(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一実施形態について説明する。なお、説明の都合上、実施形態としては、本発明の表示装置をタッチパネルと一体となった表示装置に適用した場合を例に説明するが、利用者の操作入力により、オブジェクトが描画・配置可能な表示装置であれば、何れの装置であっても適用可能なことは勿論である。
【0016】
[1.第1実施形態]
[1.1 全体構成]
まず、本発明の表示装置を適用した表示装置10の外観を
図1に示す。表示装置10は、例えば液晶ディスプレイといった表示装置であり、タッチ入力が可能なタッチパネルで構成されている。
【0017】
ここで、タッチパネルにより、タッチや、フリック、スライドといった利用者からの操作入力を受け付けることができる。この、タッチ等の検出方式としては、静電容量方式のようなタッチパネルであっても良いし、感圧式のタッチパネルであってもよい。すなわち、タッチ等、利用者の操作入力を適宜受け付けることが可能な装置であればよい。
【0018】
また、タッチする方法としては、利用者による指であっても良いし、ペンであっても良い。ペンの場合は、後述するが、例えばペンを識別出来る一意の識別情報(例えば、シリアル番号や、MACアドレス等)を利用して、ペンの利用者を識別しても良い。
【0019】
また、表示装置10としては種々の装置が考えられるが、大型の据置き型の表示装置であれば、例えば、電子黒板といった利用が考えられる。また、小型の可搬型の表示装置であれば、例えば、タブレット等の端末装置が考えられる。これ以外にも、例えばスマートフォン等の利用を考えても良い。それ以外にも、コンピュータや、カーナビゲーション、電子辞書といった種々の表示装置、情報処理装置に適用可能である。
【0020】
[1.2 機能構成]
つづいて、本実施形態における表示装置10の機能構成について
図2を用いて説明する。
図2に示すように、表示装置10は、制御部110と、操作検出部120と、表示部130と、記憶部140とを備えて構成されている。
【0021】
制御部110は、表示装置10の全体を制御するための機能部である。制御部110は、記憶部140に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Processing Unit)等により構成されている。
【0022】
また、制御部110としては、例えば、タッチパネルとして構成されている場合は表示画面(操作検出部120)を介して描画・入力された画像等のオブジェクトの表示や、他の画像入力装置から入力された画像の表示を制御したりする。
【0023】
操作検出部120は、利用者からの操作を検出するための機能部である。例えば、表示部130と一体に構成されるタッチパネル等により構成されている。操作の検出方式としては、静電容量方式であったり、抵抗膜方式等の感圧式や、赤外線方式、電磁誘導方式であったりと何れの方法であっても良い。
【0024】
表示部130は、利用者に対して各種情報を表示したり、オブジェクトが描画・配置されたワークエリアを表示したりするための機能部である。例えば、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)や、有機ELディスプレイ等により構成されている。
【0025】
記憶部140は、表示装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部140は、例えば、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスクにより構成されている。
【0026】
ここで、記憶部140には、オブジェクト記憶領域142が確保されており、表示・描画されるオブジェクトが記憶されている。
【0027】
オブジェクト記憶領域142に記憶されるオブジェクトの構成の一例について、
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は、オブジェクト記憶領域142において記憶されているデータ構成の一例を示す図であり、
図4は、表示部130にオブジェクト(シート)が表示される状態を説明した図である。
【0028】
まず、
図4に示すように、表示部130の表示領域にはオブジェクトを配置可能なワークエリアL1があり、その上に一又は複数のコンテンツL2を配置することが出来る。
【0029】
ワークエリアには、一又は複数のオブジェクトが表示可能である。利用者は、ワークエリア上に表示されたオブジェクトを移動、拡大、縮小、複製、削除等といった種々の操作を行うことが可能である。
【0030】
また、コンテンツとは、静止画ファイル(JPEGや、GIF,PNG等)や、ドキュメントファイル(例えば、テキストファイルや、ワープロ・表計算・プレゼンテーションソフトといったドキュメントファイル、PDFファイル等)、動画ファイル(例えば、avi形式や、MPG形式の動画ファイル)を含むものである。すなわち、ワークエリアL1で配置・表示出来れば良い。また、音声ファイル等の表示出来ないファイルでも、例えばアイコン等を利用して表示することにより、コンテンツとして配置・表示することが可能である。
【0031】
コンテンツL2は、コンテンツレイヤに表示されても良い。そして、当該コンテンツの上に、ストロークを描画することが可能となる。
【0032】
ストロークL6は、例えば手書き入力(利用者の手、ペン、マウス等)によるストロークが記憶され、記憶されたストロークに従って描画される。このストロークは、コンテンツ
上に表示されるが、このとき予め配置されたストローク背景L4に描画されても良いし、ストロークが入力されてから、ストローク背景が挿入されても良い。
【0033】
ストローク背景L4は、ストロークが描画されるときに挿入される画像である。本実施形態において、このストローク背景の透過度(以下、ストローク背景透過度)を変えることにより、コンテンツL2の見え方が変化する。
【0034】
すなわち、ストローク背景が不透明(ストローク背景透過度0%)となると、ストロークL6だけが見えることになり、コンテンツL2は利用者からは視認出来ない状態となる。また、ストローク背景が透明(ストローク背景透過度100%)となると、利用者はコンテンツL2を視認できるようになり、当該コンテンツL2にストロークL6が重畳して表示されることとなる。
