特許第6945420号(P6945420)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6945420
(24)【登録日】2021年9月16日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】照明器具制御装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20210927BHJP
   G01J 1/42 20060101ALI20210927BHJP
   G01J 1/44 20060101ALI20210927BHJP
   G01V 8/20 20060101ALI20210927BHJP
【FI】
   H05B47/115
   G01J1/42 B
   G01J1/44 N
   G01V8/20
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-206727(P2017-206727)
(22)【出願日】2017年10月26日
(65)【公開番号】特開2019-79728(P2019-79728A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2020年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】木所 孝元
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 弥生
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−150834(JP,A)
【文献】 特開2001−338775(JP,A)
【文献】 特開2012−230781(JP,A)
【文献】 特開2013−231667(JP,A)
【文献】 特開平07−312293(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0151558(US,A1)
【文献】 特開2017−016868(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2005−0105394(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
G01J 1/42
G01J 1/44
G01V 8/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ独立した検出範囲を有し、赤外線を検出して出力信号を発する複数の焦電センサと、
それぞれの前記焦電センサから送られる前記出力信号を個別に処理し、人の存在の有無を判定し、設定された判定基準に応じて照明器具を制御する制御回路と
前記制御回路に接続され、入力された前記設定に係るデータを、前記制御回路に設定する設定装置とを備え、
前記設定装置は、外部から送られる前記設定に係るデータを含む信号を、無線で受信して、前記制御回路に送る受信装置であり、
前記制御回路は、受信して得られた前記設定に係るデータと有している前記設定のデータとが同じであると判定すると、設定変更しない旨を、前記照明器具に通知させる照明器具制御装置。
【請求項2】
それぞれ独立した検出範囲を有し、赤外線を検出して出力信号を発する複数の焦電センサと、
それぞれの前記焦電センサから送られる前記出力信号を個別に処理し、人の存在の有無を判定し、設定された判定基準に応じて照明器具を制御する制御回路と、
前記制御回路に接続され、入力された前記設定に係るデータを、前記制御回路に設定する複数の設定装置とを備え、
選択された前記設定装置が、前記制御回路に前記設定に係るデータを設定する明器具制御装置。
【請求項3】
一つの前記設定装置は、切替によって、前記設定に係るデータが設定される設定スイッチである請求項に記載の照明器具制御装置。
【請求項4】
一つの前記設定装置は、外部から送られる前記設定に係るデータを含む信号を、無線で受信して、前記制御回路に送る受信装置である請求項2または請求項3に記載の照明器具制御装置。
【請求項5】
前記制御回路は、受信して得られた前記設定に係るデータと有している前記設定のデータとが同じであると判定すると、設定変更しない旨を、前記照明器具に通知させる請求項4記載の照明器具制御装置。
【請求項6】
前記制御回路は、前記設定に係るデータを含む信号を受信すると、信号受信の旨を、前記照明器具に通知させる請求項1、請求項4または請求項5に記載の照明器具制御装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記照明器具が通知している間、受信した信号を受け付けないようにする請求項5または請求項6に記載の照明器具制御装置。
【請求項8】
前記制御回路は、
複数の前記焦電センサからのそれぞれの前記出力信号に対応して設定された閾値を、前記判定基準のデータとして有し、
