方法である。
【発明の効果】
【0030】
以上のような本発明によれば、踏切道や路面電車用の併用軌道における軌道構造において、軌道構造の構築及びレールの敷設作業を容易とすることが可能となった。又、天候に左右されずに何時でもレールの敷設は可能となった。又、レールや充填する合成樹脂の交換時の、充填した合成樹脂の除去作業は容易となった。そして、レールの敷設、除去、取り換えの作業時間及び工期の短縮化を図ることが可能となった。又、路盤構築の作業、ひいてはレールの敷設作業を容易とすることが可能となった。又、周囲の路面との相対的な軌道ブロックの高さ、ひいてはレールの高さの微調整を容易とすることが可能となった。又、軌道構造及びレールの敷設の費用を低廉化することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明軌道構造一実施例断面図
図2】本発明軌道構造一実施例一部拡大断面図
図3】本発明軌道構造一実施例平面図
図4図1A−A断面図
図5】本発明軌道構造アスファルト路面舗装用実施例一部拡大断面図
図6】本発明軌道構造コンクリート路面舗装用実施例一部拡大断面図
図7】本発明軌道構造施工状態一実施例断面図
図8】本発明軌道構造一実施例側面図
図9】本発明ワイヤ入り軌道構造一実施例断面図
図10】本発明ワイヤ入り軌道構造一実施例一部拡大断面図
図11】本発明ワイヤ入り軌道構造一実施例側面図
図12】本発明ワイヤ入り軌道構造一実施例側面図
図13】従来の軌道構造断面図
図14】従来の軌道構造一部拡大断面図
図15】従来の軌道構造一部拡大断面図
図16】従来の軌道構造一部拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1図3に示すように、軌道構造1は、1本のレール9を設置するための1本の凹溝29が設けられた軌道ブロック2が、軌道間隔で並列して軌道方向に連接され、レール9が軌道ブロック2の凹溝29に、レール締結用ボルト35を含むレール締結装置30により固定され、軌道ブロック2は、道路10に埋設されて構成されている。尚、埋設とは、軌道ブロック2が路面11に全く露出しない場合以外に、軌道ブロック2の一部が路面11に露出する場合も含む。
【0033】
軌道ブロック2は、長方形の底部21と底部21の長手方向の両側端部から上方に延設された側壁22、22を備えて構成され、底部21と側壁22、22に囲まれて、上部及び短手方向の端部が開口する1本のレール設置用の凹溝29が1本構成されている。そして、凹溝29は軌道ブロック2の長手方向両端に亘って構成され、軌道ブロック2は短手方向の端面及び縦断面がコの字型に形成されている。尚、図3は、凹溝29内に充填材6が充填されていない状態を図示したものである。
【0034】
このように、軌道ブロック2は、平面視及び側面視略四角形に形成され、上面25に1本の凹溝29を設けた鉄筋コンクリート製のブロックである。軌道ブロック2は、短手方向の側面視で上面25と底部21の下面211の長さを同一に構成しているが、夫々の長さを異ならせて、台形状又は逆台形状に構成してもよい。軌道ブロック2の材質は鉄筋コンクリートに限定されず、鉄鋼、ステンレス、コンクリート、繊維補強コンクリート、合成樹脂等を用いることが出来る。
【0035】
尚、図示した軌道ブロック2及び凹溝29は、直線の線路部分で直線状のレールを設置するように直線状に構成されているが、曲線の線路部分で曲線状のレールを設置する場合には、図示はしないが、レールの湾曲形状に対応させた湾曲状に構成される。
【0036】
軌道ブッロク2の軌道方向の長さは特に限定されないが、敷設作業の容易性及び効率性、運搬の容易性、又、部材及び厚みにより変化する自重によるたわみを考慮すると、1m〜10m程度が好ましく、3m〜6m程度がより好ましい。軌道ブロック2は、図13に示す従来の軌道ブロックと比較して極めて軽量であるので、軌道方向の長さが図13に示す従来の軌道ブロックと比較して長い軌道ブロックを使用しても施工が容易であるので、レールの敷設作業が容易で、効率的であり、費用を低廉化することが出来る。
【0037】
