特許第6945118号(P6945118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6945118-ドアノブ 図000002
  • 特許6945118-ドアノブ 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6945118
(24)【登録日】2021年9月16日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】ドアノブ
(51)【国際特許分類】
   E05B 1/00 20060101AFI20210927BHJP
【FI】
   E05B1/00 311H
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-77171(P2018-77171)
(22)【出願日】2018年3月27日
(65)【公開番号】特開2019-173533(P2019-173533A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2019年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】508078949
【氏名又は名称】秋岡 芳彦
(72)【発明者】
【氏名】秋岡 芳彦
【審査官】 鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭64−002874(JP,U)
【文献】 実公昭36−014240(JP,Y1)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2012−0000638(KR,U)
【文献】 特開平03−110273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面にドア錠本体の回動部のスリットに挿通されるスピンドルとこのスピンドルの端部が夫々が挿入される第1の凹部が設けられた前記ドア錠本体を挟んで対向して設けられた一対の駆動用アダプターとこの一対の駆動用アダプターの夫々の背面に設けられた第2の凹部とこの第2の凹部夫々に挿入係合される駆動ピンを設けてなる一対のレバーハンドルユニットとで構成されるドアノブ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の間仕切り等のドアに使用されるドアノブに関するものであり、握り玉式のドアノブをレバー式に変更するドアノブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
事務所などには来客スペースや打合せスペースを確保し、事務室と区別するために間仕切りが使用されており、それらのドアには、握り玉式のドアノブが一般的に使用されている。
【0003】
この握り玉式のドアノブの従来の構成について説明すると、1はドア錠本体であり、ドア(図示せず)に装着されている。1aは錠本体の開閉を行うための回動部のスリットである。2はドア表側に装着される第1の握り玉本体であり、2aは、この握り玉本体2から突出し、前記スリット1aに挿通されるように設けられたスピンドル部である。2cは第1の握り玉本体2から突出するように設けられた支柱部である。
【0004】
3は、ドアの裏側に装着される第2の握り玉本体であり、前記スピンドル部2aが前記スリット1aを介して挿入される穴部3aが設けられている。
4は、握り玉取付板であり、取付孔4aを挿通する取付板固定ネジ5により、前記第1の握り玉本体2の支柱部2cにねじ止めされて第1の握り玉本体2は固定される。
なお、第2の握り玉本体3も、握り玉取付板4のネジ部4bにより取り付けられる。
【0005】
以上のように構成された従来の握り玉式のドアノブは、握り玉本体2または3を回動することで、スピンドル部2aを回動し、錠本体1の回動部のスリット1aを介して錠本体1の開閉を行うものである。
【0006】
なお、間仕切りなどのスペースを利用するにあたり荷物の搬入に際し、握り玉式のドアノブではドアの開閉操作に握り玉を手で握り回転させる必要があり、荷物で手が塞がっている時に、ドアの開閉が簡単に行えず、レバー式への変更要望が増えてきている。
【0007】
レバー式への変更は錠部分を含めての置き換えや、簡易的に握り玉にシリコン製のレバーをかぶせるなどの方法が提案されている。
後者の例には、技術文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実登3073920号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前述した錠部分を含めてのレバー式への置き換えは、コスト高となり、後述した握り玉にシリコン製のレバーをかぶせるものは、レバーの位置がずれてくるなどの課題を有するものであった。
【0010】
また、前述した方法には、予め、握り玉に使用される錠本体に合うようにレバーハンドルの錠の回動手段を変更したものもあるが、レバー式への置き換え作業は容易となったものの、錠本体の回動部の形状や寸法の異なるものが多種有り、予め、握り玉ドアノブの錠本体に合うレバーハンドルを多種準備することは、コスト的な課題となっていた。(比較的、汎用性の高い握り玉式のドアノブに対応するものに限定して準備されているのみであった。)