前記閾値に基づく条件の信号が1つ以上あると、人がいると判定し、すべての信号が前記閾値に基づく条件を満たしていないと、前記人がいないと判定する請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の照明器具制御装置。
【請求項9】
複数の前記焦電センサの検出に係る電力を供給する電源回路をさらに備え、
前記制御回路は、前記電源回路からそれぞれの前記焦電センサへの電力供給を制御する請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の照明器具制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明器具を制御する照明器具制御装置に関するものである。特に、人の存在の有無に基づいて、照明器具を制御する装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、焦電センサを用いて、照明器具の点灯、消灯、調光状態などを制御する照明器具制御装置が提供されている。照明器具制御装置の主な構成は、焦電センサ、制御回路および電源回路である。照明器具制御装置で照明器具を制御することで、人の在または不在に応じて照明器具の状態を適切に制御することができる。このため、省エネルギー化をはかることができ、多くの住宅やオフィスなどに導入されている。
【0003】
ここで、焦電センサは、焦電素子を複数個有している。焦電センサは、人などから放射される赤外線を焦電素子で受ける。赤外線を受けた焦電素子では、自発分極を起こし、起電力が発生する。制御回路は、焦電センサが発する起電力による電圧を監視する。そして、起電力が発生していると、人が存在していると判定する。また、起電力が発生していないと、人が不在であると判定する。制御回路は、人の存在有無に係る判定に基づいて、照明器具の点灯、消灯などを制御する。
【0004】
ここで、照明器具制御装置の構成において、人の進入に対する検出精度を高める、赤外線入光量範囲を広げて人の検出範囲を広くするなどのために、複数の焦電センサに基づいて照明器具を制御する照明システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この照明システムでは、複数の焦電素子を有する焦電センサを複数個有し、複数の焦電センサの配置を指定することで、高精度な人の存在有無の判定をはかっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−231667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、複数の焦電センサを用いた場合、焦電センサの焦電素子の方向調整、焦電センサのレンズを加工して検出精度を調整したり、焦電センサ間に遮蔽板などを用いて検出範囲を調整するなど、装置の構造面などでの加工が必要となる。そして、特許文献1では、各焦電センサからの出力信号を個別に制御することはできない。このため、人の存在有無の判定に係る焦電センサに関する設定は、焦電センサの配置および周辺の構造により決定されるものであった。
【0007】
この発明は、このような問題を解決するため、構造面において複雑な加工などを行わずに、人の存在有無の判定に関する設定を行うことができる照明器具制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る照明器具制御装置は、それぞれ独立した検出範囲を有し、赤外線を検出して出力信号を発する複数の焦電センサと、それぞれの焦電センサから送られる出力信号を個別に処理し、人の存在の有無を判定し、設定された判定基準に応じて照明器具を制御する制御回路と、制御回路に接続され、入力された設定に係るデータを、制御回路に設定する設定装置とを備え、設定装置は、外部から送られる設定に係るデータを含む信号を、無線で受信して、制御回路に送る受信装置であり、制御回路は、受信して得られた設定に係るデータと有している設定のデータとが同じであると判定すると、設定変更しない旨を、照明器具に通知させるものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、複数の焦電センサから送られる出力信号を、設定された判定基準に応じて、それぞれ個別に処理するようにしたので、各焦電センサの出力信号に応じて判定基準を設定することで、照明器具制御装置の構造を変更することなく、焦電センサの検出範囲、検出精度など、人の存在有無の判定に関する設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の実施の形態1における照明器具制御装置100を中心とする照明システムの構成を示す図である。
図2】この発明の実施の形態1における複数の焦電センサ5における検出範囲について説明する図である。
図3】この発明の実施の形態1における焦電センサ1〜4に発生する焦電センサ電圧19と制御回路6に設定される閾値との関係の一例を表す図である。
