(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の欠点及び不足点に鑑み、本発明は、リーマ針を管内に埋め込むとともに、薬液を採取する過程において完全に覆った状態とし、薬液の採取と投薬の過程においても密閉状態を保つことにより、薬液が外に漏れたり、リーマ針によってけがをしたりするリスクが発生しない密閉システム調剤投薬装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明が採用する技術手段は、密閉システム調剤投薬装置であって、
相対する第1方向と第2方向とを有すると共に、プッシュバレルと
、相対する接続ベース第1端部と接続ベース第2端部とを有する接続ベースを含み、
該接続ベース第2端部が該接続ベース第1端部に向かう方向は第1方向であり、
前記プッシュバレルは、
相対する外筒第1端部と外筒第2端部とを有する外筒、
相対する内筒第1端部と内筒第2端部とを有する内筒
、及び
相対するプッシュロッド第1端部とプッシュロッド第2端部とを有するプッシュロッドを含み、
該外筒第2端部が該外筒第1端部に向かう方向、該内筒第2端部が該内筒第1端部に向かう方向、該プッシュロッド第2端部が該プッシュロッド第1端部に向かう方向は、第1方向であり、
前記外筒は、
相対する吸気管第1端部と吸気管第2端部とを有する吸気管と接続孔を含み、
該吸気管第2端部が該吸気管第1端部に向かう方向は第1方向であり、該吸気管は、該外筒の
外筒第1端部から
該第1方向に突出して延び、該吸気管内には、該吸気管の
吸気管第1端部の開口に隣接してゴム栓が設けられ、該ゴム栓には、密閉状態である切り込みが設けられ、該接続孔は、該外筒の
外筒第1端部に設けられるとともに、該吸気管と離間するように設けられ、
前記内筒は、前記外筒を貫通するように該外筒内に設けられ、該内筒は、空気孔と
、相対する薬液吸入管第1端部と薬液吸入管第2端部とを有する薬液吸入管を更に含み、
該薬液吸入管第2端部が該薬液吸入管第1端部に向かう方向は第1方向であり、該空気孔は、該内筒の内側環状壁面に設けられて、該内筒の内部空間と外筒の内部空間とを互いに連通させ、該薬液吸入管は、該内筒の
内筒第1端部に設けられるとともに、該外筒の接続孔を貫通して該接続孔内に設けられ、該薬液吸入管内には、該薬液吸入管の
薬液吸入管第1端部の開口に隣接するようにゴム栓が設けられ、該ゴム栓には、密閉状態である切り込みが設けられ、
前記プッシュロッドは、
前記第1方向及び第2方向に沿って移動可能に前記外筒及び内筒を貫通すると共に、その
プッシュロッド第1端部に、該内筒の内部空間を互いに連通しない2つの
第1方向側
部分及び第2方向側部分に分割するピストン部が設けられ、
前記接続ベースは、前記プッシュバレルに着脱可能に接続されるとともに、
相対する接続カバー第1端部と接続カバー第2端部とを有する接続カバー、
相対するリーマ針第1端部とリーマ針第2端部とを有する2本のリーマ針、弾性弁及び止水部材を含み、
該接続カバー第2端部が該接続カバー第1端部に向かう方向、該リーマ針第2端部が該リーマ針第1端部に向かう方向は第1方向であり、
前記接続カバーは、少なくとも1つの外部接続孔を含み、
前記2本のリーマ針は、前記接続カバーに、先端が
前記第2方向を向くように設けられ、それぞれ、前記薬液吸入管のゴム栓の切り込み及び前記吸気管のゴム栓の切り込みを選択的に貫通し、更に、該2本のリーマ針は、前記接続カバーの少なくとも1つの外部接続孔と連通する、それぞれ独立した内部空間と、前記リーマ針の
リーマ針第2端部に設けられた第1開口を含み、
前記弾性弁は、圧縮可能な弾性体であり、前記接続カバー内に設けられるとともに、前記2本のリーマ針の外側を選択的に覆い、
該弾性弁における、該2本のリーマ針の
リーマ針第2端部に対応する位置にそれぞれ2つの切り込みが設けられ、該2つの切り込みは密閉状態であり、該2本のリーマ針が該2つの切り込みを選択的に貫通し、
前記止水部材は、前記接続カバー内に設けられるとともに、前記吸気管に対応する前記リーマ針の内部空間に対応している、ことを特徴とする。
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明が採用する技術手段は、密閉システム調剤投薬装置であって、
相対する第1方向と第2方向とを有すると共に、プッシュバレルと
、相対する接続ベース第1端部と接続ベース第2端部とを有する接続ベースを含み、
該接続ベース第2端部が該接続ベース第1端部に向かう方向は第1方向であり、
前記プッシュバレルは、
相対する外筒第1端部と外筒第2端部とを有する外筒、
相対する内筒第1端部と内筒第2端部とを有する内筒及び
相対するプッシュロッド第1端部とプッシュロッド第2端部とを有するプッシュロッドを含み、
該外筒第2端部が該外筒第1端部に向かう方向、該内筒第2端部が該内筒第1端部に向かう方向、該プッシュロッド第2端部が該プッシュロッド第1端部に向かう方向は、第1方向であり、
前記外筒は、
相対する吸気管第1端部と吸気管第2端部とを有する吸気管と接続孔を含み、
該吸気管第2端部が該吸気管第1端部に向かう方向は第1方向であり、該吸気管は、該外筒の
外筒第1端部から
該第1方向に突出して延び、該吸気管内には、該吸気管の
吸気管第1端部の開口に隣接してゴム栓が設けられ、該ゴム栓には、密閉状態である切り込みが設けられ、該接続孔は、該外筒の
外筒第1端部に設けられるとともに、該吸気管と離間するように設けられ、
前記内筒は、前記外筒を貫通するように該外筒内に設けられ、該内筒は、空気孔と
、相対する薬液吸入管第1端部と薬液吸入管第2端部とを有する薬液吸入管を更に含み、
該薬液吸入管第2端部が該薬液吸入管第1端部に向かう方向は第1方向であり、該空気孔は、該内筒の内側環状壁面に設けられて、該内筒の内部空間と外筒の内部空間とを互いに連通させ、該薬液吸入管は、該内筒の
