(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
≪第1実施形態≫
<空気調和機の構成>
図1は、第1実施形態に係る空気調和機100の構成図である。
なお、
図1の実線矢印は、暖房運転時の冷媒の流れを示している。
一方、
図1の破線矢印は、冷房運転時の冷媒の流れを示している。
空気調和機100は、冷房運転や暖房運転等の空調を行う機器である。
図1に示すように、空気調和機100は、圧縮機11と、室外熱交換器12と、室外ファン13と、膨張弁14と、を備えている。また、空気調和機100は、前記した構成の他に、室内熱交換器15(熱交換器)と、室内ファン16(ファン)と、四方弁17と、を備えている。
【0010】
圧縮機11は、低温・低圧のガス冷媒を圧縮し、高温・高圧のガス冷媒として吐出する機器であり、駆動源である圧縮機モータ11aを備えている。このような圧縮機11として、スクロール圧縮機やロータリ圧縮機等が用いられる。なお、
図1では図示を省略しているが、圧縮機11の吸込側には、冷媒の気液分離を行うためのアキュムレータ9(
図3参照)が接続されている。
【0011】
室外熱交換器12は、その伝熱管12b(
図3参照)を通流する冷媒と、室外ファン13によって送り込まれる外気と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。
室外ファン13は、室外熱交換器12に外気を送り込むファンである。室外ファン13は、駆動源である室外ファンモータ13aを備え、室外熱交換器12の付近に設けられている。
膨張弁14は、「凝縮器」(室外熱交換器12及び室内熱交換器15の一方)で凝縮した冷媒を減圧する弁である。なお、膨張弁14で減圧された冷媒は、「蒸発器」(室外熱交換器12及び室内熱交換器15の他方)に導かれる。
【0012】
室内熱交換器15は、その伝熱管15b(
図2参照)を通流する冷媒と、室内ファン16によって送り込まれる室内空気(空調室の空気)と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。
室内ファン16は、室内熱交換器15に室内空気を送り込むファンである。室内ファン16は、駆動源である室内ファンモータ16a(
図4参照)を備え、室内熱交換器15の付近に設けられている。
【0013】
四方弁17は、空気調和機100の運転モードに応じて、冷媒の流路を切り替える弁である。そして、空気調和機100は、圧縮機11と、室外熱交換器12と、膨張弁14と、室内熱交換器15と、が四方弁17を介して接続されてなる冷媒回路10を備えた構成になっている。
【0014】
例えば、冷房運転時(
図1の破線矢印を参照)には、冷媒回路10において、圧縮機11、室外熱交換器12(凝縮器)、膨張弁14、及び室内熱交換器15(蒸発器)を順次に介して、冷媒が循環する。一方、暖房運転時(
図1の実線矢印を参照)には、冷媒回路10において、圧縮機11、室内熱交換器15(凝縮器)、膨張弁14、及び室外熱交換器12(蒸発器)を順次に介して、冷媒が循環する。
【0015】
なお、
図1の例では、圧縮機11、室外熱交換器12、室外ファン13、膨張弁14、及び四方弁17が、室外機30に設置されている。一方、室内熱交換器15や室内ファン16は、室内機20に設置されている。
【0016】
図2は、室内機20の縦断面図である。
図2に示すように、室内機20は、室内熱交換器15や室内ファン16の他に、ドレンパン18と、筐体19と、フィルタ21a,21bと、を備えている。さらに、室内機20は、前面パネル22と、左右風向板23と、上下風向板24と、を備えている。
【0017】
室内熱交換器15は、複数のフィン15aと、これらのフィン15aを貫通する複数の伝熱管15bと、を備えている。別の観点から説明すると、室内熱交換器15は、室内ファン16の前側に配置される前側室内熱交換器15cと、室内ファン16の後側に配置される後側室内熱交換器15dと、を備えている。
図2の例では、前側室内熱交換器15cの上端部と、後側室内熱交換器15dの上端部と、が縦断面視で逆V状に接続されている。なお、
図2に示す室内熱交換器15の構成は一例であり、これに限定されるものではない。
【0018】
室内ファン16は、例えば、円筒状のクロスフローファンであり、室内熱交換器15の付近に配置されている。室内ファン16は、前記した室内ファンモータ16a(
図4参照)の他に、複数のファンブレード16bと、これらのファンブレード16bが設置される円環状の仕切板16cと、を備えている。
ドレンパン18は、室内熱交換器15の結露水を受けるものであり、室内熱交換器15の下側に配置されている。
筐体19は、室内熱交換器15や室内ファン16等を収容するものである。
【0019】
フィルタ21a,21bは、室内熱交換器15に向かう空気から塵埃を捕集するものであり、室内熱交換器15の付近に配置されている。一方のフィルタ21aは室内熱交換器15の前側に配置され、他方のフィルタ21bは室内熱交換器15の上側に配置されている。
【0020】
前面パネル22は、前側のフィルタ21aを覆うように設置されるパネルであり、下端を軸として前側に回動可能になっている。なお、前面パネル22が回動しない構成であってもよい。
左右風向板23は、室内ファン16から吹き出される空気の左右方向の風向きを調整する板状部材である。左右風向板23は、吹出風路26に配置され、左右風向板用モータ34(
図4参照)によって左右方向に回動するようになっている。
上下風向板24は、室内ファン16から吹き出される空気の上下方向の風向きを調整する板状部材である。上下風向板24は、空気吹出口27に配置され、上下風向板用モータ35(
図4参照)によって上下方向に回動するようになっている。
【0021】
空気吸込口25a,25bを介して吸い込まれた空気は、室内熱交換器15の伝熱管15bを通流する冷媒と熱交換し、熱交換した空気が吹出風路26に導かれる。そして、吹出風路26を通流する空気は、左右風向板23及び上下風向板24によって所定方向に導かれ、さらに、空気吹出口27を介して空調室に吹き出される。
【0022】
なお、空気の流れに伴って空気吸込口25a,25bに向かう塵埃の大部分は、フィルタ21a,21bで捕集される。しかしながら、細かい塵埃がフィルタ21a,21bを通り抜けて、室内熱交換器15に付着することがある。また、空調室の空気中に浮遊している油煙(油の蒸気)も、フィルタ21a,21bを通りぬけて室内熱交換器15に付着する。そして、時間が経過するにつれて、室内熱交換器15の表面の油の酸化が進み、室内熱交換器15に油が固着した状態になる。したがって、室内熱交換器15を定期的に洗浄することが望ましいが、油は洗い流しにくいという課題がある。
【0023】
そこで、第1実施形態では、室内熱交換器15の温度を上昇させ、室内熱交換器15の表面の油を軟化(又は液化・流動化)させた後、室内熱交換器15の凍結及び解凍を順次に行うことで、室内熱交換器15の表面の油を塵埃とともに洗い流すようにしている。このような室内熱交換器15の加熱・凍結・解凍を含む一連の処理を「洗浄運転」という。
【0024】
図3は、室外機30の筐体31の側板・天板を取り外した状態の斜視図である。
なお、
図3では、膨張弁14(
図1参照)や四方弁17(
図1参照)の図示を省略している。
図3に示すように、室外機30の筐体31には、圧縮機11や室外熱交換器12、室外ファン13の他、電装品ボックス32が設けられている。
