(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
前記式Iの組成における「薬学的に許容され得る塩の塩基性ラジカル」という用語は、制限されず、水溶性および水不溶性の塩、例えば、置換または非置換のベンゼンスルホン酸塩、酢酸塩、アムソン酸塩(amsonate)(4,4−ジアミノスチルベン−2,2−ジスルホネート)、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、カルシウム塩、エデト酸カルシウム、カムシラート、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、クラブラン酸塩(clavulariate)、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストール酸塩、エシル酸塩、フィウナレート(fiunarate)、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マグネシウム塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル塩、硝酸メチル塩、硫酸メチル塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩(1,1−メテン−ビス−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩、エインボネート(einbonate))、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド塩および吉草酸塩を含む。前記塩基性ラジカルの具体例としては、パラ−トルエンスルホン酸塩、トリフラートおよびメタンスルホン酸塩があげられる。
【0015】
「塩」という用語は、薬学的に許容され得る塩を意味する。
【0016】
「薬学的に許容され得る塩(pharmaceutically acceptable salt)」という用語は、酸性官能基、例えば、カルボン酸官能基および塩基を有する、本発明の組成の塩も意味する。
【0017】
対象に関する「処置すること(treating)」という用語は、前記対象の障害の少なくとも1つの兆候を改善することを意味する。処置することは、前記障害を治癒すること、改善することまたは少なくとも部分的に回復させることであり得る。
【0018】
この開示において使用する場合、「投与する(administer)」、「投与すること(administering)」または「投与(administration)」という用語は、前記化合物の組成もしくは薬学的に許容され得る塩または組成物を対象に直接投与すること、または、前記化合物の組成もしくは薬学的に許容され得る塩のプロドラッグ誘導体もしくは類似体または組成物を対象に投与することの両方を意味する。前記プロドラッグ誘導体もしくは類似体は、対象の体内で同等量の活性化合物を形成し得る。
【0019】
医療用途に関して使用する場合、「有効量」は、対象となる疾患の測定可能な処置、予防、または、対象となる疾患の発病率の低下を提供するのに有効な量である。
【0020】
本発明は、腫瘍の成長、侵襲、血管内侵入、播種、転移および腫瘍の免疫寛容を処置(阻止)または予防する方法に関する。前記方法は、有効量の本願明細書に記載されている式Iの組成を、TIE2阻害を調節する投与計画において、これらの症状の処置もしくは減少または予防効果を必要とする患者に投与することを含む。
【0021】
治療効果を達成するのに必要とされる本願明細書に記載されている組成の量は、特定の目的のための従来法に基づいて経験的に決定され得る。一般的には、治療目的で治療剤(例えば、本願明細書に記載されている式IまたはIIの組成(および/または更なる薬剤))を投与するために、前記治療剤は、薬理学的に有効な用量で提供される。「薬理学的に有効な量」、「薬理学的に有効な用量」、「治療的に有効な量」または「有効量」は、所望の生理学的効果を生じさせるのに十分な量、または、特に、前記障害もしくは疾患を処置するための所望の結果を達成可能な量を意味する。本願明細書で使用する場合、有効量は、例えば、前記障害または疾患の兆候の進行を遅延させ、前記障害または疾患の兆候の経過を変え(例えば、前記疾患の兆候の進行を遅らせ)、前記障害または疾患の1つ以上の兆候または症状を減少または除去し、障害または疾患の兆候を逆行させるのに十分な量を含むものとする。例えば、ガンを患う患者への治療剤の投与は、基礎をなす疾患が根絶され、または、回復される場合だけでなく、患者が、前記疾患に関連する兆候の重症度または持続期間における低下、例えば、腫瘍量の減少、循環性腫瘍細胞の減少、無増悪生存期間の延長を報告する場合も、治療的利益を提供する。治療的利益は、改善が実現されているかどうかに関わらず、基礎をなす疾患または障害の進行を停止または遅延させることも含む。
【0022】
本発明の一実施形態では、式Iの組成は、式IIの1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 パラ−トルエンスルホン酸塩であり、同塩は、アンジオポエチンリガンドのための受容体チロシンキナーゼであるTIE2の強力な阻害剤である。
【化2】
式II
【0023】
前記式Iの組成は、腫瘍細胞または腫瘍微小環境のいずれかにおけるTIE2発現が、原発性腫瘍の成長、原発性腫瘍の侵襲、血流への腫瘍の血管内侵入、腫瘍細胞の播種、遠位組織への腫瘍の転移または腫瘍の免疫寛容を媒介するメカニズムにより、腫瘍の進行を引き起こす、ガンにおける有用性を見出す。したがって、前記式Iの組成によるTIE2キナーゼの阻害は、原発性腫瘍の成長、原発性腫瘍の侵襲、血流への腫瘍の血管内侵入、腫瘍細胞の播種、遠位組織への腫瘍の転移または腫瘍の免疫寛容を含むプロセスを阻害することによるガンの処置における有用性を見出す。
【0024】
治療濃度の前記式Iの組成は、腫瘍の成長、侵襲、血管内侵入、播種、転移または腫瘍誘導性免疫寛容を引き起こすことが知られている腫瘍微小環境内の細胞を阻害する。前記腫瘍微小環境内のこのような細胞種としては、TIE2発現単球、TIE2発現マクロファージおよびTIE2発現内皮細胞があげられる。
【0025】
アンジオポエチン/TIE2シグナル伝達に応答性の腫瘍としては、制限されず、乳ガン、卵巣ガン、肝細胞ガン、グリオーマ、大腸ガンおよび血液悪性腫瘍があげられる。
【0026】
別の実施形態では、HXが存在しない場合、前記式Iの組成は、化学構造:
【化3】
を有する、遊離塩基性化合物である1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素である。
【0027】
前記式Iの組成は、単剤として、または、ガンを処置することが公知の他の治療剤との組み合わせで投与され得る。このような他の治療剤としては、放射線療法、抗チューブリン剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、DNA挿入剤、抗エストロゲン剤、抗アンドロゲン、ステロイド、抗EGFR剤、キナーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、DNAメチル化阻害剤、抗HER2剤、抗血管新生剤、プロテアソーム阻害剤、サリドマイド、レナリドミド、抗体−薬物複合体(ADC)、免疫修飾剤またはガンワクチンがあげられる。
【0028】
有効量、毒性および治療的有効性は、例えば、LD50(集団の約50%に対して致死性の用量)およびED50(集団の約50%において治療的に有効な用量)を決定するための、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手法により決定され得る。用量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて変動し得る。毒性と治療効果との間の用量比は、治療係数であり、LD50/ED50の比として表現され得る。一部の実施形態では、大きな治療係数を示す組成および方法が好ましい。治療的に有効な用量は、in vitroアッセイ、例えば、細胞培養アッセイから最初に推定され得る。また、用量は、細胞培養において決定されるIC50を含む循環性血漿濃度範囲を達成する動物モデルにおいて、または、適切な動物モデルにおいて公式化され得る。血漿中における記載されている組成のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより測定され得る。任意の特定の用量の効果は、適切なバイオアッセイによりモニターされ得る。用量は、医師により決定され、必要に応じて、処置の観察された効果に合うように調節され得る。
【0029】
特定の実施形態では、予防効果は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%または少なくとも約90%の定量可能な変化をもたらすであろう。一部の実施形態では、前記効果は、約10%、約20%、約30%、約50%、約70%またはさらに約90%以上の定量可能な変化をもたらすであろう。治療的利益は、改善が実現されているかどうかに関わらず、基礎をなす疾患または障害の進行を停止または遅延させることも含む。
【0030】
前記式IまたはIIの組成が、他の抗ガン剤との組み合わせで使用される場合、前記他の抗ガン剤は、前記式IまたはIIの組成の投与計画とは独立して投与されてもよい。前記他の抗ガン剤は、その予め確立された治療用量および投与計画で投与されることができ、または、その用量および投与計画は、前記式IまたはIIの組成との組み合わせで使用される場合、有効性、安全性または耐性を最適化するように修飾されることができる。
【0031】
さらに、本願明細書に記載されている式IまたはIIのいずれかの組成(および/または更なる薬剤)は、薬学的に許容され得る担体または媒体を含む組成物の成分として、対象に投与され得る。このような組成物は、場合により、適切な投与のための形態を提供するために、適切な量の薬学的に許容され得る賦形剤を含み得る。
【0032】
薬学的賦形剤は、液体、例えば、水およびオイル、例えば、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油等であり得る。前記薬学的賦形剤は、例えば、生理食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素等であり得る。加えて、補助剤、安定剤、増粘剤、滑沢剤および着色剤が使用され得る。一実施形態では、前記薬学的に許容され得る賦形剤は、対象に投与される時点で無菌である。本願明細書に記載されている任意の薬剤が静脈内に投与される場合、水は、有用な賦形剤である。生理食塩水溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液も、特に注射用溶液のための液体賦形剤として利用され得る。適切な薬学的賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、ショ糖、ゼラチン、モルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール等もあげられる。必要に応じて、本願明細書に記載されている任意の薬剤は、少量の湿潤剤もしくは乳濁化剤またはpH緩衝剤も含み得る。
【0033】
前記式Iの組成は、他の薬剤、例えば、化学療法剤、ターゲット化療法、生物学的製剤または放射線療法との組み合わせで使用されてもよい。
【0034】
前記式Iの組成は、化学療法剤、例えば、制限されず、抗チューブリン剤(パクリタキセル、注射用懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子、エリブリン、ドセタキセル、イキサベピロン、ビンクリスチン)、ビノレルビン、DNAアルキル化剤(シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミドを含む)、DNA挿入剤(ドキソルビシン、ペグ化リポソーマルドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシンおよびエピルビシンを含む)、5−フルオロウラシル、カペシタビン、シタラビン、デシタビン、5−アザシチジン、ゲムシタビンおよびメトトレキサートとの組み合わせで使用されてもよい。
【0035】
前記式Iの組成は、キナーゼ阻害剤、例えば、制限されず、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、エベロリムス、テムシロリムス、LY2835219、LEE011、PD0332991、クリゾチニブ、カボザンチニブ、スニチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、アキシチニブ、ダサチニブ、イマチニブ、ニロチニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、イデラリシブおよびキザルチニブとの組み合わせで使用されてもよい。
【0036】
前記式Iの組成は、抗エストロゲン剤、例えば、制限されず、タモキシフェン、フルベストラント、アナストロゾール、レトロゾールおよびエキセメスタンとの組み合わせで使用されてもよい。
【0037】
前記式Iの組成は、抗アンドロゲン剤、例えば、制限されず、酢酸アビラテロン、エンザルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、フルタミド、酢酸シプロテロンとの組み合わせで使用されてもよい。
【0038】
前記式Iの組成は、ステロイド剤、例えば、制限されず、プレドニゾンおよびデキサメタゾンとの組み合わせで使用されてもよい。
【0039】
前記式Iの組成は、トポイソメラーゼI阻害剤、例えば、制限されず、イリノテカン、カンプトテシンおよびトポテカンとの組み合わせで使用されてもよい。
【0040】
前記式Iの組成は、トポイソメラーゼII阻害剤、例えば、制限されず、エトポシド、リン酸エトポシドおよびミトキサントロンとの組み合わせで使用されてもよい。
【0041】
前記式Iの組成は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、例えば、制限されず、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、バルプロ酸およびベリノスタットとの組み合わせで使用されてもよい。
【0042】
前記式Iの組成は、DNAメチル化阻害剤、例えば、制限されず、DZNepおよび5−アザ−2’−デオキシシチジンとの組み合わせで使用されてもよい。
【0043】
前記式Iの組成は、プロテアソーム阻害剤、例えば、制限されず、ベルテゾミブおよびカルフィルゾミブとの組み合わせで使用されてもよい。
【0044】
前記式Iの組成は、サリドマイド、レナリドミドおよびポマリドミドとの組み合わせで使用されてもよい。
【0045】
前記式Iの組成は、生物学的製剤、例えば、制限されず、トラスツズマブ、ado−トラスツズマブ、ペルツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、イピリムマブ、抗PD−1剤、例えば、ラブロリズマブおよびニボルマブ、抗PD−L1剤、例えば、MPDL3280A、抗血管新生剤、例えば、ベバシズマブおよびアフリベルセプトならびに抗体−薬物複合体(ADC)、例えば、ブレンツキシマブベドチンおよびトラスツズマブエムタンシンとの組み合わせで使用されてもよい。
【0046】
前記式Iの組成は、放射線療法との組み合わせで使用されてもよい。
【0047】
前記式Iの組成は、治療ワクチン、例えば、制限されず、シプリューセル−Tとの組み合わせで使用されてもよい。
【0048】
一部の実施形態では、前記式Iまたは式IIの組成は、1つ以上の本願明細書に記載されている他の薬剤との組み合わせで使用され得る。
【0049】
原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法
本発明の第1態様は、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法に関する。
【0050】
本発明のこの態様の一実施形態では、前記式Iの組成の投与計画は、一日量での投与である。
【0051】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成の投与計画は、一日量での投与である。断続的な毎日でない投与計画は、制限されず、1日置きの投与、2日置きの投与、週2回の投与または週1回の投与を含み得る。
【0052】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成の適切な投与計画は、週2回、週1回または2週間に1回での投与を含む。
【0053】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成の投与計画は、週2回または週1回である。
【0054】
本発明のこの態様の他の実施形態では、前記式Iの組成の投与計画は、週2回での投与である。
【0055】
本発明のさらに別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、抗チューブリン剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、DNA挿入剤、抗エストロゲン剤、抗HER2剤、キナーゼ阻害剤または抗血管新生剤から採用される、1つ以上の薬剤との組み合わせで、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、式Iの組成を投与することを含む。
【0056】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、パクリタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0057】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、注射用懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0058】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ドセタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0059】
本発明のこの態様の別の実施形態では、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、エリブリンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0060】
本発明のこの態様の別の実施形態では、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、イキサベピロンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0061】
本発明のこの態様の別の実施形態では、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ビノレルビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0062】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、カペシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0063】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ゲムシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0064】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、5−フルオロウラシルとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0065】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、メトトレキサートとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0066】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、シクロホスファミドとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0067】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、シスプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0068】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、カルボプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0069】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0070】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ペグ化リポソーマルドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0071】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、エピルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0072】
本発明のこの態様のさらに別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、タモキシフェンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0073】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、フルベストラントとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0074】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、アナストロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0075】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、レトロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0076】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、エキセメスタンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0077】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、トラスツズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0078】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ado−トラスツズマブ・エムタンシンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0079】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ペルツズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0080】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ラパチニブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0081】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、エベロリムスとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0082】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、テムシロリムスとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0083】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LY2835219との組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0084】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LEE011との組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0085】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤PD0332991との組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0086】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ベバシズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0087】