内筒第1端部に設けられるとともに、該外筒の接続孔を貫通して該接続孔内に設けられ、該薬液吸入管内には、該薬液吸入管の
薬液吸入管第1端部の開口に隣接するようにゴム栓が設けられ、該ゴム栓には、密閉状態である切り込みが設けられ、
前記プッシュロッドは、
前記第1方向及び第2方向に沿って移動可能に前記外筒及び内筒を貫通すると共に、その
プッシュロッド第1端部に、該内筒の内部空間を互いに連通しない2つの
第1方向側
部分及び第2方向側部分に分割するピストン部が設けられ、
前記接続ベースは、前記プッシュバレルに着脱可能に接続されるとともに、
相対する接続カバー第1端部と接続カバー第2端部とを有する接続カバー、
相対するリーマ針第1端部とリーマ針第2端部とを有する2本のリーマ針、弾性弁及び逆止弁を含み、
該接続カバー第2端部が該接続カバー第1端部に向かう方向、該リーマ針第2端部が該リーマ針第1端部に向かう方向は第1方向であり、
前記接続カバーは、少なくとも1つの外部接続孔を含み、
前記2本のリーマ針は、前記接続カバーに、先端が
前記第2方向を向くように設けられ、それぞれ、前記薬液吸入管のゴム栓の切り込み及び前記吸気管のゴム栓の切り込みを選択的に貫通し、更に、該2本のリーマ針は、前記接続カバーの少なくとも1つの外部接続孔と連通する、それぞれ独立した内部空間と、前記リーマ針の
リーマ針第2端部に設けられた第1開口を含み、
前記弾性弁は、圧縮可能な弾性体であり、前記接続カバー内に設けられるとともに、前記2本のリーマ針の外側を選択的に覆い、
該弾性弁における該2本のリーマ針の
リーマ針第2端部に対応する位置にそれぞれ2つの切り込みが設けられ、該2つの切り込みは密閉状態であり、該2本のリーマ針が該2つの切り込みを選択的に貫通し、
前記逆止弁は、前記接続カバー内に設けられるとともに、前記吸気管に対応する前記リーマ針の内部空間に対応し、空気を一方向にのみ通過させる、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の利点は、使用時において、プッシュバレルと接続ベースが結合されていない時に、外筒及び内筒のゴム栓はいずれも密閉状態にあり、接続ベースの弾性弁の2つの切り込みも同様に密閉状態にあるが、接続ベースとプッシュバレルとを結合させる時には、接続ベースの2本のリーマ針を、弾性弁の2つの切り込み及びプッシュバレルの2つのゴム栓を貫通させて、プッシュバレルと接続ベースを、2本のリーマ針を介して互いに連通させることにより、密閉状態のまま接続ベースを各種物品に設置することができ、プッシュバレルの結合後は、直ちに各種物品と連通することができる。また、薬を採取する過程において、接続ベースとプッシュバレルが結合すると、1本のリーマ針に止水部材が設けられていることから、薬液を、薬液吸入管とプッシュバレルのガス排出管にそれぞれ進入させることができる。
従って、本発明には、具体的に以下の4つの利点がある。
第一に、薬液吸入管及び吸気管の二重管設計と止水部材の設置により、薬液及び空気を、それぞれが流通する管に分流させることができる。
第二に、薬液の採取は、全て、吸気管及び薬液吸入管の内部の2本のリーマ針において行うため、薬液が外部に漏れ出す虞がないだけでなく、薬品が揮発性の場合、そのガスも吸気管を介してプッシュロッドを出入りし、つまり、気密された内部通路から外気中に漏れ出すことがないので、医療スタッフが薬品を吸引する際の安全性が大幅に向上する。
第三に、薬液が付着したリーマ針は弾性弁内に設置されており、露出していないので、人に怪我を負わせることはない。
第四に、従来技術においては、薬液を吸引する場合であっても、必要な箇所へ注射する場合であっても、細いスチール針を伝送管としているため、医療スタッフがスチール針を正しい位置に挿入できないというミスが起こっていたが、本発明では、薬液吸入管、吸気管及びそれらと組み合わされた接続ベースを伝送媒体とし、その管径は、細いスチール針より遥かに大きいことから、医療スタッフは、本発明を正確且つ迅速に正しい薬液採取位置に挿入することができる。
【0009】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記止水部材が疎水性を有する濾紙であることを特徴とする。
【0010】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記薬液吸入管に対応する前記リーマ針は、該リーマ針の側壁面において、前記第1開口の
第1方向側に設けられる第2開口を更に含む、ことを特徴とする。
【0011】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記外筒が、該外筒の
外筒第1端部の周縁を囲むように該外筒の
外筒第1端部に形成され、且つ
該第1方向に
沿って垂直に延びる外カバーと、該外カバーの内壁面に凹設されるミス防止溝を更に含み、前記接続ベースの接続カバーは、該接続カバーの側壁面から突出するように伸びるとともに、前記ミス防止溝に摺動可能に嵌合するミス防止突起を更に含む、ことを特徴とする。
【0012】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記外筒の
外筒第2端部に外筒開口が更に形成され、前記内筒の
内筒第2端部に内筒開口が更に形成され、該内筒が、前記外筒開口を経由して前記外筒の内部を貫通するように設けられ、前記内筒
の内筒第2端部及び
前記外筒の
外筒第2端部に設けられ、且つ、前記外筒開口及び内筒開口を覆うとともに、該外筒と内筒を締め付け固定
し、相対する気密蓋第1端部と気密蓋第2端部とを有する気密蓋と、該気密蓋の
気密蓋第1端部と内筒開口との間で、該気密蓋の
気密蓋第1端部及び内筒開口に密着する気密リングを更に含
み、
該気密蓋第2端部が該気密蓋第1端部に向かう方向は第1方向である、ことを特徴とする。
