(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の塵芥収集車では、特定の音声の周波数帯域の音だけを検出させておき、所定値以上の音圧を検出したときに作動を停止させるようにしているが、この技術であれば、作業者以外の一般の人の声でも反応することとなり、作業開始の合図などに用いると、安全性などの点で適切ではない。
【0007】
また、特許文献2の塵芥収集車では、電磁波センサで人体が接近したことを検出したときや、一定以上の音量を検出したときに積込装置を停止させるようにしているが、この場合も、作業開始の合図に適用すれば、誰の声にも反応することになり、安全上問題がある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、音声認識を用いて簡単かつ安全に所定の作業を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、この発明では、登録された指示音声と同様の特徴の音声の入力があったときに、その指示音声に対応する動作をさせるようにした。
【0010】
具体的には、第1の発明では、車台上に設けられると共に塵芥収容箱と塵芥投入箱とを有する塵芥収集装置を備えた塵芥収集車を前提とし、
上記塵芥収集装置には、機器駆動用アクチュエータと、該機器駆動用アクチュエータを制御する制御部と、音声認識ユニットとが設けられ、
上記音声認識ユニットは、
上記機器駆動用アクチュエータの所定の動作を指示する指示音声が記憶された記憶部と、
マイクで集音された音声の特徴が上記記憶部に記憶された指示音声の特徴と等しいかどうかを判定し、等しいと判定したときに、該指示音声に対応する動作の指示を出す音声認識処理部と、
上記音声認識処理部からの指示を上記制御部に入力可能な形に処理するインターフェイス部とを備えている。
【0011】
上記の構成によると、予め登録された指示音声の特徴と、マイクで集音された音声の特徴とが等しいかどうかを判定するので、予め登録された特定の作業者以外の音声では塵芥収集装置の機器駆動用アクチュエータに対し所定の動作の指示が行われず、安全な上、両手が塞がっていたり、離れていたりして直接作動ボタンの操作が行えないとき等に便利である。ここで、本発明において、音声の特徴とは、特定の単語、及び、個々人で異なる声紋のことをいう。つまり、塵芥収集装置の機器駆動用アクチュエータに所定の動作をさせるためには、特定の単語であるだけではなく、声紋も適合している必要があるということである。
【0012】
第2の発明では、第1の発明において、
上記制御部は、上記機器駆動用アクチュエータの動作を制御するためのプログラマブルロジックコントローラを有し、
上記プログラマブルロジックコントローラには、上記音声認識処理部から上記インターフェイス部を介して上記指示音声に対応する動作の指示が出されるように構成されている。
【0013】
上記の構成によると、指示音声に対応する塵芥収集装置の機器駆動用アクチュエータの動作をプログラマブルロジックコントローラで命じることができるので、簡単な構成で様々な機器駆動用アクチュエータの様々な動作を音声で指示できるようになり、その動作変更も簡単である。
【0014】
第3の発明では、第1の発明において、
上記塵芥収集装置は、上記塵芥収容箱に収容される塵芥の重量を計測可能な重量計測部を備え、
上記音声認識処理部は、上記重量計測部に対し、風袋引き指示又は計測指示を行うように構成されている。
【0015】
上記の構成によると、重量計測時の指示は、重量計測部の作動ボタンを直接押すことなく重量計測部から離れた位置でも音声だけで行えるので、作業効率が向上する。
【0016】
第4の発明では、第2の発明において、
上記塵芥収集装置は、上記塵芥投入箱に設けられた塵芥投入口に対して上端位置と下端位置との間をスライド移動することで該塵芥投入口を開閉する投入口カバーを備え、
上記プログラマブルロジックコントローラは、上記指示音声に合わせ、上記投入口カバーを上記上端位置と上記下端位置との間でスライド移動させて上記塵芥投入口を開閉制御するように構成されている。
【0017】
上記の構成によると、両手にゴミ袋を掴んでいて作動ボタンを手で押せない場合でも、音声で投入口カバーを開閉指示できるので、作業効率が向上する。
【0018】
第5の発明では、第1から第4のいずれか1つの発明において、
上記塵芥収集装置は、
上記記憶部に上記指示音声を登録する際に操作される作動登録ボタンを備えている。
【0019】
上記の構成によると、作動登録ボタンを操作することで、容易かつ確実に指示音声を登録できる。
【0020】
第6の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明において、
上記マイクは、携帯型の骨伝導マイクであり、該骨伝導マイクを用いて上記塵芥収集装置と離れた位置から上記機器駆動用アクチュエータの動作の指示を行えるように構成されている。
【0021】