本発明の別の態様は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成が、断続的な毎日でない投与計画で投与される、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法に関する。一部の実施形態では、前記断続的な毎日でない投与計画としては、1日置きの投与、2日置きの投与、週2回の投与および週1回の投与があげられる。
【0088】
本発明のこの態様の別の実施形態では、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成は、週2回、週1回または2週間に1回投与される。
【0089】
本発明のこの態様の別の実施形態では、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成は、週2回または週1回投与される。
【0090】
本発明のこの態様の別の実施形態では、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成は、週2回投与される。
【0091】
本発明のこの態様の別の実施形態では、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成が、抗チューブリン剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、DNA挿入剤、抗エストロゲン剤、抗HER2剤、キナーゼ阻害剤または抗血管新生剤から採用される、1つ以上の薬剤との組み合わせで投与される。
【0092】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、パクリタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0093】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、注射用懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0094】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ドセタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0095】
本発明のこの態様の別の実施形態では、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、エリブリンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0096】
本発明のこの態様の別の実施形態では、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、イキサベピロンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0097】
本発明のこの態様の別の実施形態では、原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ビノレルビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0098】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、カペシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0099】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ゲムシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0100】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、5−フルオロウラシルとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0101】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、メトトレキサートとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0102】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、シクロホスファミドとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0103】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、シスプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0104】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、カルボプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0105】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0106】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ペグ化リポソーマルドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0107】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、エピルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0108】
本発明のこの態様のさらに別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、タモキシフェンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0109】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、フルベストラントとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0110】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、アナストロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0111】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、レトロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0112】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、エキセメスタンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0113】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、トラスツズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0114】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ado−トラスツズマブ・エムタンシンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0115】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ペルツズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0116】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ラパチニブとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0117】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、エベロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0118】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、テムシロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0119】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LY2835219との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0120】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LEE011との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0121】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤PD0332991との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0122】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記原発性乳腺腫瘍の成長および侵襲を阻害する方法は、ベバシズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0123】
乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法
本発明のさらに別の態様では、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な有効量の式Iの組成を、それを必要とする患者に投与することを含む、乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法が提供される。
【0124】
本発明のこの態様の一実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分投与計画において、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0125】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害するのに十分な投与計画は、式Iの組成の毎日の投与を含む。
【0126】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成の投与計画は、断続的な毎日でない投与方法、例えば、1日置きの投与、2日置きの投与、週2回の投与または週1回の投与で投与される。
【0127】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成の投与計画は、週2回、週1回または2週間に1回で投与される。
【0128】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成の投与計画は、週2回または週1回での投与である。
【0129】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成の投与計画は、週2回で投与される。
【0130】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、抗チューブリン剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、DNA挿入剤、抗エストロゲン剤、抗HER2剤、キナーゼ阻害剤または抗血管新生剤から採用される、1つ以上の薬剤との組み合わせで、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0131】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、パクリタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0132】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、注射用懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0133】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ドセタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0134】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、エリブリンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0135】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、イキサベピロンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0136】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ビノレルビンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0137】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、カペシタビンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0138】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ゲムシタビンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0139】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、5−フルオロウラシルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0140】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、メトトレキサートとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0141】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、シクロホスファミドとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0142】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、シスプラチンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0143】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、カルボプラチンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0144】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0145】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、エピルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0146】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、タモキシフェンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0147】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、フルベストラントとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0148】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、アナストロゾールとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0149】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、レトロゾールとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0150】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、エキセメスタンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0151】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、トラスツズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0152】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ado−トラスツズマブ・エムタンシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0153】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ペルツズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0154】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ラパチニブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0155】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、エベロリムスとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0156】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、テムシロリムスとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0157】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LY2835219との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0158】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LEE011との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0159】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤PD0332991との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0160】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ベバシズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0161】
本発明の別の態様では、乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、断続的な毎日でない投与として投与される。一部の実施形態では、1日置きの投与は、2日置きの投与、週2回の投与または週1回の投与の全てを含む。
【0162】
本発明のこの態様の一実施形態では、乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、週2回、週1回または2週間に一回で投与されるという条件である。
【0163】
本発明のこの態様の別の実施形態では、乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、週2回または週1回で投与されるという条件である。
【0164】
本発明のこの態様の別の実施形態では、乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画が、週2回で投与されるという条件である。
【0165】