【0035】
また、ストローク背景透過度をそれ以外、例えば30%にした場合には、ストローク背景が半透過状態となった画像となる。これにより、結果としてコンテンツの見え方がかわり、ストロークL6が目立って表示される。
【0036】
すなわち、ワークエリア(デフォルトレイヤ)L1に配置されたコンテンツ(コンテンツレイヤ)L2の上に、ストローク背景L4(背景レイヤ)があり、更にストローク背景L4の上に、ストロークL6が描画される(ストロークL6が入力・描画されるレイヤを仮想的にストロークレイヤL8と表現している)。
【0037】
そして、この状態で、ストローク背景L4のストローク背景透過度を変更することにより、利用者にとってはコンテンツL2の明度が変化して見えることで、コンテンツL2を視認出来たり、出来なかったりする状態を切り替えることが可能となる。
【0038】
このように、オブジェクトは、コンテンツと、ストロークとを含んでいる。なお、オブジェクトは、コンテンツのみであっても良いし、ストロークのみであっても良い。通常、ストローク背景L4は、コンテンツL2と同じ大きさであるが、ストロークの大きさにより異なることとしても良い。
【0039】
そして、オブジェクト記憶領域142には、
図3に示すように、配置・表示されるコンテンツ(例えば、「コンテンツA.jpg」)と、当該ワークエリア上での位置を示す座標(例えば、「(100,100)−(500,400)」)と、コンテンツ上に描画・表示されるストロークのデータ(例えば、「ストロークデータA」)と、ストローク背景の透過率(例えば、「0%」)とが記憶されている。
【0040】
[1.3 処理の流れ]
つづいて、第1実施形態における処理の流れについて、
図5を用いて説明する。
図5は、第1実施形態における第1メイン処理について説明する。
【0041】
まず、コンテンツをワークエリア上に配置するために、コンテンツ配置処理を実行する(ステップS102)。ここで、コンテンツ配置処理により、ワークエリア上にコンテンツが配置され、表示されることとなる。なお、説明の都合上、配置(表示)されたコンテンツが1つの例で説明するが、複数配置(表示)されても良い事は勿論である。
【0042】
また、配置(表示)されるコンテンツとしては、例えば記憶装置から読み出したコンテンツであっても良いし、撮像装置(不図示)により撮影された画像データ(静止画像/動画像)であってもよい。また、入力装置(不図示)により入力されたテキスト文字であってもよいし、通信手段により、他の装置や、サーバから受信されたコンテンツであってもよい。
【0043】
また、コンテンツを表示するとは、静止画像(ラスタデータ)を読み出して表示するのみならず、ベクトルデータ等の場合は描画することを含むものである。また、画像や、ドキュメントファイルによっては、サムネイルを生成して表示したり、アイコン等の識別表示を表示したりしてもよい。
【0044】
続いて、ストロークの描画処理を実行する(ステップS104)。ここで、ストローク描画とは、例えば手書き入力により、ストロークがコンテンツ上に描かれる場合や、予め記憶されているストロークデータを読み出して描画する場合を含むものとする。例えば、利用者がペンにより、コンテンツ上をなぞることで、なぞった軌跡に基づいたストロークが記憶される。併せて、記憶されたストローク(軌跡に沿ったストローク)に基づいて、線図や点等が描画される。
【0045】
続いて、視認性を設定する操作(例えば、本実施形態ではストローク背景透過度設定操作)があった場合には(ステップS106;Yes)、透過度設定を行う(ステップS108)。本実施形態においては、ストローク背景透過度に対する透過度を設定する処理である。
【0046】
ここで、ストローク背景透過度設定操作は、視認性設定領域(透過度設定領域)をオブジェクト毎に表示し、当該透過度設定領域において表示される設定手段により、設定されるものである。設定手段としては、数値入力であってあり、選択ボタンであったり、スライドバーであったりと、種々のUIを利用することが可能である。
【0047】
そして、設定されたストローク背景透過度に基づいて、ストローク背景の制御処理が行われる(ステップS110)。そして、処理が終了と指示されれば、本処理を終了し(ステップS112;Yes)、指示されなければステップS102から処理を繰り返し実行する。
【0048】
具体的には、設定されたストローク背景透過度になるように、ストローク背景の透過度を制御する。例えば、設定されたストローク背景透過度が「0%」であれば、白濁化されたストローク背景が、コンテンツに重畳して表示される状態となる。これにより、ストロークより下のレイヤで表示されるコンテンツは、利用者から視認出来ない状態となる。
【0049】
また、設定されたストローク背景透過度が「100%」であれば、ストローク背景は透明となり、コンテンツが視認される状態となる。すなわち、利用者にとっては、コンテンツとストロークとが併せて視認できるようになる。
【0050】
また、それ以外のストローク背景透過度が設定された場合は、適宜ストローク背景の透過度を設定する。設定された透過度と、ストローク背景の透過度との関係については、数式により算出しても良いし、変換テーブルを持っていても良い。
【0051】
また、上述した実施形態では直接ストローク背景の透過度を設定しているが、利用者にとって解りやすいよう、例えば、コンテンツの視認度という指標の表現を利用しても良い。この場合は、視認度「0%」の場合が、ストロークとコンテンツとが視認可能となり(すなわちストローク背景透過度は「100%」)、視認度「100%」の場合が、コンテンツが非表示となり、ストロークのみが視認可能となる(すなわちストローク背景透過度は「0%」)。
【0052】
[1.4 動作例]
図6を用いて、本実施形態の動作例について説明する。
図6は、各レイヤの状態を模式的に説明するための図である。
【0053】
図6においては、左端であればコンテンツが表示される場合の設定状態であり、右端であればコンテンツが非表示となる場合の図である。また、上側がオブジェクトの各レイヤを分解することで模式的に説明するための図であり、下側が実際に表示されるオブジェクトの状態である。
【0054】
ここで、コンテンツ表示に設定した状態がC10である。C10は、ストローク背景透過度は「100%」となり、コンテンツL10が視認可能となっている。すなわち、コンテンツL10に、ストロークL14が重畳的に表示されている。
