【文献】
大谷 巌一,物流不動産ビジネスのすすめ,初版,日本,日刊工業新聞社,2012年02月25日,p.80,81,136,137
【文献】
鈴木 邦成,図解 物流センターのしくみと実務,初版,日本,日刊工業新聞社,2014年03月25日,p.28,29
【文献】
IoT/AIを物流・ロジスティクス革新に具体化,ARの実用提案も,MATERIAL FLOW,日本,株式会社流通研究社,2018年02月01日,第59巻 第2号 ,p.26〜p.31
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。なお、
図1では、情報処理装置100がラストワンマイルの物流拠点を最適化する場合を例に挙げて説明する。
【0011】
図1に示す情報処理装置100は、ラストワンマイルの物流拠点の最適化の提案を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報処理装置100は、電子商店街に関するサービスを店舗Sや利用者Uに対して提供する機能を有し、電子商店街に関するサービスの一環として、ラストワンマイルの物流拠点の最適化の提案を行う。なお、ラストワンマイルの物流拠点とは、利用者に対して実際に商品の配送を行う最終的な中継地点を示す。また、物流拠点の最適化とは、最も効率的な拠点を決定することであるが、実際には、少なくとも現状より効率的な拠点を決定することでもよい。
【0012】
端末装置10は、利用者Uにより利用されるPC(Personal Computer)やスマートフォン等の情報処理装置である。利用者Uは、情報処理装置100が提供するWebサービスの利用者であって、情報処理装置100に自身に関するユーザ情報を登録した会員である。例えば、端末装置10は、インターネット等のネットワークN(例えば、
図2参照)を介して、情報処理装置100と通信可能である。なお、
図1での図示は省略しているが、情報処理装置100は、さらに任意の数の端末装置10と通信可能であってもよい。
【0013】
店舗Sは、情報処理装置100が提供する電子商店街のサービスを介して、商品を利用者Uに対して販売する店舗である。より具体的には、店舗Sは、地域Aに所在する拠点から商品を発送する店舗である。
【0014】
なお、店舗Sが商品を発送する拠点とは、店舗Sそのものであってもよく、店舗Sが商品を管理する倉庫等、店舗Sそのものとは異なる拠点であってもよい。例えば、店舗Sは、商品の保管や発送を行う倉庫が地域Aに所在し、商品の注文を受付ける営業所が、地域A以外の地域に所在する店舗であってもよい。すなわち、店舗Sの所在地とは、店舗Sそのものが所在する位置のみならず、店舗Sの倉庫等、店舗Sが商品を発送する拠点をも含む概念である。
【0015】
物流拠点DBは、店舗Sから配送の委託を受けた配送業者DCの物流拠点である。より具体的には、物流拠点DBは、地域Aにおいて配送を行う配送業者DCの物流拠点のうち、エンドユーザである利用者Uまでのラストワンマイルの物流拠点(最終拠点)である。
【0016】
例えば、
図1に示すように、情報処理装置100は、店舗Sから電子商店街で販売する商品の情報(例えば、画像、価格、送料、在庫数等)の登録を受付ける(ステップS1)。
【0017】
そして、情報処理装置100は、利用者Uから商品の検索クエリを受付けた場合は、出品された商品のうち、検索クエリと対応する商品を抽出し、抽出した商品の画像や価格等を示すコンテンツや、店舗Sが出品した店舗を購入するためのコンテンツである商品コンテンツを利用者Uに対して配信する(ステップS2)。
【0018】
また、情報処理装置100は、商品コンテンツを介して利用者Uが店舗Sの商品を購入した場合は、商品の配送先(発送先)となる住所や受取人の氏名、商品の配送方法(例えば、航空便であるか陸路の配送であるか等)、希望の配達日時等の配送情報の登録を受付ける(ステップS3)。
【0019】
このような場合、情報処理装置100は、利用者Uが商品を購入した店舗Sに対して、商品が購入された旨と、上記の配送情報を通知する(ステップS4)。
【0020】
例えば、情報処理装置100は、店舗Sに対して、利用者Uの自宅の住所を通知するとともに、商品を利用者Uに発送するよう指示する。なお、情報処理装置100は、購入された商品の料金を利用者Uに対して課金し、店舗Sに対して商品の料金を提供してもよい。また、情報処理装置100は、商品価格から広告費用や所定の手数料を減算した額の料金を、店舗Sに対して提供してもよい。
【0021】
この結果、店舗Sは、地域Aにおいて配送を行う配送業者DCを介して、利用者Uに商品を発送する(ステップS5)。
【0022】
このとき、店舗Sは、配送業者DCに対して、利用者Uへの商品の配送を依頼する。配送業者DCは、地域Aに所在する店舗Sから、利用者Uが店舗Sに注文した商品を集荷する。なお、配送業者DCは、店舗Sに所属していてもよいし、店舗Sと提携していてもよい。
【0023】
配送業者DCは、地域Aに位置する物流拠点DBに、利用者Uが店舗Sに注文した商品とともに、同一の地域Aに所在する他の利用者へ配送する商品を集約する(ステップS6)。
【0024】
なお、他の利用者へ配送する商品は、利用者Uが店舗Sに注文した商品と同一の商品でもよい。例えば、利用者U以外の他の利用者が店舗Sに注文した商品であってもよい。ここでは、同一の地域Aに所在する利用者Uおよび他の利用者は、同じ配送先グループDLに属する。配送先グループDLは、配送業者DCが同日中に商品を配達する配送先のグループである。