図3の例では、平面視でL字状を呈する室外熱交換器12が、筐体31の底板31aに設置されている。室外熱交換器12は、所定間隔で配置される多数のフィン12aと、これらのフィン12aを貫通する複数の伝熱管12bと、を備えている。また、
図3の例では、室外ファン13として、プロペラファンが用いられている。
【0025】
図4は、空気調和機100の機能ブロック図である。
図4に示す室内機20は、前記した各構成の他に、リモコン送受信部28と、室内温度センサ29と、室内熱交換器温度センサ33(熱交換器温度センサ)と、表示ランプ36と、室内制御回路41と、を備えている。
リモコン送受信部28は、赤外線通信等によって、リモコン50との間で所定の情報をやり取りする。
室内温度センサ29は、空調室の温度を検出するセンサであり、例えば、室内熱交換器15の空気吸込側に設置されている。
【0026】
室内熱交換器温度センサ33は、室内熱交換器15(
図2参照)の温度を検出するセンサである。なお、室内熱交換器温度センサ33は、室内熱交換器15に設置されてもよいし、また、室内熱交換器15に接続されている所定の冷媒配管に設置されてもよい。室内温度センサ29や室内熱交換器温度センサ33の検出値は、室内制御回路41に出力される。表示ランプ36は、空調に関する所定の表示を行うランプである。
【0027】
室内制御回路41は、図示はしないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インタフェース等の電子回路を含んで構成されている。そして、ROMに記憶されたプログラムを読み出してRAMに展開し、CPUが各種処理を実行するようになっている。
【0028】
図3に示すように、室内制御回路41は、記憶部41aと、室内制御部41bと、を備えている。記憶部41aには、所定のプログラムの他、リモコン送受信部28を介して受信したデータや各センサの検出値等が格納される。室内制御部41bは、記憶部41aのデータに基づいて、室内ファンモータ16a、左右風向板用モータ34、上下風向板用モータ35、表示ランプ36等を制御する。
【0029】
室外機30は、前記した構成の他に、室外温度センサ37と、室外制御回路42と、を備えている。
室外温度センサ37は、外気の温度を検出するセンサであり、室外機30の所定箇所に設置されている。その他、
図4では図示を省略しているが、室外機30は、圧縮機11(
図1参照)の吐出温度を検出するセンサ等も備えている。これらの各センサの検出値は、室外制御回路42に出力される。
【0030】
室外制御回路42は、図示はしないが、CPU、ROM、RAM、各種インタフェース等の電子回路を含んで構成され、通信線を介して室内制御回路41に接続されている。
図4に示すように、室外制御回路42は、記憶部42aと、室外制御部42bと、を備えている。
【0031】
記憶部42aには、所定のプログラムの他、室内制御回路41から受信したデータ等が格納される。室外制御部42bは、記憶部42aのデータに基づいて、圧縮機モータ11a、室外ファンモータ13a、膨張弁14、四方弁17等を制御する。なお、室内制御回路41及び室外制御回路42を総称して、制御部40という。
【0032】
<制御部の処理>
図5は、室内熱交換器の洗浄運転に関するフローチャートである(適宜、
図1、
図4を参照)。
なお、
図5では省略しているが、例えば、前回の洗浄運転の終了時から空調運転の実行時間を積算した値(和をとった値)が所定値に達した場合、
図5に示す一連の処理が開始されるようにしてもよい。また、例えば、リモコン50(
図4参照)やスマートフォン、携帯電話等の操作端末をユーザが所定に操作した場合、
図5に示す一連の処理が開始されるようにしてもよい。
【0033】
図5のステップS101において制御部40は、室内熱交換器15を加熱する。つまり、制御部40は、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御を行う。このような制御として、例えば、制御部40は、冷媒回路10において暖房サイクルで冷媒を循環させ、室内熱交換器15を凝縮器として機能させる。これによって、室内熱交換器15のフィン15a(
図2参照)や伝熱管15b(
図2参照)の表面に付着している油が軟化(又は液化・流動化)する。このように、室内熱交換器15(熱交換器)を凍結させる処理(S102)に先立って、制御部40が、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御(S101)を行う点が、第1実施形態の主な特徴の一つである。
【0034】
次に、ステップS102において制御部40は、室内熱交換器15を凍結させる。すなわち、制御部40は、冷媒回路10において冷房サイクルで冷媒を循環させ、室内熱交換器15(熱交換器)を蒸発器として機能させ、室内熱交換器15を凍結させる処理を行う。
【0035】
次に、ステップS103において制御部40は、室内熱交換器15を解凍する。例えば、制御部40は、圧縮機11を停止状態とし、膨張弁14の開度を大きくする。これによって、高圧側の室外熱交換器12から膨張弁14を介して、低圧側の室内熱交換器15に高温の冷媒が流れ込むため、室内熱交換器15が解凍される。
【0036】
図6は、室内熱交換器15の解凍中の状態を示す説明図である。
室内熱交換器15の凍結後(
図5のS102)、制御部40が室内熱交換器15を解凍すると(S103)、室内熱交換器15の伝熱管15bを介して、高温の冷媒が流れる。その結果、室内熱交換器15の霜61が解けて、フィン15aを伝って多量の水62がドレンパン18に流れ落ちる。また、第1実施形態では、室内熱交換器15の凍結に先立って、制御部40が室内熱交換器15を加熱するようにしている(S101)。これによって、室内熱交換器15の表面の油が軟化(又は液化・流動化)する。なお、酸化が進んで固着した油も、加熱されることで軟化する。その後に室内熱交換器15の凍結・解凍が行われることで、室内熱交換器15に付着した塵埃63とともに油も洗い流される。
【0037】
図7は、圧縮機や四方弁の状態の他、膨張弁の開度、室内ファンや室外ファンの回転速度、及び室内熱交換器の温度変化を示すタイムチャートである(適宜、
図1、
図4を参照)。
なお、
図7の横軸は時刻である。また、
図7の縦軸は、圧縮機11や四方弁17等の状態を示している。
図7の例では、時刻t1まで空気調和機100が停止状態(空調運転が行われていない状態)になっている。また、空気調和機100が停止状態になる直前には、例えば、冷房運転が行われていたものとする(
図7の「四方弁」の状態を参照)。ちなみに、室内熱交換器15を加熱する制御が行われる前において、空調運転が停止状態になる直前には、冷房運転の他、除湿運転や暖房運転が行われていてもよい。
【0038】
室内熱交換器15を加熱する際(
図5のS101)、制御部40は、時刻t1において四方弁17を暖房サイクルに切り替え、膨張弁14を所定開度α1に絞り、さらに圧縮機11を駆動させる。これによって、室内熱交換器15が凝縮器として機能する一方、室外熱交換器12が蒸発器として機能する。その結果、室内熱交換器15に高温の冷媒が流れるため、室内熱交換器15の表面に付着した油の軟化が進む。
【0039】
また、
図7の例では、室内熱交換器15の加熱中(時刻t1〜t2)、制御部40が室内ファン16を駆動させている。これによって、室内熱交換器15(凝縮器)を通流する冷媒と、空調室の空気と、の間の熱交換が促進される。したがって、室内熱交換器15の冷媒の圧力が高くなりすぎることを抑制し、ひいては、圧縮機11の吐出圧力が高くなりすぎることを抑制できるため、圧縮機11の不具合が生じにくくなる。
