(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液透過性トップシートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体と、アウターの内面に固定するための固定部とを備えた、アウター固定タイプ使い捨ておむつにおいて、
前記固定部は、おむつと一体である基材シートと、この基材シート外面に形成された粘着剤層と、この粘着剤層を覆う剥離シートとを備え、前記剥離シートを剥離した状態で、着用対象品にあてがわれて固定される使い捨ておむつであって、
前記基材シート又はその内面側シートの少なくとも一部には前記基材シートの外面側から視認可能な第1デザインが形成され、
前記剥離シートの少なくとも一部には外面側から視認可能な第2デザインが形成され、
前記剥離シートの第2デザインが形成された隠蔽領域は、第1デザインを隠蔽又は不明りょうとする領域であり、
前記第1デザインと前記第2デザインとは関連性を有しかつ相互は異なるデザインであり、
前記剥離シートの剥離により、前記隠蔽領域により隠蔽されていた隠れデザインが視認可能となるとともに、
前記隠れデザインは第1デザインと関連性を有しかつ相互は異なるデザインである、
ことを特徴とするアウター固定タイプ使い捨ておむつ。
前記第1デザイン及び前記隠れデザインはそれぞれテーマが異なる複数のデザインを有し、各々の前記隠れデザインは、対応する各々の前記第1デザインと共通するテーマとされ、前記第2デザインは各テーマを示す又は暗示するテーマのデザインが複数形成されている請求項3記載のアウター固定タイプ使い捨ておむつ。
前記第1デザイン及び前記隠れデザインはそれぞれテーマが異なる複数のデザインを有し、各々の前記隠れデザインは、対応する各々の前記第1デザインと関連する意味のデザインとされ、前記第2デザインは各意味を示す又は暗示する意味のデザインが複数形成されている請求項3記載のアウター固定タイプ使い捨ておむつ。
液透過性トップシートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体と、アウターの内面に固定するための固定部とを備えた、アウター固定タイプ使い捨ておむつにおいて、
前記固定部は、おむつと一体である基材シートと、この基材シート外面に形成された粘着剤層と、この粘着剤層を覆う剥離シートとを備え、前記剥離シートを剥離した状態で、着用対象品にあてがわれて固定される使い捨ておむつであって、
前記基材シート又はその内面側シートの少なくとも一部には前記基材シートの外面側から視認可能な第1デザインが形成され、
前記剥離シートの内面には視認可能な第2デザインが形成され、
前記基材シートの第1デザインは前記剥離シートにより隠蔽され、
前記第1デザインと前記第2デザインとは関連性を有しかつ相互は異なるデザインであり、
前記剥離シートの剥離により、前記剥離シートにより隠蔽されていた隠れデザインが視認可能となるとともに、前記第2デザインが視認可能となる、
ことを特徴とするアウター固定タイプ使い捨ておむつ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
商品の識別や商品特長を訴求するために、肌側面と反対の外側に絵柄や印字などのデザインシートを形成したとしても、装着用の粘着剤層及び剥離紙を設けた場合には、そのデザインが隠れてしまう。
そこで、剥離シートにデザインを形成するか、剥離シートで隠れない領域にデザインを形成することが行われる場合がある。
【0007】
かかる態様において、この種の剥離シートにデザインを形成することと、剥離シートで隠れない領域にデザインを形成することとは、両デザインと剥離シートの剥離行為との関連はない。
【0008】
他方、特に幼児用のおむつにおいては、親子で楽しむことができるデザインが好まれる傾向があり、種々のキャラクターが案出されている。
【0009】
しかし、従来のアウター固定タイプ使い捨ておむつにおけるデザインは、例えばキャラクターを楽しむ程度のものであった。
【0010】
そこで本発明の主たる課題は、剥離シートの剥離行為の前後でデザインが変化することにより使用者に興味を与えることができるアウター固定タイプ使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
液透過性トップシートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体と、アウターの内面に固定するための固定部とを備えた、アウター固定タイプ使い捨ておむつにおいて、
前記固定部は、おむつと一体である基材シートと、この基材シート外面に形成された粘着剤層と、この粘着剤層を覆う剥離シートとを備え、前記剥離シートを剥離した状態で、着用対象品にあてがわれて固定される使い捨ておむつであって、
前記基材シート又はその内面側シートの少なくとも一部には前記基材シートの外面側から視認可能な第1デザインが形成され、
前記剥離シートの少なくとも一部には外面側から視認可能な第2デザインが形成され、
前記剥離シートの第2デザインが形成された隠蔽領域は、第1デザインを隠蔽又は不明りょうとする領域であり、