【0013】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記接続ベースの
接続ベース第1端部に漏れ防止部材が設けられる、ことを特徴とする。
【0014】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記外筒が、第1接続部材をさらに含み、前記接続カバーが、前記第1接続部材と着脱可能に接続される第2接続部材を更に含む、ことを特徴とする。
【0015】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記第1接続部材が、前記外筒において
前記第1方向及び第2方向に沿って摺動可能に外嵌されたスライドブッシュと、前記外筒の
外筒第1端部の相対する両側に設けられ、且つ前記外カバーの外側に向かって折れ曲がる2つの弾性係止部を含み、前記第2接続部材は、前記接続カバーにおいて内側に向かって水平にくぼむように設けられた2つの係止フック溝を含み、該2つの係止フック溝の位置は、前記2つの弾性係止部に対応し、前記外筒と接続ベースとを接続するとき、前記スライドブッシュが
前記第1方向に摺動して前記2つの弾性係止部に当接し、該2つの弾性係止部を、対応する前記2つの係止フック溝に係合させる、ことを特徴とする。
【0016】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記第1接続部材が、前記外筒の
外筒第1端部の相対する2つの内側面に形成された2つのラッチ状フックを含み、前記第2接続部材が、前記接続カバーにおいて内側に向かって水平にくぼむように設けられた2つの係止フック溝を含み、該2つの係止フック溝の位置が、前記2つのラッチ状フックに対応し、前記外筒と接続ベースとを接続するとき、前記2つのラッチ状フックが、対応する前記2つの係止フック溝に係合する、ことを特徴とする。
【0017】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記第1接続部材が、前記外筒の
外筒第1端部の相対する両側面に設けられる2つのクリップフックを含み、該各クリップフックが、互いに連動するフック部と
、押圧部を有し、該フック部が該押圧部の
第1方向側に形成され、
前記第2接続部材は、
相対する柱体第1端部と柱体第2端部とを有する2つの柱体を含み、
該柱体第2端部が該柱体第1端部に向かう方向は第1方向であり、該2つの柱体は、前記接続ベースの
接続ベース第2端部に形成され、
該各柱体の柱体第2端部がかぎ状であり、
前記外筒と接続ベースとを接続するときは、前記2つのフック部が、対応する前記2つの柱体の
柱体第2端部に係合する、ことを特徴とする。
【0018】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記接続ベースが、挿入針とバイアル係合部をさらに含み、該挿入針が、該接続ベースの
接続ベース第1端部に設けられるとともに、該接続ベース及び前記2本のリーマ針と接続されて連通し、前記少なくとも1つの外部接続孔が、該挿入針を貫通するように該挿入針に形成され、該バイアル係合部が、前記接続カバーの
接続カバー第1端部に設けられる、ことを特徴とする。
【0019】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記接続ベースが、前記接続カバーの
接続カバー第1端部から
前記第1方向に突出して延びる接続リングを更に含み、該接続リングの内壁面に雌ネジが形成されている、ことを特徴とする。
【0020】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記接続ベースが、一端が前記接続カバーの
接続カバー第1端部に設けられるとともに、前記少なくとも1つの外部接続孔と連通するY型管を更に含む、ことを特徴とする。
【0021】
さらに、密閉システム調剤投薬装置は、前記接続ベースが、アダプタベースと点滴接続管を含む点滴接続器をさらに含み、該アダプタベースの側壁面が、前記接続カバーの
接続カバー第1端部に接続されるとともに、前記少なくとも1つの外部接続孔と連通し、該点滴接続管が、該アダプタベースに設けられる、ことを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の密閉システム調剤投薬装置は、相対する第1方向と第2方向とを有し、後述する構成要素は、第1端部、第2端部とを有する場合、当該第1端部、第2端部が、当該構成要素の相対する両端に位置し、また、第2端部が該第1端部に向かう方向は第1方向であることを定義する。以下、図面及び本発明の好ましい実施形態とともに、本発明が所期の目的を達成するために用いる技術的手段について、更に説明する。
【0024】
図1に示すように、本発明の密閉システム調剤投薬装置の実施形態1は、プッシュバレル10及び
相対する接続ベース第1端部と接続ベース第2端部とを有する接続ベース20を含む。
【0025】
図1及び
図2に示すように、該プッシュバレル10は、
相対する外筒第1端部と外筒第2端部とを有する外筒11、
相対する内筒第1端部と内筒第2端部とを有する内筒12、
相対する気密蓋第1端部と気密蓋第2端部とを有する気密蓋13及び
相対するプッシュロッド第1端部とプッシュロッド第2端部とを有するプッシュロッド14を含む。
【0026】
前記外筒11は、外筒開口111を有する筒状構造であり、該外筒開口111は、該外筒11の
外筒第2端部に形成されるとともに、該外筒開口111の周縁を囲むように水平に突出して延びる外輪フランジ118を含む。
【0027】
図2及び
図4に示すように、外筒11は更に、
相対する吸気管第1端部と吸気管第2端部とを有する吸気管112、接続孔113、ゴム栓114、外カバー115、ミス防止溝116及び第1接続部材119を含む。