本発明のこの態様の別の実施形態では、乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、抗チューブリン剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、DNA挿入剤、抗エストロゲン剤、抗HER2剤、キナーゼ阻害剤または抗血管新生剤から採用される、1つ以上の薬剤との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0166】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、パクリタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0167】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、注射用懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0168】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ドセタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0169】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、エリブリンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0170】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、イキサベピロンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0171】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ビノレルビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0172】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、カペシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0173】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ゲムシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0174】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、5−フルオロウラシルとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0175】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、メトトレキサートとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0176】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、シクロホスファミドとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0177】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、シスプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0178】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、カルボプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0179】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0180】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ペグ化リポソーマルドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0181】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、エピルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0182】
本発明のこの態様のさらに別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、タモキシフェンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0183】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、フルベストラントとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0184】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、アナストロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0185】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、レトロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0186】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、エキセメスタンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0187】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、トラスツズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0188】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ado−トラスツズマブ・エムタンシンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0189】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ペルツズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0190】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ラパチニブとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0191】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、エベロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0192】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、テムシロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0193】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LY2835219との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0194】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LEE011との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0195】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤PD0332991との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0196】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの血管内侵入、播種および転移を阻害する方法は、ベバシズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0197】
乳ガンの免疫寛容を阻害する方法
本発明の別の態様は、乳ガンの免疫寛容を阻害する方法に関する。前記方法は、有効量の式Iの組成を、それを必要とする患者に投与することを含む。一実施形態では、前記塩の投与計画は、免疫寛容を媒介する腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分である。
【0198】
本発明のこの態様の一実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、有効量の式Iの組成を、免疫寛容を媒介する腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0199】
本発明のこの態様の一実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、式Iの組成の毎日の投与を含む。
【0200】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成は、断続的な毎日でない方法で投与される。一部の実施形態では、前記断続的な毎日でない方法は、1日置きの投与、2日置きの投与、週2回の投与または週1回の投与を含む。
【0201】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成の投与は、週2回、週1回または2週間に1回である。
【0202】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成は、週2回または週1回で投与される。
【0203】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成は、週2回で投与される。
【0204】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、抗チューブリン剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、DNA挿入剤、抗エストロゲン剤、抗HER2剤、キナーゼ阻害剤、抗血管新生剤または免疫修飾剤から採用される、1つ以上の薬剤との組み合わせで、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0205】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、パクリタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0206】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、注射用懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0207】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ドセタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0208】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、エリブリンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0209】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、イキサベピロンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0210】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ビノレルビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0211】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、カペシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0212】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ゲムシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0213】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、5−フルオロウラシルとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0214】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、メトトレキサートとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0215】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、シクロホスファミドとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0216】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、シスプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0217】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、カルボプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0218】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0219】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ペグ化リポソーマルドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0220】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、エピルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0221】
本発明のこの態様のさらに別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、タモキシフェンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0222】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、フルベストラントとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0223】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、アナストロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0224】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、レトロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0225】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、エキセメスタンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0226】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、トラスツズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0227】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ado−トラスツズマブ・エムタンシンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0228】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ペルツズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0229】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ラパチニブとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0230】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、エベロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0231】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、テムシロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0232】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LY2835219との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0233】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LEE011との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0234】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤PD0332991との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0235】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ベバシズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0236】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、抗CTLA−4剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0237】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、イピリムマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0238】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、抗PD−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0239】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ラムブロリズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0240】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、抗PD L−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0241】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、MPDL3280Aとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0242】
乳ガンの免疫寛容を阻害する方法
本発明の別の態様では、乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、断続的な毎日でない投与方法、例えば、1日置きの投与、2日置きの投与、週2回の投与または週1回の投与で投与される。
【0243】
本発明のこの態様の一実施形態では、乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成は、週2回、週1回または2週間に1回で投与される。
【0244】
本発明のこの態様の別の実施形態では、乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成は、週2回または週1回で投与される。
【0245】
本発明のこの態様の別の実施形態では、乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成は、週2回で投与される。
【0246】
本発明のこの態様の別の実施形態では、乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、抗チューブリン剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、DNA挿入剤、抗エストロゲン剤、抗HER2剤、キナーゼ阻害剤、抗血管新生剤または免疫修飾剤から採用される、1つ以上の薬剤との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0247】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、パクリタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0248】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、注射用懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0249】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ドセタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0250】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、エリブリンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0251】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、イキサベピロンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0252】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ビノレルビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0253】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、カペシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0254】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ゲムシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0255】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、5−フルオロウラシルとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0256】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、メトトレキサートとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0257】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、シクロホスファミドとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0258】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、シスプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0259】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、カルボプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0260】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0261】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ペグ化リポソーマルドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0262】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、エピルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0263】
