(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6945255
(24)【登録日】2021年9月16日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】球状物落下緩衝装置
(51)【国際特許分類】
G21C 1/07 20060101AFI20210927BHJP
G21F 3/00 20060101ALI20210927BHJP
G21C 19/19 20060101ALI20210927BHJP
【FI】
G21C1/07 110
G21F3/00 N
G21C19/19 150
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-552301(P2020-552301)
(86)(22)【出願日】2019年11月27日
(65)【公表番号】特表2021-521414(P2021-521414A)
(43)【公表日】2021年8月26日
(86)【国際出願番号】CN2019121188
(87)【国際公開番号】WO2020134808
(87)【国際公開日】20200702
【審査請求日】2020年9月25日
(31)【優先権主張番号】201811639037.3
(32)【優先日】2018年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502192546
【氏名又は名称】清華大学
【氏名又は名称原語表記】Tsinghua University
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】張 海泉
(72)【発明者】
【氏名】聶 君鋒
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲キン▼
(72)【発明者】
【氏名】李 紅克
(72)【発明者】
【氏名】張 作叉
(72)【発明者】
【氏名】董 玉杰
【審査官】
右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−509002(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第101777397(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第108695004(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 1/07
G21F 3/00
G21C 19/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量制限管アセンブリ及び中心柱アセンブリを備え、
前記流量制限管アセンブリは、上から下へ順次に接続される流量制限管と、方向転換ジョイントと、球排出チューブとを備え、
前記流量制限管の直径は前記球排出チューブの直径より大きく、
前記方向転換ジョイントの内表面は円錐面であり、
前記中心柱アセンブリは少なくとも中心柱を備え、
前記中心柱は前記流量制限管中に設置され、
前記流量制限管と前記中心柱との間に導流領域が設けられ、
前記中心柱の外周面にはいくつかの重力流導流溝が設けられていることを特徴とする、球状物落下緩衝装置。
【請求項2】
前記重力流導流溝は螺旋案内溝であり、前記螺旋案内溝は前記中心柱の外周面に周設されていることを特徴とする、請求項1に記載の球状物落下緩衝装置。
【請求項3】
前記中心柱は上から下へ順次に設置される接続柱と接続ロッドとを備え、
前記接続柱は前記流量制限管中に設置され、
前記接続ロッドの底部は前記方向転換ジョイントを貫通して前記球排出チューブ中に設置され、
前記接続柱は前記接続ロッドに取り外し可能に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の球状物落下緩衝装置。
【請求項4】
前記中心柱は前記接続ロッドと接続されている球排出ロッドをさらに備え、
前記球排出ロッドの底部には方向変換端が設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の球状物落下緩衝装置。
【請求項5】
前記重力流導流溝は縦方向案内溝であり、
前記中心柱には縦方向に延びる複数の案内溝エッジが設けられ、
複数の前記案内溝エッジは前記中心柱の外周面に周設され、
隣接する2つの前記案内溝エッジの間には1つの前記縦方向案内溝が形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の球状物落下緩衝装置。
【請求項6】
前記方向変換端は、それぞれ各前記縦方向案内溝中に設置される内斜面、及び前記球排出ロッドの外側に設置される外錐面を備え、
前記外錐面と前記縦方向案内溝との間は前記内斜面を介して円滑に渡って接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の球状物落下緩衝装置。
【請求項7】
前記方向転換ジョイントの内表面には第1の突起リブ又は下凹溝が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の球状物落下緩衝装置。
