特許第6945372号(P6945372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6945372
(24)【登録日】2021年9月16日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】拡張現実感カテーテルインターフェース
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20210927BHJP
   A61M 25/092 20060101ALI20210927BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20210927BHJP
【FI】
   A61B34/20
   A61M25/092 510
   A61B1/00 554
   A61B1/00 711
   A61B1/00 682
   A61B1/00 623
   A61B1/00 650
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-142066(P2017-142066)
(22)【出願日】2017年7月21日
(65)【公開番号】特開2018-27300(P2018-27300A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2020年6月19日
(31)【優先権主張番号】15/218640
(32)【優先日】2016年7月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン・エフ・ワーナー
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー・エフ・シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・アール・シュナイデウェンド
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ピー・スティームケ
【審査官】 小宮 寛之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0321262(US,A1)
【文献】 特開2014−154165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/20
A61M 25/01
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ロボット介入医療処置において利用されるカテーテル制御ハンドル(36)用の触覚フィードバックモジュール(42)であって、前記触覚フィードバックモジュール(42)は、
制御ハンドル(36)の外側に取り外し可能に固定されるように構成されたハウジング(8)と、
ハンドルまたはコンピュータシステムに接続するために、前記ハウジング(48)に接続され、前記ハウジング(48)から外側に伸びるケーブル(56)と、
少なくとも部分的に前記ハウジング(8)内に配置されたいくつかのトランスデューサ(44,45,46)と、を含み、前記いくつかのトランスデューサ(44,45,46)は、前記コンピュータシステム(16)からの信号に応答して触覚フィードバックを提供するように動作可能である、触覚フィードバックモジュール(42)。
【請求項2】
前記ハウジング(8)内に配置され、前記トランスデューサ(44,45,46)を前記コンピュータシステム(16)に無線接続するように構成された無線トランシーバ(54)をさらに含む、請求項1に記載の触覚フィードバックモジュール(42)。
【請求項3】
前記ハウジング(48)から外向きに延在し、前記トランスデューサ(44,45,46)を前記コンピュータシステム(16)に動作可能に接続するように構成されたケーブル(56)含む、請求項1または2に記載の触覚フィードバックモジュール(42)。
【請求項4】
前記ケーブル(56)は、前記コンピュータシステム(16)に直接接続されるように構成される、請求項3に記載の触覚フィードバックモジュール(42)。
【請求項5】
前記ケーブル(56)は、前記カテーテル制御ハンドル(36)に直接接続されるように構成される、請求項3に記載の触覚フィードバックモジュール(42)。
【請求項6】
前記ハウジング(8)は、
前記トランスデューサ(44,45,46)が配置される上部部分(50)と、
前記上部部分(50)から外向きに延在するいくつかの下部部分(52)と、を含み、前記下部部分(52)は、前記カテーテル制御ハンドル(36)に係合するように構成された係合構造体(53)を含む、請求項3または5に記載の触覚フィードバックモジュール(42)。
【請求項7】
前記トランスデューサ(44,45,46)に動作可能に接続された処理ユニット(58)と、
前記処理ユニット(58)に動作可能に接続され、1つもしくは複数のセンサデータ、医療介入処置のステップまたはセンサ警告に対応するトランスデューサ(44,45,46)の動作パターンもしくは動作シーケンスを格納するように構成された電子記憶媒体(60)と、をさらに含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の触覚フィードバックモジュール(42)。
【請求項8】
前記ハウジング(8)はグローブ(100)を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の触覚フィードバックモジュール(42)。
【請求項9】
カテーテル制御ハンドル(36)であって、
ハウジング(8)と、
前記ハウジング(8)から外向きに延在するシャフト(32)であって、少なくとも1つのセンサ(35)含む先端部(33)で終端するシャフト(32)と、
前記ハウジング(8)から外向きに延在し、センサデータをコンピュータシステム(16)に供給するために前記コンピュータシステム(16)に接続されるように構成された導体(34)と、
前記ハウジング(8)に配置され、前記シャフト(32)を制御するために前記シャフト(32)に接続された制御装置(40)と、