【0040】
なお、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御の実行中(
図5の時刻t1〜t2)、制御部40は、室内ファン16を通常の空調運転時と同一の向きに、室内ファン16の回転速度の上限値と下限値との和を2で除算した値以下の回転速度で駆動(正回転)させる。ここで、前記した「下限値」は、空調運転中に制御部40が圧縮機11を駆動させている場合での室内ファン16の回転速度の下限値である。この「下限値」には、室内ファン16の停止状態(つまり、0[min
−1])は含まれないものとする。室内熱交換器15の加熱に伴って、室内熱交換器15の表面の油が軟化すると、油に特有の匂いが生ずることがある。前記したように、制御部40が室内ファン16を比較的低速で駆動させることで、油の匂いがする空気が空調室に吹き出される際の風量を低減できる。
【0041】
また、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御の実行中(
図5の時刻t1〜t2)、制御部40が、上下風向板24(
図2参照)を水平方向よりも上向きにすることが好ましい。なお、上下風向板24が閉じている状態も、上下風向板24が水平方向よりも上向きであるという事項に含まれる。これによって、油の匂いのする空気が在室者に向けて吹き出されることを抑制できるため、在室者の不快感や違和感を低減できる。
【0042】
また、
図7の例では、室内熱交換器15の加熱中(時刻t1〜t2)、制御部40が室内ファン16を駆動させるとともに、室外ファン13も駆動させている。これによって、室内熱交換器15(凝縮器)における冷媒から空気への放熱と、室外熱交換器12(蒸発器)における空気から冷媒への吸熱と、の間のバランスをとることができる。
【0043】
また、
図7の例では、室内熱交換器15の加熱中(時刻t1〜t2)、所定の時刻t1aから時刻t2(加熱の終了時)までの所定時間Δtにおいて、室内熱交換器15の加熱が継続され、また、室内熱交換器15の温度が所定値Ta以上の状態が継続している。この所定値Taは、室内熱交換器15の表面の油の軟化が進みやすいか否かの判定基準となる温度閾値であり、予め設定されている。
【0044】
なお、前記した所定値Taが、例えば、40℃に設定されるようにしてもよい。そして、制御部40が、室内熱交換器15(熱交換器)の温度を上昇させる制御において、室内熱交換器15の温度が40℃以上である状態を所定時間、継続させるようにしてもよい。前記した所定時間(
図7の例では、所定時間Δt)は、室内熱交換器15に付着した油が溶けきるのに十分な時間であり、予め設定されている。
【0045】
また、所定時間Δtは、室内熱交換器15の凍結が行われる時間(
図7の時刻t3〜t4)よりも短いことが好ましい。これによって、室内熱交換器15の加熱が無駄に長時間行われることを抑制し、ひいては、ユーザの快適性が高められる他、空気調和機100の消費電力量を削減できる。
【0046】
室内熱交換器15の加熱を行った後の時刻t2〜t3は、所定のバランス期間である。
図7の例では、時刻t2において制御部40は、圧縮機11を停止させ、四方弁17を冷房サイクルに切り替え、さらに、膨張弁14の開度を大きくする(例えば、全開にする)。このような状態が時刻t2〜t3において継続されることで、室内熱交換器15の凍結(時刻t3〜t4)の開始直後から冷房サイクルで冷媒が循環しやすくなる他、圧縮機11に過度な負荷がかかることを抑制できる。ちなみに、四方弁17を冷房サイクルに切り替えるタイミング(
図7の時刻t2)は一例であり、これに限定されるものではない。また、
図7の時刻t2において膨張弁14が全開にされる必要は特になく、膨張弁14を介して冷媒が流れる状態であればよい。
【0047】
なお、制御部40は、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御の終了時(
図7の時刻t2)から、室内熱交換器15を凍結させる処理の開始時(時刻t3)までの間、室内ファン16を停止状態にすることが好ましい。このように、所定のバランス期間(時刻t2〜t3)に室内ファン16を停止状態にすることで、騒音等に伴うユーザの違和感を低減できる他、空気調和機100の消費電力量を削減できる。
【0048】
また、制御部40は、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御の終了時(時刻t2)から所定時間が経過するまでに、室内熱交換器15を凍結させる処理を開始することが好ましい。これによって、いったん軟化した油が再び硬化する前に、室内熱交換器15の凍結・解凍に伴う水で油を洗い流すことができる。なお、前記した所定時間(例えば、1時間)は、いったん軟化した油が常温で放置された場合に、硬化して元の状態に戻るまでの時間であり、予め設定されている。
【0049】
次に、室内熱交換器15を凍結させる際(
図5のS102)、制御部40は、
図7の時刻t3において膨張弁14を所定開度α2に絞って、圧縮機11を駆動させる。前記した所定開度α2は、例えば、通常の空調運転時よりも小さい開度であってもよい。また、室内熱交換器15の凍結中、四方弁17は冷房サイクルの状態で維持されている。
【0050】
これによって、室外熱交換器12が凝縮器として機能する一方、室内熱交換器15が蒸発器として機能する。その結果、飽和温度が0℃よりも低い低圧の冷媒が室内熱交換器15に流れるため、空気中の水分が室内熱交換器15に着霜して凍結する。制御部40は、例えば、室内熱交換器温度センサ33(
図4参照)の検出値が氷点下である状態を所定時間、継続させる。
【0051】
なお、室内熱交換器15の加熱(時刻t1〜t2)に伴って軟化した油は、その後に室内熱交換器15の凍結で温度が急激に下がっても、すぐに硬化する(元の状態に戻る)ことはほとんどない。したがって、凍結した室内熱交換器15の表面では、軟化した状態の油と、氷や霜と、が並存した状態になる。
さらに、室内熱交換器15の温度を上昇させることで、油が軟化し、フィン15a等の表面から油汚れが浮き上がりやすくなる。この状態で室内熱交換器15を冷却すると、表面から油が浮き上がったところ等に水分が入り込む。この状態で室内熱交換器15を凍結させると、凍結に伴う水の体積膨張で油がさらに表面から浮き上がるため、その後に洗浄しやすくなる。
【0052】
図7に示すように、室内熱交換器15の凍結中(時刻t3〜t4)、制御部40が室内ファン16を停止状態にすることが好ましい。これによって、冷えた空気が空調室に吹き出されることを抑制できる。また、
図7の例では、室内熱交換器15の凍結中(時刻t3〜t4)、制御部40が室外ファン13を駆動させている。これによって、室外熱交換器12の冷媒の圧力が高くなりすぎることを抑制し、ひいては、圧縮機11の吐出圧力が高くなりすぎることを抑制できる。
【0053】
このようにして室内熱交換器15を凍結させた後、制御部40は、室内熱交換器15を解凍する(
図5のS103)。すなわち、時刻t4において制御部40は、圧縮機11や室外ファン13を停止させる他、室内ファン16を停止状態で維持し、膨張弁14の開度を大きくする(例えば、膨張弁14を全開にする)。これによって、高圧側の室外熱交換器12から、膨張弁14を介して、低圧側の室内熱交換器15に高温の冷媒が流れ込む。その結果、室内熱交換器15の霜や氷が溶けて、室内熱交換器15の塵埃とともに油も洗い流される(
図6参照)。