前記第1デザインと前記第2デザインとは関連性を有しかつ相互は異なるデザインであり、
前記剥離シートの剥離により、前記隠蔽領域により隠蔽されていた隠れデザインが視認可能となるとともに、
前記隠れデザインは第1デザインと関連性を有しかつ相互は異なるデザインである、
ことを特徴とするアウター固定タイプ使い捨ておむつ。
【0012】
本発明においては、剥離シートの剥離により、例えば剥離紙で形成された隠蔽性を示す剥離シート自体により隠蔽されていた隠れデザイン、あるいは剥離シートが例えばプラスチックシートでその一部が透明又は半透明で残部が隠蔽性である剥離シートの隠蔽領域により、隠蔽されていた隠れデザインが視認可能となる。
基材シートには、外面側から視認可能な第1デザインが形成され、剥離シートには外面側から視認可能な第2デザインが形成され、第1デザインと第2デザインとは関連性を有しかつ相互は異なるデザインである。
その結果、剥離シートの剥離により、隠蔽されていた隠れデザインを視認すると、この隠れデザインは、第2デザインと関連性を有するので、剥離シートを剥離する行為によって、新たなデザインが顕出することになり、特に幼児用のおむつの装着介護者(通常は親)にとって、剥離シートを剥離しておむつを布パンツや紙おむつに装着することに負担を感じない又は負担感が和らぐようになり、他方、ある程度知能の発達した幼児にとって、新たなデザインが顕出することに興味を抱くようになる。
この点、単に、剥離シートにデザインを施す場合に比較して、消費者に対する商品価値の訴求力を高めることができる。
本発明は具体例を示さないと直ちには理解しがたい。そこで、後に示す実施の形態を図面及び符号を参照しながら理解するのが望まれる。
【0013】
前記液不透過性シートを、前記基材シートとすることもできるが、前記液不透過性シートに対して別のシート(例えば後述する実施の形態の外装シート)を貼着して本発明の基材シートとすることもできる。
【0014】
既述のように、例えば剥離紙で剥離シートを形成する場合、剥離シート全体を隠蔽領域とすることができる。
【0015】
隠れデザインは、第2デザインと同じデザイン要素を含むことができる。
【0016】
前記隠れデザインは、前記第2デザインと同じデザイン要素と前記
第2デザインとは異なるデザイン要素を含むことができる。
【0017】
前記隠れデザインは、前記第2デザインと同じデザインモチーフの変形デザインモチーフを含むことができる。
【0018】
前記隠れデザインは、前記第2デザインと同じデザイン要素と前記
第2デザインとは異なる付加デザイン要素を含み、この付加デザイン要素は粘着剤層の色違いにより形成されている態様を提案する。
【0019】
前記第1デザイン及び前記隠れデザインはそれぞれテーマが異なる複数のデザインを有し、各々の前記隠れデザインは、対応する各々の前記第1デザインと共通するテーマとされ、前記第2デザインは各テーマを示す又は暗示するテーマのデザインが複数形成されている態様も提案する。
【0020】
さらに、前記第1デザイン及び前記隠れデザインはそれぞれテーマが異なる複数のデザインを有し、各々の前記隠れデザインは、対応する各々の前記第1デザインと関連する意味のデザインとされ、前記第2デザインは各意味を示す又は暗示する意味のデザインが複数形成されている態様を提案さらにする。
【0021】
前記隠れデザインは、前記第2デザインと同じデザイン要素と前記
第2デザインとは異なる付加デザイン要素を含み、この付加デザイン要素は、基材シートに予め形成された排尿検知用インジケータにおける排尿があったことの指示部によって形成されている態様も採用できる。
【0022】
他方で、
前記基材シート又はその内面側シートの少なくとも一部には前記基材シートの外面側から視認可能な第1デザインが形成され、
前記剥離シートの内面には視認可能な第2デザインが形成され、
前記基材シートの第1デザインは前記剥離シートにより隠蔽され、
前記第1デザインと前記第2デザインとは関連性を有しかつ相互は異なるデザインであり、
前記剥離シートの剥離により、前記剥離シートにより隠蔽されていた隠れデザインが視認可能となるとともに、前記第2デザインが視認可能となる、態様もある。
この態様では、剥離シートの剥離後にデザインを楽しむのではなく、剥離シートの剥離過程でその裏面に形成されたデザインを、隠れデザインとの関係で興味をひくようにしたものである。
【発明の効果】
【0023】
以上の通り本発明によれば、剥離シートの剥離行為の前後でデザインが変化することにより使用者に興味を与えることができるアウター固定タイプ使い捨ておむつとなる。
なお、ここにいう「剥離行為の前後」とは、完全に剥離シートの剥離が完了した段階のほか、剥離シートの剥離が開始されて完了するまでの剥離過程も含む意味である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜
図6は、パッドタイプ使い捨ておむつ200を示している。このパッドタイプ使い捨ておむつ200は、前後方向中央に対して前側に延在する腹側部分F1及び後側に延在する背側部分B1とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)L1は150〜450mm程度、全幅W1は120〜200mm程度とすることができる。