【0028】
前記吸気管112は、外筒11の
外筒第1端部から
第1方向に突出するように延び、前記接続孔113は、外筒11の
外筒第1端部に、該吸気管112と離間して設けられ、前記ゴム栓114は、該吸気管112内に設けられる。より詳細に述べると、該ゴム栓114は、吸気管112内において、吸気管112の
吸気管第1端部の開口に隣接するように設けられるとともに、該ゴム栓114には、密閉状態である切り込み117が設けられ、該ゴム栓114は、該吸気管112の
吸気管第1端部を密封している。
【0029】
本実施形態1において、前記吸気管112は、前記ゴム栓114によって選択的に密封されるが、これに限定されず、ゴム以外の材料を用いてもよく、また、本実施形態1において、ゴム栓114は、熱溶融によって前記吸気管112の
吸気管第1端部に固定されるが、これに限定されず、他の方法により固定してもよい。
【0030】
図1、
図2、
図4及び
図16に示すように、外カバー115は、前記外筒11の
外筒第1端部の周縁を囲むように該外筒11の
外筒第1端部に形成されるとともに、
第1方向に
沿って垂直に延びることにより、前記吸気管112及び接続孔113を覆う。尚、本実施形態1においては、前記外カバー115が弾性を有する材料であり、外力を受けるとそれに応じて部分的に変形し、前記ミス防止溝116は、外カバー115の内壁面に凹設されるとともに、対応する該外カバー115の外壁面が外側に突出している。更に、本実施形態1において、前記ミス防止溝116は1つであり、且つ前記外カバー115の一方の側の壁面に設けられているが、該ミス防止溝116の数及び位置はこれに限定されず、第1接続部材119が外カバー115に設けられてもよい。
【0031】
図2及び
図4に示すように、内筒12は、外筒11を貫通するように該外筒11内に設けられ、且つ、前記外筒開口111を経由して
第1方向に外筒11の内部を貫通するように設けられるとともに、
前記内筒第2端部に内筒開口121が形成され、該内筒開口121は、該内筒開口121の周縁を囲むように水平に突出して延びる内輪フランジ126を含み、該内輪フランジ126の
第1方向側
端面は、外筒11の外輪フランジ118の
第2方向側
端面に当接する。
【0032】
前記内筒12は、空気孔122、薬液吸入管123及びゴム栓124を更に含み、そのうち空気孔122は、内筒12の内側環状壁面に設けられる。より詳細に述べると、該空気孔122は、該内筒12の
内筒第2端部において、内筒開口121に隣接するように設けられるとともに、内筒12の内部空間と外筒11の内部空間とが互いに連通し、前記薬液吸入管123は、内筒12の
内筒第1端部に設けられるとともに、外筒11の接続孔113を貫通して該接続孔113内に設けられ、ゴム栓124は、薬液吸入管123内において、薬液吸入管123の
薬液吸入管第1端部の開口に隣接するように設けられるとともに、該ゴム栓124に、密閉状態である切り込み125が形成され、該ゴム栓124は、薬液吸入管123の
薬液吸入管第1端部を選択的に密封する。
【0033】
本実施形態1においては、前記薬液吸入管123が、前記ゴム栓124によって選択的に密封されるが、これに限定されなく、ゴム以外の材料を用いてもよい。更に、本実施形態1においては、ゴム栓124が熱溶融によって前記薬液吸入管123の
薬液吸入管第1端部に固定されるが、これに限定されなく、他の方法により固定してもよい。
【0034】
図1及び
図4に示すように、気密蓋13は、外筒11
の外筒第2端部及び内筒12の
内筒第2端部に設けられるとともに、前記外筒開口111及び内筒開口121を覆い、また、上蓋131、係合部132、中央開口133及び気密リング134を含み、そのうち、上蓋131は、前記内筒開口121の
第2方向側に設けられて、内筒開口121及び外筒開口111を覆い、該係合部132は、環状の壁面であって、該上蓋131の
第1方向側
端面から
第1方向に伸びている。使用者が気密蓋13をプッシュバレル10に組み付ける際は、該係合部132を
第1方向にして前記外輪フランジ118の
第1方向側
端面に到達させると共に、外輪フランジ118が内輪フランジ126にしっかりと当接するように該外輪フランジ118の
第1方向側
端面を
第2方向に押圧することで、係合部132がクランプ機構によって外筒11と内筒12を締め付け、相互に固定する。
【0035】
前記中央開口133は、前記上蓋131の中央を貫通するように設けられ、前記内筒開口121を経由して前記内筒12の内部空間と連通する。
【0036】
図4に示すように、気密リング134は、気密蓋13の
気密蓋第1端部と内筒開口121との間で、気密蓋13の
気密蓋第1端部及び内筒開口121に密着し、より詳細に述べると、本実施形態1においては、該気密リング134が、前記上蓋131の
第1方向側
端面と係合部132の内壁面に設置され、該気密リング134によって、前記内輪フランジ126と上蓋131との間の隙間が埋められる一方、気密リング134の中央部は、
第2方向に突出して延び、前記中央開口133を囲むように該中央開口133の内壁面に密着し、更に、前記気密リング134を設けることにより、気密蓋13が前記外筒11と内筒12をしっかりと密封してクランプすることができる。
【0037】
図1、
図2及び
図4に示すように、プッシュロッド14は、外筒11及び内筒12を貫通するように
第1方向及び第2方向に沿って移動可能に設けられると共に、
相対するロッド部第1端部及びロッド部第2端部とを有するロッド部141とピストン部142を含み、そのうち、ロッド部141は、前記気密蓋13の中央開口133を経由して、該内筒12を
第1方向に貫通してその内部空間に設けられ、該ピストン部142は、ロッド部141の