【請求項8】
前記方向転換ジョイントの内表面には第2の突起リブが設けられ、
前記第2の突起リブの数は前記案内溝エッジの数と同じ数であり、かつ各前記第2の突起リブは各前記案内溝エッジと1対1で対応していることを特徴とする、請求項5に記載の球状物落下緩衝装置。
【請求項9】
前記流量制限管の上部と接続されている球供給管アセンブリを更に備え、
前記球供給管アセンブリはいくつかのフィードパイプを備え、
前記流量制限管には前記フィードパイプの数と同じ数の球供給孔が設けられ、
前記球供給孔は前記導流領域に連通し、各前記フィードパイプはそれぞれフィードパイプ口を介して各前記球供給孔と1対1で対応して接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の球状物落下緩衝装置。
【請求項10】
前記中心柱アセンブリは前記中心柱の頂部に接続される中心柱支持具をさらに備え、
前記中心柱支持具は前記流量制限管に接続され、
前記流量制限管の頂部には遮蔽アセンブリが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の球状物落下緩衝装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2018年12月29日に提出された、出願番号が2018116390373で、発明の名称が「球状物落下緩衝装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、エンジニアリング技術分野に関し、特に球状物落下緩衝装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ペブルベッド高温ガス冷却炉は、球状物が炉心を複数回通過するという形態で炉を停止せず連続動作を実現し、採用される球状物は、直径が60mmであり、高強度、高密度、高純度の黒鉛がベースとして使用され、設計上の要件は、単一の球状物が4mの高さから自由落下運動の方式でペブルベッドに50回落下しても損傷しないことである。一旦球状物が損傷すると、燃料積み降ろしシステムの動作の安定性、及び球通路内の運動装置部材の動作の信頼性に深刻な影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の目的は、球状物及びサイロ胴体を良好に保護することができる球状物落下緩衝装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術課題を解決するために、本願は、流量制限管アセンブリ及び中心柱アセンブリを備え、前記流量制限管アセンブリは、上から下へ順次に接続される流量制限管、方向転換ジョイント、及び球排出チューブを備え、前記流量制限管の直径は前記球排出チューブの直径より大きく、前記方向転換ジョイントの内表面は円錐面であり、前記中心柱アセンブリは少なくとも中心柱を備え、前記中心柱は前記流量制限管中に設置され、前記流量制限管と前記中心柱との間に導流領域が設けられ、前記中心柱の外周面にはいくつかの重力流導流溝が設けられている球状物落下緩衝装置を提供する。
【0006】
具体的には、前記重力流導流溝は螺旋案内溝であり、前記螺旋案内溝は前記中心柱の外周面に周設されていてもよい。
【0007】
更に、前記中心柱は上から下へ順次に設置される接続柱及び接続ロッドを備え、前記接続柱は前記流量制限管中に設置され、前記接続ロッドの底部は前記方向転換ジョイントを貫通して前記球排出チューブ中に設置され、前記接続柱は前記接続ロッドに取り外し可能に接続されていてもよい。
【0008】
更に、前記中心柱は前記接続ロッドと接続されている球排出ロッドをさらに備え、前記球排出ロッドの底部には方向変換端が設置されていてもよい。
【0009】
具体的には、前記重力流導流溝は縦方向案内溝であり、前記中心柱には縦方向に延びる複数の案内溝エッジ(筋)が設けられ、複数の前記案内溝エッジは前記中心柱の外周面に周設され、隣接する2つの前記案内溝エッジの間には1つの前記縦方向案内溝が形成されていてもよい。
【0010】
具体的には、前記方向変換端は、それぞれ各前記縦方向案内溝中に設置される内斜面、及び前記球排出ロッドの外側に設置される外錐面を備え、前記外錐面と前記縦方向案内溝との間は前記内斜面を介して円滑に渡って接続されていてもよい。
【0011】
具体的には、前記方向転換ジョイントの内表面には第1の突起リブ又は下凹溝が設けられていてもよい。
【0012】
具体的には、前記方向転換ジョイントの内表面には第2の突起リブが設けられ、前記第2の突起リブの数は前記案内溝エッジの数と同じ数であり、かつ各前記第2の突起リブは各前記案内溝エッジと1対1で対応していてもよい。
【0013】
更に、前記流量制限管の上部と接続されている球供給管アセンブリを更に備え、前記球供給管アセンブリはいくつかのフィードパイプを備え、前記流量制限管には前記フィードパイプの数と同じ数の球供給孔が設けられ、前記球供給孔は前記導流領域に連通し、各前記フィードパイプはそれぞれフィードパイプ口を介して各前記球供給孔と1対1で対応して接続されていてもよい。
【0014】