【0054】
なお、
図7は一例であり、室内熱交換器15の洗浄運転における各機器の制御は、これに限らない。例えば、室内熱交換器15の加熱中や凍結中、圧縮機11の回転速度や、膨張弁14の開度が適宜に変更されるようにしてもよい。
【0055】
<効果>
第1実施形態によれば、制御部40が、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御を行うことで(
図5のS101)、室内熱交換器15に固着していた油が軟化する。このように室内熱交換器15の表面の油を軟化させた後、制御部40は、室内熱交換器15の凍結・解凍を順次に行う(
図5のS102、S103)。これによって、室内熱交換器15の表面の油が、凍結に伴う水で塵埃とともに洗い流される。したがって、室内熱交換器15を清潔な状態にすることができる。また、室内熱交換器15における冷媒と空気との間の熱交換効率を高めることができる。
【0056】
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、室内機20A(
図8参照)にヒータ71(
図8参照)が設けられ、室内熱交換器15がヒータ71で加熱される点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他の点については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0057】
図8は、第2実施形態に係る空気調和機が備える室内機20Aの縦断面図である。
図8に示すように、室内機20Aは、第1実施形態(
図2参照)で説明した構成に加えて、ヒータ71を備えている。ヒータ71は、例えば、暖房運転中に適宜に通電され、空気の加熱を補助的に行う電熱器である。また、ヒータ71は、室内熱交換器15の凍結に先立って通電されることで、室内熱交換器15の温度を上昇させ、その表面の油を軟化させる機能も有している。
【0058】
ヒータ71は、筐体19の内部において、室内熱交換器15(熱交換器)の付近に設けられている。
図8の例では、後側室内熱交換器15dの内側(空気の流れの下流側)にヒータ71が設けられている。ヒータ71は、室内ファン16の軸方向に対して平行に細長く延びている。なお、後側室内熱交換器15dに代えて、前側室内熱交換器15cにヒータ71が設置されてもよい。また、前側室内熱交換器15c及び後側室内熱交換器15dのそれぞれにヒータ71が設置されてもよい。
【0059】
図9は、第2実施形態に係る空気調和機100Aの機能ブロック図である。
図9に示すように、ヒータ71は、室内制御回路41に配線を介して接続されている。そして、室内制御部41b(つまり、制御部40)からの指令によって、ヒータ71に所定に通電されるようになっている。
【0060】
図10は、圧縮機や四方弁の状態の他、膨張弁の開度、室内ファンや室外ファンの回転速度、ヒータの状態、及び室内熱交換器の温度変化を示すタイムチャートである(適宜、
図1、
図9を参照)。
図10に示すように、室内熱交換器15の加熱を行う時刻t1〜t2において、制御部40は、ヒータ71をON状態にする。つまり、制御部40は、室内熱交換器15(熱交換器)の温度を上昇させる制御において、ヒータ71に通電する。なお、室内熱交換器15は金属製であるため、ヒータ71の設置箇所(
図8参照)だけでなく、室内熱交換器15の略全域において、その温度が上昇する。その結果、室内熱交換器15の表面の油が軟化(又は液化・流動化)する。
【0061】
図10の例では、室内熱交換器15の加熱中、圧縮機11や室内ファン16、室外ファン13が停止状態になっている。室内熱交換器15の加熱がヒータ71で十分に行えるのであれば、このように圧縮機11等を停止状態にしてもよい。なお、ヒータ71による室内熱交換器15の加熱中、制御部40が暖房サイクルで冷媒を循環させてもよいし、また、室内ファン16を適宜に駆動させてもよい。
【0062】
室内熱交換器15をヒータ71で加熱した後、
図10の時刻t2〜t3において制御部40は、室内熱交換器15を蒸発器として機能させ、室内熱交換器15を凍結させる。なお、室内熱交換器15の凍結中の処理については、第1実施形態と同様であるから、説明を省略する。室内熱交換器15の凍結中、室内熱交換器15の温度を上昇させないように、ヒータ71はOFF状態になっている。
【0063】
室内熱交換器15を凍結させた後、時刻t3から制御部40は、圧縮機11を停止状態とし、膨張弁14の開度を大きくする(例えば、全開にする)。これによって、室内熱交換器15に高温の冷媒が流れ込むため、室内熱交換器15の霜が溶ける。なお、室内熱交換器15の解凍において、膨張弁14の開度を大きくすることは特に必須ではなく、膨張弁14を介して冷媒が流れる状態であればよい。また、制御部40は、室内熱交換器15を凍結させる処理を行った後、ヒータ71に通電することが好ましい。例えば、制御部40は、室内熱交換器15の解凍中、膨張弁14を全開にした状態でヒータ71に通電する。
【0064】
これによって、室内熱交換器15の解凍が促進される他、ドレンパン18(
図8参照)に滴り落ちた水の温度がヒータ71の熱で上昇する。したがって、ドレンパン18の排水溝(図示せず)やドレンパイプ(図示せず)の表面に固着した油が、温水の熱で軟化し、水とともに排水される。したがって、排水溝やドレンパイプの油詰まりを抑制できる。
【0065】
<効果>
第2実施形態によれば、室内熱交換器15の凍結に先立って、制御部40がヒータ71に通電することで、室内熱交換器15の表面の油を軟化させる。その後に室内熱交換器15の凍結及び解凍が順次に行われることで、室内熱交換器15の表面の油が塵埃とともに洗い流される。また、室内熱交換器15の解凍中に制御部40がヒータ71に通電することで、ドレンパン18の排水溝(図示せず)やドレンパイプ(図示せず)の油詰まりを抑制できる。
【0066】
≪第3実施形態≫
第3実施形態は、室内機20B(
図11参照)に超音波照射器72(
図11参照)が設けられ、室内熱交換器15が超音波で加熱される点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他の点については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0067】
図11は、第3実施形態に係る空気調和機が備える室内機20Bの縦断面図である。
図11に示すように、室内機20Bは、第1実施形態(
図2参照)で説明した構成に加えて、超音波照射器72を備えている。超音波照射器72は、室内熱交換器15に超音波を照射し、室内熱交換器15の温度を上昇させ、その表面の油を軟化(又は液化・流動化)させる機能を有している。
【0068】
超音波照射器72は、筐体19の内部において、室内熱交換器15(熱交換器)の付近に設けられている。
図11の例では、フィルタ21a,21bの接続箇所の付近に超音波照射器72が設置されている。超音波照射器72は、室内ファン16の軸方向に対して平行に細長く延びており、室内熱交換器15(
図11の例では、前側室内熱交換器15c)に臨んでいる。なお、超音波照射器72から照射された超音波は、前側室内熱交換器15cに照射される他、筐体19や前面パネル22等の内壁面で所定に反射し、後側室内熱交換器15dにも照射される。
【0069】
図12は、第3実施形態に係る空気調和機100Bの機能ブロック図である。
図12に示すように、超音波照射器72は、室内制御回路41に配線を介して接続されている。そして、室内制御部41b(つまり、制御部40)からの指令によって、超音波照射器72から超音波が所定に照射されるようになっている。