ロッド部第1端部、且つ内筒12の内部空間に設けられ、更に、内筒12の内部空間を、互いに連通しない2つの部分において
第1方向側
部分及び第2方向側
部分に分割される。なお、前記内部空間は、分割された後、
第2方向側
部分が空気孔122と連通する。
【0038】
図1、
図3及び
図25に示すように、接続ベース20は、プッシュバレル10に着脱可能に接続され、接続カバー21、2本のリーマ針22、止水部材23、弾性弁24、第2接続部材25及び漏れ防止部材27を含む。
【0039】
前記接続カバー21の形状は、外筒11の外カバー115の形状に対応している。すなわち、使用者がプッシュバレル10を接続ベース20にかぶせると、接続カバー21の外壁が外カバー115の内壁に嵌合される。
【0040】
図3及び
図5に示すように、接続カバー21の
接続カバー第2端部には、
相対する上部ケーシング第1端部と上部ケーシング第2端部とを有する上部ケーシング211、
相対する台座第1端部と台座第2端部とを有する台座212、少なくとも1つの外部接続孔213、2つのアダプタ孔214及びミス防止突起215が設けられており、そのうち、上部ケーシング211は、
上部ケーシング第1端部に開口を有するケース体であり、該台座212は、上部ケーシング211の
上部ケーシング第1端部に設置され、該上部ケーシング211の
上部ケーシング第1端部を密封する。なお、本実施形態1においては、台座212と上部ケーシング211とが貼り合わせによって接続されているが、これに限定されることはなく、例えば、ラッチや超音波接続等の他の方法で接続してもよい。
【0041】
前記少なくとも1つの外部接続孔213は、前記接続カバー21の
接続カバー第1端部に設けられる。尚、本実施形態1においては、該少なくとも1つの外部接続孔213が2つであり、前記台座212を貫通するとともに、互いに離間するように設けられている。
【0042】
前記2つのアダプタ孔214は、前記接続カバー21の
接続カバー第2端部に互いに離間するように設けられ、前記ミス防止突起215は、該接続カバー21の側壁面から突出するように伸び、前記上部ケーシング211の側壁に設けられ、前記ミス防止溝116に摺動可能に嵌合される。すなわち、使用者がプッシュバレル10と接続ベース20とを結合させる際、ミス防止溝116をミス防止突起215に合わせなければ、プッシュバレル10と接続ベース20とをスムーズに結合させることができない。
【0043】
図3及び
図5に示すように、2本のリーマ針22は、接続カバー21内に、先端が
第2方向を向くように設けられると共に、接続カバー21の台座212に互いに離間し且つ平行に設けられ、そのうち、1本のリーマ針22は、前記吸気管112のゴム栓114を貫通すると共に、該ゴム栓114の切り込み117を貫通して、該吸気管112に挿入され、もう1本のリーマ針22は、前記薬液吸入管123のゴム栓124を貫通すると共に、該ゴム栓124の切り込み125を貫通して、該薬液吸入管123に挿入される。なお、本実施形態1においては、リーマ針22と台座212とが貼り合わせによって接続されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ラッチや超音波接続等の他の方法で接続してもよい。
【0044】
図5に示すように、前記各リーマ針22はそれぞれ、独立した内部空間と第1開口221を含み、該各リーマ針22の内部空間はそれぞれ、前記台座212の2つの外部接続孔213と連通している。すなわち、該各リーマ針22は、
リーマ針第1端部を介して、対応する外部接続孔213と接続され、該リーマ針22の内部と外部接続孔213とは互いに連通しており、該第1開口221は、該各リーマ針22の
リーマ針第2端部に設けられている。
【0045】
また、前記薬液吸入管123と連通するリーマ針22は、第2開口222を更に含み、該第2開口222は、薬液吸入管123と連通する該リーマ針22の側壁面において、対応する前記第1開口221の
第1方向側に設けられており、より詳細に述べると、該第2開口222は、該リーマ針22の側壁面の
リーマ針第1端部に設けられている。
【0046】
図3及び
図5に示すように、止水部材23は、接続カバー21内に設けられ、より詳細に述べると、該止水部材23は、吸気管112と連通するリーマ針22の内部空間に設けられる。なお、本実施形態1においては、前記止水部材23が前記リーマ針22の
リーマ針第1端部に、該リーマ針22の
リーマ針第1端部と外部接続孔213とに挟まれるように設けられる。すなわち、前記止水部材23は、前記台座212の内側面に設けられる。なお、本実施形態1においては、前記止水部材23が疎水性を有する濾紙であるが、これに限定されるものではなく、その他の構造とすることもでき、水が通過してリーマ針22内に入らないように阻止できればよい。
【0047】
前記弾性弁24は、圧縮可能な弾性体であり、前記接続カバー21内に設けられるとともに、前記2本のリーマ針22の外側を選択的に覆い、該弾性弁24にはそれぞれ、該2本のリーマ針22の
リーマ針第2端部に対応する位置に位置する、密閉状態の2つの切り込み241が設けられ、該リーマ針22は、該2つの切り込み241を貫通することができる。なお、本実施形態1においては、前記弾性弁24の前記2つの切り込み241が、前記2つのゴム栓114、124と同じゴム材からなり、構造も同じであって、前記2本のリーマ針22を差し込むことによって選択的に開放されるが、これに限定されるものではなく、該2つの切り込み241は、その他の材料からなるものであってもよい。
【0048】
より詳細に述べると、本実施形態1においては、前記弾性弁24が、前記2本のリーマ針22の外側及び
リーマ針第2端部を完全に覆うことから、接続ベース20がプッシュバレル10と接続されていない時には、該2本のリーマ針22が該弾性弁24の外に露出することはない。
【0049】