上記の構成によると、塵芥収集装置の塵芥積込用等の機器駆動用アクチュエータが作動中で騒音が発生するときでも、離れた位置で確実に作業者の音声を拾えるので、安全かつ確実に動作の指示を行える。
【0022】
第7の発明では、車台上に設けられると共に塵芥収容箱と塵芥投入箱とを有する塵芥収集装置とを備えた塵芥収集車の制御方法を前提とし、
上記塵芥収集装置は、
機器駆動用アクチュエータの所定の動作に対応した所定の指示音声を記憶部に記憶する記憶工程と、
マイクで集音された音声の特徴が上記記憶部に記憶された指示音声の特徴と等しいかどうかを判定し、等しいと判定したときに、該指示音声に対応する動作の指示を出す声認識工程とを備えている。
【0023】
上記の構成によると、予め登録された指示音声の特徴と、マイクで集音された音声の特徴とが等しいかどうかを判定するので、予め登録された特定の作業者以外の音声では所定の動作の指示が行われず、安全な上、直接作動ボタンの操作が行えないとき等に便利である。
【0024】
第8の発明では、第7の発明において、
上記所定の動作は、上記塵芥収容箱に収容される塵芥の重量を計測可能な重量計測部に対する風袋引き指示又は計測指示である。
【0025】
上記の構成によると、重量計測時の指示は、重量計測部の作動ボタンを直接押すことなく重量計測部から離れた位置でも音声だけで行えるので、重量計測時の作業効率が向上する。
【0026】
第9の発明では、第7又は第8の発明において、
上記記憶工程において、
作動登録ボタンを操作し、
上記所定の動作のトリガとなる単語の音声入力があった後、
対応する作動ボタンの入力があると、該作動ボタンについて、該単語と声紋とを指示音声として登録する。
【0027】
上記の構成によると、実際の作業をするための作動ボタンの操作と併せて単語と声紋を含む指示音声を登録するので、登録ミスが防止される。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によれば、音声認識ユニットが、マイクで集音された音声の特徴が記憶部に記憶された指示音声の特徴と等しいかどうかを判定し、等しいと判定したときに、指示音声に対応する動作の指示を塵芥収集装置の機器駆動用アクチュエータに出すようにしたことにより、音声認識を用いて簡単に所定の作業を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
−塵芥収集車の構成−
図2A及び
図2Bは、本発明の実施形態の塵芥収集車1を示し、この塵芥収集車1は、走行可能な車台2と、その車台2上に設けられた運転室2aと塵芥収集装置3とを備えている。塵芥収集装置3は、塵芥収容箱4と、この塵芥収容箱4の後方開口部4aに連設され、塵芥が投入される塵芥投入口7が形成された塵芥投入箱5と、この塵芥投入箱5に内蔵されて塵芥収容箱4に塵芥を積み込む積込装置6(
図6参照)と、上端位置Aと下端位置B(
図6参照)との間をスライド移動することで塵芥投入口7を開閉する投入口カバー8とを備えている。なお、塵芥収容箱4に前後にスライド移動可能な排出板が設けられていてもよいし、塵芥投入箱5を上側の回動軸を中心に回動させて後方開口部4aを開閉可能に構成してもよいし、塵芥収容箱4を傾動可能に構成してもよいが、以下の説明では、その場合の油圧シリンダ等は省略する。
【0032】
図6及び
図8に示すように、本実施形態の積込装置6は、例えば、プレス式であり、塵芥投入箱5の両側壁9には溝型鋼で形成された案内溝部材20が補強枠を兼ねて前方上方より後方下部に向かって傾斜するように設けられている。塵芥投入箱5内にはその横幅一杯に広がる昇降板21が収容されている。一方、昇降板21の背面上部の左右端部に設けた支持部には、
図7にも2点鎖線で示すように、昇降板支持軸21aが挿通されている。この昇降板支持軸21aが昇降板21の摺動距離に合致して塵芥投入箱5の側壁9に形成された摺動用開口22を越えて側壁9の内側より外側に突出するように配置されている。塵芥投入箱5の側壁9から外側に突出した昇降板支持軸21aと塵芥投入箱5の下部間には、塵芥投入箱5の外側で案内溝部材20の傾斜方向に沿って設けられた機器駆動用アクチュエータとしての昇降シリンダ23が連結されている。この昇降シリンダ23の伸縮作動によって昇降板21を案内溝部材20に沿って上下に往復移動させるようにしている。
【0033】
昇降板21の下端には、塵芥投入箱5内の横幅一杯に広がる圧縮板24の一端が前後に揺動自在に支持されている。この圧縮板24の先端は前方に向かって若干屈折形成されている。圧縮板24の背面に突設した接続部と昇降板21の背面上部に設けられた支持部との間には、機器駆動用アクチュエータとしての揺動シリンダ25が連結され、この揺動シリンダ25の伸縮作動によって圧縮板24を前後に揺動させるようにしている。なお、積込装置6は、油圧シリンダで往復回動する押込板と、回転駆動される回転板とを備えた回転板式であってもよい。
【0034】
図1Bに示すように、投入口カバー8は、略矩形板状を有し、左右両端に設けたローラ8aが左右側壁9の内側に設けたレール部材8bに沿って動くことで、上下にスライド移動可能となっている。