請求項1乃至8のいずれかに記載の前記触覚フィードバックモジュール(42)と、を含むカテーテル制御ハンドル(36)。
【請求項10】
カテーテル制御ハンドル(36)であって、
ハウジング(8)と、
前記ハウジング(8)から外向きに延在するシャフト(32)であって、少なくとも1つのセンサ(35)含む先端部(33)で終端するシャフト(32)と、
前記ハウジング(8)から外向きに延在し、センサデータをコンピュータシステム(16)に供給するために前記コンピュータシステム(16)に接続されるように構成された導体(34)と、
前記ハウジング(8)に配置され、前記シャフト(32)を制御するために前記シャフト(32)に接続された制御装置(40)と、
前記ハウジング(8)の外側に取り外し可能に配置された触覚フィードバックモジュール(42)と、を含み、前記触覚フィードバックモジュール(42)は、コンピュータシステム(16)に接続され、センサデータまたはセンサ警告に関連する前記コンピュータシステム(16)からの信号に応答して前記触覚フィードバックモジュール(42)の動作を制御するように構成され、
前記触覚フィードバックモジュール(42)は、前記ハンドルまたは前記コンピュータシステム(16)に接続するために、前記ハウジング(48)に接続され、前記ハウジング(48)から外側に伸びるケーブル(56)を備える、カテーテル制御ハンドル(36)。
【請求項11】
前記触覚フィードバックモジュール(42)は、前記制御装置(40)に隣接して配置されたトランスデューサ(44,45,46)を含み前記トランスデューサ(44,45,46)は、前記トランスデューサ(44,45,46)の動作を制御するために前記コンピュータシステム(16)に動作可能に接続されるように構成され、請求項10に記載の制御ハンドル(36)。
【請求項12】
前記触覚フィードバックモジュール(42)はグローブ(100)を含む、請求項11に記載の制御ハンドル(36)。
【請求項13】
前記触覚フィードバックモジュール(42)は、
a.前記トランスデューサ(44,45,46)に動作可能に接続された処理ユニット(58)と、
b.前記処理ユニット(58)に動作可能に接続され、1つもしくは複数のセンサデータ、医療介入処置のステップまたはセンサ警告に対応するトランスデューサ(44,45,46)の動作パターンもしくは動作シーケンスを格納するように構成された電子記憶媒体(60)と、を含む、請求項11に記載の制御ハンドル(36)。
【請求項14】
前記触覚フィードバックモジュール(42)は、前記導体(34)に動作可能に接続される、請求項11乃至13のいずれかに記載の制御ハンドル(36)。
【請求項15】
前記トランスデューサ(44,45,46)は、少なくとも部分的に前記ハウジング(48)の外側に配置される、請求項1乃至8のいずれかに記載の触覚フィードバックモジュール(42)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、介入医療処置において利用されるカテーテルに関し、より詳細には、カテーテルを利用する個人に非視覚的指示または合図を提供するカテーテルのフィードバックシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、カテーテルが使用される患者の様々な状態を評価するために、ますます多くの介入医療処置において使用されている。カテーテルを用いて処置を行う際に、大部分のカテーテル設計では、医師がカテーテルのハンドルを保持し、そこから患者の体内に挿入されるシャフトを延長させる。医師は一方の手でカテーテルハンドルを保持し、他方の手でハンドルの制御を操作して、シャフトおよびカテーテル先端部を所望の位置に移動させて、検査および/または治療する組織に関する情報および/または画像を得る。
【0003】
カテーテルのハンドルから延在するシャフトの長さに起因して、シャフトを介したハンドル、したがって医者においては、カテーテル先端部およびシャフトからの直接の触覚フィードバックは制限される。これは、カテーテルからの触覚フィードバック、すなわち、先端部およびシャフトによって接触された組織によるカテーテル先端部およびシャフトに作用する力を介してカテーテルの位置を感知する医師の能力を制限し、それによって、処置中に医師に提供される情報を制限する。さらに、カテーテル上のペーシングまたはアブレーションの発生などの他の重要なカテーテル状態情報は、カテーテルハンドルへの機械的フィードバックを生成しない。
【0004】
この問題に対するいくつかの先行技術の解決法では、カテーテルに接続されるように設計された様々な撮像/記録システムが開発されており、これらのシステムは、カテーテル先端部およびシャフトに加えられた力に関する情報を、検査および/または治療する組織の画像と併せてディスプレイに表示することができる。しかしながら、この情報を受け取るためには、医師は情報が図示されている場所のディスプレイを必ず見なければならない。これは、次に、医師が、情報を見るためにディスプレイ上で検査している組織を表す画像よりも別の場所を見ることを必要とする。しかしながら、ディスプレイ上のこれらの二次表現は気を散らすことがあり、測定することはしばしば困難であり、医師が処置を実行しながら、図表のように表現された情報を解釈する必要があり、これらのすべては医師の注意を一時的にシフトさせることがあり、これは望ましくない。
【0005】
カテーテル先端部および/またはシャフトに加えられる力に対するフィードバックを提供する他の代替的解決策には、可聴音および/または警告が含まれるが、これらは、カテーテル先端部および/またはシャフトに作用する実際の力について医師に何らかの情報があったとしても、ほとんど提供しない。
【0006】