【0070】
なお、制御部40による超音波照射器72のON/OFFのタイミングについては、第2実施形態で説明したヒータ71の制御(
図10参照)と同様である。すなわち、制御部40は、室内熱交換器15(熱交換器)の温度を上昇させる制御において、超音波照射器72から室内熱交換器15に超音波を照射させる。これによって、室内熱交換器15で熱が発生し、室内熱交換器15の表面の油が軟化する。なお、室内熱交換器15の加熱が超音波照射器72で十分に行えるのであれば、室内熱交換器15の加熱中、圧縮機11等が停止状態で維持されるようにしてもよい。
【0071】
なお、室内熱交換器15の凍結中、制御部40は、室内熱交換器15の温度を上昇させないように、超音波照射器72をOFF状態で維持する。一方、室内熱交換器15の解凍中には、制御部40が、超音波照射器72によって室内熱交換器15に超音波を照射させるようにしてもよい。これによって、室内熱交換器15の解凍が促進される他、ドレンパン18(
図11参照)に滴り落ちた水の温度が上昇する。したがって、ドレンパン18の排水溝(図示せず)やドレンパイプ(図示せず)の油詰まりを抑制できる。
【0072】
<効果>
第3実施形態によれば、室内熱交換器15の凍結に先立って、制御部40が、超音波照射器72から室内熱交換器15に超音波を照射させ、室内熱交換器15の表面の油を軟化させる。その後に室内熱交換器15の凍結及び解凍が順次に行われることで、室内熱交換器15の表面の油が、凍結に伴う水で塵埃とともに洗い流される。
【0073】
≪第4実施形態≫
第4実施形態は、室内機20C(
図13参照)に撮像部73が設けられ、撮像部73の撮像結果に基づいて、室内熱交換器15の加熱等が行われる点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0074】
図13は、第4実施形態に係る空気調和機が備える室内機20Cの縦断面図である。
図13に示すように、室内機20Cは、第1実施形態(
図2参照)で説明した構成に加えて、撮像部73を備えている。撮像部73は、空調室を撮像するものであり、筐体19に所定に設置されている。
図13の例では、縦断面視において前面パネル22と上下風向板24との間に撮像部73が設置されている。また、空調室を撮像するために、水平方向に対して、撮像部73が所定角度だけ下方を向いた状態で設置されている。
【0075】
図14は、第4実施形態に係る空気調和機100Cの機能ブロック図である。
図14に示す撮像部73は、図示はしないが、CCDセンサ(Charge Coupled Device)やCMOSセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子(図示せず)を備え、配線を介して室内制御回路41に接続されている。そして、撮像部73の撮像結果(画像データ)が、室内制御回路41に出力されるようになっている。
【0076】
室内制御回路41は、撮像部73の撮像結果に基づいて、空調室の在室者を検出する機能を有している。例えば、室内制御回路41は、撮像部73から入力される画像情報に基づいて、人の頭部・胸部・腕・足等を抽出する。そして、撮像部73は、抽出した各部の位置関係に基づいて、人を検出する。なお、前記した方法は一例であり、人を検出する方法は、これに限定されるものではない。そして、室内制御回路41及び室外制御回路42を含む制御部40は、撮像部73の撮像結果に基づいて、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御を行う。
【0077】
図15は、室内熱交換器の洗浄運転に関するフローチャートである。
図15のステップS201において制御部40は、キッチン動作又はダイニング動作を検出したか否かを判定する。
なお、「キッチン動作」とは、在室者が調理を行っているときの動作である。在室者がキッチンで調理を行っているときには、キッチンの付近を横方向に往復移動することが多い。したがって、制御部40は、例えば、在室者の頭部の高さ位置が所定範囲内(人が立っているときの頭部の平均的な高さ位置を含む)であり、さらに、在室者が横方向に往復移動している場合、在室者がキッチン動作を行っていると判定する。
【0078】
一方、「ダイニング動作」とは、在室者が食事を行っているときの動作である。在室者がダイニングで食事をしているときには、椅子に座った状態で頭部がほとんど動かないことが多い。したがって、制御部40は、例えば、在室者の頭部の高さ位置が所定範囲内(人が座っているときの頭部の平均的な高さ位置を含む)であり、さらに、在室者の頭部の移動距離が所定値以下である場合、在室者がダイニング動作を行っていると判定する。
【0079】
ステップS201においてキッチン動作又はダイニング動作を検出した場合(S201:Yes)、制御部40の処理はステップS202に進む。ステップS202において制御部40は、室内熱交換器15の洗浄運転の頻度を高めに設定する。つまり、制御部40は、キッチン動作及びダイニング動作のいずれも検出しなかった場合に比べて、室内熱交換器15の加熱を伴う洗浄運転の頻度を高めに設定する。
【0080】
次に、ステップS203において制御部40は、空調運転の積算時間が所定値に達したか否かを判定する。つまり、制御部40は、前回の洗浄運転の終了時から空調運転の実行時間を積算した値(和をとった値)が所定値に達したか否かを判定する。ステップS203において、空調運転の積算時間が所定値に達した場合(S203:Yes)、制御部40の処理はステップS204に進む。
そして、制御部40は、室内熱交換器15の加熱(S204)、凍結(S205)、及び解凍(S206)を順次に行う。なお、ステップS204〜S206の処理については、第1実施形態(
図5参照)のステップS101〜S103と同様であるから、その説明を省略する。一方、ステップS203において、空調運転の積算時間が所定値に達していない場合(S203:No)、制御部40は、ステップS203の処理を繰り返す。
【0081】
前記したように、キッチン動作又はダイニング動作を検出した場合(S201:Yes)、制御部40が、室内熱交換器15の加熱を伴う洗浄運転を高頻度で行うことで(S202)、室内熱交換器15を清潔な状態にすることができる。つまり、調理や食事に伴って空気中に浮遊する油煙が室内熱交換器15に付着した場合でも、室内熱交換器15の加熱によって油が軟化され、さらに凍結・解凍によって、塵埃とともに洗い流される。
【0082】
また、ステップS201において、キッチン動作及びダイニング動作のいずれも検出しなかった場合(S201:No)、制御部40の所定はステップS203に進む。そして、ステップS203において、空調運転の積算時間が所定値に達した場合(S203:Yes)、制御部40は、加熱を伴う室内熱交換器15の洗浄運転を通常の頻度で行う。
なお、キッチン動作やダイニング動作が検出されたか否かに関わらず、室内熱交換器15の加熱を伴う今回の洗浄運転と、加熱を伴う次回の洗浄運転と、の間に、加熱を伴わない洗浄運転(凍結・解凍)が適宜に行われるようにしてもよい。
【0083】
<効果>
第4実施形態によれば、制御部40は、撮像部73の撮像結果に基づいて、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御を行った後、室内熱交換器15の凍結等を行う。これによって、調理や食事に伴う油が室内熱交換器15に付着した場合でも、室内熱交換器15の加熱によって油を軟化させた上で、塵埃とともに油を洗い流すことができる。また、酸化が進んで固着した油も加熱によって軟化され、さらに、室内熱交換器15が凍結・解凍されることで、塵埃とともに油も洗い流される。