【0035】
図7に示すように、投入口カバー8の上端部において車幅方向に飛び出す棒状の車幅方向端部8cに板状のリンク部材40の先端が回動可能に連結されている。リンク部材40の他端には、外側アーム部41の先端がアーム連結ピン41aにより回動可能に連結されている。外側アーム部41の基端側は、側面視で昇降シリンダ23と重なる位置に回動可能に支持されている。
【0036】
外側アーム部41は、基端側のパイプ部材42と、基端側がパイプ部材42の先端に固定され、先端側がリンク部材40の基端側に回動可能に連結される板部材43とを備えている。パイプ部材42は、例えば、鋼製パイプで構成され、側面視で中間部において後方へ折り曲げられ、先端側はさらに側壁9に向かって(車幅方向内側へ)折り曲げられている。板部材43は、例えば車幅方向に一対の鋼板よりなり、パイプ部材42に対し溶接等により固定されている。これら一対の鋼板の間をリンク部材40が回動可能となっている。
【0037】
外側アーム部41の基端側は、側壁9における昇降シリンダ23と塵芥投入口7との間に設けられたアーム取付ブラケット44に回動可能に連結されている。アーム取付ブラケット44は、例えば基端が側壁9に固定された角錐台44aを備え、
図4にも示すように、この角錐台44aの先端は、昇降シリンダ23よりも車幅方向外側まで延び、板状の先端部44bが一体に設けられている。板状の先端部44bは、
図7に示すように、側面視で昇降シリンダ23のピストンロッド23aと重なる位置まで前方に向かって下方へ延び、この先端部44bがパイプ部材42の基端側と回動可能に連結されている。
【0038】
図8に示すように、塵芥投入箱5における積込装置6の上方には、塵芥投入箱5の左右側壁9をつなぐクロスバー10が設けられている。「積込装置6の上方」とは、積込装置6の上方のスペースを意味し、積込装置6の一部(例えば、昇降シリンダ23の一部)が側面視でクロスバー10よりも高い位置にあってもよい。クロスバー10は、例えば、剛性を保つためにある程度の厚さを有する鋼管よりなるが、棒鋼で構成されていてもよい。
【0039】
図1A〜
図5に示すように、この左右に延びるクロスバー10の左右中央よりも背面から見て右側には、電動モータ等よりなる機器駆動用アクチュエータとしての駆動モータ11が固定されている。駆動モータ11の電力は、例えば車台2側のバッテリBT(
図10参照)から供給される。
図5にも示すように、駆動モータ11の出力軸11aには、駆動プーリ11bが回転一体に設けられている。駆動モータ11は、モータ取付ブラケット11cを介してクロスバー10に固定されている。この駆動プーリ11bに伝動部材としての伝動ベルト12が掛けられている。一方、
図1Bにも示すように、駆動プーリ11bの上方で、積込装置6の上側には、ベアリングを内蔵した上側支持部13を介して従動プーリ13aが回転可能に支持されている。従動プーリ13aは、左右側壁9の中央から左右いずれか一方にずれた位置(
図1Bでは、前方から見て左側)に設けられている。この従動プーリ13aに伝動ベルト12の上端側が掛けられている。このように伝動ベルト12は、上下に延びて駆動プーリ11bと従動プーリ13aとの間で駆動モータ11によって駆動されるようになっている。
【0040】
そして、内側アーム部14の一端14aが伝動ベルト12に回動可能に連結されている。具体的には、
図5に示すように、伝動ベルト12の所定位置に固定された固定部14cには、上側アーム支持部14dが設けられ、この上側アーム支持部14dに内側アーム部14の一端14aが回動可能に支持されている。一方、内側アーム部14の他端14bは、投入口カバー8の上端側に設けた下側アーム支持部14eに回動可能に連結されている。
図1Bに示すように、下側アーム支持部14eは、投入口カバー8のコ字状断面のアーム取付ブラケット8dに固定されている。これにより、伝動ベルト12の駆動に合わせて内側アーム部14が上下に移動するようになっている。
【0041】
すなわち、駆動モータ11を制御して伝動ベルト12を駆動させることで、内側アーム部14が上下に移動し、それによって投入口カバー8が
図7に示す上端位置Aと下端位置Bとの間でスライド移動し、塵芥投入口7が開閉されるようになっている。
【0042】
駆動モータ11の制御は、制御部としてのPLC15及びコントロールボード16が行う。
図10に簡略化して示すように、PLC15は、プログラマブル・ロジック・コントローラ(programmable logic controller)であり、適宜プログラムを書き換えることが可能となっている。コントロールボード16は、例えば、マイコン(マイクロコンピュータ)及びDACを含む。DACは「Digital Analog Converter」の略で、「D/Aコンバーター」ともいわれ、デジタル信号をアナログ信号に変換する回路又はコンポーネントを意味する。コントロールボード16は、ドライバ17に接続され、ドライバ17が駆動モータ11に接続されている。
【0043】
図1A及び