【0025】
配送業者DCは、ラストワンマイルの配送として、物流拠点DBに集約された商品を、配送先グループDLに配送する(ステップS7)。
【0026】
すなわち、配送業者DCは、配送先グループDLに属するそれぞれの顧客の下に、それぞれの顧客が注文した商品を配送する。これに伴い、配送業者DCは、物流拠点DBから利用者Uの下(例えば自宅等)へ、利用者Uが店舗Sに注文した商品を配送する。
【0027】
また、配送業者DCは、配送先グループDLに属するそれぞれの顧客の下に、それぞれの顧客が注文した商品を配送する際に、配送時の道路渋滞や、天気、周辺環境等に関する情報を情報処理装置100に通知してもよい。
【0028】
情報処理装置100は、同じ配送先グループDLに属する利用者Uおよび他の利用者の購買ログ(購買履歴)等から、ラストワンマイルの物流拠点(最終拠点)を最適化する(ステップS8)。
【0029】
利用者Uの購買履歴には、商品の配送先として、その利用者Uの住所や配送希望時間帯等が記憶されている。そこで、電子商店街やオークションサイト等が保有する膨大な購買履歴(いわゆるビッグデータ)から、地域ごとに、配送先となった利用者Uの分布や偏在、配送希望が集中する時間帯等を分析し、これらを用いて物流の改善や物流拠点の最適化を図る。
【0030】
例えば、情報処理装置100は、購買者の購買履歴に加え、配送時の周辺地域の道路渋滞等に関する道路交通情報、天気に関する気象情報、配送先と配送料とに関する情報、物流拠点の候補となる物件に関する空テナント情報(不動産情報)等から、最適な物流拠点(以下、最適物流拠点と称する)OPDBの位置を算出する。なお、情報処理装置100は、算出した最適物流拠点OPDBの位置又はその周辺の空き地、空き店舗、空き倉庫等の物件に関する不動産情報から、最適物流拠点OPDBとして妥当な物件を抽出する。このとき、情報処理装置100は、その位置に最適物流拠点OPDBを構えた場合の配送スケジュールや配送料を推測し、さらに最適物流拠点OPDBとなる物件の妥当な価格(取得価格、賃料等)を算出し、総合的に判断して最適物流拠点OPDBとして妥当な物件を抽出する。
【0031】
また、情報処理装置100は、空き地等に倉庫を新設する場合、倉庫の置き方や設置数についても最適化する。すなわち、情報処理装置100は、最適物流拠点OPDBの倉庫の配置や棟数についても最適化する。また、情報処理装置100は、最適物流拠点OPDBの人員配置(人員数や人員構成、配置状況等)についても最適化する。
【0032】
なお、最適物流拠点OPDBは、常設のものに限らず、一時的なものでもよい。
【0033】
近年、物流センタや倉庫などの物流施設(物流不動産)は、物流コストを下げるため、超大型物流施設に集約する傾向にある。このような超大型物流施設への集約により中規模・小規模の物流施設に空きが生まれている。特に、大半の小規模施設は、古い保管型倉庫で、新規の荷主・テナントを見つけることが難しい。そこで、このような空き倉庫等を一時的に利用して、ラストワンマイルの物流拠点を最適化することが期待される。
【0034】
また、人口減少に伴う空き家や空き部屋の増加や、いわゆるシャッター街のような閉店・閉鎖した商店や事務所の増加が懸念されている。そこで、このような空き家や空き部屋、空き店舗等を一時的に利用して、ラストワンマイルの物流拠点を最適化することも期待される。
【0035】
また、都心部のオフィスや店舗、倉庫、個人の所有地(個人宅、駐車場等)等でも、空きスペースを時間貸しするサービスが増加している。このような時間貸しの物件等を一時的に利用して、ラストワンマイルの物流拠点を最適化することも期待される。
【0036】
また、近隣のウィークリーマンションやホテル等と提携することで、これらの一室や集荷場、荷物置場等を一時的に利用して、ラストワンマイルの物流拠点を最適化することも期待される。この場合、一般の配送業者DCであれば、商品の配送とともに、ウィークリーマンションやホテル等への荷物等の配送や、反対にこれらからの荷物等の発送にも随時対応できるため、互いにとってメリットがある。また、ウィークリーマンションやホテル等に限らず、近隣にオフィスを構える企業等の大口顧客等と提携してもよい。
【0037】
さらに、近年は、マンション内物流システムを構築し、マンション内に宅配スタッフが常駐する物流センタを作る動きもある。このようなマンション内物流システムを一時的に利用して、ラストワンマイルの物流拠点を最適化することも期待される。
【0038】
情報処理装置100は、決定した最適物流拠点OPDBとして妥当な物件を、店舗S又は配送業者DCに提案する(ステップS9)。
【0039】
例えば、情報処理装置100は、道路渋滞や周辺環境、気象(降水、積雪、台風等)、地形(浸水地域か否か)等を加味して、最適物流拠点OPDBとして妥当な物件の位置を絞り込む。そして、情報処理装置100は、最適物流拠点OPDBとして妥当な物件の位置、妥当な価格(取得価格、賃料等)、その位置や価格が妥当である理由(物流コストの低減、配送スケジュールの短縮化、人員配置の最適化等)について、店舗S又は配送業者DCに提案する。
【0040】
店舗S又は配送業者DCが提案に応じて最適物流拠点OPDBを構えた場合、物流コストの低減や配送スケジュールの短縮化、人員配置の最適化等につながる。最適物流拠点OPDBを構えるために、配送料のダイナミックプライシングを採用してもよい。