前記第2接続部材25は、接続ベース20における、プッシュバレル10の第1接続部材119に対応する位置に設けられている。
【0050】
図25、
図26及び
図27に示すように、漏れ防止部材27は、接続ベース20の
接続ベース第1端部に設けられ、挿入針31の周縁に外嵌されることにより、空気及び水分が通過するのを防ぎ、少なくとも1つの接着面271、フィルム272及び少なくとも1つのフランジ273を有する。使用者が組み付け作業を行う時は、前記接着面271を
第1方向に向け、前記フィルム272は、取り外し可能に、前記少なくとも1つの接着面271を覆っている。なお、本実施形態1において、前記漏れ防止部材27は、両面共に接着面271の防水接着紙であるが、これに限定されるものではない。
【0051】
図16〜
図24に示すように、本発明の第1接続部材119及び前記少なくとも1つの第2接続部材25の構造と接続方法は、以下の複数の形態を有する。
【0052】
図16、
図17及び
図18に示すように、第1の形態は、第1接続部材119が外カバー115に外嵌されたスライドブッシュ1191と、それぞれ外カバー115の両側に設けられ、外カバー115と一体に成型された2つの弾性係止部1192を含み、該弾性係止部1192は、力を受けていない状態において、外カバー115の外側に向かって折れ曲がっている。より詳細に述べると、該2つの弾性係止部1192は、外カバー115の両側から外向きに分裂した2つの係止フックであって、外カバー115に弾性を持たせることで、該外カバー115を外に折り曲げる。
【0053】
第1の形態においては、第2接続部材25が2つの係止フック溝251を含み、該2つの係止フック溝251は、上部ケーシング211の
上部ケーシング第1端部の相対する2つの側面に、内側に向かって水平にくぼむように形成され、また、該2つの係止フック溝251の位置は、前記2つの弾性係止部1192と対応している。
【0054】
また、第1の形態における、第1接続部材119及び第2接続部材25との結合方法であるが、使用者が外筒11を接続ベース20に外嵌させると、弾性係止部1192の位置が係止フック溝251に対応することから、使用者は、スライドブッシュ1191を
第1方向に押すだけで、弾性係止部1192の外カバー115の外側に折れ曲がった箇所が、スライドブッシュ1191に押し下げられて、折れ曲がりが元に戻ることで、弾性係止部1192が係止フック溝251に係合し、プッシュバレル10が
第1方向及び薇第2方向に動かないようロックされる。一方、使用者がプッシュバレル10を抜こうとするときは、スライドブッシュ1191を
第2方向にスライドさせ、弾性係止部1192との当接を解除する。つまり、弾性係止部1192は、外力がかからなければ、折れ曲がった状態に戻り、係止フック溝251から外れるため、プッシュバレル10を接続ベース20から外すことができる。
【0055】
図19、
図20及び
図21に示すように、第2の形態においては、第1接続部材119’が、外カバー115’と一体に成型されるとともに、該外カバー115’の内壁面から内側に突出して延びる2つのラッチ状フックであり、第2接続部材25’は、2つの係止フック溝251’を含む。その固定方法は、使用者が力を加えて、外カバー115’を
第1方向にして上部ケーシング211’をその中に押し込むと、ラッチ状フックの形状が上部ケーシング211’とわずかに異なっていることから、外カバー115’は、該ラッチ状フックが内側へ突出しているためにわずかに変形する。そして、外カバー115’を
第1方向に押圧し続けると、該2つのラッチ状フックが該2つの係止フック溝251’を通過するまで、該変形が維持され、2つのラッチ状フックが対応する2つの係止フック溝251’に係合する。それによって、外カバー115’の変形が元に戻り固定される。一方、使用者がプッシュバレル10’を抜こうとするときは、
第2方向に少し力を加えれば、2つのラッチ状フックを係止フック溝251’から外すことができる。
【0056】
図22、
図23及び
図24に示すように、第3の形態においては、第1接続部材119’’が2つのクリップフックであり、該2つのクリップフックは、前記外カバー115’’の相対する両側面にそれぞれ設けられ、該各クリップフックは、フック部と押圧部を有し、該フック部と押圧部との間に、互いに引っ張り合うための接続棒が設けられている。より詳細に述べると、使用者が前記押圧部を押圧すると、フック部が外カバー115’’から離間する方向に立ち上がり、第1の形態における弾性係止部のような広がった状態になる一方、第2接続部材25’’は、2つのかぎ状の柱であって、それぞれ前記接続ベース20’’に
第2方向に伸びるように形成され、該2つの第2接続部材25’’の位置は、前記第1接続部材119’’に対応している。この形態の固定方法は、使用者が、外カバー115’’を
第1方向に接続ベース20にかぶせると、前記2つの第1接続部材119’’が
第1方向に、対応する第2接続部材25’’と係合する。一方、使用者が抜こうとするときは、前記第1接続部材119’’の押圧部を押圧すれば、第1接続部材119’’を第2接続部材25’’から外すことができる。
【0057】
図1、
図5及び
図15に示すように、本実施形態1においては、前記接続ベース20の
接続ベース第1端部、より詳細に述べると、前記接続カバー21の台座212の
台座第1端部は、挿入針31及びバイアル係合部32を更に含み、該挿入針31は、該台座212の
台座第1端部から先端を
第1方向にして
第1方向へ延伸し、該挿入針31の内部が外部接続孔213と連通している。なお、本実施形態1においては、前記挿入針31が前記台座212の
台座第1端部と一体に該
台座第1端部に設けられることにより、外部接続孔213が該挿入針31を貫通して該挿入針31に形成されるとともに、前記2つの外部接続孔213と前記2本のリーマ針22の内部空間とが連通する。前記バイアル係合部32は、前記接続カバー21の