図1Bに示すように、塵芥投入箱5内には、投入口カバー8が上端位置A又は下端位置Bの手前に移動してきたのを検知する上側センサ18及び下側センサ19がそれぞれ設けられている。具体的には後述するが、下側センサ19は、塵芥投入口7の上縁よりも少し上方のクロスバー10の近傍に設けられている。上側センサ18は、塵芥投入箱5内部の上端部に設けられている。
【0044】
一方、投入口カバー8の上辺の上側センサ18及び下側センサ19に対応する位置には、上下に延びるプレート状の被検知板26が設けられている。この被検知板26が上側センサ18及び下側センサ19の近傍に移動したときに、その存在が検出されるようになっている。被検知板26の上下長さは、上側センサ18及び下側センサ19によって検出したい投入口カバー8の高さに合わせて設定すればよい。
図10にも示すように、PLC15は、上側センサ18又は下側センサ19の信号を受けて駆動モータ11の回転数を低下させるように構成されている。
【0045】
具体的には、
図1Bに示すように、上側センサ18は、投入口カバー8が上端位置Aに来て完全に開くよりも所定位置手前で被検知板26を検出するように、上側センサ取付ブラケット18aを介して塵芥投入箱5の上側に固定されている。
図1Aに示すように、上側センサ18は、上側センサ取付ブラケット18aの長孔18b等を利用して上下位置を微調整可能となっている。また、下側センサ19は、投入口カバー8が下端位置Bに来て完全に閉じるよりも所定位置手前で被検知板26を検出するように、クロスバー10に下側センサ取付ブラケット19aを介して取り付けられている。
図5に示すように、下側センサ19も、下側センサ取付ブラケット19aの長孔19b等を利用して位置を微調整可能となっている。
【0046】
次に、積込装置6等を制御するPLC15に対する入出力状態について、
図2A、
図2B、
図6、
図8、
図10等により説明する。
【0047】
塵芥収集車1は、
図2A及び
図2Bに示すように、塵芥投入箱5の塵芥投入口7の周辺を監視するためのカメラ91を備えている。このカメラ91は、音声入力可能な付属マイク71を備えていてもよい。
【0048】
図8及び
図10に示すように、作業者Oは、骨伝導装置100を携帯している。この骨伝導装置100は、例えば、骨伝導マイク101を備えている。この骨伝導マイク101は、喉仏付近の振動を拾う特殊なマイクであり、騒音が激しい環境や風が強い状況でも周囲の騒音を拾わずに集音できるようになっている。また、骨伝導装置100は、骨伝導スピーカ102を備えているので、この骨伝導スピーカ102を装着すれば、作業者Oは、積込装置6が作動中などの騒音が激しい環境や風が強い状況でも音声を聞き取れるようになっている。例えば、運転室2aの室内スピーカ72との間で無線通信可能とすると、騒音が激しい環境や風が強い状況でも、運転室2aの運転者と作業者Oとの間での確実な通信が可能となる。骨伝導装置100は、骨伝導マイク101で集音した音声を処理する音声処理部103を備えている。さらに、骨伝導装置100は、音声処理部103で処理された音声の信号を送信可能な携帯側無線通信部104を備えている。
【0049】
一方、塵芥収集車1側には、音声認識ユニット80が設けられている。この音声認識ユニット80は、音声認識処理部82及び記憶部83を有する音声認識モジュール81と、音声認識モジュール81で認識された音声認識の結果をPLC15に入力できるように変換するインターフェイス部84とを備えている。音声認識ユニット80からPLC15への情報伝達は、24V入力又は通信ポート入力で行われる。記憶部83には、所定の指示音声等が記憶可能となっている。また、音声認識ユニット80は、骨伝導装置100の携帯側無線通信部104と通信可能なユニット側無線通信部85を備えている。また、例えば後部操作部27には、記憶部83に指示音声を登録する際に操作される作動登録ボタン86が設けられている。この作動登録ボタン86を押すことで、容易に指示音声を登録できるようになっている。ただし、作動登録ボタン86は、運転室2aのキースイッチSWK(
図10参照)をONにしなければ押しても指示音声を登録できないようになっている。これにより、塵芥収集車1の駐車中に他人が勝手に指示音声を登録することを防いでいる。
【0050】
さらに、塵芥収集車1は、塵芥収容箱4に収容される塵芥の重量を計測可能な重量計測部30を備えている。詳しくは図示しないが、この重量計測部30は、車台2と塵芥収容箱4との間に配置されたロードセルを使用して、塵芥収容箱4に収容された塵芥の重量を間接的に測定するものである。重量計測部30は、ロードセルで得られた信号から塵芥収容箱4と塵芥投入箱5の重量分を除いて塵芥収容箱4内に収容された塵芥の重量を測定することができる。また、重量計測部30は、収集現場毎に重量を0点調整する風袋引き作業や風袋引き後の重量を計測する重量計測作業を行えるようになっている。上記音声認識処理部82は、重量計測部30に対し、風袋引き指示又は計測指示を行うように構成されている。
【0051】