本発明のこの態様のさらに別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、タモキシフェンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0264】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、フルベストラントとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0265】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、アナストロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0266】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、レトロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0267】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、エキセメスタンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0268】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、トラスツズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0269】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ado−トラスツズマブ・エムタンシンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0270】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ペルツズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0271】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ラパチニブとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0272】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、エベロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0273】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、テムシロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0274】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LY2835219との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0275】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤LEE011との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0276】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、CDK4/6阻害剤PD0332991との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0277】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ベバシズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0278】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、抗CTLA−4剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0279】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、イピリムマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0280】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、抗PD−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0281】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、ラムブロリズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0282】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、抗PD L−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0283】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガンの免疫寛容を阻害する方法は、MPDL3280Aとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0284】
乳ガン患者における全生存を伸ばす方法
本発明の別の態様は、有効量の式Iの組成を、それを必要とする患者に投与することを含む、乳ガン患者における全生存を伸ばす方法に関する。一実施形態では、投与計画は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分である。
【0285】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、前記式Iの組成が毎日投与される投与計画を含む。
【0286】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、断続的な毎日でない方法、例えば、1日置きの投与、2日置きの投与、週2回の投与または週1回の投与で投与される投与計画における式Iの組成を含む。
【0287】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、週2回、週1回または2週間に1回で投与される投与計画における式Iの組成を含む。
【0288】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法において、前記式Iの組成の投与計画は、週2回または週1回で投与される。
【0289】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成の投与計画は、週2回でのみ投与される。
【0290】
本発明のこの態様の別の実施形態は、抗チューブリン剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、DNA挿入剤、抗エストロゲン剤、抗HER2剤、キナーゼ阻害剤、抗血管新生剤または免疫修飾剤から採用される、1つ以上の薬剤との組み合わせで、式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において投与することを含む、乳ガン患者における全生存を伸ばす方法に関する。
【0291】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、パクリタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0292】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、注射用懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0293】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ドセタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0294】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、エリブリンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0295】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、イキサベピロンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0296】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ビノレルビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0297】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、カペシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0298】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ゲムシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0299】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、5−フルオロウラシルとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0300】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、メトトレキサートとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0301】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、シクロホスファミドとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0302】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、シスプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0303】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、カルボプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0304】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0305】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ペグ化リポソーマルドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0306】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、エピルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0307】
本発明のこの態様のさらに別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、タモキシフェンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0308】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、フルベストラントとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0309】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、アナストロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0310】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、レトロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0311】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、エキセメスタンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0312】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、トラスツズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0313】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ado−トラスツズマブ・エムタンシンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0314】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ペルツズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0315】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ラパチニブとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0316】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、エベロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0317】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、テムシロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0318】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、CDK4/6阻害剤LY2835219との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0319】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、CDK4/6阻害剤LEE011との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0320】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、CDK4/6阻害剤PD0332991との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0321】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ベバシズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0322】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、抗CTLA−4剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0323】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、イピリムマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0324】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、抗PD−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0325】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ラムブロリズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0326】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、抗PD L−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、MPDL3280Aとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0327】
乳ガン患者における全生存を伸ばす方法
本発明の別の態様では、乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、断続的な毎日でない投与、例えば、1日置きの投与、2日置きの投与、週2回の投与または週1回の投与である。
【0328】
本発明のこの態様の一実施形態では、乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、週2回、週1回または2週間に1回での投与である。
【0329】
本発明のこの態様の別の実施形態では、乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、週2回または週1回での投与である。
【0330】
本発明のこの態様の別の実施形態では、乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、週2回での投与であるという条件である。
【0331】
本発明のこの態様の別の実施形態では、乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、抗チューブリン剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、DNA挿入剤、抗エストロゲン剤、抗HER2剤、キナーゼ阻害剤、抗血管新生剤または免疫修飾剤から採用される、1つ以上の薬剤との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0332】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、パクリタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0333】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、注射用懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0334】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ドセタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0335】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、エリブリンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0336】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、イキサベピロンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0337】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ビノレルビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0338】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、カペシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0339】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ゲムシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0340】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、5−フルオロウラシルとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0341】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、メトトレキサートとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0342】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、シクロホスファミドとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0343】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、シスプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0344】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、カルボプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0345】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0346】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ペグ化リポソーマルドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0347】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、エピルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0348】