図4】この発明の実施の形態2における照明器具制御装置100を中心とする照明システムの構成を示す図である。
図5】この発明の実施の形態3における照明器具制御装置100を中心とする照明システムの構成を示す図である。
図6】この発明の実施の形態4における照明器具制御装置100を中心とする照明システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における照明器具制御装置100を中心とする照明システムの構成を示す図である。照明システムは、照明器具10および照明器具制御装置100を有している。照明器具制御装置100は、複数の焦電センサ5、制御回路6、設定装置7および電源回路8を有している。
【0012】
実施の形態1における複数の焦電センサ5は、第一の焦電センサ1、第二の焦電センサ2、第三の焦電センサ3および第四の焦電センサ4で構成される。ここで、複数の焦電センサ5において、第一の焦電センサ1、第二の焦電センサ2、第三の焦電センサ3および第四の焦電センサ4を特定しない場合には、焦電センサ1〜4として説明する。焦電センサ1〜4は、焦電素子を有している。焦電センサ1〜4は、焦電素子に赤外線が入力されると自発分極を起こし、電圧を発生させる。発生した電圧は、出力信号として制御回路6に送られる。複数の焦電センサ5などについては、後でも説明する。
【0013】
制御回路6は、複数の焦電センサ5からそれぞれ送られる出力信号により、人の存在の有無を判定して、照明器具10を制御する処理を行う。また、設定装置7は、制御回路6と接続され、ユーザーから入力される設定事項に関する信号を制御回路6に送る。設定事項とは、焦電センサ5からの出力信号に基づき、人の存在の有無を判定する判定基準として設定される閾値、設定値などのデータである。電源回路8は、照明器具制御装置100内の複数の焦電センサ5、制御回路6および設定装置7に電力を供給する。
【0014】
図2は、この発明の実施の形態1における複数の焦電センサ5における検出範囲について説明する図である。前述したように、実施の形態1における複数の焦電センサ5は、第一の焦電センサ1、第二の焦電センサ2、第三の焦電センサ3および第四の焦電センサ4で構成される。そして、第一の焦電センサ1、第二の焦電センサ2、第三の焦電センサ3および第四の焦電センサ4は、それぞれ独立した検出範囲を有している。ここで、第一の焦電センサ1は、検出範囲12の赤外線を検出することができる。また、第二の焦電センサ2は、検出範囲13の赤外線を検出することができる。さらに第三の焦電センサ3は、検出範囲14の赤外線を検出することができる。そして、第四の焦電センサ4は、検出範囲15の赤外線を検出することができる。以上より、複数の焦電センサ5全体として、検出範囲11の赤外線を検出することができる。
【0015】
また、各焦電センサ1〜4が、それぞれ独立した検出範囲12〜15を有することで、複数の焦電センサ5は、全体として、広範囲において、赤外線を検出することができる。ここで、制御回路6は、焦電センサ1〜4からそれぞれ信号を受信することができる。このため、制御回路6は、検出範囲11から検出範囲を選択して、人が存在するかどうかを判定する判定処理を行うことができる。たとえば、検出範囲12および検出範囲13について判定処理を行い、検出範囲14および検出範囲15については、判定処理を行わないようにする。ユーザーは、制御回路6が判定処理を行う検出範囲の設定を、設定装置7を介して行うことができる。
【0016】
図3は、この発明の実施の形態1における焦電センサ1〜4に発生する焦電センサ電圧19と制御回路6に設定される条件となる閾値との関係の一例を表す図である。焦電センサ1〜4の種類、構造などによって、発生する電圧のレベルは、様々である。ここで、焦電センサ1〜4において発生する電圧を焦電センサ電圧19とする。たとえば、赤外線の検出量が多かった場合、焦電センサ電圧19は、高電圧区間21のように高電圧の信号となる。また、赤外線の検出量が少なかった場合、焦電センサ電圧19は、低電圧区間22のように低電圧の信号となる。そして、人がいないなどにより、赤外線が検出されない場合、焦電センサ電圧19は、無検出区間20のような電圧の信号となる。
【0017】
実施の形態1の照明器具制御装置100では、制御回路6が判定処理を行うときに、焦電センサ1〜4から送られる焦電センサ電圧19の信号と比較する閾値を、焦電センサ1〜4に対応して、3つのレベルのいずれかのうちから設定する。ここでは、低いレベルから、第一の閾値16、第二の閾値17および第三の閾値18とする。ユーザーは、閾値の設定を、設定装置7を介して行うことができる。たとえば、制御回路6の閾値として、第一の閾値16が設定された場合、高電圧区間21および低電圧区間22の両方における焦電センサ電圧19を検出することができる。また、制御回路6の閾値として、第二の閾値17が設定された場合、高電圧区間21における焦電センサ電圧19を検出することができる。しかし、低電圧区間22における焦電センサ電圧19は検出することができない。
【0018】