【0041】
なお、情報処理装置100は、最適物流拠点OPDBとして妥当な物件の観点から、店舗S又は配送業者DCと、物件とのマッチングを行うようにしてもよい。このとき、情報処理装置100は、一般公開されている不動産情報から物件に関する情報を取得してもよいし、情報処理装置100に登録されている不動産情報から物件に関する情報を取得してもよい。
【0042】
また、店舗Sが、商品配送の委託先を、現在の配送業者DCから、最適物流拠点OPDBとして妥当な位置に物流拠点DBを有する別の配送業者に変更することも、新たに最適物流拠点OPDBを構えたことに該当する。
【0043】
物流の状況や需要は随時変化している。例えば、大規模戸建住宅街や大規模マンションが完成して住人が入居することで、その地域の物流が急激に増大することがある。このような場合、既存のマンション等に対応していた物流拠点が、新規のマンション等への物流も考慮した場合には、最適ではなくなる可能性がある。また、事業所や工場の移転や新設/閉鎖に伴い、従業員が大量に流入/流出し、その地域の物流が増大/減少することもある。また、頻繁又は大量に商品を購入していた大口顧客が引越し等により移動することで、大量の商品の配送先が変わることもある。また、地域性や季節、局地的な流行等の要因により、特定の地域や時期に一時的に特定の商品の需要が増大し、物流が急激に増大することもある。このような物流の変化に対して、ラストワンマイルの物流拠点を適宜変更して最適化を図ることが望まれている。
【0044】
本実施形態によれば、物流の状況や商品需要の変化に応じて、適宜、ラストワンマイルの物流拠点を最適化することができる。また、利用者に近い場所に物流拠点を構えることで、再配達の連絡(依頼)にも迅速に対応することができる。例えば、着払いや本人確認(住所を含む)が必要な商品や、大型商品、高額商品等を配送する際、様々な用事のため配達可能な時間帯のうち限られた僅かな隙間時間(短時間)しか自宅にいられない利用者にも、連絡に応じて直ちに商品を再配達することができる。さらに、通常配送の場合でも、利用者自身が商品を受け取りに向かうことが容易になるため、利便性が向上する。
【0045】
〔2.情報処理システムの構成例〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と情報処理装置100とを含む。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0046】
また、
図2に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、
図2では、図示の簡略化のため、端末装置10を1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0047】
端末装置10は、利用者Uによって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)、PC(Personal Computer)等である。
【0048】
また、かかる端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置100と通信することができる。
【0049】
情報処理装置100は、例えばPCやサーバ、あるいはメインフレーム又はワークステーション等である。なお、情報処理装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0050】
〔3.情報処理装置の構成例〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0051】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続される。
【0052】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図3に示すように、記憶部120は、ユーザ情報記憶部121と、店舗情報記憶部122と、商品情報記憶部123と、購買履歴情報記憶部124と、提案情報記憶部125とを有する。
【0053】
(ユーザ情報記憶部121について)
ユーザ情報記憶部121は、利用者Uに関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部121は、利用者Uの属性等の種々の情報を記憶する。
図4は、ユーザ情報記憶部の一例を示す図である。
図4に示した例では、ユーザ情報記憶部121は、「ユーザID(Identifier)」、「年齢」、「性別」、「自宅」、「勤務地」、「興味」といった項目を有する。
【0054】
「ユーザID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「年齢」は、ユーザIDにより識別される利用者Uの年齢を示す。なお、「年齢」は、例えば35歳など、ユーザIDにより識別される利用者Uの具体的な年齢であってもよい。また、「性別」は、ユーザIDにより識別される利用者Uの性別を示す。
【0055】
また、「自宅」は、ユーザIDにより識別される利用者Uの自宅の位置情報を示す。なお、