本発明のこの態様のさらに別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、タモキシフェンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0349】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、フルベストラントとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0350】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、アナストロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0351】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、レトロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0352】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、エキセメスタンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0353】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、トラスツズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0354】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ado−トラスツズマブ・エムタンシンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0355】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ペルツズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0356】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ラパチニブとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0357】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、エベロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0358】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、テムシロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0359】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、CDK4/6阻害剤LY2835219との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0360】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、CDK4/6阻害剤LEE011との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0361】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、CDK4/6阻害剤PD0332991との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0362】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ベバシズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0363】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、抗CTLA−4剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0364】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、イピリムマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0365】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、抗PD−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0366】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、ラムブロリズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0367】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、抗PD L−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0368】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記乳ガン患者における全生存を伸ばす方法は、MPDL3280Aとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0369】
腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法
本発明の別の態様は、有効量の式Iの組成を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記式Iの組成の投与計画が、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分である、腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法に関する。
【0370】
本発明のこの態様の別の実施形態では、腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0371】
本発明のこの態様の別の実施形態では、腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの投与計画が、毎日投与されるという条件である。
【0372】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含み、前記式Iの投与計画は、断続的な毎日でない方法、例えば、1日置きの投与、2日置きの投与、週2回の投与または週1回の投与で投与されるという条件である。
【0373】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、有効量の式Iの組成を、週2回、週1回または2週間に1回で投与される投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0374】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、週2回または週1回で投与される投与計画での式Iの組成の投与を含む。
【0375】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記式Iの組成の投与計画は、週2回で投与される。
【0376】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、抗チューブリン剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、DNA挿入剤、抗エストロゲン剤、抗HER2剤、キナーゼ阻害剤、抗血管新生剤または免疫修飾剤から採用される、1つ以上の薬剤との組み合わせでの、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画での式Iの組成の投与を含む。
【0377】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、パクリタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0378】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、注射用懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0379】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ドセタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0380】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、エリブリンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0381】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、イキサベピロンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0382】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ビノレルビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0383】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、カペシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0384】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ゲムシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0385】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、5−フルオロウラシルとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0386】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、メトトレキサートとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0387】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、シクロホスファミドとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0388】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、シスプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0389】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、カルボプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0390】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0391】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ペグ化リポソーマルドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0392】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、エピルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0393】
本発明のこの態様のさらに別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、タモキシフェンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0394】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、フルベストラントとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0395】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、アナストロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0396】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、レトロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0397】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、エキセメスタンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0398】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、トラスツズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0399】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ado−トラスツズマブ・エムタンシンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0400】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ペルツズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0401】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ラパチニブとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0402】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、エベロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0403】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、テムシロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0404】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、CDK4/6阻害剤LY2835219との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0405】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、CDK4/6阻害剤LEE011との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0406】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、CDK4/6阻害剤PD0332991との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0407】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ベバシズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0408】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、抗CTLA−4剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0409】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、イピリムマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0410】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、抗PD−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0411】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ラムブロリズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0412】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、抗PD L−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0413】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、MPDL3280Aとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0414】
外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法
本発明の別の態様では、外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、断続的な毎日でない投与として、例えば、1日置きの投与、2日置きの投与、週2回の投与または週1回の投与で投与されるという条件である。
【0415】
本発明のこの態様の一実施形態では、外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、週2回、週1回または2週間に1回で投与されるという条件である。
【0416】
本発明のこの態様の別の実施形態では、外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、週2回または週1回で投与されるという条件である。
【0417】
本発明のこの態様の別の実施形態では、外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含み、前記式Iの組成の投与計画は、週2回で投与されるという条件である。
【0418】
本発明のこの態様の別の実施形態では、外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、抗チューブリン剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、DNA挿入剤、抗エストロゲン剤、抗HER2剤、キナーゼ阻害剤、抗血管新生剤または免疫修飾剤から採用される、1つ以上の薬剤との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0419】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、パクリタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0420】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、注射用懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0421】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ドセタキセルとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0422】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、エリブリンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0423】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、イキサベピロンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0424】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ビノレルビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0425】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、カペシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0426】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ゲムシタビンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0427】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、5−フルオロウラシルとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0428】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、メトトレキサートとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0429】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、シクロホスファミドとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0430】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、シスプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0431】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、カルボプラチンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0432】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0433】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ペグ化リポソーマルドキソルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0434】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、エピルビシンとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0435】