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前面に錠の開閉を行うドア錠本体の回動部を回動させる駆動部と背面にレバーハンドルの駆動操作を受ける受動部を設けた駆動用アダプターを錠本体とレバーハンドルユニット間に前記ドア錠本体を挟んで対向して一対配置する構成としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、前面にドア錠本体の回動部を回動させる駆動部を、背面にレバーハンドルの駆動操作を受ける受動部を設けた駆動用アダプターをドア錠本体とレバーハンドルユニット間に夫々前記ドア錠本体を挟んで対向して一対設けたことでレバーハンドルユニットを錠本体の回動部と関係なく予め作製することができ、両者に合う駆動用アダプターを用いることで容易にレバーハンドルへの交換を安価に行えるものである。
【0013】
なお、上記構成の一対の駆動用アダプターの駆動部前面に設けた夫々の凹部にドア錠本体の回動部のスリットに挿通されるスピンドルの端部が夫々挿入される構成として前記ドア錠本体の開閉機構を形成したものである。
【0014】
また、前記駆動用アダプターの前記受動部に係合して回動操作する駆動ピンを設けたレバーハンドルユニットを準備することで、夫々のレバーハンドルユニットは駆動用アダプターを介して錠本体の開閉操作を行うことになり、安価で汎用性に富むレバーハンドルユニットの提供を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るレバーハンドル式のドアノブの分解斜視図
図2】従来の握り玉式のドアノブの分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施の形態を図1のレバーハンドル式のドアノブの分解斜視図により説明する。なお、従来技術と同一部分は同一番号を付して説明を省略して説明する。
【0017】
同図によると、10は駆動用アダプターであり、錠本体1を中心にして対向して一対設けられている。この一対の駆動用アダプター10の夫々には前面(錠本体1側)に第1の凹部10aが設けられ、ドア錠本体1の回動部のスリット1aに挿通されるスピンドル10bの端部が挿入され、前記一対のドアノブ変換用アダプター10の夫々の第1の凹部10aとスピンドル10bとで駆動部が構成されている。
【0018】
10cは夫々の駆動用アダプター10の背面に設けられた受動部を構成する第2の凹部であり、11及び12はドアの両側に夫々取り付けられるレバーハンドルユニットであり、11aは、レバーハンドルユニット11に組み込まれた前記第2の凹部10c(図示せず)に挿入係合される駆動ピンである。
【0019】
同様にレバーハンドルユニット12側にも駆動ピン12a(図示せず)が設けられ、このレバーハンドルユニット12側の駆動用アダプター10の第2の凹部10cに挿入係合される構成となっている。
【0020】
13は第1のレバーベースであり、15は第2のレバーベースであり、第1のネジ14によってこの第1のレバーベース13と第2のレバーベース15はドア(図示せず)に装着されたドア錠本体1を挟んで固定されている。
【0021】
なお、16は第2のネジであり、レバーハンドルユニット11をレバーベース13にレバー11bの操作に伴い前記駆動ピン11aが回動可能なように固定している。
【0022】
また、17は第2のレバーベース15をレバーハンドルユニット12に前記レバー12bの操作に伴い前記駆動ピン12a(図示せず)が回動可能なように固定する第3のネジであり、18は一対の駆動用アダプター10とスピンドル10bを回転可能なように一体化する駆動用アダプター固定ネジである。
【0023】
以上のように構成されたドアノブは、レバーハンドルユニット11又は12のレバー11b又は12bを回動操作することで、駆動ピン11a又は12aによって駆動用アダプター10を回動させ、スピンドル10bによりドア錠本体1の回動部を回動させて、ドアの開閉のロックを解除するものである。
【0024】
前述の説明で明らかなように駆動用アダプター10の背面側の受動部は、レバーハンドルユニット11の駆動ピン11aとの関係で一定の構成とすることができるが、前面側の駆動部は、ドア錠本体1の回動部1aとの関係によってその構成を変えることで、レバーハンドルユニットの構成を変更することなく、ドア錠本体1の構成に併せて駆動用アダプター10を変更するのみで、ドアノブを握り玉式からレバーに変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
以上の本実施の形態では、スピンドル10bをドア錠本体1の回動部のスリット1aに挿入されるものとして説明したが、ドアノブ変換用アダプター10前面側の駆動部の中央を角柱状の柱とすることで、ドア錠本体の可動部が角穴の握り玉式のドアノブのレバーへの変更にも駆動用アダプターの変更のみで対応でき、提供するレバーハンドルユニットを汎用性のあるものとすることができるものである。
【符号の説明】
【0026】
1 錠本体
1a スリット
10 駆動用アダプター
10a 第1の凹部
10b スピンドル(10aとで駆動部を構成)
10c 第2の凹部(受動部)
11 レバーハンドルユニット
11a 駆動ピン
図1
図2