カテーテルが接続されている記録/マッピング/撮像システムに関連する視覚的および聴覚的フィードバックシステムに代わるものとして、開発されてきた更なる従来技術のフィードバック代替案は、医師に提供される触覚フィードバックを含むロボット介入システムの使用である。そのようなシステムの1つが、Robotic Catheter System Including Haptic Feedbackと題する米国特許第8,390,438号明細書に開示されており、これは、あらゆる目的のために参照により本明細書に明確に組み込まれる。このシステムでは、ロボットカテーテルシステムは、入力制御システムを使用することによって医師がロボットカテーテルマニピュレータアセンブリとの介入処置を遠隔で実行できるように、ロボットカテーテルマニピュレータアセンブリの動作を制御するように設計された入力制御システムを含む。ロボットカテーテルシステムはまた、入力制御システム上に位置する触覚フィードバックシステムを含む。触覚フィードバックシステムは、入力制御システムの一部を形成するユーザインターフェース装置と併せて配置される。触覚フィードバックシステムは、カテーテルおよびカテーテル上に配置されたセンサなどの他のソースによって提供される抵抗および他のタイプの情報に対応するユーザインターフェースデバイスを介して、ユーザに機械的抵抗および他のタイプのフィードバックを提供する。
【0007】
開示されたロボットカテーテルシステムに加えて、‘438特許は、触覚フィードバックシステムをカテーテルのハンドル内に直接配置することができ、その場合はユーザ入力システムが省略されることをさらに開示している。この先行技術のシステムにおける触覚フィードバックシステムからのフィードバックは、フィードバック内に含まれる情報を医師に提供するために、カテーテルハンドルを保持する医師が受け取るように、カテーテルハンドルに直接送り返される。
【0008】
‘438特許はまた、触覚フィードバックシステムが、ユーザによって装着され、3次元撮像システムまたは液体タンク内のフィードバックセンサと共に使用されるグローブの形態のユーザ入力システムで構成される実施形態を開示する。グローブ上のセンサには、処置の実施に使用するためにグローブを通って着用者に伝達されるカテーテルからのフィードバックが提供される。
【0009】
‘438特許に提供された先行技術の解決策は、遠隔システムまたはカテーテルハンドルに組み込まれているかどうかにかかわらず、ユーザ入力システムを介して触覚フィードバックを直接医師に送り返すことができるが、いずれの実施形態においても、フィードバックシステムを利用するには、ロボットと遠隔ユーザ入力システム、あるいは触覚フィードバックシステムとハンドル内の付随するフィードバック装置とで構成されるカテーテルハンドルのいずれかを使用する必要がある。このように、‘438特許の触覚フィードバックシステムは、医者にフィードバックを提供するために、処置を実行するために利用されるカテーテルシステムの設備投資/コストおよび複雑性の大幅な増加を必要とする。
【0010】
したがって、既存のカテーテル構成に重大な改変または変更を加えることなく、カテーテルのユーザに効果的な触覚フィードバックを提供することができる、医療介入処置で使用される手動操作カテーテルと共に使用するための触覚フィードバックシステムのシステムおよび方法を開発することが望まれている。このシステムは、医師が適用するために最も適切なカテーテルを選択することを可能にするために、シェルフカテーテルから現在入手可能な幅広いアレイでの触覚フィードバックの使用を可能にすることもまた望まれている。最後に、触覚フィードバックシステムは、カテーテルの圧力または位置(ペーシングまたはアブレーション信号の存在など)に関係しない、より一般的なシステムイベントの戦術的感覚を可能にすることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第2777585号明細書
【発明の概要】
【0012】
医師/ユーザがフィードバックシステムから触覚フィードバックを受け取りながら従来の方法でカテーテルを操作することを可能にする手動操作カテーテルに対する触覚フィードバックシステムの必要性または要望がある。フィードバックシステムは、ユーザに触覚フィードバックを提供しながら、医師がハンドル上の制御を保持して操作する能力を妨げないような方法で、ユーザの手の上またはカテーテル制御ハンドル上に配置することができる触覚フィードバックモジュール/インターフェースを含む。上述の欠点および必要性は、以下の説明において本明細書に記載される実施形態によって対処される。フィードバックモジュールは、医師がコンピュータシステムから暗黙の方向/誘導を受け取ることができるように、触覚(圧力、方向、誘導)および温度(切除、危険、力と組み合わせた方向)の形態の物理的フィードバックを提供する。このフィードバックを介して、ユーザは処置に常に触れており、触診フィードバックを解釈して、ナビゲーション、組織接触、または実施される処置の処置ステップの完了のための物理的表現もしくは指示のいずれかの追加の誘導を提供することができる。フィードバックシステムは、フィードバックの形態(抵抗拡大のような)または接触による誘導の形態のいずれかでユーザにカテーテルの高められたまたは追加の感触、ならびに熱および寒さを含む更なるフィードバック/感知信号、ならびに存在ペーシング信号およびアブレーション信号を提供するために非ロボット使用のために設計されている。
【0013】
本発明の1つの例示的な非限定的な態様によれば、カテーテル制御ハンドル上に配置するために、非ロボット介入医療処置に用いられる医療用コンピュータシステムとともに使用する触覚フィードバックシステムおよびモジュールが提供される。触覚フィードバックモジュールは、コンピュータシステムに供給されるセンサデータおよび他の情報に応答してフィードバックモジュールがユーザに触覚フィードバックを提供することを可能にするために、コンピュータシステムに動作可能に接続されたトランスデューサを含む。触覚フィードバックモジュールは、介入医療処置において利用されるカテーテル制御ハンドルの制御を維持しながら、ユーザが触覚フィードバックを受け取ることを可能にするために、カテーテル制御ハンドルに取り外し可能に取り付け可能な別個の構成要素として形成される。
【0014】