【0055】
つづいて、コンテンツの表示を真ん中にした状態がC12である。C12の場合、ストローク背景L12のストローク背景透過度が「50%」に引き上げられており、これにより、コンテンツは完全に表示されない訳では無いが、半透明に近い状態に表示されることとなる。
【0056】
つづいて、コンテンツ非表示に設定した状態がC14である。C14は、ストローク背景L12のストローク背景透過度が「0%」になるため白濁化し、コンテンツは視認できなくなる。したがって、C14の状態では、利用者は、ストロークL14だけが視認可能となる。
【0057】
なお、ストローク背景透過度が「0%」の場合は、コンテンツが視認できない状態となればよいため、必ずしも白濁化(白)でなくてもよい。例えば、黒や青といった他の色であったり、ワークエリアと同じ色であったりしてもよい。
【0058】
また、ストローク背景透過度については、必ずしも「0%」〜「100%」である必要は無く、最小値、最大値を設定できる構成としてもよい。例えば、最大値を「80%」とすることにより、完全にコンテンツが表示されないといったことを防ぐことが可能となる。
【0059】
このように、本実施形態によれば、透過度の設定により、コンテンツの視認性を切り替えることが可能となる。コンテンツの視認性を切り替える為に、コンテンツの表示状態を切り替えているが、その方法としては、ストローク背景透過度を変更することにより、実現している。
【0060】
また、「コンテンツ表示」「コンテンツ非表示」として説明したが、例えばストロークの視認度(ストローク視認度)という観点から数値で設定しても良いことは勿論である。例えば、C10の状態はコンテンツが完全に表示されており、コンテンツとストロークの見分けが難しくなることからストローク視認度は「0%」となる。また、C14の状態はコンテンツが表示されていないことからストロークが完全に見える為、ストローク視認度は「100%」となる。このように、ストローク視認度として利用者が設定可能に構成してもよい。この場合、スライダによりストローク視認度を変更可能な構成としてもよい。更にこの場合、
図8で説明するように、スライダを動かすことにより、ストローク視認度(すなわちストローク背景透過度)をリアルタイムに変化させ、設定できることにしてもよい。
【0061】
なお、本明細書でいうスライダとは、一直線上(トラックバー/スライダバー)につまみであるスライダを表示し、当該スライダを移動することにより操作ができるものである。他のスクロールバー等の同様のインタフェースであれば実現できることは勿論である。
【0062】
ストローク視認度という場合の動作例について、
図7を参照に説明する。
図7は、具体的な表示画面W100を例に説明する図である。表示画面W100(ワークエリア)には、オブジェクトが表示されている。具体的には、コンテンツC100が表示され、当該コンテンツC100にストロークC102が重畳して表示されている。さらに、コンテンツC100には、視認性設定領域として、ストローク視認度を設定するための視認性設定領域M100が設けられている。
【0063】
図7(a)は、ストローク視認度が「0%」に設定されている場合の図である。したがって、コンテンツC100は表示されており、コンテンツC100に重畳してストロークC102が描画(表示)されている。すなわち、当該状態においては、ストローク背景透過度は「100%」に設定されている。
【0064】
図7(b)は、ストローク視認度を「50%」にした状態の図である。コンテンツC100が少し淡く表示されており、ストロークC102が目立つように表示されている。この場合、ストローク背景透過度は、「50%」であっても良いし、ストローク視認度「50%」に対応する透過度(例えば、ストローク背景透過度「30%」)であっても良い。
【0065】
なお、通常はストローク視認度と、ストローク背景透過度は逆の関係(例えば、ストローク視認度が「0%」であれば、ストローク背景透過度は「100%」)になるが、一致しない場合もある。それは、輝度等を考慮し、利用者が視認できる状態と、表示状態には差があるためである。単純に逆の関係としてもよいし、利用者の視認状態を考慮して設定してもよい。
【0066】
図7(c)は、ストローク視認度を「100%」にした状態の図である。この場合、コンテンツC100は白くなり、コンテンツC100は視認されないこととなる。すなわち、ストローク背景透過度を「0%」にすることで、ストローク背景が白濁化する。これにより、コンテンツC100を利用者は視認することが出来なくなり、ストロークC102のみが視認可能に表示されることとなる。
【0067】
このように、本実施形態によれば、利用者による透過度(例えば、ストローク背景透過度)や視認度(例えばストローク視認度)の設定に応じて、コンテンツの表示状態(視認される状態)を変えることが可能となる。本実施形態では、コンテンツに重畳して設けられたストロークの背景透過度に応じて背景ストロークが白濁することで、コンテンツの表示状態を変えることが可能となる。
【0068】
なお、視認性設定領域M100は、数値入力を例にして
図7は説明したが、他の方法であっても良い。例えば、
図8のように、スライダを移動することによって、ストローク背景透過度を変更(調整)しても良い。
【0069】
例えば、
図8(a)においては、表示画面W110に、コンテンツC100と、ストロークC102が表示されている。また、当該シートのストローク背景透過度を変えるためのスライダを設けたストローク背景透過度設定領域M110が設けられている。
【0070】
ストローク背景透過度設定領域M110のスライダを左右に移動すると、ストローク背景透過度が変化する。例えば、
図8(a)のように、左端であれば「0%」と、
図8(b)のように、中央であれば「50%」と、
図8(c)のように、右端であれば「100%」とそれぞれ設定される。
【0071】
なお、スライダを操作することにより、連続的にストローク背景透過度を変更することができる。このとき、スライダに連動して、ストローク背景透過度を変更するようにしてもよいし、移動後にストローク背景透過度を変更することとしてもよい。また、スライダは図においては横向きに配置しているが、縦向きであっても良い。
【0072】