又、軌道ブロック2の底部21と側壁22の厚さは特に限定されず、軌道ブロックが埋設される、道路10の路盤19上面191から路面11までの舗装部100の材質等により所定の厚さとすることが出来、底部21と側壁22の厚さは同一でもよいが、異なる厚さとすることとしてもよい。側壁22の高さは特に限定されないが、凹溝29の底面291から側壁22の上面221までは30mm以上とすることが好ましい。
【0038】
軌道ブロック2の側壁22は、軌道ブロック2が路盤19上又は上方に設置された際に、道路10の舗装部100に完全に埋没する高さに構成され、側壁22の上面221の上方には道路10の舗装部100を構成するコンクリートが積層されている。一方、凹溝29の上方にはレール9を設置するためのレール設置空間290が形成されている。尚、図6に示すように、軌道ブロック2の側壁22を、軌道ブロック2が路盤19に設置された際に、側壁22の上面221が路面11と同じ高さに構成され、側壁22の上面221が路面11の一部を構成するように構成してもよい。
【0039】
軌道ブロック2は、所定のレール間隔に対応させた間隔で2本を並列させて設置されていると共に、複数本が軌道方向に連接して設置されている。軌道方向に連接された軌道ブロック2同士の連結は、相互の端部同士を接触させて舗装部100に埋設することで行い、相互に固定することは必要がない。このような構成とすることで、軌道構造の構築を容易とすることや軌道構造の構築及びレールの敷設の費用を低廉化することが可能となっている。尚、軌道ブロック2の軌道方向への連結は、相互の固定強度を高めるために、図8に示すように、軌道ブロック2の側面25にボルト141で固定したプレート142で軌道ブロック2の連結をすることとしてもよい。
【0040】
軌道間隔で並列し、軌道方向と直交する方向で対向する、左右の平行な軌道ブロック2、2は、ブロック支持部材4で支持されると共に連結固定され、軌道ブロック2間、レール間の距離及び平行が維持されている。左右2本の軌道ブロック2、2を予め軌道間隔で並列させて連結固定することで、施工現場での施工精度を確保することが出来る。
【0041】
ブロック支持部材4は、軌道ブロック2の高さを調整する高さ調整機構を備え、図1図4に示すように、脚部41と支持部42を備えて構成され、脚部41が路盤19の上面191に設置され、支持部42は脚部41に保持され、路盤19の上面191と離隔して、路盤19の上方に位置している。脚部41はボルト411を備えて構成され、支持部42はボルト411を貫通させるボルト孔49とボルト411を螺合させるナット412を備えた溝型鋼420を用いることが出来る。
【0042】
溝型鋼420のウェブ421に構成されたボルト孔49にはボルト411が上方から挿入され、ウェブ421に溶接等により固定されたナット412にはボルト411が上方から螺入され、ボルト411と支持部42との相対的な位置関係が固定され、ボルト411の先端が路盤19の上面191に当接し、支持部42を支持する。そして、ボルト411の回転、ナット412への螺入により、ボルト411の挿入長さを調節し、ボルト411と支持部42との相対的な位置関係を調整することが出来る。このように構成された軌道ブロックの高さ調整機構により、ボルト411の挿入長さにより、溝型鋼420、即ち支持部42の路盤19上面191からの高さを決定することが出来、周囲の路面11との相対的な軌道ブロック2の高さ、ひいてはレール9の高さを微調整することが容易となっている。更に、複数本のボルト411の先端で支持部42、ひいては軌道ブロックを支持するので、路盤19の上面191の形状は平坦面に仕上げる必要がなく、路盤構築作業が容易となっている。
【0043】
尚、支持部42は溝型鋼に限定されず、L字鋼やH形鋼等の形鋼等を用いることが出来る。又、ボルト411の設置個所及び設置本数は、支持部42を安定的に支持できれば特に限定されないが、2本の並列する軌道ブロック2の外側に1本づつ設置することが出来る。又、図面では、ナット412はウェブ421の下面に固定されているが、ウェブ421の上面に設置することとしてもよい。更に、ナット412を設けずに、ボルト孔に雌ネジを設けて、ボルト411をボルト孔に螺合する構成としてもよい。
【0044】
又、凹溝29の底面291から軌道ブロック2の底部21を貫通する設置孔217に両端が開放したボルト用のインサート34が挿入されている。インサート34は、軌道ブロック2と支持部42とを連結ボルト413を用いて連結するための連結用孔であると共に、レール9を軌道ブロック2に固定するためのレール締結用ボルト35の挿入用のレール締結用ボルト孔を構成している。