更に、前記中心柱アセンブリは前記中心柱の頂部に接続される中心柱支持具をさらに備え、前記中心柱支持具は前記流量制限管に接続され、前記流量制限管の頂部には遮蔽アセンブリが設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本願の上述技術案は下記の利点を有する。
【0016】
本願に係る球状物落下緩衝装置によれば、流量制限管アセンブリ中には中心柱アセンブリが設置されて、流量制限管と中心柱との間に導流領域が形成され、中心柱の外周面にいくつかの重力流導流溝を設置することにより、球状物は流量制限管と中心柱との間の導流領域内のみで移動することができる。そして落下過程中に重力流導流溝によって制限及び導流され、球状物は方向転換ジョイントに落下する時、円錐面によってさらに緩衝されるため、球状物の初期速度の大きさにも関わらず、球状物が流量制限管中心からサイロに直接落下することがなく、これにより、球状物の落下速度が大き過ぎることで球状物又はサイロが衝突して損傷することを回避することができ、球状物及びサイロ胴体に対する保護効果が良好であり、かつ装置構造が簡単であり、取り付けが便利であり、様々な作業条件での球状物緩衝ローディングの信頼性要件を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本願の実施例に係る球状物落下緩衝装置の構造模式図である。
【
図2】本願の実施例に係る球状物落下緩衝装置における流量制限管アセンブリの構造模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る球状物落下緩衝装置の中心柱アセンブリの一構造模式図である。
【
図4】本願の実施例に係る球状物落下緩衝装置の方向転換ジョイントの模式図である。
【
図5】本願の実施例に係る球状物落下緩衝装置の方向転換ジョイントと球状物との嵌合状態の模式図である。
【
図6】本願の実施例に係る球状物落下緩衝装置の中心柱アセンブリの他の構造模式図である。
【
図7】本願の実施例に係る球状物落下緩衝装置における接続柱及び接続ロッドの構造模式図である。
【
図8】本願の実施例に係る球状物落下緩衝装置における球排出ロッドの構造模式図である。
【
図9】本願の実施例に係る球状物落下緩衝装置における方向転換ジョイントの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確に説明するために、以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術案を明確で完全に説明する。明らかなように、説明された実施例は本願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働がない前提で得たすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に含まれる。
【0019】
図1−9に示すように、本願の実施例は球状物落下緩衝装置を提供し、当該球状物落下緩衝装置は、中心柱アセンブリ10、流量制限管アセンブリ20、及び球供給管アセンブリ30を備え、中心柱アセンブリ10が流量制限管アセンブリ20中に設置され、球供給管アセンブリ30は流量制限管アセンブリ20に接続されている。
【0020】
流量制限管アセンブリ20は、上から下へ順次に接続される流量制限管21、方向転換ジョイント22、及び球排出チューブ23を備え、流量制限管21の直径は球排出チューブ23の直径より大きく、方向転換ジョイント22の内表面は円錐面27である。
【0021】
中心柱アセンブリ10は中心柱12を備え、中心柱12は流量制限管21中に設置され、流量制限管21と中心柱12との間には導流領域13が設けられ、中心柱12の外周面にいくつかの重力流導流溝が設けられている。
【0022】
球供給管アセンブリ30は流量制限管21の上部と接続され、球供給管アセンブリ30はいくつかのフィードパイプ31を備え、流量制限管21にはフィードパイプ31の数と同じ数の球供給孔24が設けられ、球供給孔24は導流領域13に連通し、各フィードパイプ31はそれぞれフィードパイプ口32を介して各球供給孔24と1対1で対応して接続されている。球供給孔24の設定数は重力流導流溝の数と同じ数であり、各球供給孔24はそれぞれ各重力流導流溝と1対1で対応している。
【0023】
中心柱アセンブリ10は、中心柱12の頂部に接続される中心柱支持具11をさらに備え、中心柱支持具11は流量制限管21に接続され、流量制限管21の頂部には遮蔽アセンブリ2がさらに設けられている。遮蔽アセンブリ2は、導流領域13による炉心燃料元素中性子の遮蔽を補償するように、炉心中性子を遮蔽する。流量制限管21の外部にはホルダ26がさらに設けられ、ホルダ26により本願に係る球状物落下緩衝装置を炉内金属部材の支持板の中心に取り付ける。
【0024】
本願の実施例では、球状物1は、フィードパイプ31から導流領域13に導入された後、運動慣性および重力の作用下で、球状物1は、流量制限管21の内壁に沿って螺旋状に落下し、その後方向転換ジョイント22の円錐面27に到達し、次に回転し続けて、摩擦力および重力の作用下で、最後に球排出チューブ23からサイロに落入する。初速が小さ過ぎると、球状物1は、導流領域13から方向転換ジョイント22の円錐面27に素早く落下する可能性があり、跳ね返った後、その一部の運動量が力積に変換し、減速後、球排出チューブ23からサイロに落ちる。