また、運転室2aには、例えば、音声認識処理部82が、登録された指示音声と同様の特徴の音が集音されたと判断したとき等に鳴るブザー73と、骨伝導マイク101に入力があったときに光るランプ74とが設けられている。また、上述したように、カメラ91には、音声入力可能な付属マイク71が設けられていてもよく、上記骨伝導マイク101だけでなく、この付属マイク71の音声も集音するようにしてもよい。ブザー73が鳴るタイミングやランプ74が光るタイミングは、上記タイミングに限定されず、適宜設定すればよい。
【0052】
塵芥収集車1の運転室2a内の前部操作部(図示せず)と塵芥投入箱5の後部操作部27には、各種作動ボタンが設けられている。例えば、
図2B、
図6及び
図10に示すように、後部操作部27には、複数の作動ボタン27aが設けられている。各作動ボタン27aには、緊急停止スイッチSW1,SW2、積込装置6の始動スイッチSW5、積込装置6の停止スイッチSW6、投入口カバー8の開スイッチSW7、閉スイッチSW8等が設けられている。また、塵芥投入箱5には緊急停止プレート50に対応する緊急停止スイッチSW3が設けられている。
【0053】
また、
図6に示すように、塵芥投入箱5内には、昇降板21を昇降させる昇降シリンダ23が最伸長した状態を検出する無接点スイッチLS1、昇降シリンダ23が最収縮した状態を検出する無接点スイッチLS2、圧縮板24を揺動させる揺動シリンダ25が最伸長した状態を検出する無接点スイッチLS4、揺動シリンダ25が最収縮した状態を検出する無接点スイッチLS3等が設けられている。無接点スイッチLS1及びLS2は、塵芥投入箱5と昇降シリンダ23との間において、それぞれ一方に検出体が、他方に被検出体が配設されて切換作動するようになっている。また、無接点スイッチLS3及びLS4は、昇降板21と揺動シリンダ25との間において、それぞれ一方に検出体が、他方に被検出体が配設されて切換作動するようになっている。なお、上記無接点スイッチLS1〜LS4は、昇降シリンダ23及び揺動シリンダ25の作動を検出するセンサ部に相当し、当該作動の検出信号をPLC15に送る機能を有している。これらの無接点スイッチLS1〜LS4、上側センサ18及び下側センサ19としては、例えば光電スイッチ、近接スイッチ等を使用できる。
【0054】
図11に油圧回路図を簡略化して示すように、この油圧回路は、油圧ポンプP、オイルリザーバT、昇降シリンダ23を伸縮制御する電磁制御弁V1、揺動シリンダ25を伸縮制御する電磁制御弁V2等から構成されている。油圧ポンプPには、車両エンジン(図示省略)の駆動力がPTO(パワーテイクオフ)を介して伝達される。電磁制御弁V1,V2は、例えば6ポート3位置の電磁式の方向切換弁よりなる。電磁制御弁V1はソレノイドSOLa及びSOLbを有し、電磁制御弁V2はソレノイドSOLc及びSOLdを有している。電磁制御弁V1,V2は、各ソレノイドに通電されているときのみ上方位置又は下方位置に切り換わり、通電されていない状態では中立位置に復帰するようになっている。
【0055】
図10に示すように、これらの各種スイッチSW1〜SW8、無接点スイッチLS1〜LS4、上側センサ18、下側センサ19、ソレノイドSOLa〜SOLd等は、PLC15に接続されている。PLC15は、図示省略の信号用電力供給部、中央処理部、各種リレーコイル、リレーコイルのa接点等を有しており、バッテリBT、キースイッチSWK、PTOスイッチSWP等と共に電気回路に組み込まれている。このPLC15は、各種スイッチSW1〜SW8、無接点スイッチLS1〜LS4、上側センサ18、下側センサ19の入力状況に基づいて予め設定された手順に従って、対応するソレノイドSOLa〜SOLdに出力するようにプログラムされている。なお、以下において、ソレノイドSOLa〜SOLdへの通電・解除を説明する際、リレーコイルの説明は省略する。
【0056】
以下、上記電気回路について詳細に説明する。PLC15への電力供給は、バッテリBTによって行われる。このバッテリBTの正極から
図10の右側に延びてグランドラインK1に至る通電ラインK2上には、上流側から順に、キースイッチSWK、リレーコイルCR1が介設されている。通電ラインK2のキースイッチSWKとバッテリBTとの間には、通電ラインK3の上流端が電気的に接続されている。また、通電ラインK3には、リレーコイルCR1の接点cr1と電源ランプLが介設されている。リレーコイルCR1がONになって接点cr1が閉じられると、通電ラインK3に通電することによって電源ランプLが点灯する。また、リレーコイルCR1の接点cr1及び電源ランプLの中間において通電ラインK3から分岐するように、通電ラインK4の上流端が電気的に接続されている。通電ラインK4とPLC15との間には、PTOスイッチSWP、各種スイッチSW1〜SW8、無接点スイッチLS1〜LS4、上側センサ18、下側センサ19が電気的に接続されている。
【0057】