本発明のこの態様のさらに別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、タモキシフェンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0436】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、フルベストラントとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0437】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、アナストロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0438】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、レトロゾールとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0439】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、エキセメスタンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0440】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、トラスツズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0441】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ado−トラスツズマブ・エムタンシンとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0442】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ペルツズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0443】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ラパチニブとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0444】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、エベロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0445】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、テムシロリムスとの組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0446】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、CDK4/6阻害剤LY2835219との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0447】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、CDK4/6阻害剤LEE011との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0448】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、CDK4/6阻害剤PD0332991との組み合わせで投与される、腫瘍微小環境TIE2発現マクロファージにおけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な用量での式Iの組成の投与を含む。
【0449】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ベバシズマブとの組み合わせでの式Iの組成の投与を含む。
【0450】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、抗CTLA−4剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0451】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、イピリムマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0452】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、抗PD−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0453】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、ラムブロリズマブとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0454】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、抗PD L−1剤との組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0455】
本発明のこの態様の別の実施形態では、前記腫瘍の外科的切除前の術前補助環境における乳ガン患者を処置する方法は、MPDL3280Aとの組み合わせで、式Iの組成を投与することを含む。
【0456】
TIE2経路シグナル伝達が、卵巣ガンの進行に関与することが示されているため(Karlan et al, J. Clinical Oncology(2012)30:362−370)、本発明の別の態様は、卵巣ガンを処置する方法に関する。前記方法は、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む。本発明のこの態様の一実施形態では、式Iの組成は、単剤として投与される。
【0457】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、パクリタキセル+カルボプラチン、ドセタキセル+カルボプラチン、パクリタキセル+シスプラチンまたは他のタキサン+プラチナ薬物との組み合わせの計画で投与される。
【0458】
TIE2経路シグナル伝達が、肝細胞ガンの進行に関与することが示されており、診断マーカーとして示されているため(Matsubara et al, Hepatology(2013)57:1416−1425;Mitsuhashi et al, Hepatology(2003)37:1105−1113;Tanaka et al, J. Clin Invest(1999)103:341−345)、本発明の別の態様は、肝細胞ガンを処置する方法に関する。前記方法は、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0459】
本発明のこの態様の一実施形態では、式Iの組成は、単剤として投与される。
【0460】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、キナーゼ阻害剤、例えば、ソラフェニブ、クリゾチニブ、カボザンチニブ、スニチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、レゴラフェニブまたはアキシチニブとの組み合わせで投与される。
【0461】
TIE2経路シグナル伝達が、グリオーマガンの進行に関与することが示されているため(Liu et al, Oncotarget(2010)1:700−709;Brunckhorst et al, Cancer Research(2010)70:7283−7293)、本発明の別の態様は、グリオーマを処置する方法に関する。前記方法は、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0462】
本発明のこの態様の一実施形態では、式Iの組成は、単剤として投与される。
【0463】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、放射線療法との組み合わせで投与される。
【0464】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、テモゾロミド療法との組み合わせで投与される。
【0465】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、放射線療法およびテモゾロミド療法との組み合わせで投与される。
【0466】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、ベバシズマブ療法との組み合わせで投与される。
【0467】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、放射線療法およびベバシズマブ療法との組み合わせで投与される。
【0468】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、テモゾロミド療法およびベバシズマブ療法との組み合わせで投与される。
【0469】
TIE2経路シグナル伝達が、メラノーマの進行に関与することが示されているため(Helfrich et al, Clin Cancer Res(2009)15:1384−1392;Peinado et al, Nature Medicine(2012)18:883−891)、本発明の別の態様は、メラノーマを処置する方法に関する。前記方法は、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0470】
本発明のこの態様の一実施形態では、式Iの組成は、単剤として投与される。
【0471】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、ベムラフェニブとの組み合わせで投与される。
【0472】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、ダブラフェニブとの組み合わせで投与される。
【0473】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、ダブラフェニブおよびトラメチニブとの組み合わせで投与される。
【0474】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、テモゾロミドとの組み合わせで投与される。
【0475】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、ダカルバジンとの組み合わせで投与される。
【0476】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、イピリムマブとの組み合わせで投与される。
【0477】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、ラブロリズマブまたはニボルマブとの組み合わせで投与される。
【0478】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、MPDL3280Aとの組み合わせで投与される。
【0479】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、イマチニブとの組み合わせで投与される。
【0480】
TIE2経路シグナル伝達が、大腸ガンの進行に関与することが示されているため(Ahmad et al, Cancer(2001)92:1138−1143;Hashizume et al, Cancer Research(2010)70:2213−2223)、本発明の別の態様は、大腸ガンを処置する方法に関する。前記方法は、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0481】
本発明のこの態様の一実施形態では、式Iの組成は、単剤として投与される。
【0482】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、mFOLFOX6療法(オキサリプラチン+ロイコボリン+5−フルオロウラシル)との組み合わせで投与される。
【0483】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、mFOLFOX6療法およびベバシズマブとの組み合わせで投与される。
【0484】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、mFOLFOX6療法およびパニツムマブとの組み合わせで投与される。
【0485】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、mFOLFOX6療法およびセツキシマブとの組み合わせで投与される。
【0486】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、カペシタビンとの組み合わせで投与される。
【0487】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、カペシタビンおよびベバシズマブとの組み合わせで投与される。
【0488】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、FOLFIRI療法(イリノテカン+ロイコボリン+5−フルオロウラシル)との組み合わせで投与される。
【0489】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、FOLFIRI療法およびベバシズマブとの組み合わせで投与される。
【0490】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、FOLFIRI療法およびアフリベルセプトとの組み合わせで投与される。
【0491】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、FOLFIRI療法およびセツキシマブとの組み合わせで投与される。
【0492】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、FOLFIRI療法およびパニツムマブとの組み合わせで投与される。
【0493】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、パニツムマブとの組み合わせで投与される。
【0494】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、パニツムマブおよびイリノテカンとの組み合わせで投与される。
【0495】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、セツキシマブとの組み合わせで投与される。
【0496】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、セツキシマブおよびイリノテカンとの組み合わせで投与される。
【0497】
TIE2経路シグナル伝達が、急性骨髄性白血病の進行に関与することが示されているため(Muller et al, Leukemia Research(2002)26:163−168;Hou et al, Leukemia Research(2008)32:904−912)、本発明の別の態様は、急性骨髄性白血病を処置する方法に関する。前記方法は、有効量の式Iの組成を、腫瘍微小環境におけるTIE2キナーゼを阻害するのに十分な投与計画において、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0498】
本発明のこの態様の一実施形態では、式Iの組成は、単剤として投与される。
【0499】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、ダウノルビシンおよびシタラビンとの組み合わせで投与される。
【0500】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、イダルビシンおよびシタラビンとの組み合わせで投与される。
【0501】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、ミトキサントロンおよびシタラビンとの組み合わせで投与される。
【0502】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、シタラビンとの組み合わせで投与される。
【0503】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、5−アザシチジンとの組み合わせで投与される。
【0504】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、デシタビンとの組み合わせで投与される。
【0505】
本発明のこの態様の別の実施形態では、式Iの組成は、キザルチニブとの組み合わせで投与される。
【0506】
本発明の別の態様は、ガンを処置する方法に関する。前記方法は、有効量の式Iの組成を、それを必要とする患者に投与することを含む。一実施形態では、前記患者は、内膜内皮細胞キナーゼ2(TIE2)を過剰発現しており、前記ガンは、乳ガン、大腸ガン、肝細胞ガン、頭頸部ガン、膀胱ガン、卵巣ガン、グリオーマ、血管肉腫、メラノーマまたは急性骨髄性白血病から選択される。
【0507】
本発明の処置計画の特定の実施形態では、前記式Iの組成は、毎日の頻度で投与される。
【0508】
本発明の処置計画の他の実施形態では、前記式Iの組成は、毎日でない断続的な頻度で投与される。
【0509】
本発明の処置計画の他の実施形態では、前記式Iの組成は、週3回の頻度で投与される。
【0510】
本発明の処置計画の他の実施形態では、前記式Iの組成は、週2回の頻度で投与される。
【0511】
本発明の処置計画の他の実施形態では、前記式Iの組成は、週1回の頻度で投与される。
【0512】
本発明の処置計画の他の実施形態では、前記式Iの組成は、2週間に1回の頻度で投与される。
【0513】
他の実施形態では、前記ガンは、転移性で、三種陰性の乳ガン(エストロゲン受容体陰性、プロゲステロン受容体陰性、HER2陰性)である。
【0514】
他の実施形態では、前記ガンは、エストロゲン陽性(ER
+)およびHER2受容体キナーゼ陰性(HER2
−)の乳ガンである。
【0515】
他の実施形態では、前記ガンは、炎症性乳ガンである。
【0516】
別の実施形態では、前記方法は、1つ以上の原発性腫瘍の成長、腫瘍の侵襲、ガンの血管内侵入、ガンの播種、転移および腫瘍の免疫寛容を予防し、または、減少させる処置を含む。特定の実施形態では、前記方法は、患者の生存率を向上させる。
【0517】
製剤、投与、用量および処置計画
本発明は、種々の製剤における、前記式Iおよび/またはIIの記載されている塩(および/または更なる薬剤)を含む。本願明細書に記載されている任意の組成(および/または更なる薬剤)は、液剤、懸濁剤、乳濁剤、ドロップ剤、錠剤、丸剤、小丸剤、カプセル剤、液剤を収容するカプセル剤、粉末剤、持続放出型製剤、坐剤、乳濁剤、エアロゾル剤、噴霧剤、懸濁剤の形態、または、使用に適した任意の他の形態をとり得る。一実施形態では、前記組成は、カプセル剤(例えば、米国特許第5,698,155号明細書を参照のこと)の形態にある。適切な薬学的賦形剤の他の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 1447−1676(Alfonso R. Gennaro eds., 19th ed. 1995)に記載されている。同文献は、参照により本願明細書に組み込まれる。
【0518】
必要に応じて、本願明細書に記載されている塩は、可溶化剤も含み得る。また、前記薬剤は、当該分野において公知の適切な媒体または送達器具により送達され得る。本願明細書において概説されている組合せ療法は、1つの送達媒体または送達器具において同時に送達され得る。投与用の組成物は、場合により、注射部位の疼痛を減らすために、局所麻酔薬、例えば、リグノカイン等を含み得る。
【0519】
一実施形態では、本願明細書に記載されている式Iおよび/またはIIの塩(および/または更なる薬剤)は、投与方式に適した組成物として、常法に従って製剤化される。
【0520】
特定の実施形態では、投与経路としては、例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻内、硬膜外、経口、舌下、鼻内、脳内、膣内、経皮、直腸、吸入または特に耳、鼻、眼もしくは皮膚に対する局所があげられる。一部の実施形態では、投与は、経口または非経口的注射により達成される。投与方式は、実務者の裁量であることができ、疾患部位によりある程度決めることができる。大部分の症例では、投与は、本願明細書に記載されている任意の薬剤の血中への放出をもたらす。
【0521】
具体的な実施形態では、処置または阻害を必要とする領域に局所的に投与するのが望ましい場合がある。
【0522】
一実施形態では、本願明細書に記載されている塩(および/または更なる薬剤)は、ヒトへの経口投与に適した組成物として、常法に従って製剤化される。経口送達用の組成物は、例えば、錠剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁剤、顆粒剤、粉末剤、乳濁剤、カプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤の形態であり得る。経口投与される組成物は、薬学的に口に合う調製物を提供するために、1つ以上の薬剤、例えば、甘味料、例えば、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリン;香味料、例えば、ペッパーミント、イチャクソウもしくはサクラのオイル;着色剤;および保存剤を含み得る。さらに、錠剤または丸剤の形態にある場合、前記組成物は、消化管における崩壊および吸収を遅延させるためにコートされることにより、長期間にわたって持続性作用を提供することができる。本願明細書に記載されている式IまたはIIの塩(および/または更なる薬剤)を浸透圧的に能動輸送する選択的透過性膜環境も、経口投与される組成物に適している。これらの後者のプラットフォームでは、カプセル剤を取り囲む環境からの流体は、移動している組成物により吸収される。前記組成物は膨潤し、孔を通って薬剤または薬剤組成物を移動させる。これらの送達プラットフォームは、即時放出製剤の追加されたプロファイルとは対照的に、本質的にゼロオーダーの送達プロファイルを提供し得る。時間遅延材料、例えば、グリセロールモノステアレートまたはグリセロールステアレートも有用であり得る。経口組成物は、標準的な賦形剤、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロースおよび炭酸マグネシウムを含み得る。一実施形態では、前記賦形剤は、医薬品グレードのものである。活性な組成に加えて、懸濁剤は、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、アガー−アガー、トラガカント等およびそれらの混合物を含み得る。
【0523】
非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下および関節内注射および注入)に適した剤形としては、例えば、液剤、懸濁剤、分散剤、乳濁剤等があげられる。それらは、滅菌されている固体組成物(例えば、凍結乾燥組成物)の形態でも製造され得る。同組成物は、使用直前に滅菌注射用媒体に溶解または懸濁され得る。それらは、例えば、当該分野において公知の懸濁化剤または分散剤を含んでもよい。
【0524】
本願明細書に記載されている式Iおよび/またはIIの塩(および/または更なる薬剤)の用量ならびに投与スケジュールは、種々のパラメータ、例えば、制限されず、処置される疾患、対象の全体的な健康および投与する医師の裁量により決まり得る。本願明細書に記載されている任意の薬剤は、それを必要とする対象への更なる治療剤の投与前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間または12週間前)、同投与と同時、または、同投与後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間または12週間後)に投与され得る。種々の実施形態では、本願明細書に記載されている任意の薬剤は、1分空けて、10分空けて、30分空けて、1時間未満空けて、1時間空けて、1時間〜2時間空けて、2時間〜3時間空けて、3時間〜4時間空けて、4時間〜5時間空けて、5時間〜6時間空けて、6時間〜7時間空けて、7時間〜8時間空けて、8時間〜9時間空けて、9時間〜10時間空けて、10時間〜11時間空けて、または、11時間〜12時間空けて投与される。
【0525】