図4に示す例では、「自宅」は、「LC11」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「自宅」は、地域名や住所であってもよい。
【0056】
また、「勤務地」は、ユーザIDにより識別される利用者Uの勤務地の位置情報を示す。なお、
図4に示す例では、「勤務地」は、「LC12」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「勤務地」は、地域名や住所であってもよい。
【0057】
また、「興味」は、ユーザIDにより識別される利用者Uの興味を示す。すなわち、「興味」は、ユーザIDにより識別される利用者Uが関心の高い対象を示す。なお、
図4に示す例では、「興味」は、各利用者Uに1つずつ図示するが、複数であってもよい。
【0058】
例えば、
図4に示す例において、ユーザID「U1」により識別される利用者Uの年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別される利用者Uは、自宅が「LC11」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別される利用者Uは、勤務地が「LC12」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別される利用者Uは、「スポーツ」に興味があることを示す。
【0059】
図4に示す例では、理解の便宜のため、「U1」、「LC11」および「LC12」といった抽象的な符号を用いて図示するが、「U1」、「LC11」および「LC12」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報に関する図においても、抽象的な符号を図示する場合がある。
【0060】
なお、ユーザ情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121は、利用者Uのデモグラフィック属性に関する情報やサイコグラフィック属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121は、氏名、家族構成、職業、職位、収入、資格、居住形態、車の有無、通学・通勤時間、趣味、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。また、ユーザ情報記憶部121は、利用者Uが使用している端末装置10の種別(スマートフォン、デスクトップPC等)や識別情報、アドレス情報等の情報を記憶してもよい。
【0061】
(店舗情報記憶部122について)
店舗情報記憶部122は、店舗Sに関する各種情報を記憶する。
図5は、店舗情報記憶部122の一例を示す図である。
図5に示した例では、店舗情報記憶部122は、「店舗ID」、「倉庫ID」、「所在位置」、「商品ID」、「在庫数」といった項目を有する。
【0062】
「店舗ID」とは、店舗Sを識別するための識別情報を示す。「倉庫ID」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗Sが有する倉庫、すなわち、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗Sが商品の発送元とする施設の識別子である。また、「所在位置」とは、対応付けられた「倉庫ID」が示す倉庫の所在位置、すなわち、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗Sが発送元とする施設が所在する地域を示す。
【0063】
例えば、
図5に示す例では、店舗ID「S1」、倉庫ID「M1」、所在位置「A1」、商品ID「C1」、および在庫数「5」が対応付けて登録されている。このような情報は、店舗ID「S1」が示す店舗Sが、発送元となる施設として倉庫ID「M1」が示す施設が、所在位置「A1」が示す地域に所在している旨を示す。また、このような情報は、倉庫ID「M1」が示す施設に、商品ID「C1」が示す商品が格納されており、その在庫数が「5」個である旨を示す。
【0064】
なお、店舗情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、店舗情報記憶部122は、店舗Sが所属する企業グループ等に関する情報を記憶していてもよい。
【0065】
(商品情報記憶部123について)
商品情報記憶部123は、各店舗Sが出品する商品に関する各種情報を記憶する。
図6は、商品情報記憶部123の一例を示す図である。
図6に示した例では、商品情報記憶部123は、「店舗ID」、「商品ID」、「識別情報」、「在庫情報」、「価格」、「送料」、「状態情報」といった項目を有する。
【0066】
「店舗ID」とは、各店舗Sを識別する識別子である。また、「商品ID」とは、各店舗Sが出品する商品を商品ごとに識別する識別子である。また、「識別情報」とは、JANコード等、商品を識別する識別子である。また、「在庫情報」、とは、商品の在庫の数を示す情報である。また、「価格」とは、商品の販売価格を示す情報である。また、「送料」、とは、商品の配送に要する料金を示す情報である。また、「状態情報」とは、商品の状態を示す情報であり、新品であるか中古であるかを示す情報である。
【0067】
例えば、