【0084】
≪第5実施形態≫
第5実施形態は、室内機20D(
図16参照)にフィルタ清掃部74(
図16参照)が設けられている点が、第1実施形態とは異なっている。また、第5実施形態は、室内熱交換器15の加熱を伴う洗浄運転の頻度が、フィルタ21a,21b(
図16参照)の清掃の頻度よりも低い点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0085】
図16は、第5実施形態に係る空気調和機の室内機20Dが備えるフィルタ21a,21b及びフィルタ清掃部74の斜視図である。
図16に示すように、室内機20Dは、フィルタ21a,21bの清掃を行う可動式のフィルタ清掃部74を備えている。フィルタ清掃部74は、枠体74aと、フィルタ清掃用ブラシ74bと、フィルタ清掃用モータ(図示せず)と、を備えている。
【0086】
枠体74aは、逆L字状を呈し、フィルタ21a,21bの外側に配置されている。
フィルタ清掃用ブラシ74bは、フィルタ21a,21bに付着した塵埃を掻き取るためのブラシであり、枠体74aの内側に設置されている。
フィルタ清掃用モータ(図示せず)は、枠体74aを横方向に移動させる駆動源である。そして、フィルタ清掃用モータが駆動すると、枠体74aが幅方向に移動し、フィルタ21a,21bの表面の塵埃がフィルタ清掃用ブラシ74bによって掻き取られるようになっている。
【0087】
なお、制御部40は、洗浄運転において室内熱交換器15(熱交換器)の温度を上昇させる制御の頻度を、フィルタ清掃部74によるフィルタ21a,21bの清掃の頻度よりも低くすることが好ましい。このように、室内熱交換器15を加熱する頻度を低くすることで、空調室に温風が吹き出されることに伴うユーザの不快感や違和感を低減できる。
【0088】
<効果>
第5実施形態によれば、制御部40は、室内熱交換器15の加熱を伴う洗浄運転の頻度を、フィルタ21a,21bの清掃の頻度よりも低くする。これによって、空調室に温風が吹き出されることに伴うユーザの不快感や違和感を低減できる。
【0089】
≪第6実施形態≫
第6実施形態は、室内熱交換器15(
図1参照)に代えて、室外熱交換器12の加熱・凍結・解凍が順次に行われる点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他(空気調和機の構成等:
図1〜
図4参照)については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0090】
図17は、第6実施形態に係る空気調和機における室外熱交換器の洗浄運転に関するフローチャートである(適宜、
図1、
図4を参照)。
なお、
図17では省略しているが、例えば、前回の洗浄運転の終了時から空調運転の実行時間を積算した値(和をとった値)が所定値に達した場合、
図17に示す一連の処理が開始される。その他にも、リモコン50(
図4参照)等の操作端末をユーザが所定に操作した場合、
図17に示す一連の処理が開始されるようにしてもよい。また、室外機30(
図1参照)の設置環境によっては、塵埃の他に油も室外熱交換器12に付着することがある。
【0091】
ステップS301において制御部40は、室外熱交換器12を加熱する。つまり、制御部40は、室外熱交換器12(熱交換器)を凍結させる処理(S302)に先立って、室外熱交換器12の温度を上昇させる制御(S301)を行う。例えば、制御部40は、冷媒回路10において冷房サイクルで冷媒を循環させ、室外熱交換器12を凝縮器として機能させる。
【0092】
なお、制御部40は、室外熱交換器12の温度が40℃以上である状態を所定時間、継続させることが好ましい。これによって、室外熱交換器12に固着していた油が加熱されて軟化(又は液化・流動化)する。なお、室外熱交換器12の温度を検出する室外熱交換器温度センサ(図示せず)が設けられているものとする。
【0093】
次に、ステップS302において制御部40は、室外熱交換器12を凍結させる。すなわち、制御部40は、冷媒回路10において暖房サイクルで冷媒を循環させ、室外熱交換器12(熱交換器)を蒸発器として機能させ、室外熱交換器12を凍結させる処理を行う。
【0094】
次に、ステップS303において制御部40は、室外熱交換器12を解凍する。例えば、制御部40は、圧縮機11を停止状態とし、膨張弁14の開度を大きくする。これによって、高圧側の室内熱交換器15から冷媒配管を介して、低圧側の室外熱交換器12に高温の冷媒が流れ込む。その結果、室外熱交換器12の霜や氷が溶けて、塵埃とともに油が洗い流される。
【0095】
図18は、圧縮機や四方弁の状態の他、膨張弁の開度、室内ファンや室外ファンの回転速度、及び室外熱交換器の温度変化を示すタイムチャートである。
なお、室外熱交換器12を加熱する制御が行われる前において、空調運転が停止状態になる直前には、暖房運転の他、冷房運転や除湿運転が行われていてもよい。
図18に示すように、時刻t1〜t2において制御部40は、四方弁17を冷房サイクルの状態とし、膨張弁14を所定開度α1に絞り、圧縮機11を駆動させ、室外熱交換器12を凝縮器として機能させる(
図17のS301)。これによって、室外熱交換器12が加熱される。室外熱交換器12の加熱中、制御部40は、室内ファン16を低速で駆動させるとともに、室外ファン13(ファン)も駆動させる。
なお、制御部40は、室外熱交換器12の温度を上昇させる制御の少なくとも一部の期間で、室内ファン16を、この室内ファン16の回転速度の上限値と下限値との和を2で除算した値以下の回転速度で駆動(正回転又は逆回転)させることが好ましい。ここで、前記した「下限値」は、空調運転中に制御部40が圧縮機11を駆動させている場合での室内ファン16の回転速度の下限値である。この「下限値」には、室内ファン16の停止状態(つまり、0[min
−1])は含まれないものとする。これによって、冷えた空気が空調室に吹き出されることを抑制できる。また、室外ファン13の駆動によって、圧縮機11の吐出圧力が高くなりすぎることを抑制できる。
ちなみに、室外熱交換器12の加熱中の室内ファン16の回転速度と、その後の凍結中の室内ファン16の回転速度と、が同一である必要は特にない。また、室外ファン13についても同様のことがいえる。
【0096】
室外熱交換器12の加熱を行った後、制御部40は、四方弁17を暖房サイクルに切り替え(時刻t2)、膨張弁14を所定開度α2に絞り、圧縮機11を駆動させ、室外熱交換器12を蒸発器として機能させる(
図17のS302)。これによって、室外熱交換器12の凍結が進む。なお、室外熱交換器12の凍結中、室内ファン16及び室外ファン13は所定に駆動される。
【0097】
室外熱交換器12の凍結後、制御部40は、時刻t4から膨張弁14の開度を大きくして、室外熱交換器12を解凍する(
図17のS303)。これによって、高圧側の室内熱交換器15から低圧側の室外熱交換器12に高温の冷媒が流れ込むため、室外熱交換器12の霜や氷が溶けて、塵埃とともに油が洗い流される。
【0098】
<効果>
第6実施形態によれば、制御部40が、室外熱交換器12の温度を上昇させる制御を行うことで(
図17のS301)、室外熱交換器12に付着していた油を軟化させる。そして、制御部40は、室外熱交換器12の凍結及び解凍を順次に行う(