【0045】
支持部42、具体的には溝型鋼420のウェブ421には、軌道ブロック2と支持部42とを連結ボルト413を用いて連結するための連結用孔48が設けられている。そして、インサート34と連結用孔48に連結ボルト413が下方から挿入されて、軌道ブロック2と溝型鋼420、言い換えれば支持部42が連結固定されている。尚、インサート34は軌道ブロック2の下面から突出し、軌道ブロック2は、ブロック支持部材4の支持部42と離隔して固定されているが、インサート34を軌道ブロック2の下面から突出させない構成としてもよく、このような構成の場合、軌道ブロック2とブロック支持部材4の支持部42とが、連結ボルト413により離隔した構成でもよいが、接触した構成としてもよい。
【0046】
又、インサート34とレール9を係止するためのクリップ37のボルト用貫通孔371にレール締結装置30のレール締結用ボルト35が上方から挿入されて、軌道ブロック2にレール9が固定されている。
【0047】
尚、図示はしないが、軌道ブロック2と支持部42とを連結するための連結用孔及びレール9を軌道ブロック2に固定するためのレール締結用ボルト孔は、軌道ブロック2の底部21を貫通するインサート34を用いずに、軌道ブロック2の底部21を貫通する1本の螺子孔で構成することとしてもよい。又、上記連結用孔は、軌道ブロック2の底部21の下面211に設けた螺子孔で構成し、上記レール締結用ボルト孔は、軌道ブロック2の凹溝29の底面291に設けた螺子孔で夫々別個に構成することとしてもよい。更に、上記連結用孔及びレール締結用ボルト孔は別個のインサートによって構成してもよい。
【0048】
軌道構造1及び道路10は、道路10の一部が軌道構造1の構成部分となり、施工現場の施工基面にコンクリートが打設されて路盤19が構成され、路盤19上面191から路面11までの舗装部100にはコンクリート又はモルタルが打設されて構成され、路盤19上面191に設置されたブロック支持部材4及び軌道ブロック2が舗装部100に埋設され、コンクリートにより路面11が構成されている。路盤19上面191から支持部42間にはモルタル等の緩衝材が打設され、支持部42と路面11間にはコンクリートが打設されて構成してもよい。又、フランジウェイ200側の路面11にアングル66が設置されているが、アングル66は設置しなくてもよい。
【0049】
舗装部100をコンクリートではなく、アスファルト舗装や土を充填して表面を芝生等の植物植生とすることが出来る。このような構成の場合には、図5に示すように、軌道ブロック2の底部21と側壁22をコンクリート舗装の場合と比較して厚く構成し、強度を高める構成とすることが出来る。
【0050】
又、軌道ブロック2の側壁22の上面221が路面11と同じ高さに設置され、側壁22の上面221が路面11の一部を構成するように構成されているが、側壁22が道路10の舗装部100に完全に埋没する高さに構成され、側壁22の上面221の上方には道路10の舗装部100を構成するアスファルト舗装や土が積層された構成としてもよい。
【0051】
又、ブロック支持部材4を用いずに、路盤19上面191に軌道ブロック2を設置して構成することが出来る。このような構成の場合、図示はしないが、軌道ブロック2は、路盤19上面191に合成樹脂等の道床安定剤を用いて形成したバラスト道床上に設置する構成、路盤19上面191に設けたモルタル等の緩衝材の上に設置する等その設置面は公知の構成を採用することとしてもよい。又、ブロック支持部材4を用いないので、軌道ブロック2と支持部42とを連結するための連結用孔は設けられていなく、レール9を軌道ブロック2に固定するためのレール締結用ボルト35の挿入用のレール締結用ボルト孔としてのインサート340が軌道ブロック2の凹溝29の底面291に設けた孔に設置されている。
【0052】
