特許第6944964号(P6944964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6944964
(24)【登録日】2021年9月15日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】封筒
(51)【国際特許分類】
   B65D 27/00 20060101AFI20210927BHJP
【FI】
   B65D27/00 L
   B65D27/00 Z
   B65D27/00 A
   B65D27/00 N
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-49221(P2019-49221)
(22)【出願日】2019年3月16日
(65)【公開番号】特開2020-147355(P2020-147355A)
(43)【公開日】2020年9月17日
【審査請求日】2019年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】504474323
【氏名又は名称】宇野 公二
(72)【発明者】
【氏名】宇野 公二
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3116758(JP,U)
【文献】 特開2005−126098(JP,A)
【文献】 特表2017−506610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状に成る第1及び第2収納部と、
前記第1収納部、第1シート状部、第2シート状部、前記第2収納部順に連結される、前記第1及び第2シート状部
を具備し、
前記第1及び第2収納部の内側にそれぞれ前記第1及び第2シート状部が折り畳まれ一部又は全部が収納された状態を保つ待機状態と、
前記待機状態から前記第1及び第2収納部互いに離れる方向に引っ張ることで前記第1及び第2シート状部が現れる出現状態と、
を有する、
封筒。
【請求項2】
待機状態で袋状に成る収納部の一片及び他片と、
出現状態で前記収納部の一片、シート状部の一片、記シート状部の他片、引張部の順に連結される、前記シート状部及び前記引張部と、
を具備し、
前記収納部の内側に前記シート状部の一片が収納された状態を保つ前記待機状態と、
前記待機状態前記収納部び前記引張部が互いに離れる方向に引っ張ることで、前記収納部の一片及び他片を袋状につないでいる分断部で分断され、前記収納部の他片が前記シート状部の他片になり前記シート状部の一片が現れる前記出現状態と、
を有する、
封筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒に関する。
【背景技術】
【0002】
封筒においては、特許文献1の実施例のように封筒の角に設けられたくじ部をミシン目で切り取ると、それに連結された封筒一端がミシン目で封筒本体と分離されることで封筒が開封されるよう一連の動作で誘う仕掛けによって、くじの当落を確認したついでに広告などを含む封筒を開けさせるようなアイデアが知られている。
【0003】
また、カードにおいては、特許文献2の実施例のように袋部と内装されるカードにそれぞれ描かれた絵が、カードを切り抜き窓の幅分ストロークさせることで切り替わるようなアイデアが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−121600号公報
【特許文献2】実登3135436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の封筒は開封するのにハサミやナイフを使って、あるいはミシン目の部分を慎重に開けて内容の全容が容易に覗ける状態にしてから、シート状の内容物等を出現させていた。しかしこれらの出現方法では、内容の全容が容易に覗けない待機状態から、内容が露出した出現状態への工程が長く緩やかで、喜びや驚きをあの人に贈る仕掛けとしての魅力に欠ける。
また、袋部に内装されるカードを動かすことで切り欠き窓からの絵が現れるあるいは変化するような仕掛けや、袋部の外側に設けられたオブジェが動くというような仕掛けでは、例えばあの人に郵送などで送る際に破損する可能性が高まるし、開封前から内容の大半が露出していれば喜びや驚きも減少しやすく、またプライバシーの問題も考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態図等を用いて以下に説明するが、これは本発明の内容をより把握しやすいようにする為で、添付の特許請求の範囲を縮小するものではない。