図17のS302、S303)。これによって、室外熱交換器12に付着していた油が、凍結に伴う水で塵埃とともに洗い流される。したがって、室外熱交換器12を清潔な状態にできる他、室外熱交換器12の熱交換効率を高めることができる。
【0099】
≪第7実施形態≫
第7実施形態は、室内熱交換器15の洗浄運転と、室外熱交換器12の洗浄運転と、が連続して行われる点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他(空気調和機の構成等:
図1〜
図4参照)については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0100】
図19は、第7実施形態に係る空気調和機における室内熱交換器及び室外熱交換器の洗浄運転に関するフローチャートである(適宜、
図1、
図4を参照)。
ステップS401において制御部40は、室内熱交換器15を加熱する。例えば、制御部40は、冷媒回路10において暖房サイクルで冷媒を循環させ、室内熱交換器15を凝縮器として機能させることで、室内熱交換器15の温度を上昇させる。これによって、室内熱交換器15の表面の油が軟化する。
【0101】
ステップS402において制御部40は、冷媒回路10において冷房サイクルで冷媒を循環させ、室内熱交換器15(蒸発器)を凍結させる一方、室外熱交換器12(凝縮器)を加熱する。これによって、室内熱交換器15では霜や氷が成長する一方、室外熱交換器12の表面の油が軟化する。
次に、ステップS403において制御部40は、冷媒回路10において暖房サイクルで冷媒を循環させ、室内熱交換器15(凝縮器)を解凍する一方、室外熱交換器12(蒸発器)を凍結させる。これによって、室内熱交換器15の表面の油が塵埃とともに洗い流される一方、室外熱交換器12では霜や氷が成長する。
【0102】
ステップS404において制御部40は、室外熱交換器12を解凍する。例えば、制御部40は、膨張弁14の開度を大きくすることで、高圧側の室内熱交換器15から、低圧側の室外熱交換器12に高温の冷媒を流入させる。これによって。室外熱交換器12の表面の油が塵埃とともに洗い流される。ステップS404の処理を行った後、制御部40は、洗浄運転に関する一連の処理を終了する(END)。
【0103】
<効果>
第7実施形態によれば、室内熱交換器15の凍結中に室外熱交換器12の加熱も併せて行われる(
図19のS402)。また、室内熱交換器15の解凍中に室外熱交換器12の凍結も併せて行われる(
図19のS403)。これによって、室内熱交換器15や室外熱交換器12の両方を短時間で洗浄できるため、ユーザの快適性が高められる他、洗浄運転に要する空気調和機100の消費電力量を削減できる。
【0104】
≪変形例≫
以上、本発明に係る空気調和機100等について各実施形態で説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、第1実施形態では、制御部40が室内熱交換器15を凍結させ、室内熱交換器15を洗浄する場合について説明したが、これに代えて、室内熱交換器15を結露させてもよい。具体例を挙げると、制御部40は、まず、空調室の温度及び湿度の検出値に基づいて、空気の露点を算出する。そして、制御部40は、室内熱交換器15の温度が、前記した露点以下であり、かつ、所定の凍結温度よりも高くなるように、膨張弁14の開度等を制御する。なお、「凍結温度」とは、室内熱交換器15の温度を低下させたとき、空気に含まれる水分が室内熱交換器15で凍結し始める温度である。このように室内熱交換器15の結露に伴う水で室内熱交換器15を洗浄することも可能である。
なお、第2〜第7実施形態についても同様に、制御部40が、室内熱交換器15及び/又は室外熱交換器12(つまり、熱交換器)を結露水で洗浄するようにしてもよい。
【0105】
また、第1実施形態では、制御部40が、室内熱交換器15の加熱中(
図7の時刻t1〜t2)、室内ファン16を駆動させる場合について説明したが、これに限らない。すなわち、制御部40が、室内熱交換器15(熱交換器)の温度を上昇させる制御の少なくとも一部の期間で室内ファン16(ファン)を駆動させるようにしてもよい。これによって、圧縮機11の吐出圧力が高くなりすぎることを抑制できる。なお、第2〜第5実施形態の他、第7実施形態についても同様のことがいえる。
また、第6、第7実施形態において、制御部40が、室外熱交換器12(熱交換器)の温度を上昇させる制御の少なくとも一部の期間で室外ファン13(ファン)を駆動させるようにしてもよい。
【0106】
また、第1実施形態では、制御部40が、室内熱交換器15の加熱中(
図7の時刻t1〜t2)、上下風向板24を水平方向よりも上向きにし、室内ファン16を正回転で低速駆動させる場合について説明したが、これに限らない。すなわち、制御部40は、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御の少なくとも一部の期間で、室内ファン16を逆回転させるようにしてもよい。なお、室内ファン16の逆回転とは、通常の空調運転時とは逆向きの回転である。これによって、空気吸込口25a,25b(
図2参照)を介して、天井に向けて空気が吹き出されるため、加熱された空気がユーザに直接当たることを抑制できる。
【0107】
また、第1実施形態では、制御部40が、室内熱交換器15の凍結中(
図7の時刻t3〜t4)、室内ファン16を停止状態にする場合について説明したが、これに限らない。すなわち、制御部40が、室内熱交換器15を凍結(又は結露)させる処理の少なくとも一部の期間で室内ファン16を停止状態にするようにしてもよい。これによって、室内熱交換器15の凍結中に冷えた空気が空調室に吹き出されることを抑制できる。特に、室内熱交換器15を凍結(又は結露)させる処理の開始時から所定時間は、制御部40が室内ファン16を停止状態にすることが好ましい。これによって、加熱で高温になった室内熱交換器15の温度を速やかに低下させ、室内熱交換器15を凍結させることができる。また、室内熱交換器15の凍結中、制御部40が室内ファン16を低速(凍結を行える程度の回転速度)で駆動させるようにしてもよい。なお、第2〜第7実施形態についても同様のことがいえる。
【0108】
また、第1実施形態において、制御部40は、室内温度センサ29(
図4参照)又は室外温度センサ37(
図4参照)の検出値が所定値以上である場合、室内熱交換器15(熱交換器)の温度を上昇させる制御を行わないことが好ましい。これによって、室内熱交換器15の加熱で空調室の温度が高くなり過ぎることを防止し、ユーザにとっての快適性を高めることができる。なお、第2〜第7実施形態についても同様である。
また、第6、第7実施形態に関しては、制御部40は、室内温度センサ29(
図4参照)又は室外温度センサ37(
図4参照)の検出値が所定値以上である場合には、室外熱交換器12(熱交換器)の温度を上昇させる制御を行わないことが好ましい。これによって、室外熱交換器12の加熱後の凍結中、室内熱交換器15(凝縮器)から吸熱した高温の空気が室内に吹き出されることを抑制できる。
また、例えば、室内熱交換器15(熱交換器)を凍結又は結露させる処理を行う場合において、室内熱交換器温度センサ33(熱交換器温度センサ:
図4参照)の検出値が既に所定値以上であるときには、制御部40が、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御を行うことなく、前記した処理を開始することが好ましい。その具体例として、室内熱交換器15を凍結又は結露させる処理の前回の終了時からの空調運転の実行時間の積算値が所定値に達した場合、又は、リモコン50(操作端末)から処理(室内熱交換器15の凍結等)の開始指令があった場合において、室内熱交換器温度センサ33の検出値が所定値以上であるとき、制御部40は、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御を行わずに、今回の凍結等の処理を開始するようにしてもよい。また、リモコン50(操作端末)から処理(室内熱交換器15の凍結等)の開始指令があった場合において、この開始指令から所定の時間遡った時間の範囲内で、室内熱交換器温度センサ33の検出値が所定値以上であるとき、制御部40は、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御を行わずに、今回の凍結等の処理を開始するようにしてもよい。室内熱交換器15の凍結等を開始する際、既に室内熱交換器15の温度が比較的高いのであれば(例えば、直前に暖房運転が行われた場合)には、室内熱交換器15を加熱する必要が特にないからである。これによって、室内熱交換器15の洗浄に要する時間を短縮できる他、空気調和機100の消費電力量を削減できる。同様に、室外熱交換器温度センサ(熱交換器温度センサ:図示せず)の検出値が所定値以上である場合、制御部40が、室外熱交換器12の温度を上昇させる制御を行うことなく、室外熱交換器12を凍結又は結露させる処理を開始するようにしてもよい。
【0109】
また、第1実施形態では、制御部40が室内熱交換器15を凍結させた後、膨張弁14を全開にすることで(
図7の時刻t4以後)、室内熱交換器15を解凍する場合について説明したが、これに限らない。例えば、室内熱交換器15の解凍において、膨張弁14の開度を大きくすることは特に必須ではなく、膨張弁14を介して冷媒が流れる状態であればよい。また、制御部40が、冷媒回路10において暖房サイクルで冷媒を循環させ、室内熱交換器15を凝縮器として機能させることで、室内熱交換器15を解凍するようにしてもよい。また、制御部40が圧縮機11を停止状態とし、室内ファン16を適宜に駆動させることで、室内熱交換器15を解凍するようにしてもよい。なお、第2〜第7実施形態についても同様である。
【0110】
また、第1実施形態では、洗浄運転として、室内熱交換器15の加熱・凍結・解凍が順次に行われる場合について説明したが(
図5参照)、室内熱交換器15の解凍の処理(
図5のS103)を省略してもよい。凍結後に室内熱交換器15がそのまま放置された場合でも、室内熱交換器15の霜や氷が、空気の熱で自然に解凍されるからである。なお、第2〜第7実施形態についても同様のことがいえる。
【0111】
また、各実施形態は、適宜に組み合わせることが可能である。例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせ、制御部40が、室内熱交換器15を凝縮器として機能させつつ(第1実施形態)、ヒータ71に通電することで(第2実施形態)、室内熱交換器15を加熱するようにしてもよい。
また、例えば、第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせ、制御部40が、室内熱交換器15を凝縮器として機能させつつ(第1実施形態)、超音波照射器72から超音波を照射することで(第3実施形態)、室内熱交換器15を加熱するようにしてもよい。なお、室内熱交換器15の加熱方法として、第1〜第3実施形態の全てを組み合わせてもよい。
【0112】
また、例えば、第2、第3実施形態と第6実施形態とを組み合わせるようにしてもよい。その他、室内熱交換器15又は室外熱交換器12の加熱方法として、他の方法が適宜に用いられてもよい。
【0113】
また、第4実施形態では、撮像部73(
図13参照)による撮像結果に基づいて、制御部40がキッチン動作やダイニング動作が検出した場合(
図15のS201:Yes)、洗浄運転の頻度を高くする処理(S202)について説明したが、これに限らない。例えば、「撮像部」としてサーモパイルやサーモグラフィを用いた場合において、空調室に熱源(ガスコンロの火等)を検出した場合、制御部40が、加熱を伴う室内熱交換器15を洗浄運転の頻度を高くするようにしてもよい。このような構成によれば、調理に伴う油が室内熱交換器15に付着した場合でも、室内熱交換器15の加熱によって油を軟化させ、さらに、凍結に伴う水で油を洗い流すことができる。
【0114】
また、第4実施形態で説明した空調室の撮像に代えて、次の処理が行われるようにしてもよい。すなわち、リモコン50(
図4参照)の他、スマートフォン、携帯電話、タブレット等の「操作端末」へのユーザの操作に基づいて、キッチンやダイニングの有無に関する情報が入力されるようにしてもよい。そして、空調室にキッチンやダイニングが存在する場合、制御部40は、加熱を伴う室内熱交換器15の洗浄運転を高頻度で行うようにする。このように、制御部40が、「操作端末」の操作に基づいて、室内熱交換器15の温度を上昇させる制御を行うことで、室内熱交換器15を清潔な状態にすることができる。
【0115】
また、ユーザがリモコン50(
図4参照)等の「操作端末」を所定に操作した場合、制御部40が、加熱を伴う室内熱交換器15の洗浄運転を行うようにしてもよい。例えば、春や秋といた中間期に空気調和機100が数カ月間に亘って使用されなかった場合、室内熱交換器15に油汚れが溜まっていることが多い。このような場合、夏や冬に空気調和機100を再び使用し始める際、ユーザがリモコン50等の「操作端末」を所定に操作することで、洗浄運転を行うようにしてもよい。これによって、室内熱交換器15の油汚れが洗い流される。
【0116】
また、第7実施形態では、室内熱交換器15及び室外熱交換器12の洗浄運転において、制御部40が、室内熱交換器15を加熱する制御を先に行う場合について説明したが(
図19参照)、これに代えて、次の処理を行ってもよい。すなわち、制御部40は、室外熱交換器12を所定に加熱する制御を行った後、暖房サイクルで冷媒を循環させ、室外熱交換器12(蒸発器)を凍結させる一方、室内熱交換器15(凝縮器)を加熱する。そして、制御部40は、冷房サイクルで冷媒を循環させ、室外熱交換器12(凝縮器)を解凍する一方、室内熱交換器15(蒸発器)を凍結させる。次に、制御部40は、例えば、膨張弁14の開度を大きくして、室内熱交換器15を解凍する。このような処理でも、室内熱交換器15及び室外熱交換器12の両方を洗浄できる。
【0117】
また、各実施形態では、室内機20(
図1参照)及び室外機30(
図1参照)が一台ずつ設けられる構成について説明したが、これに限らない。すなわち、並列接続された複数台の室内機を設けてもよいし、また、並列接続された複数台の室外機を設けてもよい。また、ルームエアコンの他、パッケージエアコンやビル用マルチエアコンにも、各実施形態を適用できる。
【0118】
また、各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
熱交換器を清潔な状態にする空気調和機を提供する。空気調和機(100)は、圧縮機(11)と、室外熱交換器(12)と、膨張弁(14)と、室内熱交換器(15)と、を備えるとともに、室内熱交換器(15)又は室外熱交換器(12)である熱交換器を蒸発器として機能させ、当該熱交換器を凍結又は結露させる処理を行う制御部を備え、制御部は、前記処理に先立って、前記熱交換器の温度を上昇させる制御を行う。