軌道ブロック2の上面25には軌道方向に1本のレール9を敷設する1本の凹溝29が形成され、凹溝29の底面291及び側面292下部を覆う離型用シート31上に設置された軌道パッド32の上に1本のレール9が設置されている。レール9は、軌道ブロック2に埋め込まれたインサート34に結合するレール締結用ボルト35、ばね36及びクリップ37を備えて構成されるレール締結装置30により軌道ブロック2に固定されている。離型用シート31の上端の位置は特に限定されないが、クリップ37の上端の高さ程度とすることが出来る。尚、図示はしないが、離型用シート31上の軌道パッド32間には柔軟性のある合成樹脂製等のシートを設置してもよく、又、離形用シートを使用しないで凹溝29の底面291上に直接軌道パッドを設置する構成としてもよい。
【0053】
レール締結装置30によるレールの締結構造を詳述すると、図1及び図2に示すように、レール締結用ボルト35の頭部351には上面から穿孔されて形成された六角穴等のレンチ用穴359が形成されている。又、ばね36はコイルばねが用いられ、内側空間361にレール締結用ボルト35のねじ部352が挿入可能に構成されている。レール9を係止するためのクリップ37は、略直方体形状の本体370の上下方向に貫通するボルト用貫通孔371が形成されると共に、上端部からレール方向に突出する係止突起373が形成されている。
【0054】
そして、クリップ37が、本体370を離型用シート31の上に設置されると共に、係止突起373をレール9の底部91上に載せて設置され、クリップ37の上にばね36が設置され、レール締結用ボルト35の頭部351は、ばね36の上端に係止され、レール締結用ボルト35のねじ部352が、ばね36の内側空間361及びクリップ37のボルト用貫通孔371を貫通してインサート34に螺入されて、レール9が軌道ブロック2に固定されている。
【0055】
ばね36の上面には上下端が開口して内部空間51を有し、上部開口が上蓋55で塞がれている上蓋付きパイプ5が設置され、内部空間51にはレール締結用ボルト35の頭部351が挿入されている。尚、パイプ5と上蓋55は一体的に構成されていてもよいが、着脱可能な構成でもよい。パイプ5及び上蓋55の材質は特に限定されないが、後述のように容易に破壊可能な塩化ビニル等の合成樹脂が好ましい。尚、パイプ5及び上蓋55は、充填材6の内部空間51への侵入を防止可能であれば、孔を備えていてもよく、メッシュ状の部材を用いてもよい。
【0056】
パイプ5の設置の容易性から、レール締結用ボルト35の頭部351はパイプ5の内部空間51と嵌り合っている構成としているが、レール締結用ボルト35の頭部351には上面から穿孔されて形成されたレンチ用穴359が形成されているので、パイプ5の内部空間51の上方からレンチの操作をすることで、レール締結用ボルト35を緩めることが可能である。尚、六角穴等のレンチ用穴が形成されていないボルトを用い、頭部が内部空間と嵌り合わない構成としてもよい。
【0057】
軌道ブロック2の凹溝29内には充填材6が充填され、レール9の一部、レール締結装置30、パイプ5及び上蓋55が充填材6に封入されている。充填材6の充填高さは特に限定されないが、凹溝29のフランジウェイ200側(図2では、レール9の右側)は、レール9の頭部93下部まで充填材6が充填され、フランジウェイと反対側(図2では、レール9の左側)は、レール9の頭部93上部まで、充填材6が充填され、レール9の底部91及び脚部92も充填材6に封入されている構成とすることが出来る。尚、フランジウェイ200と反対側では、段差の解消のため路面11と面一になるように充填材6が充填されていることが好ましい。
【0058】
充填材6は、凹溝29に歩行者の足や自転車等の車輪が嵌り込むことによる怪我や、木の枝等の障害物が入り込むことによる事故を防止する機能、レールの腐食等劣化を防止する機能を備えている。又、レール9はレール締結装置30で軌道ブロック2に固定されているので、充填材6はレール9の固定機能を備える必要はないが、レール9の固定機能をも備えている。
【0059】
充填材6の材質は、可塑性を有して充填後に固化して一体化する材質であれば特に限定されないが、ポリウレタン樹脂等の合成樹脂やゴム等を使用することが出来る。充填材6は弾性を備えることが好ましい。又、合成樹脂やゴムにガラスファイバー、カーボン繊維等の各種公知の添加材料を添加することとしてもよい。尚、パイプ5を設置せず、レール締結用ボルト35の頭部351も充填材6に封入されている構成とすることとしてもよい。
【0060】
尚、軌道ブロック2の凹溝29内に充填材6を充填せずに、空間を維持する構成としてもよい。この場合、パイプ5は設置しなくてもよい。