本願明細書に記載されている式Iおよび/またはIIの塩(および/または更なる薬剤)の用量は、複数の要因、例えば、症状の重症度、前記症状が処置または予防されるべきかどうか、ならびに、処置されるべき対象の年齢、体重および健康により決まり得る。さらに、特定の対象についての薬理ゲノミクス(治療上の薬理学的、薬力学的または有効性プロファイルにおける遺伝子型の影響)情報は、使用される用量に影響を及ぼす場合がある。さらに、正確な個々の用量は、各種の要因、例えば、投与される薬剤の具体的な組合せ、投与のタイミング、投与経路、製剤の性質、排出速度、処置される特定の疾患、障害の重症度および障害の解剖学的位置に応じていくらか調節され得る。前記用量のいくらかのバリエーションが予測され得る。
【0526】
一般的には、哺乳類に経口投与される場合、本願明細書に記載されている式Iの任意の組成(および/または更なる薬剤)の用量は、0.001mg/kg/日〜100mg/kg/日、0.01mg/kg/日〜50mg/kg/日または0.1mg/kg/日〜10mg/kg/日であり得る。ヒトに経口投与される場合、本願明細書に記載されている任意の薬剤の用量は、通常、1日当たりに0.001mg〜1500mg、1日当たりに1mg〜600mgまたは1日当たりに5mg〜30mgである。一部の実施形態では、前記塩(または薬剤)の用量は、1日当たりに57mg〜1200mgの範囲である。他の実施形態では、前記薬剤または塩の用量は、1日当たりに100mg〜200mgの範囲である。
【0527】
本願明細書に記載されている式Iおよび/またはIIの塩(および/または更なる薬剤)の非経口注射による投与について、用量は、通常、1日当たりに0.1mg〜250mg、1日当たりに1mg〜20mgまたは1日当たりに3mg〜5mgである。注射は、1日当たりに4回まで提供されてもよい。一般的には、経口または非経口で投与される場合、本願明細書に記載されている任意の薬剤の用量は、通常、1日当たりに0.1mg〜1500mgまたは1日当たりに0.5mg〜10mgまたは1日当たりに0.5mg〜5mgである。1日当たりに3000mg以下の用量が投与され得る。
【0528】
本願明細書に記載されている塩(および/または更なる薬剤)の投与は、独立して、1日当たりに1〜4回であり得る。具体的には、前記塩の投与は、前記塩の投与計画が約50mg〜1500mgである場合において、1日1回であり得る。求められる予防的効果に適した日量は、57〜1200mg/日である。1日2回投与される場合、適切な用量は、100mg〜200mgの前記塩である。前記塩の投与は、断続的に毎日でなくてもよい。特に、前記塩の投与は、1ヶ月当たりに1〜4回もしくは1年当たりに1〜6回または2、3、4もしくは5年に1回で行われてもよい。特定の実施形態では、前記塩の投与は、毎週または2週間に1回で行われる。毎週または2週間に1回で投与される場合、適切な塩の投与計画は、1回の投与当たりに50〜200mgの範囲である。特定の毎週または2週間に1回での投与において、用量は、1回の投与当たりに200〜400mgである。毎週または2週間に1回での投与のさらに他の方式としては、1回の投与当たりに400〜500mg、1回の投与当たりに500〜600mg、1回の投与当たりに600〜700mg、1回の投与当たりに700〜800mg、1回の投与当たりに800〜900mg、1回の投与当たりに900〜1000mg、1回の投与当たりに1000〜1100mgまたは1回の投与当たりに1100〜1200mgがあげられる。投与は、1日または1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年の期間であることができ、対象の寿命の間であってもよい。慢性的で、長期間の投与が、多くの症例で必要とされるであろう。用量は、1回の用量として投与されてもよいし、または、複数の用量に分割されてもよい。一般的には、所望の用量が、長期間、通常、少なくとも数週間または数か月にわたる期間について設定された間隔において投与されるべきであるが、数か月または数年以上のより長い期間の投与が必要な場合もある。
【実施例】
【0529】
実施例1.1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素による非リン酸化TIE2(uTIE2)の生化学的阻害
uTIE2(配列番号1)についての生化学アッセイ
uTIE2キナーゼの活性を、ピルビン酸キナーゼ/乳酸デヒドロゲナーゼ系とのカップリングによるキナーゼ反応からのADP産生をフォローすることにより決定した(例えば、Schindler et al. Science(2000)289:1938−1942)。このアッセイでは、NADHの酸化(これにより、A
340nmの低下)を、分光測定で継続的にモニターした。反応混合物(100μL)は、0.2% オクチル−グリコシドおよび1% DMSOを含有する、90mM トリスバッファー、pH 7.5中に、TIE2(SignalChem)(5.6nM)、BSA(0.004%(w/v))、polyEY(1.5mg/ml)、MgCl
2(15mM)、DTT(0.5mM)、ピルビン酸キナーゼ(4単位)、乳酸デヒドロゲナーゼ(7単位)、ホスホエノールピルビン酸(1mM)ならびにNADH(0.28mM)およびATP(1.5mM)を含有した。連続希釈した試験組成を上記反応混合物と混合することにより、阻害反応を開始した。340nmでの吸収を、プレートリーダ(Biotek)において、30℃で6時間連続的にモニターした。5〜6時間の時間枠を使用して、反応速度を算出した。%阻害を、コントロール(すなわち、試験組成を含まない)の反応速度との反応速度の比較により得た。阻害剤の濃度範囲において決定した一連の%阻害値から、GraphPad Prismソフトウェアパッケージに実装されているのと同じ通常のソフトウェアを使用して、IC
50値を算出した。前記組成である、1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 パラ−トルエンスルホン酸塩(図に記載されている化合物I)は、3.5nMのIC
50値を示した。
スクリーニングに使用したuTIE2タンパク質(配列番号1)
QLKRANVQRRMAQAFQNVREEPAVQFNSGTLALNRKVKNNPDPTIYPVLDWNDIKFQDVIGEGNFGQVLKARIKKDGLRMDAAIKRMKEYASKDDHRDFAGELEVLCKLGHHPNIINLLGACEHRGYLYLAIEYAPHGNLLDFLRKSRVLETDPAFAIANSTASTLSSQQLLHFAADVARGMDYLSQKQFIHRDLAARNILVGENYVAKIADFGLSRGQEVYVKKTMGRLPVRWMAIESLNYSVYTTNSDVWSYGVLLWEIVSLGGTPYCGMTCAELYEKLPQGYRLEKPLNCDDEVYDLMRQCWREKPYERPSFAQILVSLNRMLEERKTYVNTTLYEKFTYAGIDCSAEEAA
【0530】
実施例2.1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素によるリン酸化TIE2(pTIE2)の生化学的阻害
pTIE2(配列番号2)についての生化学アッセイ
pTIE2キナーゼの活性を、ピルビン酸キナーゼ/乳酸デヒドロゲナーゼ系とのカップリングによるキナーゼ反応からのADP産生をフォローすることにより決定した(例えば、Schindler et al. Science(2000)289:1938−1942)。このアッセイでは、NADHの酸化(これにより、A
340nmの低下)を、分光測定で継続的にモニターした。反応混合物(100μL)は、0.2% オクチル−グリコシドおよび1% DMSOを含有する、90mM トリスバッファー、pH 7.5中に、TIE2(Life Technologies)(6nM)、BSA(0.004%(w/v))、polyEY(1.5mg/ml)、MgCl
2(15mM)、DTT(0.5mM)、ピルビン酸キナーゼ(4単位)、乳酸デヒドロゲナーゼ(7単位)、ホスホエノールピルビン酸(1mM)ならびにNADH(0.28mM)およびATP(1.5mM)を含有した。連続希釈した試験組成を上記反応混合物と混合することにより、阻害反応を開始した。340nmでの吸収を、プレートリーダ(Biotek)において、30℃で6時間連続的にモニターした。2〜3時間の時間枠を使用して、反応速度を算出した。%阻害を、コントロール(すなわち、試験組成を含まない)の反応速度との反応速度の比較により得た。阻害剤の濃度範囲において決定した一連の%阻害値から、GraphPad Prismソフトウェアパッケージに実装されているのと同じ通常のソフトウェアを使用して、IC
50値を算出した。前記組成である、1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 パラ−トルエンスルホン酸塩および1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 ビス−塩酸塩を試験した場合、0.1μM未満の濃度で、pTIE2キナーゼの50%超阻害を示した。1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 パラ−トルエンスルホン酸塩は、4.2nMのIC
50値を示した。1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 ビス−塩酸塩は、2.2nMのIC
50値を示した。
スクリーニングに使用したpTIE2タンパク質(配列番号2)
PVLDWNDIKFQDVIGEGNFGQVLKARIKKDGLRMDAAIKRMKEYASKDDHRDFAGELEVLCKLGHHPNIINLLGACEHRGYLYLAIEYAPHGNLLDFLRKSRVLETDPAFAIANSTASTLSSQQLLHFAADVARGMDYLSQKQFIHRDLAARNILVGENYVAKIADFGLSRGQEVYVKKTMGRLPVRWMAIESLNYSVYTTNSDVWSYGVLLWEIVSLGGTPYCGMTCAELYEKLPQGYRLEKPLNCDDEVYDLMRQCWREKPYERPSFAQILVSLNRMLEERKT
【0531】
実施例3.1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素による、CHO細胞中でのTIE2の細胞阻害
CHO−K1細胞の培養
CHO−K1細胞(カタログ#CCL−61)を、American Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から得た。簡潔に、10% characterizedウシ胎児血清(Invitrogen、Carlsbad、CA)、100単位/mL ペニシリンG、100μg/ml ストレプトマイシンおよび0.29mg/mL L−グルタミン(Invitrogen、Carlsbad、CA)を添加したF12K培地中において、細胞を、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で増殖させた。70〜95%コンフルエントに達するまで、細胞を増殖させた。その時点で、前記細胞を、継代培養するか、または、アッセイでの使用のために収集した。
【0532】
TIE2形質転換CHO K1のホスホ−TIE2 ウェスタンブロットアッセイ
CHO K1細胞(1×10
5個/ウェル)を、10% characterizedウシ胎児血清および1×非必須アミノ酸(Invitrogen、Carlsbad、CA)を添加した、1mL RPMI1640培地中における24ウェルの組織培養処理プレートに添加した。ついで、細胞を、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で一晩培養した。培地を吸引し、0.5mLの培地を、各ウェルに添加した。形質転換グレードのプラスミドDNA(pcDNA3.2(商標)/V5−DEST発現ベクター(Invitrogen、Carlsbad、CA)内にクローニングしたTIE2遺伝子ゲートウェイ)を、室温での血清を含まないOpti−MEM(登録商標)I培地(Invitrogen、Carlsbad、CA)中に、5μg/mLに希釈した。プラスミドDNA 0.5μg当たりに、2μL リポフェクタミンLTX試薬(Invitrogen、Carlsbad、CA)を添加した。チューブを穏やかに混合し、室温で25分間インキュベートして、DNA−リポフェクタミンLTX複合体を形成させた。細胞を含む各ウェルに、100μL DNA−リポフェクタミンLTX複合体を直接添加し、穏やかに混合した。形質転換後24時間で、DNA−リポフェクタミン複合体を含む培地を吸引した。細胞を、PBSで洗浄し、10% characterizedウシ胎児血清(Invitrogen、Carlsbad、CA)および1×非必須アミノ酸(Invitrogen、Carlsbad、CA)を添加したRPMI1640培地を添加した。試験組成(1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 パラ−トルエンスルホン酸塩)またはDMSOを、前記ウェルに添加した(0.5% DMSO終濃度)。ついで、前記プレートを、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で4時間インキュベートした。インキュベート後、前記培地を吸引し、細胞を、PBSで洗浄した。Haltホスファターゼおよびプロテアーゼ阻害剤(Pierce、Rockford、IL)ならびにホスファターゼ阻害剤カクテル2(Sigma、St. Louis、MO)を含有するMPER溶解バッファー(Pierce、Rockford、IL)を使用して、振とうしながら4℃で10分間、前記細胞を溶解させた。澄んだライゼートを、4〜12% Novex NuPage Bis−Trisゲル(Invitrogen、Carlsbad、CA)におけるSDS−PAGEにより分離し、ついで、PVDF(Invitrogen、Carlsbad、CA)に転写した。転写後、前記PVDF膜を、BSA(Santa Cruz Biotechnology、Santa Cruz、CA)でブロッキングし、ついで、ホスホ−TIE2用の抗体(Cell Signaling Technology、Beverly、MA)でプローブした。西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートした二次抗ウサギ抗体(Cell Signaling Technology、Beverly、MA)を、ホスホ−TIE2を検出するのに使用した。蛍光生成物を生成する、西洋ワサビペルオキシダーゼについての基質であるECL Plus(GE Healthcare、Piscataway、NJ)を添加した。Storm 840ホスフォイメージャー(GE Healthcare、Piscatawaym、NJ)を使用して、蛍光モードにおいて、蛍光を検出した。ImageQuantソフトウェア(GE Healthcare、Piscatawaym、NJ)を使用して、160kDaのホスホ−TIE2のバンドを定量した。Prismソフトウェア(GraphPad Software、San Diego、CA)を使用して、データを分析し、IC
50値を算出した。前記組成である1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 パラ−トルエンスルホン酸塩は、2.0nMのIC
50値を示した。
【0533】
実施例4.1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素による、阻害剤洗浄後のCHO細胞中でのTIE2の細胞阻害
CHO−K1細胞の培養
CHO−K1細胞(カタログ#CCL−61)を、American Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から得た。簡潔に、10% characterizedウシ胎児血清(Invitrogen、Carlsbad、CA)、100単位/mL ペニシリンG、100μg/ml ストレプトマイシンおよび0.29mg/mL L−グルタミン(Invitrogen、Carlsbad、CA)を添加したF12K培地中において、細胞を、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で増殖させた。70〜95%コンフルエントに達するまで、細胞を増殖させた。その時点で、前記細胞を、継代培養するか、または、アッセイでの使用のために収集した。
【0534】
TIE2形質転換CHO K1のホスホ−TIE2 ウェスタンブロット比較洗浄アッセイ
CHO K1細胞(1×10
5個/ウェル)を、10% characterizedウシ胎児血清および1×非必須アミノ酸(Invitrogen、Carlsbad、CA)を添加した、1mL RPMI1640培地中における24ウェルの組織培養処理プレートに添加した。ついで、細胞を、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で一晩培養した。培地を吸引し、0.5mLの培地を、各ウェルに添加した。形質転換グレードのプラスミドDNA(pcDNA3.2(商標)/V5−DEST発現ベクター(Invitrogen、Carlsbad、CA)内にクローニングしたTIE2遺伝子ゲートウェイ)を、室温での血清を含まないOpti−MEM(登録商標)I培地(Invitrogen、Carlsbad、CA)中に、5μg/mLに希釈した。プラスミドDNA 0.5μg当たりに、2μL リポフェクタミンLTX試薬(Invitrogen、Carlsbad、CA)を添加した。チューブを穏やかに混合し、室温で25分間インキュベートして、DNA−リポフェクタミンLTX複合体を形成させた。細胞を含む各ウェルに、100μL DNA−リポフェクタミンLTX複合体を直接添加し、穏やかに混合した。形質転換後約18〜24時間で、DNA−リポフェクタミン複合体を含む培地を吸引した。細胞を、PBSで洗浄し、10%characterizedウシ胎児血清(Invitrogen、Carlsbad、CA)および1×非必須アミノ酸(Invitrogen、Carlsbad、CA)を添加したRPMI1640培地を添加した。試験組成(1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 パラ−トルエンスルホン酸塩)またはDMSOを、前記ウェルに添加した(DMSO終濃度0.5%)。ついで、前記プレートを、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で2時間インキュベートした。インキュベート後、前記培地を吸引し、細胞を、遊離している組成を洗い流すために、1mLの培地で3回洗浄した。次に、1mLの新たな培地を添加し、細胞を、溶解前に特定時間(すなわち、0、1、2、4、6および24時間インキュベートした。Haltホスファターゼおよびプロテアーゼ阻害剤(Pierce、Rockford、IL)ならびにホスファターゼ阻害剤カクテル2(Sigma、St. Louis、MO)を含有するMPER溶解バッファー(Pierce、Rockford、IL)を使用して、振とうしながら4℃で10分間、前記細胞を溶解させた。澄んだライゼートを、4〜12% Novex NuPage Bis−Trisゲル(Invitrogen、Carlsbad、CA)におけるSDS−PAGEにより分離し、ついで、PVDF(Invitrogen、Carlsbad、CA)に転写した。転写後、前記PVDF膜を、BSA(Santa Cruz Biotechnology、Santa Cruz、CA)でブロッキングし、ついで、ホスホ−TIE2用の抗体(Cell Signaling Technology、Beverly、MA)でプローブした。西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートした二次抗ウサギ抗体(Cell Signaling Technology、Beverly、MA)を、ホスホ−TIE2を検出するのに使用した。蛍光生成物を生成する、西洋ワサビペルオキシダーゼについての基質であるECL Plus(GE Healthcare、Piscataway、NJ)を添加した。Storm 840ホスフォイメージャー(GE Healthcare、Piscatawaym、NJ)を使用して、蛍光モードにおいて、蛍光を検出した。PVDF膜を剥がし、上記のように、総TIE2抗体(Santa Cruz Biotechnology, Inc.,、Dallas、TX)で再プローブした。ImageQuantソフトウェア(GE Healthcare、Piscatawaym、NJ)を使用して、160kDaのホスホ−TIE2および総TIE2のバンドを定量した。ホスホ−TIE2レベルを、総TIE2レベルに対して正規化し、Prismソフトウェア(GraphPad Software、San Diego、CA)を使用して、データをプロットした。洗浄前に0.1μM〜1μMで2時間、TIE2形質転換CHO K1細胞とインキュベートした場合、本願明細書に開示されている組成である1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 パラ−トルエンスルホン酸塩は、24時間超で、ホスホ−TIE2レベルの50%超阻害を示した。
【0535】
実施例5.1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素によるHUVEC細胞中でのTIE2の細胞阻害
HUVEC細胞の培養
HUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞:カタログ#CRL−1730)細胞を、American Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から得た。簡潔に、細胞を、EBM−2(Lonza、Walkersville、MD)中において、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で増殖させた。90〜95%飽和に達するまで、細胞を増殖させた。その時点で、前記細胞を、継代培養するか、または、アッセイでの使用のために収集した。
【0536】
HUVECホスホ−TIE2 ウェスタンブロットアッセイ
HUVEC細胞(2.5×10
5個/ウェル)を、1mL EGM−2培養培地(Lonza、Walkersville、MD)中における24ウェルの組織培養処理プレートに添加した。ついで、細胞を、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で一晩培養した。ついで、培地を吸引し、2% FBS(Invitrogen、Carlsbad、CA)を添加した、1mLのEBM−2基礎培地(Lonza、Walkersville、MD)を添加した。試験組成またはDMSOを、前記ウェルに添加した(0.5% DMSO終濃度)。ついで、前記プレートを、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で4時間インキュベートした。前記インキュベート中、ヒスチジンタグ付きアンジオポエチン1(ANG1)成長因子(R&D Systems、Minneapolis、MN)を、抗ポリヒスチジン抗体(R&D Systems、Minneapolis、MN)に室温で30分間付加させて、ANG1の多量体を生成した。組成と4時間インキュベートした後、細胞を、800ng/mL ANG/抗ポリヒスチジン抗体複合体混合物で、15分間刺激した。前記培地を吸引し、細胞を、PBSで洗浄した。Haltホスファターゼおよびプロテアーゼ阻害剤(Pierce、Rockford、IL)ならびにホスファターゼ阻害剤カクテル2(Sigma、St. Louis、MO)を含有するMPER溶解バッファー(Pierce、Rockford、IL)を使用して、振とうしながら4℃で10分間、前記細胞を溶解させた。澄んだライゼートを、4〜12% Novex NuPage Bis−Trisゲル(Invitrogen、Carlsbad、CA)におけるSDS−PAGEにより分離し、ついで、PVDF(Invitrogen、Carlsbad、CA)に転写した。転写後、前記PVDF膜を、BSA(Santa Cruz Biotechnology、Santa Cruz、CA)でブロッキングし、ついで、ホスホ−TIE2用の抗体(Cell Signaling Technology、Beverly、MA)でプローブした。西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートした二次抗ウサギ抗体(Cell Signaling Technology、Beverly、MA)を、ホスホ−TIE2を検出するのに使用した。蛍光生成物を生成する、西洋ワサビペルオキシダーゼについての基質であるECL Plus(GE Healthcare、Piscataway、NJ)を添加した。Storm 840ホスフォイメージャー(GE Healthcare、Piscatawaym、NJ)を使用して、蛍光モードにおいて、蛍光を検出した。ImageQuantソフトウェア(GE Healthcare、Piscatawaym、NJ)を使用して、160kDaのホスホ−TIE2のバンドを定量した。Prismソフトウェア(GraphPad Software、San Diego、CA)を使用して、データを分析し、IC