また、オブジェクトの表示とは別のメニュー表示、設定ウィンドウ等を表示させ、当該メニュー表示や設定ウィンドウでストローク背景透過度を変更できてもよい。
【0073】
[2.第2実施形態]
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、視認性の設定をする上で、ストローク背景を利用せずにコンテンツ自体を透明化させることにより、コンテンツの視認性を変化させる実施形態である。なお、本実施形態では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0074】
図9は、左側から、コンテンツの視認性として、コンテンツ透明度の設定を「0%」〜「100%」に変化する場合について説明するための模式図である。また、上側がオブジェクトの各レイヤを分解することで模式的に説明するための図であり、下側が実際に表示されるオブジェクトの状態である。
【0075】
なお、ここで「コンテンツ透明度」とは、コンテンツの視認性を変化させるためのパラメータであり、例えばコンテンツの透過率(透明度)を設定することにより、コンテンツの視認度を変化させるためのものである。
【0076】
第1実施形態と異なり、本実施形態では、オブジェクトはコンテンツL20と、ストロークL24とを有している。すなわち、第1実施形態と異なる点はストローク背景が存在しない点である。
【0077】
ここで、C20においては、コンテンツ透明度「0%」であることから、コンテンツL20が視認可能に表示されている。すなわち、コンテンツL20に、ストロークL24が重畳的に表示されている。
【0078】
つづいて、コンテンツ透明度を50%に引き上げた状態がC22である。C22は、コンテンツL20を透明化して表示する。これにより、コンテンツL20は、薄く表示されることとなる。なお、明度又は輝度を明るくすることにより、コンテンツを薄く表示させてもよい。
【0079】
したがって、コンテンツは完全に表示されない訳では無いが、半透明に近い状態に表示される。
【0080】
つづいて、コンテンツ透明度を「100%」にした状態がC24である。C24は、コンテンツL20が非表示となり、コンテンツを利用者は視認できない。したがって、C24としては、コンテンツが視認可能に表示されず、ストロークL24のみが表示されることとなる。
【0081】
なお、本実施形態においては、コンテンツを透明にすることとして説明するが、コンテンツを白濁化することにより、表示上コンテンツが視認出来ない状態としてもよい。この場合、例えば白濁化であればC24の状態ではコンテンツは白く表示されるが、他の表示色で表示させることもできる。この色は、ユーザが任意の色に設定できても良いし、コンテンツレイヤの初期色としてもよい。また、コンテンツが配置されるワークエリアと同じ色であっても良い。
【0082】
本実施形態における処理の流れを、
図10に示す。
図10は、第1実施形態で説明した第1メイン処理(
図5)のうち、ステップS106〜ステップS110を、ステップS120〜ステップS124に置き換えた図である。
【0083】
第1実施形態では、コンテンツの視認性を設定するのに、ストローク背景透過度に基づいてストローク背景が制御されることとして説明したが、本実施形態では、コンテンツの透明度に基づいて、コンテンツの視認性制御処理が実行される。具体的には、視認性設定操作があれば、すなわちコンテンツ透明度の設定操作があれば(ステップS120;Yes)、透明度の設定操作に応じて、コンテンツ透明度が設定される(ステップS122)。そして、設定された透明度に応じて、例えば、コンテンツの輝度や、明度を調整することにより、コンテンツ透明度を制御する処理を実行する。
【0084】
このように、本実施形態によれば、コンテンツ透明度を制御するときに、コンテンツ自体の輝度や明度を調整することにより、実現することが出来る。
【0085】
[3.第3実施形態]
第3実施形態について説明する。上述した実施形態では、コンテンツに重畳して表示されるのはストロークを例に説明したが、ストローク以外のデータ、例えばテキストデータや、ベクトルデータといった他のコンテンツであっても良い。なお、本実施形態における機能構成及び処理フローは、第2実施形態と原則同じであるため、相違する点を中心に説明する。
【0086】
図11は、本実施形態における処理の流れを説明する為の動作フローである。
図10の処理の流れの図を、
図11に置き換えたものである。ここで、ストローク描画処理の代わりに、描画コンテンツ表示処理(ステップS130)を実行している。
【0087】
この描画コンテンツは、テキストデータやベクトルデータ、他の画像ファイルといったコンテンツである。なお、説明の都合上、第2実施形態のストロークとは別に説明しているが、除外しているものではない。また、テキストデータは、文字、数字、記号を含むものである。
【0088】
図12は、具体的な表示画面W130を例に説明する図である。表示画面W130(ワークエリア)には、コンテンツC130が表示されている。また、コンテンツC130には、描画コンテンツとして、テキストC132が表示されている。さらに、コンテンツC130には、コンテンツ透明度を設定するためのコンテンツ透明度設定領域M130が設けられている。コンテンツ透明度設定領域M130には、透明度設定手段の一例としてスライダが表示されている。
【0089】
図12(a)は、コンテンツ透明度が「0%」に設定されている場合の図である。したがって、コンテンツC130は表示されており、コンテンツC130に重畳してテキストC132が表示されている。
【0090】
図12(b)は、コンテンツ透明度を「50%」にした状態の図である。コンテンツC130が少し淡く表示されており、テキストC132が目立つように表示されている。
【0091】
図12(c)は、コンテンツ透明度を「100%」にした状態の図である。この場合、コンテンツC130はワークエリアW130が透けている状態で表示され、コンテンツC130は視認出来ない状態となる。したがって、利用者は、テキストC132のみを視認することができる。
【0092】
このように、本実施形態によれば、ストローク以外にも、テキスト等といった他のコンテンツであっても、同様に処理を行うことが可能となる。
【0093】
[4.第4実施形態]