本発明の1つの例示的な非限定的な実施形態によれば、触覚フィードバックモジュールは、カテーテルの制御ハンドル上に取り外し可能に配置可能なハウジングを備えて形成される。ハウジングは、中央プロセッサと、記録/マッピングシステムなどのカテーテル用制御システムと通信するためのトランシーバと、ハウジング内に配置され、ハウジングからカテーテルのユーザに搬送される選択されたタイプの触覚フィードバックを生成するために作動することができるいくつかのトランスデューサと、を含む。
【0015】
本発明の別の例示的な非限定的な実施形態によれば、触覚フィードバックモジュール用のハウジングは、グローブなどのカテーテルのユーザの手に直接置かれるように形成される。この例示的で非限定的な実施形態のハウジングは、中央プロセッサ、トランシーバ、およびハウジングを介してシステムのユーザに伝達するための触覚フィードバックの生成のためのいくつかのトランスデューサまたは同様の装置も含む。
【0016】
本発明の1つの例示的な非限定的な実施形態の別の態様によれば、非ロボット介入医療処置において利用されるカテーテル制御ハンドル用の触覚フィードバックモジュールは、制御ハンドルに取り外し可能に固定されるように構成されたハウジングと、少なくとも部分的にハウジング内に配置されたいくつかのトランスデューサと、を含み、いくつかのトランスデューサは、コンピュータシステムからの信号に応答して触覚フィードバックを提供するように動作可能である。
【0017】
本発明の1つの例示的な非限定的な実施形態のさらに別の態様によれば、カテーテル制御ハンドルは、ハウジングと、ハウジングから外向きに延在するシャフトであって、少なくとも1つのセンサおよび任意に電極を含む先端部で終端するシャフトと、ハウジングから外向きに延在し、センサデータをコンピュータシステムに供給するためにコンピュータシステムに接続されるように構成された導体と、ハウジングに配置され、シャフトを制御するためにシャフトに接続された制御装置と、ハウジングに取り外し可能に配置された触覚フィードバックモジュールと、を含み、触覚フィードバックモジュールは、コンピュータシステムに接続され、センサデータ、非ロボット医療介入処置におけるステップ、インターフェース動作、またはセンサ警告に関連するコンピュータシステムからの信号に応答して触覚フィードバックモジュールの動作を制御するように構成される。
【0018】
本発明の1つの例示的な非限定的な実施形態のさらに別の態様によれば、非ロボット介入医療処置中に手動操作式カテーテル制御ハンドルのユーザに触覚フィードバックを提供する方法は、カテーテル制御ハンドルを提供するステップであって、カテーテル制御ハンドルは、ハウジングと、ハウジングから外向きに延在し、少なくとも1つのセンサおよび任意に電極を含む先端部で終端するシャフトと、ハウジングから外向きに延在し、センサデータをコンピュータシステムに供給するためにコンピュータシステムに接続された導体と、ハウジングに配置され、シャフトを制御するためにシャフトに接続された制御装置と、ハウジングに取り外し可能に配置された触覚フィードバックモジュールと、を含み、触覚フィードバックモジュールは、トランスデューサの動作を制御するためにコンピュータシステムに接続されたいくつかのトランスデューサを含む、ステップと、触覚フィードバックモジュールをハウジングに固定するステップと、少なくとも1つのセンサからコンピュータシステム内にセンサデータを受け取るステップと、センサデータに応答してトランスデューサを動作させるステップと、を含む。
【0019】
上記の簡単な説明は、詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供されていることを理解されたい。特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することは意図されておらず、その主題の範囲は詳細な説明に添付される特許請求の範囲によって一義的に定義される。さらに、特許請求される主題は、上記のまたは本開示の任意の部分に記載の欠点を解決する実施態様に限定されない。
【0020】
図面は、本開示を実施するための現在考えられる最良の形態を示す。図面の説明は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の1つの例示的な非限定的な実施形態によるカテーテル制御ハンドルを含む介入マッピング/記録/撮像システムの概略図である。
図2】本発明の例示的な非限定的な実施形態による触覚フィードバックインターフェースモジュールを含むカテーテル制御ハンドルの等角図である。
図3】本発明の別の例示的な非限定的な実施形態による触覚フィードバックインターフェースモジュールの等角図である。
図4】本発明の別の例示的な非限定的な実施形態による触覚フィードバックインターフェースモジュールの等角図である。
図5】本発明の例示的な非限定的な実施形態による触覚フィードバックインターフェースモジュールの動作方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照し、例示のために実施可能な特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、当業者が実施形態を実施できるように十分詳細に記載されており、他の実施形態も利用することができること、ならびに論理的、機械的、電気的およびその他の変更を、実施形態の範囲から逸脱せずに行うことができることを理解すべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈すべきではない。
【0023】
図1を参照すると、図示する例示的な非限定的な実施形態では、介入検査室/手術室14などの患者ケア施設10は、患者ベッド12、医療マッピング/撮像/記録装置16などのコンピュータシステム、およびカテーテル18を含む。患者ベッド12は、医療撮像/記録装置16がカテーテル18を使用して患者20の内部医療画像を取得することができるように、介入検査室/手術室14で患者20を支持するように構成される。様々な例示的な非限定的な実施形態では、患者ベッド12は、システム16およびカテーテル18で介入処置を実行しながら患者20を支持することができる任意の適切な設計のベッドであってもよい。
【0024】