図6に示す例では、商品情報記憶部123には、店舗ID「S1」、商品ID「C1」、識別情報「B1」、在庫情報「15」、価格「2600」、送料「500」、および状態情報「新品」が対応付けて登録されている。このような情報は、店舗ID「S1」が示す店舗Sにより、電子商店街において商品ID「C1」により識別される商品であって、識別情報「B1」が示す商品が出品されている旨を示す。また、このような情報は、商品ID「C1」により識別される商品の在庫の数が、「15」であり、販売価格が「2600」円であり、送料が「500」円であり、状態が「新品」である旨を示す。
【0068】
なお、商品情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、商品情報記憶部123は、商品の種別/カテゴリに関する情報を記憶していてもよい。
【0069】
(購買履歴情報記憶部124について)
購買履歴情報記憶部124は、各利用者Uによる電子商店街における商品の購買の履歴に関する各種情報を記憶する。
図7は、購買履歴情報記憶部124の一例を示す図である。
図7に示した例では、購買履歴情報記憶部124は、「注文ID」、「商品ID」、「発送元」、「配送先」、および「発送フラグ」といった項目を有する。
【0070】
「注文ID」とは、利用者Uによる注文内容を識別する識別子である。また、「発送元」とは、商品の発送元となる各店舗Sの拠点を示す情報であり、例えば、
図5に示す「倉庫ID」である。また、「配送先」とは、商品の個々の配送先を示す情報であり、例えば、
図4に示す「ユーザID」である。同じ地域Aにおけるこの配送先の集まりが、配送先グループDLとなる。また、「発送フラグ」とは、対応付けられた「商品ID」が示す商品が発送済みであるか否かを示すフラグである。「発送フラグ」は、例えば、未発送であれば「0」であり、発送済みになると「1」となる。
【0071】
例えば、
図7に示す例では、注文ID「D1」、商品ID「C1」、発送元「M1」、配送先「U2」、および発送フラグ「0」が対応付けて登録されている。このような情報は、注文ID「D1」によって識別される注文の内容が、商品ID「C1」が示す商品を、発送元「M1」が示す拠点から、配送先「U2」が示す利用者の住所まで配送するものであり、発送フラグ「0」が示すように、発送がまだ行われていない旨を示す。
【0072】
なお、購買履歴情報記憶部124は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、購買履歴情報記憶部124は、商品の配送先となる住所や受取人の氏名に加え、商品の配送方法(例えば、航空便であるか陸路の配送であるか等)、希望の配達日時等の配送情報を記憶していてもよい。また、購買履歴情報記憶部124は、商品が大型商品である旨や、商品が要冷蔵/要冷凍である旨に関する情報を記憶していてもよい。
【0073】
(提案情報記憶部125について)
提案情報記憶部125は、最適物流拠点OPDBとして妥当な物件の提案内容に関する各種情報を記憶する。例えば、提案情報記憶部125は、
図8は、提案情報記憶部の一例を示す図である。
図8に示した例では、提案情報記憶部125は、「提案ID」、「地域」、「妥当位置」、「妥当価格」、「妥当理由」、「物件候補」といった項目を有する。
【0074】
「提案ID」は、配送業者DCに対する提案を識別するための識別情報を示す。また、「地域」は、店舗Sや物流拠点DBが所在する地域Aを示す。なお、「地域」は、例えば都道府県や市町村など既定の地域であってもよいし、任意に範囲指定した地域であってもよい。
【0075】
また、「妥当位置」は、最適物流拠点OPDBを構えるのに妥当な位置を示す。なお、「妥当位置」は、例えばGPS(Global Positioning System)又はその他の測位手段により取得した座標位置でもよいし、POI(Point of Interest)として地図上で指定した位置でもよい。
【0076】
また、「妥当価格」は、最適物流拠点OPDBとなる物件の妥当な価格(取得価格、賃料等)を示す。なお、「妥当価格」は、所定の金額に限らず、所定の金額の範囲を示す情報であってもよい。
【0077】
また、「妥当理由」は、最適物流拠点OPDBを構えるのに妥当な位置や価格である理由を示す。「妥当理由」は、例えば、その位置や価格で最適物流拠点OPDBを構えた場合に、物流コストの低減や配送スケジュールの短縮化、人員配置の最適化等が実現できることを示す。また、「妥当理由」は、現状と比較して削減されると予想される物流コストや、短縮されると予想される搬送時間(配送に要する時間)、および最低限必要な人数等の具体的な数値であってもよい。
【0078】
また、「物件候補」は、最適物流拠点OPDBの候補となる物件を示す。なお、「物件候補」は、例えば、最適物流拠点OPDBとして妥当な位置に所在し、妥当な価格で取得/賃借可能と推測される物件である。
【0079】
例えば、
図8に示す例において、提案ID「PR1」により識別される提案の内容は、地域「AR1」において、妥当位置「PT1」に、妥当価格「VL1」で最適物流拠点OPDBを構えることにより、妥当理由「RS1」のため、ラストワンマイルの物流拠点を最適化できることと、その最適物流拠点OPDBとなり得る物件として物件候補「ES11、ES12、…」が挙げられていることを示す。
【0080】
なお、提案情報記憶部125は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、提案情報記憶部125は、周辺の主要な配送先に関する情報を記憶していてもよい。
