【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用  (1)FileMaker  カンファレンス  2019,当日の案内状の写し  (2)FileMaker  カンファレンス  2019,2019年11月6日,発表のスライド該当部分の写し
    (58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
  図1は、本発明の第1実施形態に係るマニュアル表示装置を説明するための図である。
  このマニュアル表示装置は、パイロットが使用するものとして説明するが、本発明のマニュアル表示装置は、パイロットが使用するものに限定されるものではない。
  第1の軸(横軸)には、航空機の運航段階が時間の流れに沿って表示されている。
  航空機の運航段階として、例えば、フライト前の「Pre−flight」、地上走行時の「Taxi」、および、フライト後の「Post−flight」が表示されている。
  第2の軸(縦軸)には、マニュアルの重要度が表示されている。
  一番上の「Policy」が最も重要であり、順番に、「Rule」、「Procedure」、「Definition」、「Background」および「Information」が表示されている。
 
【0014】
  ユーザ(本実施形態ではパイロット)が所定のキーワードをテキスト入力すると、この所定のキーワードを含むマニュアルが並べ替えられて表示される。
  例えば、パイロットが使用する全マニュアルが、マニュアルA〜Zまでの26個であると仮定すると、そのうち所定のキーワードを含む15個のマニュアルが表示される。
  さらにその15個のマニュアルは、第1の軸および第2の軸に従って並べ替えられて表示される。
  例えば、マニュアルQは、第1の軸が「Pre−flight」であり、第2の軸が「Policy」である位置に表示される。これは、マニュアルQが、「Pre−flight」の段階に使用されるものであり、重要度が「Policy」であることを意味する。
 
【0015】
  このように、使用される段階に従ってマニュアルを並べ替えて表示することにより、ユーザは、所定の段階で必要なマニュアルを漏れなく確認することができる。特にパイロットがマニュアルを参照する際には、パイロットの業務に関するマニュアルが時系列に従って並べられていることにより、所望のマニュアルを容易に参照することができる。
  また、マニュアルを重要度に従って並べ替えて表示することにより、複数のマニュアルのうち重要度の高いマニュアルを確実に確認することができる。
  図示例では、「Pre−flight」から「Post−flight」までの全段階において、重要度が高い「Policy」、「Rule」および「Procedure」のマニュアルを枠で囲むことにより、ユーザは、知っておくべき最低限のマニュアルを視覚的に理解することができる。
  なお、本実施形態では、マニュアル自体を並べ替えて表示しているが、マニュアル内の見出し(チャプター、セクション、パート等)を並べ替えて表示することもできる。
  また、マニュアルは、テキスト(文字)だけでなく、画像、動画および音声を含んでもよい。
 
【0016】
  図2は、本発明の第2実施形態に係るマニュアル表示装置を説明するための図である。
  第1の軸(横軸)には、航空機の運航段階が時間の流れに沿って表示されている。
  左から順に、第1の段階として「PREF(Pre−flight)」、第2の段階として「TX(Taxi)」、第3の段階として「TO(Take  Off)」、第4の段階として「CLB(Climb)」、第5の段階として「CRZ(Cruise)」、第6の段階として「DES(Descend)」、第7の段階として「APP(Approach)」、第8の段階として「LDG(Landing)」、第9の段階として「POSTF(Post−flight)」が表示されている。
  第2の軸(縦軸)には、マニュアルの種類が表示されている。
  上から順に、運航のための基準に関するマニュアル、飛行経路に関するマニュアル、および、航空機に関するマニュアルの3種類が表示されている。ただし、マニュアルの種類の数は任意である。
 