医療マッピング/撮像/記録装置またはシステム16は、検査および/または治療目的のためにカテーテル18を介して患者20内の選択された組織の画像を取得、記録、マッピング、および/または操作するための任意の適切なシステム、例えば、米国特許出願公開第2005/0209524A1号明細書の発明の名称「System And Method For Receiving And Storing Information Pertaining To A Patient」などであってもよく、上記特許は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。図1の例示的な非限定的な実施形態では、システム16は、医師がカテーテル18によって提供される画像を見ることができるディスプレイ画面24を支持するベッド12に接続された取り付け構造体22を含むことができる。システム16はまた、ディスプレイ24に動作可能に接続され、ディスプレイ上の選択された画像を示すように、および/またはディスプレイ24に示された画像の測定値を得ることができるように、医師が直接的にやりとりすることができるインターフェース26を含むことができる。システム16は、望んだ通りに、システム16によって取得されたデータおよび画像をネットワークに送信し、ネットワークを介して遠隔地に送信するために、患者ケア施設10内に配置されたコンピュータネットワーク(図示せず)に動作可能に接続されるように、有線接続または無線接続を使用するなどして、既知の方法でさらに構成することができる。
【0025】
図示する例示的な非限定的な実施形態では、取り付け構造体22は、ディスプレイ24を支持するように構成され、ベッド12を取り囲む滅菌ゾーンまたはフィールド30の外部の領域でレール28を介してベッド12に結合される。別の例示的な非限定的な実施形態では、取り付け構造体22は、レール以外の手段によりベッド12に結合されてもよい。取り付け構造体22は、最良の観察のために、または患者20に対して行われる処置を妨害しないような様々な理由により、医師が望む様々な位置にディスプレイ24を配置することができる。他の例示的な非限定的な実施形態では、取り付け構造体22は、ベッド12に直接結合されていないカートであってもよい。
【0026】
ここで図2を見ると、カテーテル18は、患者20に対して介入処置を実行するために利用される任意の適切なタイプのツールおよび/またはカテーテルであってもよく、それは例えば、アブレーションカテーテル、マッピングカテーテル、バルーンカテーテル、針/拡張器ツール、切削ツール、焼灼ツール、および/または把持ツールを含むが、これらに限定されない様々な処置に有用なカテーテル18などであってもよい。カテーテル18は、患者20に挿入され、医療マッピング/撮像システム16と協働し、ディスプレイ24上に表示するためのセンサおよび医用撮像データを取得し、および/またはカテーテル18によって接触される患者20内の組織を治療する。図2の例示的な非限定的な実施形態では、カテーテル18は、患者20に挿入するための先端部33を有するシャフト32が貫通する制御ハンドル36を含む。シャフト32および/または先端部33は、例えばカテーテル先端部33およびシャフト32に加えられる温度、力およびトルクなど、カテーテル18と接触する組織の様々な属性を検出するためのいくつかのセンサ35を含む。先端部33はまた、カテーテル先端部33を囲む組織に熱、低温または他の組織に影響を及ぼす構造またはエネルギーを印加するために、1つまたは複数の電極39または他の組織影響部材を含むことができる。
【0027】
ハンドル36は、ハンドル32をマッピング/撮像/記録システム16に接続し、シャフト32を通って延在する導体34にシャフト32の反対側で動作可能に接続されている。導体34は、シャフト32および/または先端部33によって得られた様々なセンサおよび画像信号が、システム16による利用および処理のために、カテーテル18を介して導体34に沿ってマッピング/撮像システム16に伝送されることを可能にする。さらに、システム16からの信号は、シャフト32/先端部33によって接触される組織の処置などのために、導体34に沿って先端部33に伝達され得る。
【0028】
制御ハンドル36は、ユーザによるカテーテル18の把持を可能にするように構成されたハウジング37を含む。制御ハンドル36は、システム16による使用のためのセンサ35からのデータなど、患者20内のデータを取得して検索するために、シャフト32および先端部33を患者20内の所望の位置に案内するように、ユーザ/医師によって操作することができる。1つの例示的な非限定的な実施形態では、制御ハンドル36は、ユーザ/医師が患者20内のシャフト32および/または先端部33を操作して、シャフト32および/または先端部33を患者20内の所望の位置に移動させて、所望のセンサデータを得る、または選択された組織を、例えば電極39を用いて処置することを可能にする制御装置40を含む。制御装置40は、医師が患者20内のシャフト32および/または先端部33の位置を所望に応じて遠隔操作することを可能にする任意の適切なまたは所望の構成を有することができる。シャフト32および/または先端部33によって接触される患者内の組織を治療するためにカテーテル18が利用される例示的な非限定的な実施形態では、例えば、カテーテル18がアブレーションカテーテルである場合のように、制御装置40は、シャフト32および/または先端部33を操作するための、およびシャフト32および/または先端部33に配置された治療要素または電極39の操作のための制御要素(図示せず)を含むことができる。
【0029】