このように、制御回路6が判定処理に用いる閾値を、ユーザーが設定することができる。複数の焦電センサ5による、人の検出精度を自由に変更することができる。ここで、制御回路6の閾値として、第三の閾値18が設定された場合、高電圧区間21および低電圧区間22の両方における焦電センサ電圧19を検出することができない。したがって、複数の焦電センサ5による人の在または不在を判定する機能を無効とすることができる。また、焦電センサ1〜4から送られる焦電センサ電圧19のそれぞれの信号に対して、閾値を設定することにより、前述した判定処理を行うか否かの設定以外でも、ユーザーは、検出範囲の設定を設定装置7を介して行うことができる。ここで、実施の形態1の照明器具制御装置100では、3つのレベルの閾値を設定できるものとして説明したが、これに限定するものではない。閾値は、電圧レベル、個数などを問わず、自由に設定することができる。
【0019】
たとえば、図2に示されている第一の焦電センサ1の検出範囲12において、人が存在する場合、第一の焦電センサ1は、人が放出する赤外線を検出して、図3に示される焦電センサ電圧19を信号として制御回路6に送る。制御回路6は、第一の焦電センサ1から送られた信号の焦電センサ電圧19が、設定された閾値(たとえば、図3の第一の閾値16)より高いと判定すると、第一の焦電センサ1の検出範囲12の中に、人が存在していると判定する。そして、制御回路6は、たとえば、照明器具10を明るく点灯させる制御を行う。第二の焦電センサ2の検出範囲13に人が存在する場合、第三の焦電センサ3の検出範囲14に人が存在する場合、第四の焦電センサ4の検出範囲15に人が存在する場合についても、制御回路6は、同様の制御を行う。
【0020】
一方、制御回路6は、図2の複数の焦電センサ5の検出範囲11に人が存在しないまたは複数の焦電センサ5の焦電センサ電圧19が、設定された閾値(たとえば、図3の第一の閾値16)より低いと判定すると、検出範囲11の中に人が存在しないと判定する。そして、制御回路6は、照明器具10を消灯させるなどの制御を行う。したがって、複数の焦電センサ5の赤外線検出に係る焦電センサ電圧19のうち、1つでも閾値より高い場合は、人が存在すると判定する。また、複数の焦電センサ5のすべてに係る焦電センサ電圧19が、閾値より低い場合は人が不在であると判定する。これにより、広範囲での人の検出を行うことができる。
【0021】
以上のように、実施の形態1の照明器具制御装置100によれば、それぞれ独立した検出範囲を有する焦電センサ1〜4を設置して、制御回路6が、複数の焦電センサ5から送られる出力信号を、設定された判定基準に応じて、それぞれ個別に処理する。これにより、各焦電センサ1〜4の出力信号に応じて判定基準を設定することで、照明器具制御装置100の構造を変更することなく、各焦電センサ1〜4の検出範囲、検出精度など、人の存在有無の判定に関する設定を行うことができる。
【0022】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2における照明器具制御装置100を中心とする照明システムの構成を示す図である。図4において、図1と同じ符号を付している機器などについては、実施の形態1において説明したことと同様の動作などを行う。実施の形態2における照明器具制御装置100は、実施の形態1において説明した設定装置7として、受光素子23Aを有する受光装置23を備えるものである。受光装置23は、受光素子23Aが光信号を受信し、受信した光信号を制御回路6が処理可能な信号に変換する受信装置である。特に、実施の形態2では、受光装置23は、外部装置である遠隔設定装置24から送られる光信号を変換し、制御回路6に信号を送る。ここでは、受光装置23は、光を受信する装置であるが、他の電波などの無線信号を受信する受信装置であってもよい。
【0023】
遠隔設定装置24は、受光装置23を介して、照明器具制御装置100の制御回路6と無線通信を行うことができる、リモートコントローラなどの装置である。ユーザーは、遠隔設定装置24に設定入力を行うことにより、実施の形態1において説明した検出範囲、検出精度など、人の存在有無の判定に関する判定基準のデータの設定を行うことができる。
【0024】
ここで、実施の形態2の照明器具制御装置100は、遠隔設定装置24からの受信に対する応答を、ユーザーに通知する機能を有しているものとする。たとえば、遠隔設定装置24は、ユーザーの設定に係る設定値のデータを光信号に含めて送信する。受光装置23は、受光素子23Aが受信した光信号を変換した信号を制御回路6に送る。制御回路6は、信号受信したことをユーザーに通知するため、照明器具10を点滅させる制御を行う。ここで、第一の点滅に関する照明器具10の点滅回数、点滅時間、明るさなどは、自由に設定することができる。照明器具10を点滅(第一の点滅)させることにより、設定が変更できたことを、ユーザーに通知することができる。
【0025】