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、視認性の設定した場合の影響範囲を、オブジェクト毎ではなく、ワークエリア全体に対して適用される場合について説明する。なお、本実施形態における機能構成及び処理フローは、第2実施形態(又は第1実施形態)と原則同じであるため、相違する点を中心に説明する。
【0094】
本実施形態を適用した場合の動作例を
図13に示す。
図13の表示画面W140には、コンテンツC140に、ストロークC142が描画されている。ここで、ワークエリアの下部に対して、視認性設定領域M140が設けられており、視認性設定手段としてスライダが表示されている。
【0095】
図13に示すように、視認性設定領域M140は、ワークエリアに1つだけ表示される。そして、当該視認性設定領域M140に視認性設定手段(スライダ)を操作することにより、ワークエリアに表示されているオブジェクトのコンテンツの視認度を制御することが可能となる。
【0096】
なお、この場合にワークエリアに配置されるオブジェクト総てに対して視認度を制御することで視認性を変化させることができることとしても良いし、ワークエリアの中から選択されたオブジェクトに対して制御できることとしても良い。
【0097】
また、他の条件にしたがって制御出来ることとしてもよい。例えば、コンテンツの種類に応じて視認度の制御できたり、ストロークが含まれている(ストロークが表示されている)か否かによって制御できたりしても良い。
【0098】
[5.第5実施形態]
第5実施形態について説明する。第5実施形態は、視認性を設定する領域を設けずに、利用者による操作によりストロークやコンテンツの視認性を変化させる実施形態である。なお、本実施形態における機能構成及び処理フローは、第1実施形態と原則同じであるため、相違する点を中心に説明する。
【0099】
すなわち、
図5のステップS106及びS108において、透過度設定操作を行い、ストローク背景透過度を設定する場合に、利用者の操作を検出してストローク背景透過度が設定されることとなる。例えば、本実施形態の一例として
図14の表示画面W150に基づいて説明する。
【0100】
ここで、表示画面W150には、コンテンツC150が表示されている。利用者は、コンテンツC150の上を例えば2本指で、スワイプ操作することにより、ストローク背景透過度の設定を変更することが可能となる。例えば、P1方向にスワイプ操作するとストローク背景透過度を高くし、反対方向にスワイプ操作すると、ストローク背景透過度を低くするといった処理を行っても良い。
【0101】
また、このとき、表示画面に現在のストローク背景透過度を表示してもよい。表示されるストローク背景透過度は、操作中(又は操作後)だけ表示されても良いし、常時表示されていても良い。
【0102】
このように、本実施形態によれば、透過度設定領域を設けることなく、ストローク背景透過度を変更し、表示態様を切り替えることが可能となる。なお、ストローク背景透過度ではなく、コンテンツ透明度の設定を行えるようにしてもよい。また、上述した実施形態と組み合わせ、例えば透明度設定領域が表示されている状態であっても、同様の操作で透明度の設定を行ってもよいことは勿論である。
【0103】
[6.第6実施形態]
第6実施形態について説明する。第6実施形態は、ストロークやコンテンツの視認性の設定を変化させる場合に、複数のパラメータを同じ操作(連続した操作)で行うことができる実施形態である。本実施形態では、視認性の設定として、視認度合いを変更することができる。視認度合いは、コンテンツ透明度(コンテンツの透明度)と、ストローク背景透過度(ストロークの背景透過度)とにより決定され、この2つのパラメータを、同じ操作で変更可能にする。なお、本実施形態における機能構成及び処理フローは、上述した実施形態と原則同じであるため、相違する点を中心に説明する。
【0104】
本実施形態では、第1実施形態における
図5の第1メイン処理、第2実施形態における
図10の第2メイン処理を、
図15の第4メイン処理に置き換えた処理を実行する。
【0105】
ここで、視認性設定操作を行うことにより、視認度合いが設定される。視認度合いとは、利用者がコンテンツ・ストロークを視認するときに影響するものであり、操作によってストローク背景透過度を制御するのか、コンテンツ透明度を制御するのかが選択して実行される。
【0106】
例えば、視認性設定操作により、ストローク背景の制御をする場合は、第1実施形態と同様に、ストローク背景透過度を変化させる。これにより、ストロークのみが視認可能なように表示される(ステップS120;Yes→ステップS202→ステップS204;Yes→ステップS110)。この場合、コンテンツの前に表示されるストローク背景が白濁化することから、ストロークは白地の上に描画・表示されることとなる。すなわち、利用者にとってコンテンツが視認できないのに併せて、更にコンテンツの背景にある他のコンテンツや、ワークエリアについても視認できない状態となる。
【0107】
それに対して、視認性設定操作により、コンテンツを透明化する処理をする場合には、コンテンツ自体を透明化する処理を実行する。すなわち、視認度合いによっては、コンテンツ透明度が設定されることになる。この設定されたコンテンツ透明度に基づいてコンテンツ制御処理が実行される(ステップS120;Yes→ステップS202→ステップS204;No→ステップS206)。
【0108】
これにより、例えばコンテンツ透明度が「100%」になれば、コンテンツの表示が透明となる。これにより、コンテンツの背後にあるワークエリアや、コンテンツの下に表示されている他のコンテンツが表示されることとなる。
【0109】
図16は、本実施形態におけるコンテンツ及びストロークの視認度合いが変化する場合について、各レイヤの状態を模式的に説明するための図である。中央から左側にかけての領域(C30からC32にかけての領域)は、コンテンツ透明度を制御可能な領域であり、左端で「コンテンツ透明」の状態となる。また、中央から右側にかけての領域は、ストローク背景透過度を制御可能な領域であり、右端でストローク背景の透過度が「0%」となる。また、上側がオブジェクトの各レイヤを分解することで模式的に説明するための図であり、下側が実際に表示されるオブジェクトの状態である。
【0110】