さらに、通電ラインK4から分岐する通電ラインK5によって、積込装置6の塵芥積込作動中には必ずPLC15に通電されるようになっている。この通電ラインK5は、積込継続信号を入力するラインであり、上述した緊急停止スイッチSW1〜SW3が設けられている。これらの緊急停止スイッチSW1〜SW3によって通電が遮断されると、PLC15の作動が停止する。これにより、電磁制御弁V1,V2のソレノイドSOLa〜SOLdを励磁させるためのPLC15からの制御信号の出力が全て途絶え、電磁制御弁V1,V2が中立位置に復帰し、積込装置6の作動が停止されるようになっている。
【0058】
上述したように、積込装置6の積込作動時には、キースイッチSWK及びPTOスイッチSWPがいずれも閉じられており、通電ラインK3〜K5によってPLC15に通電されている。
【0059】
次に、このように構成された塵芥収集車1の作動について説明する。
【0060】
まず、積込装置6の作動について説明する。積込装置6は、通常、
図6で実線に示す塵芥の積込行程終了状態で停止している。この状態では、昇降板21は上昇限界位置に、圧縮板24は前方揺動限界位置にそれぞれ配置されている。
【0061】
作業者は、塵芥収集車1に乗り込むと、キースイッチSWKをONにする。このキースイッチSWKのONに伴ってバッテリBTからの電力がPLC15の信号用電力供給部に入力され、PLC15が通電状態となる。
【0062】
作業者は、塵芥収集車1を運転し、作業現場に着いて塵芥収集車1を停止させた後、PTOスイッチSWPをONにする。すると、PTOが接続状態となり、油圧ポンプPの駆動が開始される。この際、電磁制御弁V1及びV2は中立位置にあり、油圧ポンプPから吐出された作動油は各シリンダ23,25を駆動させることなくオイルリザーバTに還流される。
【0063】
また、この状態では、昇降シリンダ23及び揺動シリンダ25はいずれも最伸長状態にあるので、無接点スイッチLS1及びLS4が作動し、この無接点スイッチLS1及びLS4のON信号がPLC15に入力されている。この状態で作業者が、塵芥投入箱5の塵芥投入口7より塵芥を投入した後、作動ボタン27a(始動スイッチSW5)を押圧操作すると、PLC15により、ソレノイドSOLdが通電状態となり、電磁制御弁V2が上方位置に切り換わる。その結果、揺動シリンダ25が収縮作動し、圧縮板24をその圧縮面が略水平位置になるまで反転させる。
【0064】
圧縮板24が後方揺動限界位置に達すると、すなわち、揺動シリンダ25が最収縮すると、無接点スイッチLS3が作動し、PLC15は、電磁制御弁V2を中立位置に復帰させると同時に、ソレノイドSOLbが通電状態となり、電磁制御弁V1が上方位置に切り換わるため、昇降シリンダ23が収縮作動し、昇降板21を案内溝部材20に沿って下降させる。その結果、昇降板21に連結された圧縮板24が、その圧縮面を略水平となるように保持したまま平行に下降するため、塵芥投入箱5の内底面の円弧面との間で塵芥を押し潰すことができる。
【0065】
昇降板21が下降限界位置に達すると、すなわち、昇降シリンダ23が最収縮すると、無接点スイッチLS2が作動し、PLC15はソレノイドSOLbへの通電を解除して電磁制御弁V1を中立位置に復帰させると同時に、ソレノイドSOLcに通電し、電磁制御弁V2を下方位置に切り換える。その結果、塵芥の押し潰し終了状態より揺動シリンダ25が伸長作動し、軸支部を支点として圧縮板24をその圧縮面が略垂直になるまで時計回りに揺動させる。これにより、圧縮板24は、前行程で一次的に押し潰された塵芥を塵芥投入箱5の底面の平坦面との間で二次的に圧縮することができる。
【0066】
圧縮板24が前方揺動限界位置に達すると、すなわち、揺動シリンダ25が最伸長すると、無接点スイッチLS4が作動し、PLC15は、ソレノイドSOLcへの通電を解除して電磁制御弁V2を中立位置に復帰させると同時に、ソレノイドSOLaに通電し、電磁制御弁V1を下方位置に切り換える。その結果、圧縮行程の終了状態より昇降シリンダ23が伸長作動し、圧縮板24をその圧縮面が略垂直となるように保持したまま平行に上昇させ、前行程にて圧縮した塵芥を塵芥収容箱4内に積み込む。そして、昇降板21が上昇限界位置に達すると、すなわち、昇降シリンダ23が最伸長すると、無接点スイッチLS1が作動し、PLC15は、ソレノイドSOLaへの通電を解除して電磁制御弁V1を中立位置に復帰させる。これにより、積込行程が終了する。
【0067】
以上の通り、積込装置6は、作動ボタン27a(始動スイッチSW5)の押圧操作により、反転行程、押潰行程、圧縮行程、積込行程(以下、積込サイクルともいう。)の順に作動し、塵芥投入箱5に投入された塵芥を塵芥収容箱4に積み込むことができる。
【0068】
−指示音声の記憶工程−
次いで、
図13を用いて指示音声の記憶工程について説明する。この記憶工程では、所定の動作に対応した所定の単語の指示音声を記憶部83に記憶する。ここでは、指示音声は、例えば、実際に作業を行う作業者Oが登録する。
【0069】
具体的には、まず、ステップS61において、指示音声の登録作業を行う前に、作業者Oは、先にキースイッチSWKをONにする。キースイッチSWKがONになると、作動登録ボタン86の操作が有効になり、ステップS62に進む。