【0025】
本願の具体的な実施例では、重力流導流溝として螺旋案内溝が採用され、螺旋案内溝は中心柱12の外周面に周設されている。つまり、中心柱12の外円筒面14には螺旋案内板15が設置されることで、螺旋案内溝が形成される。
【0026】
本実施例では、球供給管アセンブリ30には2つのフィードパイプ31が設置されているため、それらに対応して、中心柱12には2つの螺旋案内板15が設置されている。螺旋案内板15の案内により、球状物1は、球供給孔24から導流領域13に入った後、流量制限管21の内壁面25に沿って螺旋落下し、あるいは中心柱12における螺旋案内溝に沿って螺旋落下する。螺旋案内板15の支持および摩擦作用により、球状物1の螺旋落下速度は滑らかなパイプに対して低下し、球状物1は、中心柱12から離れて方向転換ジョイント上空16に入った後、下方の方向転換ジョイント22の円錐面27に落下しやくなり、その後、回転した後出口パイプ23を介して落下し、あるいは跳ね返った後出口パイプ23を介して落下し、あるいは直接転がり落ちて出口パイプ23を通る。
【0027】
方向転換ジョイント22の内表面には第1の突起リブ又は下凹溝が設けられている。
【0028】
本願の具体的な実施例では、流量制限管21には複数の球供給孔24が設けられている場合、複数の球状物1が方向転換ジョイント上空16に同時に到達した後、球状物1同士の運動が互いに影響すること、又は極端な場合にブリッジを形成すること、及び球状物1が方向転換ジョイントから跳ね返った後中心柱12に衝突することを避けるために、中心柱12の底端と方向転換ジョイント22の円錐面27との間の距離は球状物1の直径の2倍よりも大きくなければならない。
【0029】
本願の具体的な実施例では、球状物1は、円錐面27において長時間回転するが落下しないこと、過度に跳ね返ること、ブリッジを形成すること等の現象を避けるために、方向転換ジョイント22の円錐面27には第1の突起リブ29が形成されてもよく、方向転換ジョイント22の円錐面27には下凹溝28が形成されてもよく、又は方向転換ジョイント22の円錐面27には第1の突起リブ29及び下凹溝28が同時に設置されてもよい。第1の突起リブ29及び/又は下凹溝28を設置することにより、球状物の運動を撹乱して緩衝することができる。円錐面27に滑らかに運動する球状物1aに比べて、球状物1bは、下凹溝28に沈み込み、又は球状物1cが上へ移動して第1の突起リブ29に落ちると、干渉又は障害のために、球状物の運動軌跡と速度はいずれも急激に変化することで、運動のアンバランスが生じて円錐面27から急速に離れ、最後に球排出チューブ23を介して落下する。
【0030】
本願の具体的な実施例では、中心柱12の底部は順次に方向転換ジョイント22、球排出チューブ23を貫通して球排出チューブ23の外部に設置されている。球排出チューブ23と中心柱12との間の球排出チューブ隙間50は、球状物1を通過させるには不十分である。この時、重力流導流溝としては縦方向案内溝44を採用する。つまり、中心柱12には縦方向に延びる複数の案内溝エッジ47が設けられ、複数の案内溝エッジ47は中心柱12の外周面に周設され、隣接する2つの案内溝エッジ47の間には1つの縦方向案内溝44が形成され、球状物1は最終的に縦方向案内溝44を介して落下することができる。
【0031】
本願の具体的な実施例では、方向転換ジョイント22の円錐面27には案内溝エッジ47の数と同じ数の第2の突起リブ17が設けられ、かつ各第2の突起リブ17はそれぞれ各案内溝エッジ47と1対1で対応して、隣接する2つの第2の突起リブ17の間は1つ球落下領域51が形成され、各球落下領域51は各縦方向案内溝44と1対1で対応する。球状物1はフィードパイプ孔32から導流領域13に入り、導流領域13に沿って螺旋状落下運動をし、次いで方向転換ジョイント22の円錐面27に到達して運動し続ける。このとき、第2の突起リブ17による障害の影響を受けて、球状物1は、最終的に球落下領域51から縦方向案内溝44中に入り、縦方向案内溝44に沿って下へ落下し続ける。
【0032】
本願の具体的な実施例では、縦方向案内溝44は、球状物1よりもわずかに大きい半円弧状溝セグメント、及び半円弧状溝セグメントの両側にそれぞれ対応して正接する2つの直辺セグメント46を備える。球排出チューブ23が一定の長さの要件を満たし、球排出チューブ23と縦方向案内溝44によって制限されば、球状物1は縦方向案内溝44中に導流されて落下することができる。
【0033】
本願の具体的な実施例では、中心柱12は、上から下へ順次に設置される接続柱40及び接続ロッド41を備え、接続柱40は接続ロッド41に取り外し可能に接続されている。そのうち、接続柱40は流量制限管21中に設置され、接続ロッド41の底部は方向転換ジョイント22を貫通して球排出チューブ23中に設置されている。ローディングエリアの高さの要件に応じて、複数セクションの接続ロッド41を設け、そして複数セクションの接続ロッド41を順次に接続柱40の底部に接続してもよい。
【0034】