【0061】
軌道構造1は、軌道ブロック2の凹溝29内に充填材6が充填された構成の場合、図9図12に示すように、凹溝29に充填材6の除去用のワイヤ7を設置する構成とすることが出来る。ワイヤ7は凹溝29の側面292に沿って軌道方向に延ばして設置し、図11及び図12に示すように、両端部を上方に立ち上げ、横辺71と縦辺72で側面視コの字状に設置している。このような構成とすることで、ワイヤ7の両端を引っ張り上げることで固化した充填材6を凹溝29の側面292から剥がし或いは充填材6を切断することが出来、充填材6の除去が容易となる。充填材6の除去を確実とするため、ワイヤ7の横辺71は離型用シート31の上端部と側面視で重なる高さに設置することが好ましい。尚、ワイヤ7は軌道ブロック2毎に設置してもよいが、軌道方向に連接された複数の軌道ブロック2に跨って設置してもよい。
【0062】
ワイヤ7の設置は、図10に示すように、離型用シート31をクリップ37の上端の高さまで敷設し、クリップ37上端の凹溝29の側面292側に切欠き部377を形成し、切欠き部377により形成される空間299にワイヤ7の横辺71を設置する構成とすることが出来る。
【0063】
ワイヤ7の縦辺72の先端部は、線状としてもよいが、図11に示すように、環状にして輪75を形成してワイヤ7を引っ張り易くすることが好ましい。又、図12に示すように、ワイヤ7の縦辺72の先端部をワイヤ用パイプ77内に設置する構成とすることが好ましい。ワイヤ用パイプ77の材質は特に限定されないが、後述のように容易に破壊可能な塩化ビニル等の合成樹脂が好ましい。又、図示はしないが、ワイヤ用パイプ77の上部開口には、ワイヤ用パイプ77の内部に充填材6が侵入しないように蓋を設けることが好ましい。
【0064】
次に、軌道構造1の構築方法について説明する。先ず、2本の軌道ブロック2をブロック支持部材4で連結固定し、軌道ブロック2間を所定の間隔で平行に保持する。尚、ブロック支持部材4は、軌道方向に所定距離離隔して連続して設けられ、その離隔距離は特に限定されないが、軌道ブロック2の平行を維持し、安定的に支持するために、対向する2本の軌道ブロック2毎に2個以上設置することが好ましい。ここまでの工程は、施工現場で行うことも可能であるが、予め工場等で行い、2本の軌道ブロック2がブロック支持部材4で連結固定された状態で施工現場へ搬入されることが好ましい。このような工法とすることにより、施工現場での施工が容易となり、軌道の構築に不慣れな施工業者でも施工が可能となり、又、レール間の施工精度を、図13に示すような従来の一体型の軌道ブロックと同程度とすることが可能となる。
【0065】
そして、ブロック支持部材4の脚部41であるボルト411の先端を路盤19の上面191に当接させて、路盤19の上方に支持部42に固定された軌道ブロック2を支持させる。そして、ブロック支持部材4で連結された2本の平行の軌道ブロック2を軌道方向に連続して設置する。この際に必要に応じて、軌道ブロックの高さ調整機構により、ボルト411の挿入量(高さ)を調整し、ボルト411で支持している支持部42ひいては軌道ブロック2の高さを調整する。又、必要に応じて、ボルト及びプレート142等を用いて軌道方向の軌道ブロック2同士を連結固定する。
【0066】
次に、図7に示すように、上端が路面11より上方に位置する型枠8を凹溝29の底面291に、側面292に当接させて設置する。型枠8は、フランジウェイ側の路面11にアングル66を設置する場合には、アングル設置用の段部81を設け、凹溝29の上部に拡幅部299を構成する場合には、拡幅部299に対応する形状の突出部82を設ける。そして、舗装部100にコンクリートを打設し、コンクリートが固化したら、型枠8を取り外す。このようにして、軌道ブロック2が道路10に埋設され、凹溝29の上方にレール設置空間290が形成される。尚、図6に示すように、側壁22の上面221が路面11と同じ高さに構成されている場合には、側壁22が型枠8の役割を果たし、凹溝29がレール設置空間290を構成するので、型枠8の設置は不要である。
【0067】