ここで図2および図3を参照すると、制御ハンドル36は、その上に配置された触覚フィードバックモジュール42をさらに含む。触覚フィードバックモジュール42は、非ロボットシステムとの排他的使用のために設計され、適切な有線または無線接続などを介してマッピング/撮像/記録システム16に動作可能に接続される。図示する図2および図3の非限定的な実施形態では、触覚フィードバックモジュール42は、制御ハンドル36のハウジング37から分離されたハウジング48を含むことができる。ハウジング48は、制御ハンドル36を形成するために使用されるものと同じまたは同様の材料などの任意の適切な材料で形成され、制御ハンドル36の形状に適合する上部部分を有する。一対の下部部分52は、上部部分50の両側の上部部分から下方に延びており、ハウジング48を制御ハンドル36上にしっかりと安定して係合させて保持するように構成されている。これを達成するために、下部部分52は、カテーテル制御ハンドル36に形成された相補的な溝(図示せず)内に取り外し可能に係合可能なリブ55などの係合構造体53を含み、それは例えば制御ハンドル36に摩擦係合することによって、ハウジング48を制御ハンドル36と適切にかつ取り外し可能に係合させるように作動する。代替的な実施形態では、モジュール42をハンドル36を囲むように形成することができ、モジュール42をハンドル36にしっかりと係合させることもできる。
【0030】
図示する例示的な非限定的な実施形態におけるモジュール42のハウジング48は、制御ハンドル36内の導体34に直接接続されていないので、ハウジング48は、触覚フィードバックモジュール42を介してシステム16から医師に中継されるカテーテル18からシステム16によって提供されるフィードバックを受け取るために、近接無線通信(NFC)技術、Bluetooth(登録商標)またはWiFi信号などにより、システム16と通信することができる無線トランシーバ54を含む。代替的な例示的な非限定的な実施形態では、ハウジング48は、ハウジング48から外向きに延在し、制御ハンドル36上に配置された適切なポート(図示せず)内で接続可能であり、モジュール42を導体34またはシステム16に接続する、USBまたはイーサネット(登録商標)互換ケーブルなどの、個別の、選択的に分離可能な、プラグインケーブル56を含むことができる。さらに、ハウジング48は、触覚フィードバックモジュール42を操作することができ、必要に応じて、モジュール42を選択的に作動させるための関連する電源スイッチ(図示せず)と任意に接続された適切な電源57を含むことができる。電源57は、交換可能または再充電可能であってもよいし、あるいは、ハウジング48から延在するプラグインケーブル56を通って触覚フィードバックモジュール42に供給される電力により完全に省略してもよい。さらに、ハウジング48は、制御要素43を介して供給されるフィードバック信号を導くための処理ユニット58と、触覚フィードバックモジュール42の動作に関する様々な情報を格納することができる処理ユニット58に動作可能に接続された電子記憶媒体60と、を含むことができる。さらに、モジュール42の使用に関する無菌性の問題を回避するために、他の例示的な非限定的な実施形態では、モジュール42は、使用後に使い捨てにすることができる。
【0031】
触覚フィードバックインターフェースモジュール42はまた、ハウジング48の上および/またはハウジング48内に配置されたいくつかのトランスデューサ44、45、46を含む。トランスデューサ44〜46は、それぞれ処理ユニット58に接続されており、ユーザに感触を与えて触覚フィードバックをユーザに提供する振動または振動をハウジング48に提供するように動作可能である。トランスデューサ44〜46は、ハウジング48上の任意の構成で配置することができ、任意の適切な方法で触覚フィードバックを提供するように動作させることができる。1つの例示的な非限定的な実施形態では、トランスデューサ44〜46は、処理ユニット58を介して一緒に動作させることができ、あるいはハウジング48の特定の指定された領域に形成されたフィードバックゾーン47の形態で別々に配置および/または動作させることができる。他の例示的な非限定的な実施形態では、加熱もしくは冷却要素または温度可変装置(図示せず)の形態の追加のトランスデューサを同様にハウジング48の上または内部に組み込んで、アブレーション処置中などに、処置される組織の温度に関する触覚フィードバックをユーザに提供することができる。
【0032】
複数のトランスデューサ44〜46は、それぞれのフィードバックゾーン47内に存在するものと同様に、電子記憶媒体60に予めプログラムされ格納されたフィードバックパターンまたはシーケンスを使用して処理ユニット58を介して制御することができる。例示的な非限定的な実施形態では、システム16を介して処理ユニット58によって受信されるカテーテル18上のセンサ35からの情報に基づいてユーザに提供されるフィードバックのタイプに応じて、とりわけ、センサ35によって決定された力、トルク、もしくは温度、またはカテーテル18の現在の動作の態様に関連する警告を示すフィードバックなどに応じて、処理ユニット58は、ユーザに中継される情報のタイプを示す触覚フィードバックをユーザに提供するために、トランスデューサ44〜46またはトランスデューサ44〜46のゾーン47の1つまたは複数をパターンまたはシーケンスで動作させることができる。例えば、カテーテル先端部33上の周囲組織によって加えられる力を示す触覚フィードバックがユーザに中継される際に、処理ユニット58は、記憶媒体60にアクセスして、トランスデューサ44〜46の活性化の関連パターンの位置を見つけて、先端部33に及ぼされる力に関する情報を中継する触覚フィードバックとして利用することができる。次いで、処理ユニット58は、予めプログラムされたパターンまたはシーケンスを使用して、トランスデューサ44〜46のうちの1つまたは複数を動作させて、ハウジング48およびトランスデューサ44〜46に接触するユーザに適切な触覚フィードバックを提供することができる。トランスデューサ44〜46の動作は、医師が実行中の処置中に冗長な情報源を提供するために、ディスプレイ24上のセンサデータ、警告または処置情報の提示と併せて任意に行われる。
【0033】