また、実施の形態2の照明器具制御装置100は、現設定値を、ユーザーに通知する機能を有しているものとする。たとえば、遠隔設定装置24は、ユーザーの設定に係る設定値のデータを光信号に含めて送信する。受光装置23は、受信した光信号を変換した信号を制御回路6に送る。制御回路6は、送られた設定値が現在設定されている設置値と同じであるかどうかを判定する。制御回路6は、送られた設定値が現在設定されている設置値と同じであると判定すると、照明器具10を点滅(第二の点滅)させることにより、現設置値であることおよび設定変更がなされていないことを、ユーザーに通知することができる。ここで、第二の点滅は、たとえば、照明器具10の点滅回数、点滅時間、明るさなどが、第一の点滅とは異なるようにする。そして、第二の点滅に関する照明器具10の点滅回数、点滅時間、明るさなどは、自由に設定することができる。
【0026】
ここで、照明器具10において、第一の点滅および第二の点滅が行われている間、制御回路6は、新たな光信号に基づく処理を受け付けないようにする。このため、第一の点滅および第二の点滅が混同するなど、通知が紛らわしくなることを防ぐことができる。
【0027】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3における照明器具制御装置100を中心とする照明システムの構成を示す図である。図5において、図1などと同じ符号を付している機器などについては、実施の形態1などにおいて説明したことと同様の動作などを行う。実施の形態3における照明器具制御装置100は、実施の形態1において説明した設定装置7として、操作スイッチ25を備えている。実施の形態3の照明器具制御装置100において、操作スイッチ25内には、焦電センサ1〜4による赤外線の検出範囲を設定するための検出範囲設定スイッチ26および検出精度を設定するための検出精度設定スイッチ27が設置されている。ユーザーは、操作スイッチ25の検出範囲設定スイッチ26および検出精度設定スイッチ27のスイッチをそれぞれオンの位置またはオフの位置に切り替えることで、外部から設定を行うことができる。検出範囲設定スイッチ26の数量、検出精度設定スイッチ27の数量などは、自由に設置することができる。
【0028】
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4における照明器具制御装置100を中心とする照明システムの構成を示す図である。図6において、図1などと同じ符号を付している機器などについては、実施の形態1などにおいて説明したことと同様の動作などを行う。実施の形態4の照明器具制御装置100は、複数の焦電センサ5と電源回路8との間に電源切替スイッチ28を備えている。電源切替スイッチ28は、焦電センサ1〜4に電力供給を行うかどうかを切り替えるスイッチである。電源切替スイッチ28は、焦電センサ1〜4に対して、個別に電力供給を切り替えることができる。
【0029】
ユーザーは、設定装置7を介して、焦電センサ1〜4のうち、電力供給を行うセンサを自由に設定することができる。そして、制御回路6が、設定に基づいて、電源切替スイッチ28の切替を制御する。電力供給が行われない焦電センサでは検出が行われないので、電力供給を行うセンサを設定することで、検出範囲を設定することができる。
【0030】
実施の形態5.
前述した実施の形態2においては、受光装置23を設定装置7とした。また、実施の形態3においては、操作スイッチ25を設定装置7とした。ここで、受光装置23および操作スイッチ25の両方を、設定装置7として有するようにし、受光装置23および操作スイッチ25から、制御回路6に設定に係るデータを送ることができる装置を選択できるようにしてもよい。
【0031】
また、前述した実施の形態1〜実施の形態4においては、焦電センサ1〜4を用いて、人を検出する検出装置としたが、これに限定するものではない。赤外線センサなど、他の人感センサなどを利用して、人を検出するようにしてもよい。
【0032】
また、実施の形態1〜実施の形態4の照明器具制御装置100は、体育館などのような、天井の高さが高い場所に取り付けられた照明器具に用いられたとしても、焦電センサ1〜4が、それぞれ検出範囲12〜15を有することで、検出精度を下げずに検出を行うことができる。
【符号の説明】
【0033】
1 第一の焦電センサ、2 第二の焦電センサ、3 第三の焦電センサ、4 第四の焦電センサ、5 複数の焦電センサ、6 制御回路、7 設定装置、8 電源回路、10 照明器具、11 複数の焦電センサ5の検出範囲、12 第一の焦電センサ1の検出範囲、13 第二の焦電センサ2の検出範囲、14 第三の焦電センサ3の検出範囲、15 第四の焦電センサ4の検出範囲、16 第一の閾値、17 第二の閾値、18 第三の閾値、19 焦電センサ電圧、20 無検出区間、21 高電圧区間、22 低電圧区間、23 受光装置、23A 受光素子、24 遠隔設定装置、25 操作スイッチ、26 検出範囲設定スイッチ、27 検出精度設定スイッチ、28 電源切替スイッチ、100 照明器具制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6