(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6945125
(24)【登録日】2021年9月16日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】懸垂方式駐輪機
(51)【国際特許分類】
B62H 3/12 20060101AFI20210927BHJP
B62H 3/02 20060101ALI20210927BHJP
【FI】
B62H3/12
B62H3/02
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-243694(P2018-243694)
(22)【出願日】2018年12月7日
(65)【公開番号】特開2020-90265(P2020-90265A)
(43)【公開日】2020年6月11日
【審査請求日】2019年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】518461160
【氏名又は名称】酒井 正勝
(72)【発明者】
【氏名】酒井 正勝
【審査官】
志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】
実開平01−094553(JP,U)
【文献】
特開平09−177348(JP,A)
【文献】
特開2003−261080(JP,A)
【文献】
特開2008−254605(JP,A)
【文献】
実開平05−026771(JP,U)
【文献】
実開昭60−090354(JP,U)
【文献】
特開昭55−148872(JP,A)
【文献】
実開昭54−131294(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62H 3/02
B62H 3/12
E04H 6/02
E04H 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐輪場天井に取り付けられた横行レールと、
横行レールに組付けられた横行レール用ランナーと、
横行レール用ランナーを介して、横行レールに直交して取付られた下地鋼材と、
下地鋼材の下に取付られた前後走行レールと、
前後走行レールに組付けられた前後走行レール用ランナーと、
前後走行レール用ランナーを介して、前後走行レール一本に一台組付けられた懸垂装置と、
下地鋼材に設けられたスペーサーアームと、スペーサーアーム片側端部に吊り下げられた絡み防止用シートとを備えた駐輪設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自転車を少スペースで多収納の駐輪を可能とする方法を提供する事である
【背景技術】
【0002】
自転車駐輪装置には幾つかの方式が有る、例えば特許文献1には平置き横移動式駐輪機が開示されている。又特許文献2には駐輪機の上下二段式切替可動装置が開示されている。更に特許文献3には円筒型電動大型駐輪設備が開示されている特にこの設備は、電動式構造で複雑で大規模設備と成り多数収納出来る構造と成っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−008376号 公報
【特許文献2】特開2011−1621700号 公報
【特許文献3】特開2010−255400号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現存駐輪場は上部空間利用の、二段機械式駐輪機の多くが操作が重く使い辛い為使用率が低い、特に近年電動自転車が増え、これらが課題と成っている。
又上部空間に収納の場合隣接自転車との接触トラブル回避の為大き目のスペース確保が必要と成り、収納台数が制限されてくる。
それに又、大型(円筒型)電動式駐輪機等は、収容能力やスピードは良いが施設設備が複雑で大掛と成り、更に設置場所確保と高額な為設置が難しく成ってくる。
【0005】
現存マンション駐輪場等に於いて上部空間には余裕あるが、現状二段機械式駐輪機では上部収納に問題多く有り多数収納が難しかった。
本発明は自転車を多数収納するに当たって、まず現存天井スラブや梁H型鋼材に横移動用H型レール▼1▲三本取り付け、これに専用ランナー▼2▲を組付ける。
そしてこの下に走行レール取付けの為、下地補強兼スペーサーアーム取付用C型鋼材▼3▲を取付る、更にこの下地に走行レール▼4▲を取付け、走行ランナー▲5▼を介して懸垂装置▼6▲を取付る、これにより上下方向に配置する手段と当該懸垂装置に繋げたレールランナー装置を持って、前後移動による配置を以て全空間を効果的に活用出来る駐輪設備。
【0006】
本発明第2の特徴は、自転車を収納場所への移動の際隣接自転車との空間確保を図る為、走行レール取付下地兼鋼材▼3▲にスペーサーアーム▼10▼装置を組付け、そしてこの下地鋼材に油圧装置で90度弱回転可動するスペーサーアームを設け、直交する横行レール▼1▲ランナー▼2▲を以て、入出庫の際隣接する自転車の突起部品が障害と成らぬ様、十分な空間確保が図れる駐輪設備。