【0070】
ステップS62において、作業者Oにより後部操作部27の作動登録ボタン86が操作されると、ステップS63に進む。
【0071】
ステップS63で、音声認識ユニット80は、所定の動作のトリガとなる単語の音声入力があるかどうかを判定し音声入力があると、ステップS64に進む。トリガとなる単語は、例えば、「カバー開け!」、「積込止め!」、「ストップ!」など、特に限定されない。
【0072】
ステップS64において、音声認識ユニット80は、PLC15を介して入力された所定の作動ボタン27aの信号の有無から音声入力に対応する作動ボタン27aの入力があるかどうかを判定すし、入力があると、ステップS65に進む。
【0073】
ステップS65において、音声認識ユニット80は、作業者Oが操作した所定の作動ボタン27aについて、作業者Oが発した単語と、作業者Oの声紋とを指示音声として登録する。本実施形態では、実際の作業をするための作動ボタン27aの操作と併せて指示音声を登録するので、登録ミスが防止される。
【0074】
−声認識工程−
次に、本発明の実施形態に係る声認識工程について
図12等を用いて説明する。この声認識工程では、音声認識ユニット80が、マイクで集音された音声の特徴が記憶部83に記憶された指示音声の特徴と等しいかどうかを判定し、等しいと判定したときに、指示音声に対応する動作の指示を出す。
【0075】
具体的には、まず、ステップS51において、キースイッチSWKがONになったか判定され、ONになると、ステップS52に進む。なお、積込装置6の動作を指示音声で指示する場合には、さらにPTOスイッチSWPもONにする。
【0076】
ステップS52において、音声認識ユニット80は、骨伝導装置100からの音声信号を受信したか否かに基づいて、骨伝導マイク101から音声入力があるかを判定する。骨伝導装置100は、例えば、最初に「ヘイ」「オイ」など作動内容を示す単語の前にダミーのキーワードを発声した場合のみ単語を受け付けて音声認識ユニット80にその音声を送信するようにすれば、音声認識ユニット80における誤認識はさらに少なくなる。音声入力があると、ステップS53に進む。
【0077】
次いで、ステップS53において、音声認識ユニット80において、音声認識処理部82が、入力された音声の特徴と、記憶部83に登録された指示音声の特徴とを比較する。
【0078】
次いで、ステップS54において、音声認識処理部82が、入力された音声が指示音声の特徴と等しいと判定すると、ステップS55に進む。合致しなければ、再びステップS52に戻る。
【0079】
ステップS55では、音声認識モジュール81のインターフェイス部84において、合致した指示音声に相当する制御信号をPLC15や重量計測部30に入力できる形に処理した上で、PLC15又は重量計測部30に送信する。
【0080】
次いで、ステップS56において、PLC15又は重量計測部30が登録された動作を機器駆動用アクチュエータ(積込装置6の昇降シリンダ23、揺動シリンダ25等)に指示する。
【0081】
このように本実施形態では、予め登録された指示音声の特徴と、マイクで集音された音声の特徴とが等しいかどうかを判定するので、特定の作業者以外の音声では塵芥収集装置3の機器駆動用アクチュエータに対し所定の動作の指示が行われず、安全な上、直接作動ボタン27aの操作が行えないとき等に便利である。重量計測を音声で行う場合には、重量計測時の指示を、重量計測部30の作動ボタンを直接押すことなく音声だけで行えるので、作業効率が向上する。
【0082】
−投入口カバーの開閉動作−
次に、登録された動作のうち、投入口カバー8の開閉動作について説明する。
図7に示すように、例えば、投入口カバー8が下端位置Bにあって完全に閉じている全閉状態と、上端位置Aまで完全に開く全開状態との間の制御について説明する。
【0083】
図9Aに示すように、例えば、キースイッチSWKがONになるとステップS01で制御がスタートする。
【0084】
次いで、ステップS02において、PLC15により、手動の開スイッチSW7が押されたか、又は、音声認識ユニット80からカバー開の指示が出されたかどうかが判定される。YESの場合には、ステップS03に進み、NOの場合には、ステップS06に進む。
【0085】
ステップS03において、PLC15により、上側センサ18はONかどうかが判定される。上側センサ18がOFFである場合には、ステップS04に進んで処理1が行われる。
【0086】
ステップS04では、処理1が行われる。例えば、投入口カバー8が下端位置Bにある場合には、パイプ部材42がピストンロッド23aの車幅方向外側にある。このとき、下側センサ19が投入口カバー8(被検知板26)を検知している。