ここで、C32においては、ほぼ中央であり、コンテンツ透明度「0%」、ストローク背景透過度は「100%」である。したがって、コンテンツL30が明確に表示され、ストロークL34が重畳的に表示されている。すなわち、ストローク背景L32のストローク背景透過度が「100%」であるため、コンテンツL30と、ストロークL34とが視認可能なように表示されている。
【0111】
つづいて、ストローク背景透過度を「0%」にした状態がC34である。C34は、ストローク背景L32のストローク背景透過度が「0%」になっており、白濁化され、白く表示される。この白濁したストローク背景L32が、コンテンツL30の前に表示されることにより、コンテンツは視認できない状態となる。したがって、C34としては、ストロークL34が白地に表示されることとなる。
【0112】
なお、C34において、通常はC32と同じコンテンツ透明度となっており、本図では「0%」である。ここで、ストローク背景透過度が「0%」の場合、ストローク背景が白濁化することによりコンテンツはいずれにしても視認できないため、「0%」以外の値であってもよい。例えば、コンテンツ透明度が「10%」が最小値(
図16のC32においてコンテンツ透明度が「10%」)の場合は、C34までの間も同じコンテンツ透明度である「10%」となる。
【0113】
次に、「コンテンツ透明」とした状態がC30である。C30は、ストローク背景L32のストローク背景透過度は「100%」であり、コンテンツL30のコンテンツ透明度も「100%」となっている。すなわち、コンテンツL30は透明となっているために視認できず、ストロークL34と、コンテンツL30の背景(例えば、ワークエリア)が表示される。
【0114】
一例として、具体的な表示画面W160を
図17に基づいて説明する図である。表示画面W160(ワークエリア)には、コンテンツC160が表示されている。また、コンテンツC160には、ストロークC162が重畳して表示されている。さらに、コンテンツC160には、視認度合いを設定するために、視認度合い設定手段が表示される視認度合い設定領域M160が設けられている。
【0115】
図17(a)は、表示状態として、スライダが中央に位置している場合の実施形態である。この場合、コンテンツ透明度が「0%」、ストローク背景透過度は「100%」に設定されている。視認度合い設定領域M160に表示された視認度合い設定手段であるスライダは、真ん中に表示されている。この場合、コンテンツC160は視認可能に表示されており、コンテンツC160に重畳してストロークC162が描画(表示)されている。この場合、利用者はコンテンツC160と、ストロークC162とを視認することが可能となる。
【0116】
図17(a)の状態から、スライダを右端に移動したのが
図17(b)である。この場合、視認度合いとしてはストローク背景透過度の設定となり、本図ではストローク背景透過度が「0%」になっている。したがって、コンテンツC160は視認することができない状態となる。ストローク背景透過度が「0%」となり、白濁化することで、コンテンツC160を利用者が視認できず、ストロークC162のみが視認可能となっている。また、ストローク背景が白濁化していることから、もともとコンテンツが表示されていた枠内は、白く表示されてもよい。
【0117】
また、スライダを左端に移動したのが
図17(c)である。この場合、視認度合いとしてはコンテンツ透明度の設定となり、本図ではコンテンツの透明度が「100%」になっている。したがって、コンテンツC160は透明になり、利用者は視認することができない。本図では、ストローク背景透過度「100%」、コンテンツC160の透明度「100%」となっており、コンテンツの背景にある他のオブジェクトや、ワークエリアがそのまま表示され、そのコンテンツがあった枠に表示されたシートの上にストロークが表示される。なお、コンテンツの枠については表示されてもよいし、表示されなくてもよい。
【0118】
このように、本実施形態によれば、視認性を設定するとき、視認度合いを設定すれば、コンテンツ透明度と、ストローク背景透過度とを同じ操作で変更することが可能となる。これにより、ストロークについてのみ視認させるといったことが可能となり、また、コンテンツについても視認できるように表示したり、非表示にしたりすることが可能となる。また、表示されない場合にも、単純に白濁化した状態となるのか、コンテンツ自体が透明となり、コンテンツの下のワークエリアやコンテンツを表示したりすることも可能となる。
【0119】
なお、本実施形態においては、一つの操作手段を用いてコンテンツ透明度、ストローク背景透過度のいずれかを制御する方法を記載したが、コンテンツ透明度、ストローク背景透過度のいずれを制御するかをあらかじめ設定したり、コンテンツ種類や状況によって確定したりしてもよい。
【0120】
すなわち、本実施形態においては一つの操作手段を用いて異なるパラメータを操作できることが重要である。したがって、操作によってどのパラメータを変化させてもよいし、併せて2つを変化させることとしてもよい。
【0121】
例えば、
図16においてストローク背景透過度と、コンテンツ透明度とを入れ替えて設定してもよいし、2つが同じように動作してもよい。また、中央付近は2つのパラメータの設定を変えられるということとしても良い。
【0122】
例えば、ストローク背景透過度「100%」と「コンテンツ透明度0%」とを対応させているが、ストローク背景透過度「100%」のとき、「コンテンツ透過度20%」と対応させてもよい。この場合、ストローク背景透過度「100%〜80%」の間は、コンテンツ透過度も「20%〜0%」と併せて設定されることとなる。
【0123】
[7.第7実施形態]
第7実施形態について説明する。第7実施形態は、視認性の設定として、ストローク自体を透過する場合の実施形態である。なお、本実施形態における機能構成及び処理フローは、第1実施形態、第6実施形態と原則同じであるため、相違する点を中心に説明する。
【0124】
本実施形態では、第6実施形態における
図15の第4メイン処理を、
図18の第5メイン処理に置き換えた処理を実行する。
【0125】
すなわち、視認性設定の操作において、視認度合いを設定するが、この場合上述した実施形態と同様に制御対象がストローク背景の場合(ステップS204;Yes)、ストローク背景透過度に基づいてストローク背景の処理を制御する(ステップS120;Yes→ステップS202→ステップS204;Yes→ステップS110)。
【0126】