接続カバー第1端部を囲むように形成され、より詳細に述べると、上部ケーシング211の
上部ケーシング第1端部を囲むように形成されていると共に、接続カバー21
の接続カバー第1端部の周縁に離間して設けられ、且つ
第1方向に垂直に延びる、複数のバイアル係合部材321を含み、更に、該各バイアル係合部材321の
第1方向側
端部はそれぞれ、バイアル係合部材321の内面に形成されるバイアル係合フック322を含む。
【0058】
図6及び
図7は、以下に示すように、本発明の実施形態2であり、その本実施形態2は、実施形態1とほぼ同じであるが、本実施形態2においては、接続カバー21Aの
接続カバー第1端部に、前記挿入針31及びバイアル係合部32が設けられておらず、
第1方向に垂直に延びる、環状壁面である接続リング33Aが設けられており、該接続リング33Aの内壁面には雌ネジ331Aが設けられている。
【0059】
図8及び
図9は、以下に示すように、本発明の実施形態3であり、その本実施形態3は、実施形態1とほぼ同じであるが、本実施形態3においては、接続カバー21Bの
接続カバー第1端部に、前記挿入針31及びバイアル係合部32が設けられておらず、Y型管34Bが設けられており、該Y型管34Bの
第2方向側の2つの枝部341Bのうち1つの枝部341Bが、接続カバー21Bの
接続カバー第1端部に接続され、且つ外部接続孔213
Bと連通している。
【0060】
図10及び
図11は、以下に示すように、本発明の実施形態4であり、その本実施形態4は、実施形態1とほぼ同じであるが、本実施形態4においては、接続カバー21Cの
接続カバー第1端部に、前記挿入針31及びバイアル係合件32が設けられておらず、点滴接続器35Cが設けられていると共に、アダプタベース351C及び点滴接続管352Cを含み、該アダプタベース351Cの側壁面は、接続カバー21Cの
接続カバー第1端部に接続されるとともに、外部接続孔213Cと連通し、該点滴接続管352Cは、該アダプタベース351Cを貫通して接続ベース351Cに設けられ、該アダプタベース351Cの内部は、該点滴接続管352Cの内部と連通している。
【0061】
以下、本発明の実施方法について説明する。
【0062】
図4、
図5及び
図12に示すように、本発明の実施形態1において、前記接続ベース20は、バイアルからの薬液採取に対応した設計となっており、使用者は、まず採取しようとする薬液のバイアル91の
口部において、接続ベース20を、前記挿入針31が
第1方向を向くようにバイアル91の
口部の密封フィルムに刺入し、接続ベース20の内部とバイアル91の内部とを連通させる。このとき、バイアル係合部32が前記バイアル91の
口部周縁に固定されることから、接続ベース20を安定してバイアル91の
口部に設置することができる。
【0063】
図25、
図26及び
図27に示すように、使用者は、接続ベース20を
第1方向にしてバイアル91の
口部に位置させる前に、まず漏れ防止部材27のフィルム272をはがすが、前記フランジ273は該接続ベース20から突出しているため、使用者はフィルム272をはがしやすい。フィルム272をはがした後は、接着面271をバイアル91に合わせ、
第1方向に押圧すると、該接着面271が安定してバイアル91の縁に接続されることから、漏れ防止部材27の防水及び気密機能により、バイアル91内の薬液92が漏れ出すのを防ぐことができる。尚、前記フィルム272は、使用者が接続ベース20とバイアル91とをまだ接着させていないときに、誤って他の関係のないものに接着させてしまうのを防ぐためのものである。
【0064】
図1、
図12及び
図15に示すように、接続ベース20を固定した後、使用者は、外カバー115と接続ベース20の方向を合わせて、プッシュバレル10を接続ベース20に接続させる。尚、本発明においては、前記2本のリーマ針22をそれぞれ、外筒11の吸気管112と、内筒12の薬液吸入管123に挿入する必要があり、方向が特定されていることから、前記外カバー115のミス防止溝116及び接続カバー21のミス防止突起215によって、使用者がプッシュバレル10を誤って逆向きに接続ベース20に挿入するのを防ぐことができる。
【0065】
図12及び
図15に示すように、プッシュバレル10を挿入する過程においては、まず、前記吸気管112及び薬液吸入管123が、接続カバー21の
接続カバー第2端部のアダプタ孔214を経由して、接続カバー21の内部に入るとともに、
第1方向に弾性弁24と当接する。そして、吸気管112及び薬液吸入管123が
第1方向に徐々に押圧されると、弾性弁24がそれに伴ってゆっくりと圧縮され、それによってリーマ針22が、対応する弾性弁24の2つの切り込み241に刺入され、続いて2つのゴム栓114、124にも刺入されて、それぞれ吸気管112及び薬液吸入管123の内部に入る。
【0066】
図13に示すように、プッシュバレル10と接続ベース20を接続した後、使用者は、本発明とそれに接続されたバイアル91を逆さにして、プッシュロッド14をゆっくりとバイアル91と反対の方向に引く。このとき、プッシュロッド14を引くたびに、プッシュロッド14のピストン部142によって、ピストン部142と内筒12の側
内筒第1端部との間の体積が増加し、それに対して、ピストン部142と気密蓋13との間の体積が減少する。この増減によって、もともとピストン部142と気密蓋13との間にあった空気が、空気孔122を経由して外筒11と内筒12との間の空間、更にはバイアル91内に進入し、バイアル91内の薬液92が、この余分な空気の圧力によって、挿入針31を通過して
第2方向に本発明の密閉システム調剤投薬装置に流入する。
【0067】
更に、薬液92が流入すると、バイアル91内の空気又は薬液92自体が揮発することにより発生したガスは、本発明の密閉システム調剤投薬装置が逆さになっていることから、薬液92の