図9Bに示すように、PLC15は、ソフトスタートのために、コントロールボード16に駆動モータ11を徐々に加速するように指示を出し、コントロールボード16からの指示によって駆動モータ11が徐々に一定速度v2まで加速される。これにより、伝動ベルト12が駆動され、内側アーム部14が上昇し、結果として投入口カバー8が速度v1で徐々に開き始める。具体的には、投入口カバー8の上端部の車幅方向端部8cに連結されたリンク部材40が板部材43を引っ張るのに合わせてアーム取付ブラケット44の先端部44bとの連結部を中心に外側アーム部41が回動し、板部材43とリンク部材40とは、他の部材をとの接触を避けながら上昇していく。
【0087】
駆動モータ11が加速して伝動ベルト12が一定速度v2になると、一定速度v2のまま投入口カバー8が上昇する。このとき、投入口カバー8の下側アーム支持部14eと、伝動ベルト12側の上側アーム支持部14dとの間の位置関係(距離)は変化するが、内側アーム部14がこれらに対して回動可能に接続されているので、投入口カバー8は滑らかにスライド移動する。
【0088】
そして、投入口カバー8が上端位置Aに近づくと、上側センサ18が被検知板26検知してPLC15に信号が送られる。
【0089】
すると、PLC15は、コントロールボード16に減速信号を送って駆動モータ11を減速させる。コントロールボード16は、駆動モータ11を一定速度v2から停止するまで徐々に速度v3を減速させる。
【0090】
一方、上側センサ18がONである場合には、すでに投入口カバー8がある程度開いた状態で、全開状態手前にあるので、投入口カバー8を勢いよく全開位置に開いてしまわないようにする必要がある。このため、ステップS05に進んで処理2の低速一定速度処理が行われる。
図9Cに示すように、処理2では、投入口カバー8の開スイッチSW7が押されている間だけ投入口カバー8が一定の低速v4で開く。低速v4であるため、全開位置まで開いても衝撃は少ない。
【0091】
ステップS06において、投入口カバー8を閉じる場合も同様の制御が行われる。詳しい説明は省略するが、ステップS06において、PLC15により、手動の閉スイッチSW8が押されたか、又は、音声認識ユニット80からカバー閉の指示が出されたかどうかが判定される。YESの場合には、ステップS07に進み、NOの場合には、ステップS02に戻る。
【0092】
ステップS07において、PLC15により、下側センサ19はONかどうかが判定される。下側センサ19がOFFである場合には、ステップS08に進んで処理3が行われる。
【0093】
ステップS08では、処理1とは開閉が逆(上下逆)の動きである処理3が行われ、PLC15は、ソフトスタートのために、コントロールボード16に駆動モータ11を徐々に加速するように指示を出し、コントロールボード16からの指示によって駆動モータ11が速度v1から徐々に一定速度v2まで加速される。これにより、伝動ベルト12が駆動され、内側アーム部14が下降し、結果として投入口カバー8が速度v1で徐々に下降し始める。駆動モータ11が加速して伝動ベルト12が一定速度v2になると、一定速度v2のまま投入口カバー8が下降する。そして、投入口カバー8が下端位置Bに近づくと、下側センサ19が被検知板26を検知してPLC15に信号が送られる。すると、PLC15は、コントロールボード16に減速信号を送って駆動モータ11を減速させる。コントロールボード16は、駆動モータ11を一定速度v2から停止するまで徐々に速度v3を減速させる。
【0094】
一方、下側センサ19がONである場合には、すでに投入口カバー8がある程度閉じた状態で、全閉状態手前にあるので、投入口カバー8を勢いよく全閉位置に閉じてしまわないようにする必要がある。このため、ステップS09に進んで処理4の低速一定速度処理が行われる。処理4では、投入口カバー8の閉スイッチSW8が押されている間だけ投入口カバー8が低速の一定速度で下降する。低速であるため、全閉位置まで閉じても衝撃は少ない。
【0095】
なお、特にこの投入口カバー8を閉じる動作や、積込装置6の作動を開始する動作などは、急に作動が開始されると危険な場合もあるので、例えば、カメラ91の映像から人物等が塵芥投入口7の近辺などの特定エリアに存在するときには、作動を開始させないなど、安全措置をとるとよい。
【0096】
このように、本実施形態によると、簡単な構成のPLC15により、指示音声に対応する操作を投入口カバー8の駆動モータ11に命じることができるので、投入口カバー8の開閉動作を音声で指示できる。
【0097】
したがって、本実施形態に係る塵芥収集車1によると、マイクで集音された音声の特徴が記憶部83に記憶された指示音声の特徴と等しいかどうかを判定し、等しいと判定したときに、指示音声に対応する動作の指示を出すようにしたことにより、音声認識を用いて簡単に所定の作業を行うことができる。
【0098】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0099】
すなわち、上記実施形態では、音声認識ユニット80が、動作を指示する相手はPLC15又は重量計測部30としたが、それに限定されず、他の作動対象であってもよい。
【0100】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。