【0007】
発明1に係る封筒は、例えば図1から4の組みのように、
袋状に成る収納部1及び4と、
収納部1、シート状部2、シート状部5、収納部4順に連結される、シート状部2及び5
を具備し、
収納部1及び4の内側にそれぞれシート状部2及び5が折り畳まれ一部又は全部が収納された状態を保つ例えば図2及び3のような待機状態と、
前記待機状態から収納部1及びが互いに離れる方向に引っ張ることでシート状部2及び5が現れる例えば図1のような出現状態と、
を有する、
封筒である。
【0008】
発明2に係る封筒は、例えば図及びの組みのように、
例えば図のように待機状態で袋状に成る収納部1の一片及び他片と、
例えば図の組み立て前の状態とほぼ同じである出現状態で収納部1の一片、シート状部2の一片、ート状部2の他片、引張部3の順に連結される、シート状部2及び引張部3と、
を具備し、
収納部1の内側にシート状部2の一片が収納された状態を保つ前記待機状態と、
前記待機状態収納部1び引張部3が互いに離れる方向に引っ張ることで、収納部1の一片及び他片を袋状につないでいる分断部で分断され、収納部1の他片がシート状部2の他片になりシート状部2の一片が現れる前記出現状態と、
を有する、
封筒。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明では、収納部1及び引張部3が互いに離れる方向に引っ張るだけで、内容の全容が容易に覗けない待機状態から、内容が露出した出現状態へ素早く移行しシート状部2の内容がいきなり大きく露出するので、喜びや驚きをあの人に贈る仕掛けとして魅力に溢れながら、収納部1にシート状部2が収納された状態を保つ待機状態ではあの人に送る際の破損やプライバシーの問題にも対応できるような設計が容易となる。
【0010】
また発明1では、本発明の効果に加えて、シート状部2及び5が折り畳まれ収納されるので、待機状態で収納されるシート状部2及び5の面積が比較的大きくなり、出現状態で露出する情報量がより増えることで、喜びや驚きをあの人に贈る仕掛けとして魅力が増大し、且つ折り畳まれたシート状部2が湾曲位置を移動しながら徐々に収納部1から出現する際の変形による抵抗力によって待機状態を保つことができるような設計が容易となる。
【0011】
また発明2では、本発明の効果に加えて、分断部での分断が不可逆的であれば、収納部1にシート状部2が収納された状態を保つ待機状態であの人に送る際のプライバシーの問題に、より厳重に対応できるような設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の出現状態の正面図
図2】第1実施形態の待機状態の正面図
図3】第1実施形態の待機状態の背面図
図4】第1実施形態の組み立て前の図
図5】第2実施形態の組み立て前の図
図6】第2実施形態の待機状態の背面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1実施形態を図1から4に基づいて説明する。
【0014】
図4は樹脂製又は紙製シートを切り抜いた組み立て前の状態であり、折り目9、10、11、14、15、16、17、18、19及び20はスジ押し加工されており、折り目9、10、14、15、17、18、19及び20を山折り、折り目11及び16を谷折りし、フラップ7、8、12及び13を接着することで、図2の待機状態となる。待機状態では袋状の収納部1及び4にそれぞれシート状部2及び5がそれぞれ折り目11及び16で折り畳まれた状態で収納されている。この待機状態から、収納部1及び4にそれぞれ設けられた「Pull」及び「△」の表示がある引張部6及び3が互いに離れる方向すなわち「△」の指し示す方向に引っ張ると、シート状部2及び5がそれぞれ折り目10及び15付近から湾曲位置がそれぞれ折り目11及び16の方向に移動しながらそれぞれ収納部1及び4の内側から徐々に現れ、図1のような出現状態に移行する。この時、湾曲し位置が移動することに対抗する力が発生し、この力が待機状態を保つ仕組みとなっている。また、引張部3及び6の位置までシート状部2及び5が入らない構造となっており、引張部3及び6を強く指先で摘まんでも出現状態への移行を妨げない。