しかし、視認度合いとして、ストローク自体を制御する操作がなされた場合(ステップS204;No)、設定されたストロークの透過度(ストローク透過度)に基づいてストロークで描画される図形についての制御処理を実行する(ステップS252)。これにより、ストロークについては、ストローク透過度が「0%」であれば視認可能に表示されるが、ストローク透過度が「100%」となれば利用者は視認出来ない状態(非表示)となる。
【0127】
図19は、本実施形態が適用された場合の表示画面W170の一例である。表示画面W170には、オブジェクトとしてコンテンツC170が表示されている。そして、コンテンツC170の下部には、視認度合い設定領域M170が設けられている。
【0128】
ここで、視認度合い設定領域M170に表示されているスライダを操作することで、コンテンツの表示(ストローク背景等)を制御することが可能となる。更に本実施形態では、視認度合い設定領域M170に、チェックボックスを利用したストローク選択マークM172が設けられている。このストローク選択マークM172が選択されることにより、ストロークに対する制御処理(透過処理)が実行される。なお、ストローク選択マークM172は、一例としてチェックボックスとしているが、単なる選択アイコンや、ラジオボタン、プルダウンによるメニュー表示といった他のUIであってもよい。
【0129】
例えば、
図19の表示画面W170では、ストローク選択マークM172が選択され、スライドバーがもっとも右に設定されている。この場合、ストローク透過度は「100%」となり、ストロークは視認出来ない状態(すなわち、非表示状態)となる。
【0130】
このように、本実施形態によれば、コンテンツだけでなく、ストローク自体に対しても視認度合いの設定として透過処理を行い、視認可能か否か、表示/非表示を切り替えることが可能となる。
【0131】
[8.第8実施形態]
第8実施形態について説明する。第8実施形態は、入力した識別情報を参照して、視認度合いを変更する実施形態である。なお、本実施形態における機能構成及び処理フローは、第1実施形態、第2実施形態と原則同じであるため、相違する点を中心に説明する。
【0132】
図20は、第1実施形態の
図2において説明した機能構成図を置き換えたものである。
図2の機能構成図に、識別ID取得部150が加わった構成である。
【0133】
識別ID取得部150は、利用者を識別するための識別IDを取得する為の機能部である。例えば、入力する操作ペンから出力される識別ID(識別信号)により、ストローク入力(手書き入力)した利用者を識別することが可能である。
【0134】
例えば、本実施形態におけるオブジェクト記憶領域142に記憶されるオブジェクトのデータの構成の一例を
図21に示す。ここで、オブジェクトに、識別IDを紐付けて記憶する。すなわち、コンテンツや、ストロークに対して識別IDを付加して記憶することにより、コンテンツやストロークを識別ID毎(利用者毎)に特定することが可能となる。
【0135】
図22は、第2実施形態で説明した
図10の第2メイン処理を置き換えた第6メイン処理である。視認性設定操作があった場合(ステップS120;Yes)、操作ペンから出力される識別IDを取得する(ステップS302)。
【0136】
ここで、識別IDを取得する方法としては、例えば視認性設定操作を行ったペンの識別IDを取得しても良いし、利用者が任意に選択したものを取得しても良い。そして、視認性設定操作により、視認度合いを変更することにより、ストローク背景に対する処理である場合には、識別IDと、透過度(ストローク背景透過度)に基づいてストローク背景の制御処理を実行する(ステップS202→ステップS204;Yes→ステップS304)。
【0137】
また、視認度合いを変更することにより、当該処理がコンテンツ透明度を変更する処理である場合には、コンテンツ透明度に基づいてコンテンツ制御処理を実行する(ステップS202→ステップS204;No→ステップS206)。
【0138】
図23は、本実施形態における動作を説明するための表示画面W180の一例である。
図23(a)の表示画面W180には、コンテンツC180に、ストロークC182と、ストロークC184とが表示されている。
【0139】
ここで、ストロークC182は、識別IDが「001」であり、ストロークC184は、識別IDが「002」である。すなわち、ストロークC182と、ストロークC184とは、描画した利用者が異なる。
【0140】
ここで、識別ID「001」の利用者が、視認度合い設定領域M180にある視認度合い設定手段であるスライダを操作した場合が、
図23(b)である。スライダを操作し、右端にスライダを移動させると、ストロークC182に対応するストローク背景透過度が「0%」となり、ストローク背景が白濁する。これにより、ストロークC182のみが表示される(利用者が視認出来る状態となる)。すなわち、コンテンツC180と、ストロークC184とは表示されない(利用者が視認出来ない状態となる)こととなる。
【0141】
なお、識別ID「001」の利用者であることを取得する方法としては、利用者がメニューから選択されたものを取得しても良い。また、
図23(b)に示すように、スライドバーを操作したペンPN2の識別ID「001」を検出し、検出された識別IDを取得された識別IDとしても良い。
【0142】
同様に、識別ID「002」の利用者が、視認度合い設定領域M180にある視認度合い設定手段であるスライダを操作した場合が、
図23(c)である。スライダを操作し、右端にスライダを移動させると、ストロークC184に対応するストローク背景透過度が「0%」となり、ストローク背景が白濁する。これにより、ストロークC184のみが表示される(利用者が視認出来る状態となる)。すなわち、コンテンツC180と、ストロークC182とは表示されない(利用者が視認出来ない状態となる)こととなる。
【0143】
なお、識別IDに対応するストロークを利用者が視認できるようにするために、上述した方法を実現する方法としては、例えば、レイヤの順序を適宜入れ替える。具体的には、識別IDに対応するストローク及びストローク背景が一番前面になるように、再描画を行う。これにより、利用者が所望するストロークが視認されるようになる。それ以外にも、例えば、現在対象となっているストローク以外を画像化して、別レイヤに表示するといった方法でも良い。
【0144】