第1方向側に浮上するため、
第2方向に移動してプッシュバレル10内に入ることがなく、且つ前記吸気管112を経由してバイアル91に入った空気と混合される。また、薬液92と、混合されたガスとをより完全に分離するために、前記止水部材23が設けられた前記リーマ針22を通過する際に、止水部材23によって薬液92を通過できないようにし、ガスのみを通過させる。更に、このガスだけが通過するリーマ針22は、外筒11の吸気管112と連通しているため、ガスがプッシュバレル10内に入っても、吸気管112に進入することで、外筒11と内筒12との間の内部空間に沿って、気密蓋13の方向に向かって連続的に流れ、その後、該内筒12に設けられた空気孔122を通過して、ピストン部142と気密蓋13との間の空間に流入する。
【0068】
同時に、薬液92は、もう1本のリーマ針22を通過して内筒12の薬液吸入管123に進入するとともに、内筒12の内部に進入するため、薬液採取時に気液分離することができる。
【0069】
図14に示すように、薬液の採取が完了すると、本発明のプッシュバレル10を接続ベース20から引き抜くが、前記2本のリーマ針22が、貫通していた切り込み117、125から抜かれる瞬間に、ゴム栓114、124がそれぞれ閉止状態に戻る。従って、プッシュバレル10内の薬液92及びガスはいずれも、薬液採取の過程で偶発的に流出することがなく、同時に、薬液92を流通させる前記リーマ針22を引き抜く際に、前記第2開口222は、負圧の原理により該リーマ針22の側壁及び弾性弁24に残留する薬液92を、弾性弁24の内部空間に十分に吸い戻すことにより、本発明の薬液採取における密封性を高めることができる。
また、前記2つの第一開口221の構造は、第2開口222と同じであって、位置のみが異なるため、プッシュバレル10を引き抜く際、残留している薬液92は、第2開口222を通過した後、第1開口221を通過するときに、第1開口221によって更に吸い戻されるので、残留薬液を十分に吸い戻すことができる。
【0070】
図6及び
図7に示すように、本発明の実施形態2において、前記接続ベース20Aは、薬液の採取が完了したプッシュバレル10Aに用いるものであり、該接続ベース20Aを介して、上記の使用ステップとは逆方向に患者に薬液を注入し、
接続ベース第1端部の接続リング33Aは、ネジの螺合によって、対応する輸液管に迅速に接続される。更に、本実施形態2は、薬液を患者の体内に注射するステップに関するものであるため、もともと止水部品が配置されていた位置に、空気が患者の体内に注入されないように、空気が本発明から注射の方向へ流出するのを阻止することができる逆止弁26Aが配置されている。
【0071】
図8及び
図9に示すように、本発明の第3の実施形態において、接続ベース20Bの
接続ベース第1端部は、Y型管34Bのうちの一方の枝部341Bと連通し、もう一方の枝部341Bは、別途点滴に接続することができるとともに、該2つの枝部341Bの
第1方向側
端部は、1つの管に合流し、患者の体内に点滴液を送る。そのため、使用者は、本実施形態3の接続ベース20Bを介して、注射しようとする薬物を点滴液とともに患者に送ることができる。また、実施形態2と同様に、本実施形態3も、薬液を患者の体内に注射するプロセスに関わるものであるため、止水部材が設けられていた位置に、空気が本発明から注射方向へ流出するのを阻止して、空気が患者の体内に流入しないようにすることができる逆止弁26Bが、替わりに設けられている。
【0072】
図10及び
図11に示すように、本発明の実施形態4は、実施形態3と、点滴に適合した設計である点において同様であるが、本実施形態4の点滴接続管352Cは、バイアル又は薬液バッグと直接に連通するとともに、アダプタベース351Cの一端に本発明のプッシュバレルが接続され、本発明内の薬液と、薬液バイアル又は薬液バッグ内の薬液とを十分に混合した後、滴下によって患者に注入する。すなわち、実施形態3では、点滴バッグの滴下と同時に添加しようとする薬液を注入し、実施形態4では、注入しようとする薬液と他のバイアル又は薬液バッグの薬液とを混合した後に、点滴液として患者に注入する。尚、本実施形態4も、患者に薬液を注入する過程に関するものであるため、止水部材を逆止弁26Cに交換することもできる。
【0073】
本発明は、挿入、薬液採取及び抜き取りの過程において、危険性のある針先が全く外に出ないため、安全性が非常に高く、また、薬液及びガスの流動は、全て接続ベース20の接続カバー21の内部で行われ、プッシュバレル10を引き抜くと、プッシュバレル10及び接続ベース20が密閉状態に戻ることから、薬液の採取においても非常に高い密封性が保たれるので、医療スタッフが薬物によって汚染される可能性を回避することができる。更に、本発明は、挿入と引き抜きを容易且つ迅速に行うことができ、本発明の使用効率を向上させることができる。以上のように、本発明は、薬物を採取する構造において、その安全性と使いやすさ、及び利便性を兼ね備えた設計となっている。
【0074】
以上の説明は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明に対して何ら形式上の限定を行うものではない。本発明は好ましい実施形態によって上記のように開示されているが、それは本発明を限定するためのものではなく、すべての当業者が、本発明の技術構想を逸脱しない範囲において、上記に開示する技術内容を用いて変更及び修飾を行った等価の実施形態で、且つ本発明の技術構想の内容を逸脱しないものは、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施形態に対して行われたいかなる簡単な修正、等価の変更及び修飾も、依然としてすべて本発明の技術構想の範囲内にある。