【0081】
(制御部130について)
図3に戻り、説明を続ける。制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。
図3に示す例では、制御部130は、受付部131と、分析部132と、最適化部133と、提供部134と、学習部135とを有する。
【0082】
(受付部131について)
受付部131は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から、利用者Uに関する各種情報の登録を受付け、ユーザ情報記憶部121に記憶する。
【0083】
また、受付部131は、通信部110を介して、各店舗Sから、その店舗Sに関する各種情報の登録を受付け、店舗情報記憶部122に記憶する。さらに、受付部131は、通信部110を介して、各店舗Sから、その店舗Sが出品する商品に関する各種情報の登録を受付け、商品情報記憶部123に記憶する。
【0084】
また、受付部131は、商品コンテンツを介して利用者Uが店舗Sの商品を購入した場合は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から、商品の配送先となる住所や受取人の氏名、商品の配送方法、希望の配達日時等の配送情報の登録を受付け、購買履歴情報として購買履歴情報記憶部124に記憶する。そして、受付部131は、通信部110を介して、利用者Uが商品を購入した店舗Sに対して、商品が購入された旨と、上記の配送情報を通知する。
【0085】
(分析部132について)
分析部132は、購買履歴情報記憶部124に記憶された購買履歴情報から、物流の現状を分析する。例えば、分析部132は、現状における物流コストや配送スケジュール、物流拠点に配置された人員について分析する。また、分析部132は、配送先の分布や偏在についても分析する。
【0086】
また、分析部132は、最適物流拠点OPDBを新設した後に、最適物流拠点OPDBの新設による効果について検証する。例えば、最適物流拠点OPDBの位置および価格と、最適物流拠点OPDBの新設前後における物流の状況の変化とについて検証する。すなわち、分析部132は、検証部としても機能する。なお、検証部は、分析部132から独立して設けられていてもよい。
【0087】
(最適化部133について)
最適化部133は、購買履歴情報記憶部124に記憶された購買履歴情報と、物流の現状の分析結果とに基づいて、ラストワンマイルの物流拠点を最適化する。具体的には、最適化部133は、ラストワンマイルの最適な物流拠点を決定する。すなわち、最適化部133は、利用者に対して実際に商品の配送を行う最終的な中継地点を決定する決定部に相当する。また、最適化部133は、最適化された物流拠点である最適物流拠点OPDBに関する情報を、提案情報記憶部125に記憶する。
【0088】
なお、最適化部133は、購買履歴情報記憶部124に記憶された購買履歴情報の総数が所定数(例えば、1万件)以上となった場合に、ラストワンマイルの物流拠点を最適化するようにしてもよい。また、最適化部133は、ある地域Aに所在する利用者の購買履歴情報の数が所定数(例えば、100件)以上となった場合に、ラストワンマイルの物流拠点を最適化するようにしてもよい。あるいは、最適化部133は、同じ配送先グループDLに属する利用者の数が所定の人数(例えば、100人)以上となった場合に、ラストワンマイルの物流拠点を最適化するようにしてもよい。
【0089】
(提供部134について)
提供部134は、提案情報記憶部125に記憶された提案情報に基づいて、最適物流拠点OPDBに関する提案情報を、店舗S又は配送業者DCに提供する。
【0090】
例えば、提供部134は、最適物流拠点OPDBに関する提案情報を、レポート(報告書)として、定期的(1月ごと等)に店舗S又は配送業者DCに提供するようにしてもよい。あるいは、提供部134は、最適物流拠点OPDBに関する提案情報を、店舗S又は配送業者DCのみがアクセス可能な専用のWebページ等に掲載してもよい。店舗S又は配送業者DCは、この専用のWebページ等を閲覧することで、最適物流拠点OPDBに関する提案情報を取得する。
【0091】
(学習部135について)
学習部135は、ラストワンマイルの物流拠点の最適化について機械学習を行う。ここでは、学習部135は、最適物流拠点OPDBの位置および価格と、最適物流拠点OPDBの新設前後における物流の状況の変化とについて機械学習する。また、学習部135は、配送先の分布や偏在についても機械学習を行う。
【0092】
例えば、学習部135は、配送業者DCが提案に応じて最適物流拠点OPDBを構えた場合、物流コストの低減や配送スケジュールの短縮化、人員配置の最適化等に関する機械学習を行う。すなわち、学習部135は、最適物流拠点OPDBの新設前後における実際の物流コストの削減効果や搬送時間の短縮効果等について機械学習を行う。
【0093】
また、学習部135は、配送業者DCが最適物流拠点OPDBを選定する際の判断基準について機械学習を行うようにしてもよい。例えば、学習部135は、配送業者DCが重視するポイントや、最終的に決め手となったポイント、選定された物件の傾向等について機械学習を行う。
【0094】