【0026】
パッドタイプ使い捨ておむつ200は、液不透過性シート21の内面と、透液性トップシート22との間に、吸収体23が介在された基本構造を有している。吸収体23としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。必要に応じて、吸収体23はクレープ紙(図示せず)により包むことができる。また、吸収体23の形状は、相対的に前側の部分が後側の部分よりも幅広な帯状、あるいは長方形状、台形状等、適宜の形状とすることができる。吸収体23における繊維目付け及び吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100〜600g/m
2程度とするのが好ましく、また吸収性ポリマーの目付け0〜400g/m
2程度とするのが好ましい。
【0027】
吸収体23の裏面側には、液不透過性シート21が吸収体23の周縁より所定長さ食み出すように設けられている。液不透過性シート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
【0028】
液不透過性シート21の外面(裏面)は、外装シート25により覆われている。外装シート25としては各種の不織布を用いることができる。なお、不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
この外装シートは設けないことができる。
【0029】
吸収体23の表面側は、透液性トップシート22により覆われている。図示形態ではトップシート22の側縁から吸収体23が一部食み出しているが、吸収体3の側縁が食み出さないようにトップシート22の幅を広げることもできる。トップシート22としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
【0030】
パッドタイプ使い捨ておむつ200の前後方向両端部では、外装シート25および透液性トップシート22が吸収体23の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。
【0031】
パッドタイプ使い捨ておむつ200の両側部では、液不透過性シート21が吸収体23の側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート22の側部までの部分の内面にはギャザーシート24の幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体23の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。これらを含め、素材の貼り合わせ部分は、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成でき、図面では斜線模様で示されている。
【0032】
これらエンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SF以外の吸収体介在部分が、排泄物を保持する本体部を構成する。
【0033】
ギャザーシート24の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコーンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
【0034】
ギャザーシート24の幅方向中央側の部分24cはトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
【0035】
両ギャザーシート24,24は、幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート22表面および外装シート25内面)に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分24cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部の間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。この非固定部分は、
図4に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に対して起立可能な立体ギャザーとなる部分であり、その起立基端24bはギャザーシート24における幅方向外側の固定部分24xと内側の部分24cとの境に位置する。
【0036】
そして、
図2、
図3および
図5に示すように、パッドタイプ使い捨ておむつ200の外装シート25の裏面には、粘着剤層30が設けられ、剥離可能に被覆する剥離シート31を有する固定部が形成されている。
【0037】
図示例では、固定部を前後方向に沿って連続的に設けているが、腹側部分F1及び背側部分B1のそれぞれに設けたり、いずれか一方のみに設けたりしても良い。固定部を複数設ける場合、腹側部分F1及び背側部分B1に各少なくとも一つは設けるのが好ましい。
【0038】