そして、凹溝29に離型用シート31を敷設し、離型用シート31上のインサート34がある位置に軌道パッド32を設置し、軌道パッド32上にレール9を設置する。次いで、クリップ37の係止突起373をレール9の底部41上に載せ、クリップ37の上にばね36を載せ、レール締結用ボルト35のねじ部352を、ばね36の内側空間361及びクリップ37のボルト用貫通孔371に挿入して貫通させて、インサート34に螺入させる。このようにして、レール9を軌道ブロック2に固定する。そして、レール締結用ボルト35の頭部351をパイプ5の内部空間51に挿入してパイプ5を設置し、パイプ5の上部開口を上蓋55で塞ぐ。そして、流動体の状態の充填材6を凹溝29内に充填し、充填材6を固化させる。充填材6を充填しない状態であっても、レール9は軌道ブロック2に固定されているので、その状態でも列車の運行は可能であり、雨天時等は無理に充填材6の充填を行う必要がない。
【0068】
尚、凹溝29へのレール9の設置は、舗装部100へのコンクリートの打設による道路10の作成の前後は問わない。又、舗装部100をコンクリートではなく、アスファルト舗装や土を充填して表面を芝生等の植物植生とする場合には、図5に示すような、軌道ブロック2の底部21と側壁22を比較的厚く構成したものを使用することが好ましく、軌道ブロック2を設置した後に、舗装部100にアスファルトを敷設し、或いは土を充填して表面に芝生等の植物を植生する。又、ブロック支持部材4を用いない場合には、路盤19上面191に直接或いはバラスト道床やモルタル等の緩衝材を設けて、その上に軌道ブロック2を設置することとしてもよい。
【0069】
ワイヤ7を設置する場合には、充填材6の充填の前に、クリップ37上端の凹溝29の側面292側、クリップ37に切欠き部377が形成されている場合には、切欠き部377に横辺71を敷設し両端を立ち上げる。ワイヤ用パイプ77を使用する場合には、ワイヤ7の縦辺72の先端部にワイヤ用パイプ77を被せる。そして、流動体の状態の充填材6を凹溝29内に充填し、充填材6を固化させる。
【0070】
次に、軌道ブロック2の凹溝29内に充填材6が充填されている場合のレール9の取り替え方法について説明する。先ず、カップのグラインダー等を用いてパイプ5の上方にある充填材6を除去し、パイプ5の上蓋55、或いは更にパイプ5の上部を除去して、充填材6が充填されていないパイプ5の内部空間51を開ける。レール締結用ボルト35の頭部351は充填材6に埋っていないので、又、レール締結用ボルト35の頭部351には上面から穿孔されて形成された六角穴等のレンチ用穴359が形成されているので、パイプ5の内部空間51にレンチを挿入して、レール締結用ボルト35を緩めてねじ部352をインサート34から抜き、レール締結用ボルト35、レール締結装置30によるレール9の固定を解く。次いで、充填材6を除去し、ばね36やクリップ37等も除去し、レール9を凹溝29内から取り出す。尚、軌道ブロック2の凹溝29内に充填材6が充填されていない場合には、レール締結用ボルト35を緩める工程から開始すればよい。
【0071】
ワイヤ7を設置している場合には、レール締結用ボルト35を外した後或いは外す前に、カップのグラインダー等を用いてワイヤ7の両端の縦辺72の先端部付近の充填材6を除去し、或いは更にワイヤ用パイプ77の上部を除去して、ワイヤ7の両端を引っ張りあげて、充填材6を凹溝29の側面292から剥がし或いは充填材6を切断し、充填材6を除去する。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の軌道構造によれば、踏切道や路面電車用の併用軌道の設置が容易であり、又、軌道の設置、レールの取り換え等の土木工事、建築工事の作業時間の短縮化、低廉化を図ることが可能となり、鉄道事業において有用である。
【符号の説明】
【0073】
1 軌道構造
10 道路
11 路面
19 路盤
100 舗装部
2 軌道ブロック
200 フランジウェイ
29 凹溝
290 レール設置空間
30 レール締結装置
31 離型用シート
32 軌道パッド
34 インサート
35 レール締結用ボルト
359 レンチ用穴
36 ばね
37 クリップ
371 ボルト用貫通孔
4 ブロック支持部材
5 パイプ
55 上蓋
6 充填材
7 ワイヤ
77 ワイヤ用パイプ
8 型枠
9 レール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16