方向転換ジョイント22の出口から中心柱12における縦方向案内溝44の出口までの距離が大きい場合、球状物1が出口に到達する速度を制限するために、本願の具体的な実施例では、中心柱12は、上から下へ順次に接続される接続柱40、接続ロッド41及び球排出ロッド42を備え、そのうち、球排出ロッド42の底部には方向変換端43が設けられ、球排出ロッド42は接続端を介して接続ロッド41に取り外し可能に接続されている。方向変換端43は、それぞれ各縦方向案内溝44中に設置される内斜面48及び球排出ロッド42の外側に設置される外錐面49を備え、縦方向案内溝44と外錐面49との間は内斜面48を介して円滑に接続される。球状物1は、縦方向案内溝44に沿って加速して落下して、内斜面48に到達すると、内斜面48に衝突し、一部の運動量が力積に変換して緩衝されて減速し、内斜面48及び外錐面49に案内されてサイロに落下する。
【0035】
上記の各実施例では、重力流導流溝としては、螺旋案内溝が採用されており、燃料レベルが基本的に一定に保つ循環ローディング・アンローディング、例えばペブルベッド炉が通常に動作する間の炉心循環ローディングにより適する。重力流導流溝としては、縦方向案内溝44が採用され、中心柱12は順次に取り外し可能に接続される接続柱40、接続ロッド41、及び球排出ロッド42として設置されており、燃料レベルが変化する連続ローディング、例えばペブルベッド炉の初期炉心ローディングにより適し、レベルが一定の高さまで上昇すると伴い、接続ロッド41又は球排出ロッド42を取り外すことで、伸縮ローディングを実現することができる。強度と剛性が十分な場合、サイロ内の球状物の流れに悪影響を与えない限り、接続ロッド41及び球排出ロッド42は取り外さなくてもよく、サイロ内の固定中心柱アセンブリとして、ローディングされた燃料レベルが上昇し続けると伴い、球排出ロッド42及び接続ロッド41があいついで埋没される。
【0036】
以上のように、本願の実施例に係る球状物落下緩衝装置によれば、流量制限管アセンブリ中には中心柱アセンブリが設置されて、流量制限管と中心柱12との間に導流領域が形成され、中心柱12の外周面にいくつかの重力流導流溝を設置することにより、球状物は流量制限管と中心柱12との間の導流領域内のみで移動することができ、そして落下過程中に重力流導流溝によって制限及び導流され、球状物は方向転換ジョイントに落下する時、円錐面によってさらに緩衝されるため、球状物の初期速度の大きさにも関わらず、球状物が流量制限管中心からサイロに直接落下することがなく、これにより、球状物の落下速度が大き過ぎることで球状物又はサイロが衝突して損傷することを回避することができ、球状物及びサイロ胴体に対する保護効果が良好であり、かつ装置構造が簡単であり、取り付けが便利であり、様々な作業条件での球状物緩衝ローディングの信頼性要件を満たすことができる。
【0037】
本願の説明において、明確な規定と限定がない限り、「連する」、「接続」等の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能であり、機械的な接続や、電気的な接続でも可能であり、直接に接することや、中間媒体を介して間接に接することも可能である。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0038】
本願の説明において、特に明記しない限り、「いくつか」とは1つ又は複数を意味し、「複数」とは2つ又は2つ以上を意味する。「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語で示す方位又は位置関係は、図示に基づく方位又は位置関係であり、本願を便利に又は簡単に説明するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が必ず特定の方位にあり、特定の方位において構成され、操作されると明示又は暗示するものではないため、本願に対する限定と理解されるべきではない。
【0039】
最後に、以上の実施例は本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、制限するためのものではない。前述した実施例を参照しながら本願を詳細に説明したが、当業者であれば、前述した各実施例に記載された技術案を修正し、又はそのうちの一部の技術特徴に対して同等の交換を行うことができると理解される。これらの修正及び交換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例の技術案の趣旨及び範囲から逸脱させないものである。
【符号の説明】
【0040】
1…球状物
2…遮蔽アセンブリ
10…中心柱アセンブリ
11…中心柱支持具
12…中心柱
13…導流領域
14…外円筒面
15…螺旋案内板
16…方向転換ジョイント上空
17…第2の突起リブ
20…流量制限管アセンブリ
21…限位管
22…方向転換ジョイント
23…球排出チューブ
24…球供給孔
25…流量制限管の内円筒面
26…ホルダ
27…円錐面
28…下凹溝
29…第1の突起リブ
30…フィードパイプアセンブリ
31…フィードパイプ
32…フィードパイプ孔
40…接続柱
41…接続ロッド
42…球排出ロッド
43…方向変換端
44…縦方向案内溝
45…接続端
46…直辺セグメント
47…案内溝エッジ
48…内斜面
49…外錐面
50…球排出チューブ隙間
51…球落下領域