固定部は、その全体が本体部B0の範囲内に収まるような寸法及び配置となっているのが好ましい。具体的には、固定部の幅W3は吸収体23の幅W2の70〜80%程度、前後方向長さL3(前後方向に複数設ける場合は総長さ)は吸収体23の全長L2の30〜40%程度であるのが好ましい。
【0039】
本発明においては、固定部に関しデザイン上の工夫を行ったものである。
【0040】
以下の実施の態様は、断りのない限り、
図7に示すように、外装シート25を有しないで、液不透過性シート21が基材シートである例である、アウター固定タイプ使い捨ておむつの例である。
また、
図2に示す形態と異なり、以下の態様では、図面上、剥離シート52に対して、基材シート50の幅は適宜に図示し、長さは同一として図示してある。
【0041】
本発明における用語、「デザイン」「デザイン要素」「付加デザイン要素」「モチーフ」「テーマ」は可能な限り広く解釈すべきものである。
「デザイン」は絵、図柄、記号、模様、文字等を含む。
「デザイン要素」はデザインの全体又は部分を含む。したがって、「同じデザイン要素」とは、対象のデザイン全体とまったく同じ場合のほか、対象のデザインの部分と同じ場合を含む。「異なるデザイン要素」とは、対象のデザイン全体とまったく異なる場合のほか、対象のデザインの部分と異なる場合を含む。
「付加デザイン要素」とは、対象のデザイン要素に対して、対象のデザイン要素にない新たに(又は別に)加えたデザイン要素を意味する。
「モチーフ」とはデザイン表現の動機となった中心思想、あるいはデザイン表現の中心的構成を意味する。
「テーマ」とは、デザイン創作の基調となる考え又は主題を意味する。
さらに、本発明は、これらの用語に係るデザインを組み合せた場合も含まれることに注意されたい。
【0042】
<第1の態様>
図8は第1の態様を示したもので、基材シート50(又はその内面側シート)の少なくとも一部には基材シート50の外面側から視認可能な第1デザインD1が形成され、
剥離シート52の少なくとも一部には外面側から視認可能な第2デザインD2が形成され、
剥離シート52により隠蔽された(あるいは第2デザインD2によって隠蔽された)隠蔽領域(図示の態様では剥離シート52の全体が隠蔽領域を形成する。もちろん、剥離シート52の一部を隠蔽領域とすることができる。
図14の態様及び
図16の態様を参照)は、隠れデザインD0を隠蔽又は不明りょうとする領域である。ここに「不明りょうとする」とは、第1デザインD1全体が(例えばぼやけて)隠れデザインD0を見えにくい、あるいは隠れデザインD0の一部のみしか視認できず、隠れデザインD0をデザインとして把握できにくい場合を含むものである。
他方、第1デザインD1と第2デザインD2とは関連性を有しかつ相互は異なるデザインとされている。すなわち両者は樹木デザインとして関連するが、第1デザインD1のみに動物を有する(付加で動物を有する)点で相違する。
そして、剥離シート52の剥離により、隠蔽領域により隠蔽されていた隠れデザインD0が視認可能となる。隠れデザインD0は第1デザインD1と関連性を有しかつ相互は異なるデザインである態様である。
【0043】
第1の態様は、隠れデザインD0は、第2デザインD2と同じデザイン要素(例えば樹木デザイン)を含む。
【0044】
隠れデザインD0は、第2デザインD2と同じデザイン要素(例えば樹木デザイン)と
第2デザイン(例えば樹木デザイン)とは異なるデザイン要素bd(例えば動物のデザイン)を含んでいる。
【0045】
また、隠れデザインD0は、第2デザインD2と同じデザインモチーフ(樹木モチーフ)の変形デザインモチーフ(例えば第2デザインD2が広葉樹であるが、変形デザインモチーフが針葉樹である場合)を含む場合でもよい(図示せず)。
【0046】
<第2の態様>
図9に示す第2の態様では、隠れデザインD0は、第2デザインD2(例えば夜のビル群)と同じデザイン要素(例えば夜のビル群)と
第2デザインD2(例えば夜のビル群とは異なる追加デザイン要素cd(例えば夜空に輝く星及びビルの窓)を含み、この付加デザイン要素bdは粘着剤層30の色違いにより形成したものである。
【0047】
<第3の態様>
図10に示す第3の態様では、隠れデザインD0(例えば小魚群)は、第2デザインD2(例えば成魚群)と同じデザインモチーフ(例えば魚群)を含み、この隠れデザインD0(例えば小魚群)は粘着剤層30の色違いにより形成したものである。ここで、隠れデザインD0(例えば小魚群)は、第1デザインD1(例えば成魚群)と同じデザインモチーフ(例えば魚群)を含んでいる。なお、図示の態様は、第1デザインD1(例えば成魚群)と第2デザインD2(例えば成魚群)とは同一デザインである。
【0048】
<第4の態様>
図11に示す第4の態様では、第1デザインD1及び隠れデザインD0はそれぞれテーマが異なる複数のデザイン(ニワトリに関するテーマ、カエルに関するテーマ、ミツバに関するテーマ)を有し、各々の隠れデザインD0は、対応する各々の第1デザインD1と共通するテーマとされ(各テーマの成長過程のデザイン)、第2デザインD2は各テーマを示す又は暗示するテーマのデザイン(やや不明りょうに描かれている)が複数形成されているものである。
【0049】
<第5の態様>