50値を算出した。本願明細書に開示されている組成である1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 パラ−トルエンスルホン酸塩は、0.018nMのIC
50値を示した。
【0537】
実施例6.1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素による、アンジオポエチン1(ANG1)またはアンジオポエチン2(ANG2)刺激毛細血管形成の阻害
HMVEC細胞の培養
HMVEC(ヒト毛細血管内皮細胞:カタログ#PCS−110−010)細胞を、American Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から得た。簡潔に、細胞を、EGM−2 MV(Lonza、Walkersville、MD)中において、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で増殖させた。90〜95%飽和に達するまで、細胞を増殖させた。その時点で、前記細胞を、継代培養するか、または、アッセイでの使用のために収集した。
【0538】
HMVECの毛細血管形成アッセイ
HMVEC細胞(1.5×10
4個/ウェル)を、試験組成またはDMSOコントロールと混合し、適切な成長因子(ANG1もしくはANG2)またはコントロールを、0.1mL EBM−2基礎培地(Lonza、Walkersville、MD)中における、成長因子を少なくしたマトリゲルでコートした96ウェルの組織培養処理プレートに添加した。ついで、細胞を、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で18時間培養した。ついで、培地を穏やかに吸引し、ウェルを、0.1mL EBM−2基礎培地で穏やかに洗浄した。培地を、再度吸引し、基礎培地中の1μM Calcein AM溶液(Invitrogen、Carlsbad、CA)を、各ウェルに添加して、生きている細胞を蛍光標識した。ついで、細胞を、摂氏37度、5% CO
2および湿度95%で、30分間インキュベートした。培地を吸引し、ウェルを、リン酸緩衝生理食塩水で2回穏やかに洗浄した。各ウェルの画像を、蛍光顕微鏡により取得し、毛細血管の全長を測定する自動化マクロを使用するImagePro分析器(Media Cybernetics, Inc.,、Rockville、MD)を使用して処理した。Prismソフトウェア(GraphPad Software、San Diego、CA)を使用して、データを分析し、IC
50値を算出した。本願明細書に開示されている組成である1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素 パラ−トルエンスルホン酸塩は、ANG1刺激HMVEC毛細血管形成の阻害について、6.9nMのIC
50値を示した。本願明細書に開示されている式Iの組成は、ANG2刺激HMVEC毛細血管形成の阻害について、34nMのIC
50値を示した。
【0539】
実施例7.単剤としておよびパクリタキセルとの組み合わせでの、1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素による、マウスPyMT乳ガン細胞におけるin vivo原発性腫瘍の成長および侵襲の阻害
PyMT同系乳ガンモデルにおける原発性腫瘍の成長
PyMT同系乳ガン移植マウスモデルを、化合物1のin vivo活性を評価するのに使用した。簡潔に、総量0.1mL中の1×10
6個の細胞(PyMT腫瘍断片から分離)を、メスのマウス(Jackson LabsからのFVB/NJ, JAXWEST:RB05マウス)の左側における4番目の乳房脂肪パッドに移植した。各群において、合計10匹のマウスに移植した。Molecular Imaging, Inc.の動物実験委員会は、全ての実験プロトコルを承認し、国立衛生研究所(NIH)の規定およびガイドラインの全ての法規に遵守して実験を行った。腫瘍サイズが約850mgに達した時、1日2回の化合物1もしくは媒体(水中の0.4% ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の経口投与(強制飼養)、および/または、処置日における個々の体重に基づいて、20g当たりに0.2mLで、4日置きのパクリタキセルもしくは媒体(10% エタノール、10% Cremophor ELおよび80% 生理食塩水)の静脈内投与(IV)により、処置を開始した。動物に、21日間投与した。体重および腫瘍測定を、週3回記録した。腫瘍量(mg)を、ノギス測定から、単位密度を仮定する扁長の楕円体の量のための式:腫瘍量(mg)=(L×W
2)/2により推測した。式中、LおよびWは、各直交する腫瘍長さおよび幅の測定値(mm)である。PyMTモデルにおいて、化合物1およびパクリタキセルの群は両方とも、腫瘍成長阻害を証明した。パクリタキセルとの組み合わせでの化合物1は、相加的な活性を証明した(
図1)。これらのデータから、化合物1によるin vivo活性が証明され、酵素および細胞データに対する相関が示されている。
【0540】
実施例8.単剤としておよびパクリタキセルとの組み合わせでの、1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素による、マウスPyMT乳ガンモデルにおけるin vivo原発性腫瘍のマクロファージ蓄積の阻害
PyMT同系乳ガンモデルにおける原発性腫瘍のマクロファージ蓄積
PyMT同系乳ガン移植マウスモデルを、化合物1のin vivo活性を評価するのに使用した。簡潔に、総量0.1mL中の1×10
6個の細胞(PyMT腫瘍断片から分離)を、メスのマウス(Jackson LabsからのFVB/NJ, JAXWEST:RB05マウス)の左側における4番目の乳房脂肪パッドに移植した。各群において、合計10匹のマウスに移植した。Molecular Imaging, Inc.の動物実験委員会は、全ての実験プロトコルを承認し、国立衛生研究所(NIH)の規定およびガイドラインの全ての法規に遵守して実験を行った。腫瘍サイズが約850mgに達した時、1日2回の化合物1もしくは媒体(水中の0.4% ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の経口投与(強制飼養)、および/または、処置日における個々の体重に基づいて、20g当たりに0.2mLで、4日置きのパクリタキセルもしくは媒体(10% エタノール、10% Cremophor ELおよび80% 生理食塩水)の静脈内投与(IV)により、処置を開始した。動物に、21日間投与した。体重および腫瘍測定を、週3回記録した。
【0541】
試験の最後に、腫瘍を切除し、ホルマリンに入れた。ついで、ホルマリン固定腫瘍サンプルを、パラフィンブロックに入れた。ホルマリン固定パラフィン包埋組織スライドを、キシレンで脱パラフィン化し、水和し、段階的な一連のアルコール洗浄により水を蒸発させた。トリス/EDTAバッファーターゲット回復溶液を含むDako’s PT Link Moduleを使用して、95℃で20分間、抗原回復を行った。前記スライドを冷却した後、F4/80およびCD31抗体を使用する、免疫組織化学染色用のDako AutostainerPlusLinkに、室温において、前記スライドを載せ、マクロファージおよび内皮細胞それぞれについて染色した。組織中の内在性ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼ活性を、二重内在性酵素阻害溶液(Dako、S2003)により、5分間停止させた。非特異的タンパク質結合を、血清フリーProtein Block(Dako、X0909)により、5分間ブロッキングした。ついで、ラット抗マウスCD31一次抗体を、1:100の免疫原性濃度で、前記実験組織切片上で30分間インキュベートした。ついで、前記一次抗体を、ウサギ抗ラット免疫グロブリン二次抗体(Dako、E0468)とコンジュゲートさせた。ついで、前記二次抗体を、ヤギ抗ウサギペルオキシダーゼ標識ポリマー(Dako、K4003)により増幅させた。酵素染色を、基質−色素源DAB+(Dako、K3468)で5分間行った。過剰なラットIgG成分を、Rodent Block Rat(Biocare Medical、RBR962H)で、5分間さらにブロッキングした。前記ラット抗マウスF4/80一次抗体を、前記実験組織切片上で30分間インキュベートした。ついで、前記F4/80を、ウサギ抗ラット免疫グロブリン二次抗体(Dako、E0468)とコンジュゲートさせた。ついで、前記二次抗体を、ヤギ抗ウサギアルカリホスファターゼ標識ポリマー(Biocare RALP525)により、30分間増幅させた。酵素染色を、基質色素源WARP Red(Biocare WR806)で行った。カウンター染色を、自動ヘマトキシリンで10分間行った。ついで、前記組織スライドを風乾させ、スライドガラスを滑らせるためにキシレンに通過させた。0、視認できる染色なし;1、弱い染色;2、中程度の染色;3、強力な染色のスケールを使用して、スライドを、F4/80染色についてスコアリングした。PyMTモデルにおいて、化合物1は、前記原発性腫瘍におけるマクロファージ蓄積を減少させることを証明した。一方、パクリタキセルは、マクロファージ蓄積を減少させなかった。パクリタキセルとの組み合わせでの化合物1は、化合物1の単剤処置に類似する活性を証明した(
図2)。これらのデータから、化合物1によるin vivo活性が証明され、酵素および細胞データに対する相関が示されている。
【0542】
実施例9.単剤としておよびパクリタキセルとの組み合わせでの、1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素による、マウスPyMT乳ガンモデルにおけるin vivo原発性腫瘍のTIE2細胞蓄積の阻害
PyMT同系乳ガンモデルにおける原発性腫瘍のマクロファージ蓄積
PyMT同系乳ガン移植マウスモデルを、化合物1のin vivo活性を評価するのに使用した。簡潔に、総量0.1mL中の1×10
6個の細胞(PyMT腫瘍断片から分離)を、メスのマウス(Jackson LabsからのFVB/NJ, JAXWEST:RB05マウス)の左側における4番目の乳房脂肪パッドに移植した。各群において、合計10匹のマウスに移植した。Molecular Imaging, Inc.の動物実験委員会は、全ての実験プロトコルを承認し、国立衛生研究所(NIH)の規定およびガイドラインの全ての法規に遵守して実験を行った。腫瘍サイズが約850mgに達した時、1日2回の化合物1もしくは媒体(水中の0.4% ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の経口投与(強制飼養)、および/または、処置日における個々の体重に基づいて、20g当たりに0.2mLで、4日置きのパクリタキセルもしくは媒体(10% エタノール、10% Cremophor ELおよび80% 生理食塩水)の静脈内投与(IV)により、処置を開始した。動物に、21日間投与した。体重および腫瘍測定を、週3回記録した。
【0543】
試験の最後に、腫瘍を切除し、ホルマリンに入れた。ついで、ホルマリン固定腫瘍サンプルを、パラフィンブロックに入れた。実験のホルマリン固定パラフィン包埋組織スライドを、キシレンで脱パラフィン化し、水和し、段階的な一連のアルコール洗浄により水を蒸発させた。クエン酸 pH6バッファーターゲット回復溶液を含むDako’s PT Link Moduleを使用して、95℃で20分間、抗原回復を行った。前記スライドを冷却した後、TIE2およびCD31抗体を使用する、免疫組織化学染色用のDako AutostainerPlusLinkに、室温において、前記スライドを載せた。組織中の内在性ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼの活性を、二重内在性酵素阻害溶液(Dako、S2003)により、5分間停止させた。非特異的タンパク質結合を、血清フリーProtein Block(Dako、X0909)により、5分間ブロッキングした。ついで、ラット抗マウスCD31一次抗体を、1:100の免疫原性濃度で、前記実験組織切片上で30分間インキュベートした。ついで、前記一次抗体を、ウサギ抗ラット免疫グロブリン二次抗体(Dako、E0468)とコンジュゲートさせた。ついで、前記二次抗体を、ヤギ抗ウサギペルオキシダーゼ標識ポリマー(Dako、K4003)により、30分間増幅させた。酵素染色を、基質−色素源DAB+(Dako、K3468)で5分間行った。過剰なタンパク質成分を、Protein Block(Dako、X0909)で、5分間さらにブロッキングした。前記ウサギ抗TIE2一次抗体を、前記実験組織切片上で、30分間インキュベートした。ついで、前記TIE2抗体を、アルカリホスファターゼ標識ヤギ抗ウサギポリマーと30分間コンジュゲートさせた。酵素染色を、基質色素源WARP Red(Biocare WR806)で行った。カウンター染色を、自動ヘマトキシリンで10分間行った。ついで、前記組織スライドを風乾させ、スライドガラスを滑らせるためにキシレンに通過させた。0、視認できる染色なし;1、弱い染色;2、中程度の染色;3、強力な染色のスケールを使用して、スライドを、TIE2染色についてスコアリングした。PyMTモデルにおいて、化合物1は、前記原発性腫瘍におけるTIE2発現細胞の蓄積を減少させることを証明した。一方、パクリタキセルは、TIE2発現細胞の蓄積を減少させなかった。パクリタキセルとの組み合わせでの化合物1は、化合物1の単剤処置と比較して、向上した活性を証明した(
図3)。これらのデータから、化合物1によるin vivo活性が証明され、酵素および細胞データに対する相関が示されている。
【0544】
実施例10.単剤としておよびパクリタキセルとの組み合わせでの、1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素による、マウスPyMT乳ガンモデルにおけるin vivo肺転移の阻害
PyMT同系乳ガンモデルの肺転移評価
PyMT同系乳ガン移植マウスモデルを、化合物1のin vivo活性を評価するのに使用した。簡潔に、総量0.1mL中の1×10
6個の細胞(PyMT腫瘍断片から分離)を、メスのマウス(Jackson LabsからのFVB/NJ, JAXWEST:RB05マウス)の左側における4番目の乳房脂肪パッドに移植した。各群において、合計10匹のマウスに移植した。Molecular Imaging, Inc.の動物実験委員会は、全ての実験プロトコルを承認し、国立衛生研究所(NIH)の規定およびガイドラインの全ての法規に遵守して実験を行った。腫瘍サイズが約850mgに達した時、1日2回の化合物1もしくは媒体(水中の0.4% ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の経口投与(強制飼養)、および/または、処置日における個々の体重に基づいて、20g当たりに0.2mLで、4日置きのパクリタキセルもしくは媒体(10% エタノール、10% Cremophor ELおよび80% 生理食塩水)の静脈内投与(IV)により、処置を開始した。動物に、21日間投与した。体重および腫瘍測定を、週3回記録した。
【0545】
試験の最後に、肺組織を切除し、ホルマリンに入れた。ついで、ホルマリン固定肺サンプルを、パラフィンブロックに入れた。各肺ブロックは、切断され、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色された、スライド当たりに2つのレベルを有する3つのスライドを有した。転移性肺小結節を、顕微鏡でカウントした。PyTMモデルにおいて、化合物1およびパクリタキセルは両方とも、肺転移における同様の減少を証明した。パクリタキセルとの組み合わせでの化合物1は、単剤処置と比較して、相加的な活性を証明した(
図4)。これらのデータから、化合物1によるin vivo活性が証明され、酵素および細胞データに対する相関を示されている。
【0546】
実施例11.パクリタキセルとの組み合わせで断続的に(毎日でなく)投与した、1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素による、マウスPyMT乳ガンモデルにおけるin vivo肺転移の阻害
PyMT同系乳ガンモデルの肺転移評価
PyMT同系乳ガン移植マウスモデルを、化合物1のin vivo活性を評価するのに使用した。簡潔に、総量0.1mL中の1×10
6個の細胞(PyMT腫瘍断片から分離し、細胞凍結培地中に凍結保存)を、メスのマウス(Jackson LabsからのFVB/NJ, JAXWEST:RB05マウス)の左側における4番目の乳房脂肪パッドに移植した。各群において、合計3匹のマウスに移植した。Molecular Imaging, Inc.の動物実験委員会は、全ての実験プロトコルを承認し、国立衛生研究所(NIH)の規定およびガイドラインの全ての法規に遵守して実験を行った。腫瘍サイズが約600mgに達した時、週2回の化合物1もしくは媒体(水中の0.4% ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の経口投与(強制飼養)、および/または、処置日における個々の体重に基づいて、20g当たりに0.2mLで、4日置きのパクリタキセルもしくは媒体(10% エタノール、10% Cremophor ELおよび80% 生理食塩水)の静脈内投与(IV)により、処置を開始した。動物に、12日間投与した。体重および腫瘍測定を、週3回記録した。
【0547】
試験の最後に、肺組織を切除し、ホルマリンに入れた。ついで、ホルマリン固定肺サンプルを、パラフィンブロックに入れた。各肺ブロックは、切断され、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色された、スライド当たりに2つのレベルを有する3つのスライドを有した。転移性肺小結節を、顕微鏡でカウントした。PyTMモデルにおいて、パクリタキセルは、肺転移における減少を証明した。パクリタキセルとの組み合わせでの化合物1は、単剤処置と比較して、相加的な活性を証明した(
図5)。これらのデータから、化合物1によるin vivo活性が証明され、酵素および細胞データに対する相関が示されている。
【0548】
実施例12.エリブリンとの組み合わせで断続的に(毎日でなく)投与した、1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素による、マウスPyMT乳ガンモデルにおけるin vivo肺転移の阻害
PyMT同系乳ガンモデルの肺転移評価
PyMT同系乳ガン移植マウスモデルを、化合物1のin vivo活性を評価するのに使用した。簡潔に、総量0.1mL中の1×10
6個の細胞(PyMT腫瘍断片から分離し、細胞凍結培地中に凍結保存)を、メスのマウス(Jackson LabsからのFVB/NJ, JAXWEST:RB05マウス)の左側における4番目の乳房脂肪パッドに移植した。各群において、合計3匹のマウスに移植した。Molecular Imaging, Inc.の動物実験委員会は、全ての実験プロトコルを承認し、国立衛生研究所(NIH)の規定およびガイドラインの全ての法規に遵守して実験を行った。腫瘍サイズが約600mgに達した時、週2回の化合物1もしくは媒体(水中の0.4% ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の経口投与(強制飼養)、および/または、処置日における個々の体重に基づいて、20g当たりに0.2mLで、週3回のエリブリンもしくは媒体(80% 生理食塩水)の静脈内投与(IV)により、処置を開始した。動物に、12日間投与した。体重および腫瘍測定を、週3回記録した。
【0549】
試験の最後に、肺組織を切除し、ホルマリンに入れた。ついで、ホルマリン固定肺サンプルを、パラフィンブロックに入れた。各肺ブロックは、切断され、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色された、スライド当たりに2つのレベルを有する3つのスライドを有した。転移性肺小結節を、顕微鏡でカウントした。PyTMモデルにおいて、エリブリンは、肺転移における減少(または、低用量で向上)を証明した。エリブリンとの組み合わせでの化合物1は、単剤処置と比較して、相加的な活性を証明した(
図6)。これらのデータから、化合物1によるin vivo活性が証明され、酵素および細胞データに対する相関が示されている。
【0550】
実施例13.エリブリンとの組み合わせで断続的に(毎日でなく)投与した、1−(3−tert−ブチル−1−(キノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(2−(メチルカルバモイル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル)尿素による、マウスPyMT乳ガンモデルにおける全生存の延長
PyMT同系乳ガンモデルの生存評価
PyMT同系乳ガン移植マウスモデルを、化合物1のin vivo活性を評価するのに使用した。簡潔に、総量0.1mL中の1×10
6個の細胞(PyMT腫瘍断片から分離し、細胞凍結培地中に凍結保存)を、メスのマウス(Jackson LabsからのFVB/NJ, JAXWEST:RB05マウス)の左側における4番目の乳房脂肪パッドに移植した。各群において、合計10匹のマウスに移植した。Molecular Imaging, Inc.の動物実験委員会は、全ての実験プロトコルを承認し、国立衛生研究所(NIH)の規定およびガイドラインの全ての法規に遵守して実験を行った。腫瘍サイズが約850mgに達した時、週1回または2回の化合物1もしくは媒体(水中の0.4% ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の経口投与(強制飼養)、および/または、処置日における個々の体重に基づいて、20g当たりに0.2mLで、週3回のエリブリンもしくは媒体(80% 生理食塩水)の静脈内投与(IV)により、処置を開始した。ついで、処置開始後3日で、腫瘍を切除した。ついで、生存実験の期間において、動物に投与した。体重および腫瘍測定を、週3回記録した。PyTMモデルにおいて、エリブリンは、0.1mg/kgにおいて、生存の延長を証明しなかった。エリブリンとの組み合わせでの化合物1は、生存の顕著な延長を証明した(
図7)。これらのデータから、化合物1によるin vivo活性が証明され、酵素および細胞データに対する相関が示されている。
【0551】
本発明は、本発明の少数の態様の例示として意図している実施例に開示されている具体的な実施形態により、範囲を限定されるものではない。機能的に同等の任意の実施形態が、本発明の範囲内にある。実際に、本願明細書に示され、記載されているものに加えて、本発明の種々の改良が、当業者に明らかとなるであろうし、添付の特許請求の範囲内にあることを意図する。
【0552】
均等物
当業者であれば、通常の試行錯誤以外を使用することなく、本願明細書に具体的に記載されている特定の実施形態に対する数多くの均等物を認識し、または、同均等物を確認することができるであろう。このような均等物は、下記特許請求の範囲内に包含されることを意図している。