なお、上述した処理では、視認性設定操作(視認度合い設定操作)があってから、識別IDを取得しているが、先に識別IDを取得してもよいことは勿論である。すなわち、ステップS120の前にステップS302を実行しても良い。また、視認性設定操作と併せて識別IDを取得しても良い。
【0145】
このように、本実施形態によれば、識別IDを利用することにより、視認可能となるストロークと、視認できない(非表示となる)ストロークとを、操作ペン毎に選択することが可能となる。
【0146】
なお、利用者の識別方法として操作ペンの識別IDを利用したが、他の方法を利用しても良い。例えば、利用者が任意の識別情報を選択したり、タッチボタンにより選択したりするといった方法であっても良い。また、複数の操作ペンがある場合に、特定の操作ペンだけが上述した方法を利用出来ることとしてもよい。
【0147】
[9.第9実施形態]
第9実施形態について説明する。第9実施形態は、オブジェクト全体に対して、利用者毎の処理を行うことが出来る実施形態である。なお、本実施形態における機能構成及び処理フローは、第8実施形態と原則同じであるため、相違する点を中心に説明する。
【0148】
本実施形態の処理は、第8実施形態の
図22で示した第6メイン処理を、
図24で示す第7メイン処理に置き換えたものである。ここで、第6メイン処理との相違は、ステップS206の代わりに、ステップS312を実行することである。
【0149】
すなわち、第8実施形態に加えて、コンテンツに対しても同様の処理を実行してもよい。コンテンツ制御処理を行い、コンテンツを透明化する場合にも、コンテンツ透明度と識別IDとに基づいてコンテンツ制御処理を実行する(ステップS312)。なお、コンテンツ制御処理は、ワークエリアに配置されているオブジェクト全体に対して行っても良い。
【0150】
図25は、本実施形態における動作を説明するための表示画面W190の一例である。
図25(a)の表示画面W190には、オブジェクトC190と、オブジェクトC192とが表示されている。それぞれの、オブジェクトには、コンテンツと、ストロークとが重畳して表示されている。また、オブジェクトC190は、識別ID001の利用者が、オブジェクトC192は、識別ID002の利用者がそれぞれ配置したものである。
【0151】
また、表示画面W190には、視認度合い設定領域M190が表示されている。視認度合い設定領域M190に表示された視認度合い設定手段であるスライダを操作することにより、視認度合いとしてストローク背景透過度またはコンテンツ透明度を制御することができる。
【0152】
ここで、
図25(b)は、ペンPN2でスライダを右端に移動させた図である。ペンPN2には、識別ID「001」が割り当てられている。したがって、オブジェクトC190に対して、ストローク背景透過度が「0%」となると、ストローク背景が白濁し、白地にストロークが表示されている。
【0153】
また、
図25(c)は、ペンPN4でスライダを左端に移動させた図である。ペンPN4には、識別「ID002」が割り当てられている。したがって、オブジェクトC192に対して、コンテンツが透明化される(コンテンツ透明度が「100%」になる)ことにより、オブジェクトにストロークが表示されている。
【0154】
このように、本実施形態によれば、オブジェクトに対して識別IDを利用することにより、必要なオブジェクトにだけ、一括の視認度合いの変更処理を行うことが可能となる。
【0155】
[10.第10実施形態]
第10実施形態について説明する。第10実施形態は、上述した実施形態において設定した視認度合いや、オブジェクトの配置等を配置するときに、設定された視認度合い(例えば、ストローク背景透過度、コンテンツ透明度)に基づいて再度コンテンツの表示を行う実施形態である。
【0156】
具体的には、オブジェクト記憶領域142に記憶された情報を、別の保存領域に保存を行う。この保存領域に保存されるオブジェクトに関する情報は、
図3に示される情報である。
【0157】
ここで、保存されたオブジェクトに関する情報が、再度読み出されることにより、以前配置された、オブジェクトの位置、ストローク背景透過度、コンテンツ透明度が再現される。すなわち、制御部110は、オブジェクトに関する情報に基づき、コンテンツを位置に基づいてワークエリアに配置する。また、配置した後、ストロークデータに基づいてストロークを描画する。そして、ストローク背景透過度や、コンテンツ透明度を読み出し上述した処理と同様の処理を実行することにより、ワークエリアに配置されたオブジェクトの状態を再現することが可能となる。
【0158】
[11.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0159】
また、上述した実施形態では、操作検出部としてタッチパネルとし、タッチ操作(タップ操作)を例に説明したが、例えばマウス等の外部入力装置で、クリック操作等により操作が行われてもよい。
【0160】
また、上述した実施形態では、表示部130と、操作検出部120とが一体となっているタッチパネルを例として説明したが、本実施形態に開示した発明を実施するためには、他の方式であっても良い事は勿論である。例えば、表示部130としてプロジェクタを利用し、操作検出部120として人感センサを利用しても良い。そして、操作検出部120、表示部130に制御用のコンピュータを接続することにより、表示システムとして実現されても良い。
【0161】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行しても良いことは勿論である。例えば、第5実施形態の操作を、他の実施形態と組み合わせて実行しても良い。また、第1実施形態、第2実施形態についても、コンテンツを透過する制御を行う方法の説明であるため、他の実施形態と組み合わせて実行しても良い。
【0162】
このように、本明細書に記載した各実施形態は、矛盾の無い範囲で組み合わせて実行することができる。
【0163】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDD、SSDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0164】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。