【0017】
  ユーザ(本実施形態ではパイロット)が所定のキーワードをテキスト入力すると、
図2(a)に示すように、この所定のキーワードを含むマニュアルには、「〇」が表示される。例えば、運航のための基準に関するマニュアルは、「PREF」、「TO」、「CLB」、「DES」、「LDG」および「POSTF」の6段階において、所定のキーワードを含むことが分かる。
  次に、
図2(b)に示すように、ユーザが、第1の軸から「APP」を選択し、第2の軸から「航空機」を選択すると、該当するマニュアルには、「●」が表示される。
  図示を省略するが、ユーザが、「●」を選択すると、「APP」の段階の「航空機」に関するマニュアルが表示されてもよい。
  なお、表のマス目は、各マニュアルを表してもよいし、マニュアルの見出し(チャプター、セクション、パート等)を表してもよい。
 
【0018】
  図3は、本発明の第3実施形態に係るマニュアル表示装置の画面を示す図である。
  このマニュアル表示装置は、例えばタブレット端末である。
  
図3(a)に示すように、第1の軸(縦軸)には、航空機の運航段階が時間の流れに沿って表示されている。
  第1の軸の一番上にはすべての段階を示す「ALL」が表示され、以下、航空機の運航の第1の段階として「GND  PRE(Ground  Preparation)」、第2の段階として「TO(Take  Off)」、第3の段階として「CLB(Climb)」、第4の段階として「CRZ(Cruise)」、第5の段階として「DES(Descend)」、第6の段階として「APP(Approach)」、第7の段階として「LDG(Landing)」、第8の段階として「GND  POST(Ground  Post)」が表示されている。なお、第1の軸の一番下には、悪天候を示す「ADV  WX(Adverse  Weather)」が表示されている。
  第2の軸(横軸)には、マニュアルの重要度が表示されている。
  一番左にはすべてのマニュアルを意味する「ALL」が表示され、以下、1番重要な「PLCY(Policy)」、2番目に重要な「RULE(Rule)」、3番目に重要な「PROC(Procedure)」、4番目に重要な「DEFNTN(Definition)」、5番目に重要な「BCKGND(Background)」、6番目に重要な「INFO(Information)」が表示されている。
 
【0019】
  図3(b)に示すように、ユーザ(本実施形態ではパイロット)が第1の軸の第1の段階の「GND  PRE」にタッチすると、この第1の段階におけるタグとして、「Dispatch  duties」、「Provide  flight  crew  and  cabin  crew  briefing」、「Pre−flight  checks  and  cockpit  preparation」、「Engine  start」、「Taxi」が表示される。
  なお、後述するように、マニュアル内の見出し(チャプター、セクション、パート等)は、タグ付けされている。
 
【0020】
  図3(c)に示すように、ユーザが「Engine  start」にタッチすると、「Engine  start」に関するすべてのマニュアルの一覧が表示される。
 
【0021】
  図3(d)に示すように、ユーザが第2の軸の「RULE」および「PROC」にタッチすると、「Engine  start」に関するマニュアルのうち、重要度が2番目の「RULE」および重要度が3番目の「PROC」に関するマニュアルが表示される。
 
【0022】
  このように、航空機の運航段階のうちの第1の段階の「GND  PRE」におけるタグ「Engine  start」に関して、所望の重要度のマニュアルのみが表示されるため、ユーザは知りたい情報に迅速かつ確実に到達することができる。
  なお、本実施形態では、ユーザは、所定のキーワードをテキスト入力する必要がない。
 
【0023】
  図4は、マニュアル内の見出しのタグ付けを説明するための図である。
  
図4(a)に示すように、マニュアルAのセクション1−3「Engine  Start」に「Engine  start」というタグを付ける。同時に、このセクションに重要度「Rule」も付ける。
  同様に、マニュアルBのセクション8−2「Engine  Start」に「Engine  start」というタグおよび重要度「Procedure」を付ける。
  同様に、マニュアルCのセクション3−1「Engine  Start」に「Engine  start」というタグおよび重要度「Back  Ground」を付け、セクション3−2「エンジン始動時」に「Engine  start」というタグおよび重要度「Back  Ground」を付ける。
  同様に、マニュアルDのパートA−1「エンジンの特性」に「Engine  start」というタグおよび重要度「Information」を付け、パートA−2「発動機について」に「Engine  start」というタグおよび重要度「Information」を付け、パートA−3「エンジンOIL表示」に「Engine  start」というタグおよび重要度「Information」を付ける。
 