図12に示す第5の態様では、第1デザインD1及び隠れデザインD0はそれぞれテーマが異なる複数のデザイン(ニワトリに関するテーマ、カエルに関するテーマ、サカナに関するテーマ)を有し、各々の隠れデザインD0は、対応する各々の第1デザインD1と関連する意味のデザイン(各テーマの意味を示す文字デザイン)とされ、第2デザインD2は各意味を示す又は暗示する意味のデザインが複数形成されている態様である。
【0050】
<第6の態様>
図13に示す第6の態様では、第1の態様と同じく、隠れデザインD0は、第2デザインD2と同じデザイン要素(例えば樹木デザイン及び動物)と、この
第2デザインとは異なる付加デザイン要素ad(例えば動物の涙のデザイン)を含んでいる。
さらに、この付加デザイン要素adは、基材シートとしての不透過性シート21の内面(着用者側の面)に、水可溶性インクを用いて印刷し、さらに上から水発色インクで排尿を促すデザインを印刷したもので、排尿によって付加デザイン要素adが現れ、第2デザインD2が変化した状態としての隠れデザインD0が現れる。
この態様によれば、剥離シート52の剥離と排尿とデザインの変化とが関連し、排尿と通しての親子のコミュニケーションの促進を図ることができ、結果として、幼児に対して、トイレを使用することに向かわせるトレーニングを行わせることができる。
【0051】
この第6の態様において、付加デザイン要素adをいわゆるインジケータによって形成する場合、インジケータとしては、尿との接触により呈色反応を示すような着色剤や、尿中のpHを検知して呈色反応を示すような着色剤、或いは尿との反応により着色が消失する反応、尿に溶解(分散)して滲んだり消失したりする反応、その他の視覚的変化を示す薬剤を、適宜の溶剤や接着剤(ホットメルト接着剤等)に混合した状態で、基材シートに対して塗布することにより形成することができる。尿などの水分との接触により呈色反応を示すような着色剤としては、例えば、水溶性、水分解性染料又はロイコ染料と該ロイコ染料を発色させるフェノール性化合物、酸性物質、電子受容性物質等の顕色剤とからなる着色剤を使用することが可能である。呈色により現れる色は特に限定されない。
【0052】
<第7の態様>
既に説明した態様では、剥離シート52(例えば剥離紙)により隠れデザインD0に対する隠蔽領域を形成したものである。
これに対し、
図14に示す第7の態様では、剥離シート52の一部を、例えば図示のように両側部52a,52aを透明又は半透明としたものである。その結果、剥離シート52の幅方向中央部のみが隠れデザインD0に対する隠蔽領域を形成している。
【0053】
また、既に説明した態様では、剥離シート52は基材シート50に対して1対1の関係にあるが、剥離シート52は基材シート50枚に対して複数枚でもよく、
図14に示す第7の態様は、2枚の剥離シート52,52を設けた例を示している。
【0054】
<第8の態様>
図15に示す態様は、既に説明した態様とかなり異なる態様であるが、剥離シートの剥離を契機としてデザインが変化する点では既に説明した態様と同一である。そして、本発明の各態様は、「剥離シートの剥離を契機としてデザインが変化する」点を技術思想として提案するものである。
さて、
図15に示す態様は、基材シート50又はその内面側シートの少なくとも一部には基材シート50の外面側から視認可能な第1デザインD1が形成され、剥離シート52の内面には視認可能な第2デザインD2が形成され、基材シート50の隠れデザインD0は剥離シート52により隠蔽され、第1デザインD1と第2デザインD2とは関連性を有しかつ相互は異なるデザインであり、剥離シート52の剥離により、剥離シート52により隠蔽されていた隠れデザインD0が視認可能となるとともに、第2デザインD2も視認可能となるものである。
【0055】
この場合、第2デザインD2は、隠れデザインD0とも関係するのが望ましい。
図15に示す態様では、第1デザインD1としては海の波であり、第2デザインD2は、海の波上からイルカがジャンプしたデザインである。
なお、図示のように、剥離シート52の外面には適宜のデザイン、例えば第1デザインD1と同じ又は関連したデザインを形成することができる。
【0056】
<第9の態様>
図16に示す態様は、
図15に示す第8態様と類似するものである。
すなわち、剥離シート52の一部を、例えば図示のように両側部52a,52aを透明又は半透明としたものである。
その結果、剥離シート52を剥離しない状態で、基材シート50の外面に形成された第1デザインが視認可能である。
剥離シート52の幅方向中央部は、その部分自体が隠れデザインD0の隠蔽領域を形成している。
剥離シート52の剥離により、剥離シート52により隠蔽されていた隠れデザインD0が視認可能となるとともに、第2デザインD2が視認可能となる。
【0057】
第8の態様及び第9の態様によれば、剥離シート52の剥離を契機として、剥離前のデザインとの関係で動的なデザイン変化を楽しむことができる。
【0058】
以上、いくつかの態様を例にして本発明を説明した。剥離シートの剥離を契機としたデザイン変化には、教育的要素を多く含んでいる。また、親子で楽しむ要素を多く含んでいる。親子間のコミュニケーションの促進にも役立つ。
その結果、かかる使い捨ておむつ商品に対する訴求力が高まる。