また、シート状部2及び5は一体に連結されており、シート状部2は折り目10の部分で収納部1の開口縁の半分に一体に連結されており、シート状部5は折り目15の部分で収納部4の開口縁の半分に一体に連結されており、収納部4に設けられた引張部3はシート状部5を介してシート状部2に連結されている。また、待機状態では図3のように収納部4に設けられたスリット22に収納部1に設けられたタブ21が差し込まれており、例えば郵便であの人に送る際の宛先を書いた背面部が安定して宛先を読み取りやすいようになっている。ここで例えばタブ21の付け根にジッパー加工しておきタブ21を収納部4に接着し、ジッパー部を開けることで待機状態になるというような、よりプライバシーに配慮した構造も考えられる。
また、図1ではシート状部2及び5に猫のような絵と英語のメッセージが現れているが、これは図4の組み立て前の状態で販売し予め購入者が書き込む、あるいは販売者が印刷しておくこともできるが、出現状態で購入者があの人を想って好みの絵やメッセージを入れ、シート状部2及び5を畳み入れ図2の待機状態にしても良いだろう。
また、図4の組み立て前の状態で販売する場合は、スジ押し加工の代わりに折り位置を印刷するような方式で、コスト削減をはかっても良いだろう。
また、シート状部2及び5が連結されることでかなりの面積を確保し、かなりの量の絵や写真やメッセージを記載できるが、更なる情報を記載したい場合は、シート状部2を延長し、収納時は例えば蛇腹状に折り畳み回数を増やせば良いだろう。
【0015】
本発明の第2実施形態を図5及び6に基づいて説明する。
【0016】
は樹脂製又は紙製シートを切り抜いた組み立て前の状態であり、折り目10、11、15及び16はスジ押し加工されており、折り目17、18、19及び20はミシン目加工されており、折り目10、15、17、18、19及び20を山折り、折り目11及び16を谷折りし、フラップ7及び8をシート状部2の背面側、フラップ12及び13をシート状部5の背面側にそれぞれ接着することで、シート状部2及び5の一部がそれぞれ収納部1及び4の一部を成し、図の待機状態となる。待機状態では袋状の収納部1及び4にそれぞれシート状部2及び5が収納されている。この待機状態から、収納部1及び4にそれぞれ一体に連結された「Pull」及び「△」の表示がある引張部6及び3が互いに離れる方向すなわち「△」の指し示す方向に引っ張ると、折り目17、18、19及び20のミシン目加工の端部にそれぞれ設けられた切り欠き23、24、25及び26に応力集中して分断部としてミシン目で分断され、シート状部2及び5の正面側が現れる。また、シート状部2及び5は一体に連結されており、シート状部2は折り目10の部分で収納部1の開口縁の半分に一体に連結されており、シート状部5は折り目15の部分で収納部4の開口縁の半分に一体に連結されており、収納部4に連結された引張部3は収納部4及びシート状部5を介してシート状部2に連結されている。また、図の組み立て前の状態で販売し予め購入者が絵やメッセージなどを書き込み組み立て図のような待機状態にすることを想定しているが、販売者が印刷しておくこともできる。
また、待機状態で販売する場合は、折り目17から20のミシン目及び切り欠き23から26、から成る分断部の構造を削除し、図のフラップ7、8、12及び13に対応するフラップをシート状部2及び5にも設け、待機状態に組み立てる際に対応するフラップ同士を剥がしやすいが再度くっつけるのが困難な不可逆的な方法で接着しておき、これらを分断部として、プライバシーの更なる保護を目指すような構造に変更しても良いだろう。
また、図の組み立て前の状態で販売する場合は、スジ押し加工の代わりに折り位置を印刷するような方式で、コスト削減をはかっても良いだろう。
また、シート状部2及び5が連結されることでかなりの面積を確保し、かなりの量の絵や写真やメッセージを記載できるが、更なる情報を記載したい場合は、シート状部2を延長し、収納時は例えば蛇腹状に折り畳み回数を増やせば良いだろう。
【符号の説明】
【0017】
1,4. 収納部
2,5. シート状部
3,6. 引張部
7,8,12,13. フラップ
9,10,11,14,
15,16,17,18,
19,20. 折り目
21. タブ
22. スリット
23,24,25,26. 切り欠き
図1
図2
図3
図4
図5
図6