【0024】
  マニュアルのセクションまたはパートにタグ付けしたことにより、
図4(b)に示すように、「Engine  start」というタグ(検索語)に対して、
  マニュアルAのセクション1−3「Engine  Start」
  マニュアルBのセクション8−2「Engine  Start」
  マニュアルCのセクション3−1「Engine  Start」
  マニュアルCのセクション3−2「エンジン始動時」
  マニュアルDのパートA−1「エンジンの特性」
  マニュアルDのパートA−2「発動機について」
  マニュアルDのパートA−3「エンジンOIL表示」
が検索される。
  このように、「エンジン」、「Engine」および「発動機」という用語を含む文章(本実施形態ではセクションまたはパート等の見出し)に「Engine  start」というタグ付けを行うことにより、ユーザは所望の情報を漏れなく取得することができる。
  上述したように、従来は、「エンジン」という用語を検索する際に、語句が完全には一致しない「Engine」や「発動機」がヒットしないという問題があったが、本発明では、マニュアル内の用語または文章にあらかじめタグ付けを行うことにより当該問題を解決することができる。
  なお、タグ付けの単位は、マニュアル内のチャプター(章)、セクション(節)、パート(部)等任意に設定することができる。
  また、タグ付けは手動で行われてもよいし、所定のアルゴリズムにより自動で行われてもよい。
 
【0025】
  図4(c)は、
図4(b)の状態から、「Rule」および「Procedure」という重要度を検索語として追加して検索した結果を示す。
  これにより、さらに検索内容を絞り込むことができ、ユーザは必要な情報のみを取得することができる。
 
【0026】
  上述した実施形態では、第1の軸および第2の軸という2つの軸に従って、すなわち2次元で、マニュアルまたはマニュアル内の見出しを並べ替えて表示させたが、さらなる軸を加えることもできる。
  例えば、第1の軸が時間の流れであり、第2の軸がマニュアルの重要度であり、第3の軸が天気であり、3次元でマニュアルまたはマニュアル内の見出しを並べ替えて表示することもできる。さらに、第4の軸が空港の場所であり、第5の軸が着陸の際の進入方式である、とすることもできる。
  また、第1の軸は時間の流れに限定されるものではなく、第2の軸もマニュアルの重要度に限定されるものではない。例えば、第1の軸が天気であり、第2の軸が空港の場所である、とすることもできる。
  また、上述した実施形態では、マニュアルは、パイロットが航空機を運行する際に使用するものとして説明したが、キャビンアテンダント(CA)が使用することもできるし、航空機以外、鉄道や船舶を運行する際に使用することもできるし、工場の生産ラインにおいて使用することもできる。
 
【0027】
  図5は、本発明の第3実施形態に係るマニュアル表示装置のその他の画面を示す図である。
  
図5(a)は、オペレーション・マニュアルの一覧を示す。図示例では、6個のマニュアルが表示されているが、マニュアルの数は任意である。6個のマニュアルのうち、改定があった2個のマニュアルに関して、右側に時計マークが表示されている。
  ここで、ユーザが一番上に表示されている「Operations  Manual  Part1」を選択すると、
図5(b)に示すように、「Operations  Manual  Part1」のうち、改定があったセクション一覧が表示される。
  次に、ユーザが一番上に表示されている「1.1.8  Aerodocs導入によりXXXXX」を選択すると、
図5(c)に示すように、新旧対照表が表示される。すなわち、左に示す改定前の旧マニュアルでは存在していなかった「このマニュアルの保有者は、変更に伴う差し替えを・・・」という文章が、右に示す改定後の新マニュアルにおいて挿入されていることが分かる。
  なお、見やすくするために変更箇所に適宜色付けをすることもできる。
  このように、改定があったマニュアルの新旧対照表が表示されることにより、ユーザは、改定箇所を容易に見つけることができ、さらに、改定箇所への理解を深めることができる。
  本実施形態では、オペレーション・マニュアルのうちの改定があったセクション一覧が表示されているが、すべてのマニュアルのうち改定があったマニュアル一覧を表示することもできる。また、期間を設定してその期間に行われた改定の一覧を表示することもできる。これにより、例えば、1か月業務を離れていたユーザが、その1か月間のマニュアル改定を確実かつ容易に確認することができる。
 