トランスデューサ44〜46またはゾーン47の動作のためのフィードバックパターンまたはシーケンス、および/または、例えば、機械的、振動的、熱的などの提供される様々なタイプの触覚フィードバックのためのパターンにおけるトランスデューサ44〜46またはゾーン47のそれぞれの動作周波数は、予めプログラムされ、ユーザにより任意選択的に変更することができ、カテーテル18上のセンサ35から受信されるような、システム16によって提供される情報に応答して処理ユニット58によってアクセスされる記憶媒体60に局所的に格納することができる。代替的な例示的な非限定的な実施形態では、様々なタイプの触覚フィードバックのためのトランスデューサ44〜46および/またはゾーン47の活性化のパターンもしくはシーケンスは、システム16に保持され、システム16とモジュール42との間の有線または無線接続に沿って処理ユニット58に中継され得る。
【0034】
いずれの構成においても、トランスデューサ44〜46またはゾーン47の動作のパターンまたはシーケンスは、実行されている特定の処置における様々なステップの結果または確認として、カテーテル18からのデータに対して開始することができる。例えば、トランスデューサは、ペーシングトレインごとに1回発射して、その発生およびタイミングに関するフィードバックを提供することができ、あるいは、潜在的な危険性の漸進的な警告を提供するために、アブレーション中に食道温度が上昇すると、振動強度を増加させることができ、あるいは、センサ35からのデータに基づく警告またはフィードバックシーケンスに対して、システム16内の適切なコンピュータアルゴリズムからトリガされてもよい。このようにして、触覚フィードバックモジュール42の閉ループ制御は、ユーザ命令に対して、または実行されている処置に対してカテーテル18によって感知されたデータに関するプログラムされたシーケンスまたは状況に対して、コンピュータ/システム16によって変更することができる。
【0035】
動作中に、触覚フィードバックモジュール42は、一連のユーザシーケンスを翻訳し伝達するための暗黙的なフィードバック、または進化する状況の全体的な状況認識を改善するための状況、または処置内の他の利用可能な情報源を強化するための危険なトリガポイントを提供する。例えば、触覚フィードバックモジュール42は、圧力をグラフィックで示すディスプレイ24の1つの特定の領域を見る必要はなく、センサ35を介して感知される力の場合に、心臓の壁に当たったり接触したりする先端部33の感覚をトランスデューサ44〜46を介して与えることができる。別の例示的な非限定的な実施形態では、モジュール42上の適切なトランスデューサ44〜46または温度可変要素を介してユーザに温度差を適用して、熱を用いたRFアブレーション処置または低温を用いた極低温凍結処置の最終段階を示すことができる。さらに、機械的フィードバックと温度フィードバックとの組み合わせは、モジュール42を使用して、接触が乏しい長時間の燃焼におけるカテーテル18の使用を示すような他の状況で使用することができる。さらに、ユーザに警告の形態で触覚フィードバックを提供するために、1つの例示的な非限定的な実施形態では、モジュール42は、漸増的に加熱されて、ユーザに火傷の危険性が増大することを示すことができるトランスデューサ44〜46または他の温度可変要素を用いることができ、アブレーションシーケンスの延長された期間は、モジュール42を介してユーザによって感じられ得る。
【0036】
上述したように、触覚フィードバックモジュール42は、予めプログラムされていてもよいし、あるいは、ユーザが、力もしくは温度、振動の形態またはフィードバックの他の形態で増強または強化されたフィードバックを経験する選択を任意に行ってもよく、それらは、例えば、圧力、弾性、迎え角、テクスチャ、心臓または呼吸運動によって引き起こされる振動など、マニュアルカテーテル操作中にユーザが経験する力に必ずしも対応するものではない。例えば、アブレーション中の先端部33上の温度センサ35からの信号は、例えば組織の過熱をユーザに警告する力または振動信号に変換することができる。また、組織と接触している間に、力センサ35上の高周波信号などの情報からテクスチャを得ることができる。
【0037】
また、触覚フィードバックを介して伝達される感知された状態に関する追加の情報を伝達するために、ゾーン47内のトランスデューサ44〜46の動作を通じてユーザに提供される触覚フィードバックを制御、低減、または増強することができる。例えば、モジュール42からの力フィードバックの量は、力の量がセンサ35によって提供される信号に比例するか、または縮小/拡大されるように、変調することができる。さらに、温度を示すモジュール42からの触覚フィードバックの場合には、カテーテル電極先端部33または他の接触領域の温度が所定の温度しきい値の間で加熱または冷却されると、モジュール42を加熱または冷却することができる。モジュール42の温度は、特定のユーザ要求および許容要因に基づいてスケールアップまたはスケールダウンされてもよい。例えば、カテーテル先端部33の温度が液体窒素温度に達するクライオカテーテル18の場合には、モジュール42によって提供される温度変化は、ユーザによって検出可能かつ許容可能な安全レベルにスケーリングされ、それは、例えば、Robotic Catheter System Including Haptic Feedbackと題する米国特許第8,390,438号明細書に開示されており、これは、あらゆる目的のために参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0038】
触覚フィードバックモジュール42により、介入処置においてカテーテル18のユーザに提供されるいくつかの技術的利点があり、それは以下のものを含むがこれに限定されない。
【0039】
ユーザインターフェースまたはディスプレイ24を補足する物理的インタラクション/触覚フィードバックの形態でユーザに追加の情報を提供する。
【0040】
システム16の他の構成要素からの警告に対する強化を提供する。
【0041】
動作のパターンまたはシーケンスを介して種々のタイプのメッセージを提供する。
【0042】
患者と医師との間の接触点の拡大を提供する。
【0043】
技術的利点に加えて、モジュール42の特定の商業的利点には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
状況認識を高める処置により没入感のある経験を提供する。