【0007】
本発明第3の手段は、自転車を収納後も隣接自転車が少々接触しても、移動障害と成らぬ様、スペーサーアーム▼10▲片側端部前後2か所を利用して絡み防止シートを持つ事を、特徴とする駐輪設備である。
【0008】
本発明第4の手段は自転車を吊り上げる方法として吊り専用金物▼9▲を用いて実行し、合わせて万が一の補助安全装置として、ベルトによる吊り補助装置を持つた駐輪設備である。
【0009】
現存駐輪場施設のスペースで、収容台数が大幅に増強出来る。
【0010】
当該懸垂式製品は、多くを公知市場普及製品の使用により設置費用が安価で設置が出来、合わせて後日のメンテナンス費用も安価で済む装置を提供できる。
【0011】
最上部に横移動用レール施設に伴い、入出庫の際の移動空間確保を図り通路より収納場所への移動がスムーズと成り収容スピード能力アップが図れる。
【0012】
自転車入庫後も隣接自転車との絡み防止シートを吊下げることにより少々自転車どうしが接触しても、障害とは成らぬ設備を持つ駐輪機設備である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】懸垂装置▼6▲による上下と、走行レールランナーでの前後移動配置説明図
【
図2】懸垂式駐輪機入出庫に於けるアーム▼10▲回転による移動空間確保説明図
【
図3】懸垂装置昇降ワイヤーと専用吊りラック金物▼9▲と▼19▲・▼20▲図
【
図4】入庫後の隣接自転車との絡み防止用シート▼18▲取付説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
懸垂装置▼6▲での上下配置と走行レール▼4▲ランナー▼5▲での前後配置を[
図1]に示した。
懸垂装置▼6▲は走行レール1本に1台割り当てられており前後配置設定が決まる
懸垂装置▼6▲は公知の横型ブラインド昇降装置を利用して操作コード▼7▲で揚げ降しが出来る。
この時高さ設定は、ストッパーにより設定が決る、次に同じ操作コード▼7▲を持ったまま走行レール▼4▲ランナー▼5▲を利用し収納場所まで移動し配置が完了する。
【0015】
入出庫に於けるスペーサーアーム▼10▲の回転による移動空間確保を[
図2]に示した、自転車を入出庫する際スムーズに移動する為の空間確保には、最上部にレール▼1▲ランナー▼2▲装置を設け横移動空間を図るこの時スペーサーアーム可動に当たっては油圧装置を利用しアームを90度弱回転させて空間確保を図る
更に通路側レールがカーブ仕様に成っているのは、入出庫を際通路から収納場所に方向転換せねばならない為、通路で停止吊り金物▼9▲を装着この時少し斜めには成るが、ワイヤー吊りの特性(融通性)を以て、対応が出来る駐輪設備。
【0016】
自転車懸垂装置専用ワイヤー吊りラック金物▲9▼の形状を[
図3]に示した前方ハンドル部分とサドルシートピラー部分を挟み込み持ち上げる構造とする、又前方ハンドルに平板凹面ヶ所を両側に引掛け、そしてこの部分とサドルシートピラー部分を挟む為、まず長さ調整を行い次に吊り金具が平行と成るよう高さ調整ダイヤルで高さ調整も行い、吊り揚げ準備完了し懸垂装置で巻揚げ操作コード▲7▼でそのまま同じコードを持って前後移動も行う、収納ヶ所へ持ち込み移動を図る
尚、サドルシートピラー部分は他にも固定用部材多数有り、挟み込み困難な場合の補助方法として、吊りベルトによる吊り揚げを合わせて行える構造とする。
【0017】
入庫後の隣接自転車絡み防止シート▲18▼取付説明図を[
図4]に示した。
スペーサーアーム片側端部に、フック金物を取付け(フラットバー付きシート)て隣接自転車どうしは、ハンドルやペダル等の出っ張りがあり、これらが干渉しあい入出庫の際障害と成ることが多い、この為絡み防止シートを設け部材の引っ掛かりを防ぎ、自転車をスムーズに入出庫出来る設備を設けた駐輪設備である。
【符号の説明】
【0018】
▲1▼ 最上部直交(横行)レール
▲2▼ 最上部直交(横行)レール用ランナー
▲3▼ 走行レール取付下地補強兼アーム他取付C型鋼材
▲4▼ 前後走行レール
▲5▼ 前後走行レール用ランナー
▲6▼ 懸垂装置
▲7▼ 懸垂装置操作プーリー兼前後移動操作用コード
▲8▼ 懸垂装置昇降用ワイヤー
▲9▼ 自転車吊上げラック金物
▲10▼ スペーサーアーム
▲11▼ スペーサーアーム操作レバー
▲12▼ スペーサーアーム可動用油圧マスターシリンダー
▲13▼ スペーサーアーム可動用油圧ピストン
▲14▼ 油圧パイプ
▲15▼ 油圧フレキシブルパイプ
▲16▼ スペーサーアーム用ローラー
▲17▼ 絡み防止用シート吊りフック金物
▲18▼ 絡み防止用シート
▲19▼ 吊り上げラック金物高さ調整ダイヤル
▲20▼ 吊り上げラック金物長さ調整ダイヤル
▲21▼ 吊り上げラック金物補助安全ベルト