【0028】
  図6は、本発明の第4実施形態に係るマニュアル表示装置の画面を示す図である。
  
図6(a)の背景(グレーの部分)に示すように、第1の軸(縦軸)には、
図3(a)と同様に、航空機の運航段階が時間の流れに沿って表示されている。
  ただし、
図3(a)では「GND  PRE」が表示されていたが、
図6(a)では「Show  Up」、「DISP」、「Pre  FLT」、「Taxi  Out」、「GTB」が表示されている。このように、第1の軸の項目は、
図3(a)と
図6(a)とでは一部異なるが、第1の軸の項目は任意である。
 
【0029】
  ユーザが、第1の軸の「APP」ボタンを押すことにより、航空機の運航段階を指定した上で、画面右側上部にある「SelectTag」ボタンを押すと、
図6(a)の前面画像が表示される。
  この前面画像には、上部に、タグ付けされた用語「Aircraft」、「AREA」、「CREW」、「Documnets」、「Environment」、「Operation」、「SAFETY」、「Adverse  Weather」、「Airport」、「Weather」のボタンが表示されている。
  ここで、ユーザが、「Environment」ボタンを押すことにより、15個の項目が表示され、さらに、「Cross  Wind」ボタンを押し、押し、さらに画面右上部の「Search」を押すことにより、
図6(b)に示すようなマニュアル一覧が表示される。
  
図6(b)のマニュアル一覧は、航空機の運航段階のうちの「APP(Approach)」における「Cross  Wind」に関するマニュアルが網羅しているため、ユーザは、所定の段階で必要なマニュアルを漏れなく確認することができる。
 
【0030】
  なお、この実施形態では、「SelectTag」ボタンを押す代わりに、「Free  Word」を選択し、ユーザが所定のキーワードをテキスト入力することもできる。
 
【0031】
  図7は、本発明のマニュアル表示装置の構成を示す図である。
  本発明のマニュアル表示装置は、ノートパソコンやタブレット端末等のコンピュータにより実現される。コンピュータ10は、プログラムに基づいて動作するCPU等の演算処理部11と、プログラムおよびマニュアルを記憶する半導体メモリ等の記憶部12と、ネットワークインタフェース等の通信部13と、ユーザ入力を受け付け、マニュアルを表示するタッチパネル等の入出力部14と、を有する。
 
【0032】
  図8は、本発明のマニュアル表示方法を示すフローチャートである。
  ステップS1において、マニュアル表示装置の記憶部12が、あらかじめタグ付けされた用語または文章を含むマニュアルを記憶する。
  ステップS2において、マニュアル表示装置の演算処理部11が、あらかじめタグ付けされた用語または文章を、少なくとも2つの軸に従って並べ替える。
  ステップS3において、マニュアル表示装置の入出力部14が、並べ替えられた用語または文章を表示する。
 
 
【課題】語句が完全には一致しない用語も検索され、さらに、少なくとも2つの条件で絞り込みを行うことにより、所望の情報に迅速かつ容易に到達できるマニュアル表示装置およびマニュアル表示方法を提供する。
【解決手段】マニュアル表示装置では、マニュアル内の用語または文章は、あらかじめタグ付けされ、少なくとも1つの軸に従って並べ替えられて表示される。第1の軸は、マニュアルが使用される航空機の運航段階の時間の流れを示し、第2の軸は、マニュアルの重要度を示し、マニュアルは、パイロットにより使用される。