【0045】
システム16に関する独自の/プログラマブルなユーザ−カテーテル関係を提供することは、送出プロセスを観察するためのより暗黙的なセンスベースの方法を提供することによって処置の結果を改善する助けとなる。
【0046】
処置の期間および穿孔の危険性についての追加情報をユーザに提供することにより、合併症を軽減する。
【0047】
ここで図4を参照すると、別の例示的な非限定的な実施形態では、モジュール42は、ユーザの手の上に装着されるグローブ100の形態をとる。グローブ100は、トランスデューサ44〜46と、処理ユニット58と、ハウジング48内に存在する電源57と、システム16から、任意にゾーン47の、トランスデューサ44〜46の動作のためのパターン/シーケンスを受信する無線トランシーバ54と、を含む。着用すると、ゾーン47のトランスデューサ44〜46が作動して、モジュール42に関して上述したように着用者に触覚フィードバックを提供する。
【0048】
図5に示す触覚フィードバックモジュール42の動作方法の1つの例示的で非限定的な実施形態では、ブロック1000において、インターフェース制御部42の動作は、モジュール42と共にカテーテル18を使用して実行される処置のために提供される予めプログラムされたパターンまたはシーケンスにアクセスすることによって構成される。予めプログラムされたパターンおよびシーケンスは、必要に応じてモジュール42の起動を構成するために、システム16のインターフェース26を使用することなどにより、必要に応じて変更することができる。一旦構成されると、ブロック1002において、モジュール42は、カテーテルハンドル36上に、または、グローブ100の場合には着用者の手に配置される。一旦配置されると、ブロック1004において、ユーザは、センサ35からのデータがシステム16によって受信されるようにモジュール42を使用して処置を実行する。このデータは、ブロック1006において、モジュール42またはグローブ100上のトランスデューサ44〜46の動作のための関連するパターンを見つけるために、システム16またはモジュール42内の記憶媒体に直接格納された様々なパターンおよびシーケンスと比較される。一旦見つけると、ブロック1008において、処理ユニット58は、任意にシステム16の指示の下で、関連するパターンによって識別される所定のゾーン47内のトランスデューサ44〜46のなどの、トランスデューサ44〜46のうちの1つまたは複数を、関連するパターンまたはシーケンスで動作させ、ユーザに触覚フィードバックを提供して、システム16によって受信されたセンサ35からのデータをユーザに触感的に示す。上述したように、このフィードバックは、実行される特定の処置における様々なステップの結果または確認として、カテーテル18からのデータを示すことができ、あるいは、インターフェース動作を、センサ35からのデータに基づく警告またはフィードバックシーケンスに対して、システム16内の適切なコンピュータアルゴリズムからトリガすることができる。さらに、トランスデューサ44〜46が、モジュール42、100を介してユーザに触覚フィードバックを提供するように操作された後に、システム16はブロック1004に戻り、追加のセンサデータを取得して、処置が進むにつれて更なる触覚フィードバックを提供することができる。モジュール42、100によって提供される異なるフィードバックのサイクル時間は、適時にかつ比較的リアルタイムでユーザに触覚フィードバックを効果的に提供するように、所望に応じて選択することができる。
【0049】
触覚フィードバックモジュール42を制御ハンドル36上に、または着用者の手、すなわちグローブ100に、制御ハンドル36と接触させて展開すると、触覚フィードバックモジュール42、100は、処置中にコンピュータシステム16から暗黙の指示/誘導を受け取る能力を医師に提供する。フィードバックモジュール42,100を介して、ユーザは、直接的、すなわち非ロボットであり、処置に常に触れており、ナビゲーション、組織接触、または実行される処置ステップの確認のいずれかに追加の誘導を提供するためにフィードバックを解釈することができる。
【0050】
本明細書は、本発明を開示するために実施例を用いており、最良の形態を含んでいる。また、いかなる当業者も本発明を実施することができるように実施例を用いており、任意のデバイスまたはシステムを製作し使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含んでいる。本発明の特許となり得る範囲は特許請求の範囲により規定され、当業者が思いつく他の実施例を含み得る。このような他の実施例が請求項の字義通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、または、それらが請求項の字義通りの文言と実質的な差異がない等価な構造要素を含む場合には、このような他の実施例は特許請求の範囲内であることを意図している。
【符号の説明】
【0051】
10 患者ケア施設
12 患者ベッド
14 介入検査室/手術室
16 マッピング/撮像/記録システム、コンピュータシステム、記録装置
18 クライオカテーテル
20 患者
22 取り付け構造体
24 ディスプレイ、ディスプレイ画面
26 インターフェース
28 レール
30 フィールド
32 シャフト、ハンドル
33 カテーテル電極先端部
34 導体
35 力センサ、温度センサ
36 カテーテル制御ハンドル
37 ハウジング
39 電極
40 制御装置
42 触覚フィードバックインターフェースモジュール、インターフェース制御部
43 制御要素
44 トランスデューサ
45 トランスデューサ
46 トランスデューサ
47 フィードバックゾーン
48 ハウジング
50 上部部分
52 下部部分
53 係合構造体
54 無線トランシーバ
55 リブ
56 プラグインケーブル
57 電源
58 処理ユニット
60 電子記憶媒体
100 触覚フィードバックモジュール、グローブ
1000 ブロック
1002 ブロック
1004 ブロック
1006 ブロック
1008 ブロック
図1
図2
図3
図4
図5