学習部135は、上記の学習結果に基づいて、ラストワンマイルの物流拠点の最適化に関する学習モデル(最適化モデル)を作成する。例えば、最適化部133は、この学習モデル(最適化モデル)に基づいて、最適物流拠点OPDBの候補となる物件を抽出する。
【0095】
機械学習は、例えばディープニューラルネットワークを利用したディープラーニング(深層学習)等である。また、データマイニングやその他の機械学習アルゴリズムを利用してもよい。
【0096】
〔4.処理手順〕
次に、
図9を用いて実施形態に係る情報処理装置100による処理手順について説明する。
図9は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
【0097】
情報処理装置100の制御部130は、商品コンテンツを介して利用者Uが店舗Sの商品を購入した場合、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から、商品の配送先となる住所や受取人の氏名、商品の配送方法(例えば、航空便であるか陸路の配送であるか等)、希望の配達日時等の配送情報の登録を受付ける(ステップS101)。
【0098】
制御部130は、購入された商品に関する商品情報と、上記の配送情報とを、購買履歴情報記憶部124に記憶する(ステップS102)。
【0099】
制御部130は、通信部110を介して、利用者Uが商品を購入した店舗Sに対して、商品が購入された旨と、上記の配送情報を通知し、利用者Uへの商品配送を要求する(ステップS103)。
【0100】
これにより、店舗Sは、地域Aにおいて配送を行う配送業者DCを介して、利用者Uに商品を発送する。配送業者DCは、地域Aに位置する物流拠点DBに、利用者Uが店舗Sに注文した商品とともに、同一の地域Aに所在する他の利用者へ配送する商品を集約し、ラストワンマイルの配送として、物流拠点DBに集約された商品を、配送先グループDLに配送する。
【0101】
制御部130は、購買履歴情報記憶部124に記憶された購買履歴情報に基づいて、物流の現在の状況を分析する(ステップS104)。
【0102】
制御部130は、物流の現在の状況を分析した結果、現在のラストワンマイルの物流拠点DBが最適であるか否かを判断する(ステップS105)。
【0103】
制御部130は、現在のラストワンマイルの物流拠点DBが最適であると判断した場合には(ステップS105;Yes)、現在の状況を維持する。
【0104】
制御部130は、現在のラストワンマイルの物流拠点DBが最適ではないと判断した場合には(ステップS105;No)、ラストワンマイルの物流拠点の最適化を図る(ステップS106)。
【0105】
制御部130は、ラストワンマイルの物流拠点の最適化の結果として、最適物流拠点OPDBに関する提案情報を、店舗S又は配送業者DCに提供する(ステップS107)。
【0106】
店舗S又は配送業者DCは、提案情報に基づいて、最適物流拠点OPDBを新設する(ステップS108)。
【0107】
制御部130は、最適物流拠点OPDBの新設の前後の物流コストや搬送時間等の変化から、最適物流拠点OPDBの新設による効果を検証する(ステップS109)。
【0108】
例えば、制御部130は、最適物流拠点OPDBの位置および価格と、最適物流拠点OPDBの新設前後における物流の状況の変化とについて検証し、その検証結果について機械学習する。
【0109】
〔5.変形例〕
上述した端末装置10および情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
【0110】
上記の実施形態において、通常時にラストワンマイルの物流拠点を最適化することを例に説明しているが、実際には、非常時にラストワンマイルの物流拠点を一時的に変更するために用いてもよい。例えば、上記の実施形態によれば、祭事や花見、その他のイベント等により一時的に近隣地域や道路が混雑する場合に、これを回避してラストワンマイルの物流拠点を最適化することができる。また、台風や水害、地震等の影響で一部の道路が不通となった場合に、これを回避してラストワンマイルの物流拠点を最適化することができる。
【0111】
また、上記の実施形態において、ラストワンマイルの物流拠点を最適化することを例に説明しているが、実際には、配送車両の駐車場所や停車場所を最適化するために用いてもよい。例えば、配送車両の運転者が住宅地域(住宅街)の顧客にカート等を使用して商品等を届ける場合や、同じアパートやマンションに居住する顧客あるいは団地等において同じ棟や同じ階段に沿った部屋に居住する顧客に商品等を届ける場合には、配送車両自体がラストワンマイルの物流拠点となる。したがって、配送車両の駐車場所や停車場所を最適化することが、ラストワンマイルの物流拠点を最適化することとなる。
【0112】
また、上記の実施形態において、ネットショッピング等の購入者に対するラストワンマイルの物流拠点を最適化することを例に説明しているが、実際には、実店舗の商品配送希望者に対するラストワンマイルの物流拠点を最適化するために用いてもよい。また、生活協同組合(生協)や宅配牛乳等の定期宅配サービスの利用者に対するラストワンマイルの物流拠点を最適化するために用いてもよい。また、過疎地域等における買い物不便者(買物弱者等)に対するラストワンマイルの物流拠点を最適化するために用いてもよい。
【0113】
また、上記の実施形態において、ラストワンマイルの物流拠点を最適化することを例に説明しているが、実際には、宅配便や宅配チェーン店の新店舗や臨時店舗の出店候補地を最適化するために用いてもよい。同様に、出前や弁当等の宅配サービスを提供している飲食店等の新店舗や臨時店舗の出店候補地を最適化するために用いてもよい。
【0114】
〔6.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報処理装置100は、記憶部120と、最適化部133(決定部)とを備える。記憶部120は、電子商取引における利用者Uの購買履歴を記憶する。最適化部133(決定部)は、購買履歴に基づいて利用者Uへの商品配送に係る物流拠点を決定する。これにより、電子商店街やオークションサイト等が保有する膨大な購買履歴に基づいて、利用者への商品配送に係る物流拠点を決定することができる。
【0115】
また、最適化部133(決定部)は、購買履歴と、道路渋滞に関する道路交通情報とに基づいて、利用者Uへの商品配送に係る物流拠点を決定する。これにより、周辺地域の道路渋滞を考慮して、利用者への商品配送に係る物流拠点を決定することができる。
【0116】
また、最適化部133(決定部)は、購買履歴と、天気に関する気象情報とに基づいて、利用者Uへの商品配送に係る物流拠点を決定する。これにより、周辺地域の気象(降水、積雪、台風等)の傾向を考慮して、利用者への商品配送に係る物流拠点を決定することができる。
【0117】
また、最適化部133(決定部)は、購買履歴のうち配送先と配送料とに関する情報に基づいて、利用者Uへの商品配送に係る物流拠点を決定する。これにより、配送料やダイナミックプライシングを考慮して、利用者への商品配送に係る物流拠点を決定することができる。
【0118】
また、最適化部133(決定部)は、購買履歴と、物流拠点の候補となる物件に関する空テナント情報とに基づいて、利用者Uへの商品配送に係る物流拠点を決定する。これにより、物流拠点の候補となる空き物件を考慮して、利用者への商品配送に係る物流拠点を決定することができる。
【0119】
また、最適化部133(決定部)は、購買履歴と、物流拠点の物件取得に使用可能な金額を算出する。これにより、物流拠点の物件を取得するための妥当な金額を算出することができる。
【0120】
また、最適化部133(決定部)は、利用者Uへの商品配送に係る物流拠点の倉庫の置き方を決定する。これにより、利用者への商品配送に係る物流拠点の中身を決定することができる。
【0121】
また、最適化部133(決定部)は、利用者Uへの商品配送に係る物流拠点の人員配置を決定する。これにより、利用者への商品配送に係る物流拠点の必要人数を決定することができる。
【0122】
また、最適化部133(決定部)は、利用者Uへの商品配送に係る物流拠点として、利用者に対して実際に商品の配送を行う最終的な中継地点を決定する。これにより、ラストワンマイルの物流拠点を決定することができる。
【0123】
さらに、本願に係る情報処理装置100は、提供部134をさらに備える。提供部134は、最適化部133(決定部)により決定された物流拠点に関する提案情報を、利用者Uへの商品配送に係る物流拠点を有する事業者に提供する。これにより、最適な物流拠点を事業者に提案することができる。
【0124】
〔7.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置100および端末装置10は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置100を例に挙げて説明する。
図10は、情報処理装置100および端末装置10の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0125】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0126】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(
図2に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網500を介して他の機器へ送信する。
【0127】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0128】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等である。
【0129】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0130】
〔8.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0131】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0132】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0133】
例えば、上述した情